(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】スタンド
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
E04B2/74 561L
(21)【出願番号】P 2021026183
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏川 準司
(72)【発明者】
【氏名】袴田 亮平
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3083949(JP,U)
【文献】特開2006-161310(JP,A)
【文献】特開2014-118787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
B65D 71/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状のパーテーションを支持するためのスタンドであって、
底板と、前記底板の上面に設けられた支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記底板の一方の縁部に折れ線を介して連設され、前記底板の前記一方の縁部から他方に向けて斜め上向きに延びている傾斜板と、
前記傾斜板の上縁部に折れ線を介して連設され、前記傾斜板の上縁部から下方に向けて延びている縦板と、を備え、
前記縦板の下端部は、前記底板に連結され、
前記傾斜板には、上部から下部に亘って延びている傾斜穴が形成されており、
前記傾斜穴に前記パーテーションの下端部を差し込み可能であ
り、
前記底板の上面に前後二つの前記支持部が設けられ、
前側の前記支持部の前記傾斜板は、前記底板の前縁部から後方に向けて斜め上向きに延びているとともに、
後側の前記支持部の前記傾斜板は、前記底板の後縁部から前方に向けて斜め上向きに延びており、
前記両支持部の前記縦板が前後方向に対峙していることを特徴とするスタンド。
【請求項2】
平板状のパーテーションを支持するためのスタンドであって、
底板と、前記底板の上面に設けられた支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記底板の一方の縁部に折れ線を介して連設され、前記底板の前記一方の縁部から他方に向けて斜め上向きに延びている傾斜板と、
前記傾斜板の上縁部に折れ線を介して連設され、前記傾斜板の上縁部から下方に向けて延びている縦板と、を備え、
前記縦板の下端部は、前記底板に連結され、
前記傾斜板には、上部から下部に亘って延びている傾斜穴が形成されており、
前記傾斜穴に前記パーテーションの下端部を差し込み可能であ
り、
前記縦板の下縁部には、折れ線を介して内底板が連設され、
前記内底板は、前記底板の上面に重ねられており、
前記底板に形成された係合片が上向きに折り曲げられて、前記内底板に形成された係合穴に嵌め込まれていることを特徴とするスタンド。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のスタンドであって、
前記縦板には、上下方向に延びている縦穴が形成されており、
前記縦穴の上端部は、前記傾斜穴の上端部に連続していることを特徴とするスタンド。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスタンドであって、
前記底板には、前記一方から前記他方に向けて延びている底穴が形成されており、
前記底穴の一方の端部は、前記傾斜穴の下端部に連続していることを特徴とするスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーテーションを支持するためのスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
