(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】冷却システム
(51)【国際特許分類】
F01P 7/16 20060101AFI20240709BHJP
B60K 11/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
F01P7/16 504A
F01P7/16 502A
B60K11/02
(21)【出願番号】P 2021041835
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片山 正章
(72)【発明者】
【氏名】岸本 直之
(72)【発明者】
【氏名】床桜 大輔
(72)【発明者】
【氏名】富永 聡
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-80611(JP,A)
【文献】特開2021-37893(JP,A)
【文献】特開2009-126256(JP,A)
【文献】特開2007-202244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 7/14
B60K 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の冷却対象を第1の冷却液で冷却する第1の冷却路と、
前記第1の冷却路から第2の冷却対象に前記第1の冷却液を供給する流路と、
前記第1の冷却路を流れる前記第1の冷却液の流量を調整する流量調整機構と、
前記流量調整機構を制御する制御装置と、
を備えた冷却システムであって、
前記制御装置は、前記第1の冷却対象の温度が前記第1の冷却液の温度よりも低い場合に、前記第1の冷却対象の温度が前記第1の冷却液の温度以上の場合に比べて、前記第1の冷却路を流れる前記第1の冷却液の流量が少なくなるように、前記流量調整機構を制御
し、前記第1の冷却対象の温度が前記第1の冷却液の温度以上である場合に、前記第1の冷却対象の温度が低いほど、前記第1の冷却路を流れる前記第1の冷却液の流量が少なくなるように、前記流量調整機構を制御することを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
前記第1の冷却対象及び前記第2の冷却対象は、通電によって発熱することを特徴とする請求項
1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記第2の冷却対象は回転電機であり、
前記第1の冷却対象は前記回転電機を制御するパワーコントロールユニットである、
ことを特徴とする請求項
2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記第1の冷却液は絶縁性を有することを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記第1の冷却対象を第2の冷却液で冷却する第2の冷却路を備えることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池の冷却系と電動駆動系の冷却系とを統合し、同一のポンプで両冷却系に冷却液を循環させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1の冷却対象と第2の冷却対象とを共通の冷却液によって冷却する冷却システムにおいて、第1の冷却対象と第2の冷却対象とのうち、一方の冷却対象を冷却した後の冷却液の温度が、他方の冷却対象の温度よりも高い場合には、その冷却液によって他方の冷却対象を冷却しようとしても冷却液から他方の冷却対象に伝熱してしまい、他方の冷却対象の温度が高くなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1の冷却液から第1の冷却対象に伝熱して、第1の冷却対象の温度が高くなることを抑制することができる冷却システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る冷却システムは、第1の冷却対象を第1の冷却液で冷却する第1の冷却路と、前記第1の冷却路から第2の冷却対象に前記第1の冷却液を供給する流路と、前記第1の冷却路を流れる前記第1の冷却液の流量を調整する流量調整機構と、前記流量調整機構を制御する制御装置と、を備えた冷却システムであって、前記制御装置は、前記第1の冷却対象の温度が前記第1の冷却液の温度よりも低い場合に、前記第1の冷却対象の温度が前記第1の冷却液の温度以上の場合に比べて、前記第1の冷却路を流れる前記第1の冷却液の流量が少なくなるように、前記流量調整機構を制御することを特徴とするものである。
【0007】
これにより、第1の冷却液から第1の冷却対象に伝熱して、第1の冷却対象の温度が高くなることを抑制することができる。
【0008】
