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特許7517103情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240709BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20240709BHJP
【FI】
G06Q30/0601 332
G06Q10/08
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020193445
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022082087
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2023-02-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】杉山 侑紀也
(72)【発明者】
【氏名】浅井 和
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 英男
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-316210(JP,A)
【文献】特開2010-250753(JP,A)
【文献】特開2013-250697(JP,A)
【文献】特開2001-357462(JP,A)
【文献】国際公開第2018/012073(WO,A1)
【文献】特開2001-331565(JP,A)
【文献】特開2016-071586(JP,A)
【文献】特開2018-146120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵庫に備えられるセンサによって検知される、第1の商品の前記貯蔵庫への入庫又は前記貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得することと、
前記履歴情報に基づいて、前記貯蔵庫に関連付くユーザの前記第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得することと、
前記第1の情報に基づいて、前記ユーザへの前記第1の商品の配送に関する処理を行うことと、
を実行する制御部
を備え
前記制御部は、
前記履歴情報に基づいて、前記第1の商品の消費が検出されたことを示し、且つ前記第1の商品の消費数が所定数以上であること、又は、前記第1の商品の入出庫回数が所定回数以上であることを示す場合に、複数段階の回答の選択肢を用いて前記第1の商品の評価の程度を質問するアンケートを前記ユーザに提示することと、
前記複数段階の回答のうちのいずれか1つの段階の回答を含む前記アンケートに対する回答結果を受信することと、
をさらに実行し、
前記アンケートに対する回答結果にさらに基づいて、前記第1の商品の配送に関する処理を行う、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記配送に関する処理として、前記第1の商品の定期購入が設定されており、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第1の閾値未満であることを示し、且つ前記アンケートに対する回答結果が、前記第1の商品の評価の程度が所定段階未満であることを示す場合に、前記ユーザへ、前記第1の商品の定期購入の停止を提案する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
商品ごとの前記第1の閾値を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の商品に対応する前記第1の閾値を前記記憶部から取得することをさらに実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記配送に関する処理として、前記第1の商品の定期購入が設定されており、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第1の閾値以上であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度の変化量が所定量以上であることを示す場合、及び、前記第1の商品の定期購入が設定されており、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が前記第1の閾値未満であることを示し、前記アンケートに対する回答結果が、前記第1の商品の評価の程度が所定段階以上であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度の変化量が前記所定量以上であることを示す場合のうちのどちらかの場合に、前記ユーザへ、前記第1の商品の定期購入における配送間隔又は1回の配送における発注量の少なくともいずれかの設定の変更を提案する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記配送に関する処理として、前記第1の商品の定期購入が設定されておらず、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第2の閾値以上であることを示し、且つ前記アンケートに対する回答結果が、前記第1の商品の評価の程度が所定段階以上であることを示す場合に、前記ユーザへ、前記第1の商品の定期購入を提案する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の商品の定期購入が設定されており、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第1の閾値以上であることを示し、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度の変化量が所定量未満であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品又は前記第1の商品が分類される種類の商品の消費頻度が第3の閾値以上であることを示す場合、前記第1の商品の定期購入が設定されておらず、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第2の閾値未満であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品又は前記第1の商品が分類される種類の商品の消費頻度が前記第3の閾値以上であることを示す場合、及び、前記第1の商品の定期購入が設定されておらず、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が前記第2の閾値以上であることを示し、前記アンケートに対する回答結果が、前記第1の商品の評価の程度が所定段階未満であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品又は前記第1の商品が分類される種類の商品の消費頻度が前記第3の閾値以上であることを示す場合のうちのいずれか1つの場合に、前記第1の商品が分類される種類の他の商品の案内を前記ユーザへ通知することをさらに実行する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記貯蔵庫には、前記第1の商品の入庫又は出庫を行うユーザを検出する第2のセンサが備えられており、
前記情報処理装置は、前記貯蔵庫と複数のユーザの識別情報との関連付けを記憶する第2の記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記履歴情報とともに、前記第2のセンサによって識別されたユーザの識別情報を取得し、
前記複数のユーザそれぞれについて、前記第1の情報を取得する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
ロボットに、前記第1の商品の配送と、前記第1の商品の配送に関する処理による前記ユーザへの提案の出力と、前記アンケートの前記ユーザへの提示と、を指示することをさらに実行する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
第1の商品の入庫又は出庫を検知するセンサを備える貯蔵庫と、
前記センサによって検知される、前記第1の商品の前記貯蔵庫への入庫又は前記貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得することと、
前記履歴情報に基づいて、前記貯蔵庫に関連付くユーザの前記第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得することと、
前記第1の情報に基づいて、前記ユーザへの前記第1の商品の配送に関する処理を行うことと、
を実行する制御部と、
を備え
前記制御部は、
前記履歴情報に基づいて、前記第1の商品の消費が検出されたことを示し、且つ前記第1の商品の消費数が所定数以上であること、又は、前記第1の商品の入出庫回数が所定回数以上であることを示す場合に、複数段階の回答の選択肢を用いて前記第1の商品の評価の程度を質問するアンケートを前記ユーザに提示することと、
前記複数段階の回答のうちのいずれか1つの段階の回答を含む前記アンケートに対する回答結果を受信することと、
をさらに実行し、
