(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】回転角度検出装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/245 20060101AFI20240709BHJP
G01D 5/20 20060101ALI20240709BHJP
G01B 7/30 20060101ALI20240709BHJP
G01L 3/10 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G01D5/245 110W
G01D5/245 B
G01D5/20 110F
G01B7/30 M
G01L3/10 305
G01D5/245 110L
(21)【出願番号】P 2021127820
(22)【出願日】2021-08-03
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 光一郎
(72)【発明者】
【氏名】西口 佳孝
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-167547(JP,A)
【文献】特開2008-107200(JP,A)
【文献】実開昭59-49963(JP,U)
【文献】国際公開第2020/175322(WO,A1)
【文献】特開2013-195333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12-5/252
G01B 7/00-7/34
G01L 3/00-3/26
B62D 5/00-6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
前記角度検出部を実装している基板(60)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられ、かつ、前記基板の厚み方向に前記従動回転体が取り付けられているとともに前記基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)と、前記ケース基部から前記基板の厚み方向に突出しているケース凸部(45)とを有するケース(40)と、
を備え、
前記ケース凸部は、前記ケース凸部のうち前記ケース基部とは反対側の端面であるケース凸端面(451)を含み、
前記ケース基部および前記ケース凸部によって区画される基板用空間(453)と、前記ケース凸端面上の空間であって前記基板の厚み方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(454)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されて
おり、
前記ケースは、前記ケース基部に形成される凹みである凹部(401)をさらに有し、
前記凹部は、底面(404)と、前記底面に接続されている側面(403)とを含み、
前記底面および前記側面によって区画される凹部空間(408)に前記従動回転体の一部が挿入されており、
前記凹部空間および前記基板用空間は、前記ケース基部によって隔てられている回転角度検出装置。
【請求項2】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
前記角度検出部を実装している基板(60)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられ、かつ、前記基板の厚み方向に前記従動回転体が取り付けられているとともに前記基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)と、前記ケース基部から前記基板の厚み方向に突出しているケース凸部(45)とを有するケース(40)と、
を備え、
前記ケース凸部は、前記ケース凸部のうち前記ケース基部とは反対側の端面であるケース凸端面(451)を含み、
前記ケース基部および前記ケース凸部によって区画される基板用空間(453)と、前記ケース凸端面上の空間であって前記基板の厚み方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(454)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されており、
前記従動回転体は、第1従動回転体であって、
前記角度用磁石は、角度用第1磁石であって、
前記角度検出部は、第1角度検出部であって、
前記回転角度検出装置は、
前記回転体および前記第1従動回転体とともに回転する第2従動回転体(32)と、
磁界を発生させつつ前記第2従動回転体とともに回転する角度用第2磁石(52)と、
前記回転角度に対応し、前記第2従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する第2角度検出部(82)と、
前記第1角度検出部によって検出された磁界の強さおよび前記第2角度検出部によって検出された磁界の強さに基づいて、前記回転角度を演算する角度演算部(83)と、
をさらに備え、
前記角度演算部は、前記基板に実装されているとともに、前記第1角度検出部および前記第2角度検出部の間に配置されている回転角度検出装置。
【請求項3】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
前記角度検出部を実装している基板(60)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられ、かつ、前記基板の厚み方向に前記従動回転体が取り付けられているとともに前記基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)と、前記ケース基部から前記基板の厚み方向に突出しているケース凸部(45)とを有するケース(40)と、
を備え、
前記ケース凸部は、前記ケース凸部のうち前記ケース基部とは反対側の端面であるケース凸端面(451)を含み、
前記ケース基部および前記ケース凸部によって区画される基板用空間(453)と、前記ケース凸端面上の空間であって前記基板の厚み方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(454)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されており、
磁界を発生させつつ前記検出対象とともに回転するトルク用磁石(30)と、
前記検出対象のトルクに対応し、前記検出対象および前記回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出するトルク検出部(61、62)と、
前記回転角度検出装置の外部に接続されるターミナル(85)と、
をさらに備え、
前記基板は、前記角度検出部および前記トルク検出部を実装しており、
前記ターミナルは、前記基板のうち前記角度検出部および前記トルク検出部の間に配置されている回転角度検出装置。
【請求項4】
前記ケース凸端面に溶着されているとともに前記基板用開口を塞ぐ蓋部材(86)をさらに備える請求項1
ないし3のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【請求項5】
前記基板用空間に樹脂が充填されていることにより、前記角度検出部および前記基板を覆うとともに前記基板用開口を塞ぐ樹脂被覆部(87)をさらに備える請求項1
ないし3のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【請求項6】
前記ケース凸部に接続されているとともに前記基板用開口を塞ぐ蓋部材(86)と、
前記ケース凸部および前記蓋部材に挟まれていることで弾性変形することによって、前記ケース凸部と前記蓋部材との隙間を塞ぐ弾性部材(88)と、
をさらに備える請求項1
ないし3のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【請求項7】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
前記角度検出部を実装している基板(60)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられ、かつ、前記基板の厚み方向に前記従動回転体が取り付けられているとともに前記基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)を有するケース(40)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に延びている板部(860)と、前記板部から前記基板の厚み方向に突出している凸部(861)とを有する蓋部材(86)と、
を備え、
前記凸部は、前記ケース基部に接続されている凸端面(862)を含み、
前記板部および前記凸部によって区画される基板用空間(883)と、前記凸端面上の空間であって前記基板の厚み方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(884)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されて
おり、
前記ケースは、前記ケース基部に形成される凹みである凹部(401)をさらに有し、
前記凹部は、底面(404)と、前記底面に接続されている側面(403)とを含み、
前記底面および前記側面によって区画される凹部空間(408)に前記従動回転体の一部が挿入されており、
前記凹部空間および前記基板用空間は、前記ケース基部によって隔てられている回転角度検出装置。
【請求項8】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
前記角度検出部を実装している基板(60)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられ、かつ、前記基板の厚み方向に前記従動回転体が取り付けられているとともに前記基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)を有するケース(40)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に延びている板部(860)と、前記板部から前記基板の厚み方向に突出している凸部(861)とを有する蓋部材(86)と、
を備え、
前記凸部は、前記ケース基部に接続されている凸端面(862)を含み、
前記板部および前記凸部によって区画される基板用空間(883)と、前記凸端面上の空間であって前記基板の厚み方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(884)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されており、
前記従動回転体は、第1従動回転体であって、
前記角度用磁石は、角度用第1磁石であって、
前記角度検出部は、第1角度検出部であって、
前記回転角度検出装置は、
前記回転体および前記第1従動回転体とともに回転する第2従動回転体(32)と、
磁界を発生させつつ前記第2従動回転体とともに回転する角度用第2磁石(52)と、
前記回転角度に対応し、前記第2従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する第2角度検出部(82)と、
前記第1角度検出部によって検出された磁界の強さおよび前記第2角度検出部によって検出された磁界の強さに基づいて、前記回転角度を演算する角度演算部(83)と、
をさらに備え、
前記角度演算部は、前記基板に実装されているとともに、前記第1角度検出部および前記第2角度検出部の間に配置されている回転角度検出装置。
【請求項9】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
前記角度検出部を実装している基板(60)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられ、かつ、前記基板の厚み方向に前記従動回転体が取り付けられているとともに前記基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)を有するケース(40)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に延びている板部(860)と、前記板部から前記基板の厚み方向に突出している凸部(861)とを有する蓋部材(86)と、
を備え、
前記凸部は、前記ケース基部に接続されている凸端面(862)を含み、
前記板部および前記凸部によって区画される基板用空間(883)と、前記凸端面上の空間であって前記基板の厚み方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(884)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されており、
磁界を発生させつつ前記検出対象とともに回転するトルク用磁石(30)と、
前記検出対象のトルクに対応し、前記検出対象および前記回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出するトルク検出部(61、62)と、
前記回転角度検出装置の外部に接続されるターミナル(85)と、
をさらに備え、
前記基板は、前記角度検出部および前記トルク検出部を実装しており、
前記ターミナルは、前記基板のうち前記角度検出部および前記トルク検出部の間に配置されている回転角度検出装置。
【請求項10】
前記ケース基部および前記蓋部材に挟まれていることで弾性変形することによって、前記ケース基部と前記蓋部材との隙間を塞ぐ弾性部材(88)
をさらに備える請求項7ないし9のいずれか1つに記載の回転角度検出装置。
【請求項11】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
前記角度検出部を実装している基板(60)と、
前記回転体の軸方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられているとともに前記軸方向に前記従動回転体が取り付けられているケース基部(41)を有するケース(40)と、
を備え、
前記ケース基部は、前記軸方向と直交する方向に延びる板状に形成されている第1基部(510)と、前記第1基部に接続されている第1側部(511)と、前記第1基部および前記第1側部に接続されている第2側部(512)と、前記第2側部に接続されている第3側部(513)と、前記軸方向と直交する方向に延びる板状に形成されているとともに前記第1側部、前記第2側部および前記第3側部に接続されている第2基部(514)とを有し、
前記第1基部、前記第1側部、前記第2側部、前記第3側部および前記第2基部によって区画される基板用空間(457)と、前記第1側部、前記第3側部および前記第2基部によって区画される空間であって前記回転体の軸を中心とする周方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(458)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されている回転角度検出装置。
【請求項12】
前記回転角度検出装置は、前記回転角度検出装置の外部に接続されるターミナル(85)を収容するとともに前記軸方向に延びているターミナルケース(89)をさらに備え、
前記第1基部および前記第1側部によって区画されることにより前記軸方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間および前記基板用開口に連通するターミナル用開口(459)が形成されており、
前記ターミナルケースは、前記基板のうち前記基板用開口側に配置されていることにより、前記ターミナル用開口を通っている請求項
11に記載の回転角度検出装置。
【請求項13】
前記従動回転体は、第1従動回転体であって、
前記角度用磁石は、角度用第1磁石であって、
前記角度検出部は、第1角度検出部であって、
前記回転角度検出装置は、
前記回転体および前記第1従動回転体とともに回転する第2従動回転体(32)と、
磁界を発生させつつ前記第2従動回転体とともに回転する角度用第2磁石(52)と、
前記回転角度に対応し、前記第2従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する第2角度検出部(82)と、
前記第1角度検出部によって検出された磁界の強さおよび前記第2角度検出部によって検出された磁界の強さに基づいて、前記回転角度を演算する角度演算部(83)と、
をさらに備え、
前記角度演算部は、前記基板に実装されているとともに、前記第1角度検出部および前記第2角度検出部の間に配置されている請求項
11または12に記載の回転角度検出装置。
【請求項14】
磁界を発生させつつ前記検出対象とともに回転するトルク用磁石(30)と、
前記検出対象のトルクに対応し、前記検出対象および前記回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出するトルク検出部(61、62)と、
前記回転角度検出装置の外部に接続されるターミナル(85)と、
をさらに備え、
前記基板は、前記角度検出部および前記トルク検出部を実装しており、
前記ターミナルは、前記基板のうち前記角度検出部および前記トルク検出部の間に配置されている請求項
11に記載の回転角度検出装置。
【請求項15】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
電磁誘導により電圧を発生させる第1受信コイル(701)と、
電磁誘導により電圧を発生させる第2受信コイル(702)と、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを囲っている励磁コイル(703)と、
