(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】画像形成装置およびトナー収容容器着脱方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240709BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G21/16 133
G03G21/16 176
G03G15/08 348B
(21)【出願番号】P 2021063423
(22)【出願日】2021-04-02
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】藤本 誠
(72)【発明者】
【氏名】木下 健
(72)【発明者】
【氏名】村川 淳二
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-213910(JP,A)
【文献】特開2001-154473(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0050042(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー収容容器を着脱可能な画像形成装置であって、
前記トナー収容容器は、トナーを収容するボトル部と、
前記ボトル部を外部に開放する排出口と、
前記排出口を閉じる閉塞位置と前記排出口を開く開放位置との間を回転自在に前記ボトル部に取り付けられた第1シャッター部材と、
前記画像形成装置に前記トナー収容容器が格納された状態で前記開放位置にある前記第1シャッター部材と離隔する格納位置と
前記画像形成装置から前記トナー収容容器が離脱した状態で前記閉塞位置にある前記第1シャッター部材と接触する離脱位置との間を前記トナー収容容器が着脱される着脱方向に前記ボトル部に相対移動可能に設けられた第2シャッター部材と、を備え、
収納口を有し、前記トナー収容容器を格納する容器格納部と、
前記容器格納部の下方に設けられ、前記容器格納部に格納された前記トナー収容容器の前記排出口の垂直方向下方に供給口が形成されたトナー貯留部と、
前記第2シャッター部材を前記離脱位置から前記格納位置に移動させる規制部と、
前記収納口を開閉するカバー部材と、
前記容器格納部に格納された前記トナー収容容器の前記第1シャッター部材を前記カバー部材の開閉動作に連動して回転させる切換部と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記第1シャッター部材の回転軸は、前記トナー収容容器が前記容器格納部に格納された状態における前記排出口の前記規制部側に設けられ、
前記トナー収容容器が前記容器格納部に格納された状態で、前記開放位置に位置する前記第1シャッター部材の一部は前記供給口よりも下方に位置し、
前記切換部は、少なくとも一部の閉塞部が、前記供給口の少なくとも一部と垂直方向で重なる第1位置と前記供給口よりも前記規制部側の第2位置とに移動可能に設けられた閉塞部材と、
前記カバー部材が前記収納口を閉じた閉状態の場合に前記閉塞部材を前記第2位置に移動させ、前記カバー部材が前記収納口を開いた開状態の場合に前記閉塞部材を前記第1位置に移動させる連結機構と、を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記連結機構は、前記着脱方向と平行に移動可能に設けられた連結部材と、
前記連結部材を後端から前端に向かう方向に付勢する第1弾性部材と、を有し、
前記閉塞部材は、前記連結部材の前記後端と接続部で接続され、前記接続部および前記閉塞部との間の回転軸を中心に回転可能に前記トナー貯留部に取り付けられ、
前記連結部材の前記前端は前記カバー部材が前記閉状態と前記開状態との間の段階で前記カバー部材に当接し、前記連結部材の前記前端は、前記カバー部材が前記開状態で前記カバー部材から離間する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記閉塞部材を前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢する第2弾性部材を、さらに備え、
前記第1弾性部材および前記第2弾性部材それぞれの弾性力は、前記第1弾性部材により前記閉塞部材に作用する回転モーメントが前記第2弾性部材により前記閉塞部材に作用する回転モーメントよりも大きくなるように定められる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記閉塞部材は、前記トナー貯留部の内部に設けられる、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記トナー貯留部に前記連結部材が貫通する貫通穴が形成されており、
前記貫通穴と前記連結部材との間に設けられたシール部材を、さらに含む、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記閉塞部は、前記第1位置において前記供給口の前記着脱方向に連続する部分と垂直方向に重なる部分を含む、請求項2~6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2位置における前記閉塞部材の前記閉塞部の前記着脱方向の長さは、前記第1シャッター部材の厚さより大きい、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記規制部と前記供給口との間に前記容器格納部に格納された前記トナー収容容器の前記第2シャッター部材の前記第1シャッター部材と接触する面と高さが同じ接触面を、さらに備えた請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置にトナー収容容器を着脱するトナー収容容器着脱方法であって、
前記トナー収容容器は、トナーを収容するボトル部と、
前記ボトル部を外部に開放する排出口と、
前記排出口を閉じる閉塞位置と前記排出口を開く開放位置との間を回転自在に前記ボトル部に取り付けられた第1シャッター部材と、
前記画像形成装置に前記トナー収容容器が格納された状態で前記開放位置にある前記第1シャッター部材と離隔する格納位置と
前記画像形成装置から前記トナー収容容器が離脱した状態で前記閉塞位置にある前記第1シャッター部材と接触する離脱位置との間を前記トナー収容容器が着脱される着脱方向に前記ボトル部に相対移動可能に設けられた第2シャッター部材と、を備え、
前記トナー収容容器を格納する容器格納部が有する収納口を開閉するカバー部材を開閉する工程と、
前記容器格納部に前記トナー収容容器が格納された状態で前記カバー部材が閉じた閉状態から前記カバー部材が開いた開状態に変化することに応じて、前記開放位置にある前記第1シャッター部材を前記閉塞位置に向けて回転させる工程と、
前記容器格納部に前記トナー収容容器が格納された状態で前記カバー部材が前記開状態から前記閉状態に変化することに応じて、前記第1シャッター部材を前記開放位置まで回転させる工程と、を含むトナー収容容器着脱方法。
【請求項11】
前記第2シャッター部材が前記離脱位置と前記格納位置との間を移動するように前記トナー収容容器を前記容器格納部内で移動させる工程を、さらに含む請求項10に記載のトナー収容容器着脱方法。
【請求項12】
前記トナー収容容器を前記容器格納部内で移動させる工程は、前記容器格納部の下方に設けられたトナー貯留部に形成された供給口が前記排出口の垂直方向下方で重なる位置と前記供給口が前記排出口の垂直方向下方で重ならない位置との間を、前記トナー収容容器を前記容器格納部内で移動させる工程を、含む請求項11に記載のトナー収容容器着脱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、着脱可能なトナー収容容器から供給されるトナーを用いて画像を記録媒体に形成する画像形成装置およびその画像形成装置にトナー収容容器を着脱するトナー収容容器着脱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)で代表される画像形成装置は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにて現像する現像器と、その現像器に供給するトナーを収容するトナー収容容器とを備えている。トナー収容容器は、画像形成装置に着脱自在である。このトナー収容容器は、現像器に繋がる開口部を有しており、トナー収容容器を着脱する際に、トナー収容容器に収容されたトナーが開口部から排出されないように、開口部は閉じられる。
【0003】
