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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/10 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
A01F12/10 C
A01F12/10 A
A01F12/10 W
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020196059
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022084296
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2022-12-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 学
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】黒木 慎
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-163347(JP,U)
【文献】特開2011-177060(JP,A)
【文献】特開2018-186728(JP,A)
【文献】実開平06-065333(JP,U)
【文献】特開2012-152221(JP,A)
【文献】実開昭61-134249(JP,U)
【文献】実開昭64-020150(JP,U)
【文献】特開2011-182708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 61/00-61/04
A01F 12/10-12/16
B65G 45/00-45/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体前方に圃場の穀稈を刈り取る刈取装置(4)を設け、刈取装置(4)が刈り取った穀稈を刈取穀稈搬送装置(11)により脱穀装置(3)に供給搬送するフィードチェン(18)に引き継ぐ構成とし、フィードチェン(18)は脱穀装置(3)の穀稈供給口(21)から扱室(22)内に穀稈を供給する構成とし、穀稈供給口(21)の前側下方には搬送穀稈の穂先側を受ける入口漏斗(23)を設け、刈取穀稈搬送装置(11)の右側側方に設けた操縦部(6)の左側操作パネル(25)の立ち上がっている左側面から入口漏斗(23)上に貯留している穂先・穂切れ堆積物を、刈取穀稈搬送装置(11)の穀稈搬送方向に対して交差方向でフィードチェン(18)側に移動させる単体の穂先スライドガイド(30)を設け、前記穂先スライドガイド(30)は独立の駆動源(31)の作動により移動する構成とし、駆動源(31)は左側操作パネル(25)から入口漏斗(23)の穂先側端のエリアに設置したコンバイン。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、穀稈供給口(21)の近傍所定位置に入口漏斗(23)の堆積物を撮影しうるカメラ(50)を設け、カメラ(50)の撮影画像により入口漏斗(23)上に穂切れ溜まりが発生した判定すると、駆動源(31)を自動的に作動させて穂先スライドガイド(30)により堆積物を移動させる構成としたコンバイン。
【請求項3】
機体前方に圃場の穀稈を刈り取る刈取装置(4)を設け、刈取装置(4)が刈り取った穀稈を刈取穀稈搬送装置(11)により脱穀装置(3)に供給搬送するフィードチェン(18)に引き継ぐ構成とし、フィードチェン(18)は脱穀装置(3)の穀稈供給口(21)から扱室(22)内に穀稈を供給する構成とし、穀稈供給口(21)の前側下方には搬送穀稈の穂先側を受ける入口漏斗(23)を設け、刈取穀稈搬送装置(11)の右側側方に設けた操縦部(6)の左側操作パネル(25)の立ち上がっている左側面から入口漏斗(23)上に貯留している穂先・穂切れ堆積物を、刈取穀稈搬送装置(11)の穀稈搬送方向に対して交差方向でフィードチェン(18)側に移動させる単体の穂先スライドガイド(30)を設け、穂先スライドガイド(30)は、穂先スライドガイド(30)と案内ガイド(35)の何れか一方にピニオンギヤ(40)を設け、何れか他方にラック(41)を設け、ピニオンギヤ(40)とラック(41)により機体走行方向に対して横方向にスライドさせる構成としたコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、刈取装置が刈り取った穀稈を、刈取