(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240709BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020204529
(22)【出願日】2020-12-09
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】相良 俊介
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-071016(JP,A)
【文献】特開2003-303296(JP,A)
【文献】特開2002-269256(JP,A)
【文献】特開2020-166536(JP,A)
【文献】特開2018-205852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する方法であって、
複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両又は各ユーザを示す情報を記憶すること、及び
第1車両及び前記第1車両の第1ユーザの何れも利用権限を有さない第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車すると、前記第1ユーザに対する警告又は課金を実施すること
を含
み、
前記情報処理装置は、前記第1駐車スペースに前記第1車両が駐車すると、前記第1駐車スペースに駐車している前記第1車両から前記第1ユーザが降車した場合に前記第1ユーザに対する課金を実施する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記情報処理装置は、前記第1駐車スペースに前記第1車両が進入すると、前記第1ユーザに対する警告を実施する、方法。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の方法であって、
前記第1駐車スペースから前記第1車両までの距離が閾値未満になると、前記第1車両及び前記第1ユーザの何れも前記第1駐車スペースの利用権限を有さないことを前記第1ユーザに通知することを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1から
3の何れか一項に記載の方法であって、
前記情報処理装置は、前記第1車両又は前記第1ユーザが利用権限を有する第2駐車スペースに第2車両が駐車している場合、前記第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車しても、前記第1ユーザに対する課金を実施しない、方法。
【請求項5】
請求項
4に記載の方法であって、
前記第2車両及び前記第2車両の第2ユーザは、前記第2駐車スペースの利用権限を有さない車両及びユーザである、方法。
【請求項6】
請求項
5に記載の方法であって、
前記第2駐車スペースに前記第2車両が駐車している場合、前記第1駐車スペースに前記第1車両が駐車すると、前記第2ユーザに対する課金を実施することを更に含む、方法。
【請求項7】
記憶部及び制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両又は各ユーザを示す情報を前記記憶部に記憶し、
第1車両及び前記第1車両の第1ユーザの何れも利用権限を有さない第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車すると、前記第1ユーザに対する警告又は課金を実施
し、
前記制御部は、前記第1駐車スペースに前記第1車両が駐車すると、前記第1駐車スペースに駐車している前記第1車両から前記第1ユーザが降車した場合に前記第1ユーザに対する課金を実施する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項
7に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第1駐車スペースに前記第1車両が進入すると、前記第1ユーザに対する警告を実施する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項
7又は8に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第1駐車スペースから前記第1車両までの距離が閾値未満になると、前記第1車両及び前記第1ユーザの何れも前記第1駐車スペースの利用権限を有さないことを前記第1ユーザに通知する、情報処理装置。
【請求項10】
請求項
7から
9の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第1車両又は前記第1ユーザが利用権限を有する第2駐車スペースに第2車両が駐車している場合、前記第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車しても、前記第1ユーザに対する課金を実施しない、情報処理装置。
【請求項11】
請求項
10に記載の情報処理装置であって、
前記第2車両及び前記第2車両の第2ユーザは、前記第2駐車スペースの利用権限を有さない車両及びユーザである、情報処理装置。
【請求項12】
請求項
11に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2駐車スペースに前記第2車両が駐車している場合、前記第1駐車スペースに前記第1車両が駐車すると、前記第2ユーザに対する課金を実施する、情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータに、
複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両又は各ユーザを示す情報を記憶すること、及び
第1車両及び前記第1車両の第1ユーザの何れも利用権限を有さない第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車すると、前記第1ユーザに対する警告又は課金を実施すること
を実行さ
せ、
前記コンピュータは、前記第1駐車スペースに前記第1車両が駐車すると、前記第1駐車スペースに駐車している前記第1車両から前記第1ユーザが降車した場合に前記第1ユーザに対する課金を実施する、プログラム。
【請求項14】
請求項
13に記載のプログラムであって、
前記コンピュータは、前記第1駐車スペースに前記第1車両が進入すると、前記第1ユーザに対する警告を実施する、プログラム。
【請求項15】
請求項
13から
