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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】タスクシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240709BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240709BHJP
   B25J 5/00 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/04 555Z
B25J5/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021011917
(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公開番号】P2022115357
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高木 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
(72)【発明者】
【氏名】糸澤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】古村 博隆
(72)【発明者】
【氏名】中本 圭昭
(72)【発明者】
【氏名】太田 順也
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-054704(JP,A)
【文献】特開2020-161113(JP,A)
【文献】特開2003-289958(JP,A)
【文献】特開2004-303835(JP,A)
【文献】特開平11-029207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 1/04
B25J 5/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットが物を搬入又は搬出する収容部の複数の扉の開閉制御装置であって、前記ロボットの状態を取得する状態取得部と、前記ロボットの状態に基づいて、前記扉を開閉するために当該扉の駆動部を制御する制御部と、を有する開閉制御装置と、前記扉を開閉する前記駆動部と、を備える開閉制御システムと、
前記収容部との間で前記物を搬入又は搬出するためのタスク情報に基づいて動作するロボットと、
前記ロボットと前記開閉制御システムを制御するタスク制御装置と、
前記複数の扉として、第1のレールに沿って移動可能な複数の第1の扉と、第2のレールに沿って移動可能な第2の扉と、を有する前記収容部と、
を備え、
前記第1のレールは、前記第1の扉の枚数分の合計の幅寸法に少なくとも当該第1の扉の一枚分の幅寸法を加えた長さを有し、
前記第2のレールは、前記第2の扉の枚数分の合計の幅寸法に少なくとも当該第2の扉の一枚分の幅寸法を加えた長さを有する、タスクシステム
【請求項2】
前記複数の扉毎に対応するように配置された複数のロック部を備え、
前記制御部は、前記複数の扉のうち、開放された扉以外の扉が閉鎖された状態に規制されるように、前記ロック部を制御する、請求項1に記載のタスクシステム
【請求項3】
前記制御部は、前記ロボットの状態として当該ロボットの位置情報を取得し、前記ロボットの位置情報に基づいて、前記複数の扉のうち、前記ロボットが正面に配置された扉を開放するように前記扉の駆動部を制御する、請求項1又は2に記載のタスクシステム
【請求項4】
前記制御部は、前記ロボットの状態として当該ロボットが前記収容部との間で前記物を搬入又は搬出するタスクの進捗情報を取得し、前記進捗情報に基づいて、前記扉の駆動部を制御する、請求項1又は2に記載のタスクシステム
【請求項5】
前記ロボットの状態を検出する検出部を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載のタスクシステム
【請求項6】
外部から前記ロボットに前記物を搬入又は搬出させるためのタスク情報を入力するタスク指令部を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のタスクシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、開閉制御装置、開閉制御システム、タスクシステム、開閉制御方法及び開閉制御プログラムに関し、例えば、ロボットが物を搬入又は搬出する収容部の扉の開閉制御装置、開閉制御システム、タスクシステム、開閉制御方法及び開閉制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図1に開示されているように、荷物などの物が収容される棚には、開閉可能に扉が設けられている。そのため、棚から物を搬出したり、棚に物を搬入したり、する際には、扉が開放される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-303835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、以下の課題を見出した。上述のように棚などの収容部から物を搬出したり、収容部に物を搬入したり、する際に扉が開放されるが、扉の開放期間が長いと、扉が開放されている間に物が盗難される虞がある。
