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特許7517017印刷方法、情報処理システム、制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】印刷方法、情報処理システム、制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20240709BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240709BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240709BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G06F3/04842
H04N1/00 350
B41J29/42 F
B41J29/38 204
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020156878
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050769
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 貴晴
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-134095(JP,A)
【文献】特開2015-085602(JP,A)
【文献】特開2019-150982(JP,A)
【文献】特開2011-084019(JP,A)
【文献】特開2006-343992(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0140251(US,A1)
【文献】特開2006-099725(JP,A)
【文献】特開2020-163595(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0105644(US,A1)
【文献】特開2011-191869(JP,A)
【文献】特開2019-074937(JP,A)
【文献】特開2001-290610(JP,A)
【文献】特開2014-158207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048ー3/04895
H04N 1/00
B41J 29/42
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターによって、
表示設定画面を表示し、管理者のカスタマイズ指示を受け付けて印刷中画面をカスタマイズするカスタマイズ工程と、
印刷開始の指示を受けたことに応じて、印刷を行う印刷工程と、
前記印刷工程の間に、カスタマイズされた印刷中画面を表示させる表示工程と、
行うことを含み、
前記カスタマイズ工程は、前記表示設定画面に、消耗品残量の情報を含む必須情報について常に非表示とすることを示す選択肢を表示せず、常に前記必須情報を表示させることを示す選択肢と、状況に応じて前記必須情報を表示させる選択肢とを表示し、前記必須情報を除く任意情報について常に非表示とすることを示す選択肢と常に表示することを示す選択肢とを表示することを特徴とする、印刷方法。
【請求項2】
前記カスタマイズ工程は、前記必須情報の表示位置及び表示形式の少なくとも一方を前記管理者が変更することを受け付ける、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項3】
前記カスタマイズ工程は、前記表示設定画面に、カスタマイズされた印刷中画面内のカスタマイズされたコンテンツに前記必須情報を重畳表示することを示す選択肢と、カスタマイズされた印刷中画面内の空いたスペースに前記必須情報を表示することを示す選択肢とを表示する、
請求項1または請求項2に記載の印刷方法。
【請求項4】
表示設定画面を表示し、管理者のカスタマイズ指示を受け付けて処理の実行中画面をカスタマイズするカスタマイズ部と、
実行開始の指示を受けたことに応じて、前記処理を実行する処理実行部と、
前記処理の実行中に、カスタマイズされた実行中画面を表示させる表示部と、
を備え、
前記カスタマイズ部は、前記表示設定画面に、消耗品残量の情報を含む必須情報について常に非表示とすることを示す選択肢を表示せず、常に前記必須情報を表示させることを示す選択肢と、状況に応じて前記必須情報を表示させる選択肢とを表示し、前記必須情報を除く任意情報について常に非表示とすることを示す選択肢と常に表示することを示す選択肢とを表示することを特徴とする、情報処理システム。
【請求項5】
コンピューターを、
表示設定画面を表示し、管理者のカスタマイズ指示を受け付けて処理の実行中画面をカスタマイズするカスタマイズ部、
実行開始の指示を受けたことに応じて、前記処理を実行する処理実行部と、
前記処理の実行中に、カスタマイズされた実行中画面を表示させる表示部と、
をとして機能させる制御プログラムであって、