避難所などの室内の間仕切りに用いられるパーテーションを支持するための支持体としては、上下方向に延びている支柱を備え、この支柱の各側面に上下方向に延びている凹溝が形成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。このような支持体では、パーテーションの側縁部を凹溝に差し込むことで、複数のパーテーションを並べて床面に立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の支持体は、支柱がパーテーションと同じ高さに形成されているため、支持体を保管および運搬するためのスペースが大きくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、保管および運搬するためのスペースを小さくできるとともに、容易に組み立ててパーテーションを支持できるスタンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、平板状のパーテーションを支持するためのスタンドであって、底板と、前記底板の上面に設けられた支持部と、を備えている。前記支持部は、前記底板の一方の縁部に折れ線を介して連設され、前記底板の前記一方の縁部から他方に向けて斜め上向きに延びている傾斜板と、前記傾斜板の上縁部に折れ線を介して連設され、前記傾斜板の上縁部から下方に向けて延びている縦板と、を備えている。前記縦板の下端部は、前記底板に連結されている。前記傾斜板には、上部から下部に亘って延びている傾斜穴が形成されている。前記傾斜穴に前記パーテーションの下端部を差し込み可能である。
【0007】
本発明のスタンドは、底板、傾斜板および縦板が一方向に連続した平板の状態にすることができるため、保管および運搬するためのスペースを小さくできる。
本発明のスタンドを使用するときには、底板に対して傾斜板を上向きに折り曲げるとともに、傾斜板に対して縦板を下向きに折り曲げて、縦板の下端部を底板に連結することで支持部を容易に形成できる。
本発明のスタンドは、使用後に平板の状態に戻して保管および運搬できるとともに、平板の状態に戻すことで破棄やリサイクルが容易になる。
【0008】
前記したスタンドにおいて、前記底板の上面に前後二つの前記支持部を設けてもよい。前側の前記支持部の前記傾斜板は、前記底板の前縁部から後方に向けて斜め上向きに延ばす。また、後側の前記支持部の前記傾斜板は、前記底板の後縁部から前方に向けて斜め上向きに延ばす。前記両支持部の前記縦板は前後方向に対峙させる。
【0009】
この構成では、前側の支持部の傾斜穴によってパーテーションを支持するとともに、後
側の支持部の傾斜穴によって他のパーテーションを支持することで、二枚のパーテーションを並べて床面に立てることができる。
また、前後の支持部の両縦板の間にパーテーションの下端部を差し込んで、パーテーションを支持することもできる。
さらに、支持部の傾斜穴でパーテーションを支持するとともに、両縦板の間で他のパーテーションを支持することで、複数のパーテーションを異なる向きに並べて床面に立てることができる。このように、間仕切りのレイアウトの自由度を高めることができる。
【0010】
前記したスタンドにおいて、前記縦板に上下方向に延びている縦穴を形成し、前記縦穴の上端部を前記傾斜穴の上端部に連続させてもよい。
この構成では、傾斜穴および縦穴の両方にパーテーションの下端部を差し込むことで、パーテーションの安定性を高めることができる。
【0011】
前記したスタンドにおいて、前記底板に前記一方から前記他方に向けて延びている底穴を形成し、前記底穴の一方の端部を前記傾斜穴の下端部に連続させてもよい。
この構成では、傾斜穴に差し込んだパーテーションの下端部を底板の底穴にも差し込むことで、パーテーションの下縁部を床面に着けることができる。これにより、パーテーションの安定性を高めるとともに、パーテーションの下縁部と床面との間に隙間が生じるのを防ぐことができる。
【0012】
前記したスタンドにおいて、前記縦板の下縁部に折れ線を介して内底板を連設し、前記内底板を前記底板の上面に重ねる。そして、前記底板に形成された係合片を上向きに折り曲げて、前記内底板に形成された係合穴に嵌め込むことで、縦板と底板とを容易に連結できる。また、スタンドを平板状に戻すときには、係合片を係合穴から外すことで、縦板と底板とを容易に分離できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のスタンドは、平板の状態にすることで、保管および運搬するためのスペースを小さくすることができ、使用時には平板を折り曲げて支持部を容易に形成できる。さらに、本発明のスタンドでは、使用後に平板の状態に戻すことで破棄やリサイクルが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の
参考例に係るスタンドを前方左上から見た斜視図である。
【
図2】本発明の
参考例に係るスタンドのブランクシートを示した図である。
【
図3】本発明の
参考例に係るスタンドによってパーテーションを支持している状態を示した斜視図である。