前記励磁コイルに交流電圧を印加することにより前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内部に磁界を発生させる磁界発生部(704)と、
前記回転体とともに回転することにより前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内部を通過する磁界を変化させることで、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルに発生する電圧を変化させる導体(706)と、
前記回転角度に対応し、前記導体が回転することにより変化する電圧を検出する検出部(705)と、
前記角度検出部によって検出された磁界の強さおよび前記検出部によって検出された電圧に基づいて、前記回転角度を演算する演算部(83)と、
前記角度検出部、前記第1受信コイル、前記第2受信コイル、前記磁界発生部および前記検出部を実装している基板(60)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられているとともに前記基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)と、前記ケース基部から前記基板の厚み方向に突出しているケース凸部(45)とを有するケース(40)と、
を備え、
前記ケース凸部は、前記ケース凸部のうち前記ケース基部とは反対側の端面であるケース凸端面(451)を含み、
前記ケース基部および前記ケース凸部によって区画される基板用空間(453)と、前記ケース凸端面上の空間であって前記基板の厚み方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(454)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されて
おり、
前記ケースは、前記ケース基部に形成される凹みである凹部(401)をさらに有し、
前記凹部は、底面(404)と、前記底面に接続されている側面(403)とを含み、
前記底面および前記側面によって区画される凹部空間(408)に前記従動回転体の一部が挿入されており、
前記凹部空間および前記基板用空間は、前記ケース基部によって隔てられている回転角度検出装置。
【請求項16】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
前記回転体とともに回転する従動回転体(31)と、
磁界を発生させつつ前記従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、
前記回転角度に対応し、前記従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、
電磁誘導により電圧を発生させる第1受信コイル(701)と、
電磁誘導により電圧を発生させる第2受信コイル(702)と、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを囲っている励磁コイル(703)と、
前記励磁コイルに交流電圧を印加することにより前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内部に磁界を発生させる磁界発生部(704)と、
前記回転体とともに回転することにより前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内部を通過する磁界を変化させることで、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルに発生する電圧を変化させる導体(706)と、
前記回転角度に対応し、前記導体が回転することにより変化する電圧を検出する検出部(705)と、
前記角度検出部によって検出された磁界の強さおよび前記検出部によって検出された電圧に基づいて、前記回転角度を演算する演算部(83)と、
前記角度検出部、前記第1受信コイル、前記第2受信コイル、前記磁界発生部および前記検出部を実装している基板(60)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられているとともに前記基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)を有するケース(40)と、
前記基板の厚み方向と直交する方向に延びている板部(860)と、前記板部から前記基板の厚み方向に突出している凸部(861)とを有する蓋部材(86)と、
を備え、
前記凸部は、前記ケース基部に接続されている凸端面(862)を含み、
前記板部および前記凸部によって区画される基板用空間(883)と、前記凸端面上の空間であって前記基板の厚み方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(884)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されて
おり、
前記ケースは、前記ケース基部に形成される凹みである凹部(401)をさらに有し、
前記凹部は、底面(404)と、前記底面に接続されている側面(403)とを含み、
前記底面および前記側面によって区画される凹部空間(408)に前記従動回転体の一部が挿入されており、
前記凹部空間および前記基板用空間は、前記ケース基部によって隔てられている回転角度検出装置。
【請求項17】
検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、
前記検出対象とともに回転する回転体(35)と、
電磁誘導により電圧を発生させる第1受信コイル(701)と、
電磁誘導により電圧を発生させる第2受信コイル(702)と、
前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルを囲っている励磁コイル(703)と、
前記励磁コイルに交流電圧を印加することにより前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内部に磁界を発生させる磁界発生部(704)と、
前記回転体とともに回転することにより前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルの内部を通過する磁界を変化させることで、前記第1受信コイルおよび前記第2受信コイルに発生する電圧を変化させる導体(706)と、
前記回転角度に対応し、前記導体が回転することにより変化する電圧を検出する検出部(705)と、
前記第1受信コイル、前記第2受信コイル、前記磁界発生部および前記検出部を実装している基板(60)と、
前記回転体の軸方向と直交する方向に前記回転体が取り付けられているケース基部(41)を有するケース(40)と、
を備え、
前記ケース基部は、前記軸方向と直交する方向に延びる板状に形成されている第1基部(510)と、前記第1基部に接続されている第1側部(511)と、前記第1基部および前記第1側部に接続されている第2側部(512)と、前記第2側部に接続されている第3側部(513)と、前記軸方向と直交する方向に延びる板状に形成されているとともに前記第1側部、前記第2側部および前記第3側部に接続されている第2基部(514)とを有し、
前記第1基部、前記第1側部、前記第2側部、前記第3側部および前記第2基部によって区画される基板用空間(457)と、前記第1側部、前記第3側部および前記第2基部によって区画される空間であって前記回転体の軸を中心とする周方向を向いて開口しているとともに前記基板用空間に連通する基板用開口(458)とが形成されており、
前記基板は、前記基板用開口を介して前記基板用空間に挿入されている回転角度検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転角度検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、車両のステアリングシャフト等の検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置が知られている。この回転角度検出装置は、基板およびケースを備えている。また、このケースには、基板の厚さ方向と直交する方向を向いて開口する空間である基板用開口が形成されている。この基板用開口を介して、基板がケースに挿入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者等の検討によれば、開口の向きが基板の厚さ方向と直交する方向である。これにより、基板をケースに挿入するためにはケース内の空間の大きさを基板の大きさよりも大きく基板の端から端までの最大長さおよび最大幅と基板の厚さとを乗算した体積以下にする必要がある。このため、ケースの体格が大きくなる場合がある。
【0005】
本開示は、小型化可能な回転角度検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、角度検出部を実装している基板(60)と、基板の厚み方向と直交する方向に回転体が取り付けられ、かつ、基板の厚み方向に従動回転体が取り付けられているとともに基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)と、ケース基部から基板の厚み方向に突出しているケース凸部(45)とを有するケース(40)と、を備え、ケース凸部は、ケース凸部のうちケース基部とは反対側の端面であるケース凸端面(451)を含み、ケース基部およびケース凸部によって区画される基板用空間(453)と、ケース凸端面上の空間であって基板の厚み方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(454)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されており、ケースは、ケース基部に形成される凹みである凹部(401)をさらに有し、凹部は、底面(404)と、底面に接続されている側面(403)とを含み、底面および側面によって区画される凹部空間(408)に従動回転体の一部が挿入されており、凹部空間および基板用空間は、ケース基部によって隔てられている回転角度検出装置である。
また、請求項2に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、角度検出部を実装している基板(60)と、基板の厚み方向と直交する方向に回転体が取り付けられ、かつ、基板の厚み方向に従動回転体が取り付けられているとともに基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)と、ケース基部から基板の厚み方向に突出しているケース凸部(45)とを有するケース(40)と、を備え、ケース凸部は、ケース凸部のうちケース基部とは反対側の端面であるケース凸端面(451)を含み、ケース基部およびケース凸部によって区画される基板用空間(453)と、ケース凸端面上の空間であって基板の厚み方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(454)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されており、従動回転体は、第1従動回転体であって、角度用磁石は、角度用第1磁石であって、角度検出部は、第1角度検出部であって、回転角度検出装置は、回転体および第1従動回転体とともに回転する第2従動回転体(32)と、磁界を発生させつつ第2従動回転体とともに回転する角度用第2磁石(52)と、回転角度に対応し、第2従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する第2角度検出部(82)と、第1角度検出部によって検出された磁界の強さおよび第2角度検出部によって検出された磁界の強さに基づいて、回転角度を演算する角度演算部(83)と、をさらに備え、角度演算部は、基板に実装されているとともに、第1角度検出部および第2角度検出部の間に配置されている回転角度検出装置である。
さらに、請求項3に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、角度検出部を実装している基板(60)と、基板の厚み方向と直交する方向に回転体が取り付けられ、かつ、基板の厚み方向に従動回転体が取り付けられているとともに基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)と、ケース基部から基板の厚み方向に突出しているケース凸部(45)とを有するケース(40)と、を備え、ケース凸部は、ケース凸部のうちケース基部とは反対側の端面であるケース凸端面(451)を含み、ケース基部およびケース凸部によって区画される基板用空間(453)と、ケース凸端面上の空間であって基板の厚み方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(454)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されており、磁界を発生させつつ検出対象とともに回転するトルク用磁石(30)と、検出対象のトルクに対応し、検出対象および回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出するトルク検出部(61、62)と、回転角度検出装置の外部に接続されるターミナル(85)と、をさらに備え、基板は、角度検出部およびトルク検出部を実装しており、ターミナルは、基板のうち角度検出部およびトルク検出部の間に配置されている回転角度検出装置である。
【0007】
また、請求項7に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、角度検出部を実装している基板(60)と、基板の厚み方向と直交する方向に回転体が取り付けられ、かつ、基板の厚み方向に従動回転体が取り付けられているとともに基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)を有するケース(40)と、基板の厚み方向と直交する方向に延びている板部(860)と、板部から基板の厚み方向に突出している凸部(861)とを有する蓋部材(86)と、を備え、凸部は、ケース基部に接続されている凸端面(862)を含み、板部および凸部によって区画される基板用空間(883)と、凸端面上の空間であって基板の厚み方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(884)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されており、ケースは、ケース基部に形成される凹みである凹部(401)をさらに有し、凹部は、底面(404)と、底面に接続されている側面(403)とを含み、底面および側面によって区画される凹部空間(408)に従動回転体の一部が挿入されており、凹部空間および基板用空間は、ケース基部によって隔てられている回転角度検出装置である。
さらに、請求項8に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、角度検出部を実装している基板(60)と、基板の厚み方向と直交する方向に回転体が取り付けられ、かつ、基板の厚み方向に従動回転体が取り付けられているとともに基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)を有するケース(40)と、基板の厚み方向と直交する方向に延びている板部(860)と、板部から基板の厚み方向に突出している凸部(861)とを有する蓋部材(86)と、を備え、凸部は、ケース基部に接続されている凸端面(862)を含み、板部および凸部によって区画される基板用空間(883)と、凸端面上の空間であって基板の厚み方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(884)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されており、従動回転体は、第1従動回転体であって、角度用磁石は、角度用第1磁石であって、角度検出部は、第1角度検出部であって、回転角度検出装置は、回転体および第1従動回転体とともに回転する第2従動回転体(32)と、磁界を発生させつつ第2従動回転体とともに回転する角度用第2磁石(52)と、回転角度に対応し、第2従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する第2角度検出部(82)と、第1角度検出部によって検出された磁界の強さおよび第2角度検出部によって検出された磁界の強さに基づいて、回転角度を演算する角度演算部(83)と、をさらに備え、角度演算部は、基板に実装されているとともに、第1角度検出部および第2角度検出部の間に配置されている回転角度検出装置である。
また、請求項9に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、角度検出部を実装している基板(60)と、基板の厚み方向と直交する方向に回転体が取り付けられ、かつ、基板の厚み方向に従動回転体が取り付けられているとともに基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)を有するケース(40)と、基板の厚み方向と直交する方向に延びている板部(860)と、板部から基板の厚み方向に突出している凸部(861)とを有する蓋部材(86)と、を備え、凸部は、ケース基部に接続されている凸端面(862)を含み、板部および凸部によって区画される基板用空間(883)と、凸端面上の空間であって基板の厚み方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(884)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されており、磁界を発生させつつ検出対象とともに回転するトルク用磁石(30)と、検出対象のトルクに対応し、検出対象および回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出するトルク検出部(61、62)と、回転角度検出装置の外部に接続されるターミナル(85)と、をさらに備え、基板は、角度検出部およびトルク検出部を実装しており、ターミナルは、基板のうち角度検出部およびトルク検出部の間に配置されている回転角度検出装置である。