前記カスタマイズ部は、前記表示設定画面に、消耗品残量の情報を含む必須情報について常に非表示とすることを示す選択肢を表示せず、常に前記必須情報を表示させることを示す選択肢と、状況に応じて前記必須情報を表示させる選択肢とを表示し、前記必須情報を除く任意情報について常に非表示とすることを示す選択肢と常に表示することを示す選択肢とを表示することを特徴とする、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法、情報処理システム、制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機において、プリントジョブ等のジョブを実行中にその進捗状況を表示することが知られている(例えば特許文献1、図10)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-202441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷中に、印刷の進捗状況以外にも管理者が設定した様々なコンテンツを表示することができれば、印刷終了までの待ち時間が利用者にとって有益なものとなりうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための印刷方法は、管理者のカスタマイズ指示を受け付けて印刷中画面をカスタマイズするカスタマイズ工程と、印刷開始の指示を受けたことに応じて、印刷を行う印刷工程と、印刷工程の間に、カスタマイズされた印刷中画面を表示させる表示工程と、を含み、カスタマイズ工程は、消耗品残量の情報を含む必須情報は表示から削除することを禁止し、必須情報を除く任意情報は表示から削除することを許可することを特徴とする。
【0006】
上記目的を達成するための情報処理システムは、管理者のカスタマイズ指示を受け付けて処理の実行中画面をカスタマイズするカスタマイズ部と、実行開始の指示を受けたことに応じて、処理を実行する処理実行部と、処理の実行中に、カスタマイズされた実行中画面を表示させる表示部と、を備え、カスタマイズ部は、消耗品残量の情報を含む必須情報は表示から削除することを禁止し、必須情報を除く任意情報は表示から削除することを許可することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するための制御プログラムは、コンピューターを、管理者のカスタマイズ指示を受け付けて処理の実行中画面をカスタマイズするカスタマイズ部、実行開始の指示を受けたことに応じて、処理を実行する処理実行部と、処理の実行中に、カスタマイズされた実行中画面を表示させる表示部と、をとして機能させる制御プログラムであって、カスタマイズ部は、消耗品残量の情報を含む必須情報は表示から削除することを禁止し、必須情報を除く任意情報は表示から削除することを許可することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】複合機のブロック図。
図2】印刷中の表示態様を選択するための画面の一例を示す図。
図3】カスタマイズコンテンツを設定するための画面の一例を示す図。
図4】デフォルトの印刷中画面の一例を示す図。
図5】カスタマイズされた印刷中画面の一例を示す図。
図6】コンテンツの確認の有無の管理を説明する図。
図7】印刷中画面表示処理のフローチャート。
図8】任意情報と必須情報の表示設定画面の一例を示す図。
図9】エラー発生前後の表示処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)情報処理システムの構成:
(2)印刷中画面のカスタマイズ:
(3)カスタマイズされた印刷中画面の表示:
(4)カスタマイズされた印刷中画面に対する利用者の確認の有無:
(5)必須情報と任意情報:
(6)エラー解消後の表示:
(7)他の実施形態:
【0010】
(1)情報処理システムの構成:
図1は、本発明の実施形態にかかる情報処理システムとしての複合機1の構成を示すブロック図である。複合機1は、プロセッサー10と、不揮発性メモリー20と、UI部30(User Interface)と、通信部40と、印刷部50と、読取部60と、FAX通信部70を備えている。プロセッサー10は、図示しないCPUやROMやRAM等を備え、不揮発性メモリー20に記録された種々のプログラムを実行し複合機1の各部を制御することができる。なお、プロセッサー10は、単一のチップで構成されていても良いし、複数のチップで構成されていても良い。また、例えばCPUに変えてASICが採用されても良いし、CPUとASICとが協働する構成であっても良い。
【0011】
UI部30は、タッチパネルディスプレイを含む。タッチパネルディスプレイは、プロセッサー10の制御に基づいて様々な情報を表示する表示パネルと、当該表示パネルに重ねられたタッチ検出パネルとを備え、人の指等によるタッチ操作を検出する。タッチパネルディスプレイは、当該タッチ操作を示す情報をプロセッサー10に出力する。プロセッサー10は、当該情報に基づいてタッチ操作を取得する。なお、本願において情報とは特に断りがない限り、同じ内容を伝えるのであれば、その表現形式が異なっていても同じ情報とみなしてもよい。すなわち、改行の有無の違いや書体の違いがあっても同じ情報とみなしてもよい。
【0012】
通信部40は、他の装置と有線または無線で通信するための各種の通信インターフェースを含む。また、通信部40は、複合機1に装着された各種のリムーバブルメモリーと通信するためのインターフェースを含む。また、本実施形態において通信部40は、NFC通信部を含む。NFC通信部は、NFCタグと既定距離以内に接近した場合に当該NFCタグと通信を行いNFCタグの記録媒体に記録されたデータを取得する機能を有する。
【0013】
印刷部50は、本実施形態においては、インクジェット方式や電子写真方式等の各種の印刷方式で各種の印刷媒体に印刷を実行するためのアクチュエーターやセンサー、駆動回路、機械部品等を備えている。読取部60は、原稿台ガラスに載置された原稿やADF原稿トレイにセットされた原稿の読み取りを行うための装置、例えば、周知のカラーイメージセンサーや光源、原稿を搬送するためのアクチュエーターや駆動回路やセンサー、機械部品等を備えている。
