(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】コンテンツ視聴装置、ログ収集システムおよびログ収集方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/437 20110101AFI20240709BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20240709BHJP
H04N 21/436 20110101ALI20240709BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20240709BHJP
【FI】
H04N21/437
H04N21/442
H04N21/436
H04N21/258
(21)【出願番号】P 2020156140
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】本家 裕介
(72)【発明者】
【氏名】上町 新也
(72)【発明者】
【氏名】山下 正敏
(72)【発明者】
【氏名】野田 啓太
(72)【発明者】
【氏名】小橋 武弘
(72)【発明者】
【氏名】増田 周弥
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 類
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-251594(JP,A)
【文献】特開2015-192390(JP,A)
【文献】特開2015-216641(JP,A)
【文献】特開2016-031468(JP,A)
【文献】特開2017-195470(JP,A)
【文献】特開2018-074505(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0095785(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ログ収集システムであって、
表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置と、
前記コンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置とを備え、
前記コンテンツ視聴装置は、
前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記接続情報および前記固有情報を前記管理装置へ送信する送信処理部とを含
み、
前記ログ収集システムは、複数の前記コンテンツ視聴装置を備え、
前記管理装置は、複数の前記コンテンツ視聴装置から受信した前記接続情報および前記固有情報に基づいて、メーカ別、製造年別、解像度別、または対応機能別に複数の前記表示装置を分類し、分類結果と、前記コンテンツ視聴装置および前記表示装置の接続に関するエラー発生状況、前記表示装置のシェア、前記表示装置の普及率、前記表示装置の台数、または前記コンテンツ視聴装置のポート使用状況とを関連付けて分析し、分析結果を表示する処理を行う、ログ収集システム。
【請求項2】
ログ収集システムにおけるログ収集方法であって、
前記ログ収集システムは、
表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にする複数のコンテンツ視聴装置と、
前記複数のコンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置とを備え、
前記コンテンツ視聴装置が、前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得するステップと、
前記コンテンツ視聴装置が、取得した前記接続情報および前記固有情報を前記管理装置へ送信するステップと、
前記管理装置が、複数の前記コンテンツ視聴装置から受信した前記接続情報および前記固有情報に基づいて、メーカ別、製造年別、解像度別、または対応機能別に複数の前記表示装置を分類し、分類結果と、前記コンテンツ視聴装置および前記表示装置の接続に関するエラー発生状況、前記表示装置のシェア、前記表示装置の普及率、前記表示装置の台数、または前記コンテンツ視聴装置のポート使用状況とを関連付けて分析し、分析結果を表示する処理を行うステップとを含む、ログ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテンツ視聴装置、ログ収集システムおよびログ収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルテレビ放送等をテレビで視聴する場合、テレビとコンテンツ視聴装置とをHDMI(High-Definition Multimedia Interface、登録商標)ケーブル等により接続することが知られている。たとえば、非特許文献1(”一般的な5つのビデオエラーとその修正法”、[online]、[令和2年7月24日検索]、インターネット〈URL:https://www.blackbox.co.jp/ja-jp/page/27759/Information/Technical-Resources/Black-Box/multimedia/5-common-video-errors-and-how-to-fix-them〉)には、HDMI接続を用いてコンテンツ視聴装置からテレビに画像を出力した際の代表的なエラーおよび当該エラーの修正法が開示されている。
【0003】
また、非特許文献2(”一般社団法人 組込みシステム技術協会 日本プラグフェスト”、[online]、[令和2年8月21日検索]、インターネット〈URL:https://www.jasa.or.jp/plugfest/〉)には、HDMI接続等を用いた他社製品同士の相互運用性を向上させる技術イベントの開催が告知されている。
【0004】
また、非特許文献3(”EDID(Extended Display Identification Data)”、[online]、[令和2年7月24日検索]、インターネット〈URL:http://www.hdmi-navi.com/edid/〉)には、HDMI接続可能な機器が内蔵する機器固有の識別データについての情報が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】”一般的な5つのビデオエラーとその修正法”、[online]、[令和2年7月24日検索]、インターネット〈URL:https://www.blackbox.co.jp/ja-jp/page/27759/Information/Technical-Resources/Black-Box/multimedia/5-common-video-errors-and-how-to-fix-them〉
【文献】”一般社団法人 組込みシステム技術協会 日本プラグフェスト”、[online]、[令和2年8月21日検索]、インターネット〈URL:https://www.jasa.or.jp/plugfest/2019autum/〉
【文献】”EDID(Extended Display Identification Data)”、[online]、[令和2年7月24日検索]、インターネット〈URL:http://www.hdmi-navi.com/edid/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1に記載の技術では、主にHDMIケーブルを交換することでエラーを解消するため、ユーザの負担が増え、効果的な対策とは言い難い。
【0007】
