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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
B41J2/01 207
B41J2/01 451
B41J2/01 301
B41J2/01 205
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020199369
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022087440
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 雅和
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-297287(JP,A)
【文献】特開2019-155114(JP,A)
【文献】国際公開第2018/110153(WO,A1)
【文献】特開2008-229952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の搬送方向に直交する直交方向に移動しながら前記記録媒体に対して複数のノズルからインクを吐出させることで印刷画像を形成するインクジェットヘッドと、
前記搬送方向および前記直交方向の一方における前記インクジェットヘッドの上流側に配置され、画像形成領域を撮像する第1撮像部と、
前記一方における前記インクジェットヘッドの下流側に配置され、前記画像形成領域を撮像する第2撮像部と、
前記第1撮像部により撮像された第1撮像画像と、前記第2撮像部により撮像された第2撮像画像との差分に基づいて、前記複数のノズルのうちインク吐出不良が発生したノズルを検出する検出部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記一方は、前記搬送方向である、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記一方は、前記直交方向である、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1撮像部は、前記インクジェットヘッドによって前記画像形成領域にテスト画像が形成される前に、前記画像形成領域を撮像し、
前記第2撮像部は、前記インクジェットヘッドによって前記画像形成領域に前記テスト画像が形成された後に、前記画像形成領域を撮像する、
請求項1~3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記インクジェットヘッドは、画像データに基づいて前記記録媒体に前記印刷画像を形成し、
前記検出部により検出されたノズルのインク吐出不良の影響が抑制されるように、前記画像データを補正する補正部を備える、
請求項1~の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補正部は、前記検出部により検出されたノズルによるインク吐出が行われないように、かつ当該インクの非吐出が当該ノズルの隣接ノズルからのインク吐出量の増加により補完されるように、前記画像データを補正する、
請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記記録媒体は、布部材である、
請求項1~の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1撮像部および前記第2撮像部は、可視光カメラである、
請求項1~の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1撮像部および前記第2撮像部は、赤外線カメラである、
請求項1~の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成領域は、前記記録媒体上に設けられる、
請求項1~の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成領域は、前記記録媒体を搬送する搬送体上に設けられる、
請求項1~の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送装置により搬送される記録媒体に対し、複数個配列されたノズルのノズル開口部からインクを吐出することにより記録媒体上に画像を形成するインクジェット画像形成装置がある。このインクジェット画像形成装置では、ノズルの目詰まりなどにより、ノズル開口部からのインク吐出量が当初の値から減少して更には完全に吐出されなくなったり、或いは、吐出される方向が変化したりするといったインク吐出不良(ノズル欠とも言う)が生じ得る。
【0003】
インクジェット画像形成装置では、このようなインク吐出不良が形成画像の質の低下に繋がる。そこで従来、インクジェット画像形成装置では、定期的にノズル開口部からのインクの吐出状態(着弾状態)の検査が行われている。このインクの吐出状態の検査には、記録媒体上に形成されたテスト画像を撮像し、当該撮像データを解析する方法のものがある。この方法では、従来、各ノズル開口部から各々別個にインクを吐出させて当該インクの吐出有無や濃度を調べることで、各ノズル開口部からのインク吐出不良を判定し、インク吐出不良が発生したノズルを検出している。