装置の刈取穀稈搬送装置により搬送して脱穀装置の穀稈供給口に供給搬送するフィードチェンに引き継ぐ構成とし、刈取穀稈搬送装置とフィードチェンの引き継ぎ部分の下方に、穀稈供給口に搬送される穀稈の穂先側を受ける入口漏斗を設けた構成は、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-152221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例では、圃場の作業条件によって、フィードチェンが供給搬送する穀稈を穀稈供給口に案内する入口漏斗上の穂先側に、千切れた穂切れや雑草等が徐々に堆積し、穀稈供給口への供給穀稈の詰まり・穂先搬送抵抗となることがあり、脱穀ロスの原因となることがあるという課題がある。
本発明は、入口漏斗上の堆積物の堆積を抑制し、脱穀ロスを抑制したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、機体前方に圃場の穀稈を刈り取る刈取装置4を設け、刈取装置4が刈り取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11により脱穀装置3に供給搬送するフィードチェン18に引き継ぐ構成とし、フィードチェン18は脱穀装置3の穀稈供給口21から扱室22内に穀稈を供給する構成とし、穀稈供給口21の前側下方には搬送穀稈の穂先側を受ける入口漏斗23を設け、刈取穀稈搬送装置11の右側側方に設けた操縦部6の左側操作パネル25の立ち上がっている左側面から入口漏斗23上に貯留している穂先・穂切れ堆積物を、刈取穀稈搬送装置11の穀稈搬送方向に対して交差方向でフィードチェン18側に移動させる単体の穂先スライドガイド30を設け、前記穂先スライドガイド30は独立の駆動源31の作動により移動する構成とし、駆動源31は左側操作パネル25から入口漏斗23の穂先側端のエリアに設置したコンバインとしたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、穀稈供給口21の近傍所定位置に入口漏斗23の堆積物を撮影しうるカメラ50を設け、カメラ50の撮影画像により入口漏斗23上に穂切れ溜まりが発生した判定すると、駆動源31を自動的に作動させて穂先スライドガイド30により堆積物を移動させる構成としたコンバインとしたものである。
請求項3記載の発明は、機体前方に圃場の穀稈を刈り取る刈取装置4を設け、刈取装置4が刈り取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11により脱穀装置3に供給搬送するフィードチェン18に引き継ぐ構成とし、フィードチェン18は脱穀装置3の穀稈供給口21から扱室22内に穀稈を供給する構成とし、穀稈供給口21の前側下方には搬送穀稈の穂先側を受ける入口漏斗23を設け、刈取穀稈搬送装置11の右側側方に設けた操縦部6の左側操作パネル25の立ち上がっている左側面から入口漏斗23上に貯留している穂先・穂切れ堆積物を、刈取穀稈搬送装置11の穀稈搬送方向に対して交差方向でフィードチェン18側に移動させる単体の穂先スライドガイド30を設け、穂先スライドガイド30は、穂先スライドガイド30と案内ガイド35の何れか一方にピニオンギヤ40を設け、何れか他方にラック41を設け、ピニオンギヤ40とラック41により機体走行方向に対して横方向にスライドさせる構成としたコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、刈取穀稈搬送装置11の穀稈搬送方向に対して交差方向に移動する穂先スライドガイド30を設けているので、穂先スライドガイド30が入口漏斗23上に貯留している穂先・穂切れ堆積物を、フィードチェン18側に強制的に移動させ、フィードチェン18が搬送する穀稈の穂先側と共に押し込み、これにより、堆積物は搬送穀稈と共に穀稈供給口21から扱室22内に供給搬送され、その結果、入口漏斗23上の堆積物を除去でき、刈取穀稈搬送装置11およびフィードチェン18の穂先搬送抵抗を抑制し、扱ぎ残りを防止し、脱穀負荷を低減させられる。
すなわち、穂先スライドガイド30が入口漏斗23上に貯留している穂先・穂切れ堆積物をフィードチェン18側に移動させ、移動させた堆積物をフィードチェン18が搬送する搬送穀稈と一緒に扱室22内に搬送する。
また、前記穂先スライドガイド30は独立の駆動源31の作動により移動する構成とし、駆動源31は左側操作パネル25から入口漏斗23の穂先側端のエリアに設置しているので、フィードチェン18が搬送中の搬送穀稈中に穂先・穂切れ堆積物を押込み、搬送穀稈と共に扱室22内に取り込み、脱穀ロス発生を抑制でき、また、操縦部6の操作席に着座した状態で穂先スライドガイド30の操作をでき、作業停止を防止できる。
