(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】画像形成装置、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/36 20060101AFI20240709BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240709BHJP
B41J 2/47 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G03G15/36
G03G15/01 S
B41J2/47 101M
(21)【出願番号】P 2020144678
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】東井 満男
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-268318(JP,A)
【文献】特開平04-349486(JP,A)
【文献】特開2010-093528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/01
G03G 13/20
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/01
G03G 15/20
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/04
G03G 21/10 -21/12
G03G 21/14
G03G 21/20
B41J 2/01
B41J 2/165- 2/20
B41J 2/21 - 2/215
B41J 2/47
B41J 5/00 - 5/52
B41J 17/00 -17/42
B41J 21/00 -21/18
B41J 27/00 -27/22
B41J 29/00 -29/70
B41J 31/00 -35/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得した印刷用の用紙それぞれに対応する第1画像データを解析し、補正領域を決定する補正領域決定部と、
決定された前記補正領域に基づいて、補正用の第2露光信号を生成する補正信号生成部と、
印刷ジョブの印刷データから生成した第1露光信号を、前記第2露光信号で補正した、補正後の第3露光信号を生成する出力制御部と、
前記第3露光信号に基づいて、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部は、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色のトナーをそれぞれ現像する複数の画像形成ユニットを含み、
印刷用の前記用紙は、白紙、色紙、または、追い刷り印刷用の下地画像が印刷された用紙であり、
前記第1画像データは、前記用紙を読み取って得られた読取画像データであり、
前記補正領域決定部は、前記第1画像データを、予め保持した基準画像データと比較することで前記補正領域を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記画像形成ユニットそれぞれにおける前記第1露光信号と、第2露光信号との論理和により、前記第3露光信号を生成する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1画像データは、前記白紙を読み取って得られた読取画像データであり、
前記補正領域決定部は、前記基準画像データとして、前記白紙の色に対応した均一な標準画素値で構成された画像データを用いる、請求項2、または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色のトナーをそれぞれ現像する複数の画像形成ユニットに加え、さらにホワイトのトナーを現像するホワイト用の画像形成ユニットを含み、
印刷用の前記用紙は、白紙であり、
前記補正領域決定部は、均一な画素値で構成される前記基準画像データを、前記白紙を読み取って得られた読取画像データの画素値と比較し、所定値以上の差がある画素が連続する領域をホワイト用の前記補正領域として決定し、
前記補正信号生成部は、決定した前記ホワイト用の前記補正領域に基づいて、ホワイト用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
印刷用の前記用紙は、色紙であり、
前記補正領域決定部は、前記基準画像データとして、前記色紙の色に対応した均一な標準画素値で構成された画像データを用い、
前記補正領域決定部は、均一な画素値で構成される前記基準画像データを、前記色紙を読み取って得られた読取画像データの画素値と比較し、所定値以上の差がある画素が連続する領域を、前記基準画像データの画素値に対応する1つ以上の前記画像形成ユニットの色用の前記補正領域として決定し、
前記補正信号生成部は、決定した前記色用の前記補正領域に基づいて、前記色用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、請求項2、または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色のトナーをそれぞれ現像する複数の画像形成ユニットに加え、さらにホワイトのトナーを現像するホワイト用の画像形成ユニットを含み、
前記補正信号生成部は、決定した前記補正領域に基づいて、ホワイト用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
印刷用の前記用紙は、追い刷り印刷用の下地画像が印刷された用紙であり、
前記補正領域決定部は、前記基準画像データとして、前記下地画像の印刷に用いた元画像データを用い、
前記補正領域決定部は、前記元画像データを、前記印刷された用紙を読み取って得られた読取画像データの画素値と比較し、所定値以上の差がある画素が連続する領域を、前記基準画像データの画素値に対応する1つ以上の前記画像形成ユニットの色用の前記補正領域として決定し、
前記補正信号生成部は、決定した前記色用の前記補正領域に基づいて、前記色用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、請求項2、または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色のトナーをそれぞれ現像する複数の画像形成ユニットに加え、さらにホワイトのトナーを現像するホワイト用の画像形成ユニットを含み、
前記補正信号生成部は、決定した前記補正領域に基づいて、ホワイト用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記補正信号生成部は、決定された前記補正領域に含まれる複数の画素、および前記補正領域の周辺の画素に対して露光信号を補正した補正用の第2露光信号を生成する請求項2から請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
用紙に画像を形成する印刷部を備える画像形成装置を制御するコンピューターで実行される制御プログラムであって、
取得した印刷用の用紙それぞれに対応する第1画像データを解析し、補正領域を決定するステップ(a)と、
決定された前記補正領域に基づいて、補正用の第2露光信号を生成するステップ(b)と、
印刷ジョブの印刷データから生成した第1露光信号を、前記第2露光信号で補正した、補正後の第3露光信号を生成するステップ(c)と、