【0004】
特許文献1には、着弾位置ずれを検出する調整用パターンを搬送ベルト上に形成し、パターン読取りセンサーにおいて調整パターンに光を照射して調整パターンからの正反射光を受光して調整パターンを読取り、調整パターンの読取り結果に基づいて記録ヘッドから吐出される液滴の着弾位置を補正する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-229952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、搬送ベルト上に傷やインクおよび異物等の汚れが付着している場合、パターン読取りセンサーが当該傷や汚れを誤検知してしまい、すなわち調整パターンを精度良く読み取れない結果、インク吐出不良が発生したノズルを正確に検出することが困難になるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、インク吐出不良が発生したノズルを正確に検出することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、
記録媒体の搬送方向に直交する直交方向に移動しながら前記記録媒体に対して複数のノズルからインクを吐出させることで印刷画像を形成するインクジェットヘッドと、
前記搬送方向および前記直交方向の一方における前記インクジェットヘッドの上流側に配置され、画像形成領域を撮像する第1撮像部と、
前記一方における前記インクジェットヘッドの下流側に配置され、前記画像形成領域を撮像する第2撮像部と、
前記第1撮像部により撮像された第1撮像画像と、前記第2撮像部により撮像された第2撮像画像との差分に基づいて、前記複数のノズルのうちインク吐出不良が発生したノズルを検出する検出部と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、インクの吐出状態を正確に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】インクジェット画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】ヘッドユニットの構成を示す模式図である。
図3】インクジェット画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。
図4】不良ノズルの検出に用いられるテストチャートの一例を示す図である。
図5】不良ノズル検出処理の例を示すフローチャートである。
図6】インクジェット画像形成装置を平面視した図である。
図7】インクジェット画像形成装置を平面視した図である。
図8】画像データの補正処理の例を示すフローチャートである。
図9】不良ノズル検出処理の例を示すフローチャートである。
図10】インクジェット画像形成装置を平面視した図である。
図11】インクジェット画像形成装置を平面視した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態におけるインクジェット画像形成装置1の概略構成を示す図である。図1に示すように、インクジェット画像形成装置1は、ベルト搬送装置2、ヘッドユニット3(キャリッジとも言う)、第1撮像部4および第2撮像部5を備えている。
【0013】
ベルト搬送装置2は、所定の間隔をおいて平行に配置された駆動ローラー21および従動ローラー22に亘って所定幅の無端状の搬送ベルト23(本発明の「搬送体」として機能)が張架されている。駆動ローラー21および従動ローラー22に架け渡された搬送ベルト23の表面(上面)は、記録媒体Pを密着させて載置する載置面とされている。なお、搬送ベルト23の表面には、搬送中の記録媒体Pを密着させるために、地張りと呼ばれる粘着剤が塗布されている。また、駆動ローラー21は、図示しない副走査モーターによって回転駆動される。
【0014】
ベルト搬送装置2では、駆動ローラー21が副走査モーターの回転駆動によって、図1中の反時計周り方向(回転矢印を参照)に所定速度で回転することにより、従動ローラー22との間に架け渡された搬送ベルト23を回転移動させる。かかる動作により、搬送ベルト23の表面に載置されている記録媒体Pは、副走査方向である図中の矢印A方向に向けて搬送される。
【0015】
記録媒体Pには、例えば、紙、布帛、プラスチックフィルム、ガラス板等、インクジェット画像形成処理に通常使用される記録媒体を使用することができる。記録媒体Pは、所定サイズに裁断されたシート状であっても良いし、ロール状に巻回された元巻から連続して繰り出される長尺状であっても良い。本実施の形態では、記録媒体Pは、布帛(布部材)である。
【0016】
ヘッドユニット3は、搬送ベルト23上の記録媒体Pが載置される面の上方に所定の間隔をおいて配設されており、その下面に設けられた多数のノズルからインク滴を吐出することにより、搬送ベルト23の回転移動によって搬送される記録媒体P上に所望の印刷画像を形成する。
【0017】
本実施の形態では、ヘッドユニット3は、間欠的に搬送される記録媒体Pの搬送方向と直交する主走査方向(直交方向)に往復移動するシャトル(マルチパス)型のヘッドユニットである。この場合、画像形成時に、搬送ベルト23は、待機状態と駆動状態とを繰り返す間欠動作を行うように、駆動ローラー21の回転駆動が制御される。