例えば、特開2013-190586号公報には、画像形成ユニットと、トナー収容器と、トナー収容器をトナー供給状態で現像手段に連結する定常位置とその上方の分離位置とに回動保持する保持カバーと、トナー供給口を第1弾性部材の弾性力で閉鎖するシャッターと、シャッターを開放位置に切換えるシャッター切換え部材と、装置本体の上カバーの開作動に連動してシャッター切換え部材を押圧位置より退却する位置に切換える連動機構と、上カバーを開作動することでシャッター切換え部材を退却位置に切換えることで第1弾性部材の弾性力を受けるシャッターがトナー供給口を閉じる画像形成装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、特開2013-190586号公報に記載の画像形成装置においては、シャッターがトナー供給口を閉鎖するために、トナー供給口の周辺にトナーが存在する場合には、シャッターにトナーが付着する場合がある。このため、トナー収容器を画像形成装置から取り外す際に、シャッターに付着したトナーが落下し、画像形成装置の内部または外部がトナーで汚染される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、トナー収容容器を着脱する間にトナー収容容器から漏れ落ちるトナーの量を少なくした画像形成装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、トナー収容容器を画像形成装置から着脱する間にトナー収容容器から漏れ落ちるトナーの量を少なくしたトナー収容容器着脱方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面によれば、画像形成装置は、トナー収容容器を着脱可能な画像形成装置であって、トナー収容容器は、トナーを収容するボトル部と、ボトル部を外部に開放する排出口と、排出口を閉じる閉塞位置と排出口を開く開放位置との間を回転自在にボトル部に取り付けられた第1シャッター部材と、画像形成装置にトナー収容容器が格納された状態で開放位置にある第1シャッター部材と離隔する格納位置と画像形成装置からトナー収容容器が離脱した状態で閉塞位置にある第1シャッター部材と接触する離脱位置との間をトナー収容容器が着脱される着脱方向にボトル部に相対移動可能に設けられた第2シャッター部材と、を備え、収納口を有し、トナー収容容器を格納する容器格納部と、容器格納部の下方に設けられ、容器格納部に格納されたトナー収容容器の排出口の垂直方向下方に供給口が形成されたトナー貯留部と、第2シャッター部材を離脱位置から格納位置に移動させる規制部と、収納口を開閉するカバー部材と、容器格納部に格納されたトナー収容容器の第1シャッター部材をカバー部材の開閉動作に連動して回転させる切換部と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、規制部によって第2シャッター部材が離脱位置から格納位置に移動されるので、第2シャッター部材が第1シャッター部材から離隔する。これにより、第1シャッター部材が閉塞位置から開放位置に回転し、排出口が開放される。排出口が開放されるとボトル部に収容されたトナーが排出口から排出され、供給口からトナー貯留部にトナーが供給される。カバー部材の開閉動作に連動して第1シャッター部材が回転する。このため、カバー部材の開閉によって、排出口の開口面積を変更することができる。したがって、第2シャッター部材が離脱位置に移動する前の段階で、排出口の開口面積を小さくし、排出口から排出されるトナーの量を少なくすることができる。その結果、トナー収容容器を着脱する間にトナー収容容器から漏れ落ちるトナーの量を少なくした画像形成装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、第1シャッター部材の回転軸は、トナー収容容器が容器格納部に格納された状態における排出口の規制部側に設けられ、トナー収容容器が容器格納部に格納された状態で、開放位置に位置する第1シャッター部材の一部は供給口よりも下方に位置し、切換部は、少なくとも一部の閉塞部が、供給口の少なくとも一部と垂直方向で重なる第1位置と供給口よりも規制部側の第2位置とに移動可能に設けられた閉塞部材と、カバー部材が収納口を閉じた閉状態の場合に閉塞部材を第2位置に移動させ、カバー部材が収納口を開いた開状態の場合に閉塞部材を第1位置に移動させる連結機構と、を含む。
【0011】
この局面に従えば、カバー部材が閉状態の場合に閉塞部材が供給口よりも規制部側に位置し、閉塞部材が第1シャッター部材に接触しないので、第1シャッター部材は開放位置となる。一方、カバー部材が開状態の場合に閉塞部材が供給口の一部と垂直方向で重なるので、閉塞部材が第1シャッター部材に当接する。また、閉塞部材は、供給口よりも規制部側から供給口に移動するので、供給口よりも下方に位置する第1シャッター部材を閉塞位置に向かう方向に回転させる。このため、排出口が開放される面積を小さくできる。
【0012】
好ましくは、連結機構は、着脱方向と平行に移動可能に設けられた連結部材と、連結部材を後端から前端に向かう方向に付勢する第1弾性部材と、を有し、閉塞部材は、連結部材の後端と接続部で接続され、接続部および閉塞部との間の回転軸を中心に回転可能にトナー貯留部に取り付けられ、連結部材の前端はカバー部材が閉状態と開状態との間の段階でカバー部材に当接し、連結部材の前端は、カバー部材が開状態でカバー部材から離間する。
【0013】
この局面に従えば、閉塞部材は、接続部および閉塞部との間の回転軸を中心に回転可能にトナー貯留部に取り付けられるので、閉塞部は連結部材の後端が移動する方向と反対の方向に移動する。カバー部材が閉状態と開状態との間の段階で連結部材の前端がカバー部材に当接し、連結部材はカバー部材が閉状態でカバー部材から受ける押圧力により前端から後端に向かう方向に移動する。このため、閉塞部材を第2位置に移動させることができる。また、連結部材は、カバー部材が開状態でカバー部材から離間し、第1弾性部材による付勢力により後端から前端に向かう方向に移動する。このため、閉塞部材を第1位置に移動させることができる。
【0014】
好ましくは、閉塞部材を第1位置から第2位置に向かう方向に付勢する第2弾性部材を、さらに備え、第1弾性部材および第2弾性部材それぞれの弾性力は、第1弾性部材により閉塞部材に作用する回転モーメントが第2弾性部材により閉塞部材に作用する回転モーメントよりも大きくなるように定められる。
【0015】
この局面に従えば、第1弾性部材が連結部材を付勢していない状態で、かつ、カバー部材が閉状態で、第2弾性部材により閉塞部材が第2位置に移動する。このため、第1弾性部材が連結部材を付勢できない状態であってもトナー収容容器から排出されるトナーがトナー貯留部に供給されるようにできる。
【0016】
好ましくは、閉塞部材は、トナー貯留部の内部に設けられる。
【0017】
この局面に従えば、閉塞部材がトナー貯留部の内部に設けられるので、容器格納部の構成を簡略にすることができ、トナー収容容器の着脱が容易になる。
【0018】
好ましくは、トナー貯留部に連結部材が貫通する貫通穴が形成されており、貫通穴と連結部材との間に設けられたシール部材を、さらに含む。
【0019】
この局面に従えば、トナー貯留部から零れ落ちるトナーの量を少なくできる。
【0020】
好ましくは、閉塞部は、第1位置において供給口の着脱方向に連続する部分と垂直方向に重なる部分を含む。
【0021】
この局面に従えば、閉塞部が第1位置において供給口の着脱方向に連続する部分と垂直方向に重なる部分を含むので、トナー収容容器の位置に係わらず、閉塞部材が第1シャッター部材と接触した状態を維持することができる。
【0022】
好ましくは、第2位置における閉塞部材の閉塞部の着脱方向の長さは、第1シャッター部材の厚さより大きい。
【0023】
好ましくは、規制部と供給口との間に容器格納部に格納されたトナー収容容器の第2シャッター部材の第1シャッター部材と接触する面と高さが同じ接触面を、さらに備える。
【0024】
この局面に従えば、第1シャッター部材が第2シャッター部材と接触する間の第1シャッター部材の回転位置と、第1シャッター部材が接触面と接触する間の第1シャッター部材の回転位置と、が同じになる。このため、第1シャッター部が供給口に進入していない間に第1シャッター部材を閉塞位置にすることができる。
【0025】
この発明の他の局面によれば、トナー収容容器着脱方法は、画像形成装置にトナー収容容器を着脱するトナー収容容器着脱方法であって、トナー収容容器は、トナーを収容するボトル部と、ボトル部を外部に開放する排出口と、排出口を閉じる閉塞位置と排出口を開く開放位置との間を回転自在にボトル部に取り付けられた第1シャッター部材と、画像形成装置にトナー収容容器が格納された状態で開放位置にある第1シャッター部材と離隔する格納位置と画像形成装置からトナー収容容器が離脱した状態で閉塞位置にある第1シャッター部材と接触する離脱位置との間をトナー収容容器が着脱される着脱方向にボトル部に相対移動可能に設けられた第2シャッター部材と、を備え、トナー収容容器を格納する容器格納部が有する収納口を開閉するカバー部材を開閉する工程と、容器格納部にトナー収容容器が格納された状態でカバー部材が閉じた閉状態からカバー部材が開いた開状態に変化することに応じて、開放位置にある第1シャッター部材を閉塞位置に向けて回転させる工程と、容器格納部にトナー収容容器が格納された状態でカバー部材が開状態から閉状態に変化することに応じて、第1シャッター部材を開放位置まで回転させる工程と、を含む。
【0026】
この局面に従えば、トナー収容容器を画像形成装置から着脱する間にトナー収容容器から漏れ落ちるトナーの量を少なくしたトナー収容容器着脱方法を提供することができる。
【0027】