【0008】
さらに、請求項11に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、角度検出部を実装している基板(60)と、回転体の軸方向と直交する方向に回転体が取り付けられているとともに軸方向に従動回転体が取り付けられているケース基部(41)を有するケース(40)と、を備え、ケース基部は、軸方向と直交する方向に延びる板状に形成されている第1基部(510)と、第1基部に接続されている第1側部(511)と、第1基部および第1側部に接続されている第2側部(512)と、第2側部に接続されている第3側部(513)と、軸方向と直交する方向に延びる板状に形成されているとともに第1側部、第2側部および第3側部に接続されている第2基部(514)とを有し、第1基部、第1側部、第2側部、第3側部および第2基部によって区画される基板用空間(457)と、第1側部、第3側部および第2基部によって区画される空間であって回転体の軸を中心とする周方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(458)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されている回転角度検出装置である。
【0009】
また、請求項15に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、電磁誘導により電圧を発生させる第1受信コイル(701)と、電磁誘導により電圧を発生させる第2受信コイル(702)と、第1受信コイルおよび第2受信コイルを囲っている励磁コイル(703)と、励磁コイルに交流電圧を印加することにより第1受信コイルおよび第2受信コイルの内部に磁界を発生させる磁界発生部(704)と、回転体とともに回転することにより第1受信コイルおよび第2受信コイルの内部を通過する磁界を変化させることで、第1受信コイルおよび第2受信コイルに発生する電圧を変化させる導体(706)と、回転角度に対応し、導体が回転することにより変化する電圧を検出する検出部(705)と、角度検出部によって検出された磁界の強さおよび検出部によって検出された電圧に基づいて、回転角度を演算する演算部(83)と、角度検出部、第1受信コイル、第2受信コイル、磁界発生部および検出部を実装している基板(60)と、基板の厚み方向と直交する方向に回転体が取り付けられているとともに基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)と、ケース基部から基板の厚み方向に突出しているケース凸部(45)とを有するケース(40)と、を備え、ケース凸部は、ケース凸部のうちケース基部とは反対側の端面であるケース凸端面(451)を含み、ケース基部およびケース凸部によって区画される基板用空間(453)と、ケース凸端面上の空間であって基板の厚み方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(454)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されており、ケースは、ケース基部に形成される凹みである凹部(401)をさらに有し、凹部は、底面(404)と、底面に接続されている側面(403)とを含み、底面および側面によって区画される凹部空間(408)に従動回転体の一部が挿入されており、凹部空間および基板用空間は、ケース基部によって隔てられている回転角度検出装置である。
【0010】
さらに、請求項16に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、回転体とともに回転する従動回転体(31)と、磁界を発生させつつ従動回転体とともに回転する角度用磁石(51)と、回転角度に対応し、従動回転体が回転することにより変化する磁界の強さを検出する角度検出部(81)と、電磁誘導により電圧を発生させる第1受信コイル(701)と、電磁誘導により電圧を発生させる第2受信コイル(702)と、第1受信コイルおよび第2受信コイルを囲っている励磁コイル(703)と、励磁コイルに交流電圧を印加することにより第1受信コイルおよび第2受信コイルの内部に磁界を発生させる磁界発生部(704)と、回転体とともに回転することにより第1受信コイルおよび第2受信コイルの内部を通過する磁界を変化させることで、第1受信コイルおよび第2受信コイルに発生する電圧を変化させる導体(706)と、回転角度に対応し、導体が回転することにより変化する電圧を検出する検出部(705)と、角度検出部によって検出された磁界の強さおよび検出部によって検出された電圧に基づいて、回転角度を演算する演算部(83)と、角度検出部、第1受信コイル、第2受信コイル、磁界発生部および検出部を実装している基板(60)と、基板の厚み方向と直交する方向に回転体が取り付けられているとともに基板の厚み方向と直交する方向に延びる板状に形成されているケース基部(41)を有するケース(40)と、基板の厚み方向と直交する方向に延びている板部(860)と、板部から基板の厚み方向に突出している凸部(861)とを有する蓋部材(86)と、を備え、凸部は、ケース基部に接続されている凸端面(862)を含み、板部および凸部によって区画される基板用空間(883)と、凸端面上の空間であって基板の厚み方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(884)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されており、ケースは、ケース基部に形成される凹みである凹部(401)をさらに有し、凹部は、底面(404)と、底面に接続されている側面(403)とを含み、底面および側面によって区画される凹部空間(408)に従動回転体の一部が挿入されており、凹部空間および基板用空間は、ケース基部によって隔てられている回転角度検出装置である。
【0011】
また、請求項17に記載の発明は、検出対象の回転角度を検出する回転角度検出装置であって、検出対象とともに回転する回転体(35)と、電磁誘導により電圧を発生させる第1受信コイル(701)と、電磁誘導により電圧を発生させる第2受信コイル(702)と、第1受信コイルおよび第2受信コイルを囲っている励磁コイル(703)と、励磁コイルに交流電圧を印加することにより第1受信コイルおよび第2受信コイルの内部に磁界を発生させる磁界発生部(704)と、回転体とともに回転することにより第1受信コイルおよび第2受信コイルの内部を通過する磁界を変化させることで、第1受信コイルおよび第2受信コイルに発生する電圧を変化させる導体(706)と、回転角度に対応し、導体が回転することにより変化する電圧を検出する検出部(705)と、第1受信コイル、第2受信コイル、磁界発生部および検出部を実装している基板(60)と、回転体の軸方向と直交する方向に回転体が取り付けられているケース基部(41)を有するケース(40)と、を備え、ケース基部は、軸方向と直交する方向に延びる板状に形成されている第1基部(510)と、第1基部に接続されている第1側部(511)と、第1基部および第1側部に接続されている第2側部(512)と、第2側部に接続されている第3側部(513)と、軸方向と直交する方向に延びる板状に形成されているとともに第1側部、第2側部および第3側部に接続されている第2基部(514)とを有し、第1基部、第1側部、第2側部、第3側部および第2基部によって区画される基板用空間(457)と、第1側部、第3側部および第2基部によって区画される空間であって回転体の軸を中心とする周方向を向いて開口しているとともに基板用空間に連通する基板用開口(458)とが形成されており、基板は、基板用開口を介して基板用空間に挿入されている回転角度検出装置である。
【0012】
これにより、基板を挿入するために必要な空間の大きさは、基板の厚さ方向と直交する基板の面における面積と基板の厚さとを乗算した体積になる。したがって、基板が挿入される部材の体格を小さくできるため、回転角度検出装置を小型化することができる。
【0013】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態の回転角度検出装置に対応するトルクアングルセンサが用いられるステアリングシステムの構成図。
【
図12】トルクアングルセンサのトルク検出用磁石、第1ヨークおよび第2ヨークの中立状態を示す側面図。
【
図13】ステアリングシステムのステアリングホイールが回転したときにおけるトルクアングルセンサのトルク検出用磁石、第1ヨークおよび第2ヨークの側面図。
【
図14】ステアリングホイールが回転したときにおけるトルクアングルセンサのトルク検出用磁石、第1ヨークおよび第2ヨークの側面図。
【
図15】トルクアングルセンサの角度用第1磁気検出部の出力と角度用第2磁気検出部の出力と操舵角度との関係図。
【
図16】トルクアングルセンサの第1従動歯車の回転角度と第2従動歯車の回転角度と操舵角度との関係図。
【
図18】第2実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図19】第3実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図20】第4実施形態のトルクアングルセンサの一部を示す分解斜視図。
【
図23】第5実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図24】第6実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図25】第7実施形態のトルクアングルセンサの一部を示す斜視図。
【
図26】トルクアングルセンサの一部を示す分解斜視図。
【
図28】トルクアングルセンサの第1受信コイル、第2受信コイル、励磁コイル、高周波送信回路および出力回路の構成図。
【
図29】第1受信コイルの第1領域および第2領域を示す図。
【
図30】第2受信コイルの第3領域、第4領域および第5領域を示す図。
【
図31】操舵角度、励磁コイルに印加される電圧、第1受信コイルに発生する電圧および第2受信コイルに発生する電圧の関係図。
【
図32】導体が回転したときの第1受信コイルおよび導体の位置関係を示す図。
【
図33】導体が回転したときの第2受信コイルおよび導体の位置関係を示す図。
【
図34】導体が回転したときの第1受信コイルおよび導体の位置関係を示す図。
【
図35】導体が回転したときの第2受信コイルおよび導体の位置関係を示す図。
【
図36】導体が回転したときの第1受信コイルおよび導体の位置関係を示す図。
【
図37】導体が回転したときの第2受信コイルおよび導体の位置関係を示す図。
【
図38】導体が回転したときの第1受信コイルおよび導体の位置関係を示す図。
【
図39】導体が回転したときの第2受信コイルおよび導体の位置関係を示す図。
【
図40】第8実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図41】第9実施形態のトルクアングルセンサを示す分解斜視図。
【
図42】第10実施形態のトルクアングルセンサを示す分解斜視図。
【
図44】第11実施形態のトルクアングルセンサの一部を示す斜視図。
【
図48】操舵トルクが発生していないときのトルクアングルセンサの出力と操舵角度との関係図。
【
図49】操舵トルクが発生しているときのトルクアングルセンサの出力と操舵角度との関係図。
【
図50】第12実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図51】他の実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図52】他の実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図53】他の実施形態のトルクアングルセンサの一部を示す斜視図。
【
図54】他の実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図55】他の実施形態のトルクアングルセンサの断面図。
【
図56】他の実施形態のトルクアングルセンサの第1受信コイル、第2受信コイルおよび励磁コイルの構成図。
【
図57】他の実施形態のトルクアングルセンサの側面図。
【
図58】他の実施形態のトルクアングルセンサを示す分解斜視図。
【
図59】他の実施形態のトルクアングルセンサを示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0016】
(第1実施形態)
本実施形態の回転角度検出装置は、例えば、車両に搭載されるステアリングシステム1に用いられる。まず、このステアリングシステム1について説明する。
【0017】
ステアリングシステム1は、車輪17の向きを変更するための操舵を補助する。具体的には、ステアリングシステム1は、
図1および
図2に示すように、ステアリングホイール5、第1ステアリングシャフト11、トーションバー13および第2ステアリングシャフト12を備える。また、ステアリングシステム1は、シャフトピン14、ピニオンギア15、ラック軸16、車輪17、トルクアングルセンサ25、モータ制御装置18、モータ19および減速ギア20を備える。
【0018】
ステアリングホイール5は、
図1に示すように、車両の運転者や自動運転等により操舵されることによって回転する。
【0019】
第1ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール5に接続されている。このため、第1ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール5とともに回転する。
【0020】
トーションバー13は、第1ステアリングシャフト11に接続されている。このため、トーションバー13は、ステアリングホイール5および第1ステアリングシャフト11とともに回転する。
【0021】
第2ステアリングシャフト12は、トーションバー13に接続されている。このため、トーションバー13は、ステアリングホイール5、第1ステアリングシャフト11およびトーションバー13とともに回転する。
【0022】
シャフトピン14は、
図2に示すように、第1ステアリングシャフト11に形成されている穴およびその第1ステアリングシャフト11の穴に対応するトーションバー13の穴に挿入されている。これにより、第1ステアリングシャフト11とトーションバー13とが固定されている。また、シャフトピン14は、第2ステアリングシャフト12に形成されている穴およびその第2ステアリングシャフト12の穴に対応するトーションバー13の穴に挿入されている。これにより、第2ステアリングシャフト12とトーションバー13とが固定されている。
【0023】
ピニオンギア15は、
図1に示すように、第2ステアリングシャフト12に接続されている。また、ピニオンギア15は、後述のラック軸16に噛み合っている。さらに、ピニオンギア15は、第2ステアリングシャフト12の回転運動をラック軸16の直線運動に変換する。
【0024】
ラック軸16は、図示しないタイロッド等を介して、車輪17に接続されている。また、ラック軸16は、直線運動することによって車輪17の向きを変更する。
【0025】
トルクアングルセンサ25には、トーションバー13の一部が挿入されている。また、トルクアングルセンサ25は、ステアリングホイール5の回転によってトーションバー13に発生する捩りトルクに応じた信号を検出する。これにより、トルクアングルセンサ25は、操舵トルクを検出する。さらに、トルクアングルセンサ25は、この検出した操舵トルクに応じた信号を、後述のモータ制御装置18に出力する。また、トルクアングルセンサ25は、回転角度検出装置に対応しており、操舵角度に応じた信号を後述のモータ制御装置18に出力する。このトルクアングルセンサ25の詳細については、後述する。なお、操舵トルクは、ステアリングホイール5が回転するときにかかるトルクである。また、操舵角度は、ステアリングホイール5の回転角度である。
【0026】
モータ制御装置18は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/O、駆動回路およびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、モータ制御装置18は、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、後述のモータ19の回転角度を演算するとともに、トルクアングルセンサ25からの操舵トルクに応じた信号に基づいて操舵トルクを演算する。さらに、モータ制御装置18は、この演算したモータ19の回転角度、操舵トルクおよびトルクアングルセンサ25によって演算された操舵角度等に基づいて、後述のモータ19の回転を制御する。
【0027】
モータ19は、モータ制御装置18からの出力に基づいて回転する。これにより、モータ19は、トルクを発生させる。
【0028】
減速ギア20は、モータ19および第2ステアリングシャフト12に接続されている。また、減速ギア20は、モータ19の回転を減速させるとともに、モータ19によって発生したトルクを第2ステアリングシャフト12に伝達する。これにより、車輪17の向きを変更するための操舵が補助される。
【0029】
以上のように、ステアリングシステム1は、構成されている。次に、トルクアングルセンサ25の構成について説明する。
【0030】
トルクアングルセンサ25は、
図2~
