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特許7517015ドアハンドル回動具及びドアハンドル回動具セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ドアハンドル回動具及びドアハンドル回動具セット
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
E05B1/00 311R
E05B1/00 311M
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020156462
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022050078
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】浅川 良枝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 恵子
(72)【発明者】
【氏名】久家 浩志
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06669241(US,B1)
【文献】登録実用新案第3160237(JP,U)
【文献】登録実用新案第3211013(JP,U)
【文献】特表2013-535591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00
G09F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードホルダの縁部が挿入されると共に挿入された前記縁部を保持する挿入部と、
手で把持する腕部を有するドアハンドルの前記腕部が通される貫通孔と、
を備え
長手を有する扁平形状を呈し、
前記挿入部は、前記長手に沿う一方の側面に形成され、
前記貫通孔は、前記挿入部よりも他方の側面側となる部位に厚さ方向に貫くよう形成されていることを特徴とするドアハンドル回動具。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記長手の方向において前記挿入部よりも短く形成され、前記扁平形状は、前記貫通孔が形成されていない部分の短手の方向の幅が、前記貫通孔が形成されている部分の短手の方向の幅よりも狭いことを特徴とする請求項記載のドアハンドル回動具。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記長手の方向の端に向かうほど幅が狭くなる切込み部を有することを特徴とする請求項又は請求項に記載のドアハンドル回動具。
【請求項4】
前記挿入部は、挿入されたカードホルダを厚さ方向に押圧する押圧部を有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のドアハンドル回動具。
【請求項5】
凹部として形成された挿入部と、
手で把持する腕部を有するドアハンドルの前記腕部が通される貫通孔と、を備えたドアハンドル回動具と、
縁部を前記挿入部に挿入可能なカードホルダと、のセットであって、
前記ドアハンドル回動具は、前記挿入部に挿入された前記カードホルダを保持して前記カードホルダと一体化するドアハンドル回動具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアハンドルに手を触ることなくドアハンドルを回動させてドアを開けることができるドアハンドル回動具及びドアハンドル回動具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
衛生上の観点で、ドアハンドルを、手を触れずに回動してドアを開けることが望まれてきている。
特許文献1には、ドアハンドルを、手を触れずに回動させることができるドアハンドル操作具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-054162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたドアハンドル操作具は、手を触れずに開けたいドアのドアハンドルに、予め補助ハンドルを取り付けておく必要がある。
そのため、ドアハンドルを有する任意のドアを、手を触れずに開けることができないという問題がある。