前記アンケートに対する回答結果にさらに基づいて、前記第1の商品の配送に関する処理を行う、情報処理システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記配送に関する処理として、前記第1の商品の定期購入が設定されており、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第1の閾値未満であることを示し、且つ前記アンケートに対する回答結果が、前記第1の商品の評価の程度が所定段階未満であることを示す場合に、前記ユーザへ、前記第1の商品の定期購入の停止を提案する、請求項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
商品ごとの前記第1の閾値を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の商品に対応する前記第1の閾値を前記記憶部から取得することをさらに実行する、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記配送に関する処理として、前記第1の商品の定期購入が設定されており、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第1の閾値以上であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度の変化量が所定量以上であることを示す場合、及び、前記第1の商品の定期購入が設定されており、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が前記第1の閾値未満であることを示し、前記アンケートに対する回答結果が、前記第1の商品の評価の程度が所定段階以上であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度の変化量が前記所定量以上であることを示す場合のうちのどちらかの場合に、前記ユーザへ、前記第1の商品の定期購入における配送間隔又は1回の配送における発注量の少なくともいずれかの設定の変更を提案する、
請求項から11のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記配送に関する処理として、前記第1の商品の定期購入が設定されておらず、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第2の閾値以上であることを示し、且つ前記アンケートに対する回答結果が、前記第1の商品の評価の程度が所定段階以上であることを示す場合に、前記ユーザへ、前記第1の商品の定期購入を提案する、
請求項から12のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記第1の商品の定期購入が設定されており、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第1の閾値以上であることを示し、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度の変化量が所定量未満であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記
第1の商品又は前記第1の商品が分類される種類の商品の消費頻度が第3の閾値以上であることを示す場合、前記第1の商品の定期購入が設定されておらず、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が第2の閾値未満であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品又は前記第1の商品が分類される種類の商品の消費頻度が前記第3の閾値以上であることを示す場合、及び、前記第1の商品の定期購入が設定されておらず、前記第1の情報が、前記第1の商品の消費頻度が前記第2の閾値以上であることを示し、前記アンケートに対する回答結果が、前記第1の商品の評価の程度が所定段階未満であることを示し、且つ前記第1の情報が、前記第1の商品又は前記第1の商品が分類される種類の商品の消費頻度が前記第3の閾値以上であることを示す場合のうちのいずれか1つの場合に、前記第1の商品が分類される種類の他の商品の案内を前記ユーザへ通知することをさらに実行する、
請求項から13のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記貯蔵庫には、前記第1の商品の入庫又は出庫を行うユーザを検出する第2のセンサがさらに備えられており、
前記貯蔵庫と複数のユーザの識別情報との関連付けを記憶する第2の記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記履歴情報とともに、前記第2のセンサによって識別されたユーザの識別情報を取得し、
前記複数のユーザそれぞれについて、前記第1の情報を取得する、
請求項から14のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項16】
ロボットをさらに備え、
前記制御部は、
前記ロボットに、前記第1の商品の配送と、前記第1の商品の配送に関する処理による前記ユーザへの提案の出力と、前記アンケートの前記ユーザへの提示と、を指示することをさらに実行する、
請求項から15のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項17】
コンピュータが、
貯蔵庫に備えられるセンサによって検知される、第1の商品の前記貯蔵庫への入庫又は前記貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得することと、
前記履歴情報に基づいて、前記第1の商品の消費が検出されたことを示し、且つ前記第1の商品の消費数が所定数以上であること、又は、前記第1の商品の入出庫回数が所定回数以上であることを示す場合に、複数段階の回答の選択肢を用いて前記第1の商品の評価の程度を質問するアンケートを前記ユーザに提示することと、
前記複数段階の回答のうちのいずれか1つの段階の回答を含む前記アンケートに対する回答結果を受信することと、
前記履歴情報に基づいて、前記貯蔵庫に関連付くユーザの前記第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得することと、
前記第1の情報及び前記アンケートに対する回答結果に基づいて、前記ユーザへの前記第1の商品の配送に関する処理を行うことと、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
嗜好品の購入履歴およびその評価に基づいて、顧客と嗜好が類似する人物を特定し、特定された人物の嗜好品購入履歴を参照して、顧客に嗜好品についての商品購入の推薦を行う商品推薦システムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-074142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示の態様の一つは、商品の消費傾向を示す情報を効率的に収集可能な情報処理装置、情報処理システム、及び、情報処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
貯蔵庫に備えられるセンサによって検知される、第1の商品の前記貯蔵庫への入庫又は前記貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得することと、
前記履歴情報に基づいて、前記貯蔵庫に関連付くユーザの前記第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得することと、
前記第1の情報に基づいて、前記ユーザへの前記第1の商品の配送に関する処理を行うことと、
を実行する制御部
を備える情報処理装置である。
【0006】
本開示の他の態様の一つは、
第1の商品の入庫又は出庫を検知するセンサを備える貯蔵庫と、
前記センサによって検知される、前記第1の商品の前記貯蔵庫への入庫又は前記貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得することと、
前記履歴情報に基づいて、前記貯蔵庫に関連付くユーザの前記第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得することと、
前記第1の情報に基づいて、前記ユーザへの前記第1の商品の配送に関する処理を行うことと、
を実行する制御部と、
を備える情報処理システムである。
【0007】
本開示の他の態様の一つは、
コンピュータが、
貯蔵庫に備えられるセンサによって検知される、第1の商品の前記貯蔵庫への入庫又は前記貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得することと、
前記履歴情報に基づいて、前記貯蔵庫に関連付くユーザの前記第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得することと、
前記第1の情報に基づいて、前記ユーザへの前記第1の商品の配送に関する処理を行うことと、
を実行する情報処理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の態様の一つによれば、商品の消費傾向を示す情報を効率的に収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る入出庫管理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る、センタサーバ、及び、センサ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る、センタサーバ及びセンサ装置の機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、入出庫履歴情報データベースに保持される情報の一例を示す図である。