好ましくは、第2シャッター部材が離脱位置と格納位置との間を移動するようにトナー収容容器を容器格納部内で移動させる工程を、さらに含む。
【0028】
この局面に従えば、トナー収容容器を移動させる操作で第2シャッター部材を移動させることができる。
【0029】
好ましくは、トナー収容容器を容器格納部内で移動させる工程は、容器格納部の下方に設けられたトナー貯留部に形成された供給口が排出口の垂直方向下方で重なる位置と供給口が排出口の垂直方向下方で重ならない位置との間を、トナー収容容器を容器格納部内で移動させる工程を、含む。
【0030】
この局面に従えば、トナー収容容器を移動させる操作でトナー収容容器とトナー貯留部との相対位置を合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。
【
図2】MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図3】トナー収容容器およびサブホッパーの外観を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第2の斜視図である。
【
図5】MFPにおいてトナー収容容器を交換する様子を示す図である。
【
図6】トナー収容容器の一例の一部を示す第1の斜視図である。
【
図7】トナー収容容器の一例の一部を示す第2の斜視図である。
【
図8】第2シャッター部材が格納位置に位置する状態におけるトナー収容容器の一部の断面図である。
【
図9】第2シャッター部材が離脱位置に位置する状態におけるトナー収容容器の一部の断面図である。
【
図10】容器格納部の一部を周辺の部材とともに拡大して示す斜視図である。
【
図11】カバー部材が閉状態におけるサブホッパーのトナー貯留部の内部から上面の一部を見た図である。
【
図12】カバー部材が開状態におけるサブホッパーのトナー貯留部の内部から上面の一部を見た図である。
【
図13】サブホッパーとトナー収容容器との位置関係の一例を示す第1の断面図である。
【
図14】サブホッパーとトナー収容容器との位置関係の一例を示す第2の断面図である。
【
図15】サブホッパーとトナー収容容器との位置関係の一例を示す第3の断面図である。
【
図16】トナー収容容器着脱方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。
図1を参照して、MFP(Multi Function Peripheral)100は、画像形成装置の一例であり、その前面に本体ケースの一部を構成するカバー部材50を備える。カバー部材50は、開閉可能であり、
図1においては、カバー部材50が閉じた閉状態におけるMFP100を示している。以下、MFP100の背面から前面に向かう水平な方向を正面方向といい、正面から背面に向かう水平な方向を背面方向という。
【0034】
図2は、MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。
図1および
図2を参照して、MFP100は、原稿を読み取る原稿読取部130と、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給する給紙部150と、を含む。
【0035】
原稿読取部130は、原稿ガラス11上にセットされた原稿の画像を、その下方を移動するスライダー12に取付けられた露光ランプ13で露光する。原稿からの反射光は、ミラー14と2枚の反射ミラー15,15Aによりレンズ16に導かれ、CCD(Charge Coupled Devices)センサー18に結像する。
【0036】
CCDセンサー18に結像した反射光は、CCDセンサー18内で電気信号としての画像データに変換される。画像データは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字用データに変換されて、画像形成部140に出力される。
【0037】
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
【0038】
画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データが入力される露光装置21Yと、像担持体である感光体ドラム23Yと、感光体ドラム23Yの表面を一様に帯電するための帯電ローラー22Yと、現像器24Yと、感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像を電界力の作用で像担持体である中間転写ベルト30上に転写するための1次転写ローラー25Yと、感光体ドラム23Y上の転写残トナーを除去するためドラム清掃ブレード27Yと、トナー収容容器41Yと、サブホッパー42Yと、を備える。
【0039】
トナー収容容器41Yは、イエローのトナーを収容する。トナー収容容器41Yは、本体フレームに設けられた容器格納部41に格納され、本体フレームに設けられたトナー収容容器モーターを駆動源として駆動し、トナーを外部に排出する。トナー収容容器41Yから排出されたトナーは、サブホッパー42Yに供給される。サブホッパー42Yは、容器格納部41の下方に設けられ、トナー収容容器41Yと現像器24Yとの間でトナー収容容器41Yから排出されるトナーを一時的に貯留するトナー貯留部を有する。サブホッパー42Yは、現像器24Yに収容されたトナーの残量が予め定められた下限値以下になることに応じてトナー貯留部に貯留されたトナーを現像器24Yに供給する。
【0040】
感光体ドラム23Yの周辺に、帯電ローラー22Y、露光装置21Y、現像器24Y、1次転写ローラー25Y、ドラム清掃ブレード27Yが、感光体ドラム23Yの回転方向に沿って順に配置される。
【0041】
感光体ドラム23Yは、帯電ローラー22Yによって帯電された後、露光装置21Yが発光するレーザー光が照射される。露光装置21Yは、感光体ドラム23Yの表面の画像対応部を露光する。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yが、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像を帯電したトナーで現像する。具体的には、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像上に電界力の作用でトナーが載せられることにより、トナー像が感光体ドラム23Yに形成される。感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、像担持体である中間転写ベルト30上に1次転写ローラー25Yにより電界力の作用で転写される。感光体ドラム23Y上で転写されずに残ったトナーは、ドラム清掃ブレード27Yにより感光体ドラム23Yから除去される。
【0042】
一方、中間転写ベルト30は、駆動ローラー33と従動ローラー34とにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー33が
図2中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト30の回転に伴って、従動ローラー34が、反時計回りに回転する。
【0043】
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、順に中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト30に付された基準マークの検出に基づいて、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト30上に重畳される。
【0044】
中間転写ベルト30に形成されたトナー像は、転写部材である2次転写ローラー26によって電界力の作用で用紙に転写される。タイミングローラー31により搬送される用紙は、中間転写ベルト30と2次転写ローラー26とが接するニップ部に搬送される。トナー像が転写された用紙は、定着ローラー32に搬送され、定着ローラー32により加熱および加圧される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は排紙トレイ39に排出される。
【0045】
中間転写ベルト30の画像形成ユニット20Yの上流に、ベルト清掃ブレード28が設けられている。ベルト清掃ブレード28は、中間転写ベルト30上で用紙に転写されずに残ったトナーを除去する。
【0046】
給紙カセット35,35Aには、それぞれサイズの異なる用紙がセットされている。給紙カセット35,35Aそれぞれに収容された用紙は、給紙カセット35,35Aにそれぞれ取付けられている取出ローラー36,36Aにより、搬送経路へ供給され、給紙ローラー37によりタイミングローラー31へ送られる。
【0047】
MFP100は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。なお、ここでは、MFP100は、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備えたタンデム方式を採用する例について説明するが、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式を採用してもよい。
