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特許7517261情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240709BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240709BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q50/06
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021101113
(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公開番号】P2023000352
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】胡桃沢 薫
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 健
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】横田 一生
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-140366(JP,A)
【文献】特開2010-152475(JP,A)
【文献】特開2009-277028(JP,A)
【文献】特開2007-272268(JP,A)
【文献】特開2011-141087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部と通信部とを含み、前記制御部は、
前記ユーザ端末のユーザによって消費されたエネルギーに関する情報を前記通信部を介して取得することと、
取得した前記エネルギーに関する情報から、消費された前記エネルギーのエネルギー源が非再生可能エネルギーから再生可能エネルギーに置き換えられたと判定すると、前記エネルギーの消費量が削減されたと判定することと、
前記削減されたエネルギー消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成することと、
前記表示情報を前記通信部を介して前記ユーザ端末に送信することと、
を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、前記制御部は、
取得した前記エネルギーに関する情報から、前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項に記載の情報処理装置において、前記制御部は、
設定された目標値に対して、前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項に記載の情報処理装置において、前記制御部は、
前記削減されたエネルギー消費量が前記目標値以上であると判定すると、前記動物及び前記植物の少なくとも一方の数が増加した表示情報を生成する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記自然の情景は、前記ユーザによって指定された自然の情景、又は、前記ユーザによって消費されたエネルギーの発電地に応じた場所での自然の情景を含む、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記制御部は、
前記ユーザによって消費されたエネルギーの発電形態に応じて、前記動物及び前記植物の少なくとも一方の色を決定する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記制御部は、
前記ユーザによって使用された非再生可能エネルギーの量が増加したと判定すると、前記エネルギー消費量が増加したと判定することと、
前記動物及び前記植物の少なくとも一方の数が減少した表示情報を生成することと、
を実行する、情報処理装置。
【請求項8】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
前記ユーザ端末のユーザによって消費されたエネルギーに関する情報を取得することと、
取得した前記エネルギーに関する情報から、消費された前記エネルギーのエネルギー源が非再生可能エネルギーから再生可能エネルギーに置き換えられたと判定すると、前記エネルギーの消費量が削減されたと判定することと、
前記削減されたエネルギー消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成することと、
前記表示情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
取得した前記エネルギーに関する情報から、前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定することを含む、プログラム。
【請求項10】
請求項に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
設定された目標値に対して、前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定することを含む、プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
前記削減されたエネルギー消費量が前記目標値以上であると判定すると、前記動物及び前記植物の少なくとも一方の数が増加した表示情報を生成することを含む、プログラム。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記自然の情景は、前記ユーザによって指定された自然の情景、又は、前記ユーザによって消費されたエネルギーの発電地に応じた場所での自然の情景を含む、プログラム。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
前記ユーザによって消費されたエネルギーの発電形態に応じて、前記動物及び前記植物の少なくとも一方の色を決定することを含む、プログラム。
【請求項14】
請求項8乃至13のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記動作は、
前記ユーザによって使用された非再生可能エネルギーの量が増加したと判定すると、前記エネルギー消費量が増加したと判定することと、
前記動物及び前記植物の少なくとも一方の数が減少した表示情報を生成することと、
を含む、プログラム。
