(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
H02J 7/10 20060101AFI20240709BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240709BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20240709BHJP
H02J 7/04 20060101ALI20240709BHJP
B60L 53/20 20190101ALI20240709BHJP
【FI】
H02J7/10 B
H02J7/00 P
H02J7/02 B
H02J7/04 A
B60L53/20
(21)【出願番号】P 2021041588
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2023-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 慶幸
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-058131(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0138730(US,A1)
【文献】特開2019-140721(JP,A)
【文献】国際公開第2013/030941(WO,A1)
【文献】特開2017-184374(JP,A)
【文献】特開2019-047677(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0321797(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/10
H02J 7/00
H02J 7/02
H02J 7/04
B60L 53/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から供給された電力を充電可能な蓄電装置を備えた電動車両であって、
低電圧側へ入力された電力を昇圧して高電圧側へ出力するとともに、前記高電圧側が前記蓄電装置に接続される昇圧装置と、
前記外部電源から供給される電力を前記昇圧装置の高圧側へ供給する第1経路と、
前記外部電源から供給される電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する第2経路と、
前記第1経路と前記第2経路を切り換える充電リレーと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記外部電源から供給される電力により前記蓄電装置を充電する際、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される電力の電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される電力の電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されており、
前記電動車両は、前記外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する充電器をさらに備え、
前記第1経路は、前記充電器から出力される電力を前記昇圧装置の高圧側へ供給する経路であり、
前記第2経路は、前記充電器から出力される電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する経路であり、
前記制御装置は、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記充電器から出力される電力の電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記充電器から出力される電力の電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されており、
前記制御装置は、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記充電器から出力可能な上限電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記充電器から出力可能な上限電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されている
、電動車両。
【請求項2】
外部電源から供給された電力を充電可能な蓄電装置を備えた電動車両であって、
低電圧側へ入力された電力を昇圧して高電圧側へ出力するとともに、前記高電圧側が前記蓄電装置に接続される昇圧装置と、
前記外部電源から供給される電力を前記昇圧装置の高圧側へ供給する第1経路と、
前記外部電源から供給される電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する第2経路と、
前記第1経路と前記第2経路を切り換える充電リレーと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記外部電源から供給される電力により前記蓄電装置を充電する際、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される電力の電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される電力の電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されており、
前記電動車両は、前記外部電源から供給される直流電力が入力されるDCインレットをさらに備え、
前記第1経路は、前記DCインレットに入力された電力を前記昇圧装置の高圧側へ供給する経路であり、
前記第2経路は、前記DCインレットに入力された電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する経路であり、
前記制御装置は、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される直流電力の電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される直流電力の電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されており、
前記制御装置は、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から出力可能な最大電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から出力可能な最大電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されている
、電動車両。
【請求項3】
外部電源から供給された電力を充電可能な蓄電装置を備えた電動車両であって、
低電圧側へ入力された電力を昇圧して高電圧側へ出力するとともに、前記高電圧側が前記蓄電装置に接続される昇圧装置と、
前記外部電源から供給される電力を前記昇圧装置の高圧側へ供給する第1経路と、
前記外部電源から供給される電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する第2経路と、
前記第1経路と前記第2経路を切り換える充電リレーと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記外部電源から供給される電力により前記蓄電装置を充電する際、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される電力の電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される電力の電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されており、