そこで、外形形状に凹凸部を有し手で把持できるドアハンドルの回動具が検討されている。その回動具は、凹凸部をドアハンドルに引っ掛けてドアハンドルを回動させるものである。
【0005】
しかしながら、この回動具は、独立した物品なので、常に携帯する必要がありながら忘れやすい、鞄に入れて持ち運ぶと取り出しに手間がかかる、ドアハンドルが接触した凹凸部に手が触れやすい、という問題があり、携帯性及び衛生性の向上が望まれている。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高い携帯性及び衛生性を有するドアハンドル回動具及びドアハンドル回動具セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1) カードホルダの縁部が挿入されると共に挿入された前記縁部を保持する挿入部と、
手で把持する腕部を有するドアハンドルの前記腕部が通される貫通孔と、
を備え
長手を有する扁平形状を呈し、
前記挿入部は、前記長手に沿う一方の側面に形成され、
前記貫通孔は、前記挿入部よりも他方の側面側となる部位に厚さ方向に貫くよう形成されていることを特徴とするドアハンドル回動具である。
2) 凹部として形成された挿入部と、
手で把持する腕部を有するドアハンドルの前記腕部が通される貫通孔と、を備えたドアハンドル回動具と、
縁部を前記挿入部に挿入可能なカードホルダと、のセットであって、
前記ドアハンドル回動具は、前記挿入部に挿入された前記カードホルダを保持して前記カードホルダと一体化するドアハンドル回動具セットである
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い携帯性及び衛生性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のドアハンドル回動具の実施例1である回動具1を示す正面図である。
図2図2は、回動具1の上面図である。
図3図3は、回動具1の斜視図である。
図4図4は、回動具1とカードホルダ2とカード3との装着関係を示す図である。
図5図5は、回動具1をカードホルダ2に装着した回動具体1Tを示す正面図である。
図6図6は、回動具体1Tを用いたドアハンドル5の回動方法を示す斜視図である。
図7図7は、実施例2の回動具1Aを示す斜視図である。
図8図8は、回動具1Aをカードホルダ2に装着した回動具体1ATを示す正面図である。
図9図9は、回動具1ATを用いたドアハンドル5の回動方法を示す斜視図である。
図10図10は、押圧部12Pを押圧片12e,12fとした場合の挿入部12の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係るドアハンドル回動具を、実施例1,2のドアハンドル回動具1,1Aにより説明する。以下、ドアハンドル回動具1,1Aを、単に回動具1,1Aとも称する。
【0011】
(実施例1)
図1は、回動具1を示す正面図である。以下の説明における上下左右の各方向を、図1に矢印で規定する。前方は紙面手前、後方は紙面奥方である。上下左右前後の各方向は、説明の便宜のために規定するものであって、回動具1の使用姿勢などを限定しない。
図2は、回動具1の上面図であり、図3は、回動具1の左前斜め上方から見た斜視図である。
【0012】
図1図3に示されるように、回動具1は、外形形状が、左右方向に長く、前後方向に薄い扁平の直方体状であって、左右対称及び前後対称に形成されている。
回動具1は、樹脂の射出成形又は3次元プリンタによって形成される。
【0013】
回動具1は、貫通孔11と挿入部12とを有する。
挿入部12は、上面1aにおいて左右に長い矩形に開口した凹部であって、上面1aから下方に抉られた有底の部位である。
図1に示されるように、挿入部12の深さとして下方に向け抉られた距離Laは、回動具1の上下方向の幅における上面1aから1/3程度とされる。
回動具1は、上面1aから1/3の位置よりも下の部分に、貫通孔11が形成されている。
換言するならば、回動具1は、図3に示される左右方向を長手とする扁平形状を呈し、挿入部12は、長手に沿う一方の側面である上面1aに形成されている。また、貫通孔11は、挿入部12よりも他方の側面側となる下方部位に、前後方向である厚さ方向に貫くよう形成されている。
【0014】
