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特許7516996成形品取り出し装置、成形品取り出し方法、及び、成形品取り出し制御プログラム
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  • 特許-成形品取り出し装置、成形品取り出し方法、及び、成形品取り出し制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】成形品取り出し装置、成形品取り出し方法、及び、成形品取り出し制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
B29C45/76
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020150277
(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公開番号】P2022044895
(43)【公開日】2022-03-18
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】西村 知之
【審査官】隅川 佳星
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-247536(JP,A)
【文献】特開平02-167717(JP,A)
【文献】特開平04-025426(JP,A)
【文献】国際公開第1991/007268(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0099679(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0039957(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 - 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形品生成装置によって生成される成形品を取り出す取り出し部と、
前記取り出し部によって取り出される前記成形品の取り出し間隔が第1所定間隔以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔以上であると判定された場合、前記取り出し部によって取り出される第1所定数の前記成形品を廃棄させる仕分け制御部と、
を備え
前記仕分け制御部は、前記判定部によって前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔よりも大きな第2所定間隔以上であると判定された場合、前記取り出し部によって取り出される前記第1所定数よりも多い第2所定数の前記成形品を廃棄させる、
成形品取り出し装置。
【請求項2】
前記成形品は、光ピックアップに用いられるレンズである、
請求項に記載の成形品取り出し装置。
【請求項3】
成形品生成装置によって生成される成形品を取り出すステップと、
取り出される前記成形品の取り出し間隔が第1所定間隔以上であるか否かを判定するステップと、
前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔以上であると判定された場合、取り出される第1所定数の前記成形品を廃棄させるステップと、
を備えた、
成形品取り出し方法であって、
前記成形品を廃棄させるステップでは、前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔よりも大きな第2所定間隔以上であると判定された場合、前記成形品を取り出すステップにおいて取り出される前記第1所定数よりも多い第2所定数の前記成形品を廃棄させる、
成形品取り出し方法。
【請求項4】
成形品生成装置によって生成される成形品を取り出す処理と、
取り出される前記成形品の取り出し間隔が第1所定間隔以上であるか否かを判定する処理と、
前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔以上であると判定された場合、取り出される第1所定数の前記成形品を廃棄させる処理と、
をコンピュータに実行させる成形品取り出し制御プログラムであって、
前記成形品を廃棄させる処理では、前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔よりも大きな第2所定間隔以上であると判定された場合、前記成形品を取り出す処理において取り出される前記第1所定数よりも多い第2所定数の前記成形品を廃棄させる、
成形品取り出し制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品取り出し装置、成形品取り出し方法、及び、成形品取り出し制御プログラムに関し、歩留まりの低下を抑制しつつ成形品の品質を向上させるのに適した成形品取り出し装置、成形品取り出し方法、及び、成形品取り出し制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、射出成形により成形サイクル毎に成形品を生産する射出成形システムが開示されている。ここで、特許文献1に開示された射出成形システムは、本作業の実行が許可されてから待機時間が経過するまでの間に生産された成形品を廃棄する等の仕分け作業を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6502994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、成形品の成形間隔の違いによる成形品の廃棄数(捨てショット数)の違いについては開示されておらず、成形品の廃棄数は常に一定であるものと考えられる。