【0048】
図3は、トナー収容容器およびサブホッパーの外観を示す斜視図である。
図3を参照して、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれは、トナーを収容するボトル部411と、ボトル部411の一端に取り付けられるキャップ部412とを含む。トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kにそれぞれ対応してサブホッパー42Y,42M,42C,42Kが一体的に設けられている。トナー収容容器41Y,41M,41C,41KがMFP100の容器格納部41に格納された状態で、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kとサブホッパー42Y,42M,42C,42Kとが相対的に位置決定めされる。
【0049】
サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれは、中空構造であり、内部にトナーを貯蓄するためのトナー貯留部43を有する。トナー貯留部43の前面の壁に貫通穴が形成されており、その貫通穴を貫通するように連結部材203が設けられる。連結部材203は、棒状の部材である。連結部材203は、トナー貯留部43の前面の壁に形成された貫通穴を貫通し、貫通穴によって摺動可能に支持される。
【0050】
図4は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第2の斜視図である。
図4を参照して、
図4においては、カバー部材50を開いた開状態におけるMFP100を示している。カバー部材50は、開状態において、画像形成部140の容器格納部41の収納口41Aを外部に露出させる。カバー部材50は、開状態において、その裏面、カバー部材50が閉状態においてMFP100の内部側に向く面が上方を向く。収納口41Aは、容器格納部41の正面側の開口であり、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kが容器格納部41に挿入される場合にトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを最初に受け入れる部分である。
図4においては、収納口41Aは、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kが容器格納部41に格納される状態が示されるので、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kによって隠れて見えない。
【0051】
カバー部材50が開状態において、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kおよびサブホッパー42Y,42M,42C,42Kの一部以外の部分は外部に露出しない。このため、カバー部材50が開状態において、画像形成部140は、画像形成動作を実行可能に設定されている。したがって、画像形成部140が画像形成動作中に、カバー部材50が閉状態から開状態になっても、画像形成部140が画像形成動作を中断することなく継続する。また、カバー部材50が開状態において、容器格納部41が露出するので、ユーザーは、トナー収容容器41Y、41M,41C,41Kの少なくとも1つを交換することができる。
【0052】
図5は、MFPにおいてトナー収容容器を交換する様子を示す図である。
図5を参照して、トナー収容容器41Yは、MFP100の容器格納部41から正面方向に引き出されることにより、MFP100から離脱される。その後、新たなトナー収容容器41YがMFP100の容器格納部41に背面方向に押し込まれることにより、MFP100に装着される。トナー収容容器41Yは、カバー部材50が開状態で着脱され、着脱時にトナー収容容器41Yがカバー部材50の上方を通過する。
【0053】
トナー収容容器41Yは、長手方向にMFP100の容器格納部41に挿入される。以下、トナー収容容器41YがMFP100の容器格納部41に挿入される長手方向を着脱方向という。着脱方向は、正面方向と背面方向とを含む。
【0054】
カバー部材50が開状態において、サブホッパー42Y,42M,42C,42Kの一部が露出する。サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれから正面方向に連結部材203が突出する。連結部材203は、サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれにより着脱方向に摺動可能に支持されている。また、連結部材203は、後述する弾性部材203B(
図11参照)により正面方向に付勢されおり、カバー部材50が開状態において、正面方向に移動する。連結部材203は、カバー部材50が開状態と閉状態との間で、連結部材203の正面方向の端部がカバー部材50に当接する。カバー部材50が連結部材203の正面方向の端部が当接した位置からさらに、カバー部材50が閉じられると、連結部材203が弾性部材203Bの弾性力に打ち勝って背面方向に押し込まれる。そして、カバー部材50が閉状態になると、連結部材203が最も背面方向に移動した位置となる。
【0055】
図6は、トナー収容容器の一例の一部を示す第1の斜視図である。
図7は、トナー収容容器の一例の一部を示す第2の斜視図である。
図6および
図7においては、トナー収容容器41Yを正面側斜め下方から見た図を示す。
図6および
図7を参照して、トナー収容容器41Yは、トナーを収容するボトル部411と、ボトル部411を外部に開放する排出口427と、排出口427を開閉する第1シャッター部材429と、第2シャッター部材435と、第2シャッター部材が取り付けられる支持部材414と、キャップ部412と、を含む。キャップ部412は、両側面に水平方向に突出する突起部412Aを有する。
【0056】
図6においては、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態が示され、
図7においては、第2シャッター部材435が格納位置に位置する状態が示される。第2シャッター部材435は、着脱方向にボトル部411に対して相対移動可能にボトル部411に取り付けられる。第2シャッター部材435は、矩形の平板状の蓋部材435Aと、蓋部材435Aの対向する2つの端部それぞれから上方に延びる一対の把持部435Bと、蓋部材435Aの下面から下方に延びるシャッター係止部435Cと、を有する。一対の把持部435Bは、それぞれが対向する面に、着脱方向に延びる溝が形成されている。
【0057】
ボトル部411は、排出口427の下方に配置される支持部材414と、支持部材414の背面方向側に隣接して配置された係止部415を有する。支持部材414は、排出口427を垂直方向下方に位置し、排出口427を垂直方向下方の水平面に投影した領域以上の大きさの穴414Aが形成されている。
【0058】
支持部材414の着脱方向に平行な端面を有する一対の端部414Bに、第2シャッター部材435の一対の把持部435Bに形成された溝がそれぞれ係合する。これにより、第2シャッター部材435は、支持部材414に対して、着脱方向に摺動可能である。
【0059】
図6に示されるように、第2シャッター部材435が離脱位置に位置する状態では、第2シャッター部材435が支持部材414に形成される穴414Aを塞ぐ。このため、ボトル部411に収容されるトナーがトナー収容容器41Yから漏れ落ちることはない。
【0060】
図7に示されるように、第2シャッター部材435が格納位置に位置する状態では、第1シャッター部材429が排出口427を開放し、支持部材414に形成される穴414Aが露出する。支持部材414に形成される穴414Aは排出口427を垂直方向下方の水平面に投影した領域以上の大きさなので、ボトル部411の排出口427から落下するトナーは、穴414Aを通過して、下方に落下する。このため、ボトル部411に収容されるトナーが重力によって排出口427から落下する。
【0061】
図8は、第2シャッター部材が格納位置に位置する状態におけるトナー収容容器の一部の断面図である。
図9は、第2シャッター部材が離脱位置に位置する状態におけるトナー収容容器の一部の断面図である。
【0062】
第1シャッター部材429は、平板形状であり、一端に回転軸429Aを有し、回転軸429Aは排出口427の正面方向の端部でボトル部411に軸支されている。第1シャッター部材429は、回転軸429Aを中心に閉塞位置と開放位置との間で回転可能である。閉塞位置は、排出口427が閉じ、ボトル部411が閉塞した状態になる位置である。開放位置は、排出口427が開き、ボトル部411が外部に開放された状態になる位置である。第1シャッター部材429は、ボトル部411に向かう面に弾性を有するシート429Cが貼り付けられている。シート429Cは、弾性体であり、例えば、ゴム、スポンジ状のウレタンであってもよい。このため、第1シャッター部材429が閉塞位置に位置する状態で、排出口427からトナーができるだけ漏れ出さないようにできる。
【0063】