【請求項15】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
前記ユーザ端末のユーザによって消費されたエネルギーに関する情報を取得することと、
取得した前記エネルギーに関する情報から、消費された前記エネルギーのエネルギー源が非再生可能エネルギーから再生可能エネルギーに置き換えられたと判定すると、前記エネルギーの消費量が削減されたと判定することと、
前記削減されたエネルギー消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成することと、
前記表示情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理方法において、
取得した前記エネルギーに関する情報から、前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定することを含む、情報処理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の情報処理方法において、
設定された目標値に対して、前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定する、ことを含む、情報処理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の情報処理方法において、
前記削減されたエネルギー消費量が前記目標値以上であると判定すると、前記動物及び前記植物の少なくとも一方の数が増加した表示情報を生成することを含む、情報処理方法。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記自然の情景は、前記ユーザによって指定された自然の情景、又は、前記ユーザによって消費されたエネルギーの発電地に応じた場所での自然の情景を含む、情報処理方法。
【請求項20】
請求項15乃至19のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記ユーザによって消費されたエネルギーの発電形態に応じて、前記動物及び前記植物の少なくとも一方の色を決定することを含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二酸化炭素の排出量に関連づけて明るさ及び音量が設定されるテレビが知られている(例えば特許文献1)。また、原子力発電、石炭火力発電、太陽光発電、風力発電及びバイオマス発電といった複数の発電方法とそれぞれの割合の指定とを電力利用者から受け付ける技術が知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-062927号公報
【文献】特開2009-070083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、テレビの明るさ及び音量が設定されるに過ぎない。上記特許文献2では、複数の発電方法とそれぞれの割合の指定とを電気利用者から受け付けるに過ぎない。よって、省エネに対するユーザ行動の誘因には改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、省エネに対するユーザ行動の誘因を改善することができる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部と通信部とを含み、前記制御部は、
前記ユーザ端末のユーザによって消費されたエネルギーに関する情報を前記通信部を介して取得することと、
前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定することと、
前記削減されたエネルギー消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成することと、
前記表示情報を前記通信部を介して前記ユーザ端末に送信することと、
を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
前記ユーザ端末のユーザによって消費されたエネルギーに関する情報を取得することと、
前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定することと、
前記削減されたエネルギー消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成することと、
前記表示情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
前記ユーザ端末のユーザによって消費されたエネルギーに関する情報を取得することと、
前記ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定することと、
前記削減されたエネルギー消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成することと、
前記表示情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による情報処理装置、プログラム及び情報処理方法によれば、省エネに対するユーザ行動の誘因を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理システムの概略図である。
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図4】エネルギー情報DB(database)のデータ構造を示す図である。
図5】ユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
図6】ユーザ端末の表示画面の他の例を示す図である。
図7】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能な情報処理装置1とユーザ端末2とを含む。ネットワークNWは、例えば移動体通信網とインターネットとを含む。
【0012】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置1とユーザ端末2とは1つずつ図示される。しかし、情報処理装置1とユーザ端末2とのそれぞれの数はこれに限られない。例えば、本実施形態の情報処理装置1が実行する処理は、分散配置された複数の情報処理装置1によって実行されてよい。複数のユーザ端末2がユーザによって操作されてよい。
【0013】