請求項記載の発明では、穀稈供給口21の近傍所定位置の脱穀装置3の前板20に入口漏斗23の堆積物を撮影しうるカメラ50を設け、カメラ50の撮影画像により入口漏斗23上に穂切れ溜まりが発生した判定すると、駆動源31を自動的に作動させて穂先スライドガイド30により堆積物を移動させる構成としているので、入口漏斗23上の堆積物の移動操作を自動化でき、操作性を向上させられる。
請求項記載の発明では、穂先スライドガイド30は、穂先スライドガイド30と案内ガイド35の何れか一方にピニオンギヤ40を設け、何れか他方にラック41を設け、ピニオンギヤ40とラック41のにより機体走行方向に対して横方向にスライドさせる構成としているので、穂先スライドガイド30の作動構成を簡易構成にでき、安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの側面図。
図2】同平面図。
図3】穀稈供給口付近の縦断側面図。
図4】同平面図。
図5】穀稈供給口付近の他の実施形態の平面図。
図6】同側面図。
図7】入口漏斗付近の他の実施形態の平面図。
図8】同側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取装置、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンク、6はグレンタンク5の前側に設けた操縦部、7は操縦部6の操作席である(図1)。
前記刈取装置4は、最先端位置に立毛する穀稈を左右に分草する分草装置8を左右に並設し、各分草装置8の後側に分草装置8が分草した穀稈を引起す引起装置9を設け、引起装置9の後側には刈刃10を設け、刈刃10の上方の後側には刈刃10によって刈り取った刈取後の穀稈を後方の脱穀装置3にまで搬送する刈取穀稈搬送装置11を設ける(図1)。
【0009】
刈取穀稈搬送装置11の終端には、脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置15のフィードチェン18の始端部を臨ませる。
刈取穀稈搬送装置11が搬送した穀稈はフィードチェン18の始端部に引き継がれ、引き継がれた穀稈の主として穂先側が、脱穀装置3の前板20に設けられた穀稈供給口21から脱穀装置3の扱室22内に供給される。
穀稈供給口21の前側下方には搬送穀稈の穂先側を受ける入口漏斗23を設ける。
この場合、刈取穀稈搬送装置11が搬送した穀稈の穂先側は弱く千切れやすいこと、高速作業・麦作業・雑草の多い圃場では引起装置9の引き起こしラグ(図示省略)による穂切れなどが入口漏斗23の穂先側に徐々に堆積し、穀稈供給口21への供給穀稈の詰まり・穂先搬送抵抗となることがあり、脱穀ロスの原因となることがある。
【0010】
本発明では、操縦部6の左側操作パネル25の立ち上がっている左側面26から入口漏斗23上に貯留している穂先・穂切れ堆積物を、フィードチェン18側に強制的に押し込む穂先スライドガイド30を設ける。
そのため、穂先スライドガイド30が刈取穀稈搬送装置11の穀稈搬送方向に対して交差方向のフィードチェン18側に移動することにより、入口漏斗23への穂先切れ物の堆積を防止でき、また、扱室22内での脱穀被処理物の詰まり発生を防止できる。
また、入口漏斗23の穂先スライドガイド30により除去することにより、刈取穀稈搬送装置11およびフィードチェン18の穂先搬送抵抗を抑制し、扱ぎ残りを防止し、脱穀負荷を低減させられる。
【0011】
また、穂先スライドガイド30を移動させる駆動源31を、左側操作パネル25から入口漏斗23の穂先側端のエリアに設置する。
駆動源31を、左側操作パネル25から入口漏斗23の穂先側端のエリアに設置しているので、左側操作パネル25側等から駆動源31に配線でき、穂先スライドガイド30の駆動構成を簡素にできる。
また、駆動源31は、穀稈供給口21の左右中間より左側操作パネル25側に寄った位置に設置しているので、穂先スライドガイド30の移動範囲を長く確保でき、堆積物除去効果を向上させられる。
また、フィードチェン18の搬送中の搬送穀稈中に穂先・穂切れ堆積物を、穂先スライドガイド30が押込み、搬送穀稈と共に扱室22内に取り込み、脱穀ロス発生を抑制できる。
【0012】
また、操縦部6の操作席7に着座した状態で穂先スライドガイド30の操作をでき、作業停止を防止できる。