図5図5は、在庫情報データベースに保持される情報の一例を示す図である。
図6図6は、センタサーバの入出庫履歴情報の受信時の処理のフローチャートの一例である。
図7図7は、センタサーバの消費判定処理のフローチャートの一例である。
図8A図8Aは、センタサーバの入出庫履歴情報の集計処理のフローチャートの一例である。
図8B図8Bは、センタサーバの入出庫履歴情報の集計処理のフローチャートの一例である。
図9図9は、第2実施形態に係る入出庫管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るセンタサーバのロボット配送制御処理のフローチャートの一例である。
図11図11は、第3実施形態に係るセンタサーバの在庫検出情報の受信時の処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様の一つは、制御部を備える情報処理装置である。制御部は、貯蔵庫に備えられるセンサによって検知される、第1の商品の当該貯蔵庫への入庫又は当該貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得する。制御部は、履歴情報に基づいて、当該貯蔵庫に関連付くユーザの第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得する。制御部は、第1の情報に基づいて、当該ユーザへの第1の商品の配送に関する処理を行う。
【0011】
情報処理装置は、例えば、サーバである。制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。貯蔵庫は、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、ワインセラー
、及び、所定の収納棚等である。第1の商品は、これらの貯蔵庫に格納される商品である。例えば、貯蔵庫が冷蔵庫である場合には、第1の商品は、缶ビール、牛乳、及び、ジュース等の飲料、及び、食品等である。例えば、貯蔵庫がワインセラーである場合には、第1の商品は、ワインである。なお、第1の商品は飲食物に限定されず、洗剤、及び、シャンプー等の日用品も含まれる。
【0012】
貯蔵庫に備えられるセンサは、例えば、RFタグのリーダ、バーコード又はQRコード(登録商標)等のコードのリーダ、又は、カメラである。貯蔵庫に備えられるセンサは、貯蔵庫に対して商品が入庫又は出庫される場合に、当該商品に印刷又は貼付されたバーコード又はQRコードを読み取ることによって、当該商品の入庫又は出庫を検知する。または、入庫又は出庫を示す履歴情報は、貯蔵庫に備えられるセンサによって、貯蔵庫に格納
される商品に貼付又は埋め込まれたRFタグなどの電子タグから読み取られた貯蔵庫内に格納されている商品の変化を監視することによって、取得される。
【0013】
なお、貯蔵庫に備えられ、商品の入庫又は出庫を検知するセンサとして、複数種類のセンサが用いられてもよい。例えば、RFタグ、又は、当該商品に印刷又は貼付されたバーコード又はQRコードが、商品の識別情報を含むものの、個体の識別情報を含まないような場合には、個体を識別することができない。その為、RFタグ、バーコード、又は、QRコードのリーダに加えて、入庫及び出庫による貯蔵庫内の個数の変化を検知可能なセンサが用いられてもよい。入庫及び出庫による貯蔵庫内の個数の変化を検知可能なセンサには、例えば、重量センサ、貯蔵庫の扉の開閉を検知するセンサ、又は、貯蔵庫内を撮像するカメラ等がある。
【0014】
例えば、リーダと重量センサとが用いられる場合には、リーダによって商品が検知され、且つ、重量センサの検知値が増加した場合には、当該商品の入庫が検知され、且つ、重量センサの検知値が減少した場合には、当該商品の出庫が検知される。例えば、リーダと貯蔵庫の扉の開閉センサとが用いられる場合には、リーダによって商品が検知された後に開閉センサによって貯蔵庫の開扉が検知された場合には当該商品の入庫が検知される。一方、例えば、開閉センサによって貯蔵庫の開扉が検知された後にリーダによって商品が検知された場合には当該商品の出庫が検知される。例えば、リーダとカメラとが用いられる場合には、リーダによって商品が検知され、且つ、カメラの撮像画像から貯蔵庫内の個数の増加が検出された場合には、当該商品の入庫が検知され、且つ、カメラの撮像画像から貯蔵庫内の個数の減少が検出された場合には、当該商品の出庫が検知される。
【0015】
第1の商品が消費される場合には、第1の商品の貯蔵庫からの出庫という行為が伴うので、第1の商品の入庫又は出庫の履歴情報を解析することで、第1の商品の消費傾向を示す情報を取得することができる。すなわち、本開示の態様の一つによれば、貯蔵庫に備えられたセンサによって第1の商品の入庫及び出庫を検知し、第1の商品の入庫又は出庫の履歴情報を収集することで、貯蔵庫に格納される商品の消費傾向を示す情報を効率的に収集することができる。ここでいう「効率的」とは、第1の商品の入庫又は出庫の履歴情報の収集に関して、ユーザは扉の開閉及び第1の商品の移動等の通常の動作以外の動作を行うことを要求されない等ことを示す。
【0016】
本開示の態様の一つでは、制御部は、配送に関する制御として、第1の商品の定期購入が設定されており、第1の情報が、第1の商品の消費頻度が第1の閾値未満であることを示す場合に、ユーザへ、第1の商品の定期購入の停止を提案するようにしてもよい。これによって、ユーザは、例えば、定期購入の配送によって、消費頻度の低い第1の商品を余分に購入してしまうことを回避することができる。また、この場合に、情報処理装置は、商品ごとの第1の閾値を記憶する記憶部をさらに備えてもよい。制御部は、第1の商品に対応する第1の閾値を記憶部から取得することをさらに実行してもよい。商品ごとに消費頻度は異なるので、商品の特性と消費頻度とに応じて、柔軟に定期購入の停止を提案できる。
【0017】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、配送に関する制御として、第1の商品の定期購入が設定されており、第1の情報が、第1の商品の消費頻度の変化量が所定量以上であることを示す場合に、ユーザへ、第1の商品の定期購入における配送間隔又は1回の配送における発注量の少なくともいずれかの設定の変更を提案するようにしてもよい。これによって、ユーザは、定期購入の配送間隔又は1回の配送における発注量を、第1の商品の消費頻度に応じて調整することができる。
【0018】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、配送に関する制御として、第1の商品の定
期購入が設定されておらず、第1の情報が、第1の商品の消費頻度が第2の閾値以上であることを示す場合に、ユーザへ、第1の商品の定期購入を提案するようにしてもよい。例えば、ユーザが第1の商品の定期購入を申し込む場合には、ユーザの第1の商品の在庫管理を助けることができる。
【0019】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、第1の情報が、第1の商品又は第1の商品
が分類される種類の商品の消費頻度が第3の閾値以上であることを示す場合に、第1の商品が分類される種類の他の商品の案内をユーザへ通知することをさらに実行してもよい。第1の商品の消費頻度は第3の閾値以上であるので、第1の商品が分類される種類の他の商品に対するユーザの興味もある程度高いことが予想され、当該他の商品の販売促進を期待できる。
【0020】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、履歴情報に基づいて、第1の商品の消費が検出されたことを示す場合に、第1の商品の評価に関するアンケートをユーザに提示するようにしてもよい。これによって、より精度の高いユーザの嗜好に関する情報を収集することができる。また、制御部は、アンケートに対する回答結果を受信することをさらに実行し、アンケートに対する回答結果にさらに基づいて、第1の商品の配送に関する処理を行うようにしてもよい。これによって、ユーザの第1の商品の消費という事実と、アンケートの回答というユーザの嗜好情報とに基づいて、よりユーザの実態に即した第1の配送の制御を行うことができる。
【0021】
また、本開示の態様の一つでは、貯蔵庫には、第1の商品の入庫又は出庫を行うユーザを検出する第2のセンサが備えられてもよい。情報処理装置は、貯蔵庫と複数のユーザの識別情報との関連付けを記憶する第2の記憶部をさらに備えてもよい。制御部は、履歴情報とともに、第2のセンサによって識別されたユーザの識別情報を取得し、複数のユーザそれぞれについて、第1の情報を取得するようにしてもよい。これによって、貯蔵庫に関連付く各ユーザの第1の商品の消費傾向に応じて、第1の商品の配送の制御、又は、アンケートの提示等を行うことができる。
【0022】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、ロボットに、第1の商品の配送と、ロボットに、前記第1の商品の配送に関する処理によるユーザへの提案の出力と、を指示することをさらに実行するようにしてもよい。これによって、ロボットによって第1の商品がユーザの元へ配送されるタイミングで、当該第1の商品の配送に関するユーザへの提案を出力することができる。また、当該ロボットに、他の商品の案内及びアンケートを出力させてもよい。
【0023】
本開示の態様の他の一つは、第1の商品の入庫又は出庫を検知するセンサを備える貯蔵庫と、上記制御部とを備える情報処理システムとして特定することができる。制御部は、センサによって検知される、第1の商品の貯蔵庫への入庫又は貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得することと、履歴情報に基づいて、貯蔵庫に関連付くユーザの第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得することと、第1の情報に基づいて、ユーザへの第1の商品の配送に関する処理を行うことと、を実行する。