【0018】
図2は、ヘッドユニット3の構成を示す模式図である。ここでは、ヘッドユニット3のうち搬送ベルト23の表面(搬送面)と対向する面が示されている。
【0019】
ヘッドユニット3は、取付部材114に取り付けられた4つのインクジェットヘッド112を備える。インクジェットヘッド112の各々には、インクを貯留する圧力室と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、ノズル113とを各々有する複数の記録素子が設けられている。この記録素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズル113からインクを吐出する。
【0020】
インクジェットヘッド112では、記録媒体Pの搬送方向と直交する方向(すなわちX方向)に等間隔に配列されたノズル113からなる2つのノズル列が形成されている。これら2つのノズル列は、ノズル113の配置位置が、各ノズル列におけるノズル113の配置間隔の2分の1だけX方向について互いにずれるように設けられている。
【0021】
なお、インクジェットヘッド112が有するノズル列の数は、2つではなく、1つまたは3つ以上であっても良い。また、ヘッドユニット3が有するインクジェットヘッド112の数は、4つでなく、3つ以下または5つ以上であっても良い。
【0022】
第1撮像部4は、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の上流側に配置され、搬送ベルト23の表面を撮像する。本実施の形態では、第1撮像部4は、波長が例えば400nm~700nmの可視光領域を撮像するカラーCCDカメラ(可視光カメラ)により構成されている。なお、第1撮像部4は、波長が例えば700nm~2500nmの近赤外領域を撮像するCCDカメラ(赤外線カメラ)により構成されても良い。
【0023】
第2撮像部5は、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の下流側に配置され、搬送ベルトPの表面を撮像する。本実施の形態では、第2撮像部5は、波長が例えば400nm~700nmの可視光領域を撮像するカラーCCDカメラ(可視光カメラ)により構成されている。なお、第2撮像部5は、波長が例えば700nm~2500nmの近赤外領域を撮像するCCDカメラ(赤外線カメラ)により構成されても良い。
【0024】
図3は、インクジェット画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。インクジェット画像形成装置1は、制御部100、インクジェットヘッド駆動部110、搬送駆動部120、第1撮像部4および第2撮像部5を備える。なお、制御部100は、本発明の「検出部」および「補正部」として機能する。
【0025】
制御部100は、CPU101(Central Processing Unit)、RAM102(Random Access Memory)、ROM103(Read Only Memory)および記憶部104を有する。
【0026】
CPU101は、ROM103に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM102に記憶させ、当該プログラムを実行して各種の演算処理を行う。また、CPU101は、インクジェット画像形成装置1の全体動作を統括的に制御する。
【0027】
RAM102は、CPU101に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。なお、RAM102は、不揮発性メモリーを含んでいても良い。
【0028】
ROM103は、CPU101により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM103に代えて、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられても良い。
【0029】
記憶部104には、入出力インターフェース130を介して外部装置6から入力されたプリントジョブ(画像形成命令)および当該プリントジョブに係る画像データが記憶される。記憶部104としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されても良い。
【0030】
インクジェットヘッド駆動部110は、制御部100の制御に基づいてインクジェットヘッド112に対して適切なタイミングで画像データに応じた駆動信号を供給することにより、インクジェットヘッド112のノズル113から画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
【0031】
搬送駆動部120は、制御部100の制御に基づいて駆動ローラー21の副走査モーターに駆動信号を供給することにより、搬送ベルト23を所定の速度およびタイミングで回転移動させる。
【0032】
入出力インターフェース130は、外部装置6と制御部100との間におけるデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース130は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースの何れか、または、これらの組み合わせで構成される。