第1シャッター部材429の回転軸429Aは、第1シャッター部材429が閉塞位置と開放位置との間で回転する間において、その回転軸429Aが第1シャッター部材429の重心よりも常に上方に位置する。また、第1シャッター部材429の回転軸429Aと反対側の端部である接触端429Bは、閉塞位置における位置が開放位置における位置よりも上方に位置する。このため、第1シャッター部材429は、閉塞位置から自重により回転することにより開放位置に移動する。開放位置において、第1シャッター部材429は排出口427を閉じる側の面が垂直になる。また、第1シャッター部材429は、開放位置に位置する状態で外部から背面方向の力を受けることにより閉塞位置に向かって回転する。
【0064】
第2シャッター部材435が格納位置にある状態において、第1シャッター部材429は開放位置となり、第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面は、第1シャッター部材429の接触端429Bよりも上方に位置する。第2シャッター部材435が格納位置にある状態からボトル部411に対して着脱方向の背面方向に移動する場合、第2シャッター部材435が第1シャッター部材429に当接し、第1シャッター部材429は接触端429Bが上方に持ち上げられて回転する。その後、第1シャッター部材429の接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面の位置まで上昇すると、第1シャッター部材429が閉塞位置となる。第2シャッター部材435は、さらにボトル部411に対して着脱方向の背面方向に移動し、ボトル部411の係止部415に当接して着脱位置で停止する。この間、第1シャッター部材429の接触端429Bは、第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面に当接しており、第1シャッター部材429は閉塞状態が維持される。
【0065】
第2シャッター部材435が着脱位置からボトル部411に対して着脱方向の正面方向に移動すると、第1シャッター部材429の接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面と接しなくなる。第1シャッター部材429の接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面と接しなくなると、第1シャッター部材429の接触端429Bが下方に移動を開始し、第1シャッター部材429は回転軸429Aを中心に自重で回転を開始する。第1シャッター部材429は、第1シャッター部材429の排出口427に向かう面が垂直になる格納位置で停止する。なお、格納位置において第2シャッター部材435は、第1シャッター部材429から離間してもよい。
【0066】
図10は、容器格納部の一部を周辺の部材とともに拡大して示す斜視図である。
図10においては、容器格納部41のトナー収容容器41Y,41Mそれぞれが格納される収納口41Aに対応する部分を示す。
図10を参照して、容器格納部41の収納口41Aの下方に規制部443が配置され、規制部443の正面方向側に所定の距離を隔てて規制爪453が配置される。規制部443は、サブホッパー42Y,42M,42C,42Kそれぞれの正面方向側の前面壁の一部である。規制爪453は、上下方向に移動可能に設けられる。規制爪453は、一対の側方ガイド板451と一体に形成されている。一対の側方ガイド板451は、それぞれが対向する面に摺動溝451Aが形成されている。摺動溝451Aに、トナー収容容器41Yが容器格納部41に挿入される途中で、トナー収容容器41Yのキャップ部412の両側面にそれぞれ形成された突起部412A(
図6参照)が入り込む。トナー収容容器41Yは着脱方向に移動するため突起部412Aもトナー収容容器41Yの移動に伴って着脱方向に移動する。このため、側方ガイド板451に形成された摺動溝451Aが突起部412Aから力を受け、規制爪453が上下方向に移動する。
【0067】
摺動溝451Aは、トナー収容容器41Yが容器格納部41に侵入してから第2シャッター部材435が規制部443に当接するまでは下方に位置し、第2シャッター部材435が規制部443に当接した後は、規制爪453が上方に位置するように、側方ガイド板451に形成されている。
【0068】
図10において、容器格納部41のトナー収容容器41Yが収納される収納口41Aに対応する規制爪453が上方に位置する状態を示し、容器格納部41のトナー収容容器41Mが収納される収納口41Aに対応する規制爪453は下方に位置する状態を示す。
【0069】
図10に示されるように、サブホッパー42Yの上面にトナー貯留部43を外部に開放する供給口441が形成されている。また、サブホッパー42Yは、供給口441が閉鎖板445により閉じられた状態が示される。閉鎖板445は、正面方向にバネなどの弾性体により付勢されており、トナー収容容器41Yが容器格納部41に挿入される途中で、トナー収容容器41Yに設けられた係止部415が当接し、係止部415により背面方向に押されることにより移動して、供給口441を開放する。
【0070】
なお、
図10においては、容器格納部41のトナー収容容器41Mが収納される収納口41Aにおいて、供給口441が開放する状態で、かつ、規制爪453が下方に移動した状態を示しているが、実際には同時に2つの状態が実現される必要はない。規制爪453は、トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納される際に少なくとも第2シャッター部材435に設けられたシャッター係止部435Cが規制爪453よりも正面方向側から背面方向に移動する間だけ下方に移動し、トナー収容容器41Yが容器格納部41から離脱する際に、少なくとも第2シャッター部材435が格納位置から着脱位置に移動する間だけ上方に移動すればよい。また、供給口441は、少なくともトナー収容容器41Yの排出口427が供給口441の上方に位置する間だけ開放する状態であればよい。
【0071】
図11は、カバー部材50が閉状態におけるサブホッパーのトナー貯留部の内部から上面の一部を見た図である。
図11において、上方が正面方向を示し、下方が背面方向を示す。
図11を参照して、サブホッパー42Yのトナー貯留部43は、外部に開放する供給口441が上面に形成されており、閉塞部材201と、連結部材203と、回転軸201Aと、を有する。回転軸201Aは、サブホッパー42Yのトナー貯留部43の上面で、供給口441の周辺の所定 位置から内方に突出する。
【0072】
閉塞部材201は、平板状の形状であり、回転軸201Aに回転可能に結合される軸受部と、閉塞部201Bと、接続部201Cと、を含む。接続部201Cは、回転軸201Aに対して閉塞部201Bと反対側の位置に貫通する穴として形成される。接続部201Cは、回転軸201Aを通る直線方向に所定の長さを有する。閉塞部材201は、閉塞部201Bと接続部201Cとの間の回転軸201Aを中心に回転可能である。閉塞部材201は、回転軸201Aに取り付けられたコイルバネ201D(第2弾性部材)によって、図中で時計周りに付勢される。なお、本実施の形態においてはコイルバネ201Dを用いたが、閉塞部材201を図中で時計回りの回転方向に付勢する弾性体であればコイルバネに限定されない。
【0073】
連結部材203は、サブホッパー42Yのトナー貯留部43の前面に形成された貫通穴により着脱方向に摺動可能に支持される。貫通穴の内周を覆うシール部材204が取り付けられる。このため、連結部材203の摺動によって、トナー貯留部43に貯留されたトナーが、トナー貯留部43の貫通穴から外部に漏れだすのが防止される。連結部材203は、背面方向の端部から垂直方向下方に延びる接続部材203Aを有する。接続部材203Aが閉塞部材201の接続部201Cに入り込むように連結部材203と閉塞部材201とが位置決めされ、連結部材203と閉塞部材201とが接続される。接続部材203Aは、接続部201C内で摺動可能である。
【0074】
連結部材203は、カバー部材50が閉状態において、カバー部材50により正面方向側の端部が背面方向側に押されるので、最も背面方向側に位置する。このため、
図11に示されるように閉塞部材201は、カバー部材50が閉状態において、時計回りに最も回転した第2位置にある。閉塞部201Bは、カバー部材50が閉状態において、供給口441よりも正面方向側に位置し、供給口441と垂直方向で重ならない。このため、第1シャッター部材429の供給口441への侵入が閉塞部201Bによって妨げられない。
【0075】
図12は、カバー部材50が開状態におけるサブホッパーのトナー貯留部の内部から上面の一部を見た図である。