【
図4】本発明の
第一実施形態に係るスタンドを前方左上から見た斜視図である。
【
図5】本発明の
第一実施形態に係るスタンドのブランクシートを示した図である。
【
図6】本発明の
第一実施形態に係るスタンドによってパーテーションを支持している状態を示した斜視図である。
【
図7】本発明の
第一実施形態に係るスタンドによってパーテーションを支持している状態を示した斜視図である。
【
図8】本発明の
第二実施形態に係るスタンドを前方左上から見た斜視図である。
【
図9】本発明の
第二実施形態に係るスタンドのブランクシートを示した図である。
【
図10】本発明の
第二実施形態に係るスタンドによってパーテーションを支持している状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態および参考例について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態および参考例の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
以下の説明において、前後左右方向とは、各実施形態および参考例のスタンドを説明する上で便宜上設定したものであり、本発明のスタンドの構成や使用状態を限定するものではない。
【0016】
[
参考例]
参考例のスタンド1Aは、
図3に示すように、避難所などの室内の間仕切りに用いられる段ボール製や樹脂製などの平板状のパーテーションPを、床面に立てた状態で支持するための支持具である。
【0017】
参考例のスタンド1Aは、
図2に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS1を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図2に示すブランクシートS1は内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートS1の折れ線は、ブランクシートS1の表面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、折れ線においてブランクシートS1を折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続させて線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
【0018】
参考例のスタンド1Aは、
図1に示すように、側面視で三角形に形成された段ボール製の部材であり、平板状の底板10と、底板10の上面に設けられた支持部20と、を備えている。底板10は、床面に載置される四角形の平板である(
図2参照)。
【0019】
支持部20は、底板10の上面から上方に向けて突出した部位であり、底板10に連設された傾斜板30および内縦板40と、傾斜板30に連設された縦板50と、を備えている。
【0020】
傾斜板30は、底板10の前縁部から後方に向けて斜め上向きに延びている長方形の平板である。傾斜板30の下縁部は、底板10の前縁部に折れ線L1を介して連設されている。傾斜板30の上縁部は、底板10の後縁部の上方に配置されている。なお、底板10に対する傾斜板30の傾斜角度は限定されるものではない。
【0021】
内縦板40は、底板10の後縁部から上方に向けて延びている四角形の平板である。内縦板40の下縁部は、底板10の後縁部に折れ線L2を介して連設されている。内縦板40は、底板10に対して垂直に立ち上げられている。内縦板40の上縁部は、傾斜板30の上縁部よりも下方に配置されている。
内縦板40の下端部において、左右方向の中央部には、連結穴41が開口している(
図2参照)。連結穴41は、左右方向に延びている四角形の貫通穴である。
【0022】
縦板50は、傾斜板30の上縁部から下方に向けて延びている四角形の平板である。縦板50の上縁部は、傾斜板30の上縁部に折れ線L3を介して連設されている。縦板50は、底板10に対して垂直に配置されており、内縦板40の後面に重ねられている。縦板50の下縁部は、底板10の後縁部の後側に配置されている。
【0023】
縦板50の下端部には、折れ線を介して差込片55が連設されている。差込片55は内縦板40の連結穴41に差し込まれている。これにより、縦板50の下端部が底板10に連結されている。差込片55は、内縦板40の内面側に突出し、底板10の上面に重ねられている。
【0024】