【0024】
また、本開示の態様の他の一つは、コンピュータが実行する情報処理方法として特定することができる。当該情報処理方法は、貯蔵庫に備えられるセンサによって検知される、第1の商品の貯蔵庫への入庫又は貯蔵庫からの出庫の履歴を示す履歴情報を取得することと、履歴情報に基づいて、貯蔵庫に関連付くユーザの第1の商品の消費傾向を示す第1の情報を取得することと、第1の情報に基づいて、ユーザへの第1の商品の配送に関する処理を行うことと、を含む。
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0026】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る入出庫管理システム100の構成の一例を示す図である。入出庫管理システム100は、貯蔵庫に格納されている商品の入庫及び出庫を監視し、商品の消費傾向に応じたサービスを提供するシステムである。入出庫管理システム100は、例えば、センタサーバ1と、センサ装置2を備える冷蔵庫200と、を含む。なお、冷蔵庫200はユーザの自宅500内に設置されている。冷蔵庫200は入出庫管理システム100に複数含まれ得るが、図1では便宜上、1台表示されている。冷蔵庫200は、「貯蔵庫」の一例である。ただし、「貯蔵庫」は冷蔵庫に限定されず、例えば、冷凍庫、ワインセラー、及び、収納棚等であってもよい。
【0027】
センサ装置2は、第1実施形態では、バーコード又はQRコード等のコードのリーダを備える制御装置である。センサ装置2は、冷蔵庫200と一体として販売されるものであってもよいし、単体で販売され、冷蔵庫200に後付けできるものであってもよい。センサ装置2は、例えば、自宅500内に設置されている中継装置に無線接続して、ネットワークN1に接続する。ネットワークN1には、センタサーバ1も接続している。ネットワークN1は、例えば、インターネット等の公衆回線網である。センサ装置2は、ネットワークN1を通じて、センタサーバ1と通信可能である。
【0028】
冷蔵庫200に格納される物品300には、例えば、コード3が印刷又は貼付されている。物品300は、第1実施形態では、飲料、食品、及び、調味料等である。ただし、貯蔵庫が収納棚等である場合には、物品300は、日用品、及び、洗剤等であってもよい。例えば、ユーザは、物品300を冷蔵庫200へ入庫又は冷蔵庫200から出庫する際に、当該物品300のコード3をリーダにかざす(又は、タッチさせる)ことによって、センサ装置2のリーダがコード3を読み取り、物品300の識別情報を取得する。物品300の識別情報には、例えば、物品300に対応する商品の識別情報と個体識別番号とが含まれている。センサ装置2は、取得した物品300の識別情報を含む入出庫履歴情報をセンタサーバ1へ送信する。なお、第1実施形態では、「物品」と表示する場合には、個体を示すこととする。また、「商品」という場合には、同じ商品名及び同じサイズの個体群を示すこととする。
【0029】
センタサーバ1は、物品300の入出庫履歴情報をセンサ装置2から受信し、記録する。センタサーバ1は、所定期間内の入出庫履歴情報を集計する。第1実施形態では、入出庫履歴情報の集計結果は、物品300に対応する商品ごと及び物品300に対応する商品が分類される種類ごとの入出庫回数及び入出庫の頻度である。センタサーバ1は、例えば、入出庫の頻度に基づいたサービスを行う。入出庫の頻度に基づいて行われるサービスには、例えば、商品の配送に関する処理、及び、商品の案内等がある。商品の配送に関する処理には、例えば、定期購入の停止の提案、定期購入の設定の変更の提案、定期購入の開始の提案等がある。これらのサービスの他に、センタサーバ1は、例えば、アンケートの回答の依頼等も行ってもよい。
【0030】
商品ごと又は商品の種類ごとの入出庫回数及び入出庫の頻度は、当該商品の消費傾向を示す情報の一つである。例えば、入出庫回数が多いほど又は入出庫の頻度が高いほど、当該商品の消費頻度は高くなる。例えば、入出庫回数が少ないほど又は入出庫の頻度が低いほど、当該商品の消費頻度は低くなる。すなわち、入出庫回数及び入出庫の頻度は、ユーザの商品の消費実態を反映した情報であると言える。
【0031】
第1実施形態では、センタサーバ1は、ユーザに負担をかけずに効率的に、冷蔵庫20
0に格納される物品の入出庫履歴情報を収集し、収集した入出庫履歴情報に基づいて当該ユーザの商品の消費傾向を示す消費傾向情報を取得することができる。また、センタサーバ1は、ユーザの消費傾向情報に基づいたサービスを実施することで、ユーザの消費実態に即したより有益なサービスを提供することができる。
【0032】
図2は、第1実施形態に係る、センタサーバ1、及び、センサ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。センタサーバ1は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、外部記憶装置103、及び、通信部104
を有する。メモリ102および外部記憶装置103は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。センタサーバ1は、「情報処理装置」の一例である。
【0033】
外部記憶装置103は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してCPU 101が使用するデータを格納する。外部記憶装置103は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、及び/又は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)である。外部記憶装置103に保持されるプログラムには、例えば、オペレーティングシステム(OS)、入出庫管理システム100の制御プログラム、及び、その他様々なアプリケーションプログラムがある。入出庫管理システム100の制御プログラムは、冷蔵庫200への入庫又は冷蔵庫200からの出庫の履歴情報を収集し、当該履歴情報に基づいてユーザの消費傾向を取得し、ユーザの消費傾向に基づいたサービスを提供するためのプログラムである。
【0034】
メモリ102は、CPU 101に、外部記憶装置103に格納されているプログラムをロードする記憶領域及び作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする記憶装置である。メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)のような半導体メモリを含む。
【0035】
CPU 101は、外部記憶装置103に保持されたOS及び様々なアプリケーションプログラムをメモリ102にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。CPU 101は、「制御部」の一例である。
【0036】
通信部104は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。通信部104は、例えば、LAN(Local Area Network)カード等である。ただし、通信部104はこれに限定されず、例えば、光回線のONU(Optical Network Unit)インタフェースであってもよい。センタサーバ1のハードウェア構成は、図2に示されるものに限定されない。
【0037】
センサ装置2は、ハードウェア構成として、CPU 201、メモリ202、外部記憶装置203、無線通信部204、タッチパネルディスプレイ205、リーダ206、及び、カメラ207を備える。CPU 201、メモリ202、及び、外部記憶装置203は、それぞれ、CPU 101、メモリ102、及び、外部記憶装置103と同様である。
【0038】
無線通信部204は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。無線通信部204は、例えば、WiFi、又は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の無線通信を行い、例えば、ユーザの自宅500内に設置されたアクセスポイント等の中継装置に接続することで、ネットワークN1にアクセスし、センタサーバ1への通信を行う。
【0039】
タッチパネルディスプレイ205は、ユーザからの操作入力を受け付け、CPU 201へ出力する。また、タッチパネルディスプレイ205は、CPU 201から入力され
る画像を表示する。
【0040】
リーダ206は、第1実施形態では、QRコード又はバーコードのリーダである。リーダ206は、例えば、赤色光をコード3に照射し、その反射光を画像化し、それをデコードし、情報を取得する。
【0041】
カメラ207は、例えば、ユーザの顔画像の撮像に用いられる。また、カメラ207は、物品300のコード3のリーダとして用いられてもよい。カメラ207で撮像された画像は、CPU 201へ出力される。
【0042】
なお、図2に示されるセンタサーバ1及びセンサ装置2のハードウェア構成は一例であり、これらに限定されない。例えば、冷蔵庫200に、物品300の入庫又は出庫を特定可能なセンサがさらに備えられてもよい。物品300の入庫又は出庫を特定可能とするセンサには、例えば、重量センサ、及び、カメラ等がある。重量センサによる検知値が増加する場合には、物品300の入庫を検出可能である。重力センサによる検知値が減少する場合には、物品300の出庫を検出可能である。冷蔵庫200の庫内をカメラが撮像する場合には、撮像画像に物品300が新たに検出されることで、物品300の入庫を検出可能である。一方、撮像画像から物品300が検出されないことで、物品300の出庫を検出可能である。