【0005】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、収容部から物を搬出したり、収容部に物を搬入したり、する際の当該物の盗難を抑制可能な、開閉制御装置、開閉制御システム、タスクシステム、開閉制御方法及び開閉制御プログラムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の開閉制御装置は、ロボットが物を搬入又は搬出する収容部の扉の開閉制御装置であって、
前記ロボットの状態を取得する状態取得部と、
前記ロボットの状態に基づいて、前記扉を開閉するために当該扉の駆動部を制御する制御部と、
を備える。
【0007】
上述の開閉制御装置において、前記制御部は、複数の前記扉のうち、開放された扉以外の扉が閉鎖された状態に規制されるように、前記複数の扉毎に対応するように配置されたロック部を制御することが好ましい。
【0008】
上述の開閉制御装置において、前記制御部は、前記ロボットの状態として当該ロボットの位置情報を取得し、前記ロボットの位置情報に基づいて、複数の前記扉のうち、前記ロボットが正面に配置された扉を開放するように前記扉の駆動部を制御することが好ましい。
【0009】
上述の開閉制御装置において、前記制御部は、前記ロボットの状態として当該ロボットが前記収容部との間で前記物を搬入又は搬出するタスクの進捗情報を取得し、前記進捗情報に基づいて、前記扉の駆動部を制御することが好ましい。
【0010】
本開示の一態様の開閉制御システムは、
上述の開閉制御装置と、
前記扉を開閉する駆動部と、
を備える。
【0011】
上述の開閉制御システムは、前記ロボットの状態を検出する検出部を備えることが好ましい。
【0012】
上述の開閉制御システムは、複数の扉毎に対応するように配置された複数のロック部を備えることが好ましい。
【0013】
本開示の一態様のタスクシステムは、
上述の開閉制御システムと、
前記収容部との間で前記物を搬入又は搬出するためのタスク情報に基づいて動作するロボットと、
前記ロボットと前記開閉制御システムを制御するタスク制御装置と、
を備える。
【0014】
上述のタスクシステムは、外部から前記ロボットに前記物を搬入又は搬出させるためのタスク情報を入力するタスク指令部を備えることが好ましい。
【0015】
上述のタスクシステムは、第1のレールに沿って移動可能な複数の第1の扉と、第2のレールに沿って移動可能な第2の扉と、を有する収容部を備え、
前記第1のレールは、前記第1の扉の枚数分の合計の幅寸法に少なくとも当該第1の扉の一枚分の幅寸法を加えた長さを有し、
前記第2のレールは、前記第2の扉の枚数分の合計の幅寸法に少なくとも当該第2の扉の一枚分の幅寸法を加えた長さを有することが好ましい。
【0016】
本開示の一態様の開閉制御方法は、ロボットが物を搬入又は搬出する収容部の扉の開閉制御方法であって、
前記ロボットの状態を取得する工程と、
前記ロボットの状態に基づいて、前記扉の開閉を制御する工程と、
を備える。
【0017】
本開示の一態様の開閉制御プログラムは、ロボットが物を搬入又は搬出する収容部の扉の開閉制御プログラムであって、
前記ロボットの状態を取得する処理と、
前記ロボットの状態に基づいて、前記扉の開閉を制御する処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、収容部から物を搬出したり、収容部に物を搬入したり、する際の当該物の盗難を抑制可能な、開閉制御装置、開閉制御システム、タスクシステム、開閉制御方法及び開閉制御プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態のタスクシステムを示す構成図である。
図2】実施の形態のロボットを概略的に示す斜視図である。
図3】実施の形態のロボットを概略的に示す側面図である。
図4】実施の形態のロボットのシステム構成を示すブロック図である。
図5】実施の形態の収容部を正面側から見た斜視図である。
図6】実施の形態の収容部の扉の配置を説明するための図である。
図7】ロボットを用いて収容部との間で搬入又は搬出される荷物を示す斜視図である。
図8】実施の形態の開閉制御システムの機能要素を示すブロック図である。
図9】実施の形態のタスク制御装置の機能要素を示すブロック図である。
図10】実施の形態のタスクシステムを用いてタスクを実行する流れを示すフローチャート図である。
図11】ロボットが収容部の第3の扉の正面に到着した状態を示す図である。
図12】収容部の第3の扉が開放した状態を示す図である。
図13】ロボットが所望の荷物を収容部から搬出した状態を示す図である。
図14】収容部の第3の扉が閉鎖した状態を示す図である。
図15】ロボットが荷物を運搬する様子を示す図である。
図16】収容部の第1の扉が開放された状態を示す図である。
図17】収容部の第3の扉が開放された状態を示す図である。
図18】収容部の第2の扉が開放された状態を示す図である。
図19】開閉制御装置、開閉制御システム及びタスクシステムに含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0021】
図1は、本実施の形態のタスクシステムを示す構成図である。タスクシステム1は、例えば、施設内でロボット2を用いて収容部3との間で荷物を搬入又は搬出するタスクを実行するために用いられ、図1に示すように、ロボット2、収容部3、開閉制御システム4、タスク指令部5及びタスク制御装置6を備えている。
【0022】