前記第3露光信号に基づいて、画像形成部により、前記用紙に画像を形成するステップ(d)と、を含む処理を実行させるための制御プログラム。
【請求項12】
印刷用の前記用紙は、白紙、色紙、または、追い刷り印刷用の画像が印刷された用紙であり、
前記第1画像データは、前記用紙を読み取って得られた読取画像データであり、
前記ステップ(a)では、前記第1画像データを、予め保持した基準画像データと比較することで、前記補正領域を決定する、請求項11に記載の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、電子写真方式によりトナー画像を用紙に印刷する。ユーザーは、用紙に印刷された画像に不良があったり、用紙に汚れがあったりした場合、新たな用紙を使用して再印刷する。再印刷は、用紙やトナーの無駄となる。
【0003】
従来、このような再印刷の無駄をなくすために、画像が印刷された用紙に対して、不良画像のない部分を生かしつつ、ホワイトトナーにより画像を修正する技術が公開されている。
【0004】
たとえば、特許文献1の技術は、画像を印刷するプリンターと、画像を修正するためのデータを作成する修正画像作成部を有している。修正画像作成部には、用紙に印字された第1画像と、第1画像を修正した第2画像とが、それぞれデータとして入力される。修正画像作成部は、第1画像および第2画像を比較し、第1画像に存在するが前記第2画像には存在しない第1差異画素と、第2画像に存在するが第1画像には存在しない第2差異画素とを検出し、第1差異画素からなる消去するための消去画像と、第2差異画素からなる追加用の追加画像とを生成する。プリンターは、作成された消去画像を、用紙色に近いホワイトトナーによって印刷することで、消去画像を見えなくし、その後に追加画像をブラックトナーによって印刷する。これにより、特許文献1の技術では、第1画像が印刷された用紙をそのまま使用して、この第1画像が修正された印刷物を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、用紙に印刷された画像そのものを修正するだけで、使用する用紙に汚れ等の不良がある場合に、不良を修正しながら、新たな画像を印刷することは考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、新たな画像を印刷する用紙に、汚れ等の不良がある場合に、これらを修正するとともに新たな画像を印刷できる画像形成装置、および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)取得した印刷用の用紙それぞれに対応する第1画像データを解析し、補正領域を決定する補正領域決定部と、
決定された前記補正領域に基づいて、補正用の第2露光信号を生成する補正信号生成部と、
印刷ジョブの印刷データから生成した第1露光信号を、前記第2露光信号で補正した、補正後の第3露光信号を生成する出力制御部と、
前記第3露光信号に基づいて、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【0010】
(2)印刷用の前記用紙は、白紙、色紙、または、追い刷り印刷用の下地画像が印刷された用紙であり、
前記第1画像データは、前記用紙を読み取って得られた読取画像データであり、
前記補正領域決定部は、前記第1画像データを、予め保持した基準画像データと比較することで前記補正領域を決定する、上記(1)に記載の画像形成装置。
【0011】
(3)前記画像形成部は、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色のトナーをそれぞれ現像する複数の画像形成ユニットを含み、
前記出力制御部は、前記画像形成ユニットそれぞれにおける前記第1露光信号と、第2露光信号との論理和により、前記第3露光信号を生成する上記(2)に記載の画像形成装置。
【0012】
(4)前記第1画像データは、前記白紙を読み取って得られた読取画像データであり、
前記補正領域決定部は、前記基準画像データとして、前記白紙の色に対応した均一な標準画素値で構成された画像データを用いる、上記(2)、または上記(3)に記載の画像形成装置。
【0013】
(5)前記画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色のトナーをそれぞれ現像する複数の画像形成ユニットに加え、さらにホワイトのトナーを現像するホワイト用の画像形成ユニットを含み、
印刷用の前記用紙は、白紙であり、
前記補正領域決定部は、均一な画素値で構成される前記基準画像データを、前記白紙を読み取って得られた読取画像データの画素値と比較し、所定値以上の差がある画素が連続する領域をホワイト用の前記補正領域として決定し、
前記補正信号生成部は、決定した前記ホワイト用の前記補正領域に基づいて、ホワイト用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、上記(4)に記載の画像形成装置。
【0014】
(6)印刷用の前記用紙は、色紙であり、
前記補正領域決定部は、前記基準画像データとして、前記色紙の色に対応した均一な標準画素値で構成された画像データを用い、
前記補正領域決定部は、均一な画素値で構成される前記基準画像データを、前記色紙を読み取って得られた読取画像データの画素値と比較し、所定値以上の差がある画素が連続する領域を、前記基準画像データの画素値に対応する1つ以上の前記画像形成ユニットの色用の前記補正領域として決定し、
前記補正信号生成部は、決定した前記色用の前記補正領域に基づいて、前記色用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、上記(2)、または上記(3)に記載の画像形成装置。
【0015】
(7)前記画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色のトナーをそれぞれ現像する複数の画像形成ユニットに加え、さらにホワイトのトナーを現像するホワイト用の画像形成ユニットを含み、
前記補正信号生成部は、決定した前記補正領域に基づいて、ホワイト用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、上記(6)に記載の画像形成装置。
【0016】
(8)印刷用の前記用紙は、追い刷り印刷用の下地画像が印刷された用紙であり、
前記補正領域決定部は、前記基準画像データとして、前記下地画像の印刷に用いた元画像データを用い、
前記補正領域決定部は、前記元画像データを、前記印刷された用紙を読み取って得られた読取画像データの画素値と比較し、所定値以上の差がある画素が連続する領域を、前記基準画像データの画素値に対応する1つ以上の前記画像形成ユニットの色用の前記補正領域として決定し、
前記補正信号生成部は、決定した前記色用の前記補正領域に基づいて、前記色用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、上記(2)、または上記(3)に記載の画像形成装置。
【0017】
(9)前記画像形成部は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの色のトナーをそれぞれ現像する複数の画像形成ユニットに加え、さらにホワイトのトナーを現像するホワイト用の画像形成ユニットを含み、
前記補正信号生成部は、決定した前記補正領域に基づいて、ホワイト用の前記画像形成ユニットの前記第2露光信号を生成する、上記(8)に記載の画像形成装置。
【0018】