図12を参照して、連結部材203は弾性部材203B(第1弾性部材)により正面方向に付勢されている。弾性部材203Bは、ここでは、バネである。弾性部材203Bの弾性力とコイルバネ201Dの弾性力とは、弾性部材203Bにより閉塞部材201に作用する回転モーメントがコイルバネ201Dにより閉塞部材201に作用する回転モーメントよりも大きくなるように定められる。このため、連結部材203は、カバー部材50が開状態において、最も正面方向側に位置する。カバー部材50が開状態においては、閉塞部材201は反時計回りに最も回転した第1位置にある。閉塞部材201の閉塞部201Bが供給口441の一部と垂直方向で重なり、閉塞部201Bが供給口441の一部を塞ぐ。閉塞部201Bが供給口441と垂直方向で重なる領域は、供給口441の着脱方向の全部に連続する部分を含む。このため、閉塞部材201が回転軸201Aを中心に回転する間に、第1シャッター部材429との接触を継続させることができる。したがって、閉塞部201Bは、回転軸201Aの軸受部を通る径方向の長さが、閉塞部201Bが供給口441と垂直方向で重なる領域が供給口441の着脱方向の全部に連続する部分を含むことができる長さに決定される。第2位置における閉塞部材201の閉塞部201Bの着脱方向の長さは、第1シャッター部材429の厚さより大きくしてもよい。
【0076】
連結部材203の破損等により連結部材203が弾性部材203Bにより付勢されなくなる故障が生じた場合、閉塞部材201は連結部材203から回転力を受けることなくコイルバネ201Dにより付勢される。このため、閉塞部材201は、
図11に示されるように、時計回りに最も回転した第2位置となる。このため、第1シャッター部材429の供給口441への侵入が閉塞部201Bによって妨げられない。このように、コイルバネ201Dは、連結部材203が破損する場合等に、閉塞部材201が供給口441を塞がないようにできる。
【0077】
なお、閉塞部201Bは、平板形状でなくともよく、棒状であってもよい。また、閉塞部201Bは直線形状である必要はなく、曲線形状であってもよいし、屈曲または湾曲した形状であってもよい。また、閉塞部201Bの断面は、矩形である必要はなく、任意の断面形状であればよい。例えば、断面形状は、円形または楕円であってもよい。
【0078】
図13~
図15は、サブホッパーとトナー収容容器との位置関係の一例を示す断面図である。
図13は、カバー部材50が閉じた閉状態でかつトナー収容容器41Yが容器格納部41に格納された状態を示す。
図14は、カバー部材50が開状態かつトナー収容容器41Yが容器格納部41に格納された状態を示す。
図15は、カバー部材50が開状態かつトナー収容容器41Yが容器格納部41に格納された状態から正面方向に所定量だけ引き出された状態を示す。
【0079】
図13を参照して、トナー収容容器41Yは、容器格納部41に格納が完了した状態である。サブホッパー42Yのトナー43に形成された供給口441は、トナー収容容器41Yのボトル部411に形成された排出口427の垂直方向下方に位置し、排出口427を垂直方向下方の水平面に投影した領域以上の大きさである。また、閉塞部材201は、カバー部材50が閉じた閉状態なので、供給口441よりも正面方向側に位置し、供給口441に垂直方向で重ならない。したがって、トナー貯留部43は、ボトル部411と排出口427、穴414Aおよび供給口441を介して垂直方向に連通する。
【0080】
第1シャッター部材429は、第2シャッター部材435から離間しているので自重により回転軸429Aを中心に回転し、開放位置に位置する。この場合、第2シャッター部材435の一部が供給口441に進入し、一部がサブホッパー42Yの内部に存在する。また、回転軸429Aが排出口427の正面方向端部に設けられるので、第1シャッター部材429の一部は、供給口441に進入する際には第1シャッター部材429の接触端429Bが正面方向に移動しながら供給口441に侵入する。
【0081】
第1シャッター部材429が開放位置に位置する状態では、トナー収容容器41Yに収容されたトナーが排出口427から排出され、排出口427から排出されたトナーが穴414Aおよび供給口441を通って、サブホッパー42Yのトナー貯留部43に落下する。さらに、トナー収容容器41Yのボトル部411が回転する等してボトル部411内のトナーが正面方向に搬送されると、排出口427に到達したトナーが排出口427から排出される。
【0082】
カバー部材50が閉じた閉状態でかつトナー収容容器41Yが容器格納部41に格納された状態において、閉塞部材201の上面は、第1シャッター部材429の接触端429Bよりも上方に位置する。
【0083】
図13に示す状態からカバー部材50が開状態になると、閉塞部材201が回転し、閉塞部201Bが着脱方向において背面方向(
図13では右方向)に移動し、供給口441の下方に位置する。閉塞部201Bの移動に伴って、第1シャッター部材429が回転軸429Aを中心に排出口427に向かう方向に回転する。サブホッパー42Yに蓄積されるトナーが積もってできる山の頂上がトナー貯留部43の上面近くにまで達している場合には、第1シャッター部材429が回転することによって、トナーの山が崩され、トナーの山の高さが低くなる。このため、第1シャッター部材429の排出口427に向かう面とは反対側の面にトナーが付着する量を少なくすることができる。また、閉塞部材201が移動する間に、第1シャッター部材429に付着したトナーが払い落とされるとともに、トナーの山が閉塞部201Bによりさらに崩されるので、トナーの山の頂上付近が均され、均一になる。
【0084】
図14は、カバー部材50が開状態となり閉塞部材201の回転が終了した状態を示す。閉塞部材201が供給口441の垂直方向下方に位置する。この場合、閉塞部材201は、供給口441の着脱方向における全体の部分と垂直方向で重なる。このため、閉塞部材201が回転する途中では、第1シャッター部材429が閉塞部201Bの上面よりも下方に位置しないようにできる。
【0085】
第1シャッター部材429の接触端429Bは、閉塞部201Bの上面に位置し、排出口427は完全には閉塞していないが、開口面積が小さくなる。この場合に排出口427が開口してできる隙間は、トナーが排出されない程度、または排出されたとしても少量となるように、隙間の大きさが調整されている。このように、カバー部材50が開状態となり閉塞部材201の回転が終了した状態において、ボトル部411に収容されるトナーが排出口427から排出される量を少なくすることができる。ボトル部411に収容されるトナーが排出口427から排出される場合、そのトナーは、閉塞部201Bの上面に蓄積するか、穴414Aおよび供給口441を通ってサブホッパー42Yのトナー貯留部に落下する。なお、シート429Cの厚さを大きくする、または、第1シャッター部材429の形状を変更する等して、排出口427を完全に閉塞してもよい。
【0086】
図14に示す状態から、トナー収容容器41Yのキャップ部412が正面方向にユーザーにより引き出されると、キャップ部412およびボトル部411が正面方向に移動する。第2シャッター部材435は規制爪453に当接しているので、第2シャッター部材435は正面方向への移動が規制され、第2シャッター部材435はボトル部411に相対して背面方向に移動する。第2シャッター部材435は、支持部材414に沿って摺動可能なので、第2シャッター部材435と支持部材414に形成された穴414Aとの間の距離が小さくなる。
【0087】
また、第1シャッター部材429は、回転軸429Aがボトル部411に軸支されているので、回転軸429Aが正面方向へ移動する。これに伴い、第1シャッター部材429の接触端429Bは閉塞部201Bの上面に沿って正面方向に移動する。したがって、排出口427の隙間の大きさは維持されるので、排出口427から排出されるトナーの量を少なくした状態が維持される。
【0088】
さらに、トナー収容容器41Yのキャップ部412が正面方向にユーザーにより引き出されると、第1シャッター部材429がサブホッパー42Yに形成された供給口441の端部でサブホッパー42Yに当接する。さらに、トナー収容容器41Yのキャップ部412が正面方向にユーザーにより引き出されると、第1シャッター部材429は、回転軸429Aを中心に反時計方向に回転しながら第1シャッター部材429の接触端429Bがサブホッパー42Yの上面に乗り上げる。
【0089】
図15に、第1シャッター部材429の接触端429Bがサブホッパー42Yの上面の接触面に乗り上げた状態が示される。接触面は、サブホッパー42Yの上面の一部であり、供給口441と規制部443との間の平面である。接触面は、第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面と同じ高さに位置決めされている。
【0090】
図15に示す状態からさらに、トナー収容容器41Yのキャップ部412が正面方向にユーザーにより引き出されると、第1シャッター部材429が閉塞位置を維持したまま、接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面に移動する。サブホッパー42Yの上面の接触面は、第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面と同じ高さに位置決めされているので、第1シャッター部材429の接触端429Bがサブホッパー42Yの上面から第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面にスムーズに移動可能である。
【0091】
さらに、トナー収容容器41Yのキャップ部412が正面方向にユーザーにより引き出されると、第2シャッター部材435が支持部材414に設けられた係止部415に当接する離脱位置に到達するタイミングで、規制爪453が下方に移動する。そして、トナー収容容器41Yの全体が容器格納部41から抜き取られる。
