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特許7517068エア抜き装置および静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法
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  • 特許-エア抜き装置および静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法 図1
  • 特許-エア抜き装置および静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法 図2
  • 特許-エア抜き装置および静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法 図3
  • 特許-エア抜き装置および静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】エア抜き装置および静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法
(51)【国際特許分類】
   B03C 5/00 20060101AFI20240709BHJP
   B01D 57/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B03C5/00 B
B01D57/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020176225
(22)【出願日】2020-10-20
(65)【公開番号】P2022067491
(43)【公開日】2022-05-06
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河本 一博
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-2835(JP,A)
【文献】特開平5-196605(JP,A)
【文献】特開昭63-119826(JP,A)
【文献】特開平6-226017(JP,A)
【文献】特開平5-177104(JP,A)
【文献】特開2020-157265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 5/00
B01D 57/02
B01D 19/00
B01D 23/00-35/04
B01D 35/08-37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端から他端まで連通し、前記一端が、静電浄油機の配管の開口端に接続可能な管状部材と、
前記管状部材の前記他端と接続可能な、透光性のホースと、を備え、
前記管状部材は、前記一端から一方向かつ前記配管の中心軸に沿って延びる第1部位と、前記第1部位から屈曲して前記他端まで延びる第2部位と、を有する、
エア抜き装置。
【請求項2】
前記第1部位の前記一端は、前記配管の前記開口端に前記中心軸を中心とする軸回り方向に回転可能に支持される、請求項1に記載のエア抜き装置。
【請求項3】
静電浄油機の配管に滞留した油中のエア抜きを行う静電浄油機の配管のエア抜き方法であって、
透光性を有するホースを備えるエア抜き装置が、ホースの他端が上方に延びた状態で、かつホースの一端から前記ホースの内部へ前記配管の油を排出させる油排出ステップと、
前記油排出ステップの後に、前記ホースの内部に前記油を滞留させる油滞留ステップと、
を含む、
静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法。
【請求項4】
前記油滞留ステップの後に、前記油からエアが抜けて、前記ホースの外側から油面が視認できた後に、前記ホースの他端を下方へ回転させることにより、前記ホースから前記油を排出する回転ステップをさらに含む、請求項3に記載の静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エア抜き装置および静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静電浄油機は、油中の酸化変質物などのスラッジおよび水分などの不純物を除去する装置である(例えば、特許文献1参照)。静電浄油機は、浄油槽を備え、当該浄油槽で電気泳動現象及び誘電泳動現象により不純物を除去する。また、浄油槽には、不純物を除去した清浄な油を取り出す排出部が設けられる。この排出部は、例えば、浄油槽から延びる配管と、当該配管に接続されたポンプと、を有し、配管の開口端は,バルブで閉じられている。バルブを開けてポンプを稼働させることにより、配管の開口端から清浄な油を取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭54-131177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配管中の油にはエアが混入しやすいため、いわゆるエア抜きを行う場合がある。油中にエアが混入していると、ポンプに異音が生じやすくなる。エア抜きは、例えば、バルブを少しだけ開けて配管内の油を排出して行うが、バルブを開けすぎて油の排出量が多くなる可能性があるため、エア抜きの作業が面倒であった。
【0005】
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたもので、簡単な操作で、静電浄油機の配管内の油中のエア抜きを行うことが可能なエア抜き装置および静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るエア抜き装置の一態様では、一端から他端まで連通し、前記一端が、静電浄油機の配管の開口端に接続可能な管状部材と、前記管状部材の前記他端と接続可能な、透光性のホースと、を備え、前記管状部材は、前記一端から一方向かつ前記配管の中心軸に沿って延びる第1部位と、前記第1部位から屈曲して前記他端まで延びる第2部位と、を有する。
