(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G01D 11/28 20060101AFI20240709BHJP
G01D 13/04 20060101ALI20240709BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240709BHJP
【FI】
G01D11/28 L
G01D13/04 Z
B60K35/00
(21)【出願番号】P 2020150323
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奈良橋 直人
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-153520(JP,U)
【文献】特開2006-038733(JP,A)
【文献】実開昭53-057962(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/28,13/04
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源をそれぞれ配置した筒状の複数の灯室を仕切る仕切壁と、
前記仕切壁の前方側に配置される遮光性の受け部材と、
前記受け部材の前方側に取り付けられ、前記複数の灯室に対応してそれぞれ設けられた複数の表示領域を備えた表示板と、
を有し、
前記受け部材は、
前記表示板側から後端部まで所定の厚み寸法を有するように前後方向に延設され、前記仕切壁と協働して前記複数の灯室を画定する筒状の仕切部と、
前記仕切部の
前記後端部から、前記前後方向に直交する直交方向に屈曲しつつ後方側へと延設され、前記仕切壁の前端部に対し、前記直交方向への第1間隙を介在させて対向する屈曲部と、
前記屈曲部の基部の近傍において前記仕切壁の前端部を当接させる被当接部と、
を一体的に備え、
前記表示領域は、
透光性の表示部と、
前方から見て前記仕切部との間に前記直交方向への第2間隙を介在させるように前記表示部内に配置される、遮光性の表示意匠と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記受け部材は、
前記表示板側の近傍では前記仕切壁の最も太い部分と略同等の前記厚み寸法で配置され、
横断面視において、2つの前記屈曲部が、1つの
前記仕切部の前記後端部から前記直交方向の一方側及び他方側に二股状に分岐するように設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記仕切部と前記屈曲部との成す角部に形成される斜面部を有することを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視認者に対して所望の表示を行う表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載の表示装置が知られている。この表示装置では、
図5に示すように、筒状の複数の灯室が、仕切壁によって仕切られている。仕切壁の前方側には黒色の受け部材が配置され、受け部材のさらに前方側に表示板が取り付けられている。表示板のうち、複数の灯室に対応した部位には、透光性の発光部及び遮光性の表示意匠(指標部)からなる複数の表示領域が、それぞれ設けられている。また、受け部材の後方側には複数のリブが一体的に設けられており、各リブが対応する各灯室内に挿入される。このとき、リブの横断面形状は逆U字状となっており、そのU字の内側の底となる部分に仕切壁の前端部が当接することで、受け部材と仕切壁とが組み合わされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、受け部材及び仕切壁はそれぞれ別々の材料で構成されているため、灯室に備えられた光源からの熱で膨張・収縮するときの膨張率・収縮率が互いに異なる。したがって、膨張・収縮時の寸法差を吸収できるように、受け部材と仕切壁との組み合わせ部には、ある程度の大きさの間隙(隙間)が設けられる。
【0005】
しかしながら、上記従来の表示装置では、横断面が逆U字状である受け部材のリブの内側に、仕切壁の前端部を抱え込む構造であるため、仕切壁を挟んだ両側それぞれにおいて、リブとの間に上記間隙を設ける必要がある。この結果、それら2つの間隙の寸法と逆U字状のリブの厚み寸法とを合計した比較的広い範囲が遮光領域となり、光源から発せられ灯室を通り前方側へと導かれる光のうち上記遮光領域に遮られる光は、表示板の表示領域へは到達しなくなる。特に、上記従来技術では、リブの内周面側に白色の壁部が一体に設けられているため、その白壁部の厚み寸法分、さらに上記遮光領域が広くなる。