非特許文献2に記載の技術イベントでは、HDMI接続する機器同士の相互運用性を試験することができ、事前に起こり得る接続エラーを把握することができる。しかしながら、実際に機器同士をHDMI接続するのはユーザであり、すべてのユーザのHDMI接続環境を把握することは困難である。また、ユーザ側で生じた不具合の対応には、非常にコストがかかるため、より上流工程において早期にエラーを把握することが望ましい。
【0008】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、コンテンツを視聴するための機器同士の接続状態をより効率的に把握することが可能なコンテンツ視聴装置、ログ収集システムおよびログ収集方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のコンテンツ視聴装置は、表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置であって、前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記接続情報および前記固有情報を前記コンテンツ視聴装置の外部の他の装置へ送信する送信処理部とを備える。
【0010】
本開示のログ収集システムは、表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置と、前記コンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置とを備え、前記コンテンツ視聴装置は、前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記接続情報および前記固有情報を前記管理装置へ送信する送信処理部とを含む。
【0011】
本開示のログ収集方法は、表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置におけるログ収集方法であって、前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得するステップと、取得した前記接続情報および前記固有情報を前記コンテンツ視聴装置の外部の他の装置へ送信するステップとを含む。
【0012】
本開示の一態様は、ログ収集システムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、コンテンツを視聴するための機器同士の接続状態をより効率的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置の構成の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置の詳細な構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置における各データベースの内容の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置における処理部の詳細な構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置によるログ送信のシーケンスである。
【
図7】
図7は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおけるログ収集のシーケンスである。
【
図8】
図8は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図13】
図13は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図14】
図14は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図15】
図15は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図16】
図16は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図17】
図17は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図18】
図18は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図19】
図19は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図20】
図20は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図21】
図21は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【
図22】
図22は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
最初に、本開示の実施の形態の内容を列記して説明する。
【0016】
(1)本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置は、表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置であって、前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記接続情報および前記固有情報を前記コンテンツ視聴装置の外部の他の装置へ送信する送信処理部とを備える。
【0017】
このように、コンテンツ視聴装置が、接続情報および固有情報を他の装置へ送信する構成により、ユーザからの報告が無くても、他の装置においてコンテンツ視聴装置と表示装置との接続状態を把握することができ、なおかつ接続不具合等が生じた表示装置を特定することができる。したがって、コンテンツを視聴するための機器同士の接続状態をより効率的に把握することができる。
【0018】
(2)好ましくは、前記固有情報は、EDID(Extended Display Identification Data)である。
【0019】
このような構成により、コンテンツ視聴装置と接続不具合等が生じた表示装置のより詳細な情報を把握することができる。
【0020】
(3)好ましくは、前記EDIDは、前記表示装置の製造元を識別する情報を含む。
【0021】
このような構成により、たとえばコンテンツ視聴装置との接続不具合等の発生状況を表示装置のメーカ別に分類することができる。
【0022】
(4)好ましくは、前記EDIDは、前記表示装置の製造年度を識別する情報を含む。
【0023】
このような構成により、たとえばコンテンツ視聴装置との接続不具合等の発生状況を表示装置の製造年度別に分類することができる。
【0024】
(5)好ましくは、前記EDIDは、前記表示装置の製造番号を識別する情報を含む。
【0025】
このような構成により、たとえばコンテンツ視聴装置との接続不具合等の発生状況を表示装置のメーカおよび型番を特定して分類することができる。
【0026】
(6)好ましくは、前記EDIDは、前記表示装置が対応可能な解像度を識別する情報を含む。
【0027】
このような構成により、たとえばコンテンツ視聴装置との接続不具合等の発生状況を表示装置の解像度別に分類することができる。
【0028】
(7)好ましくは、前記送信処理部は、さらに、前記コンテンツ視聴装置における前記表示装置と接続する部分の種類を示す種類情報を前記他の装置へ送信する。
【0029】
このような構成により、たとえば表示装置との接続不具合等の発生状況をコンテンツ視聴装置の種類別に分類することができる。
【0030】
