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特許7516977伝送路統合装置、放送システムおよび伝送路統合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】伝送路統合装置、放送システムおよび伝送路統合方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/647 20110101AFI20240709BHJP
【FI】
H04N21/647
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020140674
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036459
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】山田 正寿
(72)【発明者】
【氏名】浅井 真二
(72)【発明者】
【氏名】海野 光晴
(72)【発明者】
【氏名】村角 賢三
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-020130(JP,A)
【文献】特開2007-181121(JP,A)
【文献】特開2010-068375(JP,A)
【文献】特開2018-121214(JP,A)
【文献】特開2019-062313(JP,A)
【文献】特開2019-129454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、前記地点ごとに独立したシーケンス番号が付与され、かつ互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された各前記IPパケット同士を照合する照合部と、
前記照合部の照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを出力する補充選択部と、
前記補充選択部から受けた前記ストリームを所定のフォーマットで送信する送信部とを備える、伝送路統合装置。
【請求項2】
異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された各前記IPパケット同士を照合する照合部と、
前記照合部の照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを出力する補充選択部と、
前記補充選択部から受けた前記ストリームを所定のフォーマットで送信する送信部と、
前記IPパケットに含まれるシーケンス番号を加減算することにより前記IPパケットのシーケンス番号を更新する番号更新部を備える、伝送路統合装置。
【請求項3】
異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された各前記IPパケット同士を照合する照合部と、
前記照合部の照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを出力する補充選択部と、
前記補充選択部から受けた前記ストリームを所定のフォーマットで送信する送信部とを備え、
前記補充選択部は、いずれか1つの前記伝送経路を経た前記IPパケットを優先的に選択する動作、および動的に前記伝送経路を選択する動作の少なくともいずれか一方を行うことが可能である、伝送路統合装置。
【請求項4】
異なる地点にそれぞれ設けられ、同じ放送波を受信し、受信した前記放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットを同じルールに従って生成し、前記地点ごとに独立したシーケンス番号を前記IPパケットに付与し、前記シーケンス番号が付与された前記IPパケットを送信する複数のIP再送信装置と、
前記複数のIP再送信装置から送信され、かつ互いに異なる伝送経路を経た各前記IPパケットを受信し、受信した各前記IPパケット同士を照合し、照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成し、構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信する伝送路統合装置とを備える、放送システム。
【請求項5】
異なる地点にそれぞれ設けられ、同じ放送波を受信し、受信した前記放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットを同じルールに従って生成し、生成した前記IPパケットを送信する複数のIP再送信装置と、
前記複数のIP再送信装置から送信され、かつ互いに異なる伝送経路を経た各前記IPパケットを受信し、受信した各前記IPパケット同士を照合し、照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成し、構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信する伝送路統合装置とを備え、
前記伝送路統合装置は、前記IPパケットに含まれるシーケンス番号を加減算することにより前記IPパケットのシーケンス番号を更新する、放送システム。
【請求項6】
異なる地点にそれぞれ設けられ、同じ放送波を受信し、受信した前記放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットを同じルールに従って生成し、生成した前記IPパケットを送信する複数のIP再送信装置と、
前記複数のIP再送信装置から送信され、かつ互いに異なる伝送経路を経た各前記IPパケットを受信し、受信した各前記IPパケット同士を照合し、照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成し、構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信する伝送路統合装置とを備え、
前記伝送路統合装置は、いずれか1つの前記伝送経路を経た前記IPパケットを優先的に選択する動作、および動的に前記伝送経路を選択する動作の少なくともいずれか一方を行うことが可能である、放送システム。
【請求項7】
異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、前記地点ごとに独立したシーケンス番号が付与され、かつ互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信するステップと、
受信した各前記IPパケット同士を照合するステップと、
照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成するステップと、
構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信するステップとを含む、伝送路統合方法。
【請求項8】
異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信するステップと、
受信した各前記IPパケット同士を照合するステップと、
照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成するステップと、
構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信するステップと、
前記IPパケットに含まれるシーケンス番号を加減算することにより前記IPパケットのシーケンス番号を更新するステップとを含む、伝送路統合方法。
【請求項9】
異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信するステップと、
受信した各前記IPパケット同士を照合するステップと、
照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成するステップと、
構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信するステップとを含み、
前記ストリームを構成するステップにおいては、いずれか1つの前記伝送経路を経た前記IPパケットを優先的に選択する動作、および動的に前記伝送経路を選択する動作の少なくともいずれか一方を行う、伝送路統合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、伝送路統合装置、放送システムおよび伝送路統合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MMTP(MPEG Media Transport Protocol)パケットを用いてコンテンツを伝送する技術が開発されている。
【0003】
たとえば、ARIB STD-B32 3.4版、“デジタル放送における映像符号化、音声符号化及び多重化方式”、一般社団法人 電波産業会、2015年9月30日(非特許文献1)には、MMT方式を用いる放送システムが開示されている。
【0004】
この放送システムでは、音声情報および映像情報等の番組の情報を含むMMTパケットは、IPパケットのペイロードに格納される。IPパケットは、TLV(Type Length Value)パケットのペイロードに格納される。
【0005】
また、特開2013-175949号公報(特許文献1)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、TS(Transport Stream)パケットを割り当てる複数のパケット配置用スロットとヘッダ情報用の1つのスロットからなるフレームにて可変長パケットを多重伝送する送信装置であって、伝送するTSパケットと同サイズのパケット長の第3のパケットを生成し、伝送する可変長パケットを分割して各分割された当該可変長パケットのデータを前記第3のパケットに順次割り当てる可変長パケット分割部と、予め定められた複数のパケット配置用スロットを有するフレームにて前記TSパケット及び前記第3のパケットを伝送するために、前記TSパケット及び前記第3のパケットに関するフレーム中の相対的な配列位置を示すための配列位置情報と前記可変長パケットの先頭位置を示すための先頭位置情報とを含む多重フレームヘッダ情報を生成する多重フレームヘッダ生成部と、1つのフレームに1つの前記多重フレームヘッダ情報のスロットを配置し、前記TSパケット及び前記第3のパケットを当該1つのフレームのパケット配置用スロットごとに配列して多重化し、複数TS多重フレームとして構成する多重化部と、前記複数TS多重フレームの多重化信号を外部に送信する送信部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-175949号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】ARIB STD-B32 3.4版、“デジタル放送における映像符号化、音声符号化及び多重化方式”、一般社団法人 電波産業会、2015年9月30日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の技術では、放送波の受信環境の影響等により、TSパケットにロスが生じた状態でフレームが送信されてしまう場合がある。番組の情報を含む放送波を受信して他の装置へ再送信する放送再送信システムにおいて、放送波の受信環境に関する耐性を向上しながら安定した情報伝送を実現することが可能な技術が望まれる。
