(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】小箱の製造装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/30 20060101AFI20240709BHJP
B65D 5/24 20060101ALI20240709BHJP
B31B 50/52 20170101ALI20240709BHJP
【FI】
B65B43/30 B
B65D5/24 B
B31B50/52
(21)【出願番号】P 2021071905
(22)【出願日】2021-04-21
【審査請求日】2023-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 和久
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-116772(JP,A)
【文献】特開昭61-054925(JP,A)
【文献】特開平08-301229(JP,A)
【文献】特開昭55-101445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/30
B65D 5/24
B31B 50/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール(2)が搬入される本体(29)と、
搬入された前記段ボールの底板(3)から前板(4)及び後板(5)を引き起こす上ハンド部(40、41)を有する引き起こしユニット(21)と、
前記引き起こしユニットにより前記前板及び前記後板の引き起こされた前記段ボールの側板(8、9)から延びる上側板(6、7)を前記側板の対向する内方向に折り曲げ、前記上側板を前記側板の対向する内方向に折り込み、前記上側板を前記底板方向に押し込み、前記段ボールの爪(16、17)を切欠き(14)に嵌め込む折り込みユニット(22)と、
前記引き起こしユニットで前記前板及び前記後板を引き起こした段ボールを前記折り込みユニット側に搬送する搬送ユニット(23)と、を備え、
前記搬送ユニットは、入口から段ボールを前記引き起こしユニットへ搬送し、前記引き起こしユニットの動作後、前記折り込みユニットへ搬送し、前記折り込みユニットの動作後、小箱となった段ボールを出口へと搬送する小箱の製造装置。
【請求項2】
前記折り込みユニットは、前記本体に対する下降動作により、前記側板の対向する内方向に折り曲げ、前記上側板を前記側板の対向する内方向に折り込み、前記上側板を前記底板方向に押し込み、前記段ボールの爪を切欠きに嵌め込む上ハンド部(52、53)を有する請求項1に記載の小箱の製造装置。
【請求項3】
前記折り込みユニットは、段ボールの前記上側板を折り曲げ、折り込み、押し込む上側ガイドプレート(31、32)と、前記上側ガイドプレートを操作する
前記上ハンド部と、を備える請求項
1に記載の小箱の製造装置。
【請求項4】
前記折り込みユニットは、前記本体に対し可動な段ボールの前記側板を両外側から固定する下側ガイドプレート(33、34)と、前記下側ガイドプレートを操作する下ハンド部(54、55)と、を備える請求項1
から3のいずれか一項に記載の小箱の製造装置。
【請求項5】
前記折り込みユニットは、前記本体に対し、前記上ハンド部を前記側板の対向する内外方向に移動可能なアクチュエータ(50、51)を備える請求項
2又は3に記載の小箱の製造装置。
【請求項6】
前記折り込みユニットは、前記上ハンド部を昇降可能に移動するシリンダ(35、36、37、38)を備える請求項3または4に記載の小箱の製造装置。
【請求項7】
前記上側ガイドプレートは、先端に回転可能なローラ(56、57)を備える請求項
3に記載の小箱の製造装置。
【請求項8】
前記下側ガイドプレートは、先端に回転可能なローラ(58、59)を備える請求項
4に記載の小箱の製造装置。
【請求項9】
前記引き起こしユニットの前記上ハンド部は、前記前板及び前記後板の外側面を吸引する吸引装置(43、44、45、46)を備える請求項
2又は3に記載の小箱の製造装置。
【請求項10】
前記上側ガイドプレートの押し込み量は、前記切欠きに前記爪が嵌合する程度の所定量に特定した請求項3または7に記載の小箱の製造装置。
【請求項11】
前記搬送ユニットは、段ボールの前記底板を固定する吸引装置(48、49)を備える請求項
1から10