(8)本開示の実施の形態に係るログ収集システムは、表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置と、前記コンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置とを備え、前記コンテンツ視聴装置は、前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記接続情報および前記固有情報を前記管理装置へ送信する送信処理部とを含む。
【0031】
このように、コンテンツ視聴装置が、接続情報および固有情報を管理装置へ送信する構成により、ユーザからの報告が無くても、管理装置においてコンテンツ視聴装置と表示装置との接続状態を把握することができ、なおかつ接続不具合等が生じた表示装置を特定することができる。したがって、コンテンツを視聴するための機器同士の接続状態をより効率的に把握することができる。
【0032】
(9)好ましくは、前記ログ収集システムは、複数の前記コンテンツ視聴装置を備え、前記管理装置は、複数の前記コンテンツ視聴装置から受信した前記接続情報および前記固有情報に基づいて、複数の前記表示装置を分類し、分類した前記表示装置の区分単位の分析結果を示す分析情報を作成する。
【0033】
このような構成により、管理装置が、複数のコンテンツ視聴装置から受信した接続情報および固有情報を一元管理することができる。そのため、ある特定のコンテンツ視聴装置における接続不具合等だけでなく、複数のコンテンツ視聴装置における接続不具合等の傾向を把握することができる。また、機器同士の接続状態以外にも、表示装置のシェア率および複数の表示装置に搭載された各種機能の普及率等の全体的な情報を把握することができる。
【0034】
(10)本開示の実施の形態に係るログ収集方法は、表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置におけるログ収集方法であって、前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得するステップと、取得した前記接続情報および前記固有情報を前記コンテンツ視聴装置の外部の他の装置へ送信するステップとを含む。
【0035】
このように、コンテンツ視聴装置が、接続情報および固有情報を管理装置へ送信する構成により、ユーザからの報告が無くても、管理装置においてコンテンツ視聴装置と表示装置との接続状態を把握することができ、なおかつ接続不具合等が生じた表示装置を特定することができる。したがって、コンテンツを視聴するための機器同士の接続状態をより効率的に把握することができる。
【0036】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0037】
[構成および基本動作]
図1は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムの構成を示す図である。
図1を参照して、ログ収集システム1は、複数のコンテンツ視聴装置11と、表示装置12と、管理装置13とを備える。
【0038】
コンテンツ視聴装置11は、たとえばSTB(Set Top Box)である。コンテンツ視聴装置11は、デジタル放送によるコンテンツ、およびVOD(Video On Demand)等のIP放送によるコンテンツを受信し、受信したコンテンツの録画および再生を行うことが可能である。コンテンツ視聴装置11は、たとえば、コンテンツが複数のTS(Transport Stream)パケットに分割されたストリームを受信し、コンテンツ視聴装置11に接続される表示装置12においてコンテンツを再生する。
【0039】
表示装置12は、たとえばテレビジョン装置である。表示装置12は、たとえばコンテンツ視聴装置11とHDMIケーブルを介して接続される。表示装置12は、コンテンツ視聴装置11において再生されたコンテンツを画面に表示する。
【0040】
管理装置13は、たとえばクラウドサーバである。ただし、管理装置13は、単体のサーバであってもよい。管理装置13は、複数のコンテンツ視聴装置11とネットワークを介して通信可能であり、各コンテンツ視聴装置11から受信した情報を表示する。
【0041】
図2は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置の構成の概要を示す図である。複数のコンテンツ視聴装置11は、たとえば同じ構成であるため、以下では1つのコンテンツ視聴装置11の構成について説明する。
【0042】
図2を参照して、コンテンツ視聴装置11は、ストリーム受信部111と、処理部112と、記憶部113とを備える。
【0043】
ストリーム受信部111は、アンテナ経由、またはインターネット等のネットワーク経由でストリームを取得する。より詳細には、ストリーム受信部111は、ストリームを構成する放送パケットの受信処理を行い、処理部112へ出力する。
【0044】
ストリームは、たとえば、音声情報、映像情報、EPG(Electronic Program Guide)情報、字幕情報およびSI(Service Information)等を含む。
【0045】
処理部112は、ストリーム受信部111から受けた放送パケットを記憶部113に保存する。また、処理部112は、コンテンツを出力する処理を行う。より詳細には、処理部112は、たとえば、記憶部113に保存した情報等を用いてコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。また、処理部112は、管理装置13とネットワークを介して情報のやり取りを行う。
【0046】
以下、コンテンツ視聴装置11の構成についてさらに詳しく説明する。
【0047】
図3は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置の詳細な構成を示す図である。
【0048】
図3を参照して、コンテンツ視聴装置11は、リモコン信号受信部1111と、RF放送受信部1112と、IP放送受信部1113と、消去部1121と、録画部1122と、録画予約部1123と、放送視聴部1124と、録画再生部1125と、録画DB1131、番組情報DB1132および予約管理DB1133とを備える。また、コンテンツ視聴装置11は、記憶媒体の一例であるHDD(Hard Disk Drive)14と接続される。
【0049】
リモコン信号受信部1111、RF放送受信部1112およびIP放送受信部1113は、
図2に示すストリーム受信部111に含まれる。消去部1121、録画部1122、録画予約部1123、放送視聴部1124および録画再生部1125は、
図2に示す処理部112に含まれる。録画DB1131、番組情報DB1132および予約管理DB1133は、
図2に示す記憶部113に保存されている。
【0050】
図4は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置における各データベースの内容の一例を示す図である。
【0051】
図4を参照して、コンテンツ視聴装置11は、録画番組のデータベースである録画DB1131、放送番組のデータベースである番組情報DB1132および予約番組のデータベースである予約管理DB1133を有する。
【0052】
具体的には、録画DB1131には、各番組の、コンテンツファイル名、番組タイトル、ジャンル、開始時間、終了時間、コンテンツ長および保護フラグが登録される。保護フラグは、ユーザが当該番組の自動消去を望まない場合にオンされるフラグである。
【0053】