図2は、本実施の形態のロボットを概略的に示す斜視図である。図3は、本実施の形態のロボットを概略的に示す側面図である。図4は、本実施の形態のロボットのシステム構成を示すブロック図である。
【0023】
ロボット2は、例えば、自律移動ロボットであり、施設内に配置されている。ロボット2は、図1乃至図4に示すように、移動部21、伸縮部22、載置部23、アーム24、駆動機構25及び制御部26を備えており、ネットワーク11に接続されている。ここで、ネットワーク11は、例えば、インターネットであり、電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築されている。
【0024】
移動部21は、ロボット本体21a、ロボット本体21aに回転可能に設けられた左右一対の駆動車輪21b、前後一対の従動車輪21c、及び各駆動車輪21bを回転駆動する一対の駆動機構21dを備えている。
【0025】
駆動機構21dは、モータ及び減速機などを備えている。駆動機構21dは、制御部26から受信した制御情報に基づいて駆動して、各駆動車輪21bを回転させることで、ロボット本体21aの前進移動、後進移動、及び回転を可能にする。
【0026】
これにより、ロボット本体21aは、任意の位置に移動することができる。なお、上記移動部21の構成は一例であり、これに限定されない。例えば、移動部21の駆動車輪21b及び従動車輪21cの数は任意でよく、ロボット本体21aを任意の位置に移動させることができれば公知の構成を用いることができる。
【0027】
伸縮部22は、上下方向へ伸縮する伸縮機構である。伸縮部22は、テレスコピック型の伸縮機構として構成されていてもよい。伸縮部22は、モータ及び減速機などを有する駆動機構22aを備えており、駆動機構22aの駆動により伸縮する。駆動機構22aは、制御部26から受信した制御情報に基づいて駆動する。
【0028】
載置部23は、伸縮部22の上部(先端)に設けられている。載置部23は、伸縮部22の伸縮により昇降し、本実施の形態では、載置部23は、ロボット2によって収容部3との間で搬入又は搬出される荷物を載せるために使用される。
【0029】
そして、荷物の運搬のため、ロボット2は、荷物を載置部23で支持したまま、荷物と共に移動することができる。これにより、ロボット2は、荷物を運搬することができる。但し、ロボット2において、載置部23を昇降させることができれば、伸縮部22の代わりに公知の機構を用いることができる。
【0030】
載置部23は、例えば、上面と成る板材及び下面と成る板材を備えており、上面と下面との間に、アーム24及び駆動機構25を収める空間が形成されている。本実施の形態では、載置部23の形状は、例えば平らな円盤状であるが、他の任意の形状であってもよい。
【0031】
より詳細には、本実施の形態では、アーム24の移動の際に、アーム24の突起部24bが載置部23に干渉しないように、載置部23には、アーム24の動線に沿って切り欠き23aが形成されている。なお、切り欠き23aは、少なくとも載置部23の上面に形成されていればよい。
【0032】
載置部23には、載置部23から水平方向に出し入れされるアーム24が設けられている。アーム24は、水平方向に延びる軸部24a、及び軸部24aの先端で当該軸部24aと垂直方向に延びる突起部24bを備えている。即ち、本実施の形態では、アーム24は、L字形状である。
【0033】
駆動機構25は、制御部26から受信した制御情報に基づいて、アーム24の水平方向(即ち、軸部24aに沿った方向、さらに換言するとアーム24の長手方向)の移動及び軸部24a回りの回転を行う。
【0034】
駆動機構25は、例えば、モータ及びリニアガイドなどを有し、アーム24の水平方向の移動及び回転を行うが、駆動機構25として、これらの動作を行うための公知の機構を用いることができる。駆動機構25は、載置部23に設けられている。
【0035】
このように、アーム24は、水平方向に移動可能であると共に、軸部24a回りの回転に伴い突起部24bが回転可能である。即ち、軸部24aを回転軸として、突起部24bが回転可能である。
【0036】
制御部26は、タスク制御装置6から受信した制御情報に基づいてロボット2の動作を制御する。即ち、制御部26は、移動部21、伸縮部22、及びアーム24の動作を制御する。制御部26は、移動部21の駆動機構21dに制御情報を送信することで、各駆動車輪21bの回転を制御し、ロボット本体21aを任意の位置に移動させることができる。
【0037】
また、制御部26は、伸縮部22の駆動機構22aに制御情報を送信することで、載置部23の高さを制御することができる。また、制御部26は、駆動機構25に制御情報を送信することで、アーム24の水平方向の移動及び軸部24a回りの回転を制御することができる。
【0038】
ここで、制御部26は、駆動車輪21bに設けられた回転センサ(例えば、エンコーダ)により検出された駆動車輪21bの回転情報などに基づいて、フィードバック制御、ロバスト制御などの公知の制御を行うことで、ロボット2の移動を制御してもよい。
【0039】
また、制御部26は、ロボット2に設けられたカメラや超音波センサなどの距離センサにより検出された距離情報、移動環境の地図情報などの情報に基づいて、移動部21を制御することで、ロボット2を自律的に移動させてもよい。
【0040】
収容部3は、施設内に配置されており、ロボット2が搬入又は搬出する荷物を収容する。図5は、本実施の形態の収容部を正面側から見た斜視図である。図6は、本実施の形態の収容部の扉の配置を説明するための図であり、全ての扉が閉鎖された状態を示している。ここで、説明を明確にするために、ロボット2が荷物を搬入又は搬出する側を収容部3の正面として説明する。