横方向(交差方向)のスライド式穂先スライドガイド30で入口漏斗23の上にある刈取引継ぎゴムの穂先側を押して通路を狭くする構成としてもよい。刈脱引継ぎゴムは、左側操作パネル25側の縦壁から入口漏斗23上に垂下したゴムシートである。
そのため、入口漏斗23上の穀稈搬送空間を穂先スライドガイド30が左移動することにより、入口漏斗23上の空間がフィードチェン18側に狭くなり、狭くすることにより、搬送穀稈の株元寄りの部分で藁屑が扱室22内に押し込まれるため、藁だまりの解消が期待できる。
また、操縦部6の操作席に乗った状態で、穂先スライドガイド30の操作をでき、これにより、入口漏斗23に堆積物が溜まることによる作業停止を防止できる。
【0013】
また、入口漏斗23への穂先切れ堆積防止でき、脱穀詰まりを防止する。
また、穂先搬送抵抗を抑制し、扱ぎ残りを防止し、脱穀負荷を低減させられる。
穂先スライドガイド30は横方向に手動操作により案内ガイド35の横長のスライド孔内をスライドする構成とし、所望位置にて固定具(ノブボルト)にて位置固定させる構成とすると、穂先スライドガイド30の作動構成を簡易構成にでき、安価に提供できる。
図4は穂先スライドガイド30の移動機構を示し、穂先スライドガイド30と案内ガイド35の何れか一方にピニオンギヤ40を設け、何れか他方にラック41を設け、ピニオンギヤ40とラック41の作用により穂先スライドガイド30を横方向(交差方向)にスライドさせる構成とする。
そのため、操縦部6の操作席7に乗った状態で穂先スライドガイド30の操作ができ、作業停止となるのを防止する。
【0014】
穂先スライドガイド30は操縦部6に設けたガイド操作スイッチ45により駆動源31を駆動させて行う構成としている。
そのため、操縦部6の操作席7に着座した状態で穂先スライドガイド30のガイド操作でき、作業停止を防止できる。
また、入口漏斗23での穂先切れの堆積を防止でき、脱穀装置3の穀稈供給口21の詰まり発生を防止できる。
また、刈取穀稈搬送装置11とフィードチェン18による搬送穀稈の穂先側の搬送抵抗を抑制し、扱ぎ残り・脱穀負荷低減させられる。
ガイド操作スイッチ45は左側操作パネル25の後方の刈取・脱穀レバ-47(図1)の操作溝47A(図4)よりも後方の所定範囲(エリア)に設ける。
【0015】
そのため、、ガイド操作スイッチ45は可動する穂先スライドガイド30の位置が見やすい位置に設けられているので、穂先スライドガイド30の移動を視認しながらガイド操作スイッチ45の操作が可能になって、操作性を向上させられる。
なお、ガイド操作スイッチ45は左側操作パネル25の前側中央に設けてもよく、穂先スライドガイド30の移動状態が見やすく、操作席7に着座状態で容易に手が届き、操作性が向上させられる。
穂先スライドガイド30の穂先を案内する左側面48は機体に対して垂直面(鉛直面)に形成する。
そのため、正面視傾斜していると藁屑が逃げてしまうことがあるが、垂直面とすることで、面全体が堆積物に当接し、確実な押し込みが期待できる。
【0016】
また、操縦部6の操作席7に着座した状態で穂先スライドガイド30の操作を行うことができ、操作性を向上させられる。
また、入口漏斗23への穂先切れ堆積防止および脱穀詰まり防止することができる。
また、穂先搬送抵抗を抑制し、扱ぎ残り・脱穀負荷低減することができる。
穂先スライドガイド30の穂先を案内する前側左側面48Aは前から入口漏斗23の内側面に対して徐々に狭くなる形状に形成する(図2、3)。
そのため、徐々に搬送空間48Cを狭めるので、穂先スライドガイド30を設けることによる詰りを抑制する効果がある。
【0017】
また、穂先スライドガイド30は駆動源31により移動する構成とし、脱穀装置3の前板20の前方所定位置に入口漏斗23の堆積物を撮影しうるカメラ50を設け、カメラ50の撮影画像により入口漏斗23上に穂切れ溜まりが発生した判定すると、駆動源31を自動的に作動させて穂先スライドガイド30により堆積物を移動させる構成とする。
そのため、入口漏斗23上の堆積物の移動操作を自動化でき、操作性を向上させられる。
49は駆動源31を包囲するカバーであり、カバー49上にカメラ50を設けている。
【0018】
横方向にスライドする穂先スライドガイド30の位置調整および固定は駆動源31で行う電動機構構成とする。
そのため、ストッパー機構付きの駆動源31を採用することにより、穂先スライドガイド30の調節機構を簡単に構成できる。
また、前記カメラ50の画像による判定等により、穂切れなどの溜まりで脱穀負荷・回転ドロップが発生すると判定した場合、自動で駆動源31を作動させて穂先スライドガイド30をスライド移動させる構成としてもよい。