番組情報DB1132には、番組情報として、RF放送受信部1112またはIP放送受信部1113によってストリームから取得されたイベント情報テーブル(EIT)、およびEITなどを用いて作成されるEPGに基づく番組表が登録される。RF放送受信部1112またはIP放送受信部1113によってEITが定期的に取得されることにより、番組情報DB1132は定期的に更新される。
【0054】
予約管理DB1133には、各番組の、番組タイトル、番組開始時間、番組終了時間、視聴開始時間、累積視聴時間、および自動/ユーザ指定フラグが登録される。なお、予約管理DB1133には、各番組の、チャンネル識別情報がさらに登録されてもよい。
【0055】
自動/ユーザ指定フラグは、当該番組が録画予約部1123によって自動的に登録されたか、ユーザによって手動で登録されたかを示し、たとえば、録画予約部1123によって自動で登録された場合にオンされるフラグである。ユーザは、同時録画数の制限から新たな番組の録画予約ができない場合において、自動/ユーザ指定フラグを参照することにより、自動で予約された番組の録画をキャンセルすることができる。
【0056】
再び
図3を参照して、リモコン信号受信部1111は、リモコン15におけるリモコン操作部151からリモコン信号を受信し、受信したリモコン信号に含まれる、ユーザの操作を示す操作情報を消去部1121、録画部1122、録画予約部1123、放送視聴部1124および録画再生部1125へ出力する。
【0057】
RF放送受信部1112は、アンテナ経由でストリームを受信する、すなわちストリームを構成する放送パケットを取得し、記憶部113に保存する。
【0058】
IP放送受信部1113は、ネットワーク経由でストリームを受信する、すなわちストリームを構成する放送パケットを取得し、記憶部113に保存する。
【0059】
録画予約部1123は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、番組情報DB1132に登録されている番組表を参照し、操作情報の示す番組に関する情報を予約管理DB1133に登録する。
【0060】
録画予約部1123は、予約管理DB1133を参照し、当該番組の開始時間に従って録画部1122へ録画指示を出力することにより、当該番組を録画する。
【0061】
また、録画予約部1123は、選択部として、複数の番組に関するコンテンツ視聴装置11が受信した情報に基づいて、1または複数の番組を選択する。
【0062】
より詳細には、録画予約部1123は、番組情報たとえばEITを番組情報DB1132から取得する。録画予約部1123は、EITが示す番組内容に基づいて、放送予定の番組の中にユーザの好みの番組があるか否かを確認する。
【0063】
録画予約部1123は、選択した自動録画すべき番組に関する情報を予約管理DB1133に登録する。
【0064】
録画予約部1123は、予約管理DB1133を参照し、自動/ユーザ指定フラグがオンである番組の開始時間に従って録画部1122へ自動録画指示を出力することにより、当該番組を自動録画する。
【0065】
録画予約部1123は、自動録画指示を録画部1122へ出力する場合、さらに、当該番組のジャンルを示すジャンル情報を録画部1122へ出力する。
【0066】
録画部1122は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、操作情報の示す番組を録画する。また、録画部1122は、録画予約部1123によって選択された番組を録画する。
【0067】
たとえば、録画部1122は、自己が録画する番組である録画番組をHDD14に保存する。
【0068】
より詳細には、録画部1122は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報、録画予約部1123から受けた録画指示、または録画予約部1123から受けた自動録画指示に従ってRF放送受信部1112またはIP放送受信部1113を制御することにより、操作情報、録画指示または自動録画指示の示す番組に対応する放送パケットを取得し、コンテンツファイルとしてHDD14に保存するとともに、当該番組に関する録画情報を録画DB1131に登録する。
【0069】
たとえば、HDD14には、録画番組の一時録画フラグが登録される。一時録画フラグは、録画部1122が録画予約部1123から受けた自動録画指示に従って番組を自動録画する場合にオンされるフラグである。
【0070】
録画部1122は、自動録画する番組に対応する放送パケットをHDD14に保存する。
【0071】
放送視聴部1124は、放送番組を再生する。より詳細には、放送視聴部1124は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従ってRF放送受信部1112またはIP放送受信部1113を制御することにより、操作情報の示す番組に対応する放送パケットを取得し、取得した放送パケットに含まれる情報等を用いてコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。
【0072】
録画再生部1125は、録画番組を再生する。より詳細には、録画再生部1125は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、HDD14から操作情報の示す番組に対応する放送パケットを取得する。そして、録画再生部1125は、取得した放送パケットに含まれる情報等を用いてコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。
【0073】
消去部1121は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、操作情報の示す番組に対応する放送パケットをHDD14から消去するとともに、当該番組に関する録画情報を録画DB1131から消去する。
【0074】
図5は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置における処理部の詳細な構成を示す図である。
【0075】
図5を参照して、コンテンツ視聴装置11における処理部112は、検知部1126と、認証処理部1127と、取得部1128と、送信処理部1129とを含む。
【0076】
検知部1126は、表示装置12がHDMIケーブルによりコンテンツ視聴装置11に接続されたことを検知する。検知部1126は、表示装置12との接続を検知すると、表示装置12との接続を検知した旨を示す検知情報を認証処理部1127および取得部1128へ出力する。
【0077】
認証処理部1127は、検知部1126から検知情報を受けて、表示装置12の認証処理を行う。より詳細には、認証処理部1127はHDCP(High Bandwidth Digital Content Protection)認証を行う。認証処理部1127は、HDCP認証において、表示装置12がコンテンツ視聴装置11から受信した映像を表示する権限があることを、共有鍵を用いて認証する。
【0078】
認証処理部1127は、表示装置12のHDCP認証が成功した場合、表示装置12が認証済みであることおよび認証が成功した時刻を含む接続情報を生成し、記憶部113に保存する。認証処理部1127は、表示装置12のHDCP認証が失敗した場合、表示装置12が非認証であることおよび認証エラーを検知した時刻を含む接続情報を生成し、記憶部113に保存する。
【0079】
取得部1128は、検知部1126から検知情報を受けて、表示装置12へ固有情報要求を送信する。表示装置12は、取得部1128から固有情報要求を受信し、自己の固有情報を取得部1128へ送信する。取得部1128は、表示装置12から固有情報を受信し、記憶部113に保存する。より詳細には、取得部1128は、HDMIケーブルにおけるDDC(Display Data Channel)経由で表示装置12から固有情報を取得する。