前記電動車両は、
前記外部電源から供給される直流電力が入力されるDCインレットと、
前記DCインレットに入力された電力を前記昇圧装置の高圧側へ供給する第1DC経路と、
前記DCインレットに入力された電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する第2DC経路と、
前記第1DC経路と前記第2DC経路を切り換えるDC充電リレーと、
前記外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する充電器と、をさらに備え、
前記第1経路は、前記充電器から出力される電力を前記昇圧装置の高圧側へ供給する経路であり、
前記第2経路は、前記充電器から出力される電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する経路であり、
前記制御装置は、
前記DCインレットに入力された直流電力を用いて前記蓄電装置を充電する際、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される直流電力の電圧より低い場合、前記第1DC経路を選択するよう前記DC充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から供給される直流電力の電圧より高い場合、前記第2DC経路を選択するよう前記DC充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう構成されており、
前記充電器から出力された直流電力を用いて前記蓄電装置を充電する際、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記充電器から出力される電力の電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記充電器から出力される電力の電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されており、
前記制御装置は、
前記DCインレットに入力された直流電力を用いて前記蓄電装置を充電する際、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から出力可能な最大電圧より低い場合、前記第1DC経路を選択するよう前記DC充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記外部電源から出力可能な最大電圧より高い場合、前記第2DC経路を選択するよう前記DC充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう構成されており、
前記充電器から出力された直流電力を用いて前記蓄電装置を充電する際、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記充電器から出力可能な上限電圧より低い場合、前記第1経路を選択するよう前記充電リレーを切り換え、
前記蓄電装置の端子間電圧が、前記充電器から出力可能な上限電圧より高い場合、前記第2経路を選択するよう前記充電リレーを切り換えるとともに、前記昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されている
、電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動車両に関し、特に、外部電源から充電可能な蓄電池を備えた電動車両、および電動車両の充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外部電源から供給される電力により充電可能な蓄電装置を搭載した、電気自動車やプラグインハイブリッド車などの電動車両が普及している。以下、外部電源から供給される電力により蓄電装置を充電することを「外部充電」とも称する。
【0003】
たとえば、特開2019-047677号公報(特許文献1)には、外部電源である外部充電器(充電スタンド等)から出力される最高電圧に応じて、昇圧装置を用いた蓄電装置の充電を行うことが開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された電動車両には、超高電圧(たとえば800V)の蓄装置が搭載されている。そして、充電スタンドから出力される電力の最高電圧Vmaxを所定の基準電圧Vrefと比較し、最高電圧Vmaxが基準電圧Vref以下である場合、外部充電モードを高圧充電モードに設定し、最高電圧Vmaxが基準電圧Vrefより高い場合、外部充電モードを超高圧充電モードに設定する。
【0005】
外部充電モードが高圧充電モードである場合は、充電スタンドから供給された高電圧を昇圧装置で超高電圧(800V)に昇圧して蓄電装置を充電する。外部充電モードが超高圧充電モードである場合は、充電スタンドから供給された超高電圧(800V)を、昇圧装置を介することなく、蓄電装置に充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電動車両に搭載された蓄電装置の端子間電圧は、蓄電装置のSOC(State of Charge)によって変動し、一般的に、SOCが小さくなると、端子間電圧は低下する。特許文献1に開示された電動車両では、基準電圧Vrefが固定値(特許文献1では、たとえば500V)とされている。このため、蓄電装置のSOCが小さく、その端子間電圧が基準電圧Vrefより小さい場合であっても、充電スタンドの最高電圧Vmaxが基準電圧Vref以下であるときには、高圧充電モードが設定され、昇圧装置によって昇圧された電力が蓄電装置に充電される。このように、特許文献1の電動車両では、昇圧装置を用いなくても蓄電装置を充電可能な場合に、昇圧装置を作動して蓄電装置を充電する場合がある。昇圧装置による昇圧動作には損失が伴うので、昇圧装置を作動して充電を行うと充電効率が低下する可能性がある。
【0008】
本開示は、外部電源から充電可能な蓄電装置を備えた電動車両において、充電効率の低下を抑制可能な外部充電を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の電動車両は、外部電源から供給された電力を充電可能な蓄電装置を備えた電動車両である。電動車両は、低電圧側へ入力された電力を昇圧して高電圧側へ出力するとともに、高電圧側が蓄電装置に接続される昇圧装置と、外部電源から供給される電力を昇圧装置の高圧側へ供給する第1経路と、外部電源から供給される電力を昇圧装置の低圧側へ供給する第2経路と、第1経路と前記第2経路を切り換える充電リレーと、制御装置と、を備える。制御装置は、外部電源から供給される電力により蓄電装置を充電する際、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される電力の電圧より低い場合、第1経路を選択するよう充電リレーを切り換え、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される電力の電圧より高い場合、第2経路を選択するよう充電リレーを切り換えるとともに、昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されている。
【0010】