また、上記において、前記第1の冷却路を迂回させて前記流路に前記第1の冷却液を供給するバイパス流路を備えており、前記流量調整機構は、前記第1の冷却液を前記第1の冷却路に供給する第1の経路と、前記第1の冷却液を前記バイパス流路に流入させて前記流路に供給する第2の経路とを、選択的に切り替え可能であり、前記制御装置は、前記第1の冷却対象の温度が前記第1の冷却液の温度以上の場合に前記第1の経路に切り替え、前記第1の冷却対象の温度が前記第1の冷却液の温度よりも低い場合に前記第2の経路に切り替えるように、前記流量調整機構を制御するようにしてもよい。
【0009】
これにより、第1の冷却対象よりも高温の第1の冷却液が第1の冷却路に供給されるのを抑制することができる。
【0010】
また、上記において、前記制御装置は、前記第1の冷却対象の温度が前記第1の冷却液の温度以上である場合に、前記第1の冷却対象の温度が低いほど、前記第1の冷却路を流れる前記第1の冷却液の流量が少なくなるように、前記流量調整機構を制御するようにしてもよい。
【0011】
これにより、圧損を低減させることが可能となる。
【0012】
また、上記において、前記第1の冷却対象及び前記第2の冷却対象は、通電によって発熱するものであってもよい。
【0013】
これにより、通電によって発熱した第1の冷却対象と第2の冷却対象とを共通の第1の冷却液によって効果的に冷却することができる。
【0014】
また、上記において、前記第2の冷却対象は回転電機であり、前記第1の冷却対象は前記回転電機を制御するパワーコントロールユニットであってもよい。
【0015】
これにより、パワーコントロールユニットと回転電機とを共通の第1の冷却液によって効果的に冷却することができる。
【0016】
また、上記において、前記第1の冷却液は絶縁性を有するようにしてもよい。
【0017】
これにより、第1の冷却対象及び前記第2の冷却対象に対して第1の冷却液を直接かけて冷却することが可能となる。
【0018】
また、上記において、前記第1の冷却対象を第2の冷却液で冷却する第2の冷却路を備えるようにしてもよい。
【0019】
これにより、第1の冷却対象を第1の冷却液と第2の冷却液とによって効果的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る冷却システムは、第1の冷却液から第1の冷却対象に伝熱して、第1の冷却対象の温度が高くなることを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車両の冷却システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、ECUが実施する切り替えバルブの切り替え制御の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る車両の冷却システムの実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。実施形態に係る車両の冷却システムは、例えば、駆動輪を駆動させる動力源として内燃機関とモータとを備えるハイブリッド車両や、前記動力源としてモータを備える電気自動車などの電動車両に適用することができる。
【0023】
図1は、実施形態に係る車両の冷却システム100の構成を示す模式図である。
図1に示すように、実施形態に係る車両の冷却システム100は、第1の冷却対象であるPCU(Power Control Unit)4と第2の冷却対象である回転電機14とを冷却する第1の冷却液が循環する第1の冷却回路1と、PCU4を冷却する第2の冷却液が循環する第2の冷却回路2とを備えている。第1の冷却液は、第2の冷却液よりも高い絶縁性を有している。第1の冷却液としては、例えば、体積抵抗率が10[Ωcm]以上であり、絶縁破壊電圧が10[kV]以上の液体状の絶縁冷媒を用いることができる。第2の冷却液としては、例えば、LLC(Long Life Coolant)を用いることができる。
【0024】
第1の冷却回路1には、第1の電動ポンプ11、オイルクーラー3、第1の温度センサ12、切り替えバルブ13、PCU4、回転電機14、及び、オイルパン15が配置されており、それぞれが配管によって連結されている。そして、第1の電動ポンプ11を作動させることによって、第1の冷却回路1内で第1の冷却液が循環する。なお、
図1中の実線で示した矢印は、第1の冷却回路1で第1の冷却液が流れる経路を示している。
【0025】
切り替えバルブ13は、切り替え付き三方弁であり、オイルクーラー3からの第1の冷却液が流れる経路を、PCU4(後述する第1の冷却路41)に第1の冷却液を供給する第1の経路R1と、PCU4(第1の冷却路41)から回転電機14に第1の冷却液を供給する流路(配管)に、PCU4(第1の冷却路41)を迂回させて第1の冷却液を供給する第2の経路(バイパス流路)R2と、のどちらかに選択的に切り替える。なお、切り替えバルブ13の切り替え操作は、例えば、車両に搭載されたECU5によって制御されたアクチュエータなどの駆動機構を用いて行う。
【0026】