本実施形態の情報処理装置1が実行する処理の概要が説明される。情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末2のユーザによって消費されたエネルギーに関する情報を通信部を介して取得することと、ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定することと、削減されたエネルギー消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成することと、表示情報をユーザ端末2に送信することと、を実行する。この構成により、画像内の動物及び植物の少なくとも一方の数は、削減されたエネルギー消費量に応じて変化する。もって情報処理装置1は、エネルギーの削減量をユーザに視覚的に認識させることができるので、もって省エネに対するユーザ行動の誘因を改善することができる。
【0014】
情報処理装置1は、データセンタなどの施設に設置される。情報処理装置1は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。
【0015】
図2を参照して情報処理装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0016】
情報処理装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。情報処理装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0017】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部11は通信部12を介して、任意の情報を送信及び受信する。
【0018】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0019】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、情報処理装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は情報処理装置1の外部に設けられて、情報処理装置1からアクセスされてよい。記憶部13は後述されるエネルギー情報DBを含む。
【0020】
ユーザ端末2は、ユーザによって操作される端末である。ユーザ端末2は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器である。代替例としてユーザ端末2は、PCなどの汎用機器、又は専用機器であってよい。「PC」は、personal computerの略語である。
【0021】
図3を参照してユーザ端末2の内部構成が詳細に説明される。
【0022】
ユーザ端末2は、制御部21と通信部22と記憶部23と表示部24と入力部25とを含む。ユーザ端末2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0023】
ユーザ端末2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、情報処理装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0024】
表示部24は例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。表示部24は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の出力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0025】
入力部25は例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部25は、ユーザ端末2の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部25は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の入力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0026】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、ユーザU01がエネルギーを消費して生活を送る場面が説明される。ここで消費されるエネルギーは次の要素のうち少なくとも1つである。
・電気
・熱
・光
【0027】
ここでは一例として、エネルギーが電気である場合が説明される。
【0028】
情報処理装置1の制御部11は、電力会社等によって管理される任意のサーバから、ユーザU01のエネルギー消費に関する情報を、通信部12を介して取得する。制御部11は、エネルギー消費に関する情報を、記憶部13のエネルギー情報DBに格納する。
【0029】
図4に示されるように、エネルギー情報DBには、ユーザIDに関連付けて、所定の期間(「期間」に対応)と、エネルギー消費量(「消費量」に対応)と、エネルギーの削減量の目標値(「削減量の目標値」に対応)と、削減されたエネルギーの消費量(「削減量」に対応)と、消費されたエネルギーの発電地(「発電地」に対応)とが記憶される。
【0030】
上記の所定の期間は、ここでは1ヶ月である。代替例として所定の期間は、1日、1週間、1年等の任意の期間であってよい。
【0031】
上記のエネルギーの削減量の目標値は、電力会社又はユーザ等によって設定された値である。削減量の目標値は、個人単位であってよいし、世帯単位であってよい。
【0032】
上記の削減されたエネルギーの消費量(すなわち削減量)は、情報処理装置1の外部で算出されてよいし、情報処理装置1によって算出されてよい。
【0033】
上記の発電地は、1以上の発電地であってよい。発電地は電産地とも称される。
【0034】
制御部11は2021年4月1日に、自然の情景に、自然における動物及び植物の少なくとも一方を重ねて表示する表示情報を生成する。生成される表示情報の一例が図5に示される。ここでの自然の情景とは、発電地L01に応じた場所での自然の情景である。代替例として自然の情景は、ユーザU01によって指定された自然の情景であってよい。
【0035】
図5に示されるように、表示情報は、発電地L01の情景としての海中に、海中の植物としてのサンゴ51及び海中の動物としての魚52を重ねて表示する。表示情報がどのような情景、動物及び植物を表示するかは任意に設定可能である。代替例として情景は、森林、草原、山、川、丘等であってよい。表示情報はユーザ端末2に送信され、表示部24に表示される。
【0036】