この構成によれば、外部電源から供給される電力により蓄電装置を充電する際、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される電力の電圧より低い場合、第1経路を選択するよう充電リレーを切り換える。これにより、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される電力の電圧より低い場合、外部電源から供給される電力は、昇圧装置の高圧側へ供給される。昇圧装置の高圧側は蓄電装置に接続しており、かつ、外部電源から供給される電力の電圧は、蓄電装置の端子間電圧より高いので、昇圧装置を作動させることなく、蓄電装置を充電できる。したがって、充電効率の低下を抑制できる。
【0011】
蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される電力の電圧より高い場合、第2経路を選択するよう充電リレーを切り換えるとともに、昇圧装置を作動して昇圧を行う。これにより、外部電源から供給される電力の電圧が、蓄電装置の端子間電圧より低いときには、外部電源から供給される電力を昇圧装置の低圧側に入力し、昇圧装置を作動して昇圧を行うので、蓄電装置を充電することが可能になる。
【0012】
電動車両は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する充電器を備え、第1経路は、充電器から出力される電力を昇圧装置の高圧側へ供給する経路であり、第2経路は、充電器から出力される電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する経路であってよい。この場合、制御装置は、蓄電装置の端子間電圧が、充電器から出力される電力の電圧より低い場合、第1経路を選択するよう充電リレーを切り換え、蓄電装置の端子間電圧が、充電器から出力される電力の電圧より高い場合、第2経路を選択するよう充電リレーを切り換えるとともに、昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成される。
【0013】
この構成によれば、蓄電装置の端子間電圧(定格電圧、あるいは、公称電圧)が、充電器の出力電圧より高い場合であっても、充電器の出力電圧を高電圧化することなく、充電器を用いて蓄電装置を充電することが可能になる。
【0014】
また、制御装置は、蓄電装置の端子間電圧が、充電器から出力可能な上限電圧より低い場合、第1経路を選択するよう充電リレーを切り換え、蓄電装置の端子間電圧が、充電器から出力可能な上限電圧より高い場合、第2経路を選択するよう充電リレーを切り換えるとともに、昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されてもよい。
【0015】
このように、充電器から出力される電力の電圧として、充電器から出力可能な上限電圧を用いてもよい。
【0016】
電動車両は、外部電源から供給される直流電力が入力されるDCインレットを備え、第1経路は、DCインレットに入力された電力を昇圧装置の高圧側へ供給する経路であり、第2経路は、DCインレットに入力された電力を昇圧装置の低圧側へ供給する経路であってもよい。この場合、制御装置は、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される直流電力の電圧より低い場合、第1経路を選択するよう充電リレーを切り換え、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される直流電力の電圧より高い場合、第2経路を選択するよう充電リレーを切り換えるとともに、昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成される。
【0017】
この構成によれば、外部電源から供給される直流電力の電圧が、蓄電装置の端子間電圧(定格電圧、あるいは、公称電圧)より低い場合であっても、昇圧装置を用いて蓄電装置を充電することが可能になる。また、外部電源から供給される直流電力の電圧が、蓄電装置の端子間電圧より高い場合には、昇圧装置を用いることなく蓄電装置を充電するので、充電効率の低下を抑制できる。
【0018】
また、制御装置は、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から出力可能な最大電圧より低い場合、第1経路を選択するよう充電リレーを切り換え、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から出力可能な最大電圧より高い場合、第2経路を選択するよう充電リレーを切り換えるとともに、昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成されてもよい。
【0019】
このように、外部電源から供給される直流電力の電圧として、外部電源から出力可能な最大電圧を用いてもよい。
【0020】
電動車両は、外部電源から供給される直流電力が入力されるDCインレットと、DCインレットに入力された電力を昇圧装置の高圧側へ供給する第1DC経路と、DCインレットに入力された電力を昇圧装置の低圧側へ供給する第2DC経路と、第1DC経路と第2DC経路を切り換えるDC充電リレーと、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する充電器と、を備え、第1経路は、充電器から出力される電力を昇圧装置の高圧側へ供給する経路であり、第2経路は、充電器から出力される電力を前記昇圧装置の低圧側へ供給する経路であってもよい。
【0021】
この場合、制御装置は、DCインレットに入力された直流電力を用いて蓄電装置を充電する際、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される直流電力の電圧より低い場合、第1DC経路を選択するようDC充電リレーを切り換え、蓄電装置の端子間電圧が、外部電源から供給される直流電力の電圧より高い場合、第2DC経路を選択するようDC充電リレーを切り換えるとともに、昇圧装置を作動して昇圧を行うよう構成されており、充電器から出力された直流電力を用いて蓄電装置を充電する際、蓄電装置の端子間電圧が、充電器から出力される電力の電圧より低い場合、第1経路を選択するよう充電リレーを切り換え、蓄電装置の端子間電圧が、充電器から出力される電力の電圧より高い場合、第2経路を選択するよう充電リレーを切り換えるとともに、昇圧装置を作動して昇圧を行うよう、構成される。
【0022】
この構成によれば、昇圧装置を、外部電源から供給される直流電力を用いた充電と、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する充電器を用いた充電で共有することができる。たとえば、外部電源から供給される直流電力の電圧が、蓄電装置の端子間電圧(定格電圧、あるいは、公称電圧)より低い状況に対応するために、昇圧装置を設けることがある。この場合、充電器の出力電圧より蓄電装置の端子間電圧が高い場合であっても、昇圧装置を利用することにより、充電器の出力電圧を高電圧化することなく、蓄電装置を充電することが可能になる。
【0023】
DCインレットに入力された直流電力を用いて蓄電装置を充電する際、外部電源から供給される直流電力の電圧として外部電源から出力可能な最大電圧を用いて、DC充電リレーを切り換えてよく、充電器から出力された直流電力を用いて蓄電装置を充電する際、充電器から出力される電力の電圧として充電器から出力可能な上限電圧を用いて、充電リレーを切り換えてもよい。
【0024】
昇圧装置は、低圧側へ入力された電力を昇圧して高圧側へ出力するとともに高圧側へ入力された電力を降圧して低圧側へ出力する、昇降圧コンバータであってよい。また、昇降圧コンバータの低圧側に、電動車両の補機装置が接続されてもよい。
【0025】
この構成によれば、電動車両に搭載された、昇降圧コンバータを昇圧装置として利用できる。
【0026】