【0014】
FAX通信部70は、公衆交換電話網等を経由して原稿を示す画像データのFAX通信を行うためのモデム、当該画像データを送受信するための制御信号を検出したり生成したりするための回路、送信データを符号化したり受信データを復号するための回路等を備えている。
なお、複合機1は図示しない計時回路を備えており、プロセッサー10は、計時回路から現在日時を取得することができる。
【0015】
本実施形態において、複合機1は、例えばオフィス等に据え置かれ、複数の利用者に共用される装置であることを想定している。複合機1の利用者はIDカードを携帯しており、当該IDカードの記録媒体には利用者の識別番号が記録されている。利用者は、複合機1の傍に行って複合機1を利用する際、IDカードをNFC通信部にかざすと、複合機1はNFC通信部によって識別番号を取得し、認証情報テーブルに登録済みの利用者であるか否かを判定する。認証情報テーブルに登録済みの利用者である場合、利用者は複合機1にログインすることができ、複合機1にログインすることで複合機1の様々な機能を利用することができる。複合機1は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、ファックス機能、等の複数の機能を備えている。また、複合機1は、管理者による後述するカスタマイズによって印刷中に任意のコンテンツを表示することが可能である。
【0016】
プロセッサー10は、不揮発性メモリー20に記録された図示しない制御プログラムを実行することができる。制御プログラムが実行されると、プロセッサー10は、カスタマイズ部11、処理実行部12、表示部13、管理部14として機能する。
【0017】
カスタマイズ部11は、管理者のカスタマイズ指示を受けて処理の実行中画面をカスタマイズする機能である。複合機1における処理の実行中に任意のコンテンツを表示するための設定を管理者が行う工程をカスタマイズ工程と呼ぶ。本実施形態においては、処理の実行中画面として、印刷中画面をカスタマイズする例を説明する。印刷中画面は、利用者の印刷開始の指示を受けて印刷を開始してから当該指示に対応する印刷ジョブを終了するまでの間に表示する画面である。なお、ログイン中画面や、スキャン中画面や、FAX通信中画面をカスタマイズすることも可能であってももちろんよい。
【0018】
処理実行部12は、実行指示を受けたことに応じて処理を実行する機能であり、本実施形態においては、印刷開始の指示を受けたことに応じて、印刷を行う機能である。例えば、利用者がPC等から印刷対象のファイルを複合機1に送信し、複合機1にログインした当該利用者が複合機1に蓄積された当該ファイルの印刷開始の指示をUI部30への操作によって行う。また、FAX受信して複合機1に蓄積されたファイル、他のクラウドサーバーから取得したファイルの印刷を想定してもよい。また、コピー機能における印刷を想定してもよい。印刷開始の指示を受けると、プロセッサー10は、印刷対象のデータに基づいて印刷部50に印刷を実行させる。処理実行部12の機能によりプロセッサー10が印刷を行う工程を印刷工程と呼ぶ。
表示部13は、印刷中に、カスタマイズされた印刷中画面を表示させる機能である。表示部13は、印刷中にカスタマイズされていない印刷中画面を表示させる機能も有している。表示部13の機能によりプロセッサー10がUI部30に表示を行う工程を表示工程と呼ぶ。
【0019】
(2)印刷中画面のカスタマイズ:
図2図3は、カスタマイズ工程において利用される画面の例を示す図である。図2は、印刷中の表示態様を選択する画面である。なお図2の画面においてログイン時の表示態様も選択可能である。本実施形態においては、印刷中の表示態様として、「印刷中表示」、「すべてをランダムで表示」、「プリセット画像」、「カスタマイズ画像1」、「カスタマイズ画像2」、「カスタマイズ文字列1」、「カスタマイズ文字列2」のうちのいずれかを選択可能である。「印刷中表示」が選択された場合、プロセッサー10は、印刷中に領域p1に印刷中におけるデフォルトの内容を表示する。領域p1は、UI部30のタッチパネルディスプレイの画面上の既定の領域である(図4、5を参照)。
【0020】
図4は、「印刷中表示」が選択された場合の印刷中画面(デフォルトの印刷中画面とも呼ぶ)の例を示す図である。デフォルトの印刷中画面では、領域p1に実行中の印刷ジョブを示す各種の情報が表示される。例えば図4に示すように、印刷中のファイル名や、印刷ジョブの進捗状況を示すプログレスバー、その他印刷パラメーター等が含まれてよい。また、領域p1外には、インク残量を示すアイコンi1、印刷進捗状況を示すページ数a1、ボタンb1等が表示される。ボタンb1は、印刷の中止指示を受け付けるためのオブジェクトである。デフォルトの印刷中画面は、カスタマイズされていない印刷中画面である。
【0021】
「プリセット画像」(図2を参照)は、複合機1のベンダーが準備した画像である。本実施形態においてプリセット画像には例えば複合機1の便利な使い方等を紹介・提案する4枚の静止画が予め準備される。なおファームウェアアップデートの際にプリセット画像も更新されてよい。図2の画面において「プリセット画像」が管理者に選択されると、プロセッサー10は、印刷中、印刷中画面の領域p1においてこのプリセット画像を順に、あるいはランダムに切り替えて表示する。4枚のプリセット画像は、印刷ジョブ毎に切り替えられても良いし、印刷中に一定時間間隔が経過する毎に切り替えられても良い。プリセット画像を領域p1に含む印刷中画像は、カスタマイズされていない印刷中画面の一種である。