【0043】
図3は、第1実施形態に係る、センタサーバ1及びセンサ装置2の機能構成の一例を示す図である。まず、センサ装置2は、機能構成として、受信部21、制御部22、及び、送信部23を含む。これらの機能構成要素は、センサ装置2のCPU 201が外部記憶装置203内の所定のプログラムを実行することによって達成される。
【0044】
受信部21及び送信部23は、センタサーバ1とのインタフェースである。受信部21は、制御部22から入力されたデータを無線通信部204を通じて、センタサーバ1へ送信する。送信部23は、無線通信部204を通じてセンタサーバ1からデータを受信し、受信したデータを制御部22へ出力する。
【0045】
制御部22は、第1実施形態では、リーダ206から、コード3から読み取られた物品300の識別情報の入力を受ける。リーダ206は、冷蔵庫200に対して物品300の入庫又は出庫が行われた場合に、物品300の識別情報を取得し、制御部22へ出力する。制御部22は、物品300の識別情報の入力を受けると、入出庫履歴情報を生成し、送信部23へ出力して、送信部23を通じてセンタサーバ1へ送信する。入出庫履歴情報には、例えば、タイムスタンプ、センサ装置2の識別情報、及び、物品300の識別情報が含まれる。入出庫履歴情報に含まれるタイムスタンプは、例えば、物品300の識別情報が検出された時刻である。
【0046】
なお、冷蔵庫200に、リーダ206に加えて、物品300の入庫又は出庫を特定可能なセンサが備えられている場合には、制御部22には、当該センサからの検知結果も入力される。例えば、物品300の入庫又は出庫を特定可能とするセンサとして、重量センサが備えられている場合には、制御部22は、重量センサによる検知値が増加する場合には、物品300の入庫を判定する。制御部22は、重力センサによる検知値が減少する場合には、物品300の出庫を判定する。例えば、物品300の入庫又は出庫を特定可能とするセンサとして、冷蔵庫200の庫内を撮像するカメラが備えられている場合には、制御部22は、検知値としての撮像画像に物品300が新たに検出されることで、物品300の入庫を判定する。また、制御部22は、撮像画像から物品300が検出されなくなることで、物品300の出庫を判定する。
【0047】
冷蔵庫200に、リーダ206に加えて、物品300の入庫又は出庫を特定可能なセンサが備えられている場合には、制御部22は、タイムスタンプ、センサ装置2の識別情報、及び、物品300の識別情報に加えて、物品300の入庫又は出庫を示す情報を含む入出庫履歴情報を生成してもよい。
【0048】
制御部22は、受信部21を通じて、センタサーバ1から受信された提案、通知、及び、アンケート等を、タッチパネルディスプレイ205へ出力する。また、例えば、タッチパネルディスプレイ205を通じて入力された情報を送信部23を通じてセンタサーバ1へ送信する。タッチパネルディスプレイ205を通じて入力される情報には、例えば、アンケートの回答がある。
【0049】
次に、センタサーバ1は、機能構成として、受信部11、制御部12、送信部13、ユーザ情報データベース(DB)14、入出庫履歴情報DB 15、在庫情報DB 16、商品情報DB 17、及び、アンケートDB 18を備える。これらの機能構成要素は、入出庫管理システム100の制御プログラムをCPU 101が実行することによって達成される。
【0050】
受信部11は、ネットワークN1を通じて、センサ装置2から入出庫履歴情報を受信する。受信部11は、受信した情報を制御部12へ出力する。送信部13は、制御部12から入力された情報を、ネットワークN1を通じてセンサ装置2へ送信する。
【0051】
制御部12は、センサ装置2から入出庫履歴情報を受信すると、入出庫履歴情報DB 15に格納する。また、制御部12は、センサ装置2から入出庫履歴情報を受信すると、例えば、入出庫履歴情報DB 15を参照して、当該入出庫履歴情報が入庫の際のものであるのか、出庫の際のものであるのかを判定し、その判定結果を在庫情報DB 16に格納する。
【0052】
制御部12は、所定のタイミングで、所定期間の入出庫履歴情報を集計して、ユーザの消費傾向を示す消費傾向情報を取得する。消費傾向情報は、例えば、当該所定期間における商品ごと、及び、商品の種類ごとの入出庫回数及び入出庫の頻度である。入出庫回数は、第1実施形態では、入出庫履歴情報の個数で計算される。入出庫回数が多いことは、当該商品の使用頻度が高いことを示し、当該商品の使用頻度が高いことは、当該商品の消費頻度が高いことが示される。消費傾向情報が取得されるタイミングは、例えば、1日、1週間、又は1カ月等の単位で任意に設定される。入出庫履歴情報が集計される期間は、1日、1週間、又は1カ月等の単位で任意に設定される。なお、消費傾向情報が取得される間隔と、入出庫履歴情報が取得される期間とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0053】
なお、第1実施形態では、入出庫履歴情報の個数を集計して、入出庫回数を消費傾向情報として用いるが、消費傾向情報として用いられる情報はこれに限定されない。例えば、入出庫履歴情報に基づいて、当該物品300の消費を判定し、消費の履歴情報を保持して、当該消費の履歴情報に基づいて、消費傾向情報として、消費頻度が取得されてもよい。例えば、入出庫履歴情報から入庫であるか出庫であるかを特定し、出庫が特定された際の入出庫履歴情報に含まれるタイムスタンプから所定時間以上経過しても物品300の次の入出庫履歴情報が受信されないことで、物品300の消費を判定することができる。
【0054】
制御部12は、消費傾向情報に基づくサービスとして、ユーザに、定期購入の開始、設定変更、又は、停止の提案、商品の案内の通知、及び、アンケートの送信を行う。制御部12のこれらの処理の詳細は、後述される。
【0055】
ユーザ情報DB 14、入出庫履歴情報DB 15、在庫情報DB 16、商品情報DB 17、及び、アンケートDB 18は、センタサーバ1の外部記憶装置103内に作成される。ユーザ情報DB 14は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を保持する。ユーザ情報には、例えば、ユーザの識別情報、ユーザの氏名、ユーザの住所、ユーザが使用するセンサ装置2の識別情報、及び、定期購入に関する情報が含まれている。ユーザ情報DB 14に保持されるユーザ情報は、例えば、ユーザ登録の際に登録される。定期購入に関する情報には、定期購入が設定されている商品の識別情報、配送間隔、及び、1回の配送における発注量等が含まれている。
【0056】
入出庫履歴情報DB 15は、センサ装置2から受信される入出庫履歴情報を保持する。在庫情報DB 16は、冷蔵庫200内に格納されている物品300に関する情報を保持する。入出庫履歴情報DB 15及び在庫情報DB 16に保持される情報の詳細は後述される。商品情報DB 17は、商品に関する情報である商品情報を保持する。商品情報には、例えば、商品の識別情報、商品について定期購入の開始、設定変更、及び、停止の提案の判定に用いられる各種の閾値等が格納されている。アンケートDB 18は、ユーザからのアンケートの回答が格納されている。なお、センタサーバ1及びセンサ装置2の機能構成は、図3に示されるものに限定されない。
【0057】
図4は、入出庫履歴情報DB 15に保持される情報の一例を示す図である。入出庫履歴情報DB 15の1レコードには、タイムスタンプ、センサID、商品ID、及び、個体IDフィールドが含まれている。センサIDのフィールドには、センサ装置2の識別情報が格納されている。商品IDのフィールドには、物品300に対応する商品の識別情報が格納されている。個体IDのフィールドには、物品300の個体識別情報が格納されている。
【0058】
入出庫履歴情報DB 15の1レコードは、センサ装置2から受信される1つの入出庫履歴情報に対応する。すなわち、タイムスタンプ、センサID、商品ID、及び、個体IDのフィールドに格納される値は、センサ装置2から受信される入出庫履歴情報に含まれるタイムスタンプ、センサ装置2の識別情報、及び、物品300の識別情報から取得される。なお、第1実施形態では、センサ装置2から受信される入出庫履歴情報に含まれる物
品300の識別情報は、商品の識別情報と、物品300の個体識別情報とを含む。
【0059】
なお、入出庫履歴情報DB 15に格納されている情報は、図4に示されるものに限定されない。例えば、物品300のQRコード、又はバーコードから取得される物品300の識別情報に、物品300の個体識別情報が含まれておらず、商品の識別情報のみが含まれる場合には、入出庫履歴情報DB 15の1レコードには、個体IDのフィールドは含まれない。
【0060】
図5は、在庫情報DB 16に保持される情報の一例を示す図である。在庫情報DB 16には、在庫情報テーブルが保持されている。在庫情報テーブルは、センサ装置2ごとに作成される。在庫情報テーブルは、センサ装置2に対応する冷蔵庫200に格納された物品300の入庫又は出庫の状態を管理するテーブルである。
【0061】
在庫情報DB 16の1レコードには、商品ID、個体ID、状態、及び、更新日時のフィールドが含まれている。商品IDのフィールドには、物品300に対応する商品の識別情報が格納されている。個体IDのフィールドには、物品300の個体識別情報が格納されている。
【0062】
状態のフィールドには、物品300が入庫、出庫、又は、消費されたことを示す情報が格納されている。物品300が入庫、出庫、又は、消費されたことを示す情報は、例えば