14の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、前記第1駐車スペースから前記第1車両までの距離が閾値未満になると、前記第1車両及び前記第1ユーザの何れも前記第1駐車スペースの利用権限を有さないことを前記第1ユーザに通知することを更に実行させる、プログラム。
【請求項16】
請求項
13から
15の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータは、前記第1車両又は前記第1ユーザが利用権限を有する第2駐車スペースに第2車両が駐車している場合、前記第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車しても、前記第1ユーザに対する課金を実施しない、プログラム。
【請求項17】
請求項
16に記載のプログラムであって、
前記第2車両及び前記第2車両の第2ユーザは、前記第2駐車スペースの利用権限を有さない車両及びユーザであり、
前記コンピュータに、前記第2駐車スペースに前記第2車両が駐車している場合、前記第1駐車スペースに前記第1車両が駐車すると、前記第2ユーザに対する課金を実施することを更に実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の駐車スペースの利用に関する技術が知られている。例えば特許文献1には、月極駐車場に不当に駐車している迷惑車両を報告した利用者に対して、駐車料金の一部として使用できるポイントを付与することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の駐車スペースの利用に関する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両の駐車スペースの利用に関する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両又は各ユーザを示す情報を記憶すること、及び
第1車両及び前記第1車両の第1ユーザの何れも利用権限を有さない第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車すると、前記第1ユーザに対する警告又は課金を実施することを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
記憶部及び制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両又は各ユーザを示す情報を前記記憶部に記憶し、
第1車両及び前記第1車両の第1ユーザの何れも利用権限を有さない第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車すると、前記第1ユーザに対する警告又は課金を実施する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両又は各ユーザを示す情報を記憶すること、及び
第1車両及び前記第1車両の第1ユーザの何れも利用権限を有さない第1駐車スペースに前記第1車両が進入し又は駐車すると、前記第1ユーザに対する警告又は課金を実施することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、車両の駐車スペースの利用に関する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】駐車スペースに関する情報の例を示す図である。
【
図5】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、車両10と、情報処理装置20と、を備える。車両10及び情報処理装置20は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0013】
車両10は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。車両10は、運転者によって運転されてもよい。車両10は、例えばSAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5等の自動運転が可能であってもよい。システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。車両10のユーザは、車両10に搭乗して又は遠隔から運転操作を実施する運転者であってもよく、車両10の乗員又は乗客であってもよい。車両10のユーザは、車両10の所有者であってもよく、車両10の借用者であってもよい。
【0014】
情報処理装置20は、例えばサーバ装置であるが、これに限られず任意のコンピュータであってもよい。情報処理装置20は、ネットワーク30を介して車両10と通信可能である。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両10又は各ユーザを示す情報を記憶する。そして情報処理装置20は、ある車両10(以下、「第1車両10」ともいう。)及び第1車両10のユーザ(以下、「第1ユーザ」ともいう。)の何れも利用権限を有さない第1駐車スペースに第1車両10が進入し又は駐車すると、第1ユーザに対する警告又は課金を実施する。
【0016】
このように、本実施形態によれば、第1車両10及び第1ユーザの何れも第1駐車スペースの利用権限を有さない場合において、第1駐車スペースに第1車両10が進入し又は駐車すると、第1ユーザに対する警告又は課金が実施される。このため、第1車両10による第1駐車スペースへのいわば不当な進入又は駐車が行われる蓋然性が低減し得る点で、車両10の駐車スペースの利用に関する技術が改善される。
【0017】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0018】
(車両の構成)
図2に示すように、車両10は、通信部11と、測位部12と、出力部13と、入力部14と、記憶部15と、制御部16と、を備える。
【0019】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、車両10は、通信部11及びネットワーク30を介して情報処理装置20と通信する。
【0020】
測位部12は、車両10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部12は、例えばGPSに対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。
【0021】
出力部13は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含む。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。ディスプレイは、映像を実像で出力するパネルディスプレイであってもよく、或いは映像を虚像で表示するヘッドアップディスプレイであってもよい。