【0041】
収容部3は、図5及び図6に示すように、収容部本体31、扉32及び摺動部33を備えており、複数の荷物12を収容可能な構成とされている。収容部本体31は、矩形状の枠体を基本形態としており、少なくとも収容部本体31の正面に開放部が形成されている。そして、収容部本体31の内部は、パーテーション31aによって複数の空間に区画されている。
【0042】
本実施の形態の収容部本体31は、パーテーション31aによって、第1の空間S1、第2の空間S2及び第3の空間S3に区画されている。第1の空間S1、第2の空間S2及び第3の空間S3は、収容部本体31の正面に向かって見て当該収容部本体31の左右方向に並んでいる。
【0043】
これらの空間S1、S2、S3内には、各々の空間S1、S2、S3内で対向するように一対のレール31bが複数組、上下方向に間隔を開けて配置されている。レール31bは、収容部本体31の正背方向に延在している。
【0044】
扉32は、図5に示すように、各々の空間S1、S2、S3の開放部を覆うことができるように、各々の空間S1、S2、S3の正面側に配置されている。扉32は、収容部3の正面に向かって見て略矩形状である。
【0045】
本実施の形態の収容部3は、図6に示すように、扉32として、第1の空間S1の開放部を覆う第1の扉32a、第2の空間S2の開放部を覆う第2の扉32b、及び第3の空間S3を覆う第3の扉32cを備えている。つまり、収容部3は、空間の区画数に対応する枚数の扉32を備えている。
【0046】
摺動部33は、図6に示すように、第1のレール33a及び第2のレール33bを備えている。第1のレール33aは、例えば、収容部本体31の正面側であって、且つ、収容部本体31の上側に配置されており、収容部本体31の左右方向に延在している。
【0047】
第1のレール33aは、第1の扉32a及び第3の扉32cを摺動可能に吊り下げ支持する。例えば、第1のレール33aに第1の扉32a及び第3の扉32cの上側に設けられたローラーが引っ掛けられている。これにより、第1の扉32a及び第3の扉32cは、第1のレール33aに沿って収容部本体31の左右方向に移動可能である。
【0048】
第1のレール33aは、第1の扉32aの幅寸法と第3の扉32cの幅寸法との合計長さに、もう一枚分の扉32の幅寸法を加えた長さを有する。つまり、第1のレール33aは、三枚分の扉32の幅寸法の合計長さを有し、一枚分の扉32の幅寸法領域を用いて第1の扉32a又は第3の扉32cを摺動させることができる。
【0049】
第2のレール33bは、第1のレール33aに対して収容部本体31の背面側に配置されている。そして、第2のレール33bは、例えば、収容部本体31の正面側であって、且つ、収容部本体31の上側に配置されている。第2のレール33bも、収容部本体31の左右方向に延在している。
【0050】
第2のレール33bは、第2の扉32bを摺動可能に吊り下げ支持する。例えば、第2のレール33bに第2の扉32bの上側に設けられたローラーが引っ掛けられている。これにより、第2の扉32bは、第2のレール33bに沿って収容部本体31の左右方向に移動可能である。
【0051】
第2のレール33bは、第2の扉32bの幅寸法に、二枚分の扉32の幅寸法を加えた長さを有する。つまり、第2のレール33bも、三枚分の扉32の幅寸法の合計長さを有し、二枚分の扉32の幅寸法領域を用いて第2の扉32bを摺動させることができる。
【0052】
但し、第1のレール33aに第2の扉32bが吊り下げ支持され、第2のレール33bに第1の扉32a及び第3の扉32cが吊り下げ支持されてもよく、要するに、三枚の扉が第1のレール33aと第2のレール33bとに割り振られていればよい。
【0053】
また、第2のレール33bは、第2の扉32bを開放することができる長さを有していればよく、例えば、少なくとも二枚分の第2の扉32bの幅寸法の合計長さを有していればよい。
【0054】
図7は、ロボットを用いて収容部との間で搬入又は搬出される荷物を示す斜視図である。荷物12は、図7に示すように、箱形状を基本形態とする容器であり、荷物12の両サイドには、例えば、つば12aが設けられている。
【0055】
つば12aが収容部3の一対のレール31bによって支持されることにより、収容部3の各々の空間S1、S2、S3内で荷物12が支持される。このとき、荷物12は、収容部3の一対のレール31bに沿って、収容部3内で当該収容部3の正背方向に移動可能である。
【0056】
そのため、荷物12を収容部3から引き出すことにより、荷物12を収容部3から搬出することができる。一方、荷物12を収容部3に押し込むことにより、荷物12を収容部3に搬入することができる。但し、荷物12は、収容部3の一対のレール31bによって支持可能な構成であればよい。
【0057】
荷物12の底面には、図7に示すように、アーム24の突起部24bを引っ掛けるための溝12bが形成されている。このような荷物12の内部には、任意の物体を収容することができる。
【0058】
図8は、本実施の形態の開閉制御システムの機能要素を示すブロック図である。開閉制御システム4は、図8に示すように、検出部41、駆動部42、ロック部43及び開閉制御装置44を備えており、ネットワーク11に接続されている。検出部41は、ロボット2の状態を検出する。
【0059】