【0033】
外部装置6は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース130を介して画像形成命令(プリントジョブ)および画像データ等を制御部100に供給する。
【0034】
第1撮像部4は、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の上流側において搬送ベルト23の表面を撮像する。そして、第1撮像部4は、搬送ベルト23の表面の撮像結果を制御部100に出力する。
【0035】
第2撮像部5は、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の下流側において搬送ベルト23の表面を撮像する。そして、第2撮像部5は、搬送ベルト23の表面の撮像結果を制御部100に出力する。
【0036】
ところで、インクジェットヘッド112では、ノズル113の形成時の加工ばらつき、圧電素子の特性ばらつき、ノズル113の詰まり、またはノズル開口部への異物の付着による閉塞などに起因してインク吐出不良のノズル113(不良ノズル)が発生する場合がある。
【0037】
インクジェット画像形成装置1では、このようなインク吐出不良が印刷画像の質の低下に繋がる。そこで、インクジェット画像形成装置1では、定期的にノズル開口部からのインクの吐出状態の検査が行われる。具体的には、インクジェット画像形成装置1は、各ノズル開口部から各々別個にインクを吐出させて搬送ベルト23上にテストチャートを形成した後、当該テストチャートを撮像し、その撮像データを解析することによって当該インクの吐出有無や濃度を調べて不良ノズルを検出する。
【0038】
次に、インクジェット画像形成装置1における不良ノズルの検出方法について説明する。
【0039】
本実施の形態におけるインクジェット画像形成装置1では、所定のタイミングで、またはユーザーによる操作表示部(図示せず)に対する所定の入力操作に基づいて不良ノズルの検出が行われる。不良ノズルの検出は、搬送ベルト23に所定のテストチャート(本発明の「テスト画像」に対応)を形成し、このテストチャートを撮像して得られた撮像データを解析することにより行われる。
【0040】
この不良ノズル検出処理は、ユーザーにより操作表示部に対して不良ノズル検出の実行を指示する所定の入力操作が行われた場合に実行される。また、不良ノズル検出処理は、例えばインクジェット画像形成装置1の製造時や出荷時、あるいはインクジェット画像形成装置1により所定枚数の記録媒体Pへの画像形成が行なわれたときといった所定のタイミングで実行されても良い。
【0041】
図4は、不良ノズルの検出に用いられるテストチャートの一例を示す図である。図4に示されるテストチャート60は、ヘッドユニット3により搬送ベルト23に形成された画像であり、搬送方向に延びる複数のライン61からなるラインパターンを含む。
【0042】
図4には、テストチャート60のうち一つのインクジェットヘッド112(8つのノズル113)により形成された部分が示されている。ヘッドユニット3の他のインクジェットヘッド112によっても同様のラインパターンが形成される。
【0043】
テストチャート60の各ライン61は、記録媒体Pの搬送方向(図4中の左右方向)に搬送ベルト23を移動させるとともに当該搬送方向と直交する方向(図4中の上下方向)にヘッドユニット3を移動させながら、ヘッドユニット3の単一のノズル113から吐出されたインクにより形成されている。
【0044】
このテストチャート60における複数のライン61の各々は、複数のノズル113の何れか一つと対応するため、テストチャート60の撮像データにおいて特定のライン61に異常が認められる場合に、当該特定のライン61と対応するノズル113を不良ノズルとして特定することができる。例えば、テストチャート60の撮像データにおいて図4に示されるライン61aが欠損している場合には、当該ライン61aと対応するノズル113がインクを吐出しない不良ノズルとして特定される。
【0045】
また、テストチャート60の撮像データにおいて特定のライン61の濃度が所定の基準範囲の範囲外となっている場合には、当該特定のライン61と対応するノズル113がインクの吐出量に異常がある不良ノズルとして特定される。
【0046】
また、テストチャート60の撮像データにおいて特定のライン61がノズル113の位置と対応した所定の範囲内に形成されていない場合には、当該特定のライン61と対応するノズル113がインクの吐出方向に異常がある不良ノズルとして特定される。不良ノズルが特定されると、不良ノズルのヘッドユニット3における配列番号を示す不良ノズルデータが制御部100の記憶部104に記憶される。
【0047】
不良ノズルが特定された後に、プリントジョブが記憶部104に記憶され、プリントジョブに係る印刷画像を記録媒体Pに形成する画像形成動作が行われる場合には、不良ノズルデータが参照され、不良ノズルのインク吐出不良が補完されるように(言い換えると、インク吐出不良の影響が抑制されるように)画像データが補正される。そして、当該補正された画像データに基づいて印刷画像の形成が行われる。これにより、不良ノズルがある場合においても適正な画質で画像を形成することができる。