【0009】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、番組の情報を含む放送波を受信して他の装置へ再送信する放送再送信システムにおいて、放送波の受信環境に関する耐性を向上しながら安定した情報伝送を実現することが可能な伝送路統合装置、放送システムおよび伝送路統合方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の伝送路統合装置は、異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信する受信部と、前記受信部によって受信された各前記IPパケット同士を照合する照合部と、前記照合部の照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを出力する補充選択部と、前記補充選択部から受けた前記ストリームを所定のフォーマットで送信する送信部とを備える。
【0011】
本開示の放送システムは、異なる地点にそれぞれ設けられ、同じ放送波を受信し、受信した前記放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットを同じルールに従って生成し、生成した前記IPパケットを送信する複数のIP再送信装置と、前記複数のIP再送信装置から送信され、かつ互いに異なる伝送経路を経た各前記IPパケットを受信し、受信した各前記IPパケット同士を照合し、照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成し、構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信する伝送路統合装置とを備える。
【0012】
本開示の伝送路統合方法は、異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信するステップと、受信した各前記IPパケット同士を照合するステップと、照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成するステップと、構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信するステップとを含む。
【0013】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理部を備える伝送路統合装置として実現され得るだけでなく、伝送路統合装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、伝送路統合装置における処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得たり、放送システムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、放送システムにおける処理をステップとする方法として実現され得たり、放送システムにおける処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、番組の情報を含む放送波を受信して他の装置へ再送信する放送再送信システムにおいて、放送波の受信環境に関する耐性を向上しながら安定した情報伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本開示の実施の形態に係る放送システムの構成の比較例を示す図である。
図2図2は、本開示の実施の形態に係る放送システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の構成を示す図である。
図4図4は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の受信部が受信するIPパケットの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の照合部による検知処理の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の番号更新部による更新処理の一例を示す図である。
図7図7は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の照合部による確認処理および番号更新部による更新処理の一例を示す図である。
図8図8は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の照合部による確認処理および番号更新部による更新処理の他の例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の照合部による確認処理および番号更新部による更新処理の他の例を示す図である。
図10図10は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の補充選択部による出力処理の一例を示す図である。
図11図11は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置がストリームの送信を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図12図12は、本開示の実施の形態に係る放送システムにおける処理のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0017】
(1)本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置は、異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信する受信部と、前記受信部によって受信された各前記IPパケット同士を照合する照合部と、前記照合部の照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを出力する補充選択部と、前記補充選択部から受けた前記ストリームを所定のフォーマットで送信する送信部とを備える。
【0018】
このように、異なる地点において受信された同じ放送波に基づく異なる伝送経路を経たIPパケット同士を照合し、互いに補って送信する構成により、放送波の受信環境についての冗長構成を実現するとともに、同じルールに従ってパケット化された各伝送経路からのIPパケットを用いることにより、たとえば、送信用のストリームの欠落の防止に寄与することができる。したがって、番組の情報を含む放送波を受信して他の装置へ再送信する放送再送信システムにおいて、放送波の受信環境に関する耐性を向上しながら安定した情報伝送を実現することができる。
【0019】
(2)好ましくは、前記照合部は、各前記伝送経路を経た前記IPパケット同士のペイロードの照合、および前記IPパケットに含まれるシーケンス番号の確認を行う。
【0020】
このような構成により、簡易な処理で、たとえば、各伝送経路を経たIPパケットの一致を判定し、各伝送経路を経たIPパケット間のシーケンス番号のずれを把握し、かつ一致を確認した後のIPパケットの連続性を監視することができる。
【0021】
(3)より好ましくは、前記照合部は、前記伝送経路を経た前記IPパケットの到来が途絶した場合、前記シーケンス番号の確認状態をリセットし、前記到来が再開した場合、前記シーケンス番号の確認を初期状態から開始する。
【0022】
このような構成により、伝送経路において異常が生じた状況および正常に戻った状況に応じてシーケンス番号の確認処理を適切に行うことができる。
【0023】
(4)好ましくは、前記伝送路統合装置は、さらに、前記IPパケットに含まれるシーケンス番号を加減算することにより前記IPパケットのシーケンス番号を更新する番号更新部を備える。
【0024】
このような構成により、IPパケットに含まれるシーケンス番号を、各伝送経路からのIPパケットの到来タイミングの相違を吸収したシーケンス番号で更新することができるため、付与したシーケンス番号を用いてIPパケットの補完を簡易な処理で行うことができる。
【0025】
(5)好ましくは、前記補充選択部は、いずれか1つの前記伝送経路を経た前記IPパケットを優先的に選択する動作、および動的に前記伝送経路を選択する動作の少なくともいずれか一方を行うことが可能である。
【0026】
このような構成により、各伝送経路を経たIPパケットの到来状況に応じて伝送経路を適切に選択し、IPパケットの補完を行うことができる。
【0027】
(6)本開示の実施の形態に係る放送システムは、異なる地点にそれぞれ設けられ、同じ放送波を受信し、受信した前記放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットを同じルールに従って生成し、生成した前記IPパケットを送信する複数のIP再送信装置と、前記複数のIP再送信装置から送信され、かつ互いに異なる伝送経路を経た各前記IPパケットを受信し、受信した各前記IPパケット同士を照合し、照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成し、構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信する伝送路統合装置とを備える。
【0028】
このように、異なる地点において受信された同じ放送波に基づく異なる伝送経路を経たIPパケット同士を照合し、互いに補って送信する構成により、放送波の受信環境についての冗長構成を実現するとともに、同じルールに従ってパケット化された各伝送経路からのIPパケットを用いることにより、たとえば、送信用のストリームの欠落の防止に寄与することができる。したがって、番組の情報を含む放送波を受信して他の装置へ再送信する放送再送信システムにおいて、放送波の受信環境に関する耐性を向上しながら安定した情報伝送を実現することができる。