のいずれか一項に記載の小箱の製造装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載される前記小箱の製造装置に用いられる段ボールは、底板、前記底板の前縁に連なる前板、前記底板の後縁に連なる後板、前記底板の側縁に連なる側板、前記側板から上方に延びる上側板、前記上側板に形成される爪、前記底板に形成される切欠きを有する段ボール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小箱の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、段ボールの組み立ての際、作業者が手で組み立てている。手組立は人件費や労力が掛かる。軟質材の段ボールは力の掛け方によっては、曲がりやつぶれが生じ、不良品となる。クラッチ梱包工程において、小箱組立の自動化が必要とされている。段ボールの曲げや爪の挿入等は、人の手の感覚に頼るところが大きい。特に最終工程における側板の押込みは機械化が難しく、爪の挿入不良が発生しやすい。
【0003】
特許文献1のダンボール箱フラップ折り方法および装置では、段ボールをプッシャー部により折り曲げ、ハンド部により折り戻す。
【0004】
従来、人の手の動きを考慮した段ボールを組み立てる装置は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、段ボールの組み立ての自動化を実現する小箱の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の小箱の製造装置(1、20)は、段ボール(2)が搬入される本体(29)と、搬入された段ボール(2)の底板(3)から前板(4)及び後板(5)を引き起こす上ハンド部(40、41)を有する引き起こしユニット(21)と、前記引き起こしユニットにより前記前板及び前記後板の引き起こされた前記段ボールの側板(8、9)から延びる上側板(6、7)を前記側板の対向する内方向に折り曲げ、前記上側板を前記側板の対向する内方向に折り込み、前記上側板を前記底板方向に押込み、前記段ボールの爪(16、17)を切欠き(14)に嵌め込む折り込みユニット(22)と、前記引き起こしユニットで前記前板及び前記後板を引き起こした段ボールを前記折り込みユニット側に搬送する搬送ユニット(23)と、を備え、前記搬送ユニットは、入口から段ボールを前記引き起こしユニットへ搬送し、前記引き起こしユニットの動作後、前記折り込みユニットへ搬送し、前記折り込みユニットの動作後、小箱となった段ボールを出口へと搬送する構成を採用する。
【0008】
本発明によると、本体に搬入される組立前の段ボールを用い、引き起こしユニットにより段ボールの底板から前板と後板を引き起こし、次いで、折り込みユニットにより前記前板及び前記後板の引き起こされた前記段ボールの前記側板から延びる前記上側板を前記側板の対向する内方向に折り曲げ、前記上側板を前記側板の対向する内方向に折り込み、前記上側板を前記底板方向に押込み、前記段ボールの前記爪を前記切欠きに嵌め込む。
【0009】
したがって、人の手の動きを考慮したロボットの作動により、段ボールを一連の工程を経て組み立て、平板状に折りたたまれた段ボールから効率良く上方開口型の小箱を製造することができる。省人によりコスト削減の効果がある。
本発明によると、段ボールの特性と人の手の動きを考慮した小箱組立の自動化を実現する。爪を嵌め込む際の押込み量と押込み高さを定量化することができる。これにより、製造する小箱の不良品発生率を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一実施形態による小箱の製造装置の斜視図。
【
図2】本発明の第一実施形態による段ボールの納入時の平面図。
【
図3】本発明の第一実施形態による
図2に示す段ボールを展開した平面図。
【
図4】本発明の第一実施形態による段ボールの組立後の斜視図。
【
図5】本発明の第一実施形態による小箱の製造装置の正面図。
【
図6】本発明の第一実施形態による引き起こしユニットの斜視図。
【
図7】本発明の第一実施形態による引き起こしユニットの斜視図。
【
図8】本発明の第一実施形態による引き起こしユニットの斜視図。
【
図9】本発明の第一実施形態による引き起こしユニットの斜視図。
【
図10】本発明の第一実施形態による後方からみた折り込みユニットの正面図。
【
図11】本発明の第一実施形態による後方からみた折り込みユニットの正面図。
【
図12】本発明の第一実施形態による後方からみた折り込みユニットの正面図。
【
図13】本発明の第一実施形態による後方からみた折り込みユニットの正面図。
【