検出部41は、例えば、赤外線カメラで構成することができ、収容部3が配置されている施設内でロボット2を検出できるように、収容部3に設けられている。但し、検出部41は、施設内で移動するロボット2の状態を検出することができれば、センサの種類や配置は限定されない。
【0060】
駆動部42は、扉32を開閉させる。本実施の形態の開閉制御システム4は、駆動部42として、第1の扉32aを開閉する第1の駆動部42a、第2の扉32bを開閉する第2の駆動部42b、及び第3の扉32cを開閉する第3の駆動部42cを備えている。
【0061】
第1の駆動部42a、第2の駆動部42b及び第3の駆動部42cは、例えば、電磁石及び永久磁石を有するリニアエンジンなどの駆動機構で構成することができる。そして、第1の駆動部42a、第2の駆動部42b及び第3の駆動部42cは、例えば、収容部本体31の正面側であって、且つ、収容部本体31の上側において、各々の扉32a、32b、32cに対応して配置されているとよい。
【0062】
但し、第1の駆動部42a、第2の駆動部42b及び第3の駆動部42cは、各々の扉32a、32b、32cを開閉させることができれば、公知の駆動機構を用いることができ、また、各々の駆動部42a、42b、42cの配置も限定されない。
【0063】
ロック部43は、扉32を閉じた状態に規制する、本実施の形態の開閉制御システム4は、ロック部43として、第1の扉32aを閉じた状態に規制する第1のロック部43a、第2の扉32bを閉じた状態に規制する第2のロック部43b、及び第3の扉32cを閉じた状態に規制する第3のロック部43cを備えている。
【0064】
第1のロック部43a、第2のロック部43b及び第3のロック部43cは、例えば、ピンが直動するアクチュエータなどのロック機構で構成することができる。そして、第1のロック部43a、第2のロック部43b及び第3のロック部43cは、例えば、収容部本体31の正面側であって、且つ、収容部本体31の下側において、各々の扉32a、32b、32cに対応して配置されているとよい。
【0065】
第1のロック部43a、第2のロック部43b、第3のロック部43cのピンが収容部本体31の内部に突出した状態で各々の扉32a、32b、32cの底面に形成された凹部に嵌合される。これにより、各々の扉32a、32b、32cを閉じた状態に規制することができる。
【0066】
但し、第1のロック部43a、第2のロック部43b、第3のロック部43cは、各々の扉32a、32b、32cを閉じた状態に規制することができれば、公知のロック機構を用いることができ、また、各々のロック部43a、43b、43cの配置も限定されない。
【0067】
開閉制御装置44は、図8に示すように、状態取得部441、判定部442、及び制御部443を備えている。状態取得部441は、検出部41からロボット2の状態を示す検出情報を取得する。そして、状態取得部441は、当該検出情報に基づいて、施設内のロボット2の位置を取得(推定)したり、ロボット2の伸縮部22の伸縮状態(例えば、載置部23における施設の床面からの高さ)を取得したり、する。なお、状態取得部441は、検出部41を備えていてもよい。
【0068】
判定部442は、詳細は後述するが、ロボット2が収容部3の第1の扉32a、第2の扉32b、又は第3の扉32cの何れの正面に配置されたかを判定したり、荷物12が配置された高さにロボット2の載置部23が到達したか否かを判定したり、ロボット2の載置部23が下降を開始したか否かを判定したり、する。
【0069】
制御部443は、詳細は後述するが、ロボット2の状態に応じて第1の扉32a、第2の扉32b又は第3の扉32cの何れかを開閉するように、開閉する扉の駆動部42及びロック部43を制御する。
【0070】
つまり、制御部443は、何れかの駆動部42及びロック部43に制御情報を送信することで、第1の扉32a、第2の扉32b又は第3の扉32cの何れかを開閉することができる。
【0071】
このとき、例えば、第1の駆動部42a、第2の駆動部42b、第3の駆動部42cがリニアエンジンで構成されている場合、制御部443は、各々の駆動部42a、42b、42cの電磁石に流れる電流を調整することで、当該電磁石の磁力の強さや磁性の向きを制御する。これらの状態取得部441、判定部442及び制御部443は、例えば、収容部3に設けられてもよく、又は、収容部3の外部に配置されていてもよい。
【0072】
タスク指令部5は、荷物12を搬入又は搬出するためのタスク情報を入力(指令)するために、ロボット2のユーザや他人に操作される。タスク指令部5は、例えば、図1に示すように、ユーザが所持するスマートフォンなどの携帯端末13に搭載されているとよく、携帯端末13の表示部に表示される荷物12の識別情報や当該荷物12を搬入又は搬出するタスク種別情報などを選択することで指令することができる。タスク指令部5は、ネットワーク11に接続されている。なお、タスク指令部5は、荷物12を搬入又は搬出するために必要なタスク情報を入力可能であればよい。
【0073】
タスク制御装置6は、ロボット2及び開閉制御システム4を制御する。図9は、本実施の形態のタスク制御装置の機能要素を示すブロック図である。タスク制御装置6は、図9に示すように、指令取得部61、格納部62及び制御部63を備えており、ネットワーク11に接続されている。
【0074】
指令取得部61は、例えば、タスク指令部5から受信した、荷物12を搬入又は搬出するためのタスク情報を取得する。なお、指令取得部61は、タスク指令部5で構成してもよく、要するに、ユーザなどが入力したタスク情報を取得できればよい。