【0022】
「カスタマイズ画像1」と「カスタマイズ画像2」は、管理者が選択した任意の画像ファイルであり、「カスタマイズ文字列1」と「カスタマイズ文字列2」は、管理者が設定した任意の文字列である。図3は、図2におけるこれら4種類の項目のそれぞれに対応付けるコンテンツを設定する画面の例である。図3に示す画面により、管理者は、カスタマイズ画像1や2に対応付ける画像ファイルを設定することができる。画像ファイルのフォーマットとしては例えば、JPEG、PNG等を想定してよい。また、同画面により、管理者は、カスタマイズ文字列1や2として表示したい文字列を設定することができる。「カスタマイズ画像1」、「カスタマイズ画像2」、「カスタマイズ文字列1」、「カスタマイズ文字列2」は、本実施形態においてカスタマイズされた印刷中画面において領域p1に表示されるコンテンツである。
【0023】
(3)カスタマイズされた印刷中画面の表示:
本実施形態において、表示部13の機能によりプロセッサー10は、印刷工程における状況に応じて、カスタマイズされた印刷中画面を含む複数の印刷中画面から少なくとも1つを自動的に選択して表示させる。図2の「すべてをランダムで表示」が選択された場合、プロセッサー10は、印刷中に「プリセット画像」と「カスタマイズ画像1」と「カスタマイズ画像2」と「カスタマイズ文字列1」と「カスタマイズ文字列2」の中からランダムに1個を選択して領域p1に表示する。具体的には、プロセッサー10は、印刷に要する時間の予測に応じて、領域p1に表示するコンテンツを選択する。例えば、プロセッサー10は、印刷ジョブデータから印刷ページ数を取得し、印刷ページ数が閾値以下である場合は、カスタマイズ画像1とカスタマイズ画像2と4枚のプリセット画像の中からランダムに選択した画像を表示する。印刷ページ数が閾値より多い場合は、カスタマイズ文字列1,2を含むすべてのコンテンツの中からランダムに選択した文字列を表示する。印刷ページ数が多いほど印刷に要する時間は長いと想定できる。画像ファイルには文字以外の図柄が含まれていることが想定され、文字で構成される「カスタマイズ文字列」よりも利用者が内容を把握するのに要する時間が短いと想定できる。そのため、プロセッサー10は、印刷ページ数に応じて画像ファイルとカスタマイズ文字列のいずれを表示するかを選択する。「すべてをランダムに表示」では、一定時間経過毎に領域p1に表示するコンテンツを切り替えることができてもよい。その場合、プロセッサー10は、印刷終了までの残り時間の予測に応じて、次に表示するコンテンツを選択する。
【0024】
印刷に要する時間は、ページ数の他にも、印刷対象のファイルサイズ、印刷対象のファイルに含まれる文字数、文書であるか写真であるか等の印刷ファイルの種別、印刷媒体のサイズ(A4,A3等)等に応じて予測されてよい。また、カスタマイズ工程において管理者がコンテンツの内容把握に要する目安時間をコンテンツに対応付けて入力することができてもよい。また、コンテンツに含まれる文字数から目安時間を計算するなど、コンテンツの内容を解析して目安時間を算出してもよい。これらの場合、目安時間が印刷に要する予測時間より少ないコンテンツを選択して表示するようにしてもよい。
【0025】
印刷工程における状況に応じて表示するコンテンツを選択する場合、上述したような印刷所要時間以外にも、例えば印刷データの種別や印刷に採用されている印刷条件(パラメーター)に応じて、プロセッサー10は表示するコンテンツを選択してもよい。例えば複合機1にログインしたある利用者が同じ印刷条件の印刷を繰り返している場合、当該利用者が使用したことがない印刷条件について紹介するプリセット画像を選択するようにしてもよい。また、印刷の実行時間帯に応じて表示するコンテンツを選択してもよい。例えば、プロセッサー10は、定時退社日の午後の時間帯においては、定時退社案内のコンテンツを優先的に選択してもよい。また、プロセッサー10は、昼食休憩時間帯や夕食休憩時間帯に印刷が実行された場合には、リフレッシュのためのストレッチを促すコンテンツを優先的に選択してもよい。印刷工程における状況に応じて表示するコンテンツを選択するために、カスタマイズ工程において、管理者が、コンテンツ毎に当該コンテンツを優先的に表示する日時や時間帯や、印刷条件を対応付けて入力させるように構成してもよい。以上のように、本実施形態においては、カスタマイズ画像、カスタマイズ文字列、プリセット画像を含めた複数のコンテンツの中から選択されたコンテンツが印刷中に表示されるため、印刷終了までの待ち時間が利用者にとって有益なものとなりうる。
【0026】
(4)カスタマイズされた印刷中画面に対する利用者の確認の有無:
管理部14は、カスタマイズされた印刷中画面について、利用者が確認済みか未確認かを管理する機能である。管理部14の機能によりプロセッサー10が確認済みであるか否かを管理する工程を管理工程と呼ぶ。本実施形態においては、管理部14の機能によりプロセッサー10は、利用者が確認したことを示す操作を行うと、当該操作に応じて利用者が確認済の画面であると属性を変更する。属性は、利用者がコンテンツを確認済みであるか否かを示す情報である。
【0027】