(10)補正信号生成部は、決定された前記補正領域に含まれる複数の画素、および前記補正領域の周辺の画素に対して露光信号を補正した補正用の第2露光信号を生成する上記(2)から上記(9)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0019】
(11)用紙に画像を形成する印刷部を備える画像形成装置を制御するコンピューターで実行される制御プログラムであって、
取得した印刷用の用紙それぞれに対応する第1画像データを解析し、補正領域を決定するステップ(a)と、
決定された前記補正領域に基づいて、補正用の第2露光信号を生成するステップ(b)と、
印刷ジョブの印刷データから生成した第1露光信号を、前記第2露光信号で補正した、補正後の第3露光信号を生成するステップ(c)と、
前記第3露光信号に基づいて、画像形成部により、前記用紙に画像を形成するステップ(d)と、を含む処理を実行させるための制御プログラム。
【0020】
(12)印刷用の前記用紙は、白紙、色紙、または、追い刷り印刷用の画像が印刷された用紙であり、
前記第1画像データは、前記用紙を読み取って得られた読取画像データであり、
前記ステップ(a)では、前記第1画像データを、予め保持した基準画像データと比較することで、前記補正領域を決定する、上記(11)に記載の制御プログラム。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る画像形成装置、および制御プログラムによれば、取得した第1画像データを解析して決定した補正領域に基づいて、補正用の第2露光信号を生成し、印刷ジョブの印刷データから生成した第1露光信号を、第2露光信号で補正した、補正後の第3露光信号を生成し、第3露光信号に基づいて、用紙に画像を形成する。このようにすることで、新たな画像を印刷する用紙に、汚れ等の不良がある場合に、これらを修正するとともに新たな画像を印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【
図2】画像形成装置のハード構成を示すブロック図である。
【
図3】画像形成装置のハード構成を示すブロック図である。
【
図4】画像形成装置の制御部が実行する印刷処理を示すフローチャートである。
【
図5】印刷用紙に汚れ等の不良がある場合に生じる不良印刷物を説明するための模式図である。
【
図6】
図5(b)の不良箇所を補正(消去)するための補正用画像を説明するための模式図である。
【
図7A】不良箇所の補正と印刷を同時に行うための合成画像データを説明するための模式図である。
【
図7B】不良箇所の補正と印刷を同時に行うための合成画像データを説明するための模式図である。
【
図8】白紙または色紙を用いた印刷処理におけるデータの流れを示すフロー図である。
【
図9】白紙における、補正用の第3露光信号の生成処理を示すタイミングチャートである。
【
図10】色紙(Y色)における、補正用の第3露光信号の生成処理を示すタイミングチャートである。
【
図11】印刷済み用紙を用いた印刷処理におけるデータの流れを示すフロー図である。
【
図12】印刷済み用紙における、補正用の第3露光信号の生成処理を示すタイミングチャートである。
【
図13】変形例における画像形成装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す概略図である。
図2、
図3は、画像形成装置1のハード構成を示すブロック図である。
図1に示すように画像形成装置1は、装置本体10a、給紙装置10b、および読取装置10cを備える。
【0025】
給紙装置10bは、複数の給紙トレイ145c~145d(以下、これらを総称して給紙トレイ145ともいう)を備え、これらの給紙トレイから、内部に収容した用紙300を搬送する。搬送された用紙300は、搬送路141に配置した読取部16により、用紙300の表面(画像形成面)が読み取られて、読取画像形成データが生成される。例えば、用紙300が白紙、色紙であれば、読取画像データを画像解析することで表面の汚れが検出される。また下地画像が印刷された印刷済みの用紙に対して上書きの印刷(以下、「追い刷り印刷」と称す)をする場合に、用紙300が、他の画像形成装置等で印刷された印刷済みの用紙であれば、これを読み取って生成された読取画像データを解析することで、汚れを検出したり、元画像データとの比較により、印刷不良を検出したりする。搬送路141を通過した用紙300は、下流側の装置本体10aの搬送路142に搬送され、装置本体10aで画像形成面に画像が形成される。
【0026】
図2、
図3に示すように、画像形成装置1は、制御部11、記憶部12、画像形成部13、給紙搬送部14、操作表示部15、読取部16、プリンタコントローラー17、および同期信号生成回路18(
図3参照)を備える。
【0027】
(制御部11)
図3に示すように、制御部11は、CPU111、制御メモリ112、画像制御回路113、ページメモリ114、およびバッファー115を含む。画像制御回路113は、メモリ制御ASIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)およびプリントASICを含む。ページメモリ114は、メモリ制御ASICに接続されおり、メモリ制御ASICによりデータの入出力の制御がなされる。バッファー115は、プリントASICに接続されおり、プリントASICによりデータの入出力の制御がなされる。なおページメモリ114またはバッファー115は、それぞれメモリ制御ASIC、プリントASICの回路内部にそれぞれ設けてもよい。
【0028】
CPU111は、制御メモリ112または記憶部12に保存されている各種プログラムを実行することにより画像形成装置1の全体の動作を統括的に制御する。また、CPU111は、プログラムを実行することで補正領域決定部、補正信号生成部、および出力制御部として機能する。なお、画像制御回路113側で、補正信号生成部、および出力制御部の機能の一部、または全部を担うようにしてもよい。
【0029】
「補正領域決定部」では、読取部16の読み取りで得られた、印刷を行う用紙300の読取画像データ(第1画像データ)を解析することで補正領域を決定する。この場合、(a)第1画像データを基準画像データと比較することで補正領域を決定する。または(b)印刷済みの用紙300を用いる場合において、一部の画像を書き代えるような場合に、ユーザー等により指定された領域に一致する領域を補正領域として決定する。
【0030】
補正領域決定部は、前者(a)の比較により補正領域を決定する場合には、主に以下の(a1)から(a3)の3通りの手法がある。(a1)第1の手法では、予め保持した基準画像データの画素値と、第1画像データの各画素の画素値を比較し、所定値(閾値)以上の差がある画素(候補画素)を抽出し、この抽出した候補画素が連続する領域(クラスタリング)を補正領域として決定する。例えば白紙を使う場合には、読取画像データのRGB各色のいずれかの画像データの画素の画素値が予め設定した閾値以下(濃度が濃い)の場合に、候補画素として抽出する。そして候補画素が連続する領域を補正領域として決定する。閾値は、紙の種類と紙の色(画素値)の対応付けテーブルを記憶部12に記憶しておき、ユーザー等に指定された紙の種類の色に所定のオフセットを加算した閾値を用いてもよい。なお、RGB形式の読取画像データを、GS(Gray Scale)に変換、またはYMCK(またはYMCKW)に変換してから補正領域の決定処理をしてもよい。後者の場合、YMCKのいずれかの画素の画素値が閾値以上(濃度が濃い)の場合に、候補画素として抽出し、補正領域を決定する。
【0031】