傾斜板30には、上縁部から下縁部に亘って直線状に延びている傾斜穴31が形成され
ている。傾斜穴31は、傾斜板30の延長方向に沿って延びている細長い貫通穴である。傾斜穴31は、傾斜板30の左右方向の中央部に配置されている。
傾斜穴31の左右方向の幅は、
図3に示すように、パーテーションPの下端部の角部を差し込み可能な大きさに設定されている。
【0025】
以上のようなスタンド1Aは、
図2に示すように、平板のブランクシートS1の状態にすることで、保管および運搬するためのスペースを小さくできる。
なお、複数のブランクシートS1を重ねることで、複数のスタンド1A(
図1参照)を保管および運搬し易くなる。
【0026】
ブランクシートS1では、
図2の左側から右側に向けて、差込片55、縦板50、傾斜板30、底板10、内縦板40が一方向に連続している。
ブランクシートS1の状態から
図1に示すスタンド1Aを組み立てるときには、底板10に対して傾斜板30および内縦板40を上向きに折り曲げるとともに、傾斜板30に対して縦板50を下向きに折り曲げる。さらに、縦板50の下端部の差込片55を、内縦板40の連結穴41に差し込んで、縦板50の下端部を底板10に連結することで、支持部20を容易に形成できる。
【0027】
スタンド1Aを使用するときには、
図3に示すように、底板10が床面に重なるように、スタンド1Aを床面に載置し、傾斜穴31にパーテーションPの下端部の角部を差し込む。これにより、スタンド1AによってパーテーションPを床面に立てた状態で支持できる。
【0028】
スタンド1Aを使用した後は、
図2に示すブランクシートS1の状態に戻して保管および運搬できる。また、スタンド1A(
図1参照)を破棄する場合には、ブランクシートS1の状態に戻すことで、破棄やリサイクルが容易になる。
【0029】
以上、本発明の
参考例について説明したが、本発明は前記
参考例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
参考例のスタンド1Aでは、
図1に示すように、縦板50の差込片55を内縦板40の連結穴41に差し込むことで、縦板50の下端部を底板10に連結しているが、縦板50の下端部を底板10に連結する構成は限定されるものではない。
【0030】
例えば、縦板50の下縁部に内底板を連設し、内底板を底板10の上面に重ねてもよい。この場合には、底板10に形成された係合片を上向きに折り曲げて、内底板に形成された係合穴に嵌め込むように構成することができる。また、縦板50の下端部を底板10に粘着テープや接着剤を用いて連結してもよい。
【0031】
参考例のスタンド1Aでは、底板10に内縦板40が連設されているが、内縦板40を設けなくてもよい。
【0032】
参考例のスタンド1Aにおいて、縦板50に上下方向に延びている縦穴を形成し、縦穴の上端部を傾斜穴31の上端部に連続させるとともに、内縦板40に縦板50の縦穴に連通する縦穴を形成してもよい。
この構成では、傾斜穴31および縦穴の両方にパーテーションの下端部を差し込むことで、パーテーションの安定性を高めることができる。また、パーテーションの下端部の角部以外を支持できる。
【0033】
参考例のスタンド1Aにおいて、底板10に前後方向に延びている底穴を形成し、底穴の前端部を傾斜穴31の下端部に連続させてもよい。
この構成では、傾斜穴31に差し込んだパーテーションの下端部を底板10の底穴にも差し込むことで、パーテーションの下縁部を床面に着けることができるため、パーテーションの安定性を高めるとともに、パーテーションの下縁部と床面との間に隙間が生じるのを防ぐことができる。
【0034】
参考例のスタンド1Aは段ボール製であるが、各種公知の板紙によってスタンド1Aを形成できる。
【0035】
[
第一実施形態]
次に
第一実施形態のスタンド1Bについて説明する。
第一実施形態のスタンド1Bは、
図4に示すように、
参考例のスタンド1A(
図1参照)と略同様の構成であり、前後二つの支持部20A,20Bを備えている点が主に異なる。
【0036】
第一実施形態のスタンド1Bでは、底板10の上面の前半分に前側の支持部20Aが設けられ、底板10の上面の後半分に後側の支持部20Bが設けられている。
【0037】
第一実施形態のスタンド1Bは、
図5に示す段ボール製のブランクシートS2を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図5に示すブランクシートS2は内面側が見えるように配置されている。
【0038】