図11に示すように、トルク検出用磁石30、主動歯車35、第1従動歯車31、第2従動歯車32、ケース40、角度検出用第1磁石51および角度検出用第2磁石52を備えている。また、トルクアングルセンサ25は、基板60、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62、支持部材70、第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72を備えている。さらに、トルクアングルセンサ25は、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82、回転角度演算部83、ターミナル接続穴84、ターミナル85、蓋部材86および保護カバー90を備えている。
【0031】
トルク検出用磁石30は、
図2に示すように、円環状に形成されている。また、トルク検出用磁石30は、第1ステアリングシャフト11の端部に接続されている。さらに、トルク検出用磁石30の穴には、トーションバー13の一部が挿入されている。また、トルク検出用磁石30の軸は、トーションバー13の軸と同一軸上に位置している。このため、トルク検出用磁石30は、第1ステアリングシャフト11とともにトーションバー13の軸周りに回転する。さらに、トルク検出用磁石30は、トルク検出用磁石30の回転方向において交互に磁極が反転するように着磁されている。
【0032】
主動歯車35は、
図3~
図11に示すように、円筒状に形成されている。また、主動歯車35の軸は、トルク検出用磁石30の軸と同一軸上に位置している。このため、主動歯車35の軸と、トルク検出用磁石30の軸と、トーションバー13の軸とは同一軸となっている。さらに、主動歯車35は、主動歯車部350、カバー用凹部364、主動大径部351、主動凸部352、主動小径部353、第1ヨーク361、第2ヨーク362および固定用カラー354を有する。
【0033】
ここで、以下では、便宜的に、主動歯車35の径方向を、単に径方向と記載する。また、主動歯車35の軸方向Daを、単に軸方向Daと記載する。さらに、主動歯車35の軸を中心とする周方向を、単に周方向と記載する。
【0034】
主動歯車部350は、樹脂等で形成されている。また、主動歯車部350は、主動円環部363および複数の主動歯部365を含む。主動円環部363は、円環状に形成されている。主動歯部365は、主動円環部363から径方向外側に向かって突出している。
【0035】
カバー用凹部364は、後述の保護カバー90を主動歯車35に取り付けるための凹みである。また、カバー用凹部364は、
図8~
図11に示すように、カバー用凹部側面366およびカバー用凹部底面367を含む。
【0036】
カバー用凹部側面366は、主動円環部363のうち軸方向Daを向く端面に接続されている。また、カバー用凹部側面366は、円柱の側面形状に形成されている。
【0037】
カバー用凹部底面367は、カバー用凹部側面366に接続されている。また、カバー用凹部底面367は、円環状に形成されている。
【0038】
主動大径部351は、円環状に形成されている。また、主動大径部351は、軸方向Daに、主動円環部363と主動歯部365と接続されている。
【0039】
主動凸部352は、主動大径部351のうち径方向外側かつ主動歯車部350とは反対側から軸方向Daに突出している。
【0040】
主動小径部353は、円環状に形成されている。また、主動小径部353は、軸方向Daに、主動大径部351のうち主動歯車部350とは反対側と接続されている。さらに、主動小径部353の外径は、主動大径部351の外径よりも小さくなっている。また、主動小径部353は、複数の第1穴391および複数の第2穴392を含む。
【0041】
第1穴391は、
図8および
図9に示すように、後述の第1ヨーク361の一部が挿入されている穴である。また、第1穴391は、周方向に所定の間隔で形成されている。第2穴392は、
図10および
図11に示すように、後述の第2ヨーク362の一部が挿入されている穴である。さらに、第2穴392は、周方向に所定の間隔で形成されている。また、例えば、主動歯車部350、カバー用凹部364、主動大径部351、主動凸部352、主動小径部353、後述の第1ヨーク361および第2ヨーク362が一体成形されている。これにより、後述の第1ヨーク361の一部が主動小径部353に挿入されている状態になっているとともに、後述の第2ヨーク362の一部が主動小径部353に挿入されている状態になっている。なお、主動歯車部350、カバー用凹部364、主動大径部351、主動凸部352、主動小径部353、後述の第1ヨーク361および第2ヨーク362は、別体であってもよい。
【0042】
第1ヨーク361は、
図2および
図8~
図11に示すように、円環状に軟磁性体で形成されている。また、第1ヨーク361は、第1ヨーク円環部370、複数の第1ヨーク凸部371および複数の第1ヨーク爪部372を含む。
【0043】
第1ヨーク円環部370は、円環状に形成されている。また、第1ヨーク円環部370は、軸方向Daに、主動円環部363と接続されている。さらに、第1ヨーク円環部370は、径方向に、主動凸部352と接続されている。
【0044】
第1ヨーク凸部371は、
図8および
図9に示すように、第1ヨーク円環部370から径方向内側に向かって突出している。また、第1ヨーク凸部371の一部は、第1穴391に挿入されている。さらに、第1穴391が周方向に所定の間隔で形成されていることから、第1ヨーク凸部371は、周方向に所定の間隔で形成されている。
【0045】
第1ヨーク爪部372は、第1ヨーク凸部371のうち第1ヨーク円環部370とは反対側から軸方向Daに突出している。また、第1ヨーク爪部372は、第1ヨーク爪部372のうち第1ヨーク凸部371側から先端側に向かって幅が小さくなる先細り形状に形成されている。さらに、第1ヨーク爪部372は、主動小径部353の内側面と接続されている。また、第1ヨーク爪部372は、トルク検出用磁石30の外側面と径方向に対向している。さらに、第1ヨーク凸部371が周方向に所定の間隔で形成されていることから、第1ヨーク爪部372は、周方向に所定の間隔で形成されている。
【0046】
第2ヨーク362は、
図2および
図8~
図11に示すように、第1ヨーク361と同様に、円環状に軟磁性体で形成されている。また、第2ヨーク362は、第2ヨーク円環部380、複数の第2ヨーク凸部381および複数の第2ヨーク爪部382を含む。
【0047】
第2ヨーク円環部380は、円環状に形成されている。また、第2ヨーク円環部380は、主動小径部353の外側面に接続されている。
【0048】
第2ヨーク凸部381は、
図10および
図11に示すように、第2ヨーク円環部380から径方向内側に向かって突出している。また、第2ヨーク凸部381の一部は、第2穴392に挿入されている。さらに、第2穴392が周方向に所定の間隔で形成されていることから、第2ヨーク凸部381は、周方向に所定の間隔で形成されている。
【0049】
第2ヨーク爪部382は、第2ヨーク凸部381のうち第2ヨーク円環部380とは反対側から軸方向Daに突出している。また、第2ヨーク爪部382は、第2ヨーク爪部382のうち第2ヨーク凸部381側から先端側に向かって幅が小さくなる先細り形状に形成されている。さらに、第2ヨーク爪部382は、主動小径部353の内側面と接続されている。また、第2ヨーク爪部382は、トルク検出用磁石30の外側面と径方向に対向している。さらに、第2ヨーク凸部381が周方向に所定の間隔で形成されていることから、第2ヨーク爪部382は、周方向に所定の間隔で形成されている。また、第2ヨーク爪部382は、互いに隣り合う第1ヨーク爪部372同士の間に配置されている。このため、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、周方向において交互に配置されている。
【0050】
固定用カラー354は、
図8~
図11に示すように、筒状に形成されている。また、固定用カラー354は、主動小径部353の内側面に接続されている。さらに、固定用カラー354は、第2ステアリングシャフト12に接続されている。このため、主動歯車35は、第2ステアリングシャフト12とともに回転する。
【0051】
第1従動歯車31は、樹脂等で形成されている。また、第1従動歯車31の軸は、
図3および
図8に示すように、主動歯車35の軸と平行になっている。さらに、第1従動歯車31は、第1従動歯車部310、第1従動大径部311、第1従動小径部312および第1磁石用凹部315を含む。
【0052】
第1従動歯車部310は、第1従動円柱部313および複数の第1従動歯部314を含む。第1従動円柱部313は、円柱状に形成されている。第1従動歯部314は、第1従動円柱部313から径方向外側に向かって突出している。また、1つの第1従動歯部314の一部は、互いに隣り合う主動歯部365同士の間に位置する。したがって、第1従動歯車31は、主動歯車35と噛み合っている。さらに、ここでは、第1従動歯車31の歯数に対応する第1従動歯部314の数は、主動歯車35の歯数に対応する主動歯部365の数と異なっている。
【0053】
第1従動大径部311は、円柱状に形成されている。また、第1従動大径部311は、軸方向Daに、第1従動円柱部313と接続されている。
【0054】
第1従動小径部312は、円柱状に形成されている。また、第1従動小径部312は、軸方向Daに、第1従動大径部311のうち第1従動円柱部313とは反対側と接続されている。さらに、第1従動小径部312の外径は、第1従動大径部311の外径よりも小さくなっている。
【0055】
第1磁石用凹部315は、後述の角度検出用第1磁石51を第1従動歯車31に取り付けるための凹みである。また、第1磁石用凹部315は、第1従動小径部312のうち第1従動大径部311とは反対側に形成されている。さらに、第1磁石用凹部315は、第1磁石用凹部側面316および第1磁石用凹部底面317を含む。
【0056】
第1磁石用凹部側面316は、第1従動小径部312のうち第1従動大径部311とは反対側の端面に接続されている。第1磁石用凹部底面317は、第1磁石用凹部側面316に接続されている。
【0057】
第2従動歯車32は、第1従動歯車31と同様に、樹脂等で形成されている。また、第2従動歯車32の軸は、
図3および
図9に示すように、主動歯車35の軸および第1従動歯車31の軸と平行になっている。さらに、第2従動歯車32は、第2従動歯車部320、第2従動大径部321、第2従動小径部322および第2磁石用凹部325を含む。
【0058】
第2従動歯車部320は、第2従動円柱部323および複数の第2従動歯部324を含む。第2従動円柱部323は、円柱状に形成されている。第2従動歯部324は、第2従動円柱部323から径方向外側に向かって突出している。また、1つの第2従動歯部324の一部が互いに隣り合う主動歯部365同士の間に位置する。したがって、第2従動歯車32は、主動歯車35と噛み合っている。さらに、ここでは、第2従動歯車32の歯数に対応する第2従動歯部324の数は、主動歯車35の歯数に対応する主動歯部365の数および第1従動歯車31の歯数に対応する第1従動歯部314の数と異なっている。
【0059】
第2従動大径部321は、円柱状に形成されている。また、第2従動大径部321は、軸方向Daに、第2従動円柱部323と接続されている。
【0060】
第2従動小径部322は、円柱状に形成されている。また、第2従動小径部322は、軸方向Daに、第2従動大径部321のうち第2従動円柱部323とは反対側と接続されている。さらに、第2従動小径部322の外径は、第2従動大径部321の外径よりも小さくなっている。
【0061】
第2磁石用凹部325は、後述の角度検出用第2磁石52を第2従動歯車32に取り付けるための凹みである。また、第2磁石用凹部325は、第2従動小径部322のうち第2従動大径部321とは反対側に形成されている。さらに、第2磁石用凹部325は、第2磁石用凹部側面326および第2磁石用凹部底面327を含む。
【0062】
第2磁石用凹部側面326は、第2従動小径部322のうち第2従動大径部321とは反対側の端面に接続されている。第2磁石用凹部底面327は、第2磁石用凹部側面326に接続されている。
【0063】
ケース40は、樹脂等で形成されている。また、ケース40は、
図3~
図11に示すように、ケース基部41、ターミナル用収容部42、主動用凹部43、第1従動用凹部401、第2従動用凹部402、カバー用ピン44、ケース凸部45および基板用ピン46を有する。
【0064】
ケース基部41は、軸方向Daと直交する方向に延びる板状に形成されている。また、ケース基部41は、軸方向Daに延びる軸を中心とする円弧状に形成されている。さらに、ケース基部41には、軸方向Daと直交する方向に主動歯車35が取り付けられている。また、ケース基部41には、軸方向Daに第1従動歯車31および第2従動歯車32が取り付けられている。さらに、ケース基部41は、ケース基面411を含む。
【0065】
ケース基面411は、軸方向Daに直交する面である。また、ケース基面411は、
図8に示すように、第1従動大径部311と接触することによって、第1従動歯車31を支持する。さらに、第1従動歯車31が回転するとき、第1従動大径部311がケース基面411上を摺動する。また、ケース基面411は、
図9に示すように、第2従動大径部321と接触することによって、第2従動歯車32を支持する。さらに、第2従動歯車32が回転するとき、第2従動大径部321がケース基面411上を摺動する。
【0066】
ターミナル用収容部42は、
図3、
図4、
図6、
図7、
図10および
図11に示すように、ケース基面411から軸方向Daに突出している。また、ターミナル用収容部42は、筒状に形成されている。さらに、ターミナル用収容部42は、
図5に示すように、後述のターミナル85を収容している。
【0067】
主動用凹部43は、主動歯車35をケース基部41に取り付けるための凹みである。また、主動用凹部43は、
図3、
図8~
図11に示すように、主動用凹部側面431および主動用凹部底面432を含む。
【0068】
主動用凹部側面431は、ケース基面411の内周縁に接続されている。また、主動用凹部側面431は、円弧柱の側面形状に形成されている。このため、主動用凹部側面431は、円環状の主動大径部351および主動凸部352の外側面と対応する形状になっている。
【0069】
主動用凹部底面432は、主動用凹部側面431に接続されている。また、主動用凹部底面432は、円弧状に形成されている。このため、主動用凹部側面431は、主動凸部352のうち軸方向Daを向く端面と対応する形状になっている。さらに、主動用凹部底面432は、主動凸部352と接触することによって、主動歯車35を支持する。
【0070】
第1従動用凹部401は、第1従動歯車31をケース基部41に取り付けるための凹みである。また、第1従動用凹部401は、
図8に示すように、第1従動用凹部側面403および第1従動用凹部底面404を含む。
【0071】
第1従動用凹部側面403は、ケース基面411に接続されている。また、第1従動用凹部側面403は、円柱の側面形状に形成されている。
【0072】
第1従動用凹部底面404は、第1従動用凹部側面403に接続されている。また、第1従動用凹部底面404は、円形状に形成されている。さらに、第1従動用凹部底面404および第1従動用凹部側面403によって区画される第1空間408に、第1従動小径部312が挿入されている。
【0073】
第2従動用凹部402は、第2従動歯車32をケース基部41に取り付けるための凹みである。また、第2従動用凹部402は、
図9に示すように、第2従動用凹部側面405および第2従動用凹部底面406を含む。
【0074】
第2従動用凹部側面405は、ケース基面411に接続されている。また、第2従動用凹部側面405は、円柱の側面形状に形成されている。
【0075】
第2従動用凹部底面406は、第2従動用凹部側面405に接続されている。また、第2従動用凹部底面406は、円形状に形成されている。さらに、第2従動用凹部底面406および第2従動用凹部側面405によって区画される第2空間409に、第2従動小径部322が挿入されている。
【0076】
カバー用ピン44は、後述の保護カバー90をケース40に取り付けるためのピンである。また、カバー用ピン44は、
図3~
図9に示すように、ケース基面411から軸方向Daに突出している。
【0077】
ケース凸部45は、
図3、
図4、
図6~
図11に示すように、ケース基部41のうちケース基面411とは反対側の部位から突出している。これにより、
図8~
図11に示すように、ケース凸部45およびケース基部41によって区画される基板用空間453が形成されている。この基板用空間453と第1空間408とは、ケース基部41によって隔てられている。また、この基板用空間453と第2空間409とは、ケース基部41によって隔てられている。さらに、ケース凸部45は、ケース凸端面451およびケース凸側面452を含む。
【0078】
ケース凸端面451は、ケース凸部45のうちケース基部41とは反対側の端面である。このケース凸端面451上の空間であって軸方向Daを向いて開口する空間である基板用開口454が形成されている。
【0079】
ケース凸側面452は、ケース基面411およびケース凸端面451に接続されている。また、ケース凸側面452の一部は、
図3に示すように、円弧柱の側面形状に形成されているとともに、主動用凹部底面432に接続されている。
【0080】
基板用ピン46は、後述の基板60をケース40に取り付けるためのピンである。また、基板用ピン46は、
図8~
図11に示すように、ケース基部41から軸方向Daに突出しているとともに、ケース凸部45およびケース基部41によって区画される基板用空間453内に位置している。
【0081】
角度検出用第1磁石51は、
図8に示すように、第1磁石用凹部側面316および第1磁石用凹部底面317によって区画される空間に挿入されている。このため、第1従動歯車31が回転するとき、角度検出用第1磁石51は、第1従動歯車31とともに回転する。また、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第1磁石51のうち第1方向D1の一方側は、例えば、N極に着磁されている。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第1磁石51のうち第1方向D1の他方側は、例えば、S極に着磁されている。これにより、磁力線が角度検出用第1磁石51のN極から、ケース基部41、後述の角度用第1磁気検出部81、ケース基部41および角度検出用第1磁石51のS極を通過する。なお、第1方向D1は、主動歯車35の軸と第1従動歯車31の軸とを結ぶ直線のうち軸方向Daに直交する直線の方向である。