図14】本発明の第一実施形態の折り込みユニットによる段ボールの上側板の押込み時の部分斜視図。
【
図15】本発明の第一実施形態による上側板を手作業で押込むときの仮想イメージ図。
【
図16】本発明の第一実施形態の折り込みユニットによる段ボールの上側板の押込み高さを示す説明図。
【
図17】本発明の第一実施形態の折り込みユニットによる段ボールの上側板の押込み量を示す説明図。
【
図18】小箱の爪の適正挿入状態のイメージを示す模式的断面図。
【
図19】小箱の爪の不良挿入状態のイメージを示す模式的断面図。
【
図20】本発明の第一実施形態による折り込みユニットの動作終了時の部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態による小箱の製造装置を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について
図1から
図20に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、小箱の製造装置1のロボットは小箱の組立を自動化する小箱の組立装置20を備える。
小箱の組立装置20は、
図5に示すように、引き起こしユニット21、折り込みユニット22、及び搬送ユニット23、を有する。
【0014】
図2から
図4に示すように、段ボール2は底板3、底板3の前縁及び後縁に連なる前板4及び後板5、底板3の側縁に連なる側板8、9、側板8、9から上方に延びる上側板6、7、上側板6、7の自由端に形成される凸状の爪16、17、底板3に形成される切欠き13、14、15を備える。
【0015】
図2に示す段ボール2は、折りたたまれた状態にあり、展開した
図3に示す連結板11が側板8、9に接着された状態にある。これにより、段ボール2は、
図2に示す折りたたまれた状態から前板4及び後板5が後述する引き起こしユニット21により引き起こされると、連結板12、11を経由して側板8、9及び上側板6、7が起き上がるように構成される。
【0016】
小箱の製造装置1に用いられる段ボールは、
図2に示す折りたたまれた状態の段ボール2が搬入される。搬入後の組立前の段ボール2は、
図2に示す状態から、後述する引き起こしユニット21により、前板4、後板5を引き起こされ、前板4、後板5に連なる連結板12、11を経由して側板8、9が引き起こされる。
【0017】
その後、段ボール2は、引き起こしユニット21から搬送ユニット23により
図1に示す搬送方向60に折り込みユニット22まで搬送される。
【0018】
折り込みユニット22においては、段ボール2は、起き上がった上側板6、7が側板8、9の内側に曲げられ、後述するように、上側板6、7が押込まれ、爪16、17が切欠き14に嵌め込まれ、組み立てられ、
図4に示す小箱2となる。
【0019】
搬送ユニット23は、
図2に示す状態の段ボールを、一連の組立の過程において、入口から、引き起こしユニット21の真下へ搬送し、引き起こしユニット21の動作後、さらに、折り込みユニット22の真下へ搬送し、折り込みユニット22の動作後、小箱となった段ボール2を、出口へと、搬送する。
【0020】
搬送ユニット23は、引き起こしユニット21の下方、及び、折り込みユニット22の下方において、吸引装置としての吸盤48、49を有し、引き起こしユニット21、及び、折り込みユニット22の動作時に、吸盤48、49は段ボール2の底面を吸着し固定させる。
【0021】
次に、引き起こしユニット21の構成と作動について説明する。
(引き起こしユニットの構成)
図5及び
図6に示すように、引き起こしユニット21は、シリンダ25、26のピストン27、28の伸縮により基盤80に対し上下動するフレーム81、82を備える。
【0022】
フレーム81、82にそれぞれ備え付けられるハンド部40、41は、駆動モータ72、73によりフレーム70、71を
図7に示す矢印62、63の正転方向および逆転方向に回転可能となっている。
【0023】
フレーム70、71は、段ボール2の側板としての後板5、側板としての前板4を吸引し引き起こす吸引装置としての吸盤43、44、45、46を有する。吸盤43、44、45、46は、弾力性ゴムを有し、段ボールの後板5、前板4を吸着する。
【0024】
段ボール2の底板3から後板5、前板4を引き起こす吸引装置としての吸盤43、44、45、46は、フレーム70、71、81、82とともに、
図9に示すように、シリンダ25、26のピストン27、28の収縮により上昇可能になっている。
【0025】