【0022】
入力部14は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含む。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、出力部13のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイク、又はカメラ等であるが、これらに限られない。
【0023】
記憶部15は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部15に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部15は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部15は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部15に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0024】
制御部16は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部16は、車両10全体の動作を制御する。
【0025】
(情報処理装置の構成)
図3に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0026】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク30を介して車両10と通信する。
【0027】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
本実施形態において、記憶部22は、駐車スペースに関する情報を記憶する。駐車スペースに関する情報は、複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両10又は各ユーザを示す情報を含む。例えば
図4に示すように、駐車スペースに関する情報は、駐車スペースごとに「駐車スペースID」、「位置情報」、及び「利用権限情報」を含んでもよい。
【0029】
「駐車スペースID」は、駐車スペースを一意に識別する情報である。「位置情報」は、駐車スペースの位置を示す情報である。「利用権限情報」は、駐車スペースの利用権限を有する各車両10又は各ユーザを一意に識別する情報である。
【0030】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0031】
(情報処理装置の動作フロー)
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。
【0032】
ステップS100:情報処理装置20の制御部23は、複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両又は各ユーザを示す情報を記憶する。
【0033】
具体的には、制御部23は、例えば上述した駐車スペースに関する情報を記憶部22に記憶してもよい。本実施形態では、第1車両10、及び第1車両10のユーザである第1ユーザは、何れも第1駐車スペースの利用権限を有さない。一方、第1車両10及び第1ユーザの少なくとも一方は、第2駐車スペースの利用権限を有する。また、第2車両10、及び第2車両10のユーザである第2ユーザは、何れも第2駐車スペースの利用権限を有さない。また、本実施形態において第1駐車スペース及び第2駐車スペースは、例えば1つの駐車場等、所定のエリア内に存在する。
【0034】
ステップS101:制御部23は、第1駐車スペースから第1車両10までの距離が所定の閾値未満になったか否かを判定する。当該距離が閾値未満になったと判定された場合(ステップS101-Yes)、プロセスはステップS102に進む。一方、当該距離が閾値未満になっていないと判定された場合(ステップS101-No)、プロセスはステップS101を繰り返す。
【0035】
具体的には、制御部23は、通信部21を介して第1車両10から、第1車両10の位置情報を受信する。制御部23は、第1車両10の位置情報と、第1駐車スペースの位置情報と、に基づいて、第1駐車スペースから第1車両10までの距離を算出する。そして制御部23は、算出された当該距離が所定の閾値未満になったか否かを判定する。
【0036】
ステップS102:ステップS101で第1駐車スペースから第1車両10までの距離が所定の閾値未満になったと判定された場合(ステップS101-Yes)、制御部23は、第1車両10及び第1ユーザの何れも第1駐車スペースの利用権限を有さないことを第1ユーザに通知する。
【0037】
このように、第1駐車スペースの利用権限を有さないことが第1ユーザに通知されることによって、第1ユーザは、第1車両10が第1駐車スペースを利用してはいけないことを認識し得る。したがって、第1駐車スペースに近づいた第1車両10が不当に第1駐車スペースに進入し又は駐車する蓋然性が低減し得る。
【0038】
なお、車両10のユーザに対する情報の通知には、任意の手法が採用可能である。例えば、記憶部22は、各ユーザのメールアドレス又はユーザアカウントの情報を予め記憶してもよい。かかる場合、制御部23は、任意のユーザのメールアドレス又はユーザアカウントに対して情報を送信することによって、当該ユーザに対して当該情報を通知し得る。また例えば、記憶部22は、各ユーザが使用する端末装置又は車両10の情報を予め記憶してもよい。かかる場合、制御部23は、任意のユーザの端末装置又は車両10に対して情報を送信することによって、当該ユーザに対して当該情報を通知し得る。また例えば、制御部23は、第1駐車スペースの近傍に設けられたディスプレイ又はスピーカ等を介して情報を出力することにより、第1駐車スペースに近づいた車両10のユーザに対して当該情報を通知し得る。
【0039】
ステップS103:制御部23は、第1駐車スペースに第1車両10が進入したか否かを判定する。第1駐車スペースに第1車両10が進入したと判定された場合(ステップS103-Yes)、プロセスはステップS104に進む。一方、第1駐車スペースに第1車両10が進入していないと判定された場合(ステップS103-No)、プロセスはステップS103を繰り返す。
【0040】