(a2)第2の手法では、使用する用紙と同じ種類の1枚以上の用紙を読取部16等により読み取って得られた読取画像データから、用紙の平均的な濃度(色)を判定する。そして判定したこの濃度にばらつきを考慮したオフセット値を加算した濃度を閾値に設定する。この場合は、均一な閾値が画像データ全体に適用される。
【0032】
(a3)最後の第3の手法では、追い刷り印刷をする場合に、印刷済みの用紙への印刷に用いた元画像データを取得し、これとこの用紙の読取データを、画素単位で比較する。所定以上の差(濃度が濃い場合と、薄い場合の両方がある)がある画素を候補画素として抽出し、これが連続した場合に、補正領域として決定する。なお、元画像データに代えて、プルーフ用画像データ(以下、これらを総称して「基準画像データ」という)を用いてもよい。プルーフ用画像データとは、印刷済み画像(下地画像)が印刷された用紙(印刷済み用紙)の中からユーザーによって選定される。ユーザーは、下地が印刷された用紙を目視して良品であることを確認し、この確認した画像の用紙を、本画像形成装置1、または外部の読取装置で読み取って得られた読取画像データをプルーフ用画像データとして用いる。なお、上記(a3)の画素値の比較を画素単位で行う場合、用紙300の読取画像データの解像度と、基準画像データ(元画像データ、またはプルーフ用画像データ)の解像度が異なる場合、ユーザーは、いずれか一方の解像度となるように、解像度を変換させる。なお、以下においては、説明が煩雑になるのを避けるため、基準画像データ、印刷画像データ、画像形成部13(書込ユニット1302)等の解像度は全て同じ解像度として説明する。
【0033】
「補正信号生成部」は、決定されたこの補正領域に基づいて、補正用の第2露光信号を生成する。例えば、補正領域と同じ領域の画素に、汚れを消去するため(見えなくするため)の上書き用のトナーを付着させるための画像形成ユニット130に向けた第2露光信号を生成する。例えば、白紙の汚れを消去するために、ホワイト用の画像形成ユニット(後述の画像形成ユニット130(W))に向けた第2露光信号を生成する。この第2露光信号は、補正領域の大きさと同じ領域の画素に対して露光信号を補正した信号(すなわち、トナーを付着させる、または付着量を多くして画素の濃度を濃くする信号)を生成してもよい。あるいは、画像形成時の位置のばらつきを考慮して、補正領域の周辺の画素まで領域を拡張し(太らせる)、拡張した領域に対して露光信号を補正した第2露光信号を生成してもよい。周辺とは、補正領域に主走査方向、および/または副走査方向に隣接して連続する画素である。例えば、主走査方向において、前後に1mm(例えば1200dpiで前後数十画素ずつ)の距離で連続する画素である。
【0034】
「出力制御部」は、印刷ジョブの印刷画像データから生成した第1露光信号と、補正信号生成部が生成した第2露光信号から、第3露光信号を生成する。例えば、第1露光信号と第2露光信号の画素毎の論理和を取ることで第3露光信号を生成する。このように露光信号を処理して、補正用の画像データを生成することで、簡易な構成で、高速に画像処理でき、効率的に不良を修正できる。
【0035】
(画像形成部13)
再び
図1を参照する。画像形成部13は、複数の画像形成ユニット130(Y~W)、中間転写ベルト131、2次転写部132、および定着部133を備える。
【0036】
画像形成部13は、トナーを用いた周知の電子写真式プロセスによる画像形成を行う。画像形成ユニット130(Y~W)は、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)、W(ホワイト)のトナーに対応する。それぞれの画像形成ユニット130は、感光体ドラム1301、書込ユニット1302、現像装置1303、帯電極(図示せず)、クリーナー(図示せず)、等を備える。各画像形成ユニット130は、現像装置1303で用いるトナーの色が異なるが、これ以外は同じ構成を備える。
【0037】
本実施形態では、後述するように補正用(消去用)の最下層(用紙に接触)のトナーとしてW色のトナーを用い、その上に、印字画像データ(第1露光信号)に対応したY、M、C、Kトナーを重ねる場合に、W色トナーと、他のYMCKのカラートナーが完全に溶融して一体化しないようにするために、W色のトナーと、カラートナーとの溶融性が異なるように構成することが好ましい。例えば、カラートナーは、溶融性に優れ、低温度かつ短時間で溶融するシャープメルト性を有するトナーであることが好ましく、一方で、W色のトナーは、結着樹脂の貯蔵弾性率が、カラートナーの結着樹脂の軟化温度において、カラートナーの結着樹脂の貯蔵弾性率の5倍以上とすることが好ましい。5倍以上とすることで、加熱定着時にW色のトナーが溶融してカラートナーとの混色を起こすことをある程度、防止できる。
【0038】
書込ユニット1302それぞれは、LD(レーザーダイオード)、ポリゴンミラー、インデックスセンサーおよびポリゴンミラーを駆動するモータを制御する制御回路を含む(いずれも図示せず)。インデックスセンサーは、ポリゴンミラーにより反射されて照射されるレーザー光を検出し、ポリゴン回転同期信号を出力する。後述する同期信号生成回路18が出力する出力用CLK(クロック)信号は、インデックスセンサーが出力したポリゴン回転同期信号に基づいて同期制御される。
【0039】
感光体ドラム1301は、書込ユニット1302から照射されるレーザー(
図1では破線矢印で示す)により露光位置で露光される。Y色であれば、露光により感光体ドラム1301の表面に形成された静電潜像を、対応して設けられたY色用の現像装置1303によりトナーで現像し、感光体ドラム1301表面上にY色のトナー画像を形成する。他色の画像形成ユニット130も同様に、それぞれ対応する書込ユニット1302により、静電潜像を形成し、これを対応して設けられたM、C、K、W色用の現像装置1303によりトナーで現像し、感光体ドラム1301表面上に、M、C、K、W色のトナー画像を形成する。形成した各色のトナー画像は、中間転写ベルト131上に1次転写されて重ね合わせられることでフルカラーのトナー画像となる。このフルカラーのトナー画像を、給紙装置10b、または装置本体10a自体の給紙トレイ145a、bの何れかから送り出された用紙300の紙面上に2次転写部132で転写する。その後、下流側の定着部133で加熱・加圧処理することにより用紙300の表面に定着する。
【0040】
それぞれの感光体ドラム1301の露光位置から、1次転写位置までの距離は同一に設定している。また隣接する感光体ドラム間の中間転写ベルト131の表面に沿った方向(高さ方向)の距離は、同一であり、感光体ドラム1301は、高さ方向において等間隔に配置している。このことから各感光体ドラム1301の露光位置の相対的な距離は、感光体ドラムの間隔(以下、単に「ドラム間距離」ともいう)と等しい。このような場合において、用紙300上の同じ位置の画素に露光する場合においては、Y、M、C、K、Wでは、それぞれ順に、ドラム間距離の分だけ露光タイミングが異なる。
【0041】
(給紙搬送部14)
給紙搬送部14は、上述した複数の給紙トレイ145a~eを備える。また、給紙搬送部14は搬送路141~143を備える。各給紙トレイ145には、複数枚の用紙300が積載され、最上位の用紙300を1枚ずつ給紙する。給紙搬送部14は、搬送路141~143に沿って配置された複数の搬送ローラー対とこれを駆動する駆動モーター(図示せず)を備える。例えば、給紙トレイ145dから給紙された用紙300を、搬送路141の読取部16の読取位置まで搬送したり、2次転写部132の転写位置や、その下流側の排紙トレイ144まで搬送したりする。