【0006】
以上の結果、表示板のうち、上記遮光領域を挟んで一方側に位置する表示領域と他方側に位置する表示領域との間の間隔(幅)が、比較的大きくなる。そのため、それら2つの表示領域の表示意匠どうしの間を近接させることができず、製品デザイン上の制約となってしまうという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、2つの表示意匠どうしの間をより近接させることを可能とし、製品デザイン上の制約を低減できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、光源3をそれぞれ配置した筒状の複数の灯室2を仕切る仕切壁1と、前記仕切壁1の前方側に配置される遮光性の受け部材4と、前記受け部材4の前方側に取り付けられ、前記複数の灯室2に対応してそれぞれ設けられた複数の表示領域Sを備えた表示板55と、を有し、前記受け部材4は、前記表示板55側から後端部4bまで所定の厚み寸法を有するように前後方向に延設され、前記仕切壁1と協働して前記複数の灯室2を画定する筒状の仕切部4aと、前記仕切部4aの前記後端部4bから、前記前後方向に直交する直交方向に屈曲しつつ後方側へと延設され、前記仕切壁1の前端部1aに対し、前記直交方向への第1間隙x1を介在させて対向する屈曲部4c,4dと、前記屈曲部4c,4dの基部の近傍において前記仕切壁1の前端部1aを当接させる被当接部4fと、を一体的に備え、前記表示領域Sは、透光性の表示部65と、前方から見て前記仕切部4aとの間に前記直交方向への第2間隙x2を介在させるように前記表示部65内に配置される、遮光性の表示意匠60A~Dと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2つの表示意匠どうしの間をより近接させることを可能とし、製品デザイン上の制約を低減できる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による表示装置の前面外観構造を表す正面図。
【
図2】表示板の詳細断面構造を表す部分断面図。
図1に示す構造におけるB-B断面に対応。
【
図3】表示板の裏面を表す、
図2中のC方向からの矢視図。
【
図4】表示装置の要部断面構造を表す、
図1中A-A断面による断面図。
【
図5】本発明の一実施形態の比較例による表示装置の要部断面構造を表す断面図。
【
図6】二股状の屈曲部のうち一方を省略した変形例の表示装置の要部断面構造を表す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
<前面外観>
本実施形態の表示装置の前面外観構造を表す正面図を
図1に示す。なお、以下では、表示装置の構成の理解を容易にするために、表示装置を視認する視認者側を「前(Fr.)」、その反対側を「後(Re.)」、視認者側から表示装置を見た時の左側を「左(L)」、右側を「右(R)」として各部材を適宜説明する(各図中の矢印表記参照)。
【0013】
図1において、表示装置100は、例えば自動車、二輪車、農業機械、建設機械、水上バイク、鉄道車両、船舶等の各種移動体に搭載されるものである。この表示装置100は、有底枠体状に構成されたケース51と、表示板55と、燃料計を表示する液晶パネル52と、表示板55の前方に配置され、例えば黒色の遮光性樹脂材料からなる遮蔽部材53と、ケース51の前方の開口を覆う透明カバー54と、を備えている。
【0014】
ケース51は、黒色で不透過性の合成樹脂からなり、上下の2部品で構成され、この2部品からなる筐体のその内部に、例えば速度計あるいはエンジン回転計等からなる計器本体(図示せず)が収納されている。そして、各計器本体の前方側に位置する指針軸(図示せず)に設けられた各色の合成樹脂からなる指針56が、計器本体の計測量に応じて回転駆動される。
【0015】
表示板55は、上述の各計器本体に共通に設けられ、指針56の指示対象となる数字・目盛等の指標部57が設けられている。遮蔽部材53のうち指標部57に対応する領域には、当該領域を露出する窓部58が形成されている。そして、例えば夜間時等の周囲が暗い場合に、点灯した光源(図示せず)からの照明光が表示板55及び指針56の背後に導かれることで、指標部57及び指針56の指示部が透過照明される。