図5は、カスタマイズされた印刷中画面の一例を示している。プロセッサー10は、領域p1に、管理者によって選択されたコンテンツを表示する。図5の例では、カスタマイズ文字列2の内容が表示されている。また領域p1には、利用者が「次回以降は表示しない」ことを選択するためのチェックボックスc1と閉じるボタンb2が含まれる。閉じるボタンb2は領域p1のコンテンツの表示を終了するためのボタンである。閉じるボタンb2がタッチされるとまだ印刷中である場合、プロセッサー10はデフォルトの印刷中画面(図4を参照)を表示する。チェックボックスc1に対するタッチ操作を検知すると、プロセッサー10は、利用者がコンテンツを確認したことを示す操作がなされたと見なし、当該コンテンツを確認済みであると属性を変更する。
【0028】
図6は、コンテンツ毎および利用者毎に、確認の有無を示す属性が管理されることを示す図である。図6に示すテーブルが不揮発性メモリー20に記録されている。例えば利用者Aがログインして印刷を開始させ、カスタマイズ文字列2のコンテンツが印刷中画面の領域p1に表示された場合に、利用者Aが「次回以降は表示しない」のチェックボックスc1をタッチすると、プロセッサー10は、管理部14の機能により、利用者Aについてカスタマイズ文字列2の属性を確認済みにする。なお、属性は、初期値が「未確認」である。図3の画面にて管理者が、カスタマイズ画像として新しい画像ファイルを選択した場合や、カスタマイズ文字列において内容を更新した場合、プロセッサー10は、全利用者について、当該カスタマイズ画像や当該カスタマイズ文字列の属性を「未確認」に初期化する。なお4枚のプリセット画像それぞれについても図6に示すように確認の有無を示す属性が管理される。
【0029】
プロセッサー10は表示工程において、カスタマイズされた印刷中画面に対する利用者の確認状況に応じて、利用者が未確認の画面を確認済みの画面より優先して表示させる。すなわち、「すべてをランダムに表示する」が選択されている場合であって、属性が確認済みのコンテンツと未確認のコンテンツが存在する場合、プロセッサー10は、後者を領域p1に表示する。なお、「すべてをランダムに表示する」が選択されている場合であって、ある利用者について、ランダム表示対象のすべてのコンテンツの属性が確認済みとなった場合、プロセッサー10は、デフォルトの印刷中画面を表示する(図4を参照)。
【0030】
このように、利用者毎にコンテンツの内容を確認済みであり次回以降は表示しないことを選択できることにより、何度も同じコンテンツが表示され利用者がそのたびにコンテンツの表示を終了する操作(図5の閉じるボタンb2)をする必要がなくなる。また、カスタマイズされたコンテンツが繰り返し表示されることを望む利用者や、今はコンテンツを詳細に確認できないが次の機会に確認したい利用者等も存在しうるため、そのような利用者に対しては、繰り返し同じコンテンツを表示することができる。
【0031】
図7は印刷中画面表示処理のフローチャートである。印刷中画面表示処理は、複合機1にログインした利用者から印刷開始の指示を受けたことに応じて実行される。印刷中画面表示処理が開始されると、プロセッサー10は、処理実行部12の機能により、印刷を開始する(ステップS100)。すなわち、プロセッサー10は、印刷部50に対して、印刷対象のデータに基づいて印刷を実行するように指示する。これにより、印刷が開始する。
【0032】
続いて、プロセッサー10は、表示部13の機能により、「印刷中表示」が選択されているか否かを判定する(ステップS105)。すなわちカスタマイズ工程において、管理者が、図2に示す画面における「印刷中表示」を選択したか否かが判定される。ステップS105において「印刷中表示」が選択されていると判定された場合、プロセッサー10はデフォルトの印刷中画面に遷移させる(ステップS130)。すなわち、プロセッサー10は、図4に示すデフォルトの印刷中画面を表示する。
【0033】
ステップS105において「印刷中表示」が選択されていると判定されなかった場合、プロセッサー10は、表示対象のコンテンツの属性が確認済みであるか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、プロセッサー10は、図2の画面にて管理者が選択した表示態様を取得し、今回印刷中画面の領域p1に表示するコンテンツを決定する。そして利用者毎およびコンテンツ毎に管理された属性を参照し(図6を参照)、ログイン中のユーザーが、今回表示するコンテンツを確認済みであるか否かを判定する。
【0034】
ステップS110において、確認済みであると判定された場合、プロセッサー10はステップS130を実行する。ステップS110において、確認済みであると判定されなかった場合、プロセッサー10は、表示部13の機能により、コンテンツを含む印刷中画面を表示する(ステップS115)。すなわち、プロセッサー10は、図5に示すように、領域p1にコンテンツを含んだ印刷中画面を表示する。
【0035】
続いて、プロセッサー10は、表示部13の機能により、表示を終了するイベントが発生したか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、プロセッサー10は、今回の印刷ジョブが終了するまでの間に一定時間コンテンツを表示したか、あるいは利用者がコンテンツを「閉じる」操作をしたか否かを判定する。
【0036】
ステップS120において、コンテンツ表示を終了するイベントが発生したと判定されなかった場合、プロセッサー10はステップS115に戻りコンテンツを含む印刷中画面の表示を継続する。ステップS120において、コンテンツ表示を終了するイベントが発生したと判定された場合、プロセッサー10は、管理部14の機能により、利用者は「次回以降は表示しない」を選択したか否かを判定する(ステップS125)。すなわち、コンテンツ表示が終了する前に、利用者が「次回以降は表示しない」にチェックマークを入れる操作をしたか否かをプロセッサー10は判定する。ステップS125において「次回以降は表示しない」が選択された場合、プロセッサー10はステップS130を実行する。