【0042】
(操作表示部15)
装置本体10aの上部には操作表示部15を配置している。操作表示部15は、ユーザーの操作を受けるとともに、情報を表示する。このための操作表示部15はたとえばタッチパネル等のように操作部分と表示部分とが一体に構成されているもの、ボタンやキー等のハードキーと液晶表示装置等のような構成等、どのような構成であってもよい。
【0043】
(読取部16)
読取部16は、搬送路141上に配置され、給紙搬送部14により搬送された用紙300上の画像の読み取りを行い、読取画像データを生成する。なお、両面の同時(1パス)読み取りが行えるように、搬送路141の下側にも同じ読取部を配置してもよい。読取部16は、センサーアレイ、レンズ光学系、LED(Light Emitting Diode)光源およびこれらを収納する筐体等を備える。センサーアレイは、複数の光学素子(例えばCCD(Charge Coupled Device))を主走査方向に沿ってライン状に配置したカラーラインセンサーであり、幅方向における読取領域は用紙300の全幅に対応している。光学系は、複数のミラーとレンズから構成される。LED光源からの光は、原稿ガラスを透過し、搬送路141上の読取位置を通過する用紙300の表面を照射する。この読取位置の表面反射光による像は、光学系により導かれ、センサーアレイ上に結像する。読取部16の解像度は、100~1200dpiの範囲のいずれかであり、例えば600dpi、または1200dpiである。
【0044】
(プリンタコントローラー17)
プリンタコントローラー17は、PC(パーソナルコンピュータ)等の構成される端末装置900から送られてきた印刷ジョブを取得する。そしてこの印刷ジョブに含まれるPDL形式(PDL:Page Description Language)またはPDF形式で記述された印刷データ(画像データ)は、プリンタコントローラー17によりラスタライズ処理されラスター形式のページ毎の画像データに変換され、ページメモリ114に一時的に記憶される。上述した、読取部16により生成された読取画像データや、後述する補正用画像データも同様に、ページメモリ114に一時的に記憶される。
【0045】
(同期信号生成回路18)
同期信号生成回路は、1つ以上の水晶発信器を含み、出力用CLKを生成する。
【0046】
(印刷処理)
以下、
図4から
図7を参照し、本実施形態における印刷処理について説明する。
図4は、画像形成装置1の制御部11が実行する印刷処理を示すフローチャートであり、
図5から
図7Bは、この印刷処理における不良画像の補正処理第1から第3露光信号について説明するための模式図である。
【0047】
(印刷動作の出力例)
印刷処理を説明する前に、
図5から
図7Bを参照し、この印刷処理で用いる第1から第3露光信号について説明する。
【0048】
図5は、印刷用紙に汚れ等の不良がある場合に生じる不良印刷物を説明するための模式図である。
図5(a)には、理想的な用紙、すなわち汚れがない用紙を用いて、画像形成装置1により印刷画像データ410を用いて印刷した場合の印刷前の用紙310、および印刷後の用紙510を示している。ここで、用紙310は、白紙の下半分にY色の下地画像が形成された、印刷済み用紙である。下地画像は、薄いY色の均一な濃度の矩形画像である。
【0049】
印刷画像データ410は、図の例では、Y、K、W色の画像データで構成され、M、C色の画像データはない(ゼロ値、すなわちNULL)。
図5(a)では各色の画像データの構成を吹き出しで示している。なおW色の画像データがある領域(露光する領域)は、表示のために網掛けで示している。各色の画像データにより形成される露光信号を、以下においては「第1露光信号」と呼ぶ。この第1露光信号4100は、所定タイミングで各色の書込ユニット1302に送られる。
【0050】
図5(b)は、比較例において、汚れがある印刷前の用紙311を用いた場合の出力例を示している。
図5(a)との比較でわかるように、汚れがある場合には、印刷後の用紙511でも汚れが残り、最終的な印刷物として不良となる。
【0051】
図6は、
図5(b)の不良箇所を補正(消去)するための補正用画像を説明するための模式図である。
図5(b)で示したような印刷前の用紙311にある汚れ(図の例では4箇所)に対応した補正領域を、制御部11の補正領域決定部は、用紙311を読み取った読取画像データと基準画像データを比較することで決定する。具体的には、読取画像データを、印刷前の用紙311の印刷済み画像の印刷に用いた基準画像データとしての元画像データとの差分を取り、所定以上の差がある画素から補正領域を決定する。例えば補正領域決定部は、YMCK形式変換後の画素値同士の比較で、所定以上の濃度差がある(汚れで濃度が濃い)画素を候補画素として抽出する。そして候補画素が連続する画素をグループ化(クラスタ)して、所定以上の面積(または画素数)のグループを補正領域として決定する。例えば1mm平方以上の面積の領域を補正領域として決定する。
【0052】
次に制御部11の補正信号生成部は、補正領域と同じ位置の対応する画素群、またはこの画素群、およびこれに隣接する周辺画素に対して補正用の第2露光信号4200を生成する。
【0053】
図6に示す例では、補正用の画像データ420(第2露光信号4200に対応)では、W色用の画像データにおいて、補正領域に対応する画素群および周辺画素に汚れ補正用(汚れ消去用)の画像を形成する。補正用画像の形状は、補正領域の形状と同一、またはこれを周辺に拡大(太らせる)させた形状であってもよく、補正領域を包含するサイズに設定した所定の形状(円、または矩形)であってもよい。以降では、矩形の補正画像を形成した場合を例として説明する。
図6の吹き出しに示すように、補正画像は、印刷前の用紙311の画像(W色の消去用画像も含む。以下同様。)に対応させている。具体的には、下側の2つの汚れでは、その位置の用紙311の色(Y色)に対応させてY、W色用の補正画像が、上側の2つの汚れでは、その位置の用紙311の色(白紙)に対応させてW色用の補正画像が生成される。
【0054】
図7A、
図7Bは、不良箇所の補正と印刷を同時に行うための合成画像データを説明するための模式図である。制御部11の出力制御部は、
図7Aに示すように、上述した印刷画像データ410、および補正用画像データ420を合成することで合成画像データ430を生成する。
【0055】
この合成画像データ430の第3露光信号4300は、出力制御部により、後述するように、印刷画像データ410の第1露光信号4100を補正用画像データ420の第2露光信号4200で補正することで生成されたものである。例えば、画素単位で第1、第2露光信号4200を論理和することで第3露光信号4300が生成される。なお、
図7A、
図7Bでは説明のために、ページ単位の合成画像データ430を示しているが、本実施形態では、このようなページ画像データを生成せずに、露光信号上で露光信号を合成し、第3露光信号を生成している。これにより、ページ毎の画像データを生成するのにくらべて、簡単な構成で、高速に画像処理を行える。
【0056】
図7Bに示すように、画像形成部13は、印刷前の用紙311の汚れに対応した補正画像が合成された合成画像データ430を用いて、用紙311に画像形成することで、不良が補正(消去)された正常な印刷物である印刷後の用紙512を出力する。以下に説明する印刷処理では、このような第1~第3露光信号を用いて、正常な印刷物を出力する。
【0057】
(印刷処理)
(ステップS201)