【0016】
<表示板>
表示板55の詳細断面構造を表す、
図1中のB-B断面に対応する部分断面図を
図2に示し、表示板55の裏面を表す、
図2中のC方向からの矢視図を
図3に示す。これら
図2、
図3、及び前述の
図1において、表示板55には、移動体の作動状態あるいは異常内容などを示す表示意匠である複数のインジケータ部60A~60Dが設けられている。この例では、車両のエンジンオイルの圧力又は量の低下を示すエンジンオイルインジケータ部60A、アッパービームの点灯を示すアッパービームインジケータ部60B、左・右ウィンカーの点滅をそれぞれ示すウィンカーインジケータ部60C,60D等を含む複数のインジケータ部が設けられている(前述の
図1も参照)。以下適宜、これらを単に「インジケータ部60」と総称する。
【0017】
表示板55は、光透過性である例えば無色透明な合成樹脂シートからなる基板62の後面側のうちの表示領域S以外の箇所に、例えば黒色で不透過性の地色層63を印刷することで地部64を形成するとともに、各表示領域S内に黒色の印刷によって各インジケータ部60を設けたものである。したがって、表示領域S内には、上記の手法により遮光性とされるインジケータ部60と、これらインジケータ部60を除いた透光性の発光部65(表示部)とが存在することとなる。なお、各インジケータ部60は例えば地色層63と同一工程で印刷されており、基板62の前面側には黒色の半透明層66(所謂スモーク層)が印刷されている。
【0018】
各インジケータ部60は、表示板55の前面側が黒色の半透明層66で覆われているため、通常は視認されない。例えば、エンジンオイルインジケータ部60A用の赤色で発光する発光ダイオード3(後述の
図4参照)が点灯した時は、発光部65が赤色で透過照明されることで、その中にエンジンオイルインジケータ部60Aが黒色で浮かび上がり視認者に肉眼で視認される。同様に、例えばアッパービームインジケータ部60B用の青色で発光する発光ダイオード3(後述の
図4参照)が点灯した時は、発光部65が青色で透過照明されることで、アッパービームインジケータ部60Bが黒色で浮かび上がり視認者に肉眼で視認される。
【0019】
<要部構造>
上記構成の表示装置100の要部断面構造を表す、
図1中A-A断面による断面図を
図4に示す。
図4には、前述した左ウィンカーの点滅を示す左ウィンカーインジケータ部60Cに対応した部位の断面構造を、一例として示している。なお、その他のインジケータ部60に対応した部位も同様の構造である。
図4において、表示装置100は、仕切壁1の後端部1bに固定された回路基板6に実装された複数の発光ダイオード3(光源)と、それら複数の発光ダイオード3をそれぞれ配置した複数の灯室2と、例えば白色で光不透過性の合成樹脂からなり、上記複数の灯室2を仕切る筒状の仕切壁1と、灯室2及び仕切壁1の前方側に配置された、遮光性の受け部材4と、この受け部材4の前方側に取り付けられた前述の表示板55と、を備えている。
【0020】
<受け部材>
受け部材4は不透過性、例えばクリーム色や黒色等の光不透過性の合成樹脂から構成されており、仕切壁1と協働して複数の灯室2を画定する筒状の(略リング状の)仕切部4aと、2つの屈曲部4c,4dとを一定的に備えている。
【0021】
仕切部4aは、灯室2内に挿入されるように前後方向に延設されている。仕切部4aの形成する開口部9は例えば角形や丸形であり、受け部材4は、開口部9外で部分的に繋がった形状となっている。このとき、表示板55において、前述した表示領域Sは、上述の複数の灯室2に対応してそれぞれ設けられており、開口部9よりも径小となっている。そして、各インジケータ部60は、前方から見て、仕切部4aとの間に、左右方向(前後方向に直交する直交方向)への間隙x2(第2間隙)を介在させるように、発光部65内に配置されている。
【0022】
屈曲部4c,4dは、それぞれ、仕切部4aの後端部4bから左右方向に屈曲しつつ、後方側へと延設される。特にこの例では、屈曲部4c,4dは、横断面視において仕切部4aの後端部4bから図示左側(直交方向の一方側)及び図示右側(直交方向の他方側)に二股状に分岐するように設けられている。そして屈曲部4c,4dは、仕切壁1の前端部1aに対し、左右方向へ間隙x1(第1間隙)を介在させつつ、対向している。
【0023】
