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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
B41J2/175 503
B41J2/175 501
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020171767
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063479
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】八並 哲史
(72)【発明者】
【氏名】三澤 勇二
(72)【発明者】
【氏名】今江 俊博
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-125828(JP,A)
【文献】特開2008-114557(JP,A)
【文献】特開2016-165715(JP,A)
【文献】特開2015-167943(JP,A)
【文献】特開2006-110743(JP,A)
【文献】特開2009-018566(JP,A)
【文献】特開昭62-249616(JP,A)
【文献】特表平05-503566(JP,A)
【文献】特開2001-058415(JP,A)
【文献】特開2020-102652(JP,A)
【文献】米国特許第06042226(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/175
B05C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルが開口するノズル面を有し、前記ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを収容する筐体と、
前記筐体に対して前記液体吐出ヘッドを前記ノズル面に交差する移動方向に移動させる移動機構と、
流体を流すダクトと、
を備え、
前記ダクトは、
前記筐体に接続される第1接続部と、
前記液体吐出ヘッドに接続される第2接続部と、
を有し、前記移動方向に伸縮可能であることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記ダクトは、
前記第1接続部を有する第1ダクトと、
前記第2接続部を有する第2ダクトと、
を有し、
前記第1ダクトは、前記筐体と前記第2ダクトとの間で前記流体を流し、
前記第2ダクトは、前記第1ダクトと前記液体吐出ヘッドとの間で前記流体を流し、前記筐体に対する前記液体吐出ヘッドの移動に伴って前記第1ダクトに対してスライドすることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記第1ダクトは、第1スライド面を有し、
前記第2ダクトは、前記第1スライド面に向かい合う第2スライド面を有し、
前記第1スライド面と前記第2スライド面とは、前記移動方向に延びる仮想直線に平行で、且つ前記仮想直線の周囲に環状に設けられることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記第1スライド面と前記第2スライド面とは、前記仮想直線に直交する直交方向に隙間を空けて設けられ、
前記1ダクトと前記第2ダクトは、前記直交方向に相対移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記第1スライド面と前記第2スライド面とは、前記流体の通過を許容する大きさの前記隙間を空けて設けられることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
可撓性を有する可撓部材をさらに備え、
前記可撓部材は、前記隙間に設けられ、前記第1スライド面と前記第2スライド面とのうち一方に対して滑ることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記第1スライド面と前記第2スライド面とのうち、内側に配置される片方は、単一の部材で構成されることを特徴とする請求項3~請求項6のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記第1スライド面と前記第2スライド面とのうち、外側に配置される片方は、複数の部材で構成されることを特徴とする請求項3~請求項7のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項9】
前記第1ダクトは、第1細管部と、前記第1細管部より太い第1太管部と、を有し、
前記第2ダクトは、第2細管部と、前記第2細管部より太い第2太管部と、を有し、
前記第1太管部は、前記第1細管部と前記液体吐出ヘッドとの間に位置して前記第2細管部より細く、
前記第2太管部は、前記第2細管部と前記液体吐出ヘッドとの間に位置し、
前記ダクトが伸びた状態では、前記第1太管部と前記第2細管部とが向き合い、