、フラグ又はコード等である。更新日時のフィールドには、状態のフィールドの値が検出された時刻が格納される。
【0063】
例えば、制御部12が、センサ装置2から入出庫履歴情報を受信し、入出庫履歴情報DB 15に基づいて、当該物品300が入庫されたのか、出庫されたのかを判定し、その判定結果を在庫情報DB 16に記録する。したがって、商品ID及び個体IDのフィールドの値は、該当する物品300の入出庫履歴情報が最初に受信された際に、当該入出庫履歴情報から取得される。状態のフィールドには、最後に当該物品300の入出庫履歴情報が受信された際の、入庫又は出庫の判定結果が格納される。更新日時のフィールドには、最後に受信された当該物品300の入出庫履歴情報に含まれるタイムスタンプが格納される。なお、在庫情報DB 16に含まれる情報は、図5に示されるものに限定されない。
【0064】
例えば、物品300のQRコード、又はバーコードから取得される物品300の識別情報に、物品300の個体識別情報が含まれておらず、商品の識別情報のみが含まれる場合には、在庫情報DB 15の1レコードには、個体IDのフィールドは含まれない。
【0065】
<処理の流れ>
図6は、センタサーバ1の入出庫履歴情報の受信時の処理のフローチャートの一例である。図6に示される処理は、所定の周期で繰り返し実行される。図6に示される処理の実行主体は、CPU 101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。以降のフローチャートについても同様である。
【0066】
OP101では、制御部12は、受信部11を通じて、センサ装置2から入出庫履歴情報が受信されたか否かを判定する。センサ装置2から入出庫履歴情報が受信された場合には(OP101:YES)、処理がOP102へ進む。センサ装置2から入出庫履歴情報が受信されていない場合には(OP101:NO)、図6に示される処理が終了する。
【0067】
OP102では、制御部12は、受信した入出庫履歴情報に含まれる物品300の識別情報に合致する入出庫履歴情報が入出庫履歴情報DB 15にあるか否かを判定する。受信した入出庫履歴情報に含まれる物品300の識別情報に合致する入出庫履歴情報が入出庫履歴情報DB 15にある場合には(OP102:YES)、処理がOP103へ進む。受信した入出庫履歴情報に含まれる物品300の識別情報に合致する入出庫履歴情報が入出庫履歴情報DB 15にない場合には(OP102:NO)、処理がOP105へ進み、OP105では、制御部12は、受信した入出庫履歴情報が物品300の入庫を示すものであることを判定する。
【0068】
OP103では、制御部12は、受信した入出庫履歴情報が、偶数個目の当該物品300の入出庫履歴情報であるか否かを判定する。物品300のコード3から物品300の個体を識別可能な識別情報が取得される場合には、入出庫履歴情報の数で、当該物品300が入庫されたのか、又は、出庫されたのかを特定することが可能である。冷蔵庫200に対する物品300の入庫及び出庫では、まず、入庫が行われ、入庫の次に出庫が行われるからである。その為、入庫が行われた場合に作成された入出庫履歴情報は、当該物品300について、奇数個目の入出庫履歴情報となる。一方、出庫が行われた場合に作成された入出庫履歴情報は、当該物品300について、偶数個目の入出庫履歴情報となる。
【0069】
受信した入出庫履歴情報が、偶数個目の当該物品300の入出庫履歴情報である場合には(OP103:YES)、処理がOP104へ進み、OP104では、制御部12は、受信した入出庫履歴情報は物品300の出庫を示すものであることを判定する。受信した入出庫履歴情報が、奇数個目の当該物品300の入出庫履歴情報である場合には(OP1
03:NO)、処理がOP105へ進み、OP105では、制御部12は、受信した入出庫履歴情報は物品300の入庫を示すものであることを判定する。
【0070】
OP106では、制御部12は、入出庫履歴情報DB 15に受信した入出庫履歴情報を、在庫情報DB 16にOP103の判定結果を、記録する。その後、図6に示される処理が終了する。
【0071】
なお、冷蔵庫200に、リーダ206に加えて、物品300の入庫又は出庫を特定可能なセンサが備えられており、センサ装置2から受信される入出庫履歴情報に入庫又は出庫を示す情報が格納されている場合には、OP102-OP105の処理は省略される。
【0072】
図7は、センタサーバ1の消費判定処理のフローチャートの一例である。消費判定処理は、物品300が消費されたか否かを判定する処理である。図7に示される処理は、例えば、1時間又は1日単位の所定の周期で実行される。また、図7に示される処理は、在庫情報DB 16の各レコードに対して実行される。
【0073】
OP201では、制御部12は、在庫情報DB 16の対象レコードの状態のフィールドの値が出庫を示す情報であるか否かを判定する。在庫情報DB 16の対象レコードの状態のフィールドの値が出庫を示す情報である場合には(OP201:YES)、処理がOP202へ進む。在庫情報DB 16の対象レコードの状態のフィールドの値が出庫を示す情報でない場合には(OP201:NO)、図7に示される処理が終了する。
【0074】
OP202では、制御部12は、在庫情報DB 16の対象レコードの更新日時のフィールドの値が示す時刻から所定時間以上経過しているか否かを判定する。OP202において用いられる所定時間は、例えば、数時間から1日等の範囲内の値に設定される。また、OP202において用いられる所定時間は、在庫情報DB 16の対象のレコードの商品に応じて変化してもよい。この場合には、OP202において用いられる所定時間は、商品情報DB 17に格納されていてもよい。
【0075】
在庫情報DB 16の対象レコードの更新日時のフィールドの値が示す時刻から所定時間以上経過している場合には(OP202:YES)、処理がOP203へ進む。在庫情報DB 16の対象レコードの更新日時のフィールドの値が示す時刻から所定時間以上経過していない場合には(OP202:NO)、図7に示される処理が終了する。
【0076】
OP203では、制御部12は、在庫情報DB 16の対象のレコードの物品300が消費されたことを判定する。OP204では、制御部12は、対象のレコードの状態のフィールドを消費されたことを示す情報に更新する。
【0077】
OP205では、制御部12は、条件が満たされたか否かを判定する。OP205において用いられる条件は、例えば、当該ユーザの、在庫情報DB 16の対象のレコードに対応する商品の、在庫情報DB 16における消費数が所定数以上であること、又は、当該ユーザの、在庫情報DB 16の対象のレコードに対応する商品の入出庫回数が所定回数以上であること等である。条件が満たされた場合には(OP205:YES)、処理がOP206へ進む。条件が満たされていない場合には(OP205:NO)、図7に示される処理が終了する。
【0078】
OP206では、制御部12は、センサ装置2へアンケートを送信する。アンケートの内容は、例えば、物品300に対応する商品に対する評価に関するものである。より具体的には、例えば、物品300に対応する商品を気に入った程度を、「気に入らなかった」、「あまり気に入らなかった」、「どちらでもない」、「まあまあ気に入った」、及び、
「気に入った」の5つの選択肢を含むものである。また、アンケートには複数の質問が含まれていてもよい。センサ装置2へ送信されたアンケートは、センサ装置2のタッチパネルディスプレイ205に表示され、ユーザは、タッチパネルディスプレイ205に対してアンケートの回答を入力する。センサ装置2は、ユーザからタッチパネルディスプレイ205を通じてアンケートの回答が入力されると、センタサーバ1へ送信する。
【0079】
OP207では、制御部12は、センサ装置2からアンケートの回答を受信し、アンケートの回答をアンケートDB 18に記録する。その後、図7に示される処理が終了する。
【0080】
図8A及び図8Bは、センタサーバ1の入出庫履歴情報の集計処理のフローチャートの一例である。図8A及び図8Bに示される処理は、例えば、1日、1週間、又は、1カ月等の単位で設定された間隔で実行されれる。また、図8A及び図8Bに示される処理は、1つのセンサ装置2について実行される。
【0081】
OP301では、制御部12は、所定期間内の対象センサ装置2の識別情報が含まれる入出庫履歴情報を、例えば、商品ごと、及び、商品の種類ごとに集計する。集計の対象となる期間は、例えば、直前の1日、1週間、又は、1カ月等の単位で設定された期間である。商品の種類は、例えば、アルコール飲料の場合には、ビール、発泡酒、清酒、果実酒、ウィスキー、ブランデー、及び、リキュール等の品目名に相当する。ただし、商品の種類の分類の粒度はこれに限定されず、任意に決定可能であり、事前に設定されている。
【0082】
OP302からOP309の処理は、OP301の商品ごとの集計結果について行われる。OP302では、制御部12は、対象の商品が定期購入が設定されている商品であるか否かを判定する。ユーザによって定期購入が設定されている商品の識別情報は、例えば、送信部13に保持されている。対象の商品が定期購入が設定されている商品である場合には(OP302:YES)、処理がOP303へ進む。対象の商品が定期購入が設定されていない商品である場合には(OP302:NO)、処理がOP307へ進む。
【0083】
OP303では、制御部12は、対象の商品の入出庫の頻度が第1の閾値未満であるか否かを判定する。対象の商品の入出庫の頻度は、例えば、所定期間内の対象の商品の入出庫履歴情報の数(=入出庫の回数)を当該所定期間内に含まれる所定の時間単位の数で割って算出された、1時間単位当たりの入出庫回数として求められる。時間単位は、例えば、1時間から1日の範囲で設定される。対象の商品の入出庫の頻度は、対象の商品の消費頻度を反映している数値であると言える。また、第1の閾値は、対象の商品によって異なるため、制御部12は、商品情報DB 17から対象の商品の第1の閾値を取得する。