また、分岐した2つの屈曲部4c,4dの間には凹溝4eが形成されており、この凹溝4eに仕切壁1の前端部1aが収納される。そして、その凹溝4eのうちの、屈曲部4c,4dの基部の近傍に位置する底部4fに対し、仕切壁1の前端部1aが当接する。すなわち底部4fは、当該前端部1aを当接させる被当接部として機能する。また、仕切部4aと屈曲部4c,4dとの成す角部には斜面部4hが形成される。
【0024】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果を、比較例を参照しつつ説明する。前述したように、本実施形態の表示装置100においては、前後方向に延設される受け部材4の仕切部4aの後端部4bから左右方向に屈曲して屈曲部4c,4dが延設され、その屈曲部4c,4dの基部の近傍に位置する底部4fにおいて仕切壁1が当接する構成である。これにより、受け部材4と仕切壁1とが組み合わされる際に、仕切部4aと仕切壁1とを前後方向に直線的に配置しつつ(詳細には仕切部4aの断面中心k1と仕切壁1の断面中心k2とを略一直線上に配置しつつ)、仕切壁1と屈曲部4c,4dとの間に、膨張・収縮時の寸法差を吸収するためのある程度の間隙x1を設けることができる。
【0025】
その際、受け部材4のうち表示板55側の近傍では前後方向に延びる仕切部4aのみが配置され、仕切壁1の前端部1aと受け部材4の底部4fとが当接する部位は、表示板55から後方側に遠く離れる。この結果、発光ダイオード3から発せられた光が灯室2を通り前方側の表示板55へと導かれる際、その光を遮る領域(遮光領域)Rは、仕切部4aの厚み寸法x3のみの比較的狭い範囲となる。
【0026】
一方、前述の特開2006-38733号公報に相当する比較例を
図5に示す。上記実施形態の各部と同等の部分には同一の符号を付し、説明を適宜簡略化又は省略する。
図5に示すように、この比較例による表示装置100′では、受け部材4にリブ4Aが一体的に設けられて横断面逆U字状となっており、そのリブ4Aの内側に、仕切壁1の前端部1aを抱え込む構造となっている。この結果、仕切壁1を挟んだ両側それぞれにおいて、仕切壁1とリブ4Aとの間に前述の間隙x1を設ける必要がある。この結果、それら2つの間隙の寸法x1×2と逆U字状のリブ4Aの厚み寸法x4×2との合計を含む比較的広い範囲が遮光領域R′となり、発光ダイオード3から発せられ灯室2を通り前方側へと導かれる光のうち遮光領域R′に遮られる光は、表示板55の表示領域Sへは到達しなくなる。加えてこの比較例では、リブ4Aの内周面側にさらに白色の壁部4Bが一体に設けられているため、その壁部4Bの厚み寸法x5分、さらに上記遮光領域R′が広くなる。この結果、表示板55のうち、上記遮光領域R′を挟んで一方側に位置する表示領域Sと他方側に位置する表示領域Sとの間の間隔(幅)が、比較的大きくなる。そのため、それら2つの表示領域S,Sのインジケータ部60どうしの間を近接させることができず、製品デザイン上の制約となる。
【0027】
これに対し、本実施形態の表示装置100においては、前述したように、発光ダイオード3から導かれる光を遮る遮光領域Rは、仕切部4aの厚み寸法x3分のみとなる。そのため、仕切壁1とリブ4Aとの間の2つの間隙の寸法x1×2とリブ4Aの厚み寸法x4×2の合計分を含む比較例の遮光領域R′に比べ、遮光領域Rの広さを低減することができる。さらにこのとき、仕切部4aの色を適宜に選択することで、比較例においてリブ4Aの内周面側に配置されていた白色の壁部4Bを省略することもでき、これによってもさらに遮光領域Rを狭くすることができる。これらの結果、表示板55のうち、遮光領域Rを挟んで左側に位置する表示領域Sと右側に位置する表示領域Sとの間の間隔y(
図2、
図3参照)を、比較的小さくすることができる。
【0028】
以上の結果、本実施形態によれば、隣接する2つの表示領域Sのインジケータ部60どうしの間の距離zを近接させることができる。具体的には、前方から見て仕切部4aとの間に間隙x2を介在させるようにインジケータ部60が配置される際、2つのインジケータ部60どうしの間の距離zを、最小で、上記間隙x2の2倍と遮光領域Rとなる仕切部4aの厚み寸法x3との和(=x2×2+x3)に抑制することができる。これにより、前述した製品デザイン上の制約を、比較例よりも緩和することができる。
【0029】
また、本実施形態では特に、受け部材4の後端部4bから2つの屈曲部4c,4dが二股状に分岐するよう構成されている。これにより、仕切壁1の前端部1aを、二股状に分かれる2つの屈曲部4c,4dの間に収納しつつ、安定的に当接させて保持することができる。また、仕切部4aの断面中心k1と仕切壁1の断面中心k2とを略一直線上に配置しつつ、仕切壁1から2つの屈曲部4c,4dそれぞれとの間に、十分な大きさの間隙x1を設けることができる。