第一実施形態の底板10の前半分の左右の側部には、左右の係合片11,11が形成されている。係合片11は、基端縁部が折れ線を介して底板10に連設されている。係合片11の前後方向の幅は、基端部よりも先端部が大きく形成されている。底板10の後半分にも、前半分と同様に、左右の係合片11,11が形成されている。
【0039】
前側の支持部20Aは、
図4に示すように、底板10の前縁部から後方に向けて斜め上向きに延びている傾斜板30と、傾斜板30の上縁部から下方に向けて延びている縦板50と、を備えている。傾斜板30には、上縁部から下縁部に亘って傾斜穴31が形成されている。
【0040】
第一実施形態のスタンド1Bでは、縦板50の下縁部に折れ線を介して内底板60が連設されている。内底板60は、底板10の上面に重ねられている。
内底板60の左右の側部には、左右の係合穴61,61がそれぞれ形成されている。両係合穴61,61は、底板10の前半分に形成された左右の係合片11,11にそれぞれ重なるように形成されている。
【0041】
底板10の係合片11が上向きに折り曲げられて、内底板60の係合穴61に嵌め込まれている。具体的には、係合片11の基端部は、係合穴61に嵌め込まれ、係合片11の先端部の前後の端部は、内底板60の上面に当接している。このように、縦板50の下端部は、内底板60を介して底板10に連結されている。
【0042】
第一実施形態の縦板50の左右方向の中央部には、上下方向に延びている縦穴51が形成されている。縦穴51は、縦板50の上縁部から下縁部に亘って直線状に延びている細長い貫通穴である。縦穴51の上端部は、傾斜板30の傾斜穴31の上端部に連続している。前側の支持部20Aは、傾斜穴31および縦穴51によって左右に分割されている。
【0043】
後側の支持部20Bと前側の支持部20Aとは、前後対称に形成されている。
後側の支持部20Bの傾斜板30は、底板10の後縁部から前方に向けて斜め上向きに延びている、また、傾斜板30の上端部から下方に向けて縦板50が延びている。
縦板50の下端部には、底板10の後半分の上面に重ねられた内底板60が連設されて
いる。そして、底板10の係合片11を上向きに折り曲げて、内底板60の係合穴61に嵌め込むことで、縦板50の下端部が底板10に連結されている。
【0044】
前側の支持部20Aの縦板50と、後側の支持部20Bの縦板50とは、前後方向に対峙している。また、前後の縦板50,50の両縦穴51,51は前後に重なっている。第一実施形態では、前側の支持部20Aの縦板50と、後側の支持部20Bの縦板50とが前後方向に重なっているが、前後の縦板50,50の間に隙間が形成されていてもよい。
【0045】
第一実施形態のスタンド1Bでは、
図6に示すように、前後の支持部20A,20Bの両傾斜穴31,31および両縦穴51,51にパーテーションPの下端部を差し込むことで、二つの支持部20A,20BによってパーテーションPを床面に立てた状態で支持できる。
第一実施形態のスタンド1Bでは、パーテーションPの下端部の角部以外を支持できる。
【0046】
なお、前側の支持部20Aによってパーテーションを支持するとともに、後側の支持部20Bによって他のパーテーションを支持することで、二枚のパーテーションを並べて床面に立てることができる。
【0047】
第一実施形態のスタンド1Bでは、
図7に示すように、前後の支持部20A,20Bの両縦板50,50の間にパーテーションPの下端部を差し込むことで、パーテーションPを支持することもできる。
【0048】
また、前後の支持部20A,20Bの間でパーテーションPを支持するとともに、前後の支持部20A,20Bの一方に他のパーテーションを支持させることで、二枚のパーテーションPを平面視でT字形状に配置できる。
さらに、前後の支持部20A,20Bの間でパーテーションPを支持するとともに、前後の支持部20A,20Bの両方にそれぞれパーテーションを支持させることで、三枚のパーテーションPを平面視で十字形状に配置できる。
このように、第一実施形態のスタンド1Bでは、間仕切りのレイアウトの自由度を高めることができる。
【0049】
第一実施形態のスタンド1Bでは、
図4に示すように、底板10の係合片11を上向きに折り曲げて、内底板60の係合穴61に嵌め込むことで、縦板50と底板10とを容易に連結してスタンド1Bを形成できる。また、係合片11を係合穴61から外すことで、縦板50と底板10とを容易に分離させて、
図5に示すブランクシートS2に戻すことができる。
【0050】
以上、本発明の