【0084】
対象の商品の入出庫の頻度が第1の閾値未満である場合には(OP303:YES)、処理がOP304へ進む。OP304では、制御部12は、定期購入が設定されている対象の商品の入出庫頻度が第1の閾値未満であるため、対象の商品の定期購入の停止の提案を判定し、当該提案をセンサ装置2へ送信する。例えば、冷蔵庫200に入庫されて比較的に長期間消費されない物品300の場合には、所定期間における入出庫履歴情報の数が少なくなり、当該物品300に対応する商品の消費傾向として、消費頻度が低く、ユーザの嗜好にあっていないことが示される。この場合には、当該物品300に対応する商品の出庫の頻度が第1の閾値未満となり、定期購入の設定がなされている場合には、定期購入の停止の提案が行われることになる。
【0085】
対象の商品の入出庫の頻度が第1の閾値以上である場合には(OP303:NO)、処理がOP305へ進む。OP305では、制御部12は、対象の商品の入出庫の頻度に±α以上の変化があるか否かを判定する。例えば、各商品の入出庫の頻度は、履歴として外
部記憶装置103の所定の記憶領域に保存され、制御部12は、対象の商品の直前の所定数の入出庫の頻度の平均値と、今回取得された対象の商品の入出庫の頻度とを比較する。また、入出庫の頻度の変化の範囲を示す値αは、例えば、商品ごとに異なり、商品情報DB 17から対象の商品のα値が取得さる。
【0086】
対象の商品の入出庫の頻度に±α以上の変化がある場合には(OP305:YES)、処理がOP306へ進む。OP306では、制御部12は、対象の商品の定期購入の設定変更の提案を判定し、当該提案をセンサ装置2へ送信する。対象の商品の定期購入の設定変更には、例えば、配送の間隔の変更、及び/又は、1回の配送における発注量の変更が含まれる。
【0087】
対象の商品の入出庫の頻度に±α以上の変化がない場合には(OP305:NO)、処理が次の商品についてOP302へ進む、又は、全商品についてOP302からOP309の処理が行われた場合には図8BのOP401へ進む。
【0088】
OP307からOP309の処理は、対象の商品が定期購入の設定がなされていない商品である場合の処理である。OP307では、制御部12は、対象の商品の入出庫の頻度が第2の閾値以上であるか否かを判定する。第2の閾値は、対象の商品によって異なるため、制御部12は、商品情報DB 17から対象の商品の第2の閾値を取得する。第2の閾値は、例えば、第1の閾値以上の値である。
【0089】
対象の商品の入出庫の頻度が第2の閾値以上である場合には(OP307:YES)、処理がOP308へ進む。対象の商品の入出庫の頻度が第2の閾値未満である場合には(OP307:NO)、処理が次の商品についてOP302へ進む、又は、全商品についてOP302からOP309の処理が行われた場合には図8BのOP401へ進む。
【0090】
OP308では、制御部12は、アンケートDB 18を参照して、当該ユーザのアンケート結果が条件を満たすか否かを判定する。OP308における条件は、例えば、対象の商品に対する当該ユーザの評価を示すアンケート結果が「気に入った」又は「まあまあ気に入った」であることである。ただし、OP308における条件はこれに限定されず、アンケートの内容及び回答等に応じて設定される。
【0091】
当該ユーザのアンケート結果が条件を満たす場合には(OP308:YES)、処理がOP309へ進む。当該ユーザのアンケート結果が条件を満たさない場合には(OP308:NO)、処理が次の商品についてOP302へ進む、又は、全商品についてOP302からOP309の処理が行われた場合には図8BのOP401へ進む。
【0092】
OP309では、制御部12は、対象の商品の定期購入の開始の提案を判定し、センサ装置2へ送信する。その後、処理が次の商品についてOP302へ進む、又は、全商品についてOP302からOP309の処理が行われた場合には図8BのOP401へ進む。
【0093】
図8Bに示される処理は、商品の種類ごとの集計結果に対して行われる処理である。X401では、制御部12は、対象の商品の種類の入出庫の頻度が第3の閾値以上であるか否かを判定する。第3の閾値は、対象の商品の種類によって異なるため、制御部12は、商品情報DB 17から対象の商品の種類の第3の閾値を取得する。
【0094】
対象の商品の種類の入出庫の頻度が第3の閾値以上である場合には(OP401:YES)、処理がOP402へ進む。対象の商品の種類の入出庫の頻度が第3の閾値未満である場合には(OP401:NO)、処理が商品の次の種類についてOP401へ進む、又は、商品の全種類についてOP401からOP402の処理が行われた場合には図8B
処理が終了する。
【0095】
OP402では、センサ装置2は、対象の商品の種類の新商品の案内を判定し、センサ装置2へ送信する。その後、処理が商品の次の種類についてOP401へ進む、又は、商品の全種類についてOP401からOP402の処理が行われた場合には図8Bの処理が終了する。
【0096】
なお、図6図8Bに示される処理は、実施の形態に応じて適宜変更可能である。例えば、図7のOP205におけるアンケートの送信を判定する条件は、該当の商品の入出庫回数が所定値以上であることであってもよい。また、図8Aにおいて、定期購入の停止及び設定変更の提案の判定を行う場合に、制御部12は、ユーザからのアンケートの回答をさらに参照してもよい。例えば、所定の商品に対する入出庫回数が第1の閾値未満であっても、アンケートの回答が当該所定の商品に対して良い評価である場合には、定期購入の停止の提案が行われないようにしてもよい。
【0097】
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態では、冷蔵庫200に備えられたセンサ装置2によって、物品300の、冷蔵庫200への入庫又は冷蔵庫200からの出庫の履歴情報が取得され、当該物品300の入出庫履歴情報に基づいて、ユーザの当該物品300に対応する商品の消費傾向を示す情報が取得される。したがって、第1実施形態によれば、ユーザの手間を取らせることなく、効率的に、ユーザの商品の消費傾向を示す情報を取得することができる。
【0098】
また、第1実施形態では、ユーザの当該商品の消費傾向を示す情報に基づいて、当該商品の定期購入の開始、設定変更、又は、停止の提案が行われる。これによって、よりユーザの商品の消費実態に即した定期購入についての提案を行うことができ、ユーザにとっても商品の在庫管理を容易にすることができる。
【0099】
また、第1実施形態では、消費されたことが検出された商品について、ユーザへアンケートが送信される。これによって、実際に商品を消費したユーザから当該商品についての評価を容易に取得することができる。
【0100】
また、第1実施形態では、商品の入出庫履歴情報に基づく定期購入の開始、設定変更、又は、停止の提案の判定に用いられる閾値は、商品ごと及び商品の種類ごとに用意される。商品によって、消費頻度の傾向、消費と入出庫との関係、及び、消費期限の長さ等が異なる。その為、商品ごと及び商品の種類ごとに閾値が容易されることによって、商品の特性に即して判定を行うことができ、よりユーザにとっても有益な提案を行うことができる。
【0101】
<第2実施形態>
第1実施形態では、センタサーバ1からの定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等は、センサ装置2へ送信され、センサ装置2のタッチパネルディスプレイ205に出力される。第2実施形態では、これに代えて、センタサーバ1からのセンタサーバ1からの定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等は、定期購入の商品を配送する配送ロボットに送信され、商品の受け渡し時に当該配送ロボットのディスプレイ等に出力させる。
【0102】
図9は、第2実施形態に係る入出庫管理システム100Bのシステム構成の一例を示す図である。入出庫管理システム100Bでは、第1実施形態に係る入出庫管理システム100の構成に加えて、配送ロボット4が含まれる。配送ロボット4は、商品を積載し、所定の届け先まで走行して、配送を行うロボットである。配送ロボット4は、無線通信機能
を有し、ネットワークN1を通じてセンタサーバ1と通信可能である。また、配送ロボット4は、タッチパネルディスプレイ401を備え、センタサーバ1から受信される定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等を出力する。
【0103】
第2実施形態では、センタサーバ1は、第1実施形態と同様に、図6から図8Bの処理を実行して、物品300の入出庫履歴情報に基づいて、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケートの実施等を判定する。その後、センタサーバ1の制御部12は、当該商品の定期購入による配送時に、当該商品に関して、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等がある場合に、それらを出力するように配送ロボット4へ指示する。
【0104】
図10は、第2実施形態に係るセンタサーバ1のロボット配送制御処理のフローチャートの一例である。図10に示される処理は、所定の周期で繰り返し実行される。図10に示される処理は、例えば、各ユーザについて実行される。
【0105】