【0075】
格納部62は、荷物12の識別情報、荷物12を搬入又は搬出するタスク種別情報、各々の空間S1、S2、S3の位置情報、各々の扉32a、32b、32cの識別情報、各々の駆動部42a、42b、42cの識別情報、各々のロック部43a、43b、43cの識別情報及び各々の空間S1、S2、S3内のレール31bの位置情報などを格納する。
【0076】
ここで、荷物12の識別情報と、各々の空間S1、S2、S3の位置情報と、各々の空間S1、S2、S3内のレール31bの位置情報と、は紐付けられているとよい。また、各々の空間S1、S2、S3の位置情報と、各々の扉32a、32b、32cの識別情報と、各々の駆動部42a、42b、42cの識別情報と、各々のロック部43a、43b、43cの識別情報と、は紐付けられているとよい。
【0077】
制御部63は、詳細は後述するが、荷物12を搬入又は搬出するためのタスク情報に基づいて、ロボット2の制御部26及び開閉制御装置44の制御部443を制御する。つまり、制御部63は、所望のタスクを実行するために、ロボット2の制御部26及び開閉制御装置44の制御部443を制御する。
【0078】
次に、本実施の形態のタスクシステム1を用いてタスクを実行する流れを説明する。ここで、以下の説明では、ロボット2を用いて収容部3の第3の空間S3に収容されている荷物12を搬出して運搬するタスクを実行するものとする。また、全ての扉32a、32b、32cは、ロック部43によって閉鎖された状態に規制されているものとする。
【0079】
図10は、本実施の形態のタスクシステムを用いてタスクを実行する流れを示すフローチャート図である。図11は、ロボットが収容部の第3の扉の正面に到着した状態を示す図である。図12は、収容部の第3の扉が開放した状態を示す図である。図13は、ロボットが所望の荷物を収容部から搬出した状態を示す図である。図14は、収容部の第3の扉が閉鎖した状態を示す図である。図15は、ロボットが荷物を運搬する様子を示す図である。
【0080】
先ず、ユーザが携帯端末13に搭載されたタスク指令部5を介してタスク情報を入力すると、タスク指令部5はタスク情報をタスク制御装置6に送信する。これにより、タスク制御装置6の制御部63は、ロボット2の制御部26及び開閉制御装置44の制御部443にタスクの開始を指示するために、各々の制御部26、443に制御情報を送信する。
【0081】
次に、ロボット2の制御部26は、収容部3の第3の扉32cの正面に向かってロボット2を移動するために、移動部21の駆動機構21dを制御する(S1)。それと共に、開閉制御装置44の制御部443は、施設内のロボット2の状態を検出するために検出部41を制御する。
【0082】
検出部41は、施設内のロボット2の状態を検出すると、検出情報を開閉制御装置44の状態取得部441に送信する。これにより、制御装置10の状態取得部441は、施設内のロボット2の位置及び当該ロボット2の載置部23の高さを取得する(S2)。ここで、開閉制御装置44は、指令されたタスクが完了するまで、ロボット2の状態の取得を継続する。
【0083】
そして、図11に示すようにロボット2が収容部3の第3の扉32cの正面に到達すると、ロボット2の制御部26は、所望の荷物12が収容された高さに載置部23が到達するように、伸縮部22の駆動機構22aを制御する。
【0084】
このとき、ロボット2は、収容部3の第3の空間S3の位置情報に基づいて自律的に第3の扉32cの正面まで移動する。そして、ロボット2の伸縮部22の駆動機構22aは、所望の荷物12の識別情報に紐付けられたレール31bの位置情報に基づいて自律的に当該荷物12が収容された高さまで載置部23を上昇させる。
【0085】
それと共に、開閉制御装置44の判定部442は、検出部41から受信した検出情報に基づいて、ロボット2の載置部23が所望の荷物12が収容された高さに到達したか否かを判定する(S3)。
【0086】
ロボット2の載置部23が所望の荷物12が収容された高さに到達していない場合(S3のNO)、開閉制御装置44は、収容部3の全ての扉32a、32b、32cが閉鎖された規制状態を維持しつつ、S3の工程に戻る。
【0087】
一方、ロボット2の載置部23が所望の荷物12が収容された高さに到達した場合(S3のYES)、開閉制御装置44の制御部443は、図12に示すように収容部3の第3の扉32cを開放するために、第3の駆動部42c及び第3のロック部43cを制御する(S4)。そして、開閉制御装置44の制御部443は、タスク制御装置6の制御部63に収容部3の第3の扉32cが開放された旨の情報を送信する。
【0088】
次に、タスク制御装置6の制御部63は、ロボット2の制御部26に収容部3の第3の扉32cが開放された旨の情報を送信する。ロボット2の制御部26は、図13に示すように、所望の荷物12を収容部3から搬出して載置部23上に載置するために、アーム24の駆動機構25を制御する(S5)。
【0089】
このとき、収容部3の他の扉である第1の扉32a及び第2の扉32bは閉鎖された規制状態に維持されているため、ロボット2が所望の荷物12を収容部3から搬出する間に当該収容部3の第1の空間S1及び第2の空間S2に収容されている荷物12の盗難を抑制することができる。
【0090】
ロボット2の載置部23上に所望の荷物12を載置すると、ロボット2の制御部26は、載置部23を下降させるために伸縮部22の駆動機構22aを制御する。その一方で、開閉制御装置44の判定部442は、検出部41から受信した検出情報に基づいて、ロボット2の載置部23が下降を開始したか否かを判定する(S6)。