そのため、特許文献1のシステムでは、廃棄する必要の無い成形品が廃棄されてしまうことによって歩留まりが低下したり、廃棄すべき成形品が廃棄されないことによって成形品の品質が低下してしまったりする、という課題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、歩留まりの低下を抑制しつつ成形品の品質を向上させるのに適した成形品取り出し装置、成形品取り出し方法、及び、成形品取り出し制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の一態様にかかる成形品取り出し装置は、成形品生成装置によって生成される成形品を取り出す取り出し部と、前記取り出し部によって取り出される前記成形品の取り出し間隔が第1所定間隔以上であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔以上であると判定された場合、前記取り出し部によって取り出される第1所定数の前記成形品を廃棄させる仕分け制御部と、を備える。
【0007】
本実施形態の一態様にかかる成形品取り出し方法は、成形品生成装置によって生成される成形品を取り出すステップと、取り出される前記成形品の取り出し間隔が第1所定間隔以上であるか否かを判定するステップと、前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔以上であると判定された場合、取り出される第1所定数の前記成形品を廃棄させるステップと、を備える。
【0008】
本実施形態の一態様にかかる成形品取り出し制御プログラムは、成形品生成装置によって生成される成形品を取り出す処理と、取り出される前記成形品の取り出し間隔が第1所定間隔以上であるか否かを判定する処理と、前記成形品の取り出し間隔が前記第1所定間隔以上であると判定された場合、取り出される第1所定数の前記成形品を廃棄させる処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本実施形態によれば、歩留まりの低下を抑制しつつ成形品の品質を向上させるのに適した成形品取り出し装置、成形品取り出し方法、及び、成形品取り出し制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1にかかる成形品取り出し機(成形品取り出し装置)の構成例を示す概略平面図である。
図2図1に示す成形品取り出し機の動作を示すフローチャートである。
図3図1に示す成形品取り出し機の動作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1にかかる成形品取り出し機の成形品取り出し制御機能のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0012】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる取り出し機(成形品取り出し装置)1の構成例を示す概略平面図である。なお、図1には、成形機(成形品生成装置)2と、成形機2によって生成された成形品の供給先(仕分け先)であるゲートカット機3及び不要成形品ストッカ4と、も示されている。なお、本実施の形態では、成形機2が、光ピックアップに用いられるランナー付きのレンズを成形品として生成する油圧式射出成形機である場合を例に説明する。
【0013】
成形機2は、型締めユニット21と、射出ユニット22と、可動型金型23と、固定型金型24と、成形制御部25と、を少なくとも備える。
【0014】
型締めユニット21は、可動型金型23を固定型金型24に近づけるように移動させることによって型締めを行う。射出ユニット22は、型締めされた可動型金型23と固定型金型24との間に形成された隙間(キャビティ)内に、成形品P1の形成に用いられる金属材料の溶湯を注入する。型締めユニット21は、キャビティ内に充填された金属溶湯が凝固した後、可動型金型23を固定型金型24から離すように移動させることによって型開きを行う。それにより、成形品P1(本例では、ランナー付きのレンズ)が形成される。
【0015】
成形制御部25は、成形機2の全般的な制御を行う。また、成形制御部25は、成形品P1が生成されると、取り出し許可信号をオフ(インアクティブ)からオン(アクティブ)に切り替える。それにより、成形機2から成形品P1の取り出しが可能になる。なお、成形制御部25は、成形機2から成形品P1が取り出されると(より詳細には、成形品P1の取り出しが完了した旨の信号を成形品取り出し機1から受け取ると)、取り出し許可信号をオンからオフに切り替える。
【0016】
成形品取り出し機1は、成形機2によって生成された成形品P1を取り出して、後工程に受け渡す機器である。具体的には、成形品取り出し機1は、6軸垂直多関節ロボット(以下、単にロボットと称す;取り出し部)11と、制御部12と、を備える。制御部12は、取り出し制御部121と、判定部122と、仕分け制御部123と、を有する。
【0017】
取り出し制御部121は、成形機2の取り出し許可信号がオフからオンに切り替わると、ロボット11に対して、成形機2から成形品P1を取り出すように指示する。それにより、ロボット11は、成形機2から成形品P1を取り出す。ここで、取り出し制御部121は、ロボット11による成形品P1の取り出しが完了すると、取り出し完了信号を成形機2に送信する。それにより、成形機2に設けられた成形制御部25は、取り出し許可信号をオンからオフに切り替える。
【0018】
また、取り出し制御部121は、ロボット11による成形品P1の取り出し時刻を記録部(不図示)に記録させる。判定部122は、今回取り出した成形品P1の取り出し時刻と、その直前に取り出した成形品P1の取り出し時刻と、の間隔(即ち、成形品P1の取り出し間隔)が、所定間隔(例えば2分)以上であるか否かを判定する。
【0019】
仕分け制御部123は、判定部122による判定結果に基づいて、成形機2から取り出した成形品P1の仕分けを行う。
【0020】