【0030】
また、本実施形態では特に、2つの屈曲部4c,4dの間に収納される仕切壁1の前端部1aが、それら2つの屈曲部4c,4d間に形成される凹溝4eの底部4fにおいて当接する。このように、仕切壁1と受け部材4との当接部を凹溝4eの底部4fとすることにより、仕切壁1を挟んだ一方側の灯室2から他方側の灯室2への光の漏洩を確実に低減することができる。また、仕切部4aと屈曲部4c,4dとの成す角がある場合、インジケータ部60の点灯、点滅時に発光ムラ(影み見え)が生じるが、この角部に斜面部4hが形成されているので、これを防止することができる。
【0031】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0032】
(1)二股状の屈曲部の一方を省略する場合
本変形例による表示装置100の全体概略構造を、
図4に対応する
図6に示す。
図6に示すように、本変形例は、
図4等に示した実施形態の構造において、受け部材4の二股状に分かれた2つの屈曲部4c,4dのうち左側の屈曲部4cを省略し、右側の屈曲部4dのみとした例である。なお、これとは逆に2つの屈曲部4c,4dのうち右側の屈曲部4dを省略し、左側の屈曲部4cのみとしてもよい。
【0033】
すなわち、受け部材4は、仕切部4aと、屈曲部4dとが一体的に備えられた構成である。屈曲部4dは、仕切部4aの後端部4bから右方向に屈曲しつつ、後方側へと延設される。また屈曲部4dは、仕切壁1の前端部1aに対し、左右方向へ間隙x1(第1間隙)を介在させつつ、対向している。そして、屈曲部4dの基部の近傍に位置する段部4gに対し、仕切壁1の前端部1aが当接する。すなわち段部4gが、当該前端部1aを当接させる被当接部として機能する。
【0034】
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。すなわち、本変形例の表示装置100においては、前後方向に延設される受け部材4の仕切部4aの後端部4bから右方向に屈曲して屈曲部4dが延設され、その屈曲部4dの基部の近傍に位置する段部4gにおいて仕切壁1が当接する。これにより、受け部材4と仕切壁1とが組み合わされる際に、仕切部4aと仕切壁1とを前後方向に直線的に配置しつつ、仕切壁1と屈曲部4dとの間に、膨張・収縮時の寸法差を吸収するためのある程度の間隙x1を設けることができる。
【0035】
その際、受け部材4のうち表示板55側の近傍では前後方向に延びる仕切部4aのみが配置され、仕切壁1の前端部1aと受け部材4の段部4gとが当接する部位は、表示板55から後方側に遠く離れる。この結果、前述の遮光領域Rは、仕切部4aの厚み寸法x3のみの比較的狭い範囲となるので、前述の比較例の遮光領域R′に比べ、広さを低減でき、さらに比較例における壁部4Bを省略できることよっても遮光領域Rを狭くできる。
【0036】
これらの結果、上記実施形態と同様、表示板55のうち、遮光領域Rを挟んで左側に位置する表示領域Sと右側に位置する表示領域Sとの間の間隔yを、比較的小さくすることができる。したがって、隣接する2つの表示領域Sのインジケータ部60どうしの間の距離zを、最小で、前述のx2×2+x3に抑制できるので、製品デザイン上の制約を緩和することができる。
【0037】
(2)その他
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0038】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0039】
1 仕切壁
1a 前端部
2 灯室
3 発光ダイオード(光源)
4 受け部材
4A リブ
4a 仕切部
4B 壁部
4b 後端部
4c 屈曲部
4d 屈曲部
4e 凹溝
4f 底部(被当接部)
4g 段部(被当接部)
9 開口部
51 ケース
52 液晶パネル
53 遮蔽部材
54 透明カバー
55 表示板
56 指針
57 指標部
58 窓部
60 インジケータ部(表示意匠)
62 基板
63 地色層
64 地部
65 発光部(表示部)
66 半透明層
100 表示装置
100′ 表示装置
k1 仕切部の断面中心
k2 仕切壁の断面中心
R 遮光領域
R′ 遮光領域
S 表示領域
x1 間隙(第1間隙)
x2 間隙(第2間隙)
x3 仕切部の厚み寸法
x4 リブの厚み寸法
x5 壁部の厚み寸法
y 表示領域どうしの間隔
z 指標部どうしの間の距離