【0080】
固有情報は、たとえばEDID(Extended Display Identification Data)であり、表示装置12を識別可能な情報を含むデータセットである。EDIDは、たとえば表示装置12の製造元を識別する情報、表示装置12の製造年度を識別する情報、表示装置12の製造番号を識別する情報および表示装置12が対応可能な解像度を識別する情報のうちの少なくともいずれか1つを含む。その他にも、EDIDは、表示装置12の映像タイプ、画面のアスペクト比、ガンマ値、色度および対応機能等を含んでいてもよい。
【0081】
取得部1128は、表示装置12がコンテンツ視聴装置11に接続された後、認証処理部1127へ現在情報を定期的に出力する。現在情報は、コンテンツ視聴装置11に現在接続されている表示装置12を識別できる情報、すなわち上記固有情報を含む。より詳細には、取得部1128は、定期的に、記憶部113を参照し、最新の固有情報を含む現在情報を認証処理部1127へ出力する。
【0082】
認証処理部1127は、取得部1128から現在情報を受けて、変化点情報を生成し、記憶部113に保存する。変化点情報は、検知情報を受けてから初回の現在情報を受けるまで、または、2回目以降の現在情報を受けてから次回の現在情報を受けるまでの状況の変化を示す情報である。たとえば、認証処理部1127は、検知情報を受けた際のHDCP認証において表示装置12の認証に成功していたが、その後何らかの要因により表示装置12の認証に失敗した場合、表示装置12が非認証であることおよび認証エラーを検知した時刻を含む接続情報を変化点情報として生成し、記憶部113に保存する。
【0083】
取得部1128は、たとえば表示装置12とコンテンツ視聴装置11との接続状態を示す最新の接続情報および表示装置12の固有情報を取得する。より詳細には、取得部1128は、接続情報および固有情報を記憶部113から定期的に取得し、送信処理部1129へ出力する。
【0084】
送信処理部1129は、取得部1128によって取得された最新の接続情報および固有情報をコンテンツ視聴装置11の外部の他の装置へ送信する。より詳細には、送信処理部1129は、取得部1128から定期的に出力される最新の接続情報および固有情報を受けて、ネットワーク経由で管理装置13へ送信する。
【0085】
[動作の流れ]
本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0086】
図6は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ視聴装置によるログ送信のシーケンスである。
【0087】
図6を参照して、まず、コンテンツ視聴装置11は、表示装置12とHDMIケーブルにより接続される(ステップS11)。
【0088】
次に、コンテンツ視聴装置11は、所定情報を表示装置12とやり取りすることにより、表示装置12についてHDCP認証を行う(ステップS12)。
【0089】
次に、コンテンツ視聴装置11は、HDCP認証が成功または失敗すると、表示装置12が認証済みまたは非認証である旨を示す接続情報を生成し、記憶部113に保存する(ステップS13)。
【0090】
次に、表示装置12は、コンテンツ視聴装置11と接続されると、表示装置12の固有情報をコンテンツ視聴装置11へ送信する(ステップS14)。なお、ステップS14およびステップS13は、順序を入れ替えて実行してもよいし、並行して実行してもよい。
【0091】
次に、コンテンツ視聴装置11は、表示装置12から固有情報を受信し、記憶部113に保存する(ステップS15)。
【0092】
次に、コンテンツ視聴装置11は、記憶部113から最新の接続情報および固有情報を定期的に取得し、管理装置13へ送信する(ステップS16)。
【0093】
次に、管理装置13は、コンテンツ視聴装置11から最新の接続情報および固有情報を受信し、管理装置13における記憶部に保存する(ステップS17)。
【0094】
図7は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおけるログ収集のシーケンスである。
図7は、ログ収集システム1におけるコンテンツ視聴装置11であるコンテンツ視聴装置11A,11B,11Cを代表的に示している。
【0095】
図7を参照して、複数のコンテンツ視聴装置11Aは、接続情報および固有情報を管理装置13へ定期的に送信する(ステップS21)。
【0096】
次に、管理装置13は、コンテンツ視聴装置11Aから受信した接続情報および固有情報を管理装置13における記憶部に保存する(ステップS22)。
【0097】
次に、コンテンツ視聴装置11Bは、接続情報および固有情報を管理装置13へ定期的に送信する(ステップS23)。
【0098】
次に、管理装置13は、コンテンツ視聴装置11Bから受信した接続情報および固有情報を管理装置13における記憶部に保存する(ステップS24)。
【0099】
次に、コンテンツ視聴装置11Cは、接続情報および固有情報を管理装置13へ定期的に送信する(ステップS25)。
【0100】
次に、管理装置13は、コンテンツ視聴装置11Cから受信した接続情報および固有情報を管理装置13における記憶部に保存する(ステップS26)。
【0101】
次に、管理装置13は、所定期間において各コンテンツ視聴装置11A,11B,11Cから受信した固有情報および接続情報に基づいて、各表示装置12を分類し、分類した表示装置12の区分単位の分析結果を示す分析情報を作成する(ステップS27)。
【0102】
図8は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の一例を示す図である。
【0103】
図8を参照して、管理装置13は、ログ収集システム1における複数のコンテンツ視聴装置11から受信した各固有情報に含まれる表示装置12の製造元を識別する情報に基づいて、当該複数のコンテンツ視聴装置11それぞれに接続されている表示装置12を製造元別に分類した。表示装置12は、過去10年以内に製造されたものを対象とした。
【0104】
本例では、管理装置13は、1000台のコンテンツ視聴装置11から受信した接続情報および固有情報に基づいて、各コンテンツ視聴装置11に接続されている表示装置12を分類する。その結果、表示装置12の内訳は、A社製:300台、B社製:200台、C社製:150台、D社製:100台、E社製:80台、F社製:70台、G社製:50台、その他:50台であった。
【0105】
また、本例では、管理装置13は、各コンテンツ視聴装置11から受信した接続情報に基づいて、各社の表示装置12ごとに、HDCP認証エラーの発生状況を算出する。その結果、HDCP認証エラーの発生率および発生台数は、A社製:10%(30台)、B社製:12%(24台)、C社製:20%(30台)、D社製:13%(13台)、E社製:11%(9台)、F社製:13%(9台)、G社製:8%(4台)であった。
【0106】
この分析結果より、HDCP認証エラーの発生率は、C社製の表示装置12で最も高いことが分かる。
【0107】
図9は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の一例を示す図である。
図9は、
図8に示す分析結果から、直近2年間に製造された表示装置12におけるHDCP認証エラーの発生状況を抽出して示したものである。
【0108】
図9を参照して、直近2年間に製造された表示装置12は205台であり、その内訳は、A社製:20台、B社製:30台、C社製:10台、D社製:50台、E社製:45台、F社製:30台、G社製:5台、その他:15台であった。