【0007】
これによれば、ホースの内部へ配管の油を排出させることができるため、従来のようにバルブを少しだけ開けることにより配管内の油を配管の開口端から排出させる方法よりも、簡単な操作で、静電浄油機の配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。即ち、本発明では、透光性を有するホースを用いるので、ホースの外側から油の状態が視認できる。ホース内の油の油面が視認できた状態では、ホースよりも上流側の配管の内部の油からエアが抜けている。このため、ホース内の油の油面が視認できた後に、ホース内の油を排出するという簡単な作業で配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。
【0008】
エア抜き装置の望ましい態様では、前記第1部位の前記一端は、前記配管の前記開口端に前記中心軸を中心とする軸回り方向に回転可能に支持される。管状部材の第2部位およびホースが上方に向くように配置した状態で、配管内の油を管状部材およびホースに排出したのち管状部材を回転させれば、ホースから油を排出する操作がより簡単になる。
【0009】
本発明に係る静電浄油機の配管のエア抜き方法の一態様では、静電浄油機の配管に滞留した油中のエア抜きを行う静電浄油機の配管のエア抜き方法であって、透光性を有するホースを備えるエア抜き装置が、ホースの他端が上方に延びた状態で、かつホースの一端から前記ホースの内部へ前記配管の油を排出させる油排出ステップと、前記油排出ステップの後に、前記ホースの内部に前記油を滞留させる油滞留ステップと、を含む。
【0010】
このように、本発明のエア抜き方法は、ホースの一端からホースの内部へ配管の油を排出させるため、従来のようにバルブを少しだけ開けることにより配管内の油を配管の開口端から排出させる方法よりも、簡単な操作で、静電浄油機の配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。即ち、従来は、バルブの回転角度が小さいと油の排出量が少なく回転角度が大きすぎると油の排出量が多すぎてしまうため、バルブを回転させる際の回転角度を調整することが難しい。これに対して、本発明では、透光性を有するホースを用いるため、ホースの外側から油の状態が視認できるので、ホース内の油の油面が視認できた後に、ホース内の油を排出するという簡単な作業で配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。
【0011】
静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法の望ましい態様では、前記油滞留ステップの後に、前記油からエアが抜けて、前記ホースの外側から油面が視認できた後に、前記ホースの他端を下方へ回転させることにより、前記ホースから前記油を排出する回転ステップをさらに含む。
【0012】
ホース内の油の油面が視認できた状態では、ホースよりも上流側の配管の内部の油からエアが抜けているため、この状態でホースから油を排出すれば、ホースよりも上流側の配管内の油もエアが抜けている可能性が高い。また、ホースの他端を下方へ回転させることによってホースから油を排出するため、ホースから油を排出する操作が簡単になる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な操作で、静電浄油機の配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る静電浄油機およびエア抜き装置を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法を示すフローチャートである。
図3図3は、静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法における油排出ステップを行っている状態を示す模式図である。
図4図4は、静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法における油滞留ステップを行っている状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0016】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0017】
まず、静電浄油機およびエア抜き装置の構造について説明する。図1は、実施形態に係る静電浄油機およびエア抜き装置を示す模式図である。なお、便宜的に、水平方向をX方向とし、上下方向をZ方向とする。水平方向のうち静電浄油機本体から遠ざかる方向をX1方向とし、静電浄油機本体に近づく方向をX2方向とする。また、上下方向のうち上方をZ1方向とし、下方をZ2方向とする。
【0018】
静電浄油機100は、静電浄油機本体11と、主配管12と、分岐管131と、ポンプ13と、第1バルブ14と、第2バルブ15と、を備える。
【0019】
静電浄油機100は、油中の汚染物を除去する。具体的には、静電浄油機100は、静電浄油機本体11を備え、静電浄油機本体11は浄油槽を有する。浄油槽の内部には、図示しないが、例えば、陰陽両電極板が対向して配置され、この陰陽両電極板間に多孔質または繊維質の集塵体が配置され、当該集塵体の両側に被処理液体である油の通路が形成される。そして、陰陽両電極間に電圧を印加して油中の帯電した微細な汚染物質等を集塵体又は電極上に捕捉して除去する。
【0020】