【0048】
次に、不良ノズルを検出する不良ノズル検出処理、および不良ノズルの検出結果を用いた画像データの補正処理について、より具体的に説明する。
【0049】
図5は、不良ノズル検出処理の例を示すフローチャートである。この不良ノズル検出処理は、インクジェット画像形成装置1により記録媒体Pへの画像形成が行なわれるタイミングで実行される。
【0050】
図6は、不良ノズル検出処理が実行される前のインクジェット画像形成装置1を平面視した図である。図6に示すように、ヘッドユニット3は、記録媒体Pの搬送方向Bと直交する主走査方向A(直交方向)において、搬送ベルト23の外側(図中の右側)に位置している。搬送ベルト23上には、主走査方向Aに沿って、ヘッドユニット3により印刷画像が形成される記録媒体P上の印刷画像形成領域140と、ヘッドユニット3によりテストチャート60が形成される搬送ベルト23上のテストチャート形成領域150(本発明の「画像形成領域」に対応)とが設けられる。第1撮像部4は、記録媒体Pの搬送方向Bにおけるテストチャート形成領域150の上流側に配置される。第2撮像部5は、記録媒体Pの搬送方向Bにおけるテストチャート形成領域150の下流側に配置される。
【0051】
まず、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を開始する(ステップS101)。次に、第1撮像部4は、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の上流側において、搬送ベルト23の表面のうち、テストチャート60が形成されていないテストチャート形成領域150を撮像する(ステップS102)。
【0052】
次に、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を停止する(ステップS103)。次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向A(往路方向)へのヘッドユニット3の移動を開始する(ステップS104)。
【0053】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、搬送ベルト23上のテストチャート形成領域150に対してテストチャート60を形成させる(ステップS105)。具体的には、制御部100は、記憶部104に記憶されたテストチャート60に係るテスト画像データをインクジェットヘッド駆動部110からインクジェットヘッド112に供給させることにより、ヘッドユニット3によりインクを吐出させてテストチャート形成領域150にテストチャート60を形成させる。
【0054】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、記録媒体P上の印刷画像形成領域140に対して印刷画像を形成させる(ステップS106)。具体的には、制御部100は、記憶部104に記憶された印刷画像に係る画像データをインクジェットヘッド駆動部110からインクジェットヘッド112に供給させることにより、ヘッドユニット3によりインクを吐出させて印刷画像形成領域140に印刷画像を形成させる。
【0055】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向A(往路方向)へのヘッドユニット3の移動を停止する(ステップS107)。図7は、主走査方向A(往路方向)へのヘッドユニット3の移動が停止した後のインクジェット画像形成装置1を平面視した図である。図7に示すように、ヘッドユニット3は、印刷画像形成領域140の一部を覆うように位置している。
【0056】
次に、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を開始する(ステップS108)。次に、第2撮像部5は、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の下流側において、搬送ベルト23の表面のうち、ステップS105(または後述するステップS120)にてテストチャート60が形成されたテストチャート形成領域150を撮像する(ステップS109)。
【0057】
次に、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を停止する(ステップS110)。次に、制御部100は、記録媒体Pへの印刷画像の形成処理が終了したか否かについて判定する(ステップS111)。
【0058】
判定の結果、記録媒体Pへの印刷画像の形成処理が終了した場合(ステップS111、YES)、インクジェット画像形成装置1は、図5における処理を終了する。一方、記録媒体Pへの印刷画像の形成処理が終了していない場合(ステップS111、NO)、制御部100は、画像データの補正処理を実行する(ステップS112)。画像データの補正処理については、図8を用いて後述する。
【0059】
次に、制御部100は、記録媒体Pへの復路印刷があるか否かについて判定する(ステップS113)。判定の結果、記録媒体Pへの復路印刷がない場合(ステップS113、NO)、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向A(往路方向)への移動開始位置にヘッドユニット3を移動させて戻す(ステップS114)。その後、処理はステップS101の前に戻る。