【0082】
角度検出用第2磁石52は、
図9に示すように、第2磁石用凹部側面326および第2磁石用凹部底面327によって区画される空間に挿入されている。このため、第2従動歯車32が回転するとき、角度検出用第2磁石52は、第2従動歯車32とともに回転する。また、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第2磁石52のうち第2方向D2の一方側は、例えば、N極に着磁されている。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第2磁石52のうち第2方向D2の他方側は、例えば、S極に着磁されている。これにより、磁力線が角度検出用第2磁石52のN極から、ケース基部41、後述の角度用第2磁気検出部82、ケース基部41および角度検出用第2磁石52のS極を通過する。なお、第2方向D2は、主動歯車35の軸と第2従動歯車32の軸とを結ぶ直線のうち軸方向Daに直交する直線の方向である。
【0083】
基板60は、プリント基板である。この基板60は、ケース凸端面451によって区画される基板用開口454を介して軸方向Daに移動させることによって、ケース凸部45およびケース基部41によって区画される基板用空間453に挿入されている。また、基板60は、基板穴601が形成されている。
【0084】
基板穴601には、基板用ピン46の一部が挿入されている。これにより、基板60は、ケース40に固定されている。
【0085】
トルク用第1磁気検出部61は、
図3および
図10に示すように、基板60に実装されている。また、トルク用第1磁気検出部61は、例えば、図示しないホール素子、MR素子を有する。ここでは、トルク用第1磁気検出部61は、トルク用第1磁気検出部61にかかる軸方向Daの磁界の強さを検出する。さらに、トルク用第1磁気検出部61は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、モータ制御装置18に出力する。なお、MRは、Magneto Resistiveの略である。
【0086】
トルク用第2磁気検出部62は、
図3および
図11に示すように、基板60に実装されている。また、トルク用第2磁気検出部62は、例えば、図示しないホール素子、MR素子を有する。ここでは、トルク用第2磁気検出部62は、トルク用第1磁気検出部61と同様に、トルク用第2磁気検出部62にかかる軸方向Daの磁界の強さを検出する。さらに、トルク用第2磁気検出部62は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、モータ制御装置18に出力する。
【0087】
支持部材70は、
図3、
図10および
図11に示すように、基板60に取り付けられている。また、支持部材70は、樹脂等で形成されている。さらに、支持部材70は、第1ヨーク円環部370の一部と軸方向Daに対向している。
【0088】
第1磁気誘導部材71は、軟磁性体で形成されている。また、第1磁気誘導部材71の一部は、支持部材70に支持されている。さらに、この支持部材70に支持されている第1磁気誘導部材71の部位は、この支持部材70により、第1ヨーク円環部370と近い位置で軸方向Daに対向している。また、第1磁気誘導部材71は、この支持部材70に支持されている第1磁気誘導部材71の部位からトルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62に向かって延びている。この延びている部分は、折れ曲がっていることにより、トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62と近い位置で軸方向Daに対向している。
【0089】
第2磁気誘導部材72は、軟磁性体で形成されている。また、第2磁気誘導部材72の一部は、
図10および
図11に示すように、基板60のうちトルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62が実装されている面とは反対側の面に取り付けられている。さらに、その第2磁気誘導部材72の一部は、トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62と軸方向Daに対向している。また、第2磁気誘導部材72は、その第2磁気誘導部材72の一部から第2ヨーク円環部380に向かって延びている。この延びている部分は、折れ曲がっていることにより、第2ヨーク円環部380と近い位置で軸方向Daに対向している。
【0090】
角度用第1磁気検出部81は、
図3および
図8に示すように、基板60に実装されている。また、角度用第1磁気検出部81は、ケース基部41のうち角度検出用第1磁石51と軸方向Daに対向している部位と軸方向Daに対向している。これにより、角度用第1磁気検出部81には、角度検出用第1磁石51のN極からの磁力線がケース基部41を経由して通過する。さらに、角度用第1磁気検出部81は、図示しない第1素子および第2素子を有する。この第1素子および第2素子は、例えば、ホール素子、MR素子である。また、角度用第1磁気検出部81の第1素子は、角度用第1磁気検出部81を通過する磁界のうち第1方向D1の磁界の強さを検出する。さらに、角度用第1磁気検出部81の第2素子は、角度用第1磁気検出部81を通過する磁界のうち第1方向D1と直交する方向の磁界の強さを検出する。また、角度用第1磁気検出部81は、これらの検出した磁界の強さに応じた信号を、後述の回転角度演算部83に出力する。なお、上記したように、第1方向D1は、主動歯車35の軸と第1従動歯車31の軸とを結ぶ直線のうち軸方向Daに直交する直線の方向である。
【0091】
角度用第2磁気検出部82は、
図3および
図9に示すように、基板60に実装されている。また、角度用第2磁気検出部82は、ケース基部41のうち角度検出用第2磁石52と軸方向Daに対向している部位と軸方向Daに対向している。これにより、角度用第2磁気検出部82には、角度検出用第2磁石52のN極からの磁力線がケース基部41を経由して通過する。さらに、角度用第2磁気検出部82は、図示しない第1素子および第2素子を有する。この第1素子および第2素子は、例えば、ホール素子、MR素子である。また、角度用第2磁気検出部82の第1素子は、角度用第2磁気検出部82を通過する磁界のうち第2方向D2の磁界の強さを検出する。さらに、角度用第2磁気検出部82の第2素子は、角度用第2磁気検出部82を通過する磁界のうち第2方向D2と直交する方向の磁界の強さを検出する。また、角度用第2磁気検出部82は、これらの検出した磁界の強さに応じた信号を、後述の回転角度演算部83に出力する。なお、上記したように、第2方向D2は、主動歯車35の軸と第2従動歯車32の軸とを結ぶ直線のうち軸方向Daに直交する直線の方向である。
【0092】
回転角度演算部83は、
図3に示すように、基板60に実装されている。また、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81および角度用第2磁気検出部82の間に配置されている。さらに、回転角度演算部83は、マイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/Oおよびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、回転角度演算部83は、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、角度用第1磁気検出部81からの信号および角度用第2磁気検出部82に基づいて、操舵角度に関する値を演算する。
【0093】
ターミナル接続穴84は、基板60に形成されている。また、ターミナル接続穴84は、周方向において、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62と、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82、回転角度演算部83との間に配置されている。
【0094】
ターミナル85は、
図5に示すように、ケース40のターミナル用収容部42に収容されている。また、ターミナル85の一部がターミナル接続穴84に挿入されている。さらに、ターミナル85の一部がはんだ付けされていることにより、ターミナル85は、基板60と接続されている。また、ターミナル85は、モータ制御装置18に接続されている。したがって、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62および回転角度演算部83からの信号は、ターミナル85を介して、モータ制御装置18に出力される。さらに、上記したように、ターミナル接続穴84は、周方向において、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62と、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82、回転角度演算部83との間に配置されている。このため、ターミナル85は、周方向において、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62と、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82、回転角度演算部83との間に配置されている。
【0095】
蓋部材86は、
図3、
図4、
図6~
図11に示すように、板状に樹脂等で形成されている。また、蓋部材86は、ケース凸端面451に接続されている。さらに、この蓋部材86の接続面とケース凸端面451とは、例えば、レーザ等によって溶着されている。これにより、基板用開口454が閉じられている。なお、この蓋部材86の接続面とケース凸端面451とは、接着剤等によって接着されてもよい。
【0096】
保護カバー90は、樹脂等で形成されている。また、保護カバー90は、
図3~
図11に示すように、主動歯車35の一部、第1従動歯車31の一部および第2従動歯車32の一部を覆っている。具体的には、保護カバー90は、主動用カバー部900、第1従動用カバー部901、第2従動用カバー部902、カバー用凸部903およびカバー用穴904を有する。
【0097】
主動用カバー部900は、主動歯車35の主動歯車部350に対応する形状に形成されている。また、主動用カバー部900は、主動歯車部350を覆っている。
【0098】
第1従動用カバー部901は、主動用カバー部900に接続されている。また、第1従動用カバー部901は、第1従動歯車部310を覆っている。
【0099】
第2従動用カバー部902は、主動用カバー部900および第1従動用カバー部901に接続されている。また、第2従動用カバー部902は、第2従動歯車部320を覆っている。
【0100】
カバー用凸部903は、主動歯車部350のカバー用凹部364に対応する形状に形成されている。また、カバー用凸部903は、主動用カバー部900から軸方向Daに突出している。さらに、カバー用凸部903は、カバー用凹部364のカバー用凹部側面366とカバー用凹部底面367とによって区画される空間に挿入されている。また、カバー用凹部底面367は、カバー用凸部903と接触することによって、保護カバー90を支持する。さらに、主動歯車35が回転するとき、カバー用凹部底面367がカバー用凸部903の端面上を摺動する。
【0101】
カバー用穴904には、カバー用ピン44の一部が挿入されている。これにより、保護カバー90がケース40から外れにくくなっている。また、保護カバー90とカバー用ピン44とが熱かしめ等されていることにより、熱かしめ等されていない場合と比較して、保護カバー90がケース40から外れにくくなっている。
【0102】
以上のように、トルクアングルセンサ25は、構成されている。次に、トルクアングルセンサ25による操舵トルクの検出について説明する。
【0103】
ステアリングホイール5が回転していないことにより操舵トルクが発生していないとする。この場合、
図12に示すように、トルク検出用磁石30、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、周方向について中立状態に位相合わせされている。この中立状態では、周方向において、全ての第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382の中心位置がトルク検出用磁石30のN極とS極との境界とが一致する。このとき、トルク検出用磁石30のN極から第1ヨーク爪部372を通過する磁力線の数と、トルク検出用磁石30のN極から第2ヨーク爪部382を通過する磁力線の数とが同じになる。このため、第1ヨーク361および第2ヨーク362の間において磁束密度が発生しない。
【0104】
そして、ステアリングホイール5が回転するとき、操舵トルクが発生することにより、ステアリングホイール5に接続されている第1ステアリングシャフト11が回転する。また、シャフトピン14により第1ステアリングシャフト11に固定されているトーションバー13が回転する。さらに、シャフトピン14によりトーションバー13に固定されている第2ステアリングシャフト12が回転する。また、第2ステアリングシャフト12が主動歯車35の固定用カラー354に接続されている。このため、主動歯車35は、回転する。これにより、主動歯車35の第1ヨーク361および第2ヨーク362が、トルク検出用磁石30に対して相対回転する。
【0105】
この場合において、
図13に示すように、トルク検出用磁石30のN極と第1ヨーク爪部372とが軸方向Daと直交する方向に重なる部分が増加する。また、トルク検出用磁石30のS極と第2ヨーク爪部382とが軸方向Daと直交する方向に重なる部分が増加する。このとき、トルク検出用磁石30のN極から第1ヨーク爪部372に向かう磁力線が増加するとともに、第2ヨーク爪部382からトルク検出用磁石30のS極に向かう磁力線が増加する。このため、第1ヨーク361および第2ヨーク362の間において磁束密度が発生する。
【0106】
ここで、上記したように、
図10に示すように、第1磁気誘導部材71は、軟磁性体で形成されているとともに、第1ヨーク円環部370と、トルク用第1磁気検出部61とに軸方向Daに対向している。また、上記したように、第2磁気誘導部材72は、軟磁性体で形成されているとともに、トルク用第1磁気検出部61と、第2ヨーク円環部380とに軸方向Daに対向している。
【0107】
したがって、このとき、トルク検出用磁石30のN極から、第1ヨーク円環部370および第1磁気誘導部材71を経由して、トルク用第1磁気検出部61を通過する磁力線が増加する。さらに、トルク用第1磁気検出部61を通過した磁力線は、第2磁気誘導部材72および第2ヨーク円環部380を経由して、トルク検出用磁石30のS極を通過する。
【0108】
よって、トルク用第1磁気検出部61は、軸方向Daのうち一方向の磁界の強さを検出する。これにより、トルク用第1磁気検出部61は、操舵トルクを検出する。また、トルク用第1磁気検出部61は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、ターミナル85を経由して、モータ制御装置18に出力する。モータ制御装置18は、このトルク用第1磁気検出部61からの信号に基づいて、操舵トルクを演算する。
【0109】
また、
図13の場合とは逆向きの操舵トルクが発生した場合において、
図14に示すように、トルク検出用磁石30のS極と第1ヨーク爪部372とが軸方向Daと直交する方向に重なる部分が増加する。また、トルク検出用磁石30のN極と第2ヨーク爪部382とが軸方向Daと直交する方向に重なる部分が増加する。このとき、トルク検出用磁石30のN極から第2ヨーク爪部382に向かう磁力線が増加するとともに、第1ヨーク爪部372からトルク検出用磁石30のS極に向かう磁力線が増加する。このため、第1ヨーク361および第2ヨーク362の間において磁束密度が発生する。
【0110】
したがって、このとき、トルク検出用磁石30のN極から、第2ヨーク円環部380および第2磁気誘導部材72を経由して、トルク用第1磁気検出部61を通過する磁力線が増加する。さらに、トルク用第1磁気検出部61を通過した磁力線は、第1磁気誘導部材71および第1ヨーク円環部370を経由して、トルク検出用磁石30のS極を通過する。
【0111】
よって、トルク用第1磁気検出部61は、軸方向Daのうち他方向の磁界の強さを検出する。これにより、トルク用第1磁気検出部61は、操舵トルクを検出する。また、トルク用第1磁気検出部61は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、ターミナル85を経由して、モータ制御装置18に出力する。モータ制御装置18は、このトルク用第1磁気検出部61からの信号に基づいて、操舵トルクを演算する。
【0112】
以上のように、トルクアングルセンサ25は、操舵トルクを検出する。なお、トルクアングルセンサ25のトルク用第2磁気検出部62は、トルク用第1磁気検出部61と同様に、操舵トルクを検出する。このため、トルク用第1磁気検出部61が故障した場合、トルクアングルセンサ25は、トルク用第2磁気検出部62を用いて、操舵トルクを検出できる。次に、トルクアングルセンサ25による操舵角度の検出について説明する。
【0113】
ステアリングホイール5が回転するとき、ステアリングホイール5に接続されている第1ステアリングシャフト11が回転する。また、シャフトピン14により第1ステアリングシャフト11に固定されているトーションバー13が回転する。さらに、シャフトピン14によりトーションバー13に固定されている第2ステアリングシャフト12が回転する。また、第2ステアリングシャフト12が主動歯車35の固定用カラー354に接続されている。このため、主動歯車35は、回転する。したがって、この主動歯車35と噛み合っている第1従動歯車31および第2従動歯車32が回転する。