また、操縦部6の操作席7に着座した状態で穂先スライドガイド30の操作を行うことができ、操作性を向上させられる。
【0019】
また、入口漏斗23への穂先切れ堆積防止および脱穀詰まり防止することができる。
また、穂先搬送抵抗を抑制し、扱ぎ残り・脱穀負荷低減することができる。
刈取装置4で刈取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11で後方に搬送しながら穀稈を機体左右方向に水平にし、フィードチェン18に引き継ぐ構成とし、脱穀装置3の穀稈供給口21の前で、刈取穀稈搬送装置11の上方に、搬送通路にせり出す支持部材55を設ける(図5)。
支持部材55は鉄板などの剛体により形成し、略水平に刈取穀稈搬送装置11の上方にせり出して設ける。
【0020】
そのため、支持部材55が穀稈を下側から受け止めることにより、刈取穀稈搬送装置11に保持されず、搬送される穀稈の上に載って穀稈供給口21に運ばれる穀稈などが、脱穀機入口の前に堆積し、ボール状の塊になって搬送を阻害することを防止できる。
支持部材55は、ゴム板やばね材などの弾性体としてもよい。
そのため、支持部材55に弾性を付与することで、一時的に多量の穀稈が入ってきたときなど、円滑な搬送が期待でき、これにより、刈取穀稈搬送装置11に保持されず、搬送される穀稈の上に載って穀稈供給口21に運ばれる穀稈などが、脱穀機入口の前に堆積し、ボール状の塊になって搬送を阻害することを防止できる。
【0021】
また、支持部材55は、アクリル板等の透明部材により構成すると、作用状態を視覚で認識でき、異変に素早く気付くことができ、迅速な対応ができ、好適である。
刈取穀稈搬送装置11に保持されず、搬送される穀稈の上に載って脱穀装置3側に運ばれる穀稈などが、穀稈供給口21の前側に堆積し、ボール状の塊になって搬送を阻害することを防止できる。
支持部材55は、正面視において、フィードチェン18側ほど高くなるように傾斜させ、かつ、アクリル板等の透明部材により形成すると、入口漏斗23上の堆積物の押さえ効果を発揮でき、好適である。
【0022】
また、支持部材55は、入口漏斗23上の堆積物の存在により弾性変形しうるゴム板等の弾性部材により形成したり、あるいは、支持部材55を入口漏斗23上の堆積物の存在により弾性的に上下するようにばね材(図示省略)を介在させて取付けると、刈取穀稈搬送装置11に保持されず、搬送される穀稈の上に載って脱穀機側に運ばれる穀稈や千切れ屑などが、入口漏斗23上に堆積してボール状の塊になって搬送を阻害することを防止できる。
また、支持部材55は、正面視において、フィードチェン18側ほど高くなるように傾斜させてもよい。
なお、この場合、支持部材55を鉄板などの剛体とすると、入口漏斗23上の堆積物の押さえ効果を発揮でき、好適である。
【0023】
支持部材55は穀稈供給口21側ほど高くなるようにせり出し、部材は鉄板などの剛体とする。
そのため、刈取穀稈搬送装置11に保持されず、搬送される穀稈の上に載って脱穀機側に運ばれる穀稈や千切れ屑などが、入口漏斗23上に堆積してボール状の塊になって搬送を阻害することを防止できる。
支持部材55は、側面視において、穀稈供給口21側ほど高くなるようにせり出し、かつ、アクリル板等の透明部材により形成すると、刈取穀稈搬送装置11により保持されず、搬送される穀稈の上に載って穀稈供給口21側に運ばれる穀稈などが、穀稈供給口21の前に堆積し、ボール状の塊になって搬送を阻害することを防止できる。
また、支持部材55を透明部材とすることで、操縦部6の操作席7から穀稈搬送の様子を見て、異変に素早く気付くことができ、迅速な対応が可能となる。
【0024】
また、支持部材55は、側面視において、脱穀入口側ほど高くなるように傾斜させ、ゴムやばね材などの弾性体により形成すると、刈取穀稈搬送装置11により保持されず、搬送される穀稈の上に載って穀稈供給口21側に運ばれる穀稈などが、穀稈供給口21の前に堆積し、ボール状の塊になって搬送を阻害することを防止できる。
側面視において、穀稈供給口21の前方で入口漏斗23の上方、かつ、フィードチェン18の始端付近の上方に棒状部材60の基部を取付ける。
棒状部材60はばね板やゴムホースなどの弾性体で形成する。
そのため、入口漏斗23上に穀稈などが堆積しているときに、旋回時など刈取装置4を上げると、棒状部材60が穀稈供給口21に入り込み、堆積物をこぎ胴に向けて押し、扱室22内に堆積物を取り込むことで定期的に取り除くことができる。
【0025】
また、穀稈供給口21内で、棒状部材60が入り込む部分の上方に、傾斜面61を設ける。