本開示の充電制御方法は、外部電源から供給された交流電力を直流電力に変換する充電器を備え、充電器から出力される電力を蓄電装置に充電可能な電動車両の充電制御方法であって、蓄電装置の端子間電圧を取得するステップと、充電器から出力可能な上限電圧と端子間電圧を比較するステップと、端子間電圧が上限電圧より高いとき、昇圧装置で昇圧して蓄電装置を充電するステップと、端子間電圧が上限電圧より低いとき、昇圧装置で昇圧することなく蓄電装置を充電するステップと、を含む。
【0027】
この充電制御方法によれば、蓄電装置の端子間電圧が、充電器から出力可能な上限電圧より低く、昇圧装置を用いなくても蓄電装置の充電が可能な場合は、昇圧装置を用いることなく蓄電装置が充電される。したがって、昇圧装置による損失が生じることなく、蓄電装置を充電でき、充電効率の低下を抑制できる。また、蓄電装置の端子間電圧が、充電器から出力可能な上限電圧より高いときは、昇圧装置を用いて昇圧をおこなうので、蓄電装置を充電することが可能になる。
【発明の効果】
【0028】
本開示によれば、外部電源から充電可能な蓄電装置を備えた電動車両において、充電効率の低下を抑制可能な外部充電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施の形態に係る電動車両の全体構成図である。
【
図2】c接点リレー50aが第1位置に切り換えられ、かつ、a接点リレー50bが閉成された際の電力の流れを示す図である。
【
図3】c接点リレー50aが第2位置に切り換えられ、かつ、a接点リレー50bが閉成された際の電力の流れを示す図である。
【
図4】AC充電リレー40(c接点リレー40aおよびc接点リレー40b)が、第1位置に切り換えられた際の電力の流れを示す図である。
【
図5】AC充電リレー40(c接点リレー40aおよびc接点リレー40b)が、第2位置に切り換えられた際の電力の流れを示す図である。
【
図6】ECU100内に構成された機能ブロックを示す図である。
【
図7】ECU100で実行される処理の概略フローチャートである。
【
図8】電動車両Vの走行時における、電力の流れを示す図である。
【
図9】変形例において、ECU100内に構成された機能ブロックを示す図である。
【
図10】変形例において、ECU100で実行される処理の概略フローチャートである。
【
図11】
AC充電リレーの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0031】
図1は、本実施の形態に係る電動車両の全体構成図である。本実施の形態において、電動車両Vは、たとえば、電気自動車である。電動車両Vは、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)1F、1Rと、回転電機であるモータジェネレータ(MG:Motor Generator)2F、2Rと、動力伝達ギヤ3F、3Rと、駆動輪4F、4Rと、蓄電装置の一例であるバッテリ10と、監視ユニット11と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)12と、制御装置の一例である電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)100とを備える。
【0032】
MG2FおよびMG2Rは、たとえば埋込構造永久磁石同期電動機(IPMモータ)であって、電動機(モータ)としての機能と発電機(ジェネレータ)としての機能を有する。MG2Fの出力トルクは、減速機および差動装置等を含んで構成された動力伝達ギヤ3Fを介して前輪である駆動輪4Fに伝達される。同様に、MG2Rの出力トルクは、減速機および差動装置等を含んで構成された動力伝達ギヤ3Rを介して後輪である駆動輪4Rに伝達される。
【0033】
電動車両Vの制動時には、前輪である駆動輪4FによりMG2Fが駆動され、MG2Fが発電機として動作する。これにより、MG2Fは、電動車両Vの運動エネルギーを電力に変換する回生制動を行なう制動装置としても機能する。MG2Fにおける回生制動力により生じた回生電力は、バッテリ10に蓄えられる。同様に、MG2Rも、電動車両Vの制動時には、発電機として動作し、回生制動力により生じた回生電力がバッテリ10に蓄えられる。
【0034】
PCU1Fは、MG2Fとバッテリ10との間で双方向に電力を変換する電力変換装置である。PCU1Fは、たとえば、ECU100からの制御信号に基づいて動作するインバータとコンバータとを含む。
【0035】
コンバータは、バッテリ10の放電時に、バッテリ10から供給された電圧を昇圧してインバータに供給する。インバータは、コンバータから供給された直流電力を交流電力に変換してMG2Fを駆動する。
【0036】
一方、インバータは、バッテリ10の充電時に、MG2Fによって発電された交流電力を直流電力に変換してコンバータに供給する。コンバータは、インバータから供給された電圧をバッテリ10の充電に適した電圧に降圧してバッテリ10に供給する。
【0037】
また、PCU1Fは、ECU100からの制御信号に基づいてインバータおよびコンバータの動作を停止することによって充放電を休止する。なお、PCU1Fは、コンバータを省略した構成であってもよい。
【0038】
PCU1Rは、MG2Rとバッテリ10との間で双方向に電力を変換する電力変換装置であり、PCU1Fと同様な構成および機能であるので、その説明を省略する。
【0039】
SMR12は、バッテリ10とPCU1FおよびPCU1Rとを結ぶ電力線PL1および電力線PN2に電気的に接続されている。SMR12がECU100からの制御信号に応じて閉成(ON)されている(すなわち、導通状態である)場合、バッテリ10とPCU1FおよびPCU1Rとの間で電力の授受が行なわれ得る。一方、SMR12がECU100からの制御信号に応じて開放(OFF)されている(すなわち、遮断状態である)場合、バッテリ10とPCU1FおよびPCU1Rとの間の電気的な接続が遮断される。また、バッテリ10の外部充電を行う場合、ECU100からの信号によりSMR12が閉成(ON)される。
【0040】
バッテリ10は、MG2FおよびMG2Rを駆動するための電力を蓄える。バッテリ10は、再充電が可能な直流電源(二次電池)であり、複数個の単電池(電池セル)が積層され、たとえば、電気的に直列に接続されて構成される。単電池は、リチウムイオン電池であってよく、ニッケ水素電池であってもよい。また、バッテリ10に代えて、電気二重層キャパシタ等の蓄電装置であってもよい。
【0041】
監視ユニット11は、図示しない、電圧センサと、電流センサと、温度センサとを含む。電圧センサは、バッテリ10の端子間の電圧VBを検出する。電流センサは、バッテリ10に入出力される電流IBを検出する。温度センサは、バッテリ10の温度TBを検出する。各センサは、その検出結果をECU100に出力する。
【0042】
昇降圧コンバータ20は、たとえば、非絶縁型の昇降圧コンバータであり、低圧側の電力線PL2および電力線PN2に供給された電力を昇圧して、高圧側の電力線PL1および電力線PN1に出力する。また、昇降圧コンバータ20は、高圧側の電力線PL1およびPN1に入力された電力を降圧して、低圧側の電力線PL2およびPN2に出力する。昇降圧コンバータ20は、たとえばバックブースト(Buck-Boost)DCDCコンバータであってよい。
【0043】
低圧側の電力線PL2およびPN2には、空調装置(エアコンディショナー)の電動コンプレッサ5、車室内コンセント用のインバータ6および加熱ヒータ7等の補機装置が接続されている。なお、車室内コンセント用のインバータ6は、車室内コンセントに交流(AC)100Vを供給するインバータである。また、電力線PL2およびPN2には、降圧コンバータ60を介して、補機バッテリ70が接続されている。補機バッテリ70は、ECU100、および、図示しないHMI(Human Machine Interface)装置等の各種補機装置の電源である。
【0044】