【0114】
このとき、第1従動歯車31に取り付けられている角度検出用第1磁石51が回転する。このため、角度検出用第1磁石51のN極から、ケース基部41、角度用第1磁気検出部81、ケース基部41および角度検出用第1磁石51のS極を通過する磁力線が周期的に変化する。これにより、角度用第1磁気検出部81にかかる第1方向D1の磁界の強さが周期的に変化する。
【0115】
ここで、上記したように、
図8に示すように、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第1磁石51のうち第1方向D1の一方側は、N極に着磁されている。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第1磁石51の第1方向D1の他方側は、S極に着磁されている。このため、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第1磁気検出部81を通過する第1方向D1の磁界の強さは、所定の値となる。
【0116】
したがって、
図15に示すように、操舵角度が変化するとき、第1方向D1の磁界の強さを検出する角度用第1磁気検出部81の第1素子の出力波形は、余弦波となる。よって、このとき、角度用第1磁気検出部81の第1素子は、第1従動歯車31の回転角度および操舵角度に対応する余弦波からなる信号を回転角度演算部83に出力する。また、操舵角度が変化するとき、第1方向D1と直交する方向の磁界の強さを検出する角度用第1磁気検出部81の第2素子の出力波形は、正弦波となる。したがって、このとき、角度用第1磁気検出部81の第2素子は、第1従動歯車31の回転角度および操舵角度に対応する正弦波からなる信号を回転角度演算部83に出力する。なお、
図15において、操舵角度に対する角度用第1磁気検出部81の第1素子の出力波形がC1で示されている。また、操舵角度に対する角度用第1磁気検出部81の第2素子の出力波形がS1で示されている。
【0117】
また、第2従動歯車32に取り付けられている角度検出用第2磁石52が回転する。このため、角度検出用第2磁石52のN極から、ケース基部41、角度用第2磁気検出部82、ケース基部41および角度検出用第2磁石52のS極を通過する磁力線が周期的に変化する。これにより、角度用第2磁気検出部82にかかる第2方向D2の磁界の強さが周期的に変化する。
【0118】
ここで、上記したように、
図9に示すように、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第2磁石52のうち第2方向D2の一方側は、N極に着磁されている。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第2磁石52のうち第2方向D2の他方側は、S極に着磁されている。このため、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度用第2磁気検出部82にかかる第2方向D2の磁界の強さは、所定の値となる。
【0119】
したがって、
図15に示すように、操舵角度が変化するとき、第2方向D2の磁界の強さを検出する角度用第2磁気検出部82の第1素子の出力波形は、余弦波となる。よって、このとき、角度用第2磁気検出部82の第1素子は、第2従動歯車32の回転角度および操舵角度に対応する余弦波からなる信号を回転角度演算部83に出力する。また、操舵角度が変化するとき、第2方向D2と直交する方向の磁界の強さを検出する角度用第2磁気検出部82の第2素子の出力波形は、正弦波となる。したがって、このとき、角度用第2磁気検出部82の第2素子は、第2従動歯車32の回転角度および操舵角度に対応する正弦波からなる信号を回転角度演算部83に出力する。なお、
図15において、操舵角度に対する角度用第2磁気検出部82の第1素子の出力波形がC2で示されている。また、操舵角度に対する角度用第2磁気検出部82の第2素子の出力波形がS2で示されている。
【0120】
そして、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81の第1素子および第2素子からの信号と、角度用第2磁気検出部82の第1素子および第2素子からの信号とに基づいて、操舵角度に関する値を演算する。
【0121】
例えば、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81の第2素子の正弦波からなる信号の値を、角度用第1磁気検出部81の第1素子の余弦波からなる信号の値で除算する。これにより、回転角度演算部83は、
図16に示すように、第1従動歯車31の回転角度に対応するタンジェントの値を演算することで第1従動歯車31の回転角度を演算する。また、回転角度演算部83は、角度用第2磁気検出部82の第2素子の正弦波からなる信号の値を、角度用第2磁気検出部82の第1素子の余弦波からなる信号の値で除算する。これにより、回転角度演算部83は、第2従動歯車32の回転角度に対応するタンジェントの値を演算することで第2従動歯車32の回転角度を演算する。なお、
図16において、操舵角度に対する第1従動歯車31の回転角度がθt1で示されている。操舵角度に対する第2従動歯車32の回転角度がθt2で示されている。
【0122】
ここで、第2従動歯車32の歯数に対応する第2従動歯部324の数は、第1従動歯車31の歯数に対応する第1従動歯部314の数と異なっている。このため、角度用第1磁気検出部81の第1素子および第2素子の出力波形の周期と、角度用第2磁気検出部82の第1素子および第2素子の出力波形の周期とは異なる。さらに、角度用第1磁気検出部81の第1素子および第2素子の出力および角度用第2磁気検出部82の第1素子および第2素子の出力は、それぞれ操舵角度に対応する。このため、第1従動歯車31の回転角度と第2従動歯車32の回転角度との差は、操舵角度に対応する。
【0123】
よって、回転角度演算部83は、第1従動歯車31の回転角度と第2従動歯車32の回転角度との差を演算して、この演算した差に基づいて操舵角度を演算する。
【0124】
以上のように、トルクアングルセンサ25は、操舵角度を検出する。次に、トルクアングルセンサ25が小型化可能であることについて説明する。
【0125】
ここで、本実施形態と比較するため、基板60と同じ形状に形成されているとともに最大長さLa_maxと最大幅Lb_maxとを有する比較用基板99を、軸方向Daと直交する方向に移動させることにより、図示しない比較用ケースに挿入するとする。この場合において、例えば、比較用基板99を最大長さLa_maxの一方向に移動させることにより比較用ケースに挿入する。このとき、
図17に示すように、比較用ケース内の空間の大きさを、最大長さLa_maxと最大幅Lb_maxと比較用基板99の外縁とで区画される領域の大きさにする必要がある。また、例えば、比較用基板99を最大幅Lb_maxの一方向に移動させることにより比較用ケースに挿入する。このとき、比較用ケース内の空間の大きさを最大長さLa_maxと比較用基板99の外縁とで区画される領域の大きさにする必要がある。これらの領域の大きさは、比較用基板99の体積よりも大きい。このため、比較用ケースの体格が大きくなる。なお、
図17において、最大長さLa_maxの一方向がDmaで示されている。また、最大長さLa_maxの一方向に移動させることにより比較用ケースに挿入するときにおける比較用ケース内の空間の必要な大きさがVa_refで示されている。さらに、最大幅Lb_maxの一方向がDmbで示されている。また、最大長さLa_maxの一方向に移動させることにより比較用ケースに挿入するときにおける比較用ケース内の空間の必要な大きさがVb_refで示されている。
【0126】
これに対して、トルクアングルセンサ25は、主動歯車35と、第1従動歯車31と、角度検出用第1磁石51と、角度用第1磁気検出部81と、基板60と、ケース40とを備える。主動歯車35は、ステアリングホイール5とともに回転する。第1従動歯車31は、主動歯車35とともに回転する。角度検出用第1磁石51は、磁界を発生させつつ第1従動歯車31ととともに回転する。角度用第1磁気検出部81は、第1従動歯車31が回転することにより変化する磁界の強さを検出する。また、この磁界の強さは、ステアリングホイール5の操舵角度に対応する。基板60は、角度用第1磁気検出部81を実装している。ケース40は、ケース基部41およびケース凸部45を有する。このケース基部41には、軸方向Daと直交する方向に主動歯車35が取り付けられている。また、ケース基部41には、軸方向Daに第1従動歯車31が取り付けられている。さらに、ケース基部41は、軸方向Daと直交する方向に延びる板状に形成されている。また、ケース凸部45は、
図8~
図11に示すように、ケース基部41から軸方向Daに突出している。さらに、ケース凸部45は、ケース凸端面451を含む。ケース凸端面451は、ケース凸部45のうちケース基部41とは反対側の端面である。また、ケース基部41およびケース凸部45によって区画される基板用空間453が形成されている。さらに、ケース凸部45のケース凸端面451上の空間であって軸方向Daを向いて開口しているとともに基板用空間453に連通する基板用開口454が形成されている。そして、基板60は、この基板用開口454を介して基板用空間453に挿入されている。なお、軸方向Daは、基板60の厚さ方向に対応する。ステアリングホイール5は、検出対象に対応する。ステアリングホイール5の操舵角度は、検出対象の回転角度に対応する。主動歯車35は、主動回転体に対応する。第1従動歯車31は、従動回転体に対応する。角度検出用第1磁石51は、角度用磁石に対応する。角度用第1磁気検出部81は、角度検出部に対応する。
【0127】
これにより、基板60をケース40に挿入するために必要なケース40内の空間の大きさは、基板60の厚さ方向と直交する基板60の面における面積と基板60の厚さとを乗算した体積になる。したがって、ケース40内の空間の必要な大きさが基板60の体積となることから比較用ケースと比較してケース40の体格を小さくできるため、トルクアングルセンサ25を小型化することができる。
【0128】
また、トルクアングルセンサ25は、以下に記載する効果も奏する。
【0129】
[1-1]ケース40は、第1従動用凹部401と第2従動用凹部402とを有する。第1従動用凹部401は、
図8に示すように、第1従動用凹部側面403と第1従動用凹部底面404とを含む。第1従動用凹部側面403および第1従動用凹部底面404によって区画される第1空間408に第1従動歯車31の第1従動小径部312が挿入されている。この第1空間408および基板用空間453は、ケース基部41によって隔てられている。また、第2従動用凹部402は、
図9に示すように、第2従動用凹部側面405と第2従動用凹部底面406とを含む。第2従動用凹部側面405および第2従動用凹部底面406によって区画される第2空間409に第2従動歯車32の第2従動小径部322が挿入されている。この第2空間409および基板用空間453は、ケース基部41によって隔てられている。なお、第1従動用凹部401は、凹部に対応する。第1従動用凹部側面403は、凹部側面に対応する。第1従動用凹部底面404は、凹部底面に対応する。第1空間408および第2空間409は、凹部空間に対応する。
【0130】
これにより、第1従動歯車31および第2従動歯車32の配置箇所から塵および水が浸入したとしても、塵および水の基板用空間453への侵入がケース基部41によって阻まれるため、塵および水が基板用空間453に侵入することを抑制することができる。このため、塵が基板60に接触することを防ぐ性能である防塵性および水が基板60に接触することを防ぐ性能である防水性を向上させることができる。
【0131】
[1-2]トルクアングルセンサ25は、蓋部材86を備える。蓋部材86は、ケース凸端面451に溶着されているとともに、基板用開口454を塞ぐ。
【0132】
これにより、塵および水の基板用空間453への侵入が蓋部材86および蓋部材86とケース凸端面451との溶着部によって阻まれるため、塵および水が基板用空間453に侵入することを抑制することができる。このため、防塵性および防水性を向上させることができる。
【0133】
また、蓋部材86とケース凸端面451とは溶着されていることにより、蓋部材86とケース凸端面451とを接続するための新たな部品等を設ける必要がなくなる。このため、新たな部品等を設ける必要がなくなる分、トルクアングルセンサ25を小型化することができる。
【0134】
[1-3]蓋部材86とケース凸端面451とはレーザによって溶着されている。これにより、超音波溶着および振動溶着と比較して、基板60および基板60に実装されている部品への損傷を小さくすることができる。なお、ここでは、基板60に実装されている部品は、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82および回転角度演算部83である。
【0135】
[1-4]トルクアングルセンサ25は、第1従動歯車31と、角度検出用第1磁石51と、角度用第1磁気検出部81と、第2従動歯車32と、角度検出用第2磁石52と、角度用第2磁気検出部82と、回転角度演算部83と、基板60と、をさらに備える。第2従動歯車32は、主動歯車35および第1従動歯車31とともに回転する。角度用第2磁気検出部82は、第2従動歯車32が回転することにより変化する磁界の強さを検出する。また、この磁界の強さは、ステアリングホイール5の操舵角度に対応する。回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81によって検出された磁界の強さおよび角度用第2磁気検出部82によって検出された磁界の強さに基づいて、ステアリングホイール5の操舵角度を演算する。基板60は、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82および回転角度演算部83を実装している。また、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81および角度用第2磁気検出部82の間に配置されている。なお、第1従動歯車31は、第1従動回転体に対応する。角度検出用第1磁石51は、角度用第1磁石に対応する。角度用第1磁気検出部81は、第1角度検出部に対応する。第2従動歯車32は、第2従動回転体に対応する。角度検出用第2磁石52は、角度用第2磁石に対応する。角度用第2磁気検出部82は、第2角度検出部に対応する。回転角度演算部83は、角度演算部に対応する。
【0136】
これにより、角度用第2磁気検出部82が回転角度演算部83および角度用第1磁気検出部81の間に配置されている場合と比較して、角度用第1磁気検出部81から回転角度演算部83までの配線の長さが短くなる。このため、基板60を小さくできることから、トルクアングルセンサ25を小型化することができる。
【0137】
[1-5]トルクアングルセンサ25は、トルク検出用磁石30と、トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62と、ターミナル85とをさらに備える。トルク検出用磁石30は、磁界を発生させつつステアリングホイール5とともに回転する。トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62は、ステアリングホイール5および主動歯車35が回転することにより変化する磁界の強さを検出する。また、この磁界の強さは、ステアリングホイール5の操舵トルクに対応する。ターミナル85は、モータ制御装置18に接続される。また、ターミナル85は、トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62と、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82および回転角度演算部83との間に配置されている。なお、トルク検出用磁石30は、トルク用磁石に対応する。トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62は、トルク検出部に対応する。また、モータ制御装置18は、回転角度検出装置の外部に対応する。
【0138】
ここで、トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62が、ターミナル85と、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82および回転角度演算部83との間に配置されているとする。この場合と比較して、上記配置により、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82および回転角度演算部83からターミナル85までの配線の長さが短くなる。このため、基板60を小さくできることから、トルクアングルセンサ25を小型化することができる。
【0139】
(第2実施形態)
第2実施形態では、トルクアングルセンサ25が蓋部材86を備えていないで樹脂被覆部87を備えている。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0140】
樹脂被覆部87は、
図18に示すように、ケース基部41およびケース凸部45によって区画される基板用空間453にポッティング樹脂が充填されるによって形成されている。これにより、樹脂被覆部87は、基板60および基板60に実装されている部品を覆うとともに、基板用開口454を塞ぐ。
【0141】
以上のように、第2実施形態は、構成されている。第2実施形態において、上記[1-2]および[1-3]に記載した効果を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0142】