【0109】
直近2年間に製造された表示装置12におけるHDCP認証エラーの発生率および発生台数は、A社製:5%(1台)、B社製:7%(2台)、C社製:20%(2台)、D社製:2%(1台)、E社製:18%(8台)、F社製:27%(8台)、G社製:0%(0台)であった。なお、これらのメーカ以外の表示装置の図示は行っていない。
【0110】
この分析結果と
図8に示す分析結果とを比較することにより、A社製、B社製、D社製およびG社製の表示装置12については、製造年度の新しい表示装置12の方がHDCP認証エラーの発生率が低いことが分かる。また、F社製の表示装置12については、製造年度の新しい表示装置12において、27%とHDCP認証エラーが頻発していることが分かる。また、G社製の表示装置12については、製造年度の新しい表示装置12において、HDCP認証エラーが発生しておらず、他の機器との親和性が高いことが分かる。
【0111】
(変形例1)
図10は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
図10は、
図8に示す分析結果から、HDCPバージョン1プロトコルを用いてHDCP認証を実行する表示装置12におけるHDCP認証エラーの発生状況を抽出して示したものである。
【0112】
本例では、管理装置13は、HDCPバージョン1プロトコルを用いる770台のコンテンツ視聴装置11から受信した接続情報および固有情報に基づいて、各コンテンツ視聴装置11に接続されている表示装置12を分類する。その結果、表示装置12の内訳は、A社製:250台、B社製:150台、C社製:120台、D社製:75台、E社製:75台、F社製:60台、G社製:40台であった。
【0113】
管理装置13が各コンテンツ視聴装置11から受信した接続情報に基づいて、各社の表示装置12ごとにHDCP認証エラーの発生状況を算出した結果は次の通りであった。HDCP認証エラーの発生率および発生台数は、A社製:8%(20台)、B社製:9%(13台)、C社製:17%(20台)、D社製:11%(8台)、E社製:12%(9台)、F社製:12%(7台)、G社製:8%(3台)であった。
【0114】
図11は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
図11は、
図8に示す分析結果から、HDCPバージョン2プロトコルを用いてHDCP認証を実行する表示装置12におけるHDCP認証エラーの発生状況を抽出して示したものである。
【0115】
本例では、管理装置13は、HDCPバージョン2プロトコルを用いる180台のコンテンツ視聴装置11から受信した接続情報および固有情報に基づいて、各コンテンツ視聴装置11に接続されている表示装置12を分類する。その結果、表示装置12の内訳は、A社製:50台、B社製:50台、C社製:30台、D社製:25台、E社製:5台、F社製:10台、G社製:10台であった。
【0116】
管理装置13が各コンテンツ視聴装置11から受信した接続情報に基づいて、各社の表示装置12ごとにHDCP認証エラーの発生状況を算出した結果は次の通りであった。HDCP認証エラーの発生率および発生台数は、A社製:20%(10台)、B社製:22%(11台)、C社製:33%(10台)、D社製:20%(5台)、E社製:0%(0台)、F社製:20%(2台)、G社製:10%(1台)であった。
【0117】
この分析結果と
図10に示す分析結果とを比較することにより、HDCPバージョン1プロトコルを用いる表示装置12における平均エラー発生率は11%であるのに対し、HDCPバージョン2プロトコルを用いる表示装置12における平均エラー発生率は18%であった。これにより、HDCPバージョン2プロトコルを用いる表示装置12の方が、HDCPバージョン1プロトコルを用いる表示装置12よりもHDCP認証エラーの発生率が高いことが分かる。
【0118】
(変形例2)
図12は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の一例を示す図である。
図12は、
図9に示す分析結果から、HDCPバージョン1プロトコルを用いてHDCP認証を実行する表示装置12におけるHDCP認証エラーの発生状況を抽出して示したものである。すなわち、
図12は、直近2年間に製造された表示装置12のうちのHDCPバージョン1プロトコルを用いる表示装置12におけるHDCP認証エラーの発生状況を抽出して示したものである。
【0119】
図12を参照して、HDCPバージョン1プロトコルを用いる直近2年間に製造された表示装置12は149台であり、その内訳は、A社製:15台、B社製:23台、C社製:8台、D社製:40台、E社製:38台、F社製:21台、G社製:4台であった。
【0120】
管理装置13が各コンテンツ視聴装置11から受信した接続情報に基づいて、各社の表示装置12ごとにHDCP認証エラーの発生状況を算出した結果は次の通りであった。HDCP認証エラーの発生率および発生台数は、A社製:0%(0台)、B社製:4%(1台)、C社製:13%(1台)、D社製:0%(0台)、E社製:16%(6台)、F社製:19%(4台)、G社製:0%(0台)であった。
【0121】
図13は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の一例を示す図である。
図13は、
図9に示す分析結果から、HDCPバージョン2プロトコルを用いてHDCP認証を実行する表示装置12におけるHDCP認証エラーの発生状況を抽出して示したものである。すなわち、
図13は、直近2年間に製造された表示装置12のうちのHDCPバージョン2プロトコルを用いる表示装置12におけるHDCP認証エラーの発生状況を抽出して示したものである。
【0122】
図13を参照して、HDCPバージョン2プロトコルを用いる直近2年間に製造された表示装置12は41台であり、その内訳は、A社製:5台、B社製:7台、C社製:2台、D社製:10台、E社製:7台、F社製:9台、G社製:1台であった。
【0123】
管理装置13が各コンテンツ視聴装置11から受信した接続情報に基づいて、各社の表示装置12ごとにHDCP認証エラーの発生状況を算出した結果は次の通りであった。HDCP認証エラーの発生率および発生台数は、A社製:20%(1台)、B社製:14%(1台)、C社製:50%(1台)、D社製:10%(1台)、E社製:29%(2台)、F社製:44%(4台)、G社製:0%(0台)であった。
【0124】
この分析結果と
図12に示す分析結果とを比較することにより、直近2年間に製造された表示装置12において、HDCPバージョン1プロトコルを用いる表示装置12における平均エラー発生率は7%であるのに対し、HDCPバージョン2プロトコルを用いる表示装置12における平均エラー発生率は24%であった。これにより、直近2年間に製造された表示装置12において、HDCPバージョン2プロトコルを用いる表示装置12の方が、HDCPバージョン1プロトコルを用いる表示装置12よりもHDCP認証エラーの発生率が高いことが分かる。
【0125】
(変形例3)
図14は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【0126】
図14を参照して、管理装置13は、複数のコンテンツ視聴装置11から受信した各固有情報に含まれる表示装置12の製造元を識別する情報に基づいて、表示装置12のシェアを算出してもよい。
【0127】
本例では、表示装置12のシェアは、A社製:30%、B社製:20%、C社製:15%、D社製:10%、E社製:8%、F社製:7%、G社製:5%、その他:5%であった。