本実施の形態において、バッテリ10の電圧(定格電圧、あるいは公称電圧)は800Vであり、補機バッテリ70の電圧(定格電圧、あるいは公称電圧)は12Vである。昇降圧コンバータ20は、バッテリ10から電力線PL1およびPN1に放電された800Vの電力を、400Vに降圧して電力線PL2および電力線PN2に出力する。低圧側の電力線PL2およびPN2に接続された、空調装置(エアコンディショナー)の電動コンプレッサ5、車室内コンセント用のインバータ6および加熱ヒータ7等の補機装置は、昇降圧コンバータ20によって400Vに降圧された、バッテリ10の電力を用いて作動する。降圧コンバータ60は、昇降圧コンバータ20によって400Vに降圧されたバッテリ10の電力を、12Vに降圧して補機バッテリ70を充電する。なお、降圧コンバータ60は、バック(Buck)DCDCコンバータであってよい。
【0045】
電動車両VはDCインレット51を備えており、バッテリ10は、充電設備である外部の直流(DC)電源から急速充電が可能とされている。DCインレット51は、外部DC電源(DC充電設備)90の充電ケーブルの先端に設けられたコネクタ91が接続可能に構成される。
【0046】
DC充電リレー50は、DCインレット51から供給される電力を、昇圧装置である昇降圧コンバータ20の高圧側の電力線PL1および電力線PN1と低圧側の電力線PL2および電力線PN2に選択的に接続し、電力経路を切り換える。DC充電リレー50は、たとえば、c接点リレー50aおよびa接点リレー50bを含む。c接点リレー50aは、ECU100からの制御信号に応じて、DCインレット51に供給された電力を、電力線Lc2介して高圧側の電力線PL1に接続する第1位置と、電力線Lc1を介して低圧側の電力線PL2に接続する第2位置とに切り換え可能とされている。a接点リレー50bは、ECU100からの制御信号に応じて閉成(ON)あるいは開放(OFF)される。a接点リレー50bが閉成されることにより、DCインレット51に供給された電力が、電力線Ld1を介して低圧側の電力線PN2に供給される。a接点リレー50bが開放されることにより、DCインレット51と電力線PN2との電気的な接続が遮断される。
【0047】
図2は、c接点リレー50aが第1位置に切り換えられ、かつ、a接点リレー50bが閉成された際の電力の流れを示す図である。昇降圧コンバータ20は、非絶縁型の昇降圧コンバータであり、負極線である高圧側の電力線PN1と、負極線である低圧側の電力線PN2は接続している(実質的に同一の電力線である)。したがって、c接点リレー50aが第1位置に切り換えられ、かつ、a接点リレー50bが閉成さると、
図2の矢印に示すように、DCインレット51に供給された電力は、高圧側の電力線PL1および電力線PN1を介して、バッテリ10に供給することが可能になる。
【0048】
図3は、c接点リレー50aが第2位置に切り換えられ、かつ、a接点リレー50bが閉成された際の電力の流れを示す図である。c接点リレー50aが第2位置に切り換えられ、かつ、a接点リレー50bが閉成さると、
図3の矢印に示すように、DCインレット51に供給された電力は、低圧側の電力線PL2および電力線PN2を介して、昇降圧コンバータ20に入力され、昇降圧コンバータ20で昇圧した電力をバッテリ10に供給することが可能になる。
【0049】
図1を参照して、DC充電設備90は、系統電源(たとえば商用電源)の交流電力を直流電力に変換し、充電ケーブルを介してコネクタ91から、電動車両Vへ充電電力を出力するよう構成されている。DC充電設備90のコネクタ91がDCインレット51に接続されると、電力線の他に、図示しない信号線が接続され、CAN(Controller Area Network)通信、および/または、PLC(Power Line Communication)通信により、DC充電設備90とECU100の間で通信が可能になる。
【0050】
電動車両VはACインレット31を備えており、バッテリ10は、充電設備である外部の交流(AC)電源から普通充電が可能とされている。ACインレット31は、外部AC電源(AC充電設備)80の充電ケーブルの先端に設けられたコネクタ81が接続可能に構成される。
【0051】
AC充電設備80からACインレット31に供給された交流電力は、昇圧型ACDCコンバータである充電器30によって、直流電力に変換されるとともに昇圧される。
【0052】
AC充電リレー40は、充電器30から出力された電力を、昇降圧コンバータ20の高圧側の電力線PL1および電力線PN1と低圧側の電力線PL2および電力線PN2に選択的に接続し、電力経路を切り換える。AC充電リレー40は、たとえば、c接点リレー40aおよびc接点リレー40bを含む。c接点リレー40aは、ECU100からの制御信号に応じて、充電器30から出力された電力を、電力線La1介して高圧側の電力線PL1に接続する第1位置と、電力線La2および電力線Lc1を介して低圧側の電力線PL2に接続する第2位置とに切り換え可能とされている。c接点リレー40bは、ECU100からの制御信号に応じて、充電器30から出力された電力を、電力線Lb1を介して高圧側の電力線PN1に接続する第1位置と、電力線Lb2および電力線Ld1を介して低圧側の電力線PN2に接続する第2位置とに切り換え可能とされている。
【0053】
図4は、AC充電リレー40(c接点リレー40aおよびc接点リレー40b)が、第1位置に切り換えられた際の電力の流れを示す図である。AC充電リレー40が第1位置に切り換えられると、
図4の矢印に示すように、充電器30から出力された電力は、高圧側の電力線PL1および電力線PN1を介して、バッテリ10に供給することが可能になる。
【0054】
図5は、AC充電リレー40(c接点リレー40aおよびc接点リレー40b)が、第2位置に切り換えられた際の電力の流れを示す図である。AC充電リレー40が第2位置に切り換えられると、
図5の矢印に示すように、充電器30から出力された電力は、低圧側の電力線PL2および電力線PN2に供給され、昇降圧コンバータ20で昇圧した電力をバッテリ10に供給することが可能になる。
【0055】
図1を参照して、AC充電設備80は、系統電源(たとえば商用電源)の交流電力であり、充電ケーブルを介してコネクタ81から、電動車両Vへ充電電力を出力するよう構成されている。AC充電設備80のコネクタ81がACインレット31に接続されると、電力線の他に、図示しない信号線が接続され、CAN通信、および/または、PLC通信により、AC充電設備80とECU100の間で通信が可能になる。AC充電設備90は、たとえば単相交流200Vの電力を、コネクタ81を介して充電器30に供給する。
【0056】
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ(たとえば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を含む)とを含む。ECU100は、監視ユニット11から受ける信号、図示しない各種センサからの信号(たとえば、アクセル開度信号、車速信号、等)、メモリに記憶されたマップおよびプログラム等の情報に基づいて、電動車両Vが所望の状態となるように各機器を制御する。また、ECU100は、監視ユニット11からのバッテリ10の入出力電流および/または電圧の検出値に基づいてバッテリ10の蓄電量を示すSOCを算出する。SOCは、たとえば、バッテリ10の満充電容量に対する現在の蓄電量を百分率で表した値である。
【0057】
充電インフラとしてのDC充電設備90の仕様は、国際規格等で定められているが、その最大出力電圧は、各種の仕様が混在している。たとえば、最大出力電圧が400VのDC充電設備90を用いて、本実施の形態のバッテリ10を充電する場合、昇降圧コンバータ20によって、DC充電設備90から供給される400Vの電力を800Vまで昇圧して、バッテリ10を充電する。また、最大出力電圧が800VのDC充電設備を用いて、本実施の形態のバッテリ10を充電する場合、昇降圧コンバータ20による昇圧を行うことなく、バッテリ10の充電を行う。