【0091】
ロボット2の載置部23が下降を開始した場合(S6のYES)、開閉制御装置44の制御部443は、図14に示すように収容部3の第3の扉32cを閉鎖して当該閉鎖した状態に規制するために、第3の駆動部42c及び第3のロック部43cを制御する(S7)。これにより、収容部3の全ての扉32a、32b、32cが閉鎖した状態に規制される。
【0092】
このように本実施の形態では、ロボット2の状態に基づいて第3の扉32cを開閉するので、第3の扉32cの開放期間を、荷物12を搬出するために必要な期間内に抑制することができる。そのため、荷物12の盗難を抑制することができる。
【0093】
しかも、本実施の形態では、所望の荷物12が収容された高さにロボット2の載置部23が到達したことを検出した際に、収容部3の第3の扉32cを開放する。そのため、例えば、ロボット2が収容部3の第3の扉32cの正面に到達したことを検出した際に、収容部3の第3の扉32cを開放する場合に比べて、第3の扉32cの開放期間が短く、荷物12の盗難を抑制することができる。
【0094】
また、本実施の形態では、ロボット2の載置部23が下降を開始、即ち、荷物12の搬出が完了したことを検出した際に、収容部3の第3の扉32cを閉鎖して当該閉鎖した状態に規制する。そのため、例えば、ロボット2の載置部23の下降が完了してから第3の扉32cを閉鎖して当該閉鎖した状態に規制する場合に比べて、第3の扉32cの開放期間が短く、荷物12の盗難を抑制することができる。
【0095】
ロボット2の制御部26は、載置部23の下降が完了すると、図15に示すように荷物12を運搬するために移動部21の駆動機構21dを制御する(S8)。そして、荷物12の運搬が完了すると、ロボット2の制御部26は、タスクが完了したことを示す情報をタスク制御装置6の制御部63に送信する。タスク制御装置6の制御部63は、タスクが完了したことを示す情報を受信すると、タスクシステム1を用いたタスクを終了させる。
【0096】
一方、ロボット2の載置部23が下降を開始していない場合(S6のNO)、開閉制御装置44の制御部443は、S6の工程に戻る。
【0097】
ここで、ロボット2を用いて収容部3に荷物12を搬入する場合は、上述の工程と略等しい流れで実現することができ、例えば、S1では、荷物12が載置されていない状態のロボット2が移動する工程に代わってロボット2が荷物12を運搬し、S5では、荷物12を搬出する工程に代わって荷物12を搬入し、S8の工程を省略すればよい。
【0098】
このように本実施の形態の開閉制御装置44、開閉制御システム4、タスクシステム1及び開閉制御方法は、ロボット2の状態に基づいて扉32を開閉するので、扉32の開放期間を、荷物12を搬出又は搬入のために必要な期間内に抑制することができる。そのため、荷物12の盗難を抑制することができる。
【0099】
しかも、本実施の形態の開閉制御装置44、開閉制御システム4、タスクシステム1及び開閉制御方法は、ロボット2が荷物12を収容部3から搬出している間、収容部3の他の扉32は閉鎖した状態に規制する。そのため、ロボット2が収容部3における所望の荷物12が収容された空間との間で当該荷物12を搬入又は搬出する間に、収容部3における他の空間に収容されている荷物12の盗難を抑制することができる。
【0100】
また、本実施の形態の開閉制御装置44、開閉制御システム4、タスクシステム1及び開閉制御方法は、所望の荷物12が収容された高さにロボット2の載置部23が到達したことを検出した際に、収容部3の扉32を開放する。そのため、例えば、ロボット2が収容部3の扉32の正面に到達したことを検出した際に、収容部3の扉32を開放する場合に比べて、扉32の開放期間が短く、荷物12の盗難を抑制することができる。
【0101】
また、本実施の形態の開閉制御装置44、開閉制御システム4、タスクシステム1及び開閉制御方法は、荷物12の搬出が完了したことを検出した際に、収容部3における当該荷物12が取り出された空間の扉32を閉鎖して当該閉鎖した状態に規制する。そのため、例えば、ロボット2の載置部23の下降が完了してから扉32を閉鎖して当該閉鎖した状態に規制する場合に比べて、扉32の開放期間が短く、荷物12の盗難を抑制することができる。
【0102】
ここで、収容部3の第1の扉32a、第2の扉32b及び第3の扉32cの配置の効果を説明する。図16は、収容部の第1の扉が開放された状態を示す図である。図17は、収容部の第3の扉が開放された状態を示す図である。図18は、収容部の第2の扉が開放された状態を示す図である。
【0103】
ロボット2を用いて収容部3との間で荷物12を搬入又は搬出する場合、収容部3の第1の扉32a、第2の扉32b又は第3の扉32cの何れかを開放すれば足りる。そこで、本実施の形態では、図6に示すように、第1のレール33aが第1の扉32a及び第3の扉32cを摺動可能に吊り下げ支持し、第2のレール33bが第2の扉32bを摺動可能に吊り下げ支持している。
【0104】
このとき、第1のレール33aは、第1の扉32aの幅寸法と第3の扉32cの幅寸法との合計長さに、もう一枚分の扉32の幅寸法を加えた長さを有する。つまり、第1のレール33aは、三枚分の扉32の幅寸法の合計長さを有し、図16及び図17に示すように、一枚分の扉32の幅寸法領域を用いて第1の扉32a又は第3の扉32cを摺動させることができる。
【0105】