【0060】
一方、記録媒体Pへの復路印刷がある場合(ステップS113、YES)、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を開始する(ステップS115)。次に、第1撮像部4は、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の上流側において、搬送ベルト23の表面のうち、テストチャート60が形成されていないテストチャート形成領域150を撮像する(ステップS116)。
【0061】
次に、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を停止する(ステップS117)。次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向Aと逆方向(復路方向)へのヘッドユニット3の移動を開始する(ステップS118)。
【0062】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、記録媒体P上の印刷画像形成領域140に対して印刷画像を形成させる(ステップS119)。次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、搬送ベルト23上のテストチャート形成領域150に対してテストチャート60を形成させる(ステップS120)。
【0063】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向Aと逆方向(復路方向)へのヘッドユニット3の移動を停止する(ステップS121)。その後、処理はステップS108に遷移する。
【0064】
図8は、図7のステップS112に対応する画像データの補正処理の例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、制御部100は、所定の画像処理を行って、図7のステップS102(またはステップS116)にて第1撮像部4により撮像された第1撮像画像と、図7のステップS109にて第2撮像部5により撮像された第2撮像画像との差分を示す差分データを抽出する(ステップS201)。ここで、第1撮像画像と第2撮像画像との差分データは、仮に記録媒体P上に傷やインクおよび異物等の汚れが付着している場合であっても、当該傷や汚れの影響が除去されたテストチャート60の撮像結果を表している。
【0066】
次に、制御部100は、第1撮像画像と第2撮像画像との差分データに基づいて不良ノズルを検出する(ステップS202)。すなわち、制御部100は、テストチャート60の撮像データから異常が認められるライン61を特定し、当該ライン61に対応するノズル113を不良ノズルとして特定する。
【0067】
次に、制御部100は、検出された不良ノズルのヘッドユニット3における配列番号を示す不良ノズルデータを生成し記憶部104に記憶させる(ステップS203)。次に、制御部100は、記憶部104に記憶された不良ノズルデータに基づいて、ヘッドユニット3の次の往路方向または復路方向への移動に係る画像データを補正する(ステップS204)。すなわち、制御部100は、不良ノズルによるインク吐出が行われないように、かつ当該インクの非吐出が隣接ノズルからのインク吐出量の増加により補完されるように、画像データを補正する。最後に、制御部100は、補正後の画像データを記憶部104に記憶させる(ステップS205)。ステップS205の処理が完了することによって、インクジェット画像形成装置1は、図8における処理を終了する。
【0068】
以上詳しく説明したように、本実施の形態におけるインクジェット画像形成装置1は、 記録媒体Pの搬送方向に直交する直交方向に移動しながら記録媒体Pに対して複数のノズル113からインクを吐出させることで印刷画像を形成するインクジェットヘッド112と、搬送方向におけるインクジェットヘッド112の上流側に配置され、テストチャート形成領域150(画像形成領域)を撮像する第1撮像部4と、搬送方向におけるインクジェットヘッド112の下流側に配置され、テストチャート形成領域150を撮像する第2撮像部5と、第1および第2撮像部4,5の撮像結果に基づいて、複数のノズル113のうちインク吐出不良が発生したノズルを検出する制御部100(検出部)とを備える。
【0069】
具体的には、第1撮像部4は、インクジェットヘッド112によってテストチャート形成領域150にテストチャート60(テスト画像)が形成される前に、テストチャート形成領域150を撮像する。第2撮像部5は、インクジェットヘッド112によってテストチャート形成領域150にテストチャート60が形成された後に、テストチャート形成領域150を撮像する。そして、制御部100は、第1撮像部4により撮像された第1撮像画像と、第2撮像部5により撮像された第2撮像画像との差分に基づいて、インク吐出不良が発生したノズルを検出する。
【0070】