前記ダクトが縮んだ状態では、前記第1細管部と前記第2細管部とが向き合うことを特徴とする請求項2~請求項8のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項10】
前記第2接続部は、弾性を有することを特徴とする請求項1~請求項9のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項11】
前記ダクトは、
流出口が開口する第1端と、
流入口が開口する第2端と、
を有し、
前記第2接続部は、前記第1端と前記第2端との間に設けられることを特徴とする請求項1~請求項10のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項12】
前記第2接続部は、弾性を有する板ばねと、該板ばねの先端に設けられるつまみと、前記液体吐出ヘッドに掛かる突部と、を有し、
前記板ばねは、前記突部を前記液体吐出ヘッドに押し付けることを特徴とする請求項1~請求項11のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項13】
前記液体吐出ヘッドは、
前記ノズルから前記液体を吐出するために駆動される駆動素子と、
前記駆動素子に印加する駆動波形信号を生成する信号生成回路と、
前記信号生成回路を覆うカバーと、
を有し、
前記カバーは、前記ダクトと共に前記流体を流すことを特徴とする請求項1~請求項12のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項14】
前記ダクトに前記流体を送るポンプを備え、
前記ポンプは、伸びた状態、縮んだ状態、及び変形途中の前記ダクト内に前記流体を送ることを特徴とする請求項1~請求項13のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターなどの液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、液体吐出ヘッドの一例である記録ヘッドから液体の一例であるインクを吐出して印刷する液体吐出装置の一例である記録装置がある。記録ヘッドは、インクが着弾する面に対して昇降することで、媒体との間隔が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-140810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体吐出ヘッドは、駆動素子が液体に圧力変化を生じさせることで、ノズルから液体を吐出する。駆動素子は、信号生成回路が生成する駆動波形信号に基づいて駆動される。信号生成回路は、液体吐出ヘッドに設けることでノイズの影響を低減できる。
【0005】
例えば信号生成回路のように発熱する部材を液体吐出ヘッドに設ける場合には、液体吐出ヘッドの冷却が必要になる。しかし、液体吐出ヘッドは、移動するため冷却が難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置は、ノズルが開口するノズル面を有し、前記ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを収容する筐体と、前記筐体に対して前記液体吐出ヘッドを前記ノズル面に交差する移動方向に移動させる移動機構と、流体を流すダクトと、を備え、前記ダクトは、前記筐体に接続される第1接続部と、前記液体吐出ヘッドに接続される第2接続部と、を有し、前記移動方向に伸縮可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】液体吐出装置の第1実施形態の模式図。
図2】液体吐出ヘッドの模式図。
図3図2における3-3線矢視断面図。
図4図2における4-4線矢視断面図。
図5】収縮した状態のダクトを示す断面模式図。
図6】ダクトの第2実施形態の断面模式図。
図7】収縮した状態のダクトを示す断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、液体吐出装置の第1実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の液体吐出装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0009】
図面では、液体吐出装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、Y軸と平行な方向を奥行方向Yともいう。
【0010】
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12と、媒体13を収容可能な媒体収容部14と、媒体13を給送する給送部15と、を備えてもよい。液体吐出装置11は、図面に一点鎖線で示す搬送経路16に沿って媒体13を搬送する搬送部17と、媒体13を受けるスタッカー18と、を備えてもよい。搬送経路16は、媒体収容部14と、スタッカー18と、を結ぶ経路である。
【0011】