【0092】
また、トナー収容容器41Yが容器格納部41に格納される場合においても、第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面は、サブホッパー42Yの上面の接触面と同じ高さに位置決めされる。このため、第1シャッター部材429の接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面からサブホッパー42Yの上面にスムーズに移動可能である。本実施の形態においては、第1シャッター部材429の接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面からサブホッパー42Yの上面の接触面への移動を助けるために、第1シャッター部材429が閉塞状態で、第1シャッター部材429の接触端429Bはサブホッパー42Yの上面に対して傾斜する傾斜面を有する。
【0093】
図16は、トナー収容容器着脱方法の流れの一例を示すフローチャートである。
図16を参照して、トナー収容容器着脱方法は、カバー部材50を開状態にする工程(P01)を含む。ユーザーがカバー部材50の上端を正面方向に引き出すことのより、カバー部材50が閉状態から開状態となる。この段階で、容器格納部41が外部に露出し、容器格納部41に格納されたトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれのキャップ部412の一部が外部に露出する。工程P01の進行に並行して、第1シャッター部材429が開放位置から閉塞位置に向かって回転する(工程P02)。カバー部材50が開状態になると、連結部材203の正面方向側の端部がカバー部材50から離脱するので、弾性部材203Bにより正面方向に付勢される。これにより、閉塞部材201が供給口441と垂直方向で重なる第1位置まで回転する。閉塞部材201の上面は第1シャッター部材429の接触端429Bよりも上方に位置する。このため、第1シャッター部材439が開放位置から閉塞位置に向かって回転する。
【0094】
次に、トナー収容容器41Yがユーザーにより引き出されると(P03でYES)、第2シャッター部材435が格納位置から離脱位置に移動するとともに、供給口441が排出口427の垂直方向下方で重なる位置から供給口441が排出口427の垂直方向下方で重ならない位置に排出口427が移動する(工程P04)。トナー収容容器41Yが正面方向に移動する場合、第2シャッター部材435は規制爪453に当接しているので、第2シャッター部材435は正面方向への移動が規制される。このため、第2シャッター部材435はボトル部411に相対して背面方向に離脱位置まで移動する。第2シャッター部材435が格納位置から離脱位置まで移動する間に、第1シャッター部材429は閉塞位置を維持しつつ、その接触端429Bが第2シャッター部材435の蓋部材435Aの上面に移動する。第2シャッター部材435が離脱位置まで移動した後は、規制爪453が下方に移動するので、第2シャッター部材435はボトル部411とともに正面方向に移動する。
【0095】
次に、新たなトナー収容容器41Yがユーザーにより挿入されると(P05でYES)、第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動するとともに、供給口441が排出口427の垂直方向下方で重ならない位置から供給口441が排出口427の垂直方向下方で重なる位置に排出口427が移動する(工程P06)。新たなトナー収容容器41Yがユーザーにより背面方向に挿入されると、第2シャッター部材435は、規制部443に当接して背面方向への移動が規制される。このため、第2シャッター部材435は、ボトル部411に対して離脱位置から正面方向に格納位置まで移動する。トナー収容容器41Yがユーザーによりさらに挿入されて容器格納部41に格納されると、第1シャッター部材429の接触端429Bが閉塞部材291の上面に当接した状態となる。
【0096】
次に、カバー部材50を閉状態にする(工程P07)。ユーザーがカバー部材50を開状態から閉じると、カバー部材50が閉状態となる。これにより、容器格納部41が外部に露出しなくなる。工程P07の進行に並行して、第1シャッター部材429を開放位置まで回転する(工程P08)。カバー部材50が閉状態になると、連結部材203の正面方向側の端部がカバー部材50により弾性部材203Bの弾性力に打ち勝って背面方向に押される。これにより、閉塞部材201が供給口441と垂直方向で重ならない第2位置まで回転する。このため、第1シャッター部材439が自重で開放位置まで回転する。第1シャッター部材439が開放位置でボトル部411の排出口427が外部に開放され、排出口427が供給口441と垂直方向上方で重なるので、ボトル部411に収容されたトナーがサブホッパー42Yに供給される。
【0097】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、画像形成装置として機能し、トナーを収容するトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kが着脱可能である。このトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれは、トナーを収容するボトル部411と、ボトル部411を外部に開放する排出口427と、排出口427を閉じる閉塞位置と排出口427を開く開放位置との間を回転自在にボトル部411に取り付けられた第1シャッター部材429と、開放位置にある第1シャッター部材429と離隔する格納位置と閉塞位置にある第1シャッター部材429と接触する離脱位置との間をトナー収容容器が着脱される着脱方向にボトル部411に相対移動可能に設けられた第2シャッター部材435と、を備える。MFP100は、収納口41Aを有し、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを格納する容器格納部41と、容器格納部41の下方に設けられ、容器格納部41に格納されたトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれの排出口427の垂直方向下方に供給口441が形成されたトナー貯留部43と、第2シャッター部材435を離脱位置から格納位置に移動させる規制部443と、収納口41Aを開閉するカバー部材50と、容器格納部41に格納されたトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれの第1シャッター部材429をカバー部材50の開閉動作に連動して回転させる切換部と、を備える。
【0098】
このMFP100は、規制部443によって第2シャッター部材435が離脱位置から格納位置に移動されるので、第2シャッター部材435が第1シャッター部材429から離隔する。これにより、第1シャッター部材429が閉塞位置から開放位置に回転し、排出口427が開放される。排出口427が開放されるとボトル部411に収容されたトナーが排出口427から排出され、供給口441からトナー貯留部43にトナーが供給される。カバー部材50の開閉動作に連動して第1シャッター部材429が回転する。このため、カバー部材50の開閉によって、排出口427の開口面積を変更することができる。したがって、第2シャッター部材435が離脱位置に移動する前の段階で、排出口427の開口面積を小さくし、排出口427から排出されるトナーの量を少なくすることができる。その結果、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを着脱する間にトナー収容容器から漏れ落ちるトナーの量を少なくできる。
【0099】
また、第1シャッター部材429の回転軸429Aは、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれが容器格納部41に格納された状態における排出口427の規制部443側に設けられ、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれが容器格納部41に格納された状態で、開放位置に位置する第1シャッター部材429の一部は供給口441よりも下方に位置する。そして、MFP100は、少なくとも一部の閉塞部201Bが供給口441の少なくとも一部と垂直方向で重なる第1位置と供給口441よりも規制部443側の第2位置とに移動可能に設けられた閉塞部材201と、カバー部材50が収納口41Aを閉じた閉状態の場合に閉塞部材201を第2位置に移動させ、カバー部材50が収納口41Aを開いた開状態の場合に閉塞部材201を第1位置に移動させる連結機構と、を備える。このため、カバー部材50が閉状態の場合に閉塞部材201が供給口441よりも規制部443側に位置し、閉塞部材201が第1シャッター部材429に接触しないので、第1シャッター部材429は開放位置となる。一方、カバー部材50が開状態の場合に閉塞部材201が供給口441の一部と垂直方向で重なるので、閉塞部材201が第1シャッター部材429に当接する。また、閉塞部材201は、供給口441よりも規制部443側から供給口441に移動するので、供給口441よりも下方に位置する第1シャッター部材429を閉塞位置に向かう方向に回転させる。このため、排出口427の開放面積を小さくできる。