[2]樹脂被覆部87は、基板用空間453に樹脂が充填されていることにより、基板60および基板60に実装されている部品を覆うとともに、基板用開口454を塞ぐ。なお、ここでは、基板60に実装されている部品は、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82および回転角度演算部83等である。
【0143】
これにより、塵および水の基板用空間453への侵入が樹脂被覆部87によって阻まれるため、塵および水が基板60および基板60に実装されている部品に接触することを抑制することができる。このため、防塵性および防水性を向上させることができる。
【0144】
また、樹脂被覆部87は、基板用空間453に樹脂が充填されているため、ケース凸部45の外部に新たな部品を設ける必要がなくなる。このため、ケース凸部45の外部に新たな部品を設ける必要がなくなる分、トルクアングルセンサ25を小型化することができる。
【0145】
(第3実施形態)
第3実施形態では、ケース40の形態が第1実施形態と異なる。また、第3実施形態では、トルクアングルセンサ25が弾性部材88をさらに備えている。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0146】
ケース40は、
図19に示すように、弾性部材用凹部530をさらに有する。弾性部材用凹部530は、後述の弾性部材88をケース凸部45に取り付けるための凹みである。また、弾性部材用凹部530は、弾性部材用凹部側面531および弾性部材用凹部底面532を有する。
【0147】
弾性部材用凹部側面531は、ケース凸端面451に接続されている。また、弾性部材用凹部側面531は、円柱の側面形状に形成されている。
【0148】
弾性部材用凹部底面532は、弾性部材用凹部側面531に接続されている。また、弾性部材用凹部底面532は、円環状に形成されている。
【0149】
弾性部材88は、ゴム等で形成されており、例えば、Oリング、Cリング等である。また、弾性部材88は、弾性部材用凹部側面531および弾性部材用凹部底面532によって区画される空間に挿入されている。さらに、弾性部材88は、蓋部材86と弾性部材用凹部底面532とに挟まれていることによって、弾性変形している。これにより、弾性部材88は、蓋部材86とケース凸端面451との隙間を塞ぐ。
【0150】
以上のように、第3実施形態は、構成されている。第3実施形態において、上記[1-2]および[1-3]に記載した効果を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第3実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0151】
[3]トルクアングルセンサ25は、弾性部材88をさらに備える。弾性部材88は、ケース凸部45と蓋部材86とに挟まれていることで弾性変形することによって、ケース凸部45と蓋部材86との隙間を塞ぐ。
【0152】
これにより、塵および水の基板用空間453への侵入が弾性部材88によって阻まれるため、塵および水が基板用空間453に侵入することを抑制することができる。このため、防塵性および防水性を向上させることができる。
【0153】
(第4実施形態)
第4実施形態では、ケース40および基板60の形態が第1実施形態と異なる。また、第4実施形態では、ケース40がターミナル用収容部42を有しないで、基板60にターミナルケース89が取り付けられている。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0154】
ケース40は、
図20に示すように、ターミナル用収容部42、カバー用ピン44およびケース凸部45を有さないで、ケース基部41、主動用凹部43、第1従動用凹部401、第2従動用凹部402および基板用ピン46を有する。このうち、主動用凹部43、第1従動用凹部401、第2従動用凹部402および基板用ピン46は、第1実施形態と同様に形成されている。しかし、ケース基部41の形態は、第1実施形態と異なる。
【0155】
ケース基部41は、第1基部510、第1側部511、第2側部512、第3側部513および第2基部514を含む。
【0156】
第1基部510は、主動歯車35の軸と直交する方向に延びる板状に形成されているとともに主動歯車35の軸を中心とする円弧状に形成されている。また、第1基部510には、主動用凹部43、第1従動用凹部401および第2従動用凹部402が形成されている。このため、第1基部510の面は、主動用凹部側面431、第1従動用凹部側面403および第2従動用凹部側面405に接続されている。さらに、第1基部510から、カバー用ピン44および基板用ピン46が突出している。
【0157】
第1側部511は、第1基部510に接続されている。また、第1側部511は、主動歯車35の軸を中心とする円弧柱の側面形状に形成されている。
【0158】
第2側部512は、第1基部510および第1側部511に接続されている。また、第2側部512は、長方形状に形成されている。
【0159】
第3側部513は、第2側部512に接続されている。また、第3側部513は、主動用凹部底面432に接続されている。さらに、主動用凹部底面432が円弧状に形成されているため、第3側部513は、主動歯車35の軸を中心とする円弧柱の側面形状に形成されている。
【0160】
第2基部514は、主動歯車35の軸と直交する方向に延びる板状に形成されているとともに主動歯車35の軸を中心とする円弧状に形成されている。また、第2基部514は、第1側部511のうち第1基部510とは反対側、第2側部512のうち第1基部510とは反対側および第3側部513に接続されている。
【0161】
そして、
図20および
図21に示すように、第1基部510、第1側部511、第2側部512、第3側部513および第2基部514によって区画される基板用空間457が形成されている。この基板用空間457は、第1基部510、第1側部511、第2側部512、第3側部513および第2基部514の形状により、円弧状になっている。また、第1側部511、第3側部513および第2基部514によって区画される基板用開口458が形成されている。この基板用開口458は、主動歯車35の軸の周方向を向いて開いている。さらに、第1基部510および第1側部511によって区画されるターミナル用開口459が形成されている。このターミナル用開口459は、軸方向Daを向いて開口している空間であって、基板用空間457および基板用開口458に連通している。
【0162】
基板60は、第1基部510、第1側部511、第2側部512、第3側部513および第2基部514によって区画される基板用空間457に対応する形状に形成されている。このため、基板60は、主動歯車35の軸を中心とする円弧状の板状に形成されている。また、基板60は、周方向に回転させることによって、基板用開口458を介して基板用空間457に挿入されている。
【0163】
ターミナルケース89は、樹脂等で筒状に形成されている。また、ターミナルケース89は、基板60から軸方向Daに突出している。さらに、ターミナルケース89は、ターミナル85を収容している。また、ターミナルケース89は、基板60のうち基板用開口458側に配置されている。このため、ターミナルケース89は、
図22に示すように、ターミナル用開口459を通っている。
【0164】
以上のように、第4実施形態は、構成されている。次に、第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、トルクアングルセンサ25が小型化可能であることについて説明する。
【0165】
基板60は、主動歯車35の軸を中心とする円弧状の板状に形成されている。また、ケース基部41は、第1基部510、第1側部511、第2側部512、第3側部513および第2基部514を有する。さらに、第1基部510は、軸方向Daと直交する方向に延びる板状に形成されている。また、第1側部511は、第1基部510に接続されている。さらに、第2側部512は、第1基部510および第1側部511に接続されている。また、第3側部513は、第2側部512に接続されている。さらに、第2基部514は、軸方向Daと直交する方向に延びる板状に形成されているとともに第1側部511、第2側部512および第3側部513に接続されている。また、第1基部510、第1側部511、第2側部512、第3側部513および第2基部514によって区画される基板用空間457が形成されている。さらに、第1側部511、第3側部513および第2基部514によって区画される基板用開口458が形成されている。この基板用開口458は、主動歯車35の軸の周方向を向いて開いている。そして、基板60は、主動歯車35の軸を中心として回転させることによって、基板用開口458を介して基板用空間457に挿入されている。
【0166】
これにより、基板60をケース40に挿入するために必要なケース40内の空間の大きさは、基板60の厚さ方向に直交する基板60の面における面積と基板60の厚さとを乗算した体積になる。したがって、ケース40内の空間の必要な大きさが基板60の体積となることから比較用ケースと比較してケース40の体格を小さくできるため、第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、トルクアングルセンサ25を小型化することができる。
【0167】
また、第4実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0168】
[4-1]第1空間408および基板用空間457は、第1基部510によって隔てられている。また、第2空間409および基板用空間457は、第1基部510によって隔てられている。
【0169】
これにより、第1従動歯車31および第2従動歯車32の配置箇所から塵および水が浸入したとしても、塵および水の基板用空間457への侵入がケース基部41によって阻まれるため、塵および水が基板用空間457に侵入することを抑制することができる。このため、塵が基板60に接触することを防ぐ性能である防塵性および水が基板60に接触することを防ぐ性能である防水性を向上させることができる。
【0170】
[4-2]ターミナルケース89は、軸方向Daに延びている。また、第1基部510および第1側部511によって区画されることにより、軸方向Daを向いて開口しているとともに基板用空間457および基板用開口458に連通しているターミナル用開口459が形成されている。さらに、ターミナルケース89は、基板60のうち基板用開口458側に配置されていることにより、ターミナル用開口459を通っている。
【0171】
これにより、基板用開口458を介して基板用空間457に基板60を挿入する場合に、ターミナルケース89の大きさの分、基板用開口458の大きさを大きくする必要がなくなる。このため、ケース40の体格が大きくなることが抑制されることから、トルクアングルセンサ25の体格が大きくなることが抑制される。
【0172】
(第5実施形態)
第5実施形態では、ケース40および蓋部材86の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0173】
ケース40は、
図23に示すように、ケース凸部45および基板用ピン46を有していない。蓋部材86は、板部860、凸部861および基板用ピン866を有する。
【0174】
板部860は、軸方向Daと直交する方向に延びる板状に形成されている。凸部861は、板部860からケース基部41に向かって突出している。これにより、板部860および凸部861によって区画される基板用空間883が形成されている。この基板用空間883と第1空間408とは、ケース基部41によって隔てられている。また、この基板用空間883と第2空間409とは、ケース基部41によって隔てられている。さらに、凸部861は、凸端面862および凸側面863を含む。
【0175】
凸端面862は、溶着等によりケース基部41に接続されている。この凸端面862上の空間であって軸方向Daを向いて開口する空間である基板用開口884が形成されている。また、凸側面863は、板部860および凸端面862に接続されている。
【0176】
基板用ピン866は、基板60を蓋部材86に取り付けるためのピンである。また、基板用ピン866は、板部860から軸方向Daに突出しているとともに、板部860および凸部861によって区画される基板用空間883内に位置している。さらに、基板用ピン46の一部が、基板穴601に挿入されている。これにより、基板60は、蓋部材86に固定されている。
【0177】
以上のように、第5実施形態は、構成されている。次に、第5実施形態においても、第1実施形態と同様に、トルクアングルセンサ25が小型化可能であることについて説明する。
【0178】
[5-1]ケース40がケース凸部45および基板用ピン46を有していないで、トルクアングルセンサ25は、蓋部材86を備える。蓋部材86は、板部860および凸部861を有する。板部860は、軸方向Daと直交する方向に延びている。凸部861は、板部860から軸方向Daに突出している。また、凸部861は、凸端面862を含む。凸端面862は、ケース基部41に接続されている。さらに、板部860および凸部861によって区画される基板用空間882が形成されている。また、凸端面862上の空間であって軸方向Daを向いて開口しているとともに基板用空間883に連通する基板用開口884が形成されている。そして、基板60は、基板用開口884を介して基板用空間883に挿入されている。
【0179】
これにより、基板60をケース40に挿入するために必要なケース40内の空間の大きさは、基板60の厚さ方向と直交する基板60の面における面積と基板60の厚さとを乗算した体積になる。したがって、ケース40内の空間の必要な大きさが基板60の体積となることから比較用ケースと比較してケース40の体格を小さくできるため、トルクアングルセンサ25を小型化することができる。
【0180】
また、第5実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0181】
[5-2]ケース基部41と凸部861とはレーザによって溶着されている。これにより、超音波溶着および振動溶着と比較して、基板60および基板60に実装されている部品への損傷を小さくすることができる。なお、ここでは、基板60に実装されている部品は、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82および回転角度演算部83である。
【0182】
(第6実施形態)
第6実施形態では、蓋部材86の形態が第5実施形態と異なる。また、第6実施形態では、トルクアングルセンサ25が弾性部材88をさらに備えている。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0183】
蓋部材86は、
図24に示すように、凸部861に凹みを有する。また、弾性部材88は、この凸部861の凹みに挿入されている。さらに、弾性部材88は、蓋部材86とケース基部41とに挟まれていることによって、弾性変形している。これにより、弾性部材88は、蓋部材86とケース基部41との隙間を塞ぐ。
【0184】
以上のように、第6実施形態は、構成されている。第6実施形態において、上記[5-2]に記載した効果を除いて、第5実施形態と同様の効果を奏する。また、第6実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0185】
[6]トルクアングルセンサ25は、弾性部材88をさらに備える。弾性部材88は、蓋部材86とケース基部41とに挟まれていることで弾性変形することによって、蓋部材86とケース基部41との隙間を塞ぐ。
【0186】
これにより、塵および水の基板用空間453への侵入が弾性部材88によって阻まれるため、塵および水が基板用空間453に侵入することを抑制することができる。このため、防塵性および防水性を向上させることができる。
【0187】
(第7実施形態)
第7実施形態では、トルクアングルセンサ25は、
図25および
図26に示すように、第2従動歯車32を備えていない。このため、トルクアングルセンサ25は、角度用第2磁気検出部82を備えていない。また、ケース40は、第2従動用凹部402を有しない。さらに、トルクアングルセンサ25は、
図27および
図28に示すように、第1受信コイル701、第2受信コイル702、励磁コイル703、高周波送信回路704、出力回路705および導体706を備えている。これら以外は、第1実施形態と同様である。なお、
図25および
図26において、記載の煩雑さを避けるため、第1ヨーク361、第2ヨーク362および保護カバー90が省略されている。また、
図27において、記載の煩雑さを避けるため、導体706が省略されている。
【0188】
第1受信コイル701、第2受信コイル702および励磁コイル703は、
図27に示すように、形成されている。高周波送信回路704および出力回路705は、基板60に実装されている。
【0189】
また、第1受信コイル701は、
図28に示すように、第1リード部711、第2リード部712、第1曲部721、第2曲部722、第3曲部723および第4曲部724を有する。第1リード部711および第2リード部712は、直線状に形成されている。第1曲部721、第2曲部722、第3曲部723および第4曲部724は、2分の1周期分の正弦波状に形成されている。また、第1曲部721の一端は、第1リード部711に接続されている。さらに、第1曲部721の他端は、第2曲部722の一端に接続されている。また、第2曲部722の他端は、第3曲部723の一端に接続されている。さらに、第3曲部723の他端は、第4曲部724の一端に接続されている。また、第4曲部724の他端は、第2リード部712に接続されている。
【0190】