図4の説明に戻る。制御部11は、印刷ジョブを受け付ける。例えば端末装置900から送られた印刷ジョブを受け付ける。印刷ジョブには、印刷に用いる用紙種類の情報等の印刷設定を記述したジョブチケットと、印刷データが含まれる。
【0058】
(ステップS202、S203)
プリンタコントローラー17は、ステップS201で取得した印刷データに対してラスタライズ処理を行い、ラスターデータを生成し、ページメモリ114に保存する。メモリ制御ASICに接続されたページメモリ114からプリントASICのバッファー115へ、先頭から順に1ライン毎に画像データが転送される。このページメモリ114から転送される1ライン毎の画像データは、Y、M、C、K、Wの5つの色の画像データで構成され、1ライン毎に同時に転送する際にFront処理が施されてから色毎のバッファー115にそれぞれ記憶される。このFront処理には、ガンマ補正、スクリーン補正、濃度バランス、および2次元位置補正の画像処理が含まれる。各バッファー115に記憶された画像データは、第1露光信号として、後述する色毎のVV信号(垂直有効信号)が有効な期間においてHV信号(垂直有効信号)に同期してバッファー115から1ラインずつ読み出されて対応する書込ユニット1302(Y~W)のそれぞれのLDに送出される。この読み出す際に各ラインの画像データに対しては先端タイミング調整、および片寄り調整等の画像位置調整に関するRear処理が施される。
【0059】
(ステップS204)
制御部11は用紙300を特定する。例えばジョブチケットに応じて選択した給紙トレイ145から用紙300を搬送する。
【0060】
(ステップS205)
制御部11は、用紙300の画像形成面の画像を、読取部16により読み取り、読取画像データ(以下、「第1画像データ」という)を取得する。なお、第1画像データとしては、ユーザーが指定した画像データを用いても良い。例えば、外部の読取装置により、予め用紙を読み取っておき、得られた読取画像データを用いる。この場合、ADF付きの読取装置を用いて、複数枚、例えば1カセット500枚の用紙を連続して読み取って得られた読取画像データを用いる。具体的には、得られた複数ページ分の読取画像データを記憶部12に記憶しておき、また読み取った順に用紙300を給紙トレイ145に装填する。そして、この用紙300を用いて画像形成するために搬送する度に、対応する読取画像データを記憶部12から読み出す。
【0061】
(ステップS206)
制御部11の補正領域決定部は、ステップS205で取得した第1画像データを解析することで補正領域を決定する。この補正領域の決定は、上述の3つの手法、すなわち(a1)予め設定した基準値、(a2)読取画像データから算出した基準値、(a3)追い刷り印刷時の元画像データとの比較のいずれか、またはこれらの手法の組み合わせにより行える。例えば、上述の
図6のように(a3)の手法により、印刷前の用紙311の読み取りにより得られた読取画像データ(第1画像データ)と、基準画像データを比較することで、補正領域を決定する。なお、このとき、読み取りに得られたRGB形式の第1画像データを、YMCK形式に変換してから、基準画像データとの比較をするようにしてもよい。
【0062】
(ステップS207)
制御部11の補正信号生成部は、汚れ等に対応した補正領域に対する第2露光信号を生成する。上述の
図6の補正用画像データ420の第2露光信号4200で示したように、基準画像データ(印刷前用紙311の用紙の色、または下地画像の補正領域位置の画素の画素値)に応じて、補正用(消去用)のY色、W色の第2露光信号を生成する。例えば、消去用のW色は255/255の画素値の露光信号を生成し、Y色は、下地画像のY色の画素値と同じ画素値の露光信号を生成する。
【0063】
(ステップS211)
制御部11の出力制御部は、ステップS203で得られた第1露光信号を、ステップS207で得られた第2露光信号で補正して、第3露光信号を生成する。具体的には、出力制御部は、画素毎の論理和を取ることで、第3露光信号を生成する。例えば、8bit(255階調)の画素信号において第1露光信号の画素値が0/255(NULL)で、第2露光信号が255/255(FULL)であれば、論理和により第3露光信号は、255/255となる。また、第1露光信号が8/255で、第2露光信号が128/255であれば第3露光信号は128/255となる。
【0064】
また、中間濃度のPWMの場合には、露光信号を1画素の中でのどのように振り分けるかにより論理和が異なる。この振り分けには、左寄せ、中寄せ、右寄せがある。例えば、PWM50%の場合を考えると、1画素相当の10nsec分の区間うち、左寄せでは前半(主走査方向の上流側)の0~5nsecで露光を行い、右寄せでは後半(主走査方向の下流側)の5~10nsecで露光を行い、中寄せでは中間の2.5~7.5nseの区間に露光を行うようにする。第1露光信号、および第2露光信号をそれぞれ左寄せ、右寄せあるいはその逆に振り分け、互い違いになるように構成することが好ましい。このように互い違いにする場合には、第1露光信号が8/255、第2露光信号が128/255であれば、論理和の第3露光信号では136/255となる。一方で、第1、第2露光信号が共に同じ振り分け、例えば共に中寄せで構成する場合には、同じ第1露光信号が8/255、第2露光信号が128/255であれば、論理和の第3信号は、128/255となる。
【0065】
(ステップS212)
画像制御回路113は、ステップS211で得られた第3露光信号を、各色の書込ユニット1302(Y~W)に、それぞれのタイミングで送出し、ステップS204で搬送された用紙300に対して画像形成を行う。
【0066】
(ステップS213)
以上の画像形成を行った後、印刷ジョブが完了しておらず、次の用紙への印刷があれば、処理をステップS202、204に戻し、以降の処理を行う。なお、同じ印刷データを用いて繰り返し用紙に印刷する場合には、ステップS202、S203の処理を省略し、前の印刷で用いた第1露光信号を繰り返し使うことができる。
【0067】
このように、本実施形態に係る画像形成装置では、取得した第1画像データを解析して決定した補正領域に基づいて、補正用の第2露光信号を生成し、印刷ジョブの印刷データから生成した第1露光信号を、第2露光信号で補正した、補正後の第3露光信号を生成し、第3露光信号に基づいて、用紙に画像を形成する。これにより、新たな画像を印刷する用紙に、汚れ等の不良がある場合に、これらを補正(消去)するとともに新たな画像を印刷できる。また、さらに、露光信号を処理することで、補正用の第3露光信号を生成することから、ページ毎の補正用の合成画像データ(
図7Aの合成画像データ430)を生成せずに、補正できるので、簡単な構成で、高速に画像処理を行える。
【0068】
(実施例)
次に
図8から
図12を参照し、上述した実施形態について露光信号の生成処理の具体例について説明する。
【0069】
(第1の実施例)
第1の実施例では、白紙、または色紙を用いた場合について説明する。
図8は、白紙または色紙を用いた印刷処理におけるデータの流れを示すフロー図であり、
図9、
図10それぞれは、白紙、および色紙における補正用の第3露光信号の生成処理を示すタイミングチャートである。
【0070】
図8では、印刷処理をデータの流れに沿って示しており、
図4のフローチャートに対応する。また、
図8において、
図5から
図7Bに対応するデータ(印刷画像データ410等)は、同じ番号を付すことにより説明に代える。
【0071】
(ステップS701)
読取部16により、搬送された白紙312(または色紙)の読み取りを行い、第1画像データ601を生成する。
【0072】
(ステップS702、S703)