【0100】
また、連結機構は、着脱方向と平行に移動可能に設けられた連結部材203と、連結部材203を後端から前端に向かう方向に付勢する弾性部材203Bと、を有し、閉塞部材201は、連結部材203の後端と接続部201Cで接続され、接続部201Cおよび閉塞部201Bとの間の回転軸201Aを中心に回転可能にトナー貯留部43に取り付けられ、連結部材203の前端はカバー部材50が閉状態と開状態との間の段階でカバー部材50に当接し、連結部材203の前端は、カバー部材50が開状態でカバー部材50から離間する。このため、閉塞部材201は、接続部201Cおよび閉塞部201Bとの間の回転軸201Aを中心に回転可能にトナー貯留部43に取り付けられるので、閉塞部201Bは連結部材203の後端が移動する方向と反対の方向に移動する。カバー部材50が閉状態と開状態との間の段階で連結部材203の前端がカバー部材50に当接し、連結部材203はカバー部材50が閉状態でカバー部材50から受ける押圧力により前端から後端に向かう方向に移動する。このため、閉塞部材201を第2位置に移動させることができる。また、連結部材203は、カバー部材50が開状態でカバー部材から離間し、弾性部材203Bによる付勢力により後端から前端に向かう方向に移動する。このため、閉塞部材201を第1位置に移動させることができる。このように、カバー部材50の開閉に連動して、閉塞部材201を着脱方向に移動させることができる。
【0101】
また、閉塞部材201は、コイルバネ201Dにより第1位置から第2位置に向かう方向に付勢される。弾性部材203Bおよびコイルバネ201Dそれぞれの弾性力は、弾性部材203Bにより閉塞部材201に作用する回転モーメントがコイルバネ201Dにより閉塞部材201に作用する回転モーメントよりも大きくなるように定められている。このため、弾性部材203Bが連結部材203を付勢していない状態で、かつ、カバー部材50が閉状態で、コイルバネ201Dにより閉塞部材201が第2位置に移動する。したがって、弾性部材203Bが連結部材203を付勢できない状態であってもトナー収容容器41Yから排出されるトナーがトナー貯留部43に供給されるようにできる。
【0102】
また、閉塞部材201は、トナー貯留部43の内部に設けられる。このため、閉塞部材201がトナー貯留部43の内部に設けられるので、容器格納部41の構成を簡略にすることができ、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kの着脱が容易になる。
【0103】
また、トナー貯留部43に連結部材203が貫通する貫通穴が形成されており、貫通穴と連結部材203との間に設けられたシール部材204を、さらに含む。このため、トナー貯留部43から零れ落ちるトナーの量を少なくできる。
【0104】
また、閉塞部材201は、第1位置において供給口441の着脱方向に連続する部分と垂直方向に重なる部分を含む。このため、閉塞部材201が第1位置において、閉塞部201Bが供給口441の着脱方向に連続する部分と垂直方向に重なる部分を含むので、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれの位置に係わらず、閉塞部材201が第1シャッター部材429と接触した状態を維持することができる。
【0105】
また、第2位置における閉塞部材201の閉塞部201Bの着脱方向の長さは、第1シャッター部材429の厚さより大きい。
【0106】
また、規制部443と供給口441との間に容器格納部41に格納されたトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kそれぞれの第2シャッター部材435が第1シャッター部材429と接触する面と高さが同じ接触面を、さらに備える。第1シャッター部材429材が第2シャッター部材435と接触する間の第1シャッター部材429の回転位置と、第1シャッター部材429が接触面と接触する間の第1シャッター部材429の回転位置と、が同じになる。このため、第1シャッター部材429が供給口441に進入していない間に第1シャッター部材429を閉塞位置にすることができる。
【0107】
本実施の形態におけるMFP100にトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを着脱するためのトナー収容容器着脱方法は、カバー部材50を開閉する工程と、容器格納部41にトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kが格納された状態でカバー部材50が閉じた閉状態からカバー部材50が開いた開状態に変化することに応じて、開放位置にある第1シャッター部材を閉塞位置に向けて回転させる工程と、容器格納部41にトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kが格納された状態でカバー部材50が開状態から閉状態に変化することに応じて、第1シャッター部材を開放位置まで回転させる工程と、を含む。このため、トナー収容容器41Y,41M,41C,41KをMFP100に着脱する間にトナー収容容器から漏れ落ちるトナーの量を少なくできる。
【0108】
また、第2シャッター部材435が離脱位置と格納位置との間を移動するようにトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを容器格納部41内で移動させる工程を、さらに含む。このため、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを移動させる操作で第2シャッター部材435を移動させることができる。
【0109】
また、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを容器格納部41内で移動させる工程は、容器格納部41の下方に設けられたトナー貯留部43に形成された供給口441が排出口427の垂直方向下方で重なる位置と排出口427が供給口の垂直方向下方で重ならない位置との間を、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを容器格納部41内で移動させる工程を、含む。このため、トナー収容容器41Y,41M,41C,41Kを移動させる操作でトナー収容容器41Y,41M,41C,41Kとトナー貯留部43との相対位置を合わせることができる。
【0110】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0111】
<付記>
(1) 前記第2シャッター部材は、前記離脱位置において前記第1シャッター部材と接触する面が、前記格納位置において前記第1シャッター部材の少なくとも一部よりも上方に位置する、請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【0112】
この局面に従えば、第2シャッター部材を格納位置から離脱位置に移動させることにより、第1シャッター部材を開放位置から閉塞位置に回転させることができる。
(2) 前記規制部は、前記供給口よりも前記収納口側に設けられる、請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【0113】
この局面に従えば、規制部が、トナー収容容器が容器格納部に格納される前の段階で離脱位置にある第2シャッター部材に当接し、第2シャッター部材の容器格納部内への進入を規制するので、トナー収容容器が格納された段階で第2シャッター部材を格納位置に移動させることができる。
(3) 前記第2シャッター部材が前記格納位置にある状態で前記第2シャッター部材が前記容器格納部から離れる方向への移動を規制する規制爪を、さらに備えた請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【0114】
この局面に従えば、トナー収容容器が着脱方向で容器格納部から離れる方向へ移動する場合に、第2シャッター部材を格納位置から着脱位置に移動させることができる。
【符号の説明】
【0115】
100 MFP、41 容器格納部、41A 収納口、41C,41M,41Y,41K トナー収容容器、42C,42M,42Y,42K サブホッパー、43 トナー貯留部、50 カバー部材、201 閉塞部材、201A 回転軸、201B 閉塞部、201C 接続部、203 連結部材、203A 接続部材、203B 弾性部材、204 シール部材、411 ボトル部、412 キャップ部、412A 突起部、414 支持部材、414A 穴、414B 端部、415 係止部、427 排出口、429 第1シャッター部材、429A 回転軸、429B 接触端、429C シート、435 第2シャッター部材、435A 蓋部材、435B 把持部、435C シャッター係止部、441 供給口、443 規制部、445 閉鎖板、451 側方ガイド板、451A 摺動溝、453 規制爪。