【0029】
(7)本開示の実施の形態に係る伝送路統合方法は、異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信するステップと、受信した各前記IPパケット同士を照合するステップと、照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成するステップと、構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信するステップとを含む。
【0030】
このように、異なる地点において受信された同じ放送波に基づく異なる伝送経路を経たIPパケット同士を照合し、互いに補って送信する方法により、放送波の受信環境についての冗長構成を実現するとともに、同じルールに従ってパケット化された各伝送経路からのIPパケットを用いることにより、たとえば、送信用のストリームの欠落の防止に寄与することができる。したがって、番組の情報を含む放送波を受信して他の装置へ再送信する放送再送信システムにおいて、放送波の受信環境に関する耐性を向上しながら安定した情報伝送を実現することができる。
【0031】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0032】
[構成および基本動作]
図1は、本開示の実施の形態に係る放送システムの構成の比較例を示す図である。
【0033】
図1を参照して、放送システム301は、IP再送信装置201と、番組配信装置202とを備える。
【0034】
IP再送信装置201およびルータ121は、たとえば、IPTVセンター251に設けられる。
【0035】
番組配信装置202およびルータ122は、たとえば、IPTVセンター251から離れた地域に建てられた伝送センター252に設けられる。
【0036】
ONU(Optical Network Unit)123、STB(Set Top Box)131およびTVモニタ133は、加入者宅152に設けられる。STB131は、IP放送受信装置203を含む。
【0037】
STB132およびTVモニタ133は、加入者宅153に設けられる。STB134は、ケーブルテレビ放送受信装置204を含む。
【0038】
IP再送信装置201には、たとえば、外部アンテナ81が接続されている。IP再送信装置201は、たとえばストリームを含む放送波を受信する。
【0039】
ストリームは、番組の情報等を含む。番組の情報は、たとえば、音声情報、映像情報、EPG(Electronic Program Guide)情報、SI情報(Service Information)および字幕情報等を含む。
【0040】
音声情報および映像情報は、たとえば、所定の方式に従って、圧縮および暗号化が施されている。
【0041】
IP再送信装置201は、たとえば、放送局からのストリームを中継するための、図示しない高度広帯域衛星デジタル放送用の放送衛星から送信された放送波を外部アンテナ81経由で受信する。
【0042】
なお、IP再送信装置201は、たとえば、電波塔から送信された放送波を外部アンテナ81経由で受信してもよい。
【0043】
たとえば、放送波は、TMCC(Transmission and Multiplexing Configulation Control)情報、AC(Auxiliary Channel)情報およびTSパケットを含む。
【0044】
TSパケットは、たとえば、1080i、720pまたは480p等の規格に従う、HDTV(High Definition Television)またはSDTV(Standard Definition Television)等の送信に用いられることが多い。なお、TSパケットは、4K UHDTV(Ultra High Definition Television)または8K UHDTV等の送信に用いられることもある。
【0045】
IP再送信装置201は、受信した放送波から番組の情報を取得し、取得した番組の情報をIPパケットに格納する。そして、IP再送信装置201は、番組の情報を含むIPパケットを各加入者宅152および番組配信装置202へ送信する。
【0046】
より詳細には、IP再送信装置201は、受信した放送波のストリームに含まれるTSパケットに、当該TSパケットの送信タイミングを示すタイムスタンプ等の送信時刻情報を付加したTTSパケットを生成する。そして、IP再送信装置201は、生成した1または複数のTTSパケットを格納したIPパケットを生成して送信する。
【0047】
なお、放送波は、TSパケットの代わりにTLVパケットを含んでもよい。この場合、IP再送信装置201は、受信した放送波のストリームに含まれる1または複数のTLVパケットのデータが分割されて格納された複数のTSパケットを生成する分割処理を行い、生成したTSパケットに、当該TSパケットの送信タイミングを示すタイムスタンプ等の送信時刻情報を付加したTTSパケットを生成する。そして、IP再送信装置201は、生成した1または複数のTTSパケットを格納したIPパケットを生成して送信する。
【0048】
IP再送信装置201は、たとえば、IPパケットの宛先を、複数の加入者宅152および番組配信装置202へ到達するようなIPマルチキャストアドレスに設定してルータ121へ送信する。
【0049】
ルータ121は、たとえば、IPマルチキャストルータであり、IP再送信装置201からIPパケットを受信すると、受信したIPパケットを、通信回線の一例であるIPTV伝送網(CDN:Content Delivery Network)451へ送信する。IPTV伝送網451では、たとえば、IPプロトコルに従って、IPパケットが伝送される。なお、通信回線は、インターネット等の他の通信回線であってもよい。
【0050】
加入者宅152におけるONU123は、たとえば、FTTH(Fiber To The Home)の通信サービスによりIP再送信装置201から送信されるIPパケットを受信する。
【0051】
より詳細には、ONU123は、たとえば、GPON(Gigabit Passive Optical Network)およびGE-PON(Gigabit Ethernet(登録商標)-PON)等における宅側装置である。
【0052】
ONU123は、光通信回線経由でIPTV伝送網451からIPパケットを受信すると、受信したIPパケットをSTB131へ送信する。
【0053】
STB131におけるIP放送受信装置203は、ONU123からIPパケットを受信し、受信したIPパケットから番組の情報を取得し、取得した番組の情報に基づいて音声情報および映像情報をデコードし、デコード後の音声情報および映像情報をTVモニタ133へ送信する。
【0054】
TVモニタ133は、IP放送受信装置203から受信した音声情報および映像情報に基づいて番組を再生する。
【0055】
番組配信装置202は、IP再送信装置201から送信されたIPパケットを、ルータ121、IPTV伝送網451およびルータ122経由で受信し、受信したIPパケットから番組の情報を取得し、取得した番組の情報を含む配信波を生成して各加入者宅153へ送信する。
【0056】
より詳細には、番組配信装置202は、受信したIPパケットのペイロードに含まれる1または複数のTTSパケットを取得し、取得した1または複数のTTSパケットから、1または複数のTLVパケットを生成する。
【0057】
そして、番組配信装置202は、生成した1または複数のTLVパケットが格納されたストリームを生成し、生成したストリームにTMCC情報を付加することにより、番組の情報を含むフレームを生成する。
【0058】
そして、番組配信装置202は、生成したフレームを変調し、変調後のフレームの周波数をたとえばケーブルテレビ網452に対応する周波数に変換して配信波を生成し、生成した配信波をたとえばケーブルテレビ網452を介して各加入者宅153へ送信する。
【0059】
加入者宅153におけるSTB132は、たとえば、番組配信装置202から送信される配信波をケーブルテレビ網452を介して受信する。
【0060】
より詳細には、STB132におけるケーブルテレビ放送受信装置204は、番組配信装置202からの配信波を受信すると、受信した配信波から番組の情報を取得し、取得した番組の情報に基づいて音声情報および映像情報をデコードし、デコード後の音声情報および映像情報をTVモニタ133へ送信する。
【0061】
TVモニタ133は、ケーブルテレビ放送受信装置204から受信した音声情報および映像情報に基づいて番組を再生する。
【0062】
[課題]
上述のような従来の放送システム301において、たとえばIPTVセンター251が建てられている地域の気候等の影響により、IP再送信装置201における放送波の受信環境が良好でない場合、TSパケットにロスが生じた状態でIP再送信装置201によりストリームが送信されてしまう場合がある。
【0063】
これに対して、本開示の実施の形態に係る放送システムでは、以下のような構成および動作により、上記課題を解決する。
【0064】
[放送システム]
図2は、本開示の実施の形態に係る放送システムの構成の一例を示す図である。
【0065】
図2を参照して、放送システム302は、図1に示す放送システム301と比べて、IP再送信装置201としてIP再送信装置201A,201Bを備え、番組配信装置111の代わりに伝送路統合装置101を備える。なお、放送システム301は、2つのIP再送信装置201を備える構成に限らず、3つ以上のIP再送信装置201を備える構成であってもよい。
【0066】
ルータ121であるルータ121AおよびIP再送信装置201であるIP再送信装置201Aは、たとえば、IPTVセンター251であるIPTVセンター251Aに設けられる。また、ルータ121であるルータ121BおよびIP再送信装置201であるIP再送信装置201Bは、たとえば、IPTVセンター251であるIPTVセンター251Bに設けられる。伝送路統合装置101およびルータ122,222は、伝送センター252に設けられる。
【0067】
IP再送信装置201A,201Bは、異なる地点、たとえば異なる地域にそれぞれ設けられる。より詳細には、IPTVセンター251AおよびIPTVセンター251Bは、互いに異なる地点、たとえば互いに異なる地域に建てられる。
【0068】