OP501では、制御部12は、定期購入が設定されている商品の配送タイミングであるか否かを判定する。定期購入に関する情報は、ユーザ情報DB 14に保持されている。定期購入が設定されている商品の配送タイミングである場合には(OP501:YES)、処理がOP502へ進む。定期購入が設定されている商品の配送タイミングでない場合には(OP501:NO)、図10に示される処理が終了する。
【0106】
OP502では、制御部12は、配送ロボット4へ配送指示を送信する。OP503では、制御部12は、当該ユーザの当該定期購入の商品に関して、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等の通知があるか否かを判定する。これは、例えば、図8A及び図8Bの処理によって、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等の通知が判定された場合に、制御部12は、その旨をメモリ102の所定の記憶領域に記録し、該当の通知の判定結果が記録されているか否かを判定することによって行われる。
【0107】
当該ユーザの当該定期購入の商品に関して、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等の通知がある場合には(OP503:YES)、処理がOP504へ進む。当該ユーザの当該定期購入の商品に関して、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等の通知がない場合には(OP503:NO)、図10に示される処理が終了する。
【0108】
OP504では、制御部12は、当該ユーザの当該定期購入の商品に関して、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等の通知の実施を配送ロボット4へ指示する。その後、図10に示される処理が終了する。配送ロボット4は、定期購入の商品の受け渡し時に、指示された通知をタッチパネルディスプレイ401へ出力する。
【0109】
第2実施形態では、定期購入の商品の受け渡し時に、当該ユーザの当該定期購入の商品に関して、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等がユーザに対して通知されるので、当該商品についてユーザの意識が向くタイミングでこれらの通知を行うことができる。これによって、提案等の効果やアンケートの回答の回収率を向上させることができる。
【0110】
<第3実施形態>
第3実施形態では、冷蔵庫200に格納される物品300を検出するセンサとしてRFIDが用いられる。すなわち、第3実施形態では、センサ装置2に備えられるリーダ206は、RFタグのリーダであり、コード3に代えて物品300にはRFタグ3が貼り付け又は埋め込まれている。第3実施形態ではRFIDが用いられる点以外は、第1及び第2
実施形態と同様である。第1実施形態及び第2実施形態と重複する説明は省略される。
【0111】
第3実施形態では、リーダ206は、RFタグのリーダである。例えば、リーダ206は、所定の周期で近距離無線通信の電波を発信し、RFタグ3からの反射波を受信する。RFタグ3からの反射波には、RFタグ3に記録されている識別情報が含まれている。リーダ206は、RFタグ3からの反射波に含まれている識別情報を取得すると、CPU 201へ出力する。リーダ206の発信周期は、例えば、1秒~10分の範囲で、1秒単位で任意に設定可能である。
【0112】
すなわち、リーダ206は、冷蔵庫200内に格納されているRFタグ3から、冷蔵庫200内に格納されている物品300の識別情報を受信する。冷蔵庫200内に複数の物品300が格納されており、リーダ206が、全て又は一部の物品300のRFタグ3からの反射波を受信する場合には、当該全て又は一部の物品300の識別情報を取得することになる。
【0113】
第3実施形態では、センサ装置2の制御部22は、リーダ206から、RFタグ3から読み取られた1又は複数の物品300の識別情報の入力を受ける。制御部22は、リーダ206から1又は複数の物品300の識別情報の入力を受けると、在庫検出情報を生成し、送信部23へ出力して、送信部23を通じてセンタサーバ1へ送信する。在庫検出情報には、例えば、タイムスタンプ、センサ装置2の識別情報、及び、検出された1又は複数の物品300の識別情報が含まれる。
【0114】
第3実施形態では、センタサーバ1の制御部12は、センサ装置2から在庫検出情報を受信すると、メモリ102の所定の記憶領域に格納する。また、制御部12は、前回受信した在庫検出情報と今回受信した在庫検出情報とを比較し、その差分を入出庫履歴情報として入出庫履歴情報DB 15と在庫情報DB 16とに記録する。
【0115】
図11は、第3実施形態に係るセンタサーバ1の在庫検出情報の受信時の処理のフローチャートの一例である。第3実施形態では、第1実施形態における図6に示される処理の代わりに図11に示される処理が実行される。図11に示される処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0116】
OP601では、制御部12は、受信部11を通じて、センサ装置2から在庫検出情報を受信したか否かを判定する。センサ装置2から在庫検出情報が受信された場合には(OP601:YES)、処理がOP602へ進む。センサ装置2から在庫検出情報が受信されていない場合には(OP601:NO)、図11に示される処理が終了する。
【0117】
OP602では、制御部12は、今回受信した在庫検出情報と前回受信した在庫検出情報とを比較し、前回受信した在庫検出情報からの差分があるか否かを判定する。前回受信した在庫検出情報からの差分がある場合には(OP602:YES)、冷蔵庫200に対して物品300の入庫又は出庫があったことが示され、処理がOP603へ進む。前回受信した在庫検出情報からの差分がない場合には(OP602:NO)、冷蔵庫200に対して物品300の入庫又は出庫がなかったことが示され、図11に示される処理が終了する。
【0118】
OP603では、制御部12は、今回受信した在庫検出情報で新たに検出された物品300を入庫された物品として判定し、前回受信した在庫検出情報には含まれているものの今回受信した在庫検出情報では検出されなくなった物品300を出庫された物品として判定する。
【0119】
OP604では、制御部12は、OP603で入庫又は出庫が判定された物品300に
ついて、入出庫履歴情報DB 15と在庫情報DB 16とに記録する。入庫及び出庫が判定された物品300の入出庫履歴情報DB 15及び在庫情報DB 16におけるタイムスタンプは、今回受信された在庫検出情報に含まれるタイムスタンプが用いられる。また、今回受信された在庫検出情報は、メモリ102の所定の記憶領域に保存される。このとき、前回受信された在庫検出情報は、今回受信された在庫検出情報で上書き更新されてもよいし、両方の在庫検出情報が保持されてもよい。
【0120】
以降の処理は、第1実施形態の図7図8Bと同様にして行われる。なお、第3実施形態において、図4に示される入出庫履歴情報DB 15、図5に示される在庫情報DB 16、図7図8B及び図11に示される処理は一例であって、これらは実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【0121】
例えば、図11に示される処理の代わりに、センサ装置2が、今回受信した在庫検出情報と前回受信した在庫検出情報との差分を入出庫履歴情報として取得し、センタサーバ1へ当該入出庫履歴情報を送信してもよい。この場合には、センタサーバ1は、図6に示される処理と同様の処理を行ってもよい。
【0122】
第3実施形態によれば、RFIDを採用した場合でも、冷蔵庫200に対する物品の入庫及び出庫の履歴情報を取得することができる。
【0123】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0124】
1つの冷蔵庫200に対して、複数のユーザを登録してもよい。この場合には、各ユーザの顔画像が予めユーザ情報の一つとしてユーザ情報DB 14に登録される。物品300の入庫又は出庫の際に、カメラ207によってユーザの顔画像が撮像され、撮像された画像はセンタサーバ1に送信されて、ユーザ情報DB 14に登録されている顔画像との比較によってユーザが識別される。入出庫履歴情報には、ユーザの識別情報が追加され、各ユーザについて、商品ごとの入出庫履歴情報が集計される。その後は、各ユーザについて、例えば、図6図8Bの処理が実行される。これによって、各ユーザの商品の消費傾向に基づいて、定期購入に関する提案、商品の案内、及びアンケート等を行うことができる。この場合には、カメラ107によって撮像されたユーザの顔画像は、「ユーザの識別情報」の一例である。
【0125】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0126】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0127】
本発明は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、
DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0128】
1・・センタサーバ
2・・センサ装置
3・・コード、RFタグ
14・・ユーザ情報DB
15・・入出庫履歴情報DB
16・・在庫情報DB
17・・商品情報DB
18・・アンケートDB
100、100B・・入出庫管理システム
101、201・・CPU
102、202・・メモリ
103、203・・外部記憶装置
104・・通信部
200・・冷蔵庫
204・・無線通信部
205・・タッチパネルディスプレイ
206・・リーダ
207・・カメラ
300・・物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11