液体吐出装置11は、液体を吐出する液体吐出ヘッド19と、液体吐出ヘッド19を移動させる移動機構20と、流体を流すダクト21と、を備える。液体吐出装置11は、ダクト21に流体を送るポンプ22を備えてもよい。筐体12は、少なくとも液体吐出ヘッド19を収容する。
【0012】
媒体収容部14は、複数の媒体13を積層状態で収容可能である。液体吐出装置11は、複数の媒体収容部14と、媒体収容部14と同数の給送部15と、を備えてもよい。給送部15は、媒体収容部14に収容される媒体13を給送する給送ローラー24と、媒体13を1枚ずつ分離する分離部25と、を備えてもよい。給送部15は、媒体収容部14に収容される媒体13を搬送経路16に送り出す。
【0013】
搬送部17は、搬送ローラー27と、無端状の搬送ベルト28と、搬送ベルト28が掛け渡される一対のプーリー29と、を備えてもよい。搬送部17は、複数の搬送ローラー27を備えてもよい。搬送ローラー27は、媒体13を挟んだ状態で回転することで、媒体13を搬送する。
【0014】
搬送ベルト28は、媒体13を搬送する搬送面28aを有する。搬送面28aは、搬送ベルト28の外周面のうち、例えば静電吸着によって媒体13を支持する平面である。搬送ベルト28は、搬送面28aが水平面に対して傾いて設けられてもよい。本実施形態では、搬送面28aに沿う方向であって、媒体13を搬送する方向を搬送方向Dcという。搬送ベルト28は、媒体13を搬送面28aに支持した状態で周回することにより、媒体13を搬送方向Dcに搬送する。
【0015】
液体吐出ヘッド19は、ノズル31が開口するノズル面32を有する。ノズル面32は、ノズル31が開口されたノズルプレートにより構成される。液体吐出ヘッド19は、ノズル31から液体を吐出し、媒体13に印刷する。液体吐出ヘッド19は、ノズル面32が水平面に対して傾いて設けられてもよい。本実施形態の液体吐出ヘッド19は、媒体13の幅方向に亘って液体を吐出可能なラインタイプである。液体吐出ヘッド19は、液体吐出ヘッド19の長手方向が奥行方向Yと一致するように設けられる。
【0016】
移動機構20は、駆動歯車34と、液体吐出ヘッド19に設けられるラック35と、を有してもよい。液体吐出ヘッド19及びラック35は、駆動歯車34の回転に伴って移動する。移動機構20は、筐体12に対して液体吐出ヘッド19をノズル面32に交差する移動方向Dmに移動させる。移動方向Dmは、液体吐出ヘッド19を搬送ベルト28から離す方向である。移動方向Dmは、ノズル面32に垂直な方向であってもよい。本実施形態の移動方向Dmは、ノズルプレートに垂直な方向の成分を含み、搬送面28aに垂直な方向である。移動方向Dmは、垂直方向の成分と水平方向の成分とを含む。
【0017】
移動機構20は、駆動歯車34を正回転させることにより、液体吐出ヘッド19を移動方向Dmに移動させる。移動機構20は、駆動歯車34を逆回転させることにより、液体吐出ヘッド19を移動方向Dmとは反対の方向に移動させる。液体吐出ヘッド19は、図1に示す印刷位置と、図5に示す待機位置と、の間を移動する。印刷位置は、液体吐出ヘッド19が媒体13に液体を吐出して印刷する位置である。待機位置は、非印刷時に液体吐出ヘッド19が待機する位置である。液体吐出装置11は、待機位置に位置する液体吐出ヘッド19のメンテナンスを行う図示しないメンテナンス部を備えてもよい。
【0018】
液体吐出装置11は、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する制御部37を備える。制御部37は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路等の1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0019】
図2に示すように、液体吐出ヘッド19は、基台39と、枠体40と、を有してもよい。液体吐出ヘッド19は、駆動素子41と、信号生成回路42と、信号生成回路42を覆うカバー43と、を有してもよい。液体吐出ヘッド19は、複数のノズル31にそれぞれ対応する複数の駆動素子41を有してもよい。駆動素子41は、ノズル31から液体を吐出するために駆動される。信号生成回路42は、駆動素子41に印加する駆動波形信号Comを生成する。駆動素子41は、例えば圧電素子を有し、駆動波形信号Comに基づいて圧電素子を変形させることにより、ノズルから液体を吐出する。
【0020】
カバー43は、基台39との間に流体を流す流路45を形成してもよい。流路45は、奥行方向Yにおいて中央より後方にダクト21が接続されると共に、中央より前方に位置する第1開口46を介して外部と連通する。枠体40は、第1開口46と奥行方向Yに並ぶ位置に形成される第2開口47を有してもよい。第2開口47を設けることにより、流路45内の流体を流動させやすくできる。信号生成回路42は、流路45内に設けられる。信号生成回路42は、奥行方向Yにおいてダクト21と第1開口46との間に設けられる。
【0021】
<ダクト>