搬送ユニット23は、引き起こしユニット21の下方の位置で段ボール2を搬送路に固定する吸引装置としての吸盤48を備える。吸盤48は段ボール2の位置決めを行う。
【0026】
(引き起こしユニットの作動)
図6に示すように、搬送ユニット23により、図示しない入口から搬送方向60に引き起こしユニット21の真下に段ボール2を搬送すると、引き起こしユニット21は、動作を開始する。
【0027】
図6に示す状態から基板80に対し、シリンダ25、26のピストン27、28を伸長し、フレーム81、82を矢印61方向に下降し、
図7に示すように、フレーム70、71の吸引装置としての吸盤43、44、45、46を段ボール2の後板5、前板4に当接する。
【0028】
次いで、駆動モータ72、73の駆動により、
図7に示す矢印62、63方向にフレーム70、71を回転する。
すると、
図8に示すように、吸盤43、44、45、46の吸引力により段ボール2の後板5、前板4を底板3から引き起こす。
【0029】
次いで、吸引を停止した吸盤43、44、45、46を段ボール2から離間し、
図8に示す矢印64方向に、
図9に示すように、シリンダ25、26のピストン27、28を収縮し、フレーム81、82、フレーム70、71を上昇する。
【0030】
図9に示すように、引き起こしユニット21は、上ハンド部40、41のフレーム70、71及び吸盤43、44、45、46は回転後の位置の状態で、動作開始前の元の位置まで、上昇する。
【0031】
段ボール2は、底板3に対し側板としての前板4、後板5、並びに側板8、9、及び上側板6、7が引き起こされた状態になる。
次いで、段ボール2は、搬送ユニット23により、
図10に示す折り込みユニット22の下方に搬送される。
【0032】
(折り込みユニットの構成)
図5及び
図10に示すように、折り込みユニット22は、段ボール2の側板8、9から上側板6、7を折り曲げ、折り込み、押込む上ハンド部52、53と下ハンド部54、55を備えている。
【0033】
基盤90に対しシリンダ35、36のピストン37、38の伸縮により上下動するフレーム83を備える。
フレーム83は、アクチュエータ50、51により上ハンド部52、53を側板8、9の対向する内外方向に移動可能な駆動モータ91、92を備え付けている。
【0034】
上ハンド部52、53は、これと一体に稼働する平板状の上側ガイドプレート31、32を有し、上側ガイドプレート31、32の下端に自在に回転可能なローラ56、57を設けている。ローラ57(56)は、
図14に示すように、上側板6(7)を側板8(9)側に押し込むようになっている。
【0035】
図14に示すように、ローラ56、57は、後述するように、上側ガイドプレート31、32と下側ガイドプレート33、34とで、段ボール2の上側板6、7を側板8、9に押し当て、切欠き14に爪16、17を嵌め込む動作をする。
爪を切欠きに嵌め込むときの不良品発生率を低減するため、ロボットの制御装置に折り込みユニットの押込み量y及び押込み高さxを定量化し設定を入力する。
【0036】
下ハンド部54、55は、基盤90の下方に設けられ、本体29に対し、
図11で上下方向に及び左右方向に図示しない駆動モータにより移動可能である。
下ハンド部54、55は、これと一体に稼働する平板状の下側ガイドプレート33、34を有し、下側ガイドプレート33、34の上端に回転自在なローラ58、59を設けている。
【0037】
搬送ユニット23は、折り込みユニット22の下方の位置で段ボール2を搬送路に固定する吸引装置としての吸盤49を備える。吸盤49は段ボール2の位置決めを行う。
【0038】
(折り込みユニットの作動)
【0039】
図9に示す状態の段ボール2を、搬送ユニット23により、
図10に示す折り込みユニット22の下方の位置に搬送すると、折り込みユニット22は、動作を開始する。
図10に示す状態の下ハンド部54、55は、図示しない駆動モータにより上昇し、互いに近づき、
図11に示すように、段ボール2の側板8、9を下側ガイドプレート33、34により挟み、位置決めする。
【0040】
図11に示すように、下側ガイドプレート33、34、及び、下ハンド部54、55は、先端のローラ58、59を、段ボール2の側板8、9に外側から当てることで、段ボール2の側板8、9を底板3の底面と直角になる位置に両側で固定する。これに伴い、段ボール2の上側板6、7を立ち上げる。
【0041】
一方、
図10に示す状態の上ハンド部52、53は、シリンダ35、36のピストン37、38の伸長により
図11に示す位置に下降する。