また、第2のレール33bは、第2の扉32bの幅寸法に、二枚分の扉32の幅寸法の合計を加えた長さを有する。つまり、第2のレール33bも、三枚分の扉32の幅寸法の合計長さを有し、図18に示すように、二枚分の扉32の幅寸法領域を用いて第2の扉32bを摺動させることができる。
【0106】
このように本実施の形態では、第1のレール33a及び第2のレール33bを用いて三枚の扉32を開閉することができる構成である。そのため、一般的なスライドドアのように扉毎にレールを備える場合に比べて、レールの本数を削減することができ、収容部3を小型化することができる。そのため、収容部3を施設に配置した際の当該収容部3の占拠スペースを削減することができる。
【0107】
但し、一本のレールに摺動可能に支持される扉の枚数やレールの本数は上述の限りではなく、要するに、各々のレールが、レールが支持する扉の枚数分の合計の幅寸法に少なくとも当該扉の一枚分の幅寸法を加えた長さを有し、且つ、少なくとも一本のレールに複数枚の扉が摺動可能に支持されていればよい。また、レールによって扉の上側が支持されている場合に限らず、扉の下側が支持されていてもよい。
【0108】
上記実施の形態に係る開閉制御装置、開閉制御システム及びタスクシステムは、次のようなハードウェア構成を備えることができる。図19は、開閉制御装置、開閉制御システム及びタスクシステムに含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。上述した様々な実施の形態において、開閉制御装置、開閉制御システム及びタスクシステムにおける処理の手順を説明したように、本開示は制御方法としての形態も採り得る。
【0109】
図19に示す制御装置は、インタフェース103と共に、プロセッサ101及びメモリ102を備えている。上述した実施の形態で説明した開閉制御システム並びにタスクシステムの一部、及び開閉制御装置の構成は、プロセッサ101がメモリ102に記憶された制御プログラムを読み込んで実行することにより実現される。つまり、このプログラムは、プロセッサ101を開閉制御システム並びにタスクシステムの一部、及び開閉制御装置の構成として機能させるためのプログラムである。このプログラムは、開閉制御システム、タスクシステム及び開閉制御装置に、その構成、又はその一部における処理を実行させるためのプログラムであると言える。
【0110】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータ(情報通知装置を含むコンピュータ)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM、EPROM、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0111】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0112】
上記実施の形態では、赤外線カメラを用いてロボット2の状態を検出しているが、例えば、ロボット2の載置部23に設けられた重量センサなどを用いて、ロボット2の状態として、ロボット2の載置部23に荷物12が載置されたか否か、言い換えると、荷物12が搬入又は搬出されたか否かのタスクの進捗状況を検出してもよい。
【0113】
また、ロボット2の移動部21の駆動機構21dや伸縮部22の駆動機構22aに設けられた回転センサの検出結果に基づいて、ロボット2の状態やタスクの進捗状況を検出してもよい。要するに、開閉制御装置44の状態取得部441がロボット2の状態やタスクの進捗状況を取得することができれば、ロボット2の状態やタスクの進捗状況の取得手法は限定されない。
【0114】
上記実施の形態では、ロボット2が収容部との間で荷物12を搬入又は搬出しているが、収容部に収容可能な物であれば、荷物12に限定されない。また、収容部3の構成も上述の限りではなく、物を収容可能であって、且つ、扉が開閉可能に設けられていればよい。そのため、扉は、上述のようなスライドドアに限られず、回転軸回りに回転する構成であってもよい。さらに、ロボット2の構成も上述の限りではなく、収容部との間で物を搬入又は搬出することができる構成であればよく、例えば、人型ロボットなどでもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 タスクシステム
2 ロボット
21 移動部、21a ロボット本体、21b 駆動車輪、21c 従動車輪、21d 駆動機構
22 伸縮部、22a 駆動機構
23 載置部
24 アーム、24a 軸部、24b 突起部
25 駆動機構
26 制御部
3 収容部
31 収容部本体、31a パーテーション、31b レール
32 扉、32a 第1の扉、32b 第2の扉、32c 第3の扉
33 摺動部、33a 第1のレール、33b 第2のレール
S1 第1の空間、S2 第2の空間、S3 第3の空間
4 開閉制御システム
41 検出部
42 駆動部、42a 第1の駆動部、42b 第2の駆動部、42c 第3の駆動部
43 ロック部、43a 第1のロック部、43b 第2のロック部、43c 第3のロック部
44 開閉制御装置
441 状態取得部
442 判定部
443 制御部
5 タスク指令部
6 タスク制御装置
61 指令取得部
62 格納部
63 制御部
10 制御装置
11 ネットワーク
12 荷物、12a つば、12b 溝
13 携帯端末
101 プロセッサ
102 メモリ
103 インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19