【0058】
具体的には、DC充電設備90のコネクタ91がDCインレット51に接続されると、CAN通信、またはPLC通信により、DC充電設備90から受信した情報から、DC充電設備90の最大出力電圧VDCmaxを取得する。取得した最大出力電圧VDCmaxが800Vより低い場合は、c接点リレー50aを第2位置に切り換えるとともに、a接点リレー50bを閉成する。そして、
図3に示すように、昇降圧コンバータ20を作動して、DC充電設備90から供給された電力を800Vまで昇圧し、バッテリ10の充電を行う。取得した最大出力電圧VDCmaxが800V以上であるときは、c接点リレー50aを第1位置に切り換えるとともに、a接点リレー50bを閉成する。これにより、
図2に示すように、DC充電設備90から供給された電力を、昇降圧コンバータ20を用いることなく、バッテリ10に充電する。
【0059】
本実施の形態において、充電器30は、AC充電設備80から供給される単相交流200Vの電力を、直流電流に変換するとともに400Vまで昇圧して出力することが可能な、ACDCコンバータである。バッテリ10を充電するために、充電器として、800Vまで昇圧可能なACDCコンバータを用いることも可能であるが、充電器の高耐圧化が必要になるとともに体格も大きくなる。そのため、本実施の形態では、400Vまで昇圧可能な充電器30を用いている。
【0060】
本実施の形態の充電器30から出力される電力は、最大で400Vである。このため、充電器30から出力電力を昇降圧コンバータ20で昇圧して、バッテリ10の充電を行う。昇降圧コンバータ20の昇圧動作には、スイッチング損失や導通損失等の損失が伴うので、充電器30から出力される400Vの電力を昇圧して充電を行うと、充電効率が低下する。バッテリ10の端子間電圧VBは、SOCによって変動し、SOCが小さくなると、端子間電圧は低下するので、バッテリ10の端子間電圧VBが400V以下になる状態もある。したがって、充電器30から出力される電力を用いて外部充電を行う際、バッテリ10の端子間電圧によっては、昇降圧コンバータ20の昇圧機能を用いることなく、バッテリ10の充電が可能な場合もある。
【0061】
本実施の形態では、バッテリ10の端子間電圧VBが充電器30の出力電圧より高い場合、昇降圧コンバータ20を用いて、充電器30の出力電力を昇圧し、バッテリ10を充電する。そして、端子間電圧VBが充電器30の出力電圧より低い場合、昇降圧コンバータ20による昇圧を行うことなくバッテリ10を充電し、充電効率の低下を抑制する。
【0062】
図6は、ECU100内に構成された機能ブロックを示す図である。各機能ブロックは、ECU100のハードウェアおよびプログラムによるソフトウェアによる処理によって実現されている。端子間電圧取得部101は、バッテリ10の端子間電圧VBを、監視ユニット11から取得する。比較部102は、端子間電圧取得部101で取得した端子間電圧VBと充電器30の最大出力電圧VCmaxを比較し、比較結果を、切換部103およびコンバータ制御部104へ出力する。なお、本実施の形態では、最大出力電圧VCmaxは400Vであり、予め、メモリに記憶されている。
【0063】
切換部103は、比較部102から受信した比較結果に基づいて、AC充電リレー40の切り換えを行う。端子間電圧VBが最大出力電圧VCmax以下の場合(VB≦VCmax)、AC充電リレー40を第1位置に切り換え、充電器30の出力電力を、高圧側の電力線PL1および電力線PN1を介してバッテリ10に充電可能とする(
図4参照)。また、端子間電圧VBが最大出力電圧VCmaxより
高い場合(VB
>VCmax)、AC充電リレー40を第2位置に切り換え、充電器30の出力電力を、低圧側の電力線PL2および電力線PN2に供給する(
図5参照)。
【0064】
コンバータ制御部104は、比較部から受信した比較結果が、端子間電圧VBが最大出力電圧VCmaxより低い場合(VB<VCmax)、バッテリ10の充電開始と同時に、昇降圧コンバータ20を作動して昇圧を行う。
【0065】
充電電力制御部105は、バッテリ10の充電開始、充電終了等を制御する。たとえば、AC充電設備80との相互認証が成立すると、AC充電設備80に充電電力の出力要求を送信するとともに充電器30を作動して、バッテリ10の充電を開始する。また、充電開始後、バッテリ10のSOCが充電完了時のSOCになったとき、AC充電設備80に充電電力の停止要求を送信するとともに充電器30の作動を停止して、充電を終了する。なお、AC充電設備80が家庭用コンセント等である場合は、AC充電設備80との通信は行わない。
【0066】
図7は、ECU100で実行される処理の概略フローチャートである。このフローチャートは、ACインレット31にコネクタ81が接続されると実行される。ACインレット31にコネクタ81が接続されると、まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)10で、監視ユニット11から受信した信号からバッテリ10の端子間電圧VBを取得し、S11へ進む。
【0067】
S11では、端子間電圧VBが充電器30の最大出力電圧VCmaxより高いか否かを判定する。充電器30の最大出力電圧VCmaxは、充電器30の仕様に基づいて、予めメモリに書き込まれており、本実施の形態では、400Vである。端子間電圧VBが最大出力電圧VCmax以下の場合(VB≦VCmax)、否定判定されS12へ進む。なお、最大出力電圧VCmaxが、本開示の「上限電圧」に相当する。
【0068】
S12では、AC充電リレー40(c接点リレー40aおよびc接点リレー40b)を第1位置に切り換え(第1位置である場合は、第1位置を維持し)、S15に進む。これにより、充電器30から出力された電力は、電力線La1および電力線Lb1を介して、昇降圧コンバータ20の高圧側の電力線PL1および電力線PN1に供給可能になる。なお、電力線La1および電力線Lb1が、本開示の「第1経路」に相当する。
【0069】
S11において、端子間電圧VBが最大出力電圧VCmaxより高い場合(VB>VCmax)、肯定判定されS13へ進む。S13では、AC充電リレー40(c接点リレー40aおよびc接点リレー40b)を第2位置に切り換え(第2位置である場合は、第2位置を維持し)、S14に進む。これにより、充電器30から出力された電力は、電力線La2、電力線Lc1、電力線Lb2、および電力線Ld1を介して、昇降圧コンバータ20の低圧側の電力線PL2および電力線PN2に供給可能になる。なお、電力線La2、電力線Lc1、電力線Lb2、および電力線Ld1が、本開示の「第2経路」に相当する。
【0070】
S14では、昇降圧コンバータ20を作動する。これにより、低圧側の電力線PL2および電力線PN2に入力された電力を昇圧して、高圧側の電力線PL1およびPN2へ出力可能になる。
【0071】
S15では、AC充電設備80に出力要求を送信するとともに、充電器30を作動して充電を行う。(AC充電設備80から電力が供給されているときは、供給を継続する。)なお、バッテリ10の充電は、CC(Constant Current)充電であってよく、CCCV(Constant Current,Constant Voltage)充電であってもよい。
【0072】
続くS16では、バッテリ10の充電が終了したか否かを判定する。たとえば、バッテリ10のSOCが充電完了SOCになったとき、充電が終了したと判定する。充電完了SOCは、ユーザによって、任意の値に設定されてよい。ユーザによって充電完了SOCが設定されていない場合は、デフォルト値(たとえば90%)であってもよい。充電が終了していないと判定されると、S10に進んで、S10~S16の処理を繰り返し実行する。バッテリ10のSOCが充電完了SOCになり、S16で肯定判定されると、S17に進む。
【0073】