そのため、棒状部材60の基部上方に傾斜面61を設けることで、押し込んだ堆積物を、扱胴65の作用域部に効率的に導くことができる。
刈取装置4で刈取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11により後方に搬送しながら穀稈を正面視において機体左右方向に水平に倒し、刈取穀稈搬送装置11からフィードチェン18に引き継ぐ構成とし、穀稈供給口21内で、入口漏斗23の右側板72で、扱胴65の前にばね板70を設ける。ばね板70は側面視において略水平に設け、後方ほどフィードチェン18側にせり出した形状に形成する(図5、6)。
そのため、フィードチェン18により保持されず、搬送穀稈によって押されて穀稈供給口21に入ってきた穀稈や藁屑が、扱胴65の始端部に来た場合に、ばね板70の弾性力の作用でフィードチェン18側に押し出すことで、フィードチェン18により搬送される穀稈の作用を受けやすくし、扱室22に取り込みやすくすることができ、入口漏斗23上での藁屑の堆積を防止できる。
【0026】
ばね板70は略水平に設け、平面視において、後方ほどフィードチェン18側にせり出し、後端はややフレーム部材59側に入り込んだ形状に形成する。
そのため、フィードチェン18に保持されず、搬送される穀稈によって押されて脱穀入口に入ってきた穀稈や藁屑が、こぎ胴手前に来た場合に、ばね板70の作用でフィードチェン18側に押し出すことで、フィードチェン18により搬送される穀稈の扱室22への搬送作用を受けやすくし、扱室22に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止できる。
穀稈供給口21内で、入口漏斗23の右側板72で、扱胴65の前にばね板70を設け、ばね板70は後方が下がるように設け、後方ほどフィードチェン18側にせり出した形状に形成する。
【0027】
フィードチェン18に保持されず、搬送される穀稈によって押されて脱穀入口に入ってきた穀稈や藁屑が、こぎ胴手前に来た場合に、ばねの作用でフィードチェン側に押し出すことで、搬送される穀稈の作用を受けやすくし、こぎ胴に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止できる。
ばね板70は後方が上がるように設け、後方ほどフィードチェン18側にせり出した形状に形成する。
脱穀フィードチェンに保持されず、搬送される穀稈によって押されて脱穀入口に入ってきた穀稈や藁屑が、こぎ胴手前に来た場合に、ばねの作用でフィードチェン側に押し出すことで、搬送される穀稈の作用を受けやすくし、こぎ胴に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止できる。
【0028】
刈取装置4で刈取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11により後方に搬送しながら穀稈を正面視において機体左右方向に水平に倒し、刈取穀稈搬送装置11からフィードチェン18に引き継ぐ構成とし、穀稈供給口21内で、入口漏斗23の右側板72で、扱胴65の前にピアノ線部材を設け、ピアノ線部材は後方が上がるように設け、後方ほどフィードチェン側にせり出した形状に形成する。
脱穀フィードチェンに保持されず、搬送される穀稈によって押されて脱穀入口に入ってきた穀稈や藁屑が、こぎ胴手前に来た場合に、ピアノ線部材のばねの作用でフィードチェン側に押し出すことで、搬送される穀稈の作用を受けやすくし、こぎ胴に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止できる。
【0029】
刈取装置4で刈取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11により後方に搬送しながら穀稈を正面視において機体左右方向に水平に倒し、刈取穀稈搬送装置11からフィードチェン18に引き継ぐ構成とし、穀稈供給口21内で、入口漏斗23の右側板72で、扱胴65の前にばね板70を設け、ばね板70は後方が下がるように設け、後方ほどフィードチェン18側にせり出した形状に形成する。
そのため、脱穀フィードチェンに保持されず、搬送される穀稈によって押されて脱穀入口に入ってきた穀稈や藁屑が、こぎ胴手前に来た場合に、ばねの作用でフィードチェン側に押し出すことで、搬送される穀稈の作用を受けやすくし、こぎ胴に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止できる。
また、穀稈供給口21内で、ばね板70部分の上方に、傾斜面76を設ける。