【0037】
ステップS125において、「次回以降は表示しない」が選択されたと判定した場合、プロセッサー10は、管理部14の機能により、属性を確認済みにする(ステップS130)。すなわち、プロセッサー10は、ステップS115で表示したコンテンツの属性を「確認済み」にする。ステップS130を実行後、プロセッサー10はステップS130を実行する。
【0038】
(5)必須情報と任意情報:
本実施形態において、UI部30にカスタマイズされた印刷中画面を表示する際に、プロセッサー10は、空いた領域に必須情報を表示する。なお他の実施形態においては、カスタマイズされた印刷中画面に必須情報を重畳して表示する構成を採用してもよい。必須情報には、消耗品残量の情報が含まれる。本実施形態においては、必須情報としてインクやトナー等の記録剤の残量情報を想定している。印刷ヘッドの交換時期についての情報が必須情報に含まれても良い。カスタマイズ部11の機能によりプロセッサー10は、カスタマイズされた印刷中画面を表示する場合において、消耗品残量の情報を含む必須情報を表示から削除することを禁止し、必須情報を除く任意情報を表示から削除することを許可する。
【0039】
図8は、カスタマイズされた印刷中画面を表示する場合の任意情報と必須情報の表示設定画面の例である。本実施形態においては、任意情報の例として印刷進捗情報を想定している。管理者は図8に示す画面において、印刷進捗状況を表示するか否かを選択することができる。すなわち、カスタマイズされた印刷中画面において、任意情報を表示から削除することは許可されている。なお印刷進捗状況について非表示が選択された場合、図5における、印刷進捗状況を示すページ数a1が非表示となる。「印刷中」の文字は表示が継続されてもよい。
【0040】
一方、必須情報であるインク残量情報については、常に表示させるか、または、状況に応じて表示させるかを、プロセッサー10は選択可能に管理者に提示する。「状況に応じて」は、図8に示すように、例えばいずれか1色のインクでも既定量以下となった場合を想定してよい。従って、本実施形態において、必須情報について常に非表示とすることを管理者は選択できないようになっているが、常に表示しなければならないということはない。すなわち、必須情報を常に表示から削除することは禁止されているが状況によって非表示にすることは妨げられない。なお、いずれのインクも既定量より多ければインク残量についての情報は表示されず、いずれか1色のインクでも既定量以下となった場合、図5に示す波線で囲まれた領域にインク残量についての情報が表示される。
【0041】
さらに、図8に示す画面において、カスタマイズ部11の機能により、プロセッサー10は、必須情報の表示形式を管理者が選択可能に提示し、表示形式を管理者が変更することを受け付ける。例えば、インク残量情報の表示形式の選択肢として、アイコンでインクの残量を示す表示形式と、アイコンと説明文とでインク残量を示す表示形式とが提示されてよい。アイコンで表示することが選択された場合、図5の破線の領域にインク残量を示すアイコンが表示される。なお、本実施形態においては、任意情報である印刷進捗状況についても、表示形式を選択することができる。印刷進捗状況の表示形式は、印刷進捗状況について「表示」が選択された場合に、選択可能に表示される。
【0042】
このように、本実施形態によれば、カスタマイズされた印刷中画面においても、必須情報を表示させることができるため、利用者に提示する必要のある重要度の高い情報を利用者に通知することができる。
【0043】
(6)エラー解消後の表示:
カスタマイズされた印刷中画面を表示しながら印刷が実行されている状態でエラー(例えば印刷媒体の残量が0となる、印刷媒体が搬送経路において詰まる、インクの残量が0となる等)が発生した場合、プロセッサー10はエラーが発生したことを通知するためおよびそのエラー解消方法を案内するためのエラー画面を、カスタマイズされた印刷中画面の上に重畳表示する。エラー画面の案内に従って利用者がエラーを解消させると、プロセッサー10は、エラー解消を検知する。例えばインク残量や印刷媒体の残量を検知するセンサー等複合機1の各部の状態を検知するセンサーが備えられており、プロセッサー10はこれらのセンサーの出力に基づいてエラーが解消したことを検知することができる。エラー解消を検知すると、プロセッサー10は、印刷を再開する。この際に、プロセッサー10は、エラーが発生していた印刷ジョブの印刷中又は印刷再開後の既定ページの印刷中はカスタマイズされていない印刷中画面であるデフォルトの印刷中画面に切り替えて表示する。すなわち、エラー発生まではカスタマイズされた印刷中画面を表示していたとしても、エラー解消後の印刷再開時は、エラーが発生していた印刷ジョブの全てのページの印刷が終了するまで、あるいは、印刷再開後の既定ページ分の印刷が終了するまでは、デフォルトの印刷中画面が表示される。なお、エラーの発生に応じてカスタマイズされた印刷中画面からデフォルトの印刷中画面に切り替えていてもよい。
【0044】