S17では、充電終了動作を実行したあと、今回のルーチンを終了する。充電終了動作は、たとえば、AC充電設備80に充電電力の停止要求を送信し、AC充電設備80からの電力供給を停止するとともに充電器30の作動を停止する。S12で、AC充電リレー40を第1位置に切り換えていた場合は、AC充電リレー40を第2位置に切り換える。また、S14で昇降圧コンバータ20の作動を行っていた場合は、昇降圧コンバータ20の作動を停止する。
【0074】
本実施の形態によれば、バッテリ10のSOCが小さく、端子間電圧VBが充電器30の最大出力電圧VCmax以下の場合、AC充電リレー40が第1位置に切り換えられ、充電器30から出力される電力が、昇降圧コンバータ20の高圧側の電力線PL1およびPN1に供給される。最大出力電圧VCmaxが端子間電圧VBより高いので、昇降圧コンバータ20を作動することなく、充電器30の出力電力をバッテリ10に充電することができる。これにより、昇降圧コンバータ20の昇圧機能を用いることなくバッテリ10の充電が可能な場合には、昇降圧コンバータ20を用いないで充電を行うので、昇降圧コンバータ20による損失が生じることなくバッテリ10を充電でき、充電効率の低下を抑制できる。
【0075】
バッテリ10の充電が進み、SOCが大きくなると、あるいは、充電開始時のSOCが大きいとき、端子間電圧VBが最大出力電圧VCmaxより高くなる。この場合、AC充電リレー40が第2位置に切り換えられ、充電器30から出力される電力が、昇降圧コンバータ20の低圧側の電力線PL2およびPN2に供給される。そして、充電器30の出力電量を昇降圧コンバータ20で昇圧し、バッテリ10に供給し充電を行う。これにより、充電器30の出力電圧が端子間電圧VBより低いときには、昇降圧コンバータ20の昇圧機能を用いて、バッテリ10の充電が可能になる。
【0076】
なお、本実施の形態では、S11において、端子間電圧VBが最大出力電圧VCmax以下の場合(VB≦VCmax)、S12でAC充電リレー40を第1位置に切り換えていた。しかし、端子間電圧VBが最大出力電圧VCmaxより小さい場合(VB<VCmax)に、AC充電リレー40を、第1位置に切り換えるようにしてもよい。この場合、端子間電圧VBが最大出力電圧VCmax以上の場合(VB≧VCmax)、AC充電リレー40が第2位置に切り換えられる。
【0077】
本実施の形態では、S17の充電終了動作において、AC充電リレー40を第2位置に切り換えている。
図8は、電動車両Vの走行時における、電力の流れを示す図である。電動車両Vの走行時、バッテリ10から放電された電力は、
図8の矢印に示すように、PCU1F、PCU1Rによって、MG2F、MG2Rに供給される。この際、AC充電リレー40が第2位置に切り換えられているので、バッテリ10から放電された電力は、
図8に示すように、AC充電リレー40で遮断され、充電器30に供給されない。これにより、充電器30に耐圧以上の電圧が印加されることを抑止できる。
【0078】
本実施の形態において、昇降圧コンバータ20は、「DC充電設備90から供給された電力を昇圧して、バッテリ10を充電する機能」、「充電器30の出力電力を昇圧して、バッテリ10を充電する機能」、および「バッテリ10から放電された電力を降圧して、補機装置に供給する機能」を備える。このように、昇降圧コンバータ20を各機能で兼用しているので、回路構成を比較的簡素化できる。
【0079】
本実施の形態では、充電器30の最大出力電圧VCmaxを端子間電圧VBと比較している。しかし、充電器30の出力電圧VCを端子間電圧VBと比較し、AC充電リレー40を切り換えるようにしてもよい。この場合、端子間電圧VB≦出力電圧VC(あるいは、VB<VC)のとき、AC充電リレー40を第1位置に切り換え、端子間電圧VB>出力電圧VC(あるいは、VB≧VC)のとき、AC充電リレー40を第2位置に切り換える。
【0080】
(変形例)
本実施の形態では、DC充電設備90を用いた充電時に、DC充電設備90の最大出力電圧VDCmaxが、バッテリ10の電圧(定格電圧、あるいは公称電圧)である800Vより低い場合、昇降圧コンバータ20を用いてバッテリ10を充電し、最大出力電圧VDCmaxが800V以上の場合、昇降圧コンバータ20を用いることなく、バッテリ10を充電していた。
【0081】
変形例では、充電器30(AC充電設備80)を用いて充電を行う場合と同様に、バッテリ10の端子間電圧VBと最大出力電圧VDCmaxを比較して、DC充電リレー50を切り換え、充電を行う。
【0082】
図9は、変形例において、ECU100に構成された機能ブロックを示す図である。出力電圧取得部110は、CAN通信、および/または、PLC通信により、DC充電設備90から受信した情報から、DC充電設備90の最大出力電圧VDCmaxを取得する。最大出力電圧VDCmaxは、DC充電設備90から安定的に出力可能な最大電圧であって、たとえば、定格出力電圧であってよい。
【0083】
端子間電圧取得部111は、バッテリ10の端子間電圧VBを、監視ユニット11から取得する。比較部112は、端子間電圧取得部111で取得した端子間電圧VBと出力電圧取得部110で取得した最大出力電圧VDCmaxとを比較し、比較結果を、切換部113およびコンバータ制御部114へ出力する。
【0084】
切換部113は、比較部112から受信した比較結果に基づいて、DC充電リレー50の切り換えを行う。端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmax以下の場合(VB≦VDCmax)、c接点リレー50aを第1位置に切り換えるとともにa接点リレー50bを閉成し、DCインレット51に供給された電力を、高圧側の電力線PL1および電力線PN1を介してバッテリ10に充電可能とする(
図2参照)。また、端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmaxより低い場合(VB<VDCmax)、c接点リレー50aを第2位置に切り換えるとともにa接点リレー50bを閉成し、DCインレット51に供給された電力を、低圧側の電力線PL2および電力線PN2に供給する(
図3参照)。
【0085】
コンバータ制御部114は、比較部から受信した比較結果が、端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmaxより低い場合(VB<VDCmax)、バッテリ10の充電開始と同時に、昇降圧コンバータ20を作動して昇圧を行う。
【0086】
充電電流制御部115は、バッテリ10の充電開始、充電終了等を制御する。たとえば、DC充電設備90との相互認証が成立すると、DC充電設備80に充電電力の出力要求を送信して、バッテリ10の充電を開始する。また、充電開始後、バッテリ10のSOCが充電完了時のSOCになったとき、DC充電設備90に充電電力の停止要求を送信して、充電を終了する。
【0087】
図10は、変形例において、ECU100で実行される処理の概略フローチャートである。このフローチャートは、DCインレッ531にコネクタ91が接続されると実行される。DCインレット31にコネクタ91が接続されると、まず、S20で、CAN通信、またはPLC通信により、DC充電設備90から受信した情報から、DC充電設備90の最大出力電圧VDCmaxを取得し、S21へ進む。なお、最大出力電圧VDCmaxが、本開示の「最大電圧」に相当する。
【0088】
S21では、監視ユニット11から受信した信号からバッテリ10の端子間電圧VBを取得し、S22へ進む。
【0089】
S22では、端子間電圧VBがDC充電設備90の最大出力電圧VDCmaxより高いか否かを判定する。端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmax以下の場合(VB≦VDCmax)、否定判定されS23へ進む。
【0090】