【0042】
次いで、上ハンド部52、53を、
図11に示す状態から互いに近づく方向に移動すると、上側ガイドプレート31、32の下端の回転可能なローラ56、57を段ボール2の上側板6、7に押し当て、
図12に示すように、段ボール2の側板8、9から上側板6、7を内側に折り曲げる。
【0043】
さらに、
図12に示す状態の上ハンド部52、53を、シリンダ35、36のピストン37、38の伸長により
図13に示す位置に下降する。
【0044】
すると、
図13及び
図14に示すように、段ボール2の上側板6、7を側板8、9の内側に略180度折り込む。
ここで、
図16に示すように、上側ガイドプレート32、及び、上ハンド部52、53は、下降をし、押込み高さxを調整し、上ハンド部の先端のローラ56、57を、段ボール2の上側板6、7に当てることで、段ボールの上側板6、7を押込む。
【0045】
また、
図17に示すように、上側ガイドプレート32、及び、上ハンド部52、53の底板3の底面に平行な方向の押込み量yを調整し、上ハンド部の先端のローラ56、57を、段ボール2の上側板6、7に当てることで、段ボールの上側板6、7を押込む。
【0046】
押込み高さx及び押込み量yは、
図15に示すように、上側ガイドプレート31、32のローラ56、57に相当する人の手93の指が段ボール2の切欠き14に爪16、17を確実に押込むイメージで嵌合するように制御装置の設定を行う。
【0047】
これにより、
図19に示すイメージでなく、
図18に示すように、段ボール2の底板3の切欠き14に爪16が挿入される。
折り込みユニット22による小箱2の組立後、
図20に示すように、搬送ユニット23により小箱になった段ボール2を出口へと移動する。
【0048】
上側ガイドプレート31、32及び、上ハンド部52、53は、上昇し、互いの間隔を大きくするように移動し、動作開始前の元の位置まで戻る。
下側ガイドプレート33、34及び下ハンド部54、55は、下降し、互いの間隔を大きくするように移動し、動作開始前の元の位置まで戻る。
【0049】
(試験例)
次に、小箱の製造装置を用いて組み立てた小箱の不良品発生個数を試験した。
図17に示すように段ボール2の押込み量(y)を0mmから21mmまで3mm間隔で増加し、各固定押込み量で30個ずつ試験し、不良品の発生数を集計する試験を行った。その結果、不良品の発生数は表1のとおりであった。
【0050】
【0051】
図16に示すように、小箱の組立の際、小箱の側板の爪の切欠きへの押込みと嵌め込みは手の動きに相当するロボットの折り込みユニット22の動作が重要となる工程である。
【0052】
小箱の組立装置20の折り込みユニット22のアクチュエータ50、51、上ハンド部52、53、先端のローラ56、57の構成及び動作は、小箱の側板の爪の切欠きへの押込むときの手の動きを考慮してある。
【0053】
図16及び
図17に示すように、小箱の組立装置20は、小箱を組み立てるとき、上側板の爪の切欠きへの押込み高さxと押込み量yとを定量化している。これにより、小箱の組立装置20は、爪の切欠きへの嵌合動作が安定する。
【0054】
試験例として、この試験では、押込み高さxが40mm±10mm、押込み量yが12mmのとき、段ボールの側板の爪の切欠きへの挿入の不良発生無しであった。
【0055】
本実施形態による小箱の組立装置20は、上側板の爪の切欠きへの押込み高さxと押込み量yとを定量値に限定するものではない。
【0056】
本発明の小箱の製造装置に用いる段ボールは、その大きさを限定するものではない。
上記実施形態による引き起こしユニットは、前板および後板を引き起こす実施形態を説明したが、本発明は、側板を引き起こす実施形態であってもよい。
【0057】
前記小箱は、箱の大きさを限定するものではない。
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0058】
2 段ボール(小箱)、
3 底板、
4 前板(側板)、
5 後板(側板)、
6、7 上側板、
8、9 側板、
14 切欠き、
16、17 爪、
21 引き起こしユニット、
22 折り込みユニット、
23 搬送ユニット、
29 本体、
31、32 上側ガイドプレート、
33、34 下側ガイドプレート、
35、36 シリンダ、
37、38 ピストン(シリンダ)、
40、41 上ハンド部、
43、44、45、46 吸盤(吸引装置)、
48、49 吸盤(吸引装置)、
50、51 アクチュエータ、
52、53 上ハンド部、
56、57、58、59 ローラ。