【0128】
この分析結果より、表示装置12の市場におけるシェアは、A社製の表示装置12が最も高いと推定できる。また、表示装置12の市場におけるシェアは、A社製、B社製、C社製およびD社製の表示装置12でおよそ75%を占めることが推定できる。
【0129】
(変形例4)
図15は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【0130】
図15を参照して、管理装置13は、複数のコンテンツ視聴装置11から受信した各固有情報に含まれる表示装置12の製造元および製造年を識別する情報に基づいて、製造年毎の表示装置12のシェアを算出してもよい。
図15の縦軸はシェア(%)を示し、横軸は製造年を示す。
図15では、一例として、2015年から2019年までの各年毎に集計した、A社製、B社製、C社製およびD社製の表示装置12のシェアを示す。
【0131】
この分析結果より、A社製の表示装置12は、2015年から2019年までの各年においてシェア1位を維持しているが、2016年から徐々にシェアが低下していることが分かる。また、B社製およびC社製の表示装置12は、2015年から2019年までの各年において大きくシェアは変わっておらず、シェア2位または3位を行き来していることが分かる。また、D社製の表示装置12は、2015年から2019年までの各年においてシェア4位であるが、2017年からシェアが増加傾向にあることが分かる。
【0132】
(変形例5)
図16は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【0133】
図16を参照して、管理装置13は、ログ収集システム1における複数のコンテンツ視聴装置11から受信した各固有情報に含まれる表示装置12の解像度を識別する情報に基づいて、当該複数のコンテンツ視聴装置11それぞれに接続されている表示装置12を解像度別に分類してもよい。
【0134】
本例では、管理装置13は、101,954台のコンテンツ視聴装置11から受信した固有情報に基づいて、各コンテンツ視聴装置11に接続されている表示装置12を分類する。その結果、表示装置12における解像度の内訳は、Full HD(Full High Definition):75%、4K:10%、HD(High Definition):5%、8K:2%、その他:8%であった。
【0135】
この分析結果より、Full HDの解像度を有する表示装置12が最も普及していることが分かる。また、4Kの解像度を有する表示装置12の普及率は10%であり、市場全体における4Kの解像度を有する機器の一般的に言われている普及率と概ね一致していることが分かる。
【0136】
(変形例6)
図17は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【0137】
図17を参照して、管理装置13は、ログ収集システム1における複数のコンテンツ視聴装置11から受信した各固有情報に含まれる表示装置12の対応機能を識別する情報に基づいて、当該複数のコンテンツ視聴装置11それぞれに接続されている表示装置12を対応機能別に分類してもよい。
【0138】
本例では、管理装置13は、過去10年以内に製造された1000台のコンテンツ視聴装置11から受信した固有情報に基づいて、各コンテンツ視聴装置11に接続されている表示装置12を音声および映像に関する対応機能別に分類する。その結果、表示装置12における音声および映像に関する対応機能の内訳は、DOLBY(登録商標):10%、HDR10+(登録商標):5%、DOLBYおよびHDR10+:2%、NULL:83%であった。
【0139】
この分析結果より、DOLBY、HDR10+、または、DOLBYおよびHDR10+に対応した表示装置12の普及率は、高くないことが分かる。
【0140】
(変形例7)
図18は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
図18は、
図17に示す分析結果から、4K解像度を有する表示装置12における音声および映像の対応機能を抽出して示したものである。
【0141】
図18を参照して、4K解像度を有する表示装置12は、100台であり、その内訳は、DOLBY:20%、HDR10+:15%、DOLBYおよびHDR10+:5%、NULL:60%であった。
【0142】
この分析結果と
図17に示す分析結果とを比較することにより、4K解像度を有する表示装置12においては、DOLBY、HDR10+、または、DOLBYおよびHDR10+に対応した表示装置12の普及率は、他の解像度を有する表示装置12における普及率よりも高いことが分かる。
【0143】
(変形例8)
図19は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
【0144】
図19を参照して、管理装置13は、複数のコンテンツ視聴装置11から受信した各固有情報に含まれる表示装置12の対応機能および製造年を識別する情報に基づいて、製造年毎にDOLBY、HDR10+、または、DOLBYおよびHDR10+に対応した表示装置12の普及状況を算出してもよい。
図19の縦軸は、管理装置13が固有情報を収集した表示装置12の台数を示し、「K」は1000倍を意味する。
【0145】
この分析結果より、DOLBYのみに対応した表示装置12の普及率は、2016年頃から増加しているが、2018年頃から表示装置12の全体の台数における割合は若干低下していることが分かる。また、HDR10+のみに対応した表示装置12の普及率は、2018年頃から増加しているが、2019年頃から表示装置12の全体の台数における割合は低下していることが分かる。また、DOLBYおよびHDR10+に対応した表示装置12の普及率は、2019年頃から増加していることが分かる。なお、2020年は、年途中の集計結果であるため、分析の対象外としている。
【0146】
(変形例9)
図20は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
図20は、
図19に示す分析結果から、4K解像度を有する表示装置12における音声および映像の対応機能を抽出して示したものである。
図20の縦軸は、管理装置13が固有情報を収集した表示装置12の台数を示す。
【0147】
この分析結果より、4K解像度を有する表示装置12において、DOLBYのみに対応した表示装置12の普及率は、2016年頃から増加しているが、2018年頃から4K解像度を有する表示装置12の全体の台数における割合は低下していることが分かる。また、HDR10+のみに対応した表示装置12の普及率は、2018年頃から増加しているが、2019年頃から4K解像度を有する表示装置12の全体の台数における割合は低下していることが分かる。また、DOLBYおよびHDR10+に対応した表示装置12の普及率は、2019年頃から急激に増加していることが分かる。さらに、コンテンツ視聴装置11に接続された4K解像度を有する表示装置12において、DOLBY、HDR10+、または、DOLBYおよびHDR10+に対応した表示装置12の割合が2016年頃から増加していることから、4K解像度を有する表示装置12の普及が進むと、これと同様にDOLBY、HDR10+、または、DOLBYおよびHDR10+に対応した表示装置12の普及も進む可能性があることが分かる。なお、2020年は、年途中の集計結果であるため、分析の対象外としている。
【0148】
(変形例10)
図21は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