挿入部12の内部において、前後方向に対向する内側面12b,12cそれぞれには、上下方向に延在し相手側面に向け突出するリブ121,122が形成されている。
リブ121,122は、それぞれ複数が左右方向に離隔して形成されている。詳しくは、内側面12bに形成されたリブ121と内側面12cに形成されたリブ122とは、左右方向において、互いに対向する位置にあり、左右方向に等ピッチで形成されている。複数のリブ121はすべて突出高さが同じである。複数のリブ122は、すべて突出高さが同じである。
【0015】
挿入部12の左右方向の幅は、距離Lbで規定され、リブ121の先端位置とリブ122の先端位置との前後方向の間隔は、距離Lcで規定される。距離Lb及び距離Lcについては後述する。
【0016】
貫通孔11は、左右方向を長手とする長孔として形成されている。
この例において、貫通孔11における左右の端面は、上下方向の中央部位が左右にそれぞれ孔が拡張するように切り込まれて、それぞれ切込み部11a,11bとされている。
切込み部11a,11bは、貫通孔11の左右端部に形成され、端に向かうほど幅が狭くなるよう三角状に切り込まれた部位である。切込み部11a,11bの形状は、三角状に限定されず、半円状、楕円状などでもよい。
【0017】
上述の回動具1は、図4図5に示されるように、カードホルダ2と一体化可能となっている。
カードホルダ2は、図4の矢印DR2のように、個人認証のためのIDカードなどのカードを挿抜する挿抜口2aから挿入されたカード3を、摩擦力で保持できるようになっている。カードホルダ2は、ポリカーボネートなどの硬質樹脂製のいわゆるハードタイプで、カード3が挿入された状態で厚さが約5mmである。
このカードホルダ2の長辺の縁部2b又は短辺の縁部2cを、図4の矢印DR1のように、回動具1の挿入部12に挿入することで、挿入部12がカードホルダ2の縁部2b又は縁部2cを保持し、カードホルダ2に回動具1が装着保持される。
カードホルダ2に回動具1を装着して両部材を一体化したものを、以下、回動具体1Tと称する。
【0018】
回動具1は、樹脂で形成されており、距離Lcを広げる方向に弾性変形可能である。そこで、挿入部12の距離Lcを、カードホルダ2の厚さよりも少し小さく設定する。具体的には、距離Lcを、リブ121とリブ122との間にカードホルダ2を強嵌合で人の手により挿入でき、リブ121及びリブ122と、挿入されたカードホルダ2との間の摩擦力によってカードホルダ2に回動具1が意図せず抜けない程度に保持されるように設定する。
【0019】
距離Lcは、カードホルダ2の厚さが5mmの場合、例えば4.7mm程度とする。
距離Lbは、カードホルダ2の挿入部12へ挿入する辺の長さよりも長くする。
例えば、挿入部12に、カードホルダ2の短辺部位のみを挿入する場合は、短辺よりも長くし、長辺部位を挿入可能とする場合は、長辺よりも長くする。
距離Lbは、できるだけ長い方が、挿入部12に厚めのカードホルダ2が挿入された際のリブ121,122の押圧に伴う回動具1の変形量が小さくなるので好ましい。
【0020】
距離Laは、カードホルダ2を挿入部12へ奥まで挿入した際に、カードホルダ2の挿抜口2aの一部を塞ぐように設定される。これにより、カードホルダ2に回動具1を装着した回動具体1Tは、カードホルダ2に挿入されたカード3が挿抜口2aから抜け出ることを防止する。
【0021】
回動具体1Tにおいて、カードホルダ2に装着して保持された回動具1は、カードホルダ2の通常の使用状態でカードホルダ2から外れず、手で意図的に力を加えて引き抜いたときに外れる程度に保持されるようリブ121,122の高さ、すなわち距離Lcを設定する。
すなわち、リブ121,122は、挿入部12に挿入されたカードホルダ2の周縁部を厚さの圧縮方向に押圧する押圧部12Pとして機能する。
カードホルダ2は、押圧部12Pの押圧力に応じた押圧部12Pとの間の摩擦力によって回動具1に保持される。
【0022】
図6は、ドア5がL字状のドアハンドル51を備えている場合に、回動具体1Tを用いてドアハンドル51を回動させてドア5を開ける方法を説明するための図である。ドア5は、手前側に引いて開くものを説明するが、押して開くものであってもよい。
ドアハンドル51は、ドアハンドル51の回動軸線CL51上に延びる軸部51aと、軸部51aの先端から回動軸線CL51に概ね直交する径方向に延出した腕部51bとを有する。腕部51bは、ドアハンドル51を操作する際に手で把持する部位である。
【0023】