そのため、傾斜面76を設けることで、押し込んだ堆積物を、扱胴65の作用部に効率的に導くことができる。
【0030】
刈取装置4で刈取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11で後方に搬送しながら穀稈を機体左右方向に水平にし、フィードチェン18に引き継ぐ構成とし、穀稈供給口21内で、入口漏斗23の右側板72で、扱胴65の前にピアノ線部材75を設け、ピアノ線部材75は略水平に設け、後方ほどフィードチェン側にせり出した形状に形成する。
そのため、フィードチェン18により保持されず、搬送される穀稈によって押されて穀稈供給口21に入ってきた穀稈や藁屑が、扱胴65手前に来た場合に、ピアノ線ピアノ線部材75のばねの作用でフィードチェン18側に押し出すことで、搬送される穀稈の作用を受けやすくし、扱胴65に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止できる。
【0031】
刈取装置4で刈取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11で後方に搬送しながら穀稈を機体左右方向に水平にし、フィードチェン18に引き継ぐ構成とし、穀稈供給口21内で、入口漏斗23の右側板72で、扱胴65の前にピアノ線部材75を設け、ピアノ線部材75は後方が下がるように設け、後方ほどフィードチェン18側にせり出した形状に形成する。
そのため、フィードチェン18に保持されず、搬送される穀稈によって押されて穀稈供給口21に入ってきた穀稈や藁屑が、扱胴65手前に来た場合に、ピアノ線部材75のばねの作用でフィードチェン18側に押し出すことで、搬送される穀稈の作用を受けやすくし、扱胴65に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止できる。
この場合、ピアノ線部材75は図5に示すばね板70に代えて設けることができる。
【0032】
刈取装置4で刈取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11で後方に搬送しながら穀稈を機体左右方向に水平にし、フィードチェン18に引き継ぐ構成とし、穀稈供給口21内で、入口漏斗23の右側板72で、扱胴65の前にピアノ線部材75を設け、ピアノ線部材75は後方が下がるように設け、後方ほどフィードチェン側にせり出した形状に形成し、穀稈供給口21内で、ピアノ線部材75部分の上方に、傾斜面76を設ける。
そのため、フィードチェン18に保持されず、搬送される穀稈によって押されて穀稈供給口21に入ってきた穀稈や藁屑が、扱胴65手前に来た場合に、ピアノ線部材75のばねの作用でフィードチェン18側に押し出すことで、搬送される穀稈の作用を受けやすくし、扱胴65に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止でき、また、傾斜面傾斜面76を設けることで、押し込んだ堆積物を、扱胴65の作用域に効率的に導くことができる。
【0033】
刈取装置4で刈取った穀稈を刈取穀稈搬送装置11で後方に搬送しながら穀稈を機体左右方向に水平にし、フィードチェン18に引き継ぐ構成とし、穀稈供給口21内で、入口漏斗23の右側板72で、扱胴65の前にピアノ線部材75を設け、ピアノ線部材75は略水平に設け、後方ほどフィードチェン18側にせり出し、後端はやや右側板72側に入り込んだ形状に形成する。
そのため、フィードチェン18に保持されず、搬送される穀稈によって押されて穀稈供給口21に入ってきた穀稈や藁屑が、扱胴65手前に来た場合に、ピアノ線部材75のばねの作用でフィードチェン18側に押し出すことで、搬送される穀稈の作用を受けやすくし、扱胴65に取り込みやすくすることができ、藁屑の堆積を防止できる。
【符号の説明】
【0034】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、8…分草装置、9…引起装置、10…刈刃、11…穀稈搬送装置、18…フィードチェン、20…前板、21…穀稈供給口、22…扱室、23…入口漏斗、25…左側操作パネル、30…穂先スライドガイド、31…駆動源、35…案内ガイド、40…ピニオンギヤ、41…ラック、45…ガイド操作スイッチ、47…刈取・脱穀レバ-、48…左側面、50…カメラ、55…支持部材、59…フレーム部材、60…棒状部材、61…傾斜面、65…扱胴、70…ばね板、71…取付け側板、72…右側板、75…ピアノ線部材、76…傾斜面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8