第1の冷却回路1において第1の冷却液が流れる経路を、切り替えバルブ13によって第1の経路R1に切り替えたときには、第1の電動ポンプ11を起点とした場合、第1の電動ポンプ11、オイルクーラー3、第1の温度センサ12、切り替えバルブ13、PCU4、回転電機14、オイルパン15の順に、第1の冷却液が第1の冷却回路1内を循環する。一方、第1の冷却回路1において第1の冷却液が流れる経路を、切り替えバルブ13によって第2の経路(バイパス流路)R2に切り替えたときには、第1の電動ポンプ11を起点とした場合、第1の電動ポンプ11、オイルクーラー3、第1の温度センサ12、切り替えバルブ13、回転電機14、オイルパン15の順に、第1の冷却液が第1の冷却回路1内を循環する。すなわち、第1の冷却回路1において第1の冷却液が流れる経路を、切り替えバルブ13によって第2の経路(バイパス流路)R2に切り替えることによって、PCU4に第1の冷却液が流れない。
【0027】
また、第1の冷却回路1において、オイルクーラー3と切り替えバルブ13とを連結する配管には、第1の冷却液の温度T1を検知する第1の温度センサ12が配置されている。
【0028】
第2の冷却回路2には、第2の電動ポンプ21、リザーブタンク22、オイルクーラー3、PCU4、及び、ラジエータ23が配置されており、それぞれが配管によって連結されている。なお、第2の冷却回路2に配置されたオイルクーラー3は、第1の冷却回路1と共用であり、オイルクーラー3にて第1の冷却液と第2の冷却液との間で熱交換が可能となっている。第2の冷却回路2では、第2の電動ポンプ21を作動させることによって、第2の電動ポンプ21を起点とした場合、第2の電動ポンプ21、リザーブタンク22、オイルクーラー3、PCU4、ラジエータ23の順に第2の冷却液が第2の冷却回路2内を循環する。なお、
図1中の破線で示した矢印は、第2の冷却回路2で第2の冷却液が流れる経路を示している。
【0029】
PCU4は、半導体素子401が設けられたパワーカードモジュール400などが、ケース40内に配置されて構成されており、車両に搭載されたバッテリーの電力によって駆動され、回転電機14の動作を制御する。回転電機14は、PCU4からの制御信号に従って、前記バッテリーの電力を利用して車両の駆動輪を駆動するための動力を発生させる。なお、回転電機14は、例えば、PCU4の下方に配置される。
【0030】
PCU4において、パワーカードモジュール400は、半導体素子401が伝熱部材などによって上下が挟まれて構成されたモジュール本体部402と、モジュール本体部402の上方に設けられ、前記伝熱部材を介して半導体素子401から伝達された熱を放熱する放熱部材403とを有している。ケース40の内部は、パワーカードモジュール400の高さ方向で、モジュール本体部402が配置され第1の冷却液が流れる第1の冷却路41と、放熱部材403が配置され第2の冷却液が流れる第2の冷却路42とに、仕切り壁43によって仕切られている。
【0031】
第1の冷却路41は、第1の冷却回路1において第1の冷却液が流れてPCU4のモジュール本体部402を冷却する流路を形成している。第1の冷却路41は、第1の冷却液の流れ方向で上流側が第1の経路R1をなす配管によって切り替えバルブ13と連結されており、第1の冷却液の流れ方向で下流側が配管によって回転電機14と連結されている。第1の冷却路41には、第1の電動ポンプ11を作動させることによって、オイルクーラー3で第2の冷却液と熱交換を行った後の第1の冷却液が、オイルクーラー3から切り替えバルブ13により第1の経路R1を流れて送られる。第1の冷却路41に送られてきた第1の冷却液は、モジュール本体部402に直接かかるように第1の冷却路41内を流れる。これにより、第1の冷却液によって、モジュール本体部402の冷却、ひいては半導体素子401の冷却が行われる。モジュール本体部402を冷却した後の第1の冷却液は、第1の冷却路41から回転電機14に送られて、回転電機14の冷却が行われる。回転電機14を冷却した後の第1の冷却液は、回転電機14の下方に設けられたオイルパン15に回収されて、オイルパン15から第1の電動ポンプ11に送られる。
【0032】
第2の冷却路42は、第2の冷却回路2において第2の冷却液が流れてPCU4の放熱部材403を冷却する流路を形成している。第2の冷却路42は、第2の冷却液の流れ方向で上流側が配管によってオイルクーラー3と連結されており、第2の冷却液の流れ方向で下流側が配管によってラジエータ23と連結されている。第2の冷却路42には、第2の電動ポンプ21を作動させることによって、リザーブタンク22に貯留された第2の冷却液が、オイルクーラー3で第1の冷却液と熱交換を行った後に送られる。第2の冷却路42に送られた第2の冷却液は、放熱部材403に直接かかるように第2の冷却路42内を流れる。これにより、第2の冷却液によって、放熱部材403の冷却、ひいては半導体素子401の冷却が行われる。放熱部材403を冷却した後の第2の冷却液は、第2の冷却路42からラジエータ23に送られる。そして、ラジエータ23にて第2の冷却液と外気との間で、第2の冷却液から外気に熱が移動する熱交換を行うことによって冷却された第2の冷却液は、第2の電動ポンプ21に送られる。
【0033】
ECU5には、様々なセンサのデータが入力される。