このように構成した本実施の形態によれば、第1撮像画像と第2撮像画像との差分データに基づいてインク吐出不良が発生したノズルが検出される。ここで、第1撮像画像と第2撮像画像との差分データは、仮に搬送ベルト23上に傷やインクおよび異物等の汚れが付着している場合であっても、当該傷や汚れの影響が除去されたテストチャート60の純粋な撮像結果を表している。そのため、従来技術(例えば、上記特許文献1に記載の技術)のように、仮に搬送ベルト23上に傷やインクおよび異物等の汚れが付着している場合に当該傷や汚れを誤検知してしまう、すなわちテストチャート60を精度良く読み取れないことを防止し、ひいてはインク吐出不良が発生したノズルを正確に検出することができる。特に記録媒体Pと比べて搬送ベルト23上には凹凸が存在する、すなわち第1撮像画像と第2撮像画像との差分データにおいても当該凹凸が含まれ誤検知されるおそれが高い。そのため、インク吐出不良が発生したノズルをより正確に検出することができる。
【0071】
なお、上記実施の形態では、搬送ベルト23上において、ヘッドユニット3によりテストチャート60が形成されるテストチャート形成領域150が設けられる例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、記録媒体P上において、ヘッドユニット3によりテストチャート60が形成されるテストチャート形成領域150が設けられても良い。
【0072】
また、上記実施の形態では、第1撮像部4が、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の上流側に配置され、第2撮像部5が、記録媒体Pの搬送方向におけるヘッドユニット3の下流側に配置される例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、第1撮像部4が、記録媒体Pの搬送方向に直交する直交方向におけるヘッドユニット3の上流側に配置され、第2撮像部5が、当該直交方向におけるヘッドユニット3の下流側に配置されても良い。この配置構成における不良ノズル検出処理について、図9を参照しながら説明する。
【0073】
図9は、不良ノズル検出処理の例を示すフローチャートである。この不良ノズル検出処理は、インクジェット画像形成装置1により記録媒体Pへの画像形成が行なわれるタイミングで実行される。
【0074】
図10は、不良ノズル検出処理が実行される前のインクジェット画像形成装置1を平面視した図である。図10に示すように、ヘッドユニット3は、記録媒体Pの搬送方向Bと直交する主走査方向A(直交方向)において、記録媒体Pの外側(図中の右側)に位置している。第1撮像部4は、主走査方向Aにおけるヘッドユニット3の上流側に配置される。第2撮像部5は、主走査方向Aにおけるヘッドユニット3の下流側に配置される。
【0075】
まず、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を開始する(ステップS301)。次に、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を停止する(ステップS302)。
【0076】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向A(往路方向)へのヘッドユニット3の移動を開始する(ステップS303)。
【0077】
次に、第1撮像部4は、主走査方向A(往路方向)におけるヘッドユニット3の上流側において、搬送ベルト23の表面のうち、テストチャート60が形成されていないテストチャート形成領域150を撮像する(ステップS304)。
【0078】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、記録媒体P上のテストチャート形成領域150に対してテストチャート60を形成させる(ステップS305)。具体的には、制御部100は、記憶部104に記憶されたテストチャート60に係るテスト画像データをインクジェットヘッド駆動部110からインクジェットヘッド112に供給させることにより、ヘッドユニット3によりインクを吐出させてテストチャート形成領域150にテストチャート60を形成させる。
【0079】
次に、第2撮像部5は、主走査方向A(往路方向)におけるヘッドユニット3の下流側において、搬送ベルト23の表面のうち、ステップS304にてテストチャート60が形成されたテストチャート形成領域150を撮像する(ステップS306)。
【0080】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、記録媒体P上の印刷画像形成領域140に対して印刷画像を形成させる(ステップS307)。具体的には、制御部100は、記憶部104に記憶された印刷画像に係る画像データをインクジェットヘッド駆動部110からインクジェットヘッド112に供給させることにより、ヘッドユニット3によりインクを吐出させて印刷画像形成領域140に印刷画像を形成させる。
【0081】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向A(往路方向)へのヘッドユニット3の移動を停止する(ステップS308)。図11は、主走査方向A(往路方向)へのヘッドユニット3の移動が停止した後のインクジェット画像形成装置1を平面視した図である。図11に示すように、ヘッドユニット3は、印刷画像形成領域140の一部を覆うように位置している。