IP再送信装置201Aには、たとえば、外部アンテナ81である外部アンテナ81Aが接続されている。また、IP再送信装置201Bには、たとえば、外部アンテナ81である外部アンテナ81Bが接続されている。外部アンテナ81A,81Bは、互いに異なる地点、たとえば互いに異なる地域にそれぞれ設けられる。
【0069】
IP再送信装置201A,201Bは、同じ放送波を受信する。より詳細には、IP再送信装置201A,201Bは、同じ放送衛星または同じ電波塔から送信された放送波を対応の外部アンテナ81経由で受信する。
【0070】
IP再送信装置201A,201Bは、受信した放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットPを同じルールに従って生成する。
【0071】
より詳細には、IP再送信装置201A,201Bは、受信した放送波のストリームに含まれるTSパケットに、当該TSパケットの送信タイミングを示すタイムスタンプ等の送信時刻情報を付加したTTSパケットを生成する。そして、IP再送信装置201A,201Bは、互いに同じ数たとえば6個のTTSパケットを格納したIPパケットPを生成する。
【0072】
あるいは、IP再送信装置201A,201Bは、受信した放送波のストリームに含まれる1または複数のTLVパケットのデータが分割されて格納された複数のTSパケットを生成する分割処理を行い、生成したTSパケットに、当該TSパケットの送信タイミングを示すタイムスタンプ等の送信時刻情報を付加したTTSパケットを生成する。そして、IP再送信装置201A,201Bは、互いに同じ数たとえば6個のTTSパケットを格納したIPパケットPを生成する。
【0073】
後述するように、IP再送信装置201A,201Bは、シーケンス番号を含むIPパケットPを生成する。IP再送信装置201A,201Bは、同じ放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットPを同じルールに従って生成する一方で、IPパケットPの生成を開始するタイミングが異なる場合がある。この場合、IP再送信装置201A,201Bにより生成される各IPパケットPは、格納されているペイロードが同じであるにも関わらず、シーケンス番号が互いに異なる場合がある。
【0074】
IP再送信装置201A,201Bは、生成したIPパケットPをそれぞれ異なる伝送経路を介して送信する。
【0075】
より詳細には、IP再送信装置201Aは、IPパケットPの宛先を、加入者宅152である加入者宅152Aおよび伝送路統合装置101へ到達するようなIPマルチキャストアドレスに設定してルータ121Aへ送信する。また、IP再送信装置201Bは、IPパケットPの宛先を、加入者宅152である加入者宅152Bおよび伝送路統合装置101へ到達するようなIPマルチキャストアドレスに設定してルータ121Bへ送信する。
【0076】
以下、IP再送信装置201Aにより送信されるIPパケットPをIPパケットPAとも称し、IP再送信装置201Bにより送信されるIPパケットPをIPパケットPBとも称する。
【0077】
ルータ121Aは、IP再送信装置201AからIPパケットPAを受信し、受信したIPパケットPAをIPTV伝送網451であるIPTV伝送網451Aへ送信する。また、ルータ121Bは、IP再送信装置201BからIPパケットPBを受信し、受信したIPパケットPBをIPTV伝送網451であるIPTV伝送網451Bへ送信する。
【0078】
伝送路統合装置101は、IP再送信装置201A,201Bから送信され、かつ互いに異なる伝送経路を経たIPパケットPA,PBを受信する。
【0079】
より詳細には、伝送路統合装置101は、IP再送信装置201Aから送信されたIPパケットPAを、ルータ121A、IPTV伝送網451Aおよびルータ122経由で受信する。また、伝送路統合装置101は、IP再送信装置201Bから送信されたIPパケットPBを、ルータ121B、IPTV伝送網451Bおよびルータ122経由で受信する。
【0080】
伝送路統合装置101は、受信したIPパケットP同士を照合し、照合結果に基づいて、ある伝送経路を経たIPパケットPに欠損がある場合に、他の伝送経路を経たIPパケットPにより補ってストリームを構成する。
【0081】
より詳細には、伝送路統合装置101は、IPパケットPAとIPパケットPBとを照合し、IPパケットPA,PBのうちのIPパケットPAに欠損がある場合、IPパケットPBにより補ってストリームを構成する。また、伝送路統合装置101は、IPパケットPAとIPパケットPBとを照合し、IPパケットPA,PBのうちのIPパケットPBに欠損がある場合、IPパケットPAにより補ってストリームを構成する。
【0082】
伝送路統合装置101は、構成したストリームを所定のフォーマットで送信する。
【0083】
より詳細には、伝送路統合装置101は、ストリームを構成するIPパケットPをルータ222、IPTV伝送網453および光通信回線経由で加入者宅152である加入者宅152Cへ送信する。
【0084】
また、伝送路統合装置101は、ストリームを構成するIPパケットPに基づいてフレームを生成し、生成したフレームを変調し、変調後のフレームの周波数をたとえばケーブルテレビ網452に対応する周波数に変換して配信波を生成し、生成した配信波をたとえばケーブルテレビ網452を介して各加入者宅153へ送信する。
【0085】
[伝送路統合装置]
図3は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の構成を示す図である。
【0086】
図3を参照して、伝送路統合装置101は、受信部10と、照合部20と、番号更新部30と、補充選択部40と、送信部50と、FIFO60A,60Bとを備える。受信部10は、IP受信部11Aと、IP受信部11Bとを含む。番号更新部30は、加減算部31Aと、加減算部31Bとを含む。以下、FIFO60A,60Bの各々をFIFO60とも称する。
【0087】
[受信部]
受信部10は、異なる地点における外部アンテナ81によってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットPであって、互いに異なる伝送経路を経た複数のIPパケットPを受信する。
【0088】
より詳細には、IP受信部11Aは、ルータ122経由でIPTV伝送網451AからIPパケットPAを受信する。
【0089】
また、IP受信部11Bは、ルータ122経由でIPTV伝送網451BからIPパケットPBを受信する。
【0090】
図4は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の受信部が受信するIPパケットの一例を示す図である。
【0091】
図4を参照して、IPパケットPは、IPヘッダ、UDP(User Datagram Protocol)ヘッダ、RTP(Real-time Transport Protocol)ヘッダ、ペイロードおよびFCS(Frame Check Sequence)を含む。ペイロードには、たとえば、IP再送信装置201によって生成された6つのTTSパケットが含まれる。
【0092】
RTPヘッダは、versionと、paddingと、extensionと、CSRC countと、markerと、payload typeと、シーケンス番号と、タイムスタンプと、SSRC識別子とを含む。
【0093】
再び図3を参照して、IP受信部11Aは、受信したIPパケットPAをFIFO60Aへ出力する。また、IP受信部11Bは、受信したIPパケットPBをFIFO60Bへ出力する。
【0094】
FIFO60Aは、IP受信部11AからIPパケットPAを受けて、受けたIPパケットPAを図示しない内部のメモリに蓄積する。FIFO60Aは、当該メモリへの書き込みクロックに同期してまたは非同期に、当該メモリにおける1または複数のIPパケットPAのうちの最先に蓄積したIPパケットPAを番号更新部30における加減算部31Aへ出力する。
【0095】
FIFO60Bは、IP受信部11BからIPパケットPBを受けて、受けたIPパケットPBを図示しない内部のメモリに蓄積する。FIFO60Bは、当該メモリへの書き込みクロックに同期してまたは非同期に、当該メモリにおける1または複数のIPパケットPBのうちの最先に蓄積したIPパケットPBを番号更新部30における加減算部31Bへ出力する。
【0096】
[照合部]
照合部20は、受信部10によって受信された各IPパケットP同士を照合する。より詳細には、照合部20は、FIFO60Aに蓄積されたIPパケットPAと、FIFO60Bに蓄積されたIPパケットPBとを照合する。
【0097】
たとえば、照合部20は、IPパケットPA,PB同士のペイロードの照合、およびIPパケットPA,PBに含まれるシーケンス番号の確認を行う。
【0098】
より詳細には、照合部20は、IPパケットPA,PBのペイロードの照合を行うことによりIPパケットPA,PBの対応付けを行う。具体的には、照合部20は、FIFO60Aに蓄積されたIPパケットPAのペイロードと、FIFO60Bに蓄積されたIPパケットPBのペイロードとを照合することにより、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBの組を検知する検知処理を行う。照合部20は、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBの組を検知した場合、検知処理を終了する。
【0099】
照合部20は、検知処理において検知した当該組におけるIPパケットPA,PB、すなわち各伝送経路を経たIPパケットPA,PBのシーケンス番号を比較する。より詳細には、照合部20は、当該IPパケットPAのシーケンス番号と、当該IPパケットPBのシーケンス番号との差分を算出し、算出した差分を示す差分情報を番号更新部30へ出力する。
【0100】
また、照合部20は、検知処理の終了後、IPパケットPAのペイロードとIPパケットPBとのペイロードの照合、およびIPパケットPA,PBのシーケンス番号の確認を継続する。より詳細には、照合部20は、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBの組の次にFIFO60に蓄積されたIPパケットPA,PBの組の、ペイロードの照合およびシーケンス番号の連続性を確認する確認処理を行う。
【0101】
たとえば、照合部20は、確認処理として、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBの組におけるIPパケットPAの次にFIFO60Aに蓄積されたIPパケットPAのペイロードと、当該組におけるIPパケットPBの次にFIFO60Bに蓄積されたIPパケットPBのペイロードとを照合する一致確認処理を行う。