ダクト21は、筐体12に接続される第1接続部49と、液体吐出ヘッド19に接続される第2接続部50と、を有する。ダクト21は、第1接続部49を有する第1ダクト51と、第2接続部50を有する第2ダクト52と、有してもよい。ダクト21は、流出口53が開口する第1端54と、流入口55が開口する第2端56と、を有してもよい。流入口55は、ポンプ22に接続される。ダクト21は、流入口55と流出口53とを連通し、流入口55と流出口53との間で流体を流す。
【0022】
第1ダクト51は、筐体12と第2ダクト52との間で流体を流す。本実施形態の第1ダクト51は、筐体12に固定されるポンプ22と第2ダクト52との間で流体を流す。第2ダクト52は、第1ダクト51と液体吐出ヘッド19との間で流体を流す。第2ダクト52は、第2端56及び流入口55が流路45内に位置する。
【0023】
第1ダクト51は、第1スライド面58を有する。第1スライド面58は、第1ダクト51の外面である。第2ダクト52は、第1スライド面58に向かい合う第2スライド面59を有する。第2スライド面59は、第2ダクト52の内面である。
【0024】
図2図3に示すように、第1ダクト51及び第2ダクト52は、仮想直線Lに垂直な断面が四角形状をなす角筒である。第1スライド面58と第2スライド面59とは、仮想直線Lに平行で、且つ仮想直線Lの周囲に環状に設けられる。第2ダクト52は、筐体12に対する液体吐出ヘッド19の移動に伴って第1ダクト51に対してスライドしてもよい。
【0025】
第1スライド面58と第2スライド面59とのうち、内側に配置される第1スライド面58は、単一の部材で構成されてもよい。第1スライド面58と第2スライド面59とのうち、外側に配置される第2スライド面59は、複数の部材で構成されてもよい。
【0026】
図3に示すように、第2ダクト52は、溝状の本体61と、蓋体62と、を有してもよい。第2スライド面59は、本体61と蓋体62とにより構成してもよい。第2ダクト52は、本体61と蓋体62とが互いに接合される部分に亘って延びる凹条63と凸条64とを有してもよい。本実施形態の本体61は、凹条63を有する。蓋体62は、凸条64を有する。蓋体62を本体61に取り付けると、凸条64が凹条63に嵌まる。
【0027】
<第2接続部>
図2図3に示すように、第2接続部50は、第1端54と第2端56との間に設けられる。第2接続部50は、弾性を有する板ばね66を有してもよい。すなわち、第2接続部50は、弾性を有してもよい。第2接続部50は、複数の板ばね66を有してもよい。本実施形態の第2接続部50は、奥行方向Yに第2ダクト52を挟んで設けられる2つの板ばね66を有する。第2接続部50は、奥行方向Yに並ぶ2つの板ばね66により、液体吐出ヘッド19に対する第2ダクト52の奥行方向Yにおける位置ずれを許容する。
【0028】
2つの板ばね66の構成は、ほぼ同じである。そのため、共通する構成については、同一符号を付すことで重複した説明を省略する。
板ばね66は、板ばね66の先端に設けられるつまみ67と、液体吐出ヘッド19に掛かる突部68と、を有してもよい。突部68は、板ばね66の基端より板ばね66の先端に近い位置に設けられる。つまみ67は、突部68と先端との間の部分である。板ばね66は、突部68を液体吐出ヘッド19に押し付けることで、第2ダクト52を液体吐出ヘッド19に接続させる。作業者は、つまみ67を第2ダクト52に近づけるように、板ばね66を変形させることで、第2ダクト52と液体吐出ヘッド19の接続を解除させることができる。
【0029】
板ばね66は、基端が第2ダクト52に固定されてもよいし、第2ダクト52と一体で形成されてもよい。2つの板ばね66は、仮想直線Lに対して線対象の関係にある。仮想直線Lは、第2ダクト52の中央を通り、移動方向Dmに延びる。少なくとも一方の板ばね66は、ねじ69により枠体40に固定されてもよい。本実施形態では、1つの板ばね66が固定される。
【0030】
図3に示すように、固定される板ばね66は、ねじ69を通す切り欠き71を有してもよい。切り欠き71は、突部68の先端から凹む。切り欠き71が延びる方向は、第2接続部50の接続を解除するときに、板ばね66が変形する方向と一致する。
【0031】
枠体40は、ダクト21を通す貫通孔72と、板ばね66が嵌る窪み73を有してもよい。奥行方向Yにおける窪み73の第1寸法S1は、突部68の先端から、ねじ69の端までの第2寸法S2より大きくすると、ねじ69を緩めた状態で第2接続部50の接続及び解除を行うことができる。
【0032】
図4に示すように、第1スライド面58と第2スライド面59とは、流体の通過を許容する大きさの隙間75を空けて設けられてもよい。具体的には、第1スライド面58と第2スライド面59とは、仮想直線Lに直交する直交方向Doに隙間75を空けて設けられる。第1ダクト51と第2ダクト52は、直交方向Doに相対移動可能である。
【0033】