制御部11の補正領域決定部は、第1画像データ601と、基準画像データ602とを比較して、補正領域を決定し、これにより補正用の画像データ420を生成し、ページメモリ114に記憶させる。この処理は、
図4のステップS206、S207、
図6に対応する処理であり、説明を省略する。
【0073】
(ステップS704)
制御部11の画像制御回路113は、リード信号に応じてページメモリ114の画像データを読み出し、そして一時的にバッファー115に記憶させ、画像制御回路113の遅延回路によりタイミングを同期させて、主走査の1ライン毎に書込ユニット1302に露光信号を出力する。
【0074】
(ステップS711)
制御部11は、印刷用の画像データ410に対して、上述のガンマ補正、スクリーン補正、濃度バランス、および2次元位置補正の処理、ならびに画像位置調整の画像処理を施す。
【0075】
(ステップS712)
画像制御回路113は、1ライン毎に第1露光信号4100と、第2露光信号4200のタイミングを合わせて取得し、画素毎に論理和を取ることで、第3露光信号4300を生成する。
【0076】
(ステップS713)
画像形成部13の書込ユニット1302(Y~W)は、入力された第3露光信号に応じて、露光を行い、各色のトナーで形成された印刷画像513を白紙312上に形成する。
【0077】
(白紙の処理例)
次に
図9を参照し、
図8の印刷処理における、白紙を用いた場合の露光信号の生成処理について説明する。
【0078】
図9(後述の
図10、
図12も同様、以下単に
図9等という)の例では、VV信号は印刷ジョブの開始信号により生成され、1つのHigh期間は、画像の1ページ分に相当する。また、HV信号の1つのHigh期間は1つの主走査ライン分に相当する。出力用CLKの1周期は、1画素の露光期間に相当する。また、
図9等の例では、各色のタイミングを、縦軸を揃えて示しているが、実際には、ドラム間距離の分だけ、露光タイミングが異なる。さらに、第1~第3露光信号は、画素値に対応したPWM信号となる(例えば255では露光期間を全点灯、128では50%露光となる)。
【0079】
また、
図9等の例では、第3露光信号のみならず、第2露光信号に関しても、ページ毎の補正用のページ画像データ(
図6の画像データ420等)を生成せずに、露光信号上で補正領域を決定し、第2露光信号を生成する例を示している。
【0080】
図9では、白紙の汚れに対して補正領域を決定し、基準画像の画素値、すなわち用紙の色(白色)に応じて、ホワイトのトナーによる補正用画像データ420の補正領域を決定する。なお、
図9ではY~K用の補正領域と第2露光信号は、白紙を対象とした印刷処理では生成されず(全てNULL信号)、使用しないのでグレイアウト(薄文字)で示している。補正領域決定部は、
図9に示すように第1画像データと、基準画像データとを比較し所定値よりも差分が大きい画素を抽出する。この基準画像データは、用紙の色である白色に相当する均一な画素値で構成されたものである。例えば、YMCK形式に変換した第1画像データでのYMCKの画素値を、紙色の白色に相当するYMCKの画素値(例えば全て0(ゼロ))と比較し、これらの差分を取る。そして所定値よりも差分が大きい画素(濃度が濃い)を候補画素として決定する。例えばいずれかの画素値の差分が所定値としての20/255以上の場合に、候補画素として抽出し、主走査方向においてこれが一定個数以上連続した場合には補正領域として決定する。
【0081】
次に制御部11の補正信号生成部(例えば、画像制御回路113)は、W色の補正領域を拡張し、例えば、同じ主走査方向のラインにおける隣接する前後の数十画素(前後各0.5mm相当)まで拡張した第2露光信号を生成する。W色の露光信号は、PWM100%(255/255)である。
【0082】
制御部11の出力制御部(例えば、画像制御回路113)は、色毎の第1露光信号と、第2露光信号で論理和を取り、第3露光信号を生成する。具体的には、W色の第1露光信号と第2露光信号の論理和により第3露光信号を生成する。このようにして、露光信号で、補正領域の決定、および補正信号を生成することで、用紙に汚れ等の不良がある場合に、これらを修正するとともに新たな画像を印刷できる。
【0083】
(色紙(黄色)の処理例)
次に
図10を参照し、
図8の印刷処理における、色紙を用いた場合の露光信号の生成処理について説明する。なお、色紙の色相に応じて、対象となる色の種類、数は異なるが、以下においては、説明を容易にするため、色紙はYトナーと同じ色相の薄い色の紙であるものとして説明する。そのため、補正用画像データの処理対象の色は、WとYの2色となる(
図6の第2露光信号と同様)。
【0084】
図10に示す例では、このようにY色も処理対象となるため、Y色用の補正領域と第2露光信号を示している。なお、M、C、K色は、
図9と同様に処理対象とはならないことから、
図10ではこれらの色の補正領域および第2露光信号の表示を省略している。
【0085】
図10の信号生成処理においても、
図9の例と同様に、補正領域決定部は、第1画像データと、基準画像データとを比較し、所定値よりも差分が大きい画素を抽出する。この基準画像データは、用紙の色である薄い黄色に相当する均一な画素値で構成されたものである。例えば、RGB形式(8bit(0~255))であれば(0,0,20)であり、Y、M、C、K形式(8bit(0~255))であれば(20,0,0,0)である。例えば、YMCK形式に変換した第1画像データでのYMCKの画素値を、紙色の薄い黄色に相当するYMCKの画素値(20,0,0,0)と比較し、これらの差分を取る。そして所定値よりも差分が大きい画素(濃度が濃い)を候補画素として決定する。例えばYの画素値が40/255以上の場合(すなわち差分が20/255以上の場合)、またはCMK何れかの画素値が20/255以上(すなわち差分が20/255以上)の場合に、候補画素として抽出し、これが一定個数以上連続した場合には補正領域として決定する。第1画像データの各画素の画素値と、この基準画像データの画素値の比較で、所定値よりも差分が大きい画素(濃度が濃い場合と薄い場合)を補正領域として決定する。
【0086】
次に制御部11の補正信号生成部(例えば、画像制御回路113)は、Y色とW色に関する補正領域を拡張し、例えば、同じ主走査方向のラインにおける隣接する前後の数十画素まで拡張した第2露光信号を生成する。
【0087】
また、このときのW色の露光信号は、
図9と同様にPWM100%(255/255)であるが、Y色のPWMは、薄い用紙の色に対応して8%(=20/255)としている。このY色のPWMの設定は、基準画像の画素値に応じて、制御部11により設定される。例えば、基準画像データの画素値と同じ値に設定される。またW色のPWMの設定は、差分がプラスの場合、すなわち、汚れ部分の濃度が濃い場合には、
図9と同様にW色のPWMは100%に設定する。一方で、汚れ部分の濃度が薄い場合には、以下のようにW色を用いなくてもよい。例えば、基準画像のY色の画素値が5/255であり、用紙の色が20/255である場合、Y色のPWMの設定は差分の15/255に設定し、W色は不要のためPWMの設定値は0/255となる。
【0088】
制御部11の出力制御部は、色毎の第1露光信号と、第2露光信号で論理和を取り、第3露光信号を生成する。具体的にはY色、W色それぞれの第1露光信号と第2露光信号の論理和を取り、Y色、W色それぞれの第3露光信号を生成する。このようにして、露光信号で、補正領域の決定、および補正信号を生成することで、簡単な構成で高速な信号処理を行え、ひいては高速な画像処理を達成できるとともに、用紙に汚れ等の不良がある場合に、これらを修正するとともに新たな画像を印刷できる。