【0102】
また、たとえば、照合部20は、確認処理として、IPパケットPAに含まれるシーケンス番号が連続番号であるか否か、およびIPパケットPBに含まれるシーケンス番号が連続番号であるか否かを確認する連番確認処理を行う。具体的には、照合部20は、IPパケットPAに含まれるシーケンス番号が1ずつインクリメントされているか否か、およびIPパケットPBに含まれるシーケンス番号が1ずつインクリメントされているか否を確認する。
【0103】
たとえば、照合部20は、IPパケットPの到来が途絶した場合、シーケンス番号の確認状態をリセットし、IPパケットPの到来が再開した場合、シーケンス番号の確認を初期状態から開始する。
【0104】
より詳細には、照合部20は、確認処理を行っている状態において、所定期間、FIFO60にIPパケットPが蓄積されない場合、再び検知処理を行う。そして、照合部20は、検知処理の終了後、検知処理において検知したペイロードが一致するIPパケットPA,PBの各シーケンス番号を初期値として用いて連番確認処理を行う。
【0105】
[番号更新部]
番号更新部30は、IPパケットPに含まれるシーケンス番号を加減算することによりIPパケットPのシーケンス番号を更新する更新処理を行う。
【0106】
たとえば、番号更新部30は、照合部20によるIPパケットPのシーケンス番号の比較結果に基づいて、IPパケットPのシーケンス番号の代わりに新たに付与すべきシーケンス番号を算出する。
【0107】
より詳細には、番号更新部30は、照合部20から差分情報を受けて、受けた差分情報に基づいて、IPパケットPA,PBの少なくとも一方に新たなシーケンス番号を付与することにより、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBのシーケンス番号を一致させる。
【0108】
具体的には、番号更新部30における加減算部31A,31Bのいずれか一方は、照合部20から差分情報を受けた場合、FIFO60から受けるIPパケットPのシーケンス番号に、差分情報が示す差分を加算または減算したシーケンス番号を当該IPパケットPに新たに付与する。
【0109】
(検知処理)
図5は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の照合部による検知処理の一例を示す図である。
【0110】
図5を参照して、たとえば、FIFO60Aは、IP受信部11Aから受けたIPパケットPAであるIPパケットPA01を蓄積している。また、たとえば、FIFO60Bは、IP受信部11Bから受けたIPパケットPBであるIPパケットPB01を蓄積している。IPパケットPA01のシーケンス番号は「0x0017」であり、IPパケットPB01のシーケンス番号は「0x0047」である。ここで、「0x」で始まる数字は、「0x」以降の数字が16進数で表されていることを意味する。
【0111】
たとえば、照合部20は、検知処理において、FIFO60Aに蓄積されているIPパケットPAのうちのたとえば最先に蓄積されたIPパケットPA01を基準IPパケットとして用いて、FIFO60Bに蓄積されたIPパケットPBの中から当該基準IPパケットのペイロードと同じペイロードを含むIPパケットPBを検索する。
【0112】
照合部20は、検知処理を開始する際、IPパケットPの出力を停止すべき旨を示す出力停止指示を、基準IPパケットであるIPパケットPA01が蓄積されているFIFO60Aへ出力する。
【0113】
照合部20は、IPパケットPA01のペイロードと、IPパケットPB01のペイロードとを照合し、IPパケットPB01のペイロードがIPパケットPA01のペイロードと一致しない場合、FIFO60Bに蓄積される新たなIPパケットPBを待ち受ける。
【0114】
次に、FIFO60Aは、IP受信部11Aから新たなIPパケットPAであるIPパケットPA02を受けて、受けたIPパケットPA02を蓄積する。また、FIFO60Bは、IP受信部11Bから新たなIPパケットPBであるIPパケットPB02を受けて、受けたIPパケットPB02を蓄積する。IPパケットPA02のシーケンス番号は「0x0018」であり、IPパケットPB02のシーケンス番号は「0x0048」である。
【0115】
FIFO60Aは、照合部20から受けた出力停止指示に従って、IPパケットPA01を出力しない。一方、FIFO60Bは、読み出しクロックのタイミングに従って、IPパケットPB01を加減算部31Bへ出力する。
【0116】
照合部20は、IPパケットPA01のペイロードと、FIFO60Bに蓄積された新たなIPパケットPB02のペイロードとを照合し、IPパケットPB02のペイロードがIPパケットPA01のペイロードと一致しない場合、FIFO60Bに蓄積される新たなIPパケットPBを待ち受ける。
【0117】
次に、FIFO60Aは、IP受信部11Aから新たなIPパケットPAであるIPパケットPA03を受けて、受けたIPパケットPA03を蓄積する。また、FIFO60Bは、IP受信部11Bから新たなIPパケットPBであるIPパケットPB03を受けて、受けたIPパケットPB03を蓄積する。IPパケットPA02のシーケンス番号は「0x0019」であり、IPパケットPB02のシーケンス番号は「0x0049」である。
【0118】
FIFO60Aは、照合部20から受けた出力停止指示に従って、IPパケットPA01を出力しない。一方、FIFO60Bは、読み出しクロックのタイミングに従って、IPパケットPB02を加減算部31Bへ出力する。
【0119】
照合部20は、IPパケットPA01のペイロードと、FIFO60Bに蓄積された新たなIPパケットPB03のペイロードとを照合し、IPパケットPB03のペイロードがIPパケットPA01のペイロードと一致する場合、ペイロードが一致するIPパケットPA01,PB03の組を検知したので、検知処理を終了する。
【0120】
また、照合部20は、当該IPパケットPA01のシーケンス番号である「0x0017」と、当該IPパケットPB03のシーケンス番号である「0x0049」との差分を算出し、算出した差分である「0x0032」を示す差分情報を加減算部31A,31Bへ出力する。
【0121】
照合部20は、検知処理を終了し、差分情報を加減算部31A,31Bへ出力した後、IPパケットPAの出力を再開すべき旨を示す出力再開指示をFIFO60Aへ出力する。
【0122】
FIFO60Aは、照合部20から出力再開指示を受けて、読み出しクロックのタイミングに従って、IPパケットPA01を加減算部31Aへ出力する。
【0123】
なお、照合部20は、IPパケットPB03のペイロードがIPパケットPA01のペイロードと一致しない場合、IPパケットPA01のペイロードと同じペイロードを含むIPパケットPBを検知するまで、FIFO60BにIPパケットPBが蓄積されるたびに、IPパケットPA01のペイロードと、FIFO60Bに蓄積された新たなIPパケットPBのペイロードとの照合を繰り返す。
【0124】
照合部20は、IPパケットPA01を基準IPパケットとして用いた検知処理の開始後の所定時間内において、IPパケットPA01のペイロードと同じペイロードを含むIPパケットPBを検知できなかった場合、IPパケットPA01の代わりに、FIFO60Bに蓄積されているIPパケットPBのうちのたとえば最先に蓄積されたIPパケットPBを基準IPパケットとして用いて検知処理を行う。
【0125】
照合部20は、IPパケットPA01の代わりにIPパケットPBを基準IPパケットとして用いて検知処理を行う際、IPパケットPBの出力を停止すべき旨を示す出力停止指示をFIFO60Bへ出力するとともに、IPパケットPAの出力を再開すべき旨を示す出力再開指示をFIFO60Aへ出力する。
【0126】
(更新処理)
図6は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の番号更新部による更新処理の一例を示す図である。
【0127】
図6を参照して、たとえば、加減算部31Aは、照合部20から差分情報を受けた後、FIFO60AからIPパケットPA01を受けて、受けたIPパケットPA01のシーケンス番号である「0x0017」に差分情報が示す差分すなわち「0x0032」を加算したシーケンス番号である「0x0049」をIPパケットPA01に新たに付与する。加減算部31Aは、シーケンス番号として「0x0049」をIPパケットPA01に付与すると、当該IPパケットPA01を補充選択部40へ出力する。
【0128】
番号更新部30における加減算部31Bは、照合部20から差分情報を受けた後、FIFO60BからIPパケットPB03を受けて、受けたIPパケットPB03に新たなシーケンス番号の付与を行わず、当該IPパケットPB03を補充選択部40へ出力する。
【0129】
(確認処理)
図7は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の照合部による確認処理および番号更新部による更新処理の一例を示す図である。
【0130】
図7を参照して、たとえば、FIFO60A,60Bは、新たなIPパケットPA14,PB14をそれぞれ蓄積する一方で、照合部20によりペイロードが互いに一致し、かつシーケンス番号が連続番号であることが確認されたIPパケットPA11,PB13を加減算部31A,31Bへそれぞれ出力する。
【0131】
加減算部31Aは、FIFO60AからIPパケットPA11を受けて、受けたIPパケットPA11のシーケンス番号である「0x0021」に、照合部20から受けた差分情報が示す差分を加算したシーケンス番号である「0x0053」をIPパケットPA11に新たに付与し、当該IPパケットPA11を補充選択部40へ出力する。
【0132】
加減算部31Bは、FIFO60BからIPパケットPB13を受けて、受けたIPパケットPB13に新たなシーケンス番号の付与を行わず、当該IPパケットPB13を補充選択部40へ出力する。
【0133】
たとえば、照合部20は、一致確認処理を行うことにより、IPパケットPA11の次にFIFO60Aに蓄積されたIPパケットPA12のペイロードと、IPパケットPB13の次にFIFO60Bに蓄積されたIPパケットPB14のペイロードとが一致することを確認する。
【0134】
また、たとえば、照合部20は、連番確認処理を行うことにより、IPパケットPA12のシーケンス番号である「0x0022」が、IPパケットPA11のシーケンス番号である「0x0021」をインクリメントした番号であること、およびIPパケットPB14のシーケンス番号である「0x0054」が、IPパケットPB13のシーケンス番号である「0x0053」をインクリメントした番号であることを確認する。