例えば、判定部122によって成形品P1の取り出し間隔が所定間隔未満と判定された場合、仕分け制御部123は、ロボット11に対して、成形機2から取り出した成形品P1を、後工程のゲートカット機3に供給するように指示する。それにより、ロボット11は、成形機2から取り出した成形品P1を、後工程のゲートカット機3に供給する。ゲートカット機3は、ゲートカット制御部31によって制御されており、成形品P1であるランナー付きのレンズのゲートをカットする。
【0021】
それに対し、判定部122によって成形品P1の取り出し間隔が所定間隔以上と判定された場合、成形品P1の品質が基準品質を満たしていない可能性があるため、仕分け制御部123は、ロボット11に対して、成形機2から連続して取り出した所定数(例えば2分以上の取り出し間隔に対して10個)の成形品P1を廃棄するように指示する。それにより、ロボット11は、成形機2から取り出した所定数の成形品P1を廃棄する。廃棄することが決まった所定数の成形品P1は、搬送コンベア41によって搬送され、不要成形品ストッカ4に格納される。
【0022】
なお、仕分け制御部123は、成形品P1の取り出し間隔に応じて廃棄する成形品P1の数を切り替えても良い。例えば、仕分け制御部123は、成形品P1の取り出し間隔が大きくなるほど、廃棄する成形品P1の数を増加させても良い。
【0023】
(成形品取り出し機1の動作)
続いて、図1に加えて図2及び図3を用いて、成形品取り出し機1の動作について説明する。図2及び図3は、成形品取り出し機1の動作を示すフローチャートである。なお、図2には、成形機2の動作も示されている。
【0024】
まず、成形機2では、後工程であるゲートカット機3の成形品P1の受け入れ準備が整ったか否かの確認が行われる(ステップS101)。ゲートカット機3の成形品P1の受け入れ準備が整っていなければ(ステップS101のNO)、準備が整うまで待機する。
【0025】
ゲートカット機3の成形品P1の受け入れ準備が整った場合(ステップS101のYES)、成形機2は、成形品P1の生成を開始する(ステップS102)。そして、成形機2によって成形品P1が生成されると、成形機2に設けられた成形制御部25は、取り出し許可信号をオフからオンに切り替える(ステップS103)。それにより、成形機2から成形品P1の取り出しが可能になる。成形機2は、成形品P1が取り出されるまで待機する(ステップS104のNO)。
【0026】
成形品取り出し機1では、成形機2から成形品P1の取り出しが可能か否かの確認が行われる(ステップS106)。
【0027】
例えば、成形機2から出力される取り出し許可信号がオフの場合(ステップS106のNO)、取り出し許可信号がオフからオンに切り替わるまで待機する。
【0028】
その後、成形機2の取り出し許可信号がオフからオンに切り替わると(ステップS106のYES)、取り出し制御部121は、ロボット11に対して、成形機2から成形品P1を取り出すように指示する。それにより、ロボット11は、成形機2から成形品P1を取り出す(ステップS107)。
【0029】
ここで、取り出し制御部121は、ロボット11による成形品P1の取り出しが完了すると、取り出し完了信号を成形機2に送信する(ステップS108)。それにより、成形機2に設けられた成形制御部25は、成形機2から成形品P1が取り出されたと判断して(ステップS104のYES)、取り出し許可信号をオンからオフに切り替える(ステップS105)。
【0030】
さらに、取り出し制御部121は、ロボット11による成形品P1の取り出し時刻を記録部(不図示)に記録させる(ステップS107)。その後、判定部122による判定処理が行われる。
【0031】
判定部122は、まず、設定値mが値0であるか否かを判定する(ステップS109)。なお、設定値mは、捨てショット数(成形品P1の廃棄数)を表している。
【0032】
例えば、設定値m=0でない場合(ステップS109のNO)、進行中の成形品P1の廃棄が完了していないため、仕分け制御部123は、捨てショット動作(廃棄動作)を継続させる(ステップS118)。そして、成形品P1が廃棄されると、設定値mから値1が差し引かれる。その後、ステップS101の処理に戻る。このような動作は、設定値m=0になるまで続く。
【0033】
それに対し、設定値m=0である場合(ステップS109のYES)、判定部122は、今回取り出した成形品P1の取り出し時刻と、その直前に取り出した成形品P1の取り出し時刻と、の間隔(即ち、成形品P1の取り出し間隔)が、所定間隔以上であるか否かの判定を行う。本例では、判定部122は、成形品P1の取り出し間隔(待機時間)が、10分以上であるか否か、10分未満かつ5分以上であるか否か、及び、5分未満かつ2分以上であるか否か、を段階的に判定している。
【0034】
例えば、待機時間が10分以上である場合(ステップS110のYES)、設定値m=30に設定される(ステップS111)。待機時間が10分未満かつ5分以上である場合(ステップS110のNO→ステップS112のYES)、設定値m=20に設定される(ステップS113)。待機時間が5分未満かつ2分以上である場合(ステップS112のNO→ステップS114のYES)、設定値m=10に設定される(ステップS115)。
【0035】
ここで、設定値mに1以上の値が設定されると(ステップS111、ステップS113、及び、ステップS115)、仕分け制御部123は、取り出した成形品P1を廃棄させる(ステップS118)。そして、成形品P1が廃棄されると、設定値mから値1が差し引かれる(ステップS119)。その後、ステップS101の処理に戻る。このような動作は、設定値m=0になるまで続く。
【0036】
つまり、成形品取り出し機1では、成形品P1の取り出し間隔が長くなるほど、成形品P1の品質が基準品質を満たさない可能性が高くなるため、成形品P1の廃棄数(捨てショット数)を増加させている。
【0037】
なお、待機時間が2分未満の場合(ステップS114のNO)、設定値m=0に設定される(ステップS116)。つまり、捨てショット数は0(無し)に設定される。したがって、後工程(即ち、図3に示す成形品取り出し機1によるゲートカット機3への成形品P1の供給動作)に処理が進む(ステップS117)。