第1ダクト51は、第1細管部77と、第1細管部77より太い第1太管部78と、を有してもよい。第2ダクト52は、第2細管部79と、第2細管部79より太い第2太管部80と、を有してもよい。第1太管部78は、第1細管部77と液体吐出ヘッド19との間に位置して第2細管部79より細い。第2太管部80は、第2細管部79と液体吐出ヘッド19との間に位置する。流入口55は、第2太管部80に設けられる。第1スライド面58は、第1細管部77及び第1太管部78の外面である。第2スライド面59は、第2細管部79及び第2太管部80の内面である。
【0034】
本実施形態の作用について説明する。
ダクト21は、移動方向Dmに伸縮可能である。具体的には、ダクト21は、第1ダクト51と第2ダクト52の重なり量を変化させることで伸縮する。
【0035】
図4に示すように、液体吐出ヘッド19が印刷位置に位置するとき、第1ダクト51と第2ダクト52の重なり量は最小となり、ダクト21の長さは最長になる。液体吐出ヘッド19が印刷位置に位置し、ダクト21が伸びた状態では、第1太管部78と第2細管部79とが向き合ってもよい。隙間75は、第1太管部78と第2細管部79との間に形成される。
【0036】
液体吐出ヘッド19が移動方向Dmに移動すると、液体吐出ヘッド19と共に第2ダクト52が移動方向Dmに移動する。第2ダクト52の移動に伴って、第1ダクト51と第2ダクト52の重なり量が大きくなる。
【0037】
図5に示すように、液体吐出ヘッド19が待機位置に位置すると、第1ダクト51と第2ダクト52の重なり量は最大となり、ダクト21の長さは最短になる。ダクト21が縮んだ状態では、第1細管部77と第2細管部79とが向き合い、第1太管部78と第2太管部80とが向き合ってもよい。隙間75は、第1スライド面58及び第2スライド面59との間に形成される。ダクト21が縮んだ状態では、第1太管部78の一部が移動方向Dmにおいて流入口55と同じ位置に位置してもよい。
【0038】
ポンプ22は、伸びた状態、縮んだ状態、及び変形途中のダクト21内に流体を送ってもよい。本実施形態では、ポンプ22がダクト21内の流体の一例である空気を吸引すると、第1開口46から流路45内に流入した空気が、流路45を通ってダクト21に流れる。すなわち、カバー43は、ダクト21と共に流体を流してもよい。
【0039】
本実施形態の効果について説明する。
(1)筐体12と液体吐出ヘッド19とに接続されるダクト21は、移動方向Dmに伸縮可能である。そのため、ダクト21は、液体吐出ヘッド19の移動方向Dmへの移動に追従して伸縮する。したがって、移動する液体吐出ヘッド19を冷却できる。
【0040】
(2)ダクト21は、第2ダクト52が第1ダクト51に対してスライドすることで伸縮する。そのため、例えばダクト21を蛇腹状に形成する場合に比べ、ダクト21が座屈する虞を低減できる。
【0041】
(3)第1スライド面58と第2スライド面59は、移動方向Dmに延びる仮想直線Lに平行で、且つ仮想直線Lの周囲に環状に設けられる。したがって、例えば第1スライド面58と第2スライド面59が仮想直線Lに交差する場合に比べ、流体を効率よく流すことができる。
【0042】
(4)第1ダクト51と第2ダクト52は、直交方向Doに相対移動可能である。したがって、液体吐出ヘッド19の筐体12に対する位置が直交方向Doにずれた場合でも、第2ダクト52は、液体吐出ヘッド19に追従できる。
【0043】
(5)第2ダクト52は、第2スライド面59が第1スライド面58に接触する状態に比べ、第2スライド面59が第1スライド面58から離れた状態の方がスライドしやすい。その点、第1スライド面58と第2スライド面59は、流体の通過を許容する大きさの隙間75を空けて設けられる。したがって、第2ダクト52を第1ダクト51に対して容易にスライドさせることができる。
【0044】
(6)第1スライド面58と第2スライド面59のうち、内側に配置される第1スライド面58は、単一の部材で形成される。そのため、小型化しても撓みやすく、筐体12に対する液体吐出ヘッド19の位置ずれを許容できる。
【0045】
(7)第1スライド面58と第2スライド面59のうち、外側に配置される第2スライド面59は、複数の部材で構成される。そのため、容易に大型化することができる。
(8)ダクト21が伸びた状態では、第1太管部78と第2細管部79とが向き合うため、第1ダクト51と第2ダクト52の隙間75を小さくすることができ、流体の漏れを低減できる。ダクト21が縮んだ状態では、第2細管部79は、第1太幹部より細い第1細管部77と向き合うため、第1ダクト51と第2ダクト52の隙間75が大きくなり、第2ダクト52を第1ダクト51に対して容易にスライドさせることができる。
【0046】
(9)第2接続部50は弾性を有するため、液体吐出ヘッド19の位置ずれを許容できる。
(10)第2接続部50は、ダクト21の第1端54と第2端56との間に設けられる。そのため、例えば第2接続部50を第2端56に設ける場合に比べ、第2接続部50を第1端54に近い位置に設けることができる。
【0047】
(11)第2接続部50は、板ばね66の先端に設けられるつまみ67を有し、板ばね66は、突部68を液体吐出ヘッド19に押し付ける。そのため、作業者は、つまみ67を操作して板ばね66を変形させることで突部68を液体吐出ヘッド19から外すことができる。