【0089】
(第2の実施例)
(追い刷り用紙の処理例)
第2の実施例では、下地画像が印刷された印刷済み用紙を用いた追い刷り印刷について説明する。
図11は、追い刷り印刷処理におけるデータの流れを示すフロー図であり、
図12は、追い刷り用紙における補正用の第3露光信号の生成処理を示すタイミングチャートである。
【0090】
図11に示す第2の実施形態のステップS801~S813は、第1の実施形態(
図9)のステップS701~S713のそれぞれ対応し、これらの実施形態では、基本的には同様の処理を行うが、第2の実施形態では(1)位置合わせ処理、および(2)補正領域の周辺画素への拡張処理(太らせ)をしない、という2点で第1の実施形態と異なる。前者の(1)位置合わせでは、下地画像を読み取った第1画像データに対して、下地画像に形成した特徴的なオブジェクト、またはトンボ(例えば用紙の隅近傍に形成した複数の十字マーク)と、用紙のエッジを画像認識で検出し、用紙に対する画像形成位置を把握する。そして、これを基準データと比較することで、基準画像データとの位置合わせ(シフト、回転、倍率調整等)をする。ここでの基準画像データは、下地画像の元画像データ、または見本となる印刷済み用紙を読み取って得られたプルーフ用画像データである。
【0091】
(ステップS801)
読取部16により、搬送された印刷済み用紙313の読み取りを行い、第1画像データ603を生成する。
【0092】
(ステップS802、S803)
制御部11の補正領域決定部は、第1画像データ603に対して、基準画像データ604との位置合わせ処理を施した後、対応位置同士の画素を比較して、補正領域を決定し、これにより補正用の画像データ420を生成し、ページメモリ114に記憶させる。なお、この補正領域は、下地画像が簡単なパターン、例えば、
図5の印刷前用紙310のような、均一な色で構成される場合を除いて、後述するように隣接する画素への拡張を行わない。
【0093】
(ステップS804)
ここでは、
図9のステップS704と同様の処理を行い、タイミングを同期させて、主走査の1ライン毎に書込ユニット1302に露光信号を出力する。
【0094】
(ステップS811~S814)
図9のステップS711~S714と同様の処理を行い、制御部11は、上書き用画像データ411に対して、各種の画像処理を施し、1ライン毎に第1露光信号4101と、第2露光信号4201のタイミングを合わせて取得し、画素毎に論理和を取ることで、第3露光信号4301を生成する。そして画像形成部13の書込ユニット1302(Y~W)は、入力された第3露光信号に応じて、露光を行い、各色のトナーで形成された印刷画像514を下地画像が印刷された印刷済み用紙313上に形成する。
【0095】
(追い刷り用紙の処理例)
次に
図12を参照し、
図11の印刷処理における、印刷済み用紙を用いた場合の露光信号の生成処理について説明する。追い刷り用紙においては、各色を用いる場合がほとんどなので、補正用画像データの処理対象の色は、WとY、M、Cの4色としている。なお、K色は、補正用(汚れ消去用)の色として用いにくいので、
図12の例では、処理対象から外している。なお、K色を対象として含ませてもよい。例えば、ネガ画像を印刷するような場合、すなわち黒色等の濃い色の用紙を用いて、淡い色(W色、Y色等)で文字、線、等を印刷するような場合には、K色も処理対象となり得る。
【0096】
図12の信号生成処理においても、
図9、
図10の例と同様に、補正領域決定部は、第1画像データと、基準画像データとを画素毎に比較し、所定値よりも差分が大きい画素を候補画素として抽出する。この基準画像データは、下地画像に対応する元画像データ、またはプルーフ画像データであり、位置毎に異なる画素値を有する。そして例えば、10/255以上の差がある場合に、候補画素として抽出し、これが一定個数以上連続した場合には補正領域として決定する。
【0097】
次に制御部11の補正信号生成部(例えば、画像制御回路113)は、Y~C色とW色に関する第2露光信号を生成する。また、このときのW色の第2露光信号は、
図9、
図10と同様にPWM100%(255/255)であるが、Y~C色のPWMは、基準画像データ(下地画像)の各位置の画素値に応じた値となる。例えば、基準画像データの画素値と同じ値に設定される。
【0098】
制御部11の出力制御部は、色毎の第1露光信号と、第2露光信号で論理和を取り、第3露光信号を生成する。具体的にはY~C色、W色それぞれの第1露光信号と第2露光信号の論理和を取り、Y~C色、W色それぞれの第3露光信号を生成する。このようにして、露光信号で、補正領域の決定、および補正信号を生成することで、簡単な構成で高速な信号処理を行え、ひいては高速な画像処理を達成できるとともに、印刷済み用紙に、印刷異常や汚れ等の不良がある場合に、これらを修正するとともに新たな画像を印刷できる。
【0099】
以上に説明した、画像形成装置1の構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種種改変できる。また、一般的な画像形成装置1が備える構成を排除するものではない。
【0100】
例えば、
図1の画像形成装置1では、搬送路において画像形成部13よりも上流側に読取部16を配置した例を示したが、下流側の搬送路に読取部を配置するようにしてもよい。
図13は、変形例における画像形成装置1bの構成を示す概略図である。画像形成装置1bでは、装置本体10aの下流側に読取装置10d、および搬送装置10eが接続されている。読取装置10dには、搬送路を搬送された用紙300の表面、裏面の画像をそれぞれ読み取る読取部16a、16bを備える。給紙トレイ145aから搬送された用紙300は、画像形成部13で下地画像が印刷された後に読取部16aにより画像が読み取られ、読取画像データ(第1画像データ)が生成される。また、下地画像を印刷しない場合には、そのまま、画像形成部13による画像形成をせずに読取部16aで画像が読み取られ読取画像データ(第1画像データ)が生成される。この場合、多数枚(例えば1カセット500枚)の用紙300を連続で搬送し、搬送装置10eで表裏を反転して、そのままの順で、排紙トレイ144に積載し、その後、ユーザーの指定によりカセット単位で、1枚毎に用紙300と読取画像データの対応付けを行ってから、
図8に示した印刷処理を行うことができる。
【0101】
さらに、画像形成装置1、1bでは、W用の画像形成ユニット130を備える例を示したが、これを省略し、一般的なY、M、C、K用の画像形成ユニット130で構成される画像形成装置としてもよい。この場合、例えば、Y色の用紙に対して、補正用(消去用)としてY色を処理対象として、上述の印刷処理を行うことができる。
【0102】
上述した実施形態に係る画像形成装置1、1bにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1、1b 画像形成装置、
10a 装置本体
10b 給紙装置
10c、10d 読取装置
10e 搬送装置
11 制御部、
111 CPU、
112 制御メモリ、
113 画像制御回路、
114 ページメモリ、
115 バッファー、
12 記憶部
13 画像形成部
130 画像形成ユニット
1301 感光体ドラム
1302 書込ユニット
1303 現像装置
131 中間転写ベルト
132 2次転写部
133 定着部
14 給紙搬送部
15 操作表示部
16、16a、16b 読取部
17 プリントコントローラ
18 同期信号生成回路
900 端末装置