ここで、駐車スペースに車両10が進入したか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部23は、時間経過に応じて変化する車両10の位置情報が、駐車スペースの位置情報と略一致した場合、当該駐車スペースに当該車両10が進入したと判定してもよい。また例えば、制御部23は、車両10に搭載されたドライブレコーダ等の車載カメラ、又は駐車スペースの近傍に設けられた監視カメラ等から、通信部21を介して当該駐車スペースの映像を受信してもよい。かかる場合、制御部23は、受信された映像を用いて、例えば画像認識等の所定の画像処理を実施することにより、当該駐車スペースに当該車両10が進入したか否かを判定する。
【0041】
ステップS104:ステップS103で第1駐車スペースに第1車両10が進入したと判定された場合(ステップS103-Yes)、制御部23は、第1ユーザに対する警告を実施する。
【0042】
具体的には、制御部23は、所定の警告情報を第1ユーザに通知する。警告情報は、例えば第1車両10が第1駐車スペースに駐車すると第1ユーザに対する課金が実施され得ることを警告するメッセージを含む。しかしながら、警告情報の内容は当該例に限られず、任意に定められてもよい。
【0043】
ステップS105:制御部23は、第1駐車スペースに第1車両10が駐車したか否かを判定する。第1駐車スペースに第1車両10が駐車したと判定された場合(ステップS105-Yes)、プロセスはステップS106に進む。一方、第1駐車スペースに第1車両10が駐車していないと判定された場合(ステップS105-No)、プロセスはステップS105を繰り返す。
【0044】
ここで、駐車スペースに車両10が駐車したか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部23は、車両10の位置情報と駐車スペースの位置情報とが略一致している状態が所定時間継続すると、当該駐車スペースに当該車両10が駐車したと判定してもよい。また例えば、制御部23は、車両10の位置情報と駐車スペースの位置情報とが略一致している状態で、通信部21を介して当該車両10から駐車したことを示す情報を受信すると、当該駐車スペースに当該車両10が駐車したと判定してもよい。
【0045】
ステップS106:ステップS105で第1駐車スペースに第1車両10が駐車したと判定された場合(ステップS105-Yes)、制御部23は、第2駐車スペースに第2車両10が駐車しているか否かを判定する。第2駐車スペースに第2車両10が駐車していると判定された場合(ステップS106-Yes)、プロセスはステップS107に進む。一方、第2駐車スペースに第2車両10が駐車していないと判定された場合(ステップS106-No)、プロセスはステップS108に進む。
【0046】
上述したように、第2車両10及び第2ユーザは、何れも第2駐車スペースの利用権限を有さない。したがってステップS106では、第2駐車スペースに第2車両10が不当に駐車しているか否かが判定される。
【0047】
ステップS107:ステップS106で第2駐車スペースに第2車両10が駐車していると判定された場合(ステップS106-Yes)、制御部23は、第2ユーザに対する課金を実施する。その後、プロセスは終了する。
【0048】
ここで、ユーザに対する課金の実施には、任意の手法が採用可能である。例えば、記憶部22は、各ユーザの決済情報を予め記憶してもよい。決済情報は、例えば口座情報又はクレジットカード情報等を含み得るが、これらに限られない。制御部23は、ユーザの決済情報に基づいて、ユーザに対する課金処理の実施を銀行又はクレジットカード会社等のサーバに要求してもよい。
【0049】
上述したように、第1車両10及び第1ユーザの少なくとも一方は、第2駐車スペースの利用権限を有している。このため、ステップS107において第1車両10は、いわば第2駐車スペースに第2車両10が不当に駐車しているという特段の事情があるために、やむを得ず第1駐車スペースに駐車した可能性がある。したがってステップS107では、第1ユーザではなく第2ユーザに対して課金が実施される。
【0050】
ステップS108:ステップS106で第2駐車スペースに第2車両10が駐車していないと判定された場合(ステップS106-No)、制御部23は、第1ユーザに対する課金を実施する。その後、プロセスは終了する。
【0051】
ここで制御部23は、第1駐車スペースに駐車している第1車両10から第1ユーザが降車した場合に、第1ユーザに対する課金を実施してもよい。
【0052】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20は、情報処理装置20は、複数の駐車スペースのそれぞれについて、駐車スペースの利用権限を有する各車両10又は各ユーザを示す情報を記憶する。そして情報処理装置20は、第1車両10及び第1ユーザの何れも利用権限を有さない第1駐車スペースに第1車両10が進入し又は駐車すると、第1ユーザに対する警告又は課金を実施する。
【0053】
かかる構成によれば、第1車両10及び第1ユーザの何れも第1駐車スペースの利用権限を有さない場合において、第1駐車スペースに第1車両10が進入し又は駐車すると、第1ユーザに対する警告又は課金が実施される。このため、第1車両10による第1駐車スペースへのいわば不当な進入又は駐車が行われる蓋然性が低減し得る点で、車両10の駐車スペースの利用に関する技術が改善される。
【0054】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0055】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また例えば、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を車両10設けた実施形態も可能である。例えば、車両10に搭載されるナビゲーション装置が、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を備えてもよい。
【0056】
また例えば、上述した実施形態において、第1駐車スペースに第1車両10が進入すると第1ユーザに対する警告が実施され、続いて第1駐車スペースに第1車両10が駐車すると第1ユーザに対する課金が実施され得る例について説明した。しかしながら、例えば第1駐車スペースに第1車両10が進入すると第1ユーザに対する課金が実施されてもよく、或いは第1駐車スペースに第1車両10が駐車すると第1ユーザに対する警告が実施されてもよい。
【0057】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 システム
10 車両
11 通信部
12 測位部
13 出力部
14 入力部
15 記憶部
16 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 ネットワーク