【0048】
(12)液体吐出ヘッド19は、信号生成回路42を覆うカバー43を有する。カバー43は、ダクト21と共に流体を流す。そのため、カバー43内を流れる流体により信号生成回路42を効率よく冷却できる。
【0049】
(13)ポンプ22は、伸びた状態、縮んだ状態、及び変形途中のダクト21内に流体を送る。すなわち、ポンプ22は、ダクト21の形状に関わらず、ダクト21内に流体を送ることができる。そのため、停止中及び移動途中の液体吐出ヘッド19を冷却できる。
【0050】
(14)第2ダクト52は、凹条63を有する本体61と、凸条64を有する蓋体62と、を有する。第2ダクト52は、凸条64を凹条63に嵌めることで、本体61と蓋体62との間から漏れる流体を低減できる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、液体吐出装置の第2実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態は、可撓部材を備える点で第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
【0052】
図6に示すように、液体吐出装置11は、可撓部材の一例である第1可撓部材81を備えてもよい。液体吐出装置11は、可撓部材の一例である第2可撓部材82を備えてもよい。第1可撓部材81及び第2可撓部材82は、可撓性を有する。
【0053】
第1可撓部材81及び第2可撓部材82は、隙間75に設けられ、第1スライド面58と第2スライド面59とのうち一方に対して滑る。具体的には、第1可撓部材81は、第1太管部78の外面である第1スライド面58に巻き付けられ、第2スライド面59に対して滑る。第2可撓部材82は、第2太管部80の内面である第2スライド面59に設けられ、第1スライド面58に対して滑る。
【0054】
本実施形態の作用について説明する。
図6に示すように、ダクト21が伸びた状態では、第1可撓部材81が第1太管部78と第2細管部79との間の隙間75に位置する。第1可撓部材81は、隙間75を塞ぎ、隙間75を通る流体の流動を制限する。
【0055】
第2ダクト52が移動方向Dmに移動し、第2細管部79が第1太管部78から離れると、第1可撓部材81も第2スライド面59から離れる。そのため、第2ダクト52は、第1ダクト51との間の摩擦が低減された状態で移動方向Dmに移動する。
【0056】
図7に示すように、ダクト21が縮んだ状態では、第2可撓部材82が第1太管部78と第2太管部80との間の隙間75に位置する。第2可撓部材82は、隙間75を塞ぎ、隙間75を通る流体の流動を制限する。第1ダクト51と第2ダクト52が仮想直線Lに直交する直交方向Doに相対移動した場合、第1可撓部材81及び第2可撓部材82は、撓み変形して相対移動を許容する。
【0057】
本実施形態の効果について説明する。
(15)隙間75に設けられる第1可撓部材81及び第2可撓部材82は、可撓性を有する。そのため、第1可撓部材81及び第2可撓部材82は、液体吐出ヘッド19の筐体12に対する位置が直交方向Doにずれた場合でも、液体吐出ヘッド19に追従する第2ダクト52の移動を許容できる。
【0058】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・移動機構20は、液体吐出ヘッド19の移動を案内する図示しないレールを有してもよい。レールは直線状でもよいし、曲線状でもよい。移動方向Dmは、曲線状のレールに沿う方向であってもよい。
【0059】
・移動機構20は、環状のベルトに液体吐出ヘッド19を固定し、ベルトを周回させることで液体吐出ヘッド19を移動させてもよい。移動機構20は、例えばウィンチを用いて液体吐出ヘッド19を吊り上げるように移動させてもよい。移動機構20は、例えばジャッキを用いて液体吐出ヘッド19を押し上げるように移動させてもよい。
【0060】
・ポンプ22は、ダクト21に流体を送り込んでもよい。この場合、流体が流入する流入口55は、第1ダクト51に設けられ、流体が流出する流出口53は、第2ダクト52に設けられる。流路45には、ダクト21から流体が流入し、第1開口46から流体が排出されてもよい。
【0061】
・本体61は、凸条64を有し、蓋体62は、凹条63を有してもよい。
・ダクト21は、断面が円形の円管であってもよい。
・ポンプ22は、伸びた状態、縮んだ状態、変形途中のうち、少なくとも1つの状態のダクト21に流体を送ってもよい。
【0062】
・ポンプ22は、ダクト21内に設けてもよい。
・ダクト21は、内部に設けられる複数の一方向弁を備えてもよい。一方向弁は、一方向への流体の流れは許容し、他方向への流体の流れは制限する。ダクト21は、伸長する際に流入口55から流体を取り込み、収縮する際に取り込んだ流体を流出口53から送り出すことにより、流体を流してもよい。
【0063】
・ダクト21は、カバー43に接続しなくてもよい。カバー43は、流路45を形成しなくてもよい。