図6に示されるように、回動具体1Tを使用者の手6で把持し、カードホルダ2に装着された回動具1の貫通孔11にドアハンドル51の腕部51bを通す。
【0024】
次に、使用者が手6に把持した回動具体1Tを押し下げると、貫通孔11の位置が下がって貫通孔11に挿通されている腕部51bが押し下げられる。これにより、ドアハンドル51は、矢印DR3のように回動軸線CL51まわりの図6における時計まわり方向に回動する。
【0025】
ドアハンドル51がある程度回動することで施錠が解除されるので、使用者は、把持した回動具体1Tを、矢印DR4のように図6の手前側に移動させる。
これにより、貫通孔11に挿通された腕部51bが貫通孔11の切込み部11aに進入当接すると共に、ドアハンドル51が回動具体1Tと共に図6手前側へ移動するので、ドアハンドル51が取り付けられているドア5は回動して開く。
【0026】
ドアハンドル51を図6の紙面手前側に移動させる際に、腕部51bが切込み部11aに進入当接することで、腕部51bに対する回動具1の姿勢及び位置が安定して決まる。
これにより、使用者の、回動具1を把持して腕部51bを手前側に移動させる動作が安定し、かつ容易となる。
【0027】
このように、回動具体1Tを用いることで、ドアハンドル51に手を触れることなく、ドアハンドル51を回動させると共に水平方向手前側に移動させて、ドア5を開けることができる。ドア5が押して開くドアの場合は、ドアハンドル51を回動させると共に水平方向奥側に押して、ドア5を開けることができる。
【0028】
既述のように、回動具1は、カードホルダ2が挿入部12に挿入された状態で押圧部12Pとカードホルダ2との間の摩擦力によってカードホルダ2に保持される。
カードホルダ2は、予め、挿入部12に挿入した際に、適度な摩擦力で保持される厚さに形成し、回動具1との組み合わせを前提とした物品として回動具1との組(セット)で販売等してもよい。
その場合の、カードホルダ2と回動具1とは、ドアハンドル回動具セット1Sを構成する。
【0029】
回動具1は、カードホルダ2が回動具セット1Sとして形成されたか否かにかかわらず、カードホルダ2に装着されて一体化した場合に回動具体1Tを構成する。カードホルダ2には、通常IDカードなどの重要なカードが装着され常に身に着けて携帯されるので、回動具1をカードホルダ2に装着して一体化しておくことで、必要な状況に持参し忘れる虞はほとんどない。
また、回動具1をカードホルダ2と一体化することで、回動具1のみを鞄などに分離保管することはない。これにより、回動具1は取り扱いが良く高い携帯性を有する。
【0030】
また、回動具体1Tにおいて、ドアハンドル51の腕部51bが接触する部位は、実質的に、手指が触れにくい貫通孔11の内面のみである。従って、回動具1は、高い衛生性を有する。
【0031】
(実施例2)
図7は、実施例2の回動具1Aを示す斜視図である。
回動具1Aは、回動具1に対し、挿入部12は同じ形状の挿入部12Aとして残し、貫通孔11の左右方向の長さを短くして貫通孔11Aとしたものである。図7に示された例では、貫通孔11Aは、貫通孔11の右端を左右方向の概ね中央に位置させた形状とされ、挿入部12Aを形成する部分の概ね右半分を突出部13Aとして右方に突出させた外形形状を有する。
貫通孔11Aは、貫通孔11の切込み部11a,11bと同様の切込み部11Aa,11Abを有する。
換言するならば、回動具1Aは、図7に示される左右方向を長手とする扁平形状を呈し、挿入部12Aは、長手に沿う一方の側面である上面1Aaに形成されている。また、貫通孔11Aは、挿入部12Aよりも他方の側面側となる下方部位に、前後方向である厚さ方向に貫くよう形成されている。
さらに、回動具11Aは、貫通孔11Aが長手の方向において挿入部12Aよりも短く形成され、貫通孔11Aが形成されていない部分の短手の方向(図7の上下方向)の幅が、貫通孔11Aが形成されている部分の短手の方向の幅よりも狭くなっている。
【0032】
図8は、回動具1Aの挿入部12Aにカードホルダ2を挿入装着させた状態を示す正面図である。カードホルダ2に回動具1Aを装着して一体化したものを、以下、回動具体1ATと称する。
【0033】
図9は、ドア5がL字状のドアハンドル51を備えている場合に、回動具体1ATを用いてドアハンドル51を回動させてドア5を開ける方法を説明するための図である。