主配管12は、静電浄油機本体11からX方向に沿って延びる。換言すると、主配管12は、X2方向の端121からX1方向の開口端122までX方向に沿って水平に延びる。主配管12の端121は、静電浄油機本体11に接続される。主配管12の途中部分には、第1バルブ14および第2バルブ15が設けられる。第1バルブ14は、第2バルブ15よりも上流側に位置する、換言すると、第1バルブ14は、第2バルブ15よりも静電浄油機本体11に近い位置に設けられる。主配管12の部位のうち、第1バルブ14と第2バルブ15との間には、分岐点16が設けられる。即ち、主配管12の部位のうち分岐点16よりも上流側に第1バルブ14が設けられ、主配管12の部位のうち分岐点16よりも下流側に第2バルブ15が設けられる。分岐点16から、分岐管131が分岐して延びる。ポンプ13は、分岐管131に接続される。即ち、ポンプ13は、分岐管131および分岐点16を介して主配管12に接続される。
【0021】
エア抜き装置200は、管状部材21と、ホース22とを備える。管状部材21は、第1部位211と、第2部位213と、接続部材216、217と、を備え、一端214から他端215まで連通して延びる筒状体である。
【0022】
第1部位211は、一端214から屈曲部212までX1方向(水平方向)に延びる。換言すると、第1部位211は、一端214から屈曲部212まで一方向かつ主配管12の中心軸Ax(図4参照)に沿って直線状に延びる。第1部位211の一端214は、接続部材216を介して、静電浄油機100の主配管12の開口端122に回転可能に接続されている。即ち、第1部位211の一端214は、主配管12の開口端122に中心軸Axを中心とする軸回り方向に回転可能に支持される。
【0023】
第2部位213は、第1部位211から屈曲して他端215まで延びる。詳細には、第2部位213は、屈曲部212から他端215まで上方(Z1方向)に直線状に延びる。従って、第1部位211と第2部位213とは、交差し、その交差角は、例えば90度である。管状部材21の他端215には、接続部材217が取り付けられる。
【0024】
ホース22は、接続部材217を介して、管状部材21の他端215と接続可能である。ホース22は、透光性を有し、例えば、透明または半透明である。ホース22は、例えば、可撓性を有する樹脂製である。ホース22は、垂直部221と、湾曲部222とを備え、一端223から他端225まで延びる。垂直部221は、一端223から端224までZ1方向(垂直方向)に向けて延びる。湾曲部222は、端224から他端225までZ1方向に対してX2方向寄りに湾曲して延びる。なお、本発明は、これに限定されず、ホース22は、垂直部221のみでもよく、湾曲部222のみでもよい。
【0025】
次に、実施形態に係る静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法を図2から図4を用いて説明する。図2は、実施形態に係る静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法を示すフローチャートである。図3は、静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法における油排出ステップを行っている状態を示す模式図である。図4は、静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法における油滞留ステップを行っている状態を示す模式図である。
【0026】
実施形態に係る静電浄油機の配管内の油中のエア抜き方法は、図2に示すように、エア抜き装置の接続ステップST1と、油排出ステップST2と、油滞留ステップST3と、回転ステップST4と、を備える。
【0027】
(エア抜き装置の接続ステップ)
エア抜き装置の接続ステップST1は、エア抜き装置200を静電浄油機100の主配管12に接続するステップである。エア抜き装置200の管状部材21の一端214には、接続部材216が取り付けられる。従って、エア抜き装置の接続ステップST1では、接続部材216を静電浄油機100の主配管12の開口端122に回転可能に接続する。なお、第2部位213の他端215が上方を向くように配置した状態で、接続部材216を主配管12の開口端122に接続する。こののち、油排出ステップST2に進む。
【0028】
(油排出ステップ)
油排出ステップST2は、エア抜き装置の接続ステップST1の後に、図3に示すように、主配管12又は分岐管131の油300を管状部材21およびホース22に排出させるステップである。エア抜き装置の接続ステップST1において、エア抜き装置200の管状部材21は、静電浄油機100の主配管12に接続されている。従って、具体的には、油排出ステップST2は、第1バルブ14を閉じ第2バルブ15を開き、ポンプ13を稼働させることによって、図3の矢印に示すように、第1バルブ14よりも下流側の主配管12又は分岐管131の油300を管状部材21およびホース22に排出させる。換言すると、油排出ステップST2は、透光性を有するホース22を備えるエア抜き装置200が、ホース22の他端225が上方に延びた状態で、かつホース22の一端223からホース22の内部へ主配管12又は分岐管131の油300を排出させる。こののち、油滞留ステップST3に進む。
【0029】
(油滞留ステップ)
油滞留ステップST3は、油排出ステップST2の後に、ホース22の内部に油300を滞留させるステップである。具体的には、油滞留ステップST3は、第2バルブ15を閉じることによって、第2バルブ15よりも下流側の主配管12、管状部材21およびホース22に油300を滞留させる。つまり、第2バルブ15を閉じれば、第2バルブ15よりも下流側の油300の流れが止まる。従って、油排出ステップST2において、第2バルブ15よりも下流側に位置している油300は、第2バルブ15よりも上流に移動することがなくなって第2バルブ15の下流側に滞留する。こののち、回転ステップST4に進む。
【0030】
(回転ステップ)