【0135】
次に、FIFO60A,60Bは、新たなIPパケットPA15,PB15をそれぞれ蓄積する一方で、IPパケットPA12,PB14を加減算部31A,31Bへそれぞれ出力する。
【0136】
加減算部31Aは、FIFO60AからIPパケットPA12を受けて、受けたIPパケットPA12のシーケンス番号である「0x0022」に、照合部20から受けた差分情報が示す差分を加算したシーケンス番号である「0x0054」をIPパケットPA12に新たに付与し、当該IPパケットPA12を補充選択部40へ出力する。
【0137】
加減算部31Bは、FIFO60BからIPパケットPB14を受けて、受けたIPパケットPB14に新たなシーケンス番号の付与を行わず、当該IPパケットPB14を補充選択部40へ出力する。
【0138】
たとえば、照合部20は、一致確認処理を行うことにより、IPパケットPA12の次にFIFO60Aに蓄積されたIPパケットPA13のペイロードと、IPパケットPB14の次にFIFO60Bに蓄積されたIPパケットPB15のペイロードとが一致することを確認する。
【0139】
また、たとえば、照合部20は、連番確認処理を行うことにより、IPパケットPA13のシーケンス番号である「0x0023」が、IPパケットPA12のシーケンス番号である「0x0022」をインクリメントした番号であることを確認する一方で、IPパケットPB15のシーケンス番号である「0x0000」が、IPパケットPB14のシーケンス番号である「0x0054」をインクリメントした番号ではないこと、すなわちIPパケットPB15のシーケンス番号が連続番号でないことを検知する。
【0140】
照合部20は、一致確認処理において、照合したIPパケットPA13,PB15のペイロードが一致することを検知し、かつ連番確認処理において、当該IPパケットPA13,PB15の組のうちのIPパケットPB15に含まれるシーケンス番号が連続番号でないことを検知した場合、当該IPパケットPB15のシーケンス番号と当該IPパケットPB15の直前にFIFO60Bに蓄積されたIPパケットPB14のシーケンス番号との差分を算出する。照合部20は、算出した差分に1を加えた値である「0x0055」を示す連番差分情報を番号更新部30における加減算部31Bへ出力する。
【0141】
次に、FIFO60A,60Bは、新たなIPパケットPA16,PB16をそれぞれ蓄積する一方で、IPパケットPA13,PB15を加減算部31A,31Bへそれぞれ出力する。
【0142】
加減算部31Aは、FIFO60AからIPパケットPA13を受けて、受けたIPパケットPA13のシーケンス番号である「0x0023」に、照合部20から受けた差分情報が示す差分を加算したシーケンス番号である「0x0055」をIPパケットPA12に新たに付与し、当該IPパケットPA12を補充選択部40へ出力する。
【0143】
加減算部31Bは、照合部20から連番差分情報を受けて、受けた連番差分情報に基づいて、IPパケットPB15に新たなシーケンス番号を付与することにより、ペイロードが一致するIPパケットPA13,PB15のシーケンス番号を一致させる。具体的には、加減算部31Bは、FIFO60BからIPパケットPB15を受けて、受けたIPパケットPB15のシーケンス番号である「0x0000」に、当該連番差分情報が示す差分を加算したシーケンス番号である「0x0055」をIPパケットPB15に新たに付与し、当該IPパケットPB15を補充選択部40へ出力する。
【0144】
また、たとえば、照合部20は、一致確認処理において、照合したIPパケットPA,PBのペイロードが一致することを検知し、かつ連番確認処理において、当該IPパケットPA,PBの組のうちのIPパケットPAに含まれるシーケンス番号が連続番号でないことを検知した場合、当該IPパケットPAのシーケンス番号と当該IPパケットPAの直前にFIFO60Aに蓄積されたIPパケットPAのシーケンス番号との差分を算出し、算出した差分に1を加えた値を示す連番差分情報を番号更新部30における加減算部31Aへ出力する。
【0145】
加減算部31Aは、照合部20から連番差分情報を受けて、受けた連番差分情報に基づいて、IPパケットPAに新たなシーケンス番号を付与することにより、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBのシーケンス番号を一致させる。具体的には、たとえば、加減算部31Aは、照合部20から連番差分情報を受けた場合、FIFO60Aから受けるIPパケットPAのシーケンス番号に、連番差分情報が示す差分を加算したシーケンス番号を当該IPパケットPAに新たに付与し、当該IPパケットPAを補充選択部40へ出力する。
【0146】
図8は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の照合部による確認処理および番号更新部による更新処理の他の例を示す図である。
【0147】
図8を参照して、FIFO60A,60Bは、新たなIPパケットPA15,PB15をそれぞれ蓄積する一方で、IPパケットPA12,PB14を加減算部31A,31Bへそれぞれ出力する。
【0148】
加減算部31Aは、FIFO60AからIPパケットPA12を受けて、受けたIPパケットPA12のシーケンス番号である「0x0022」に、照合部20から受けた差分情報が示す差分を加算したシーケンス番号である「0x0054」をIPパケットPA12に新たに付与し、当該IPパケットPA12を補充選択部40へ出力する。
【0149】
加減算部31Bは、FIFO60BからIPパケットPB14を受けて、受けたIPパケットPB14に新たなシーケンス番号の付与を行わず、当該IPパケットPB14を補充選択部40へ出力する。
【0150】
たとえば、照合部20は、一致確認処理を行うことにより、IPパケットPA12の次にFIFO60Aに蓄積されたIPパケットPA13のペイロードと、IPパケットPB14の次にFIFO60Bに蓄積されたIPパケットPB15のペイロードとが一致しないことを検知する。
【0151】
また、たとえば、照合部20は、連番確認処理を行うことにより、IPパケットPA13のシーケンス番号である「0x0023」が、IPパケットPA12のシーケンス番号である「0x0022」をインクリメントした番号であることを確認する一方で、IPパケットPB15のシーケンス番号である「0x0000」が、IPパケットPB14のシーケンス番号である「0x0054」をインクリメントした番号ではないこと、すなわちIPパケットPB15のシーケンス番号が連続番号でないことを検知する。
【0152】
照合部20は、一致確認処理において、照合したIPパケットPA13,PB15のペイロードが一致しないことを検知し、かつ連番確認処理において、当該IPパケットPA13,PB15のうちの少なくともいずれか一方に含まれるシーケンス番号が連続番号でないことを検知した場合、再び検知処理を開始する。
【0153】
次に、FIFO60A,60Bは、新たなIPパケットPA16,PB16をそれぞれ蓄積する一方で、IPパケットPA13,PB15を加減算部31A,31Bへそれぞれ出力する。
【0154】
加減算部31Aは、FIFO60AからIPパケットPA13を受けて、受けたIPパケットPA13のシーケンス番号である「0x0023」に、照合部20から受けた差分情報が示す差分を加算したシーケンス番号である「0x0055」をIPパケットPA13に新たに付与し、当該IPパケットPA13を補充選択部40へ出力する。
【0155】
加減算部31Bは、FIFO60BからIPパケットPB15を受けて、受けたIPパケットPB15に新たなシーケンス番号の付与を行わず、当該IPパケットPB15を補充選択部40へ出力する。
【0156】
図9は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の照合部による確認処理および番号更新部による更新処理の他の例を示す図である。
【0157】
図9を参照して、FIFO60A,60Bは、新たなIPパケットPA15,PB15をそれぞれ蓄積する一方で、IPパケットPA12,PB14を加減算部31A,31Bへそれぞれ出力する。
【0158】
加減算部31Aは、FIFO60AからIPパケットPA12を受けて、受けたIPパケットPA12のシーケンス番号である「0x0022」に、照合部20から受けた差分情報が示す差分を加算したシーケンス番号である「0x0054」をIPパケットPA12に新たに付与し、当該IPパケットPA12を補充選択部40へ出力する。
【0159】
加減算部31Bは、FIFO60BからIPパケットPB14を受けて、受けたIPパケットPB14に新たなシーケンス番号の付与を行わず、当該IPパケットPB14を補充選択部40へ出力する。
【0160】
たとえば、照合部20は、一致確認処理を行うことにより、IPパケットPA12の次にFIFO60Aに蓄積されたIPパケットPA13のペイロードと、IPパケットPB14の次にFIFO60Bに蓄積されたIPパケットPB15のペイロードとが一致しないことを検知する。
【0161】
また、たとえば、照合部20は、連番確認処理を行うことにより、IPパケットPA13のシーケンス番号である「0x0023」が、IPパケットPA12のシーケンス番号である「0x0022」をインクリメントした番号であることを確認し、IPパケットPB15のシーケンス番号である「0x0055」が、IPパケットPB14のシーケンス番号である「0x0054」をインクリメントした番号であることを確認する。
【0162】
照合部20は、一致確認処理において、照合したIPパケットPA13,PB15のペイロードが一致しないことを検知し、かつ連番確認処理において、当該IPパケットPA13,PB15に含まれるシーケンス番号が連続番号であることを検知した場合、たとえば、放送システム302において異常が発生したと判断し、当該IPパケットPA13,PB15を破棄するとともに、再び検知処理を開始する。
【0163】
[補充選択部]
補充選択部40は、照合部20の照合結果に基づいて、伝送経路におけるIPパケットPに欠損がある場合に、他の伝送経路におけるIPパケットPにより補ってストリームを出力する。たとえば、補充選択部40は、いずれか1つの伝送経路におけるIPパケットPを優先的に選択する動作、および動的に伝送経路を選択する動作を行うことが可能である。
【0164】