制御部11は2021年5月1日に、2021年4月1日時点での表示情報を更新して、2021年5月1日時点での表示情報を生成する。具体的には制御部11は、2021年4月1日から2021年4月30日までに削減されたエネルギー消費量が、削減量の目標値以上であるか否かを判定する。制御部11は、削減量が削減量の目標値以上であると判定すると、図6に示されるように、動物62及び植物63の数が増加した表示情報を生成する。追加例として制御部11は、消費されたエネルギーの発電形態に応じて、動物62及び植物63の少なくとも一方の色を決定してよい。
【0037】
代替例として制御部11は、エネルギーの削減量が、削減量の目標値を下回るとき、動物及び植物の数が減少した表示情報を生成してよい。
【0038】
制御部11は、生成された表示情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は表示部24にて表示情報を表示する。
【0039】
上記の通り、制御部11は、削減されたエネルギーの消費量を判定する。追加例として制御部11は、消費されたエネルギーのエネルギー源が非再生可能エネルギーから非再生可能エネルギーに置き換えられた判定すると、エネルギーの消費量が削減されたと判定してよい。
【0040】
非再生可能エネルギーは、石油及び石炭等の化石エネルギー源を含む。再生可能エネルギーは、非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められるものを含む。再生可能エネルギーは例えば次のうち少なくとも1つを含む。
・太陽光
・風力
・水力
・地熱
・太陽熱
・大気中の熱その他の自然界に存在する熱
・バイオマス
・潮流
・波力
・潮汐
【0041】
上記の通り、制御部11は、エネルギーの削減量が目標値以上であると判定すると、動物及び植物の数が増加した表示情報を生成する。代替例として制御部11は、ユーザU01によって使用された非再生可能エネルギーの量が増加したと判定すると、動物及び植物の少なくとも一方の数が減少した表示情報を生成してよい。別の代替例として制御部11は、ユーザU01によって使用された再生可能エネルギーの量が増加したと判定すると、動物及び植物の少なくとも一方の数が増加した表示情報を生成してよい。
【0042】
図7を参照して、情報処理装置1の制御部11による情報処理方法が説明される。
【0043】
ステップS1にて制御部11は、定期的に又は不定期的に、ユーザU01によって消費されたエネルギーに関する情報を通信部12を介して取得する。
【0044】
ステップS2にて制御部11は、ユーザU01によって削減されたエネルギーの消費量を判定する。
【0045】
ステップS3にて制御部11は、削減されたエネルギーの消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成する。
【0046】
ステップS4にて制御部11は、表示情報をユーザ端末2に送信する。
【0047】
以上述べたように本実施形態によれば、情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末2のユーザによって消費されたエネルギーに関する情報を通信部12を介して取得することと、ユーザによって削減されたエネルギー消費量を判定することと、を実行する。制御部11は、削減されたエネルギー消費量に応じた数の動物及び植物の少なくとも一方を自然の情景に重ねた画像を表示する表示情報を生成することと、表示情報をユーザ端末2に送信することと、を実行する。この構成により、画像内の動物及び植物の少なくとも一方の数は、削減されたエネルギー消費量に応じて変化する。もって情報処理装置1は、エネルギーの削減量をユーザに視覚的に認識させることができるので、もって省エネに対するユーザ行動の誘因を改善することができる。
【0048】
また本実施形態によれば、制御部11は設定された目標値に対して、ユーザU01によって削減されたエネルギー消費量を判定する。制御部11は、削減されたエネルギー消費量が目標値以上であると判定すると、動物及び植物の少なくとも一方の数が増加した表示情報を生成する。この構成により情報処理装置1は、ユーザU01に対して、目標値を達成する動機を与えることができる。
【0049】
また本実施形態によれば、制御部11は、消費されたエネルギーのエネルギー源が非再生可能エネルギーから再生可能エネルギーに置き換えられたと判定すると、エネルギーの消費量が削減されたと判定する。この構成により情報処理装置1は、ユーザU01に対し、非再生可能エネルギーを再生可能エネルギーに置き換える動機を与えることができるので、もってユーザU01の環境意識を高めることができる。
【0050】
また本実施形態によれば、自然の情景は、ユーザU01によって指定された自然の情景、又は、ユーザU01によって消費されたエネルギーの発電地に応じた場所での自然の情景を含む。この構成により情報処理装置1は、ユーザU01に対し情景の選択肢を与えるので、ユーザU01の参加意欲を向上させることができる。
【0051】
また本実施形態によれば、制御部11は、ユーザU01によって消費されたエネルギーの発電形態に応じて、動物及び前記植物の少なくとも一方の色を決定する。この構成により情報処理装置1は、ユーザU01に対しエネルギーの発電形態を意識させることができるので、環境意識を一層高めることができる。
【0052】
また本実施形態によれば、制御部11は、ユーザU01によって使用された非再生可能エネルギーの量が増加したと判定すると、エネルギー消費量が増加したと判定することと、動物及び植物の少なくとも一方の数が減少した表示情報を生成することと、を実行する。この構成により情報処理装置1は、非再生可能エネルギーの使用量が増加した場合に動物及び植物の少なくとも一方の数が減少することを視認させることができるので、ユーザU01の環境意識を一層高めることができる。
【0053】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0054】
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0055】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0056】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 情報処理装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 ユーザ端末
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 表示部
25 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7