エラー解消後もカスタマイズされた印刷中画面を表示するようにすることも可能であるが、エラー解消後は、印刷が問題なく実行されるか否かを利用者は知りたがっていることが想定される。デフォルトの印刷中画面は、実行中の印刷ジョブについての情報量が、カスタマイズされた印刷中画面よりも多い。そのため、プロセッサー10は、印刷再開後は、デフォルトの印刷中画面に切り替えて表示することによって、利用者が知りたい情報を提示することができるようにすることが望ましい。仮に印刷再開後もエラー発生前と同様にカスタマイズされた印刷中画面を表示する場合、図8の画面で印刷進捗状況を「非表示」とすることが選択されていれば、利用者は印刷再開後に印刷が滞りなく進行しているか否かをすみやかに知ることが困難である。しかし、本実施形態によれば、エラー解消後の印刷再開後は、デフォルトの印刷中画面が表示されるため、利用者は印刷が問題なく進行していることを容易に確認することができる。なお、印刷再開後の既定ページは、例えば1、2ページであってよい。
【0045】
エラー発生前後の表示処理について図9のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、カスタマイズされた印刷中画面を表示することが管理者によって選択されている場合であって印刷開始が指示された場合に、開始される。まず、プロセッサー10は、カスタマイズされた印刷中画面をエラーが発生するまで表示する(ステップS200、S205)。印刷中にエラーが発生すると(ステップS205でY判定)、プロセッサー10はエラー画面をエラーが解消するまで表示する(ステップS210、S215)。エラーが解消すると(ステップS215でY判定)、プロセッサー10は、デフォルトの印刷中画面を印刷が終了するまで表示する(ステップS220,S225)。
【0046】
なお、図9のフローチャートにおけるS225は、エラーが発生していた印刷ジョブの最後のページの印刷が終了することを想定しており、ステップS225でY判定となった後、プロセッサー10は、デフォルトの印刷中画面の表示を終了してホーム画面を表示する。そしてプロセッサー10は、次の印刷ジョブからは、印刷中は再びカスタマイズされた印刷中画面を表示する。例えば、10ページの印刷ジョブにおいて、5ページ目でエラーが発生した場合、プロセッサー10は、1~5ページはカスタマイズされた印刷中画面を表示し、エラー発生のためエラー画面を表示し、エラー解消後5~10ページを印刷中はデフォルトの印刷中画面を表示する。そして、次の印刷ジョブから、プロセッサー10は、再度カスタマイズされた印刷中画面を表示する。
【0047】
なお、ステップS225が、印刷再開後の既定ページ分の印刷終了を意味する場合、ステップS225でY判定となった後、プロセッサー10は印刷ジョブの残りのページの印刷中は、デフォルトの印刷中画面の表示を止めてカスタマイズされた印刷中画面の表示を行う。例えば、10ページの印刷ジョブにおいて、5ページ目でエラーが発生した場合、プロセッサー10は、1~5ページはカスタマイズされた印刷中画面を表示し、エラー発生のためエラー画面を表示し、エラー解消後の既定ページ(例えば5ページ目)印刷中はデフォルトの印刷中画面を表示し、6ページ目以降は再びカスタマイズされた印刷中画面を表示する。
【0048】
なお、エラーの深刻度レベルによって、印刷再開後いつまでデフォルトの印刷中画面を表示するかを切り替える構成を採用してもよい。深刻でない方から順に、レベル1,2,3とする。レベル1は例えば印刷媒体の残数が0になったこと、レベル2は例えばインクの残量が0になったこと、レベル3は例えば印刷媒体が搬送経路で詰まったことを想定する。レベル1の場合は、印刷再開後はすぐにカスタマイズされた印刷中画面の表示に戻すようにしても良い。レベル2の場合は、印刷再開後、既定ページ分はデフォルトの印刷中画面を表示し既定ページ分の印刷が終了したらカスタマイズされた印刷中画面に戻すようにしてもよい。レベル3の場合は、印刷再開後、実行中の印刷ジョブが終了するまでデフォルトの印刷中画面を表示するようにしてもよい。
【0049】
(7)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、本発明は、複合機以外の様々な情報処理システムに適用可能である。情報処理システムは、カスタマイズ部と処理実行部と表示部を備えていれば良く、例えば、プリンターやスキャナーであってもよいし、パーソナルコンピューターやスマートフォンやタブレットであってもよいし、これらを組み合わせて構成されてもよい。処理実行部や表示部を備える装置と、カスタマイズ部を備える装置が別の装置であってもよい。また、処理実行部と表示部とカスタマイズ部がそれぞれ別の装置であってもよい。処理実行部を備える装置と、表示部およびカスタマイズ部を備える装置が別の装置であってもよい。
【0050】
また、処理実行部が実行する処理は、利用者による実行開始の指示を受けて実行する処理であればよい。例えば、ログイン処理であってもよいし、ログオフ処理であってもよいし、印刷であってもよいし、スキャンであってもよいし、FAX送信であってもよいし、FAX受信したデータの転送処理であってもよいし、FAX以外の通信によるファイル送受信であってもよい。また、データの検索処理であってもよいし、複製処理であってもよいし、削除処理であってもよい。
処理の実行中にエラーが発生しその後エラーが解消して処理を再開する場合、エラーが発生していた当該処理を実行完了するまでの間又は実行再開後の既定の期間はカスタマイズされていない実行中画面に切り替えて表示してもよい。実行再開後の既定期間は、時間の長さで定義されてもよい。あるいは、実行再開後の既定期間は、当該処理を構成する複数ステップのうち再開後に実行する既定数のステップを実行する期間のことであってもよい。
【0051】