より詳細には、補充選択部40は、番号更新部30からIPパケットPA,PBを受けて、受けたIPパケットPA,PBの中から、送信部50へ出力すべきIPパケットPである送信用IPパケットPSを選択し、選択した送信用IPパケットPSを送信部50へ出力する。
【0165】
たとえば、IPパケットPAに欠損がある場合、IPパケットPAのシーケンス番号が連続番号ではなくなる。また、たとえば、IPパケットPBに欠損がある場合、IPパケットPBのシーケンス番号が連続番号ではなくなる。
【0166】
補充選択部40は、番号更新部30から受けたIPパケットPA,PBのシーケンス番号に基づいて、送信部50へ送信する送信用IPパケットPSのシーケンス番号が連続番号となるようにIPパケットPA,PBの中から送信用IPパケットPSを選択する。
【0167】
より詳細には、補充選択部40は、IPパケットPAのシーケンス番号が連続番号ではない場合、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPBを選択する一方で、IPパケットPBのシーケンス番号が連続番号ではない場合、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPAを選択する。
【0168】
図10は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置の補充選択部による出力処理の一例を示す図である。
【0169】
図10を参照して、補充選択部40は、IPパケットPA11のシーケンス番号が連続番号であり、かつIPパケットPB11のシーケンス番号が連続番号である場合、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPB11を優先的に選択する。
【0170】
より詳細には、補充選択部40は、IPパケットPA11のシーケンス番号である「0x0053」およびIPパケットPB11のシーケンス番号である「0x0053」が、直前に送信部50へ出力した図示しない送信用IPパケットPSのシーケンス番号をインクリメントした番号である場合、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPB11を優先的に選択する。
【0171】
そして、補充選択部40は、送信用IPパケットPSとして選択したIPパケットPB11を送信部50へ出力する。
【0172】
次に、補充選択部40は、IPパケットPA12のシーケンス番号である「0x0054」およびIPパケットPB12のシーケンス番号である「0x0054」が、直前に送信部50へ出力した送信用IPパケットPSのシーケンス番号である「0x0053」をインクリメントした番号である場合、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPB12を優先的に選択する。
【0173】
そして、補充選択部40は、送信用IPパケットPSとして選択したIPパケットPB12を送信部50へ出力する。
【0174】
次に、補充選択部40は、IPパケットPA13のシーケンス番号である「0x0055」が、直前に送信部50へ出力した送信用IPパケットPSのシーケンス番号である「0x0054」をインクリメントした番号であり、かつIPパケットPB13のシーケンス番号である「0x0000」が、直前に送信部50へ出力した送信用IPパケットPSのシーケンス番号である「0x0054」をインクリメントした番号ではない場合、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPA13を選択する。
【0175】
そして、補充選択部40は、送信用IPパケットPSとして選択したIPパケットPA13を送信部50へ出力する。
【0176】
[送信部]
送信部50は、補充選択部40から受けたストリームを所定のフォーマットで送信する。たとえば、送信部50は、当該ストリームを、IPパケットの形式またはケーブルテレビ網452宛のフレームの形式で送信する。
【0177】
より詳細には、送信部50は、補充選択部40から送信用IPパケットPSを受けて、受けた送信用IPパケットPSをルータ222へ送信する。
【0178】
また、送信部50は、補充選択部40から受けた送信用IPパケットPSに基づいてフレームを生成し、生成したフレームを変調し、変調後のフレームの周波数をたとえばケーブルテレビ網452に対応する周波数に変換して配信波を生成し、生成した配信波をたとえばケーブルテレビ網452を介して各加入者宅153へ送信する。
【0179】
[動作の流れ]
本開示の実施の形態に係る放送システムにおける各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0180】
図11は、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置がストリームの送信を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0181】
図11を参照して、まず、伝送路統合装置101は、IPTV伝送網451を経たIPパケットPを待ち受け(ステップS102でNO)、IPパケットPを受信すると(ステップS102でYES)、受信したIPパケットPをFIFO60に蓄積する。より詳細には、伝送路統合装置101は、IPTV伝送網451Aを経たIPパケットPAを受信し、受信したIPパケットPAをFIFO60Aに蓄積する。また、伝送路統合装置101は、IPTV伝送網451Bを経たIPパケットPBを受信し、受信したIPパケットPBをFIFO60Bに蓄積する(ステップS104)。
【0182】
次に、伝送路統合装置101は、FIFO60A,60Bにそれぞれ蓄積されたIPパケットPA,PB同士を照合する。より詳細には、伝送路統合装置101は、IPパケットPA,PB同士のペイロードの照合、およびIPパケットPA,PBに含まれるシーケンス番号の確認を行う(ステップS106)。
【0183】
次に、伝送路統合装置101は、照合結果に基づいて、IPパケットPに含まれるシーケンス番号を加減算することによりIPパケットPのシーケンス番号を更新する更新処理を行う。より詳細には、伝送路統合装置101は、IPパケットPA,PBの少なくとも一方に新たなシーケンス番号を付与することにより、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBのシーケンス番号を一致させる(ステップS108)。
【0184】
次に、伝送路統合装置101は、たとえば、IPパケットPBのシーケンス番号の連続性の確認結果に基づいてIPパケットPBに欠損があると判断した場合(ステップS110でYES)、当該IPパケットPBと同じペイロードを含むIPパケットPAにより補ってストリームを構成する。より詳細には、伝送路統合装置101は、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPAを選択する(ステップS112)。
【0185】
一方、伝送路統合装置101は、IPパケットPBに欠損がない場合(ステップS110でNO)、当該IPパケットPBによりストリームを構成する。より詳細には、伝送路統合装置101は、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPBを選択する(ステップS114)。
【0186】
次に、伝送路統合装置101は、構成したストリームを所定のフォーマットで送信する。より詳細には、たとえば、伝送路統合装置101は、送信用IPパケットPSをルータ222へ送信する。また、たとえば、伝送路統合装置101は、送信用IPパケットPSに基づいてフレームを生成し、生成したフレームを変調し、変調後のフレームの周波数をたとえばケーブルテレビ網452に対応する周波数に変換して配信波を生成し、生成した配信波をたとえばケーブルテレビ網452を介して各加入者宅153へ送信する(ステップS116)。
【0187】
次に、伝送路統合装置101は、IPTV伝送網451からの新たなIPパケットPを待ち受ける(ステップS102でNO)。
【0188】
図12は、本開示の実施の形態に係る放送システムにおける処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0189】
図12を参照して、まず、IP再送信装置201Aは、放送波を受信し、受信した放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットPAを所定ルールに従って生成する(ステップS202)。
【0190】
また、IP再送信装置201Bは、IP再送信装置201Aが受信した放送波と同じ放送波を受信し、受信した放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットPBを当該所定ルールに従って生成する(ステップS204)。
【0191】
次に、IP再送信装置201Aは、生成したIPパケットPAを、所定の伝送経路を介して送信する(ステップS206)。
【0192】
また、IP再送信装置201Bは、生成したIPパケットPBを、IP再送信装置201Aとは異なる所定の伝送経路を介して送信する(ステップS208)。
【0193】
次に、伝送路統合装置101は、IP再送信装置201A,201Bから送信され、互いに異なる伝送経路を経たIPパケットPA,PBを受信し、受信したIPパケットPA,PBをFIFO60A,60Bにそれぞれ蓄積する(ステップS210)。
【0194】
次に、伝送路統合装置101は、FIFO60A,60Bに蓄積したIPパケットPA,PB同士を照合する(ステップS212)。
【0195】
次に、伝送路統合装置101は、照合結果に基づいて、IPパケットPA,PBの一方に欠損がある場合に、IPパケットPA,PBの他方により補ってストリームを構成する(ステップS214)。
【0196】
次に、伝送路統合装置101は、構成したストリームを所定のフォーマットで送信する(ステップS216)。
【0197】
なお、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置101では、番号更新部30は、照合部20から受けた差分情報に基づいて、IPパケットPに含まれるシーケンス番号を加減算することにより当該IPパケットPのシーケンス番号を更新することにより、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBのシーケンス番号を一致させる構成であるとしたが、これに限定するものではない。番号更新部30は、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBのいずれか一方または両方のシーケンス番号を所定の連続番号で更新することにより、当該IPパケットPA,PBのシーケンス番号を一致させる構成であってもよい。