第一実施形態について説明したが、本発明は前記
第一実施形態に限定されることなく、前記
参考例と同様に、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態のスタンド1Bにおいて、
図4に示す係合片11および係合穴61の形状や大きさは限定されるものではない。また、係合片11および係合穴61の数や配置も限定されるものではない。
【0051】
[
第二実施形態]
次に
第二実施形態のスタンド1Cについて説明する。
第二実施形態のスタンド1Cは、
図8に示すように、
第一実施形態のスタンド1B(
図4参照)と略同様の構成であり、底板10に底穴12が形成されている点が主に異なる。
【0052】
第二実施形態のスタンド1Cは、底板10の上面の前半分に前側の支持部20Aが設け
られ、底板10の上面の後半分に後側の支持部20Bが設けられている。
【0053】
第二実施形態のスタンド1Cは、
図9に示す段ボール製のブランクシートS3を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図9に示すブランクシートS3は内面側が見えるように配置されている。
【0054】
第二実施形態の底板10の前半分には、前縁部から後方に向けて直線状に延びている前側の底穴12が形成されている(
図8参照)。前側の底穴12の前端部は、前側の傾斜穴31の下端部に連続している。
また、
図8に示すように、
第二実施形態の前側の支持部20Aの内底板60には、前縁部から後方に向けて直線状に延びている前側の内底穴62が形成されている。底板10の底穴12と内底板60の内底穴62とは上下に重なっている。
【0055】
第二実施形態のスタンド1Cの前側の支持部20Aと後側の支持部20Bとは、前後対称に形成されている。
図9に示すように、
第二実施形態の底板10の後半分には、後縁部から前方に向けて直線状に延びている後側の底穴12が形成されている。後側の底穴12の後端部は、後側の傾斜穴31の下端部に連続している。
【0056】
前側の底穴12の後端部と後側の底穴12の前端部とは、底板10の中央部において、前後方向に間隔を空けて配置されている。これにより、底板10の左半分と右半分とが中央部で連続しているため、底板10の強度低下を抑えることができる。
【0057】
第二実施形態のスタンド1Cでは、
図8に示すように、後側の支持部20Bの縦板50に形成された係合片52を、前側の縦板50の縦板50に形成された係合穴53に嵌め込むことで、前後の縦板50,50が連結されている。
【0058】
第二実施形態のスタンド1Bでは、
図10に示すように、前側の支持部20AによってパーテーションPを支持するとともに、後側の支持部20Bによって他のパーテーションPを支持することで、二枚のパーテーションP,Pを並べて床面に立てることができる。
【0059】
第二実施形態のスタンド1Bでは、傾斜穴31に差し込んだパーテーションPの下端部を、内底板60の内底穴62および底板10の底穴12に差し込むことで、パーテーションPの下縁部を床面に着けることができる。これにより、パーテーションPの安定性を高めるとともに、パーテーションPの下縁部と床面との間に隙間が生じるのを防ぐことができる。
【0060】
以上、本発明の第二実施形態について説明したが、本発明は前記第二実施形態に限定されることなく、前記参考例および第一実施形態と同様に、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
【0061】
第二実施形態のスタンド1Cでは、
図8に示すように、前側の支持部20Aの縦板50と後側の支持部20Bの縦板50とが係合片52および係合穴53によって連結されているが、前後の縦板50,50を連結しなくてもよい。この場合には、前後の支持部20A,20Bの両縦板50,50の間にパーテーションの下端部を差し込んで、パーテーションを支持することもできる。
【符号の説明】
【0062】
1A スタンド(参考例)
1B スタンド(第一実施形態)
1C スタンド(第二実施形態)
10 底板
11 係合片
12 底穴
20 支持部
20A 前側の支持部
20B 後側の支持部
30 傾斜板
31 傾斜穴
40 内縦板
41 連結穴
50 縦板
51 縦穴
52 係合片
53 係合穴
55 差込片
60 内底板
61 係合穴
62 内底穴
P パーテーション
S1 ブランクシート(参考例)
S2 ブランクシート(第一実施形態)
S3 ブランクシート(第二実施形態)