・第2接続部50は、板ばね66を介さずに第2ダクト52を液体吐出ヘッド19に固定してもよい。
【0064】
・第2接続部50は、ダクト21の第2端56に設けてもよい。
・第1ダクト51は、一端から他端までの太さを同じにしてもよい。
・第2ダクト52は、一端から他端までの太さを同じにしてもよい。
【0065】
・第2ダクト52は、単一の部材で構成してもよい。
・第1ダクト51は、複数の部材で構成してもよい。
・第1スライド面58と第2スライド面59は、接触させてもよい。
【0066】
・第1ダクト51は、第2ダクト52の外側に配置されてもよい。
・ダクト21は、蛇腹状に形成してもよい。ダクト21は、第1端54から第2端56までを1つの部材で形成してもよい。
【0067】
・ダクト21に流す流体は、空気などの気体に限らず、水などの液体としてもよい。液体を用いる場合、流入口55と流出口53をポンプ22に接続し、ダクト21の一部を液体吐出装置11に接続してもよい。
【0068】
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体吐出装置であってもよい。液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
【0069】
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)液体吐出装置は、ノズルが開口するノズル面を有し、前記ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを収容する筐体と、前記筐体に対して前記液体吐出ヘッドを前記ノズル面に交差する移動方向に移動させる移動機構と、流体を流すダクトと、を備え、前記ダクトは、前記筐体に接続される第1接続部と、前記液体吐出ヘッドに接続される第2接続部と、を有し、前記移動方向に伸縮可能である。
【0070】
この構成によれば、筐体と液体吐出ヘッドとに接続されるダクトは、移動方向に伸縮可能である。そのため、ダクトは、液体吐出ヘッドの移動方向への移動に追従して伸縮する。したがって、移動する液体吐出ヘッドを冷却できる。
【0071】
(B)液体吐出装置において、前記ダクトは、前記第1接続部を有する第1ダクトと、前記第2接続部を有する第2ダクトと、を有し、前記第1ダクトは、前記筐体と前記第2ダクトとの間で前記流体を流し、前記第2ダクトは、前記第1ダクトと前記液体吐出ヘッドとの間で前記流体を流し、前記筐体に対する前記液体吐出ヘッドの移動に伴って前記第1ダクトに対してスライドしてもよい。
【0072】
この構成によれば、ダクトは、第2ダクトが第1ダクトに対してスライドすることで伸縮する。そのため、例えばダクトを蛇腹状に形成する場合に比べ、ダクトが座屈する虞を低減できる。
【0073】
(C)液体吐出装置において、前記第1ダクトは、第1スライド面を有し、前記第2ダクトは、前記第1スライド面に向かい合う第2スライド面を有し、前記第1スライド面と前記第2スライド面とは、前記移動方向に延びる仮想直線に平行で、且つ前記仮想直線の周囲に環状に設けられてもよい。
【0074】
この構成によれば、第1スライド面と第2スライド面とは、移動方向に延びる仮想直線に平行で、且つ仮想直線の周囲に環状に設けられる。したがって、例えば第1スライド面と第2スライド面が仮想直線に交差する場合に比べ、流体を効率よく流すことができる。
【0075】
(D)液体吐出装置において、前記第1スライド面と前記第2スライド面とは、前記仮想直線に直交する直交方向に隙間を空けて設けられ、前記1ダクトと前記第2ダクトは、前記直交方向に相対移動可能であってもよい。
【0076】
この構成によれば、第1ダクトと第2ダクトは、直交方向に相対移動可能である。したがって、液体吐出ヘッドの筐体に対する位置が直交方向にずれた場合でも、第2ダクトは、液体吐出ヘッドに追従できる。
【0077】
(E)液体吐出装置において、前記第1スライド面と前記第2スライド面とは、前記流体の通過を許容する大きさの前記隙間を空けて設けられてもよい。
第2ダクトは、第2スライド面が第1スライド面に接触する状態に比べ、第2スライド面が第1スライド面から離れた状態の方がスライドしやすい。その点、この構成によれば、第1スライド面と第2スライド面とは、流体の通過を許容する大きさの隙間を空けて設けられる。したがって、第2ダクトを第1ダクトに対して容易にスライドさせることができる。
【0078】
(F)液体吐出装置は、可撓性を有する可撓部材をさらに備え、前記可撓部材は、前記隙間に設けられ、前記第1スライド面と前記第2スライド面とのうち一方に対して滑ってもよい。
【0079】
この構成によれば、隙間に設けられる可撓部材は、可撓性を有する。そのため、可撓部材は、液体吐出ヘッドの筐体に対する位置が直交方向にずれた場合でも、液体吐出ヘッドに追従する第2ダクトの移動を許容できる。
【0080】
(G)液体吐出装置において、前記第1スライド面と前記第2スライド面とのうち、内側に配置される片方は、単一の部材で構成されてもよい。