【0198】
また、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置101では、照合部20は、IPパケットPA,PB同士のペイロードの照合、およびIPパケットPA,PBに含まれるシーケンス番号の確認を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。照合部20は、IPパケットPA,PB同士のペイロードの照合を行う一方で、IPパケットPA,PBに含まれるシーケンス番号の確認を行わない構成であってもよい。この場合、番号更新部30は、たとえば、照合部20による照合結果に基づいて、上述したように、ペイロードが一致するIPパケットPA,PBに所定の連続番号を付与する。
【0199】
また、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置101では、照合部20は、確認処理を行っている状態において、所定期間、FIFO60にIPパケットPが蓄積されない場合、再び検知処理を行い、検知処理において検知したペイロードが一致するIPパケットPA,PBの各シーケンス番号を初期値として用いて連番確認処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。照合部20は、所定期間、FIFO60にIPパケットPA,PBの一方が蓄積されない場合であっても、検知処理を行わない構成であってもよい。この場合、補充選択部40は、たとえば、IPパケットPA,PBの他方のみを送信用IPパケットPSとして選択して送信部50へ出力する。
【0200】
また、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置101では、補充選択部40は、IPパケットPAのシーケンス番号およびIPパケットPBのシーケンス番号が連続番号である場合、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPBを優先的に選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。補充選択部40は、IPパケットPAのシーケンス番号およびIPパケットPBのシーケンス番号が連続番号である場合、送信用IPパケットPSとしてIPパケットPA,PBのいずれか一方を何らかの条件に従って動的に選択する構成であってもよい。
【0201】
また、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置101では、補充選択部40は、番号更新部30から受けたIPパケットPA,PBのシーケンス番号に基づいて、当該IPパケットPA,PBの中から送信用IPパケットPSを選択し、選択した送信用IPパケットPSを送信部50へ出力する構成であるとしたが、これに限定するものではない。補充選択部40は、番号更新部30から受けたIPパケットPA,PBのシーケンス番号に基づいて、当該IPパケットPAのペイロードおよび当該IPパケットPBのペイロードのうちの一方を選択し、選択したペイロードをIPパケットP以外の他のパケット形式で送信部50へ出力する構成であってもよい。
【0202】
ところで、番組の情報を含む放送波を受信して他の装置へ再送信する放送再送信システムにおいて、放送波の受信環境に関する耐性を向上しながら安定した情報伝送を実現することが可能な技術が望まれる。
【0203】
これに対して、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置101では、受信部10は、異なる地点における外部アンテナ81A,81Bによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットPA,PBであって、互いに異なる伝送経路を経たIPパケットPA,PBを受信する。照合部20は、受信部10によって受信されたIPパケットPA,PB同士を照合する。補充選択部40は、照合部20の照合結果に基づいて、伝送経路を経たIPパケットPA,PBに欠損がある場合に、他の伝送経路を経たIPパケットPA,PBにより補ってストリームを出力する。送信部50は、補充選択部40から受けたストリームを所定のフォーマットで送信する。
【0204】
また、本開示の実施の形態に係る放送システム302では、IP再送信装置201A,201Bは、異なる地点にそれぞれ設けられ、同じ放送波を受信し、受信した放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットPA,PBを同じルールに従って生成し、生成したIPパケットPA,PBを送信する。伝送路統合装置101は、IP再送信装置201A,201Bから送信され、かつ互いに異なる伝送経路を経たIPパケットPA,PBを受信し、受信したIPパケットPA,PB同士を照合し、照合結果に基づいて、伝送経路を経たIPパケットPA,PBに欠損がある場合に、他の伝送経路を経たIPパケットPA,PBにより補ってストリームを構成し、構成したストリームを所定のフォーマットで送信する。
【0205】
また、本開示の実施の形態に係る伝送路統合方法では、まず、伝送路統合装置101が、異なる地点における外部アンテナ81A,81Bによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットPA,PBであって、互いに異なる伝送経路を経たIPパケットPA,PBを受信する。次に、伝送路統合装置101が、受信したIPパケットIPパケットPA,PB同士を照合する。次に、伝送路統合装置101が、照合結果に基づいて、伝送経路を経たIPパケットPA,PBに欠損がある場合に、他の伝送経路を経たIPパケットPA,PBにより補ってストリームを構成する。次に、伝送路統合装置101が、構成したストリームを所定のフォーマットで送信する。
【0206】
このように、異なる地点において受信された同じ放送波に基づく異なる伝送経路を経たIPパケットPA,PB同士を照合し、互いに補って送信する構成および方法により、放送波の受信環境についての冗長構成を実現するとともに、同じルールに従ってパケット化された各伝送経路からのIPパケットPA,PBを用いることにより、たとえば、送信用のストリームの欠落の防止に寄与することができる。
【0207】
したがって、本開示の実施の形態に係る伝送路統合装置101、放送システムおよび伝送路統合方法では、番組の情報を含む放送波を受信して他の装置へ再送信する放送再送信システムにおいて、放送波の受信環境に関する耐性を向上しながら安定した情報伝送を実現することができる。
【0208】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0209】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
異なる地点におけるアンテナによってそれぞれ受信された同じ放送波に含まれるストリームが同じルールに従ってパケット化されたIPパケットであって、互いに異なる伝送経路を経た複数の前記IPパケットを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された各前記IPパケット同士を照合する照合部と、
前記照合部の照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを出力する補充選択部と、
前記補充選択部から受けた前記ストリームを所定のフォーマットで送信する送信部と、
前記IPパケットに含まれるシーケンス番号を加減算することにより前記IPパケットのシーケンス番号を更新する番号更新部とを備え、
前記照合部は、前記IPパケットのペイロードの照合を行うことにより各前記伝送経路を経た前記IPパケットの対応付けを行い、前記各伝送経路における対応する前記IPパケットに含まれるシーケンス番号の比較を行い、かつ前記IPパケットに含まれるシーケンス番号の確認を行うことにより前記IPパケットの連続性を確認し、
前記番号更新部は、前記照合部の比較結果に基づいて、前記IPパケットのシーケンス番号を更新する、伝送路統合装置。
【0210】
[付記2]
異なる地点にそれぞれ設けられ、同じ放送波を受信し、受信した前記放送波に含まれるストリームを構成するIPパケットを同じルールに従って生成し、生成した前記IPパケットを送信する複数のIP再送信装置と、
前記複数のIP再送信装置から送信され、かつ互いに異なる伝送経路を経た各前記IPパケットを受信し、受信した各前記IPパケット同士を照合し、照合結果に基づいて、前記伝送経路を経た前記IPパケットに欠損がある場合に、他の前記伝送経路を経た前記IPパケットにより補って前記ストリームを構成し、構成した前記ストリームを所定のフォーマットで送信する伝送路統合装置とを備え、
前記伝送路統合装置は、前記IPパケットのペイロードの照合を行うことにより各前記伝送経路における前記IPパケットの対応付けを行い、前記各伝送経路における対応する前記IPパケットに含まれるシーケンス番号の比較を行い、かつ前記IPパケットに含まれるシーケンス番号の確認を行うことにより前記IPパケットの連続性を確認し、
前記伝送路統合装置は、前記シーケンス番号の比較結果に基づいて、前記IPパケットに含まれるシーケンス番号を加減算することにより前記IPパケットのシーケンス番号を更新する、放送システム。
【符号の説明】
【0211】
11 受信部
11A,11B IP受信部
20 照合部
30 番号更新部
31A,31B 加減算部
40 補充選択部
50 送信部
60A,60B FIFO
81,81A,81B 外部アンテナ
101 伝送路統合装置
121,121A,121B、122,222 ルータ
123 ONU
131,132 STB
133 TVモニタ
152,152A,152B,152C,153 加入者宅
201,201A,201B IP再送信装置
202 番組配信装置
203 IP放送受信装置
204 ケーブルテレビ放送受信装置
251,251A,251B IPTVセンター
252 伝送センター
301 放送再送信システム
302 放送システム
451,451A,451B,453 IPTV伝送網
452 ケーブルテレビ網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12