図21は、
図8に示す分析結果から、コンテンツ視聴装置11におけるHDMI-INポートの使用率を抽出して示したものである。
【0149】
コンテンツ視聴装置11におけるHDMI-INポートは、録画装置およびビデオゲーム機等の他の機器と表示装置12とをHDMIケーブルで接続できない場合に使用される。たとえば、表示装置12が、入力用のHDMIポート(HDMI-INポート)を1つのみ備えているとする。この1つのHDMI-INポートがコンテンツ視聴装置11との接続に使用される場合、他の機器と表示装置12とをHDMI接続できないことになる。
【0150】
ここで、コンテンツ視聴装置11は、通常、HDMI-INポートと、出力用のHDMI-OUTポートとを備えている。そのため、表示装置12のHDMI-INポートをコンテンツ視聴装置11のHDMI-OUTポートに接続し、他の機器のHDMI-OUTポートをコンテンツ視聴装置11のHDMI-INポートに接続すれば、コンテンツ視聴装置11と表示装置12とをHDMI接続しつつ、他の機器と表示装置12とをHDMI接続することができる。このように、他の機器をコンテンツ視聴装置11経由で表示装置12と接続する場合に、コンテンツ視聴装置11におけるHDMI-INポートは使用される。
【0151】
管理装置13が各コンテンツ視聴装置11から受信した接続情報に基づいて、各社の表示装置12ごとにHDMI-INポートの使用状況を算出した結果は次の通りであった。HDMI-INポートの使用率および使用台数は、A社製:17%(50台)、B社製:12%(24台)、C社製:47%(70台)、D社製:18%(18台)、E社製:14%(11台)、F社製:17%(12台)、G社製:12%(6台)であった。
【0152】
図22は、本開示の実施の形態に係るログ収集システムにおける管理装置の分析結果の別例を示す図である。
図22は、
図9に示す分析結果から、コンテンツ視聴装置11におけるHDMI-INポートの使用状況を抽出して示したものである。すなわち、
図22は、直近2年間に製造された表示装置12におけるコンテンツ視聴装置11におけるHDMI-INポートの使用状況を抽出して示したものである。
【0153】
管理装置13が各コンテンツ視聴装置11から受信した接続情報に基づいて、直近2年間に製造された各社の表示装置12ごとにHDMI-INポートの使用率を算出した結果は次の通りであった。HDMI-INポートの使用率および使用台数は、A社製:20%(4台)、B社製:17%(5台)、C社製:60%(6台)、D社製:20%(10台)、E社製:18%(8台)、F社製:20%(6台)、G社製:20%(1台)であった。
【0154】
この分析結果と
図21に示す結果とを比較することにより、コンテンツ視聴装置11のHDMI-INポートの平均使用率は20%であるのに対し、直近2年間に製造された表示装置におけるコンテンツ視聴装置11のHDMI-INポートの平均使用率は25%であった。
【0155】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0156】
たとえば、上記実施の形態では、ログ収集システム1が複数のコンテンツ視聴装置11を備える構成について説明した。しかしながら、ログ収集システム1は1つのコンテンツ視聴装置11を備える構成であってもよい。
【0157】
たとえば、上記実施の形態では、取得部1128が認証処理部1127へ現在情報を定期的に出力し、接続情報および固有情報を記憶部113から定期的に取得する構成について説明した。しかしながら、取得部1128が認証処理部1127へ現在情報を不定期に出力し、接続情報および固有情報を記憶部113から不定期に取得する構成であってもよい。
【0158】
たとえば、上記実施の形態では、コンテンツ視聴装置11がストリーム受信部111を備える構成について説明した。しかしながら、コンテンツ視聴装置11はストリーム受信部111を備えない構成であってもよい。この場合、コンテンツ視聴装置11は、たとえばHDD14に保存されたコンテンツを再生する。
【0159】
たとえば、上記実施の形態では、管理装置13が各コンテンツ視聴装置11から受信した接続情報および固有情報を分析し、分析結果を管理装置13上で表示する場合について説明した。しかしながら、管理装置13は分析結果を管理装置13とは別の装置または端末上に表示してもよい。
【0160】
たとえば、上記実施の形態では、コンテンツ視聴装置11における送信処理部1129が接続情報および固有情報を管理装置13へ送信する場合について説明した。しかしながら、送信処理部1129は、接続情報および固有情報に加えて、コンテンツ視聴装置11における表示装置12と接続する部分、たとえばハードウェア部分またはソフトウェア部分の種類を示す種類情報を管理装置13へ送信する構成であってもよい。種類情報は、たとえばコンテンツ視聴装置11の製造元、型番およびファームウェアのバージョン等を示す情報であり、各コンテンツ視聴装置11の表示装置12と接続する部分において個体差が有る場合に差異を区別する手がかりとなる情報である。より詳細には、たとえばコンテンツ視聴装置11において、あるバージョンのファームウェアに不具合が発見されたため、新たなバージョンのファームウェアに更新したとする。送信処理部1129がファームウェアのバージョンを示す情報を含む種類情報を送信する構成により、管理装置13において、HDCP認証エラーの発生率が、更新前後のファームウェアでどのように変化したかを確認することができる。また、管理装置13は、種類情報により、コンテンツ視聴装置11と表示装置12との接続に関する相性分析を行うことができる。
【0161】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置であって、
前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記接続情報および前記固有情報を前記コンテンツ視聴装置の外部の他の装置へ送信する送信処理部とを備え、
前記取得部は、前記接続情報および前記固有情報を定期的または不定期に取得する、コンテンツ視聴装置。
[付記2]
表示装置と接続可能であり、受信したコンテンツを前記表示装置において視聴可能にするコンテンツ視聴装置と、
前記コンテンツ視聴装置と通信可能な管理装置とを備え、
前記コンテンツ視聴装置は、
前記表示装置と前記コンテンツ視聴装置との接続状態を示す接続情報および前記表示装置の固有情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記接続情報および前記固有情報を前記管理装置へ送信する送信処理部とを含み、
前記取得部は、前記接続情報および前記固有情報を定期的または不定期に取得し、
前記ログ収集システムは、
複数の前記コンテンツ視聴装置を備え、
前記管理装置は、複数の前記コンテンツ視聴装置から受信した時系列の前記接続情報および前記固有情報に基づいて、複数の前記表示装置を分類し、分類した前記表示装置の区分単位の分析結果を示す分析情報を作成する、ログ収集システム。
【符号の説明】
【0162】
1 ログ収集システム
11 コンテンツ視聴装置
111 ストリーム受信部
1111 リモコン信号受信部
1112 RF放送受信部
1113 IP放送受信部
112 処理部
1121 消去部
1122 録画部
1123 録画予約部
1124 放送視聴部
1125 録画再生部
1126 検知部
1127 認証処理部
1128 取得部
1129 送信処理部
113 記憶部
1131 録画DB
1132 番組情報DB
1133 予約管理DB
12 表示装置
13 管理装置
14 HDD
15 リモコン
151 リモコン操作部