この構成によれば、第1スライド面と第2スライド面とのうち、内側に配置される片方は、単一の部材で形成される。そのため、小型化しても撓みやすく、筐体に対する液体吐出ヘッドの位置ずれを許容できる。
【0081】
(H)液体吐出装置において、前記第1スライド面と前記第2スライド面とのうち、外側に配置される片方は、複数の部材で構成されてもよい。
この構成によれば、第1スライド面と第2スライド面とのうち、外側に配置される片方は、複数の部材で構成される。そのため、容易に大型化することができる。
【0082】
(I)液体吐出装置において、前記第1ダクトは、第1細管部と、前記第1細管部より太い第1太管部と、を有し、前記第2ダクトは、第2細管部と、前記第2細管部より太い第2太管部と、を有し、前記第1太管部は、前記第1細管部と前記液体吐出ヘッドとの間に位置して前記第2細管部より細く、前記第2太管部は、前記第2細管部と前記液体吐出ヘッドとの間に位置し、前記ダクトが伸びた状態では、前記第1太管部と前記第2細管部とが向き合い、前記ダクトが縮んだ状態では、前記第1細管部と前記第2細管部とが向き合ってもよい。
【0083】
この構成によれば、ダクトが伸びた状態では、第1太管部と第2細管部とが向き合うため、第1ダクトと第2ダクトの隙間を小さくすることができ、流体の漏れを低減できる。ダクトが縮んだ状態では、第2細管部は、第1太幹部より細い第1細管部と向き合うため、第1ダクトと第2ダクトの隙間が大きくなり、第2ダクトを第1ダクトに対して容易にスライドさせることができる。
【0084】
(J)液体吐出装置において、前記第2接続部は、弾性を有してもよい。
この構成によれば、第2接続部は弾性を有するため、液体吐出ヘッドの位置ずれを許容できる。
【0085】
(K)液体吐出装置において、前記ダクトは、流出口が開口する第1端と、流入口が開口する第2端と、を有し、前記第2接続部は、前記第1端と前記第2端との間に設けられてもよい。
【0086】
この構成によれば、第2接続部は、ダクトの第1端と第2端との間に設けられる。そのため、例えば第2接続部を第2端に設ける場合に比べ、第2接続部を第1端に近い位置に設けることができる。
【0087】
(L)液体吐出装置において、前記第2接続部は、弾性を有する板ばねと、該板ばねの先端に設けられるつまみと、前記液体吐出ヘッドに掛かる突部と、を有し、前記板ばねは、前記突部を前記液体吐出ヘッドに押し付けてもよい。
【0088】
この構成によれば、第2接続部は、板ばねの先端に設けられるつまみを有し、板ばねは、突部を液体吐出ヘッドに押し付ける。そのため、作業者は、つまみを操作して板ばねを変形させることで突部を液体吐出ヘッドから外すことができる。
【0089】
(M)液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドは、前記ノズルから前記液体を吐出するために駆動される駆動素子と、前記駆動素子に印加する駆動波形信号を生成する信号生成回路と、前記信号生成回路を覆うカバーと、を有し、前記カバーは、前記ダクトと共に前記流体を流してもよい。
【0090】
この構成によれば、液体吐出ヘッドは、信号生成回路を覆うカバーを有する。カバーは、ダクトと共に流体を流す。そのため、カバー内を流れる流体により信号生成回路を効率よく冷却できる。
【0091】
(N)液体吐出装置は、前記ダクトに前記流体を送るポンプを備え、前記ポンプは、伸びた状態、縮んだ状態、及び変形途中の前記ダクト内に前記流体を送ってもよい。
この構成によれば、ポンプは、伸びた状態、縮んだ状態、及び変形途中のダクト内に流体を送る。すなわち、ポンプは、ダクトの形状に関わらず、ダクト内に流体を送ることができる。そのため、停止中及び移動途中の液体吐出ヘッドを冷却できる。
【符号の説明】
【0092】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…媒体、14…媒体収容部、15…給送部、16…搬送経路、17…搬送部、18…スタッカー、19…液体吐出ヘッド、20…移動機構、21…ダクト、22…ポンプ、24…給送ローラー、25…分離部、27…搬送ローラー、28…搬送ベルト、28a…搬送面、29…プーリー、31…ノズル、32…ノズル面、34…駆動歯車、35…ラック、37…制御部、39…基台、40…枠体、41…駆動素子、42…信号生成回路、43…カバー、45…流路、46…第1開口、47…第2開口、49…第1接続部、50…第2接続部、51…第1ダクト、52…第2ダクト、53…流出口、54…第1端、55…流入口、56…第2端、58…第1スライド面、59…第2スライド面、61…本体、62…蓋体、63…凹条、64…凸条、66…板ばね、67…つまみ、68…突部、69…ねじ、71…切り欠き、72…貫通孔、73…窪み、75…隙間、77…第1細管部、78…第1太管部、79…第2細管部、80…第2太管部、81…第1可撓部材、82…第2可撓部材、Dc…搬送方向、Dm…移動方向、Do…直交方向、L…仮想直線、S1…第1寸法、S2…第2寸法、Y…奥行方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7