【0038】
図3に示すように、成形品取り出し機1によるゲートカット機3への成形品P1の供給動作では、まず、ゲートカット機3への成形品P1の供給が許可されたか否かの確認が行われる(ステップS120)。ゲートカット機3への成形品P1の供給が許可されていない場合において(ステップS120のNO)、まだタイムアウトしていない場合(ステップS122のNO)、引き続きゲートカット機3への成形品P1の供給が許可されたか否かの確認が行われるが(ステップS120)、タイムアウトした場合(ステップS122のYES)、成形品P1はゲートカット機3へ供給されずに廃棄される(ステップS123)。
【0039】
ゲートカット機3への成形品P1の供給が許可された場合(ステップS120のYES)、仕分け制御部123は、ロボット11に対して、成形機2から取り出した成形品P1をゲートカット機3に供給するように指示する。それにより、ロボット11は、成形機2から取り出した成形品P1をゲートカット機3に供給する(ステップS121)。
【0040】
このように、本実施の形態にかかる成形品取り出し機1は、成形品P1の取り出し間隔が第1所定間隔(例えば2分)未満である場合、成形品P1が高品質に保たれている可能性が高いと判断して、当該成形品P1を廃棄させずに後工程の機器に供給し、成形品P1の取り出し間隔が第1所定間隔以上である場合、成形品P1の品質が基準品質を満たしていない可能性があると判断して、第1所定数(例えば10個)の成形品P1を廃棄させている。つまり、本実施の形態にかかる成形品取り出し機1は、廃棄する必要の無い成形品P1の廃棄を抑制しつつ、廃棄すべき成形品P1を廃棄している。それにより、本実施の形態にかかる成形品取り出し機1は、歩留まりの低下を抑制しつつ成形品P1の品質を向上させることができる。
【0041】
また、本実施の形態にかかる成形品取り出し機1は、成形品P1の取り出し間隔が第1所定間隔(例えば2分)よりも大きな第2所定間隔(例えば5分)以上である場合、成形品P1の品質が基準品質を満たしていない可能性がさらに高まったと判断して、第1所定数(例えば10個)よりも多い第2所定数(例えば20個)の成形品P1を廃棄させている。このように、本実施の形態にかかる成形品取り出し機1は、成形品P1の取り出し間隔の違いによって成形品P1の廃棄数を切り替えている。それにより、本実施の形態にかかる成形品取り出し機1は、より精度良く、歩留まりの低下を抑制しつつ成形品P1の品質を向上させることができる。
【0042】
本実施の形態では、成形機2が、光ピックアップに用いられるランナー付きのレンズを成形品P1として生成する油圧式射出成形機であって、後工程の機器が、ランナー付きレンズのゲートをカットするゲートカット機3である場合を例に説明したが、これに限られない。成形品取り出し機1は、取り出し間隔の変動によって品質が変動する可能性のある成形品P1を生成する任意の成形機2、及び、それに続く任意の後工程の機器に対して適用可能である。
【0043】
(取り出し機1の成形品取り出し制御機能のハードウェア構成)
なお、取り出し機1によって実現される成形品取り出し制御処理は、汎用的なコンピュータシステムにより実現可能である。以下、図4を用いて簡単に説明する。
【0044】
図4は、成形品取り出し制御機能のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ100は、例えば、制御装置であるCPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、を備える。コンピュータ100は、さらに、外部とのインターフェースであるIF(Inter Face)104と、不揮発性記憶装置の一例であるHDD(Hard Disk Drive)105と、を備える。さらに、コンピュータ100は、その他図示しない構成として、キーボードやマウス等の入力装置やディスプレイ等の表示装置を備えていても良い。
【0045】
HDD105には、OS(Operating System)(不図示)と、成形品取り出し制御プログラム106と、が記憶されている。成形品取り出し制御プログラム106は、本実施の形態に係る成形品取り出し制御処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0046】
CPU101は、コンピュータ100における各種処理、RAM102,ROM103,IF104及びHDD105へのアクセス等を制御する。コンピュータ100は、CPU101がHDD105に記憶されたOS、成形品取り出し制御プログラム106を読み込み、実行する。これにより、コンピュータ100は、本実施の形態にかかる取り出し機1の成形品取り出し制御機能を実現する。
【0047】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0048】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。 また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0049】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 成形品取り出し機
2 成形機
3 ゲートカット機
4 不要成形品ストッカ
11 ロボット
12 制御部
21 型締めユニット
22 射出ユニット
23 可動型金型
24 固定型金型
25 成形制御部
31 ゲートカット制御部
41 搬送コンベア
100 コンピュータ
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 IF
105 HDD
106 成形品取り出し制御プログラム
121 取り出し制御部
122 判定部
123 仕分け制御部
P1 成形品
図1
図2
図3
図4