【0082】
次に、制御部100は、記録媒体Pへの印刷画像の形成処理が終了したか否かについて判定する(ステップS309)。
【0083】
判定の結果、記録媒体Pへの印刷画像の形成処理が終了した場合(ステップS309、YES)、インクジェット画像形成装置1は、図9における処理を終了する。一方、記録媒体Pへの印刷画像の形成処理が終了していない場合(ステップS309、NO)、制御部100は、画像データの補正処理を実行する(ステップS310)。
【0084】
画像データの補正処理については、図8に示すフローチャートと同様である。異なる処理としては、ステップS201についてのみである。すなわちステップS201において、制御部100は、図9のステップS304(またはステップS319)にて第1撮像部4により撮像された第1撮像画像と、図9のステップS306(またはステップS317)にて第2撮像部5により撮像された第2撮像画像との差分を示す差分データを抽出する。
【0085】
図9の説明に戻って、次に、制御部100は、記録媒体Pへの復路印刷があるか否かについて判定する(ステップS311)。判定の結果、記録媒体Pへの復路印刷がない場合(ステップS311、NO)、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向A(往路方向)への移動開始位置にヘッドユニット3を移動させて戻す(ステップS312)。その後、処理はステップS301の前に戻る。
【0086】
一方、記録媒体Pへの復路印刷がある場合(ステップS311、YES)、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を開始する(ステップS313)。次に、制御部100は、搬送駆動部120を制御し、搬送ベルト23の移動を停止する(ステップS314)。
【0087】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、主走査方向Aと逆方向(復路方向)へのヘッドユニット3の移動を開始する(ステップS315)。次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、記録媒体P上の印刷画像形成領域140に対して印刷画像を形成させる(ステップS316)。
【0088】
次に、第2撮像部5は、復路方向におけるヘッドユニット3の上流側において、搬送ベルト23の表面のうち、テストチャート60が形成されていないテストチャート形成領域150を撮像する(ステップS317)。
【0089】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、搬送ベルト23上のテストチャート形成領域150に対してテストチャート60を形成させる(ステップS318)。次に、第1撮像部4は、復路方向におけるヘッドユニット3の下流側において、搬送ベルト23の表面のうち、ステップS318にてテストチャート60が形成されたテストチャート形成領域150を撮像する(ステップS319)。
【0090】
次に、制御部100は、ヘッドユニット3を制御し、復路方向へのヘッドユニット3の移動を停止する(ステップS320)。その後、処理はステップS309に遷移する。
【0091】
また、上記実施の形態では、複数のライン61を含むテストチャート60を用いて不良ノズルを検出する例を用いて説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、テストチャート60の代わりに、各ノズル113により形成された階調パターンからなるグレーチャートを形成し、当該グレーチャートの読取結果における濃度むらから不良ノズルを検出しても良い。このようなグレーチャートによれば、ノズル113のインク吐出方向の異常を検出できるとともに、ノズル113のインク吐出量の異常を容易かつ適切に検出することができる。
【0092】
また、上記実施の形態では、搬送ベルト23が本発明の「搬送体」として機能する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、搬送ベルト23の代わりに、記録媒体Pを搬送する搬送胴が設けられる場合には、当該搬送胴が本発明の「搬送体」として機能しても良い。
【0093】
また、上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 インクジェット画像形成装置
2 ベルト搬送装置
3 ヘッドユニット
4 第1撮像部
5 第2撮像部
21 駆動ローラー
22 従動ローラー
23 搬送ベルト
60 テストチャート
100 制御部
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 記憶部
110 インクジェットヘッド駆動部
112 インクジェットヘッド
120 搬送駆動部
130 入出力インターフェース
140 印刷画像形成領域
150 テストチャート形成領域
P 記録媒体
図1
図2
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図5
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図11