S23では、DC充電リレー50のc接点リレー50aを第1位置に切り換える(第1位置である場合は、第1位置を維持し)とともに、a接点リレー50bを閉成する(閉成されている場合は、閉成を維持する)。これにより、DCインレット51から供給された電力は、電力線Lc2および電力線Ld1を介して、昇降圧コンバータ20の高圧側の電力線PL1および(電力線PN2に接続された)電力線PN1に供給可能になる。なお、電力線Lc2および電力線Ld1が、本開示の「第1経路」、または「DC第1径路」に相当する。S23を処理したあと、S26へ進む。
【0091】
S22において、端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmaxより高い場合(VB>VDCmax)、肯定判定されS24へ進む。S24では、DC充電リレー50のc接点リレー50aを第2位置に切り換える(第2位置である場合は、第2位置を維持し)とともに、a接点リレー50bを閉成する(閉成されている場合は、閉成を維持する)。これにより、DCインレット51から供給された電力は、電力線Lc1および電力線Ld1を介して、昇降圧コンバータ20の低圧側の電力線PL2および電力線PN2に供給可能になる。なお、電力線Lc1、および電力線Ld1が、本開示の「第2経路」、または「DC第2径路」に相当する。S24を処理したあと、S25へ進む。
【0092】
S25では、昇降圧コンバータ20を作動する。これにより、低圧側の電力線PL2および電力線PN2に入力された電力を昇圧して、高圧側の電力線PL1およびPN2へ出力可能になる。
【0093】
S26では、DC充電設備90に出力要求を送信し、バッテリ10の充電を行う。(DC充電設備90から電力が供給されているときは、供給を継続する。)なお、バッテリ10の充電は、CC充電であってよく、CCCV充電であってもよい。
【0094】
続くS27では、バッテリ10の充電が終了したか否かを判定する。たとえば、バッテリ10のSOCが充電完了SOCになったとき、充電が終了したと判定する。充電が終了していないと判定されると、S21に進んで、S21~S27の処理を繰り返し実行する。バッテリ10のSOCが充電完了SOCになり、S27で肯定判定されると、S28に進む。
【0095】
S28では、充電終了動作を実行したあと、今回のルーチンを終了する。充電終了動作は、たとえば、DC充電設備90に充電電力の停止要求を送信し、DC充電設備90からの電力供給を停止するとともに、a接点リレー50bを開放(OFF)する。また、S25で昇降圧コンバータ20の作動を行っていた場合は、昇降圧コンバータ20の作動を停止する。
【0096】
この変形例によれば、バッテリ10のSOCが小さく、端子間電圧VBがDC充電設備90の最大出力電圧VDCmax以下の場合、DCインレット51から供給される電力が、昇降圧コンバータ20の高圧側の電力線PL1およびPN1に供給されるよう、DC充電リレー50が切り換えられる。最大出力電圧VDCmaxが端子間電圧VBより高いので、昇降圧コンバータ20を作動することなく、DC充電設備90の出力電力をバッテリ10に充電することができる。これにより、昇降圧コンバータ20の昇圧機能を用いることなくバッテリ10の充電が可能な場合には、昇降圧コンバータ20を用いないで充電を行うので、昇降圧コンバータ20による損失が生じることなくバッテリ10を充電でき、充電効率の低下を抑制できる。
【0097】
バッテリ10の充電が進み、SOCが大きくなると、あるいは、充電開始時のSOCが大きいとき、また、DC充電設備90の最大出力電圧VDCmaxが小さいときには、端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmaxより高くなる。この場合、DCインレット51から供給される電力が、昇降圧コンバータ20の低圧側の電力線PL2およびPN2に供給されるよう、DC充電リレー50が切り換えられる。そして、DC充電設備90の出力電量を昇降圧コンバータ20で昇圧し、バッテリ10に供給し充電を行う。これにより、DC充電設備90の出力電圧が端子間電圧VBより低いときには、昇降圧コンバータ20の昇圧機能を用いて、バッテリ10の充電が可能になる。
【0098】
なお、変形例では、S22において、端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmax以下の場合(VB≦VDCmax)、S23に進んでいた。しかし、端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmaxより小さい場合(VB<VDCmax)に、S23へ進むようにしてもよい。この場合、端子間電圧VBが最大出力電圧VDCmax以上の場合(VB≧VDCmax)、S24へ進む。
【0099】
本実施の形態において、AC充電リレー40は、c接点リレー40aおよびc接点リレー40bから構成していたが、AC充電リレー40の構成はこれに限られない。
図11は、AC充電リレーの他の構成例を示す図である。
図11に示すように、充電リレーは、4個のa接点リレーから構成される充電リレー400としてもよい。AC充電リレー400は、4個のa接点リレーから構成されるので、ACインレット31にコネクタ81が接続されていないとき、すべてのa接点リレーを開放(OFF)することにより、バッテリ10から放電される電力とACインレット31の電気的な接続を確実に遮断できる。同様に、DC充電リレー50のc接点リレー50aを、ふたつのa接点リレーで構成するようにしてもよい。
【0100】
本実施の形態では、電力線La2が電力線Lc1を経由して電力線PL2に接続し、電力線Lb2が電力線Ld1を経由して電力線LN2に接続している。しかし、各電力線の取り回しは、これらに限られない。たとえば、電力線La2が、直接、電力線PL2に接続されてよく、電力線Lb2が、直接、電力線PN2に接続されてもよい。また、DC充電リレー50のa接点リレー50bをc接点リレーに変更し、DCインレット51に入力される電力を、電力線PN2と電力線PN1とに切り換えて供給するようにしてもよい。
【0101】
本実施の形態で、バッテリ10の電圧(定格電圧、あるいは、公称電圧)は、800Vとしたが、500Vであってよく、600Vあるいは700Vであってもよい。また、本実施の形態の電動車両Vは、前輪および後輪をMGで駆動する4輪駆動車であるが、前輪あるいは後輪の一方をMGで駆動する2輪駆動車であってもよい。
【0102】
なお、
図1に示す電動車両Vは電気自動車であるが、本開示が適用可能な車両は
図1に示す電動車両Vに限定されない。たとえば、エンジンとモータジェネレータとを備えるプラグインハイブリッド車両にも本開示は適用可能であり、蓄電池を備え外部充電可能な燃料電池車にも適用可能である。また、フォークリフト等の産業用車両であってもよい。
【0103】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示により示される技術的範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
1F,1R PCU、2F,2R モータジェネレータ(MG)、3F,3R 駆動伝達ギヤ、4F,4R 駆動輪、5 電動コンプレッサ、6 インバータ、7 加熱ひー他、10 バッテリ、11 監視ユニット、12 SMR、20 昇降圧コンバータ、30 充電器,31 ACインレット、40,400 AC充電リレー、50 DC充電リレー、51 DCインレット、60 降圧コンバータ、70 補機バッテリ、80 AC受電設備、81 コネクタ、90 DC充電設備、91 コネクタ、100 ECU、101 端子間電圧取得部、102 比較部、103 切換部、104 コンバータ制御部、105 充電電力制御部、110 出力電圧取得部、111 端子間電圧取得部、112 比較部、113 切換部、114 コンバータ制御部、115 充電電流制御部、V 電動車両。