図1に示した例では、第1の冷却回路1においてオイルクーラー3と切り替えバルブ13とを連結する配管に設けられた第1の温度センサ12が、PCU4(第1の冷却路41)に送られる前の第1の冷却液の温度T1を測定しており、測定された第1の冷却液の温度T1のデータがECU5に入力される。PCU4には、半導体素子401が耐熱温度に達していないかを直接監視できる部位、または、間接的に推測できる部位に、第2の温度センサ410が設置されている。ECU5には、第2の温度センサ410から半導体素子401の温度T2のデータが入力される。
【0034】
そして、実施形態に係る冷却システム100においては、第1の冷却液の温度T1と半導体素子401の温度T2とに基づいて、ECU5が、切り替えバルブ13による第1の経路R1と第2の経路(バイパス流路)R2との切り替えを行う。
【0035】
図2は、ECU5が実施する切り替えバルブ13の切り替え制御の一例を示したフローチャートである。
【0036】
まず、ECU5は、ステップS1において、第1の冷却回路1にてオイルクーラー3と切り替えバルブ13とを連結する配管に設けられた第1の温度センサ12から、第1の冷却液の温度T1を取得する。次に、ECU5は、ステップS2において、第1の冷却回路1にてPCU4に設けられた第2の温度センサ410から、半導体素子401の温度T2を取得する。次に、ECU5は、ステップS3において、半導体素子401の温度T2≧第1の冷却液の温度T1の関係を満たすか否かを判断する。
【0037】
ECU5は、半導体素子401の温度T2≧第1の冷却液の温度T1の関係を満たすと判断した場合(ステップS3にてYes)、ステップS4において、第1の冷却液が流れる流路を切り替えバルブ13によって第1の経路R1に切り替える。これにより、半導体素子401の温度T2以下の第1の冷却液をPCU4の第1の冷却路41に供給して、第1の冷却液による半導体素子401の冷却を行うことができる。ECU5は、切り替えバルブ13による第1の経路R1への切り替えが終わった後、一連の切り替え制御を終了する。
【0038】
一方、ECU5は、半導体素子401の温度T2≧第1の冷却液の温度T1の関係を満たさない、言い換えると、半導体素子401の温度T2<第1の冷却液の温度T1の関係を満たすと判断した場合(ステップS3にてNo)、ステップS5において、第1の冷却液が流れる流路を切り替えバルブ13によって第2の経路R2に切り替える。これにより、半導体素子401よりも温度の高い第1の冷却液は、第1の冷却路41へ供給されずに、PCU4の第1の冷却路41を迂回して第2の経路R2を流れて回転電機14に供給される。よって、半導体素子401よりも高温の第1の冷却液から半導体素子401に伝熱して、半導体素子401の温度T2が高くなることを抑制することができる。ECU5は、切り替えバルブ13による第2の経路R2への切り替えが終わった後、一連の切り替え制御を終了する。
【0039】
なお、実施形態に係る冷却システム100においては、第1の冷却液の温度T1と半導体素子401の温度T2とを、それぞれ第1の温度センサ12と第2の温度センサ410とによって測定された実測温度を用いることに限定されない。例えば、実施形態に係る冷却システム100においては、予め実験などによって計測したマップを使用して、車両の運転状態(回転電機14の回転数やトルクなど)から第1の冷却液の温度T1と半導体素子401の温度T2とを推定した推定温度を用いてもよい。
【0040】
また、実施形態に係る冷却システム100においては、切り替えバルブ13が、第1の冷却液が流れる経路を、第1の経路R1と第2の経路R2とのどちらかに選択的に切り替えることによって、PCU4の第1の冷却路41を流れる第1の冷却液の流量を調整する流量調整機構として機能する。一方で、実施形態に係る冷却システム100においては、PCU4の第1の冷却路41を流れる第1の冷却液の流量が、半導体素子401の温度T2が第1の冷却液の温度T1よりも低い場合に、半導体素子401の温度T2が第1の冷却液の温度T1以上の場合に比べて少なくなるように、ECU5によって切り替えバルブ13の開度を制御するようにしてもよい。
【0041】
また、ECU5によって切り替えバルブ13の開度を制御する際、ECU5は、半導体素子401の温度T2が第1の冷却液の温度T1以上である場合に、半導体素子401の温度が低いほど、PCU4の第1の冷却路41を流れる第1の冷却液の流量が少なくなるように、切り替えバルブ13の開度を制御するようにしてもよい。これにより、圧損を低減させることが可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1 第1の冷却回路
2 第2の冷却回路
3 オイルクーラー
4 PCU
5 ECU
11 第1の電動ポンプ
12 第1の温度センサ
13 切り替えバルブ
14 回転電機
15 オイルパン
21 第2の電動ポンプ
22 リザーブタンク
23 ラジエータ
40 ケース
41 第1の冷却路
42 第2の冷却路
43 仕切り壁
100 冷却システム
400 パワーカードモジュール
401 半導体素子
402 モジュール本体部
403 放熱部材
410 第2の温度センサ
R1 第1の経路
R2 第2の経路