表示工程において、印刷工程における状況(印刷以外の処理の実行状況でもよい)に応じて、カスタマイズされた印刷中画面を含む複数の印刷中画面から少なくとも1つを自動的に選択して表示させる場合、上記実施形態では、管理者が設定したコンテンツ(カスタマイズ画像やカスタマイズ文字列)とプリセット画像の中から1つを自動的に選択して表示する構成であった。他の実施形態としては、カスタマイズされた印刷中画面とカスタマイズされていない印刷中画面の中から少なくとも1つを選択して表示する構成を想定してよい。例えば、管理者が設定したコンテンツを含むカスタマイズされた印刷中画面の少なくとも1つと、プリセット画像を含む印刷中画面と、デフォルトの印刷中画面の中から1つが選択されて表示される構成であってもよい。なお、図2に示す画面では、ラジオボタンで示されいずれか1個を選択可能に案内する例を示しているが、チェックボックスで複数個を選択可能に提示してもよい。そして、チェックボックスで選択された中から自動的に選択された態様で印刷中画面が構成されてもよい。なお同時に2以上のコンテンツが表示されてもよい。
【0052】
カスタマイズの内容は上述の実施の形態に限定されない。例えば、テキストと静止画と動画の組み合わせを表示するようにしてもよい。また、表示に加えて音声を発生するようにカスタマイズしてもよい。また、装置メーカーが必須情報は不要であると判断した場合には、必須情報を設定せず、デフォルトの印刷中画面の全ての情報を任意情報としてもよい。
カスタマイズ工程は、必須情報の表示形式と表示位置の少なくともいずれかを管理者が変更することを受け付けることを含んでも良い。必須情報は、特定の条件が発生した場合に必ず表示しなければならない情報である。上記実施形態では、表示形式を変更できる例を説明したが、必須情報の表示位置を管理者が変更可能にしてもよい。必須情報を表示位置は、カスタマイズされたコンテンツに重畳表示することを管理者が選択できてもよいし、空いたスペースに表示することを管理者が選択できてもよい。また、状況に応じて必須情報を表示させる場合の「状況」は、特定の条件が発生した状況である。
【0053】
上記実施形態においては、管理工程の例として、利用者が「次回以降は表示しない」のチェックボックスに操作を行ったことによって、カスタマイズされた印刷中画面を確認済みであるとする構成を挙げたが、他にも次のような方法を採用してもよい。例えば、プロセッサーは、コンテンツの表示時間を、計時回路を用いて計測し、利用者毎およびコンテンツ毎に累積表示時間を管理する。そして利用者が未確認の画面の累積表示時間が閾値に到達又は閾値を上回ったことに応じて、利用者が確認済の画面であると属性を変更しても良い。また例えば、プロセッサーは、利用者が未確認のコンテンツについて、表示開始から表示終了までの連続表示時間を、計時回路を用いて計測する。そして利用者が未確認の画面の連続表示時間が閾値に到達又は閾値を上回ったことに応じて、利用者が確認済の画面であると属性を変更しても良い。
【0054】
また、カスタマイズ工程に、カスタマイズされた印刷中画面を繰り返し表示するか否かを管理者が選択可能に提示することが含まれてもよい。コンテンツ毎にこの選択が可能であってもよい。カスタマイズされた印刷中画面を繰り返し表示することを管理者が選択した場合、プロセッサーは、利用者が確認済みであってもカスタマイズされた印刷中画面を表示し、繰り返し表示しないことを管理者が選択した場合、利用者が確認済みであればカスタマイズされた印刷中画面を表示しない。例えば、業務上の注意喚起のためのコンテンツや、多くの利用者が「次回以降は表示しない」を選択していないコンテンツ(多くのユーザーに繰り返し読まれているコンテンツ)については、一旦確認済みとなっても一定時間経過後に再度属性を「未確認」にして繰り返し表示するようにしてもよい。このようにすることで、利用者にとって有益となりうる情報を提供する機会を増やすことができる。
【0055】
表示工程は、カスタマイズされた印刷中画面の表示中に利用者の操作が行われたことに応じて、別の印刷中画面を表示させることを含んでも良い。例えば図5に示すカスタマイズされた印刷画面の領域p1において、「次へ」等のボタンが表示されてもよい。「次へ」ボタンに対して操作が行われると、他のカスタマイズされた印刷中画面や、デフォルトの印刷中画面をプロセッサーは表示する。なお「次へ」で表示される画面は未確認の画面であることが好ましい。このように印刷中画面を利用者が手動で切り替えることができてもよい。
また、エラー解消後にデフォルトの印刷中画面を表示させるものに限られず、エラー解消後に実行中の印刷ジョブについての情報量が、エラーの発生までに表示していたカスタマイズされた印刷中画面よりも多いカスタマイズされた印刷中画面に切り替えるようにしてもよい。これは、任意情報を非表示にしていたカスタマイズされた印刷中画面を、エラー解消後は、任意情報を強制的に表示に切り替えて表示するということも含む。
【0056】
さらに、本発明のように、コンピューターが実行するプログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置が備える部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリーであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0057】
1…複合機、10…プロセッサー、11…カスタマイズ部、12…処理実行部、13…表示部、14…管理部、20…不揮発性メモリー、30…UI部、40…通信部、50…印刷部、60…読取部、70…FAX通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9