図9に示されるように、回動具体1ATを手6で把持し、カードホルダ2に装着された回動具1Aの貫通孔11Aにドアハンドル51の腕部51bを通す。
回動具体1ATは、突出部13Aを有するため、右側の部分において、カードホルダ2の上端と、突出部13Aの下端との間の上下方向に相当する幅Dbが回動具体1Tの同様の幅Da(図6参照)よりも小さい。
そのため、手の小さい人には、回動具体1ATの方が、回動具体1Tよりも把持し易い場合が多い。
【0034】
回動具体1ATは、ドアハンドル51の、矢印DR3で示される回動及びその後の矢印DR4で示される手前への移動を、回動具体1Tと同様に手を触れることなく行うことができる。ドア5が押して開くドアの場合は、矢印DR3で示される回動及びその後の矢印DR4とは反対方向の奥側への移動を、回動具体1Tと同様に手を触れることなく行うことができる。
すなわち、回動具1Aは、カードホルダ2に装着して一体化した回動具体1ATを構成し、手を触れることなくドアハンドル51を回動させるなどしてドア5を開けることができる。
【0035】
以上詳述した実施例は、上述の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
【0036】
回動具1,1Aは、カードホルダ2の長辺側に装着する例を示したが、短辺にストラップが通されて縦姿勢で使用するカードホルダ2の場合には、ストラップが通された辺とは反対側の短辺側に装着するようにしてもよい。
もちろん、カードホルダが縦姿勢用、横姿勢用にかかわらず、回動具1,1Aは、カードホルダ2の短辺部位、長辺部位のいずれにも装着できるものであってよい。
【0037】
回動具1,1Aは、特定の組織などで用いられる共通のカードホルダ2に装着できるように形成されていればよい。組織の人数が少ない場合には、3次元プリンタにより少数生産をし、組織の人数が多い場合には、金型を製作して射出成形などにより生産するなど、生産態様は限定されない。
【0038】
不特定のドアハンドルのできるだけ多くを挿通可能とするために、貫通孔11,11Aは、幅(図1図7における上下方向の距離)は30mm以上、長さ(図1図7における左右方向の距離)は50mm以上あるとよい。また、貫通孔11,11Aは、幅を10mm以上、長さを30mm以上とすることで、一般的なドアハンドルの多くに対応できる。
【0039】
挿入部12における押圧部12Pは、リブ121,122の替わりに、図10に示されるように、前後方向である回動具1の厚さ方向に可撓性を有する押圧片12e,12fとしてもよい。
図10は、図5におけるS10-S10位置での断面図に相当する図である。
この場合、カードホルダ2は、挿入部12に対し、押圧片12e,12fを厚さ方向に変形させるように強嵌合で挿入するようにする。挿入部12に挿入されたカードホルダ2は、押圧片12e,12fのそれぞれ前方,後方に変形させ、その変形で生じる弾性反発力に起因した摩擦力で保持される。従って、回動具1を保持できるカードホルダ2の厚さの範囲が広く、汎用性が高い。ハードタイプはもとより、塩化ビニル樹脂などで形成された柔軟なソフトタイプのカードホルダに対しても良好に装着保持できる。
【0040】
押圧片12e,12fを設ける構造は、回動具1Aにおいても同様に適用できる。また、回動具1,1Aにおいて、押圧片12e,12fは、いずれか一方のみ形成されていてもよい。
【0041】
挿入部12にカードホルダ2の縁部2b又は2cが保持される構造は、上述の押圧に伴う摩擦力によるものに限定されない。縁部2b又は縁部2cに備えたマグネットと、挿入部12側に備えたマグネットとの吸引力によるものであってもよい。また、いわゆるスナップフィットによる凹凸係合構造であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1A 回動具(ドアハンドル回動具)
1a 上面
1S 回動具セット
1T,1AT 回動具体
11,11A 貫通孔
11a,11b,11Aa,11Ab 切込み部
12,12A 挿入部
12b,12c 内側面
12e,12f 押圧片
12P 押圧部
121,122 リブ
13A 突出部
2 カードホルダ
2a 挿抜口
2b,2c 縁部
3 カード
5 ドア
51 ドアハンドル
51a 軸部
51b 腕部
6 手
CL51 回動軸線
La,Lb,Lc 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10