回転ステップST4は、油滞留ステップST3の後に、油300からエアが抜けて、ホース22の外側から油面310が視認できた後に、ホース22の他端225を上方から下方へ回転させることにより、ホース22から油300を排出するステップである。油滞留ステップST3において、ホース22の内部に滞留している油300は、小さいエアが多数含まれている場合がある。一定の時間が経過すると、エアが含まれた油300からエアが抜けるため、ホース22の外側から油面310を視認することが可能になる。
【0031】
ここで、前述したように、エア抜き装置200の管状部材21は、主配管12の開口端122に回転可能に支持されている。従って、作業者がエア抜き装置200を把持して約180度回転させることにより、ホース22の他端225が下方(Z2方向)に向くことになる。すると、ホース22に溜まっていた油300がホース22から排出される。これにより、静電浄油機100の主配管12又は分岐管131に滞留した油300のエア抜きを行うことができる。
【0032】
以上の構成を有するエア抜き装置200は、一端214から他端215まで連通し、一端214が、静電浄油機100の主配管12(配管)の開口端122に接続可能な管状部材21と、管状部材21の他端215と接続可能な、透光性のホース22と、を備える。管状部材21は、一端214から一方向かつ主配管12(配管)の中心軸Axに沿って延びる第1部位211と、第1部位211から屈曲して他端215まで延びる第2部位213と、を有する。
【0033】
これによれば、ホース22の内部へ、主配管12または分岐管131(配管)の油300を排出させることができるため、従来のようにバルブを少しだけ開けることにより配管内の油を配管の開口端から排出させる方法よりも、簡単な操作で、静電浄油機の配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。即ち、本実施形態では、透光性を有するホース22を用いるので、ホース22の外側から油300の状態が視認できるため、ホース22内の油300の油面310が視認できた後に、ホース22内の油300を排出するという簡単な作業で配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。
【0034】
また、第1部位211の一端214は、主配管12の開口端122に中心軸Axを中心とする軸回り方向に回転可能に支持される。管状部材21の第2部位213およびホース22が上方に向くように配置した状態で、主配管12または分岐管131(配管)の油300を管状部材21およびホース22に排出したのち管状部材21を回転させれば、ホース22から油300を排出する操作がより簡単になる。
【0035】
第1部位211の一端214は、主配管12(配管)の開口端122に中心軸Axを中心とする軸回り方向に回転可能に支持される。管状部材21の第2部位213およびホース22が上方に向くように配置した状態で、主配管12または分岐管131(配管)の油300を管状部材21およびホース22に排出したのち管状部材21を回転させれば、ホース22から油300を排出する操作がより簡単になる。
【0036】
静電浄油機の配管のエア抜き方法は、静電浄油機100の主配管12または分岐管131(配管)に滞留した油中のエア抜きを行う方法であって、透光性を有するホース22を備えるエア抜き装置200が、ホース22の他端225が上方に延びた状態で、かつホース22の一端223からホース22の内部へ主配管12または分岐管131(配管)の油300を排出させる油排出ステップST2と、油排出ステップST2の後に、ホース22の内部に油300を滞留させる油滞留ステップST3と、を含む。
【0037】
このように、本実施形態のエア抜き方法は、ホース22の一端223からホース22の内部へ、主配管12または分岐管131(配管)の油300を排出させるため、従来のようにバルブを少しだけ回転させて開けることにより配管内の油を配管の開口端から排出させる方法よりも、簡単な操作で、静電浄油機100の配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。即ち、従来は、バルブの回転角度が小さいと油の排出量が少なく回転角度が大きすぎると油の排出量が多すぎてしまうため、バルブを回転させる際の回転角度を調整することが難しい。これに対して、本実施形態では、透光性を有するホース22を用いるため、ホース22の外側から油300の状態が視認できるので、ホース22内の油300の油面310が視認できた後に、ホース22内の油300を排出するという簡単な作業で配管内の油中のエア抜きを行うことが可能となる。
【0038】
静電浄油機の配管のエア抜き方法は、油滞留ステップST3の後に、油300からエアが抜けて、ホース22の外側から油面310が視認できた後に、ホース22の他端225を下方へ回転させることにより、ホース22から油300を排出する回転ステップST4をさらに含む。
【0039】
ホース22内の油300の油面310が視認できた状態では、ホース22よりも上流側の主配管12または分岐管131(配管)の内部の油300からエアが抜けているため、配管内の油中のエアがより少なくなる。また、ホース22の他端225を下方へ回転させることによってホース22から油300を排出するため、ホース22から油300を排出する操作が簡単になる。なお、ホース22の他端225が上方に延びているため、油300からエアが抜けやすい。さらに、ホース22は垂直部221を有するため、垂直部221の部位に油面310が位置する場合には、油面310がより視認しやすい。
【符号の説明】
【0040】
11 静電浄油機本体
12 主配管
13 ポンプ
14 第1バルブ
15 第2バルブ
21 管状部材
22 ホース
100 静電浄油機
131 分岐管
200 エア抜き装置
211 第1部位
212 屈曲部
213 第2部位
214 一端
215 他端
216、217 接続部材
221 垂直部
222 湾曲部
223 一端
225 他端
ST1 エア抜き装置の接続ステップ
ST2 油排出ステップ
ST3 油滞留ステップ
ST4 回転ステップ
図1
図2
図3
図4