第2受信コイル702は、第3リード部713、第4リード部714、第5リード部715、第5曲部725、第6曲部726、第7曲部727、第8曲部728、第9曲部729および第10曲部730を有する。第3リード部713、第4リード部714および第5リード部715は、直線状に形成されている。第5曲部725、第7曲部727、第8曲部728、第10曲部730は、4分の1周期分の正弦波状に形成されている。第6曲部726および第9曲部729は、2分の1周期分の正弦波状に形成されている。また、第5曲部725の一端は、第3リード部713に接続されている。さらに、第5曲部725の他端は、第6曲部726の一端に接続されている。また、第6曲部726の他端は、第7曲部727の一端に接続されている。さらに、第7曲部727の他端は、第5リード部715の一端に接続されている。さらに、第8曲部728の一端は、第5リード部715の他端に接続されている。また、第8曲部728の他端は、第9曲部729の一端に接続されている。さらに、第9曲部729の他端は、第10曲部730の一端に接続されている。また、第10曲部730の他端は、第4リード部714に接続されている。
【0191】
励磁コイル703は、第1受信コイル701および第2受信コイル702を囲っている。高周波送信回路704は、励磁コイル703に接続されているとともに、励磁コイル703に交流電圧を印加する。出力回路705は、第1受信コイル701および第2受信コイル702からの電圧に基づいて、操舵角度に対応する信号を生成する。また、出力回路705は、この生成した信号を回転角度演算部83に出力する。
【0192】
導体706は、例えば、金属等で形成されている。また、導体706は、導体円環部707および複数の導体凸部708を有する。導体円環部707は、
図25および
図26に示すように、円環状に形成されている。導体円環部707の穴には、主動小径部353の一部が挿入されている。導体凸部708は、導体円環部707から軸方向Daと直交する方向に突出している。また、導体凸部708は、軸方向Daに第1受信コイル701および第2受信コイル702に対向する位置に配置されている。さらに、複数の導体凸部708が周方向に所定の間隔で並んでいることにより、互いに隣り合う導体凸部708の間には空間が形成されている。
【0193】
以上のように、第7実施形態は、構成されている。次に、第7実施形態のトルクアングルセンサ25による操舵角度の検出について説明する。
【0194】
ここで、この操舵角度の検出について説明するため、以下の用語を定義する。
図29に示すように、第1受信コイル701の第1曲部721および第4曲部724によって区画される領域を第1領域R1とする。第1受信コイル701の第2曲部722および第3曲部723によって区画される領域を第2領域R2とする。
図30に示すように、第2受信コイル702の第5曲部725および第10曲部730によって区画される領域を第3領域R3とする。第2受信コイル702の第6曲部726および第9曲部729によって区画される領域を第4領域R4とする。第2受信コイル702の第5リード部715、第7曲部727および第8曲部728によって区画される領域を第5領域R5とする。なお、第1領域R1の大きさと第2領域R2の大きさとは、同じになっている。また、第3領域R3の大きさと第5領域R5の大きさとは、同じになっている。さらに、第4領域R4の大きさは、第3領域R3の大きさの2倍である。また、第4領域R4の大きさは、第5領域R5の大きさの2倍である。さらに、第1受信コイル701に一方向の電流が流れるとき、第1曲部721を流れる電流により発生する磁界のうち第1領域R1を通過する磁界の向きは、第4曲部724を流れる電流により発生する磁界のうち第1領域R1を通過する磁界の向きと同じになっている。このため、第1曲部721の巻線方向は、第4曲部724の巻線方向と同じになっている。また、第1受信コイル701に一方向の電流が流れるとき、第2曲部722を流れる電流により発生する磁界のうち第2領域R2を通過する磁界の向きは、第3曲部723を流れる電流により発生する磁界のうち第2領域R2を通過する磁界の向きと同じになっている。このため、第2曲部722の巻線方向は、第3曲部723の巻線方向と同じになっている。さらに、第2受信コイル702に一方向の電流が流れるとき、第5曲部725を流れる電流により発生する磁界のうち第3領域R3を通過する磁界の向きは、第10曲部730を流れる電流により発生する磁界のうち第3領域R3を通過する磁界の向きと同じになっている。また、第2受信コイル702に一方向の電流が流れるとき、第5曲部725を流れる電流により発生する磁界のうち第3領域R3を通過する磁界の向きは、第7曲部727を流れる電流により発生する磁界のうち第5領域R5を通過する磁界の向きと同じになっている。さらに、第2受信コイル702に一方向の電流が流れるとき、第5曲部725を流れる電流により発生する磁界のうち第3領域R3を通過する磁界の向きは、第8曲部728を流れる電流により発生する磁界のうち第5領域R5を通過する磁界の向きと同じになっている。このため、第5曲部725の巻線方向は、第7曲部727、第8曲部728および第10曲部730の巻線方向と同じになっている。また、第2受信コイル702に一方向の電流が流れるとき、第6曲部726を流れる電流により発生する磁界のうち第4領域R4を通過する磁界の向きは、第9曲部729を流れる電流により発生する磁界のうち第4領域R4を通過する磁界の向きと同じになっている。このため、第6曲部726の巻線方向は、第9曲部729の巻線方向と同じになっている。さらに、第2受信コイル702に一方向の電流が流れるとき、第6曲部726を流れる電流により発生する磁界のうち第4領域R4を通過する磁界の向きは、第5曲部725を流れる電流により発生する磁界のうち第3領域R3を通過する磁界の向きとは逆向きになっている。このため、第5曲部725、第7曲部727、第8曲部728および第10曲部730の巻線方向は、第6曲部726および第9曲部729の巻線方向とは逆向きになっている。
【0195】
そして、高周波送信回路704が1~5MHzの交流電圧を励磁コイル703に印加する。これにより、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4、第5領域R5を通過する軸方向Daの磁界が発生する。また、高周波送信回路704の交流電圧により、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4、第5領域R5を通過する軸方向Daの磁界が変化するため、電磁誘導により、第1受信コイル701および第2受信コイル702に電圧が発生する。
【0196】
また、ステアリングホイール5が回転するとき、ステアリングホイール5に接続されている第1ステアリングシャフト11が回転する。また、シャフトピン14により第1ステアリングシャフト11に固定されているトーションバー13が回転する。さらに、シャフトピン14によりトーションバー13に固定されている第2ステアリングシャフト12が回転する。また、第2ステアリングシャフト12が主動歯車35の固定用カラー354に接続されている。このため、主動歯車35は、回転する。したがって、主動歯車35の主動小径部353が挿入されている導体706が回転する。
【0197】
このとき、導体706の導体凸部708が軸方向Daに第1受信コイル701および第2受信コイル702に対向すると、導体凸部708に渦電流が発生する。この渦電流により、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4および第5領域R5を通過する軸方向Daの磁界のうち導体凸部708と対向する部分を通過する磁界は、相殺される。
【0198】
ここで、上記したように、複数の導体凸部708が周方向に所定の間隔で並んでいることにより、互いに隣り合う導体凸部708の間には空間が形成されている。これにより、導体706の回転に伴い、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4および第5領域R5のうち導体凸部708と対向する部分の大きさが周期的に変化する。このため、第1領域R1および第2領域R2にかかる磁束が周期的に変化することから、第1受信コイル701に発生する電圧は、周期的に変化する。また、第3領域R3、第4領域R4および第5領域R5にかかる磁束が周期的に変化することから、第2受信コイル702に発生する電圧は、周期的に変化する。
【0199】
したがって、第1受信コイル701および第2受信コイル702に発生する電圧は、高周波送信回路704からの交流電圧により変化する磁界によって発生する電圧に、導体706の回転により周期的に変化する電圧が乗算された電圧になる。よって、第1受信コイル701および第2受信コイル702に発生する電圧は、
図31に示すように、操舵角度に対応するうなり波形になる。なお、
図31において、高周波送信回路704から励磁コイル703に印加される交流電圧がV0で示されている。また、第1受信コイル701に発生する電圧がV1で示されている。さらに、第2受信コイル702に発生する電圧がV2で示されている。
【0200】
ここで、例えば、初期状態において、
図32および
図33に示すように、第1受信コイル701および第2受信コイル702の中央部分と1つの導体凸部708とが重なる。
【0201】
このとき、第1受信コイル701の第1領域R1のうち導体凸部708と重なる部分および第2領域R2のうち導体凸部708と重なる部分を通過する磁界は、導体凸部708に発生する渦電流により相殺される。また、第1領域R1のうち導体凸部708と重なる部分の大きさは、第2領域R2のうち導体凸部708と重なる部分の大きさと同じである。さらに、上記したように、第1領域R1の大きさは、第2領域R2の大きさと同じである。したがって、第1領域R1のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさは、第2領域R2のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさと同じである。また、第1領域R1のうち導体凸部708と重なっていない部分を通過する磁界によって、第1曲部721および第4曲部724に電圧が発生する。さらに、第2領域R2のうち導体凸部708と重なっていない部分を通過する磁界によって、第2曲部722および第3曲部723に電圧が発生する。また、第1曲部721および第4曲部724の巻線方向は、第2曲部722および第3曲部723の巻線方向と逆向きになっている。したがって、第1曲部721に発生する電圧の向きは、第2曲部722に発生する電圧の向きと逆向きになる。また、第4曲部724に発生する電圧の向きは、第3曲部723に発生する電圧の向きと逆向きになる。さらに、第1領域R1のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさが第2領域R2のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさと同じであるため、第1曲部721に発生する電圧の大きさは、第2曲部722に発生する電圧の大きさと同じになる。また、第4曲部724に発生する電圧の大きさは、第3曲部723に発生する電圧の大きさと同じになる。よって、第1曲部721に発生する電圧は、第2曲部722に発生する電圧により相殺される。また、第4曲部724に発生する電圧は、第3曲部723に発生する電圧により相殺される。したがって、初期状態において、第1受信コイル701に発生する電圧は、ゼロになる。
【0202】
また、第2受信コイル702の第4領域R4が導体凸部708と重なる。このため、第4領域R4を通過する磁界は、導体凸部708に発生する渦電流により相殺される。さらに、第3領域R3を通過する磁界によって、第5曲部725および第10曲部730に電圧が発生する。また、第5領域R5を通過する磁界によって、第7曲部727および第8曲部728に電圧が発生する。さらに、第5曲部725および第10曲部730の巻線方向は、第7曲部727および第8曲部728の巻線方向と同じになっている。したがって、第5曲部725および第10曲部730に発生する電圧の向きは、第7曲部727および第8曲部728に電圧の向きと同じになっている。よって、初期状態において、第2受信コイル702に発生する電圧は、最大値になる。
【0203】
その後、導体凸部708が回転して、
図34および
図35に示すように、第2領域R2、第4領域R4および第5領域R5が導体凸部708と重なる。
【0204】
このとき、第2領域R2を通過する磁界は、導体凸部708に発生する渦電流により相殺される。また、第1領域R1を通過する磁界によって、第1曲部721および第4曲部724に電圧が発生する。さらに、第1曲部721の巻線方向は、第4曲部724の巻線方向と同じになっている。したがって、第1曲部721に発生する電圧の向きは、第4曲部724に発生する電圧の向きと同じになっている。よって、このとき、第1受信コイル701に発生する電圧は、最大値になる。
【0205】
また、第4領域R4のうち導体凸部708と重なる部分および第5領域R5を通過する磁界は、導体凸部708に発生する渦電流により相殺される。また、第4領域R4のうち導体凸部708と重なる部分の大きさは、第5領域R5の大きさと同じである。さらに、上記したように、第5領域R5の大きさは、第3領域R3の大きさと同じである。第4領域R4の大きさは、第3領域R3の大きさの2倍である。したがって、第4領域R4のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさは、第3領域R3の大きさと同じである。また、第4領域R4のうち導体凸部708と重なっていない部分を通過する磁界によって、第6曲部726および第9曲部729に電圧が発生する。さらに、第3領域R3を通過する磁界によって、第5曲部725および第10曲部730に電圧が発生する。また、第6曲部726および第9曲部729の巻線方向は、第5曲部725および第10曲部730の巻線方向と逆向きになっている。したがって、第6曲部726に発生する電圧の向きは、第5曲部725に発生する電圧の向きと逆向きになる。また、第9曲部729に発生する電圧の向きは、第10曲部730に発生する電圧の向きと逆向きになる。さらに、第4領域R4のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさが第3領域R3の大きさと同じであるため、第6曲部726に発生する電圧の大きさは、第5曲部725に発生する電圧の大きさと同じになる。また、第9曲部729に発生する電圧の大きさは、第10曲部730に発生する電圧の大きさと同じになる。よって、第6曲部726に発生する電圧は、第5曲部725に発生する電圧により相殺される。また、第9曲部729に発生する電圧は、第10曲部730に発生する電圧により相殺される。したがって、このとき、第2受信コイル702に発生する電圧は、ゼロになる。
【0206】
その後、導体凸部708が回転して、
図36および
図37に示すように、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3および第5領域R5が導体凸部708と重なる。
【0207】
このとき、第1領域R1のうち導体凸部708と重なる部分および第2領域R2のうち導体凸部708と重なる部分を通過する磁界は、導体凸部708に発生する渦電流により相殺される。また、第1領域R1のうち導体凸部708と重なる部分の大きさは、第2領域R2のうち導体凸部708と重なる部分の大きさと同じである。さらに、上記したように、第1領域R1の大きさは、第2領域R2の大きさと同じである。したがって、第1領域R1のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさは、第2領域R2のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさと同じである。また、第1領域R1のうち導体凸部708と重なっていない部分を通過する磁界によって、第1曲部721および第4曲部724に電圧が発生する。さらに、第2領域R2のうち導体凸部708と重なっていない部分を通過する磁界によって、第2曲部722および第3曲部723に電圧が発生する。また、第1曲部721および第4曲部724の巻線方向は、第2曲部722および第3曲部723の巻線方向と逆向きになっている。したがって、第1曲部721に発生する電圧の向きは、第2曲部722に発生する電圧の向きと逆向きになる。また、第4曲部724に発生する電圧の向きは、第3曲部723に発生する電圧の向きと逆向きになる。さらに、第1領域R1のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさが第2領域R2のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさと同じであるため、第1曲部721に発生する電圧の大きさは、第2曲部722に発生する電圧の大きさと同じになる。また、第4曲部724に発生する電圧の大きさは、第3曲部723に発生する電圧の大きさと同じになる。よって、第1曲部721に発生する電圧は、第2曲部722に発生する電圧により相殺される。また、第4曲部724に発生する電圧は、第3曲部723に発生する電圧により相殺される。したがって、このとき、第1受信コイル701に発生する電圧は、ゼロになる。
【0208】
また、第3領域R3および第5領域R5が導体凸部708と重なる。このため、第3領域R3および第5領域R5を通過する磁界は、導体凸部708に発生する渦電流により相殺される。さらに、第4領域R4を通過する磁界によって、第6曲部726および第9曲部729に電圧が発生する。また、第6曲部726の巻線方向は、第9曲部729の巻線方向と同じになっている。したがって、第6曲部726に発生する電圧の向きは、第9曲部729に発生する電圧の向きと同じになっている。さらに、第6曲部726および第9曲部729の巻線方向は、第5曲部725、第7曲部727、第8曲部728および第10曲部730の巻線方向と逆向きになっている。これにより、第6曲部726および第9曲部729に発生する電圧の向きは、第5曲部725、第7曲部727、第8曲部728および第10曲部730に発生する電圧の向きと逆向きになる。このため、第6曲部726および第9曲部729に発生する電圧の向きは、第4領域R4が導体凸部708と重なるときに発生する電圧の向きと逆向きになる。よって、このとき、第2受信コイル702に発生する電圧は、最小値になる。
【0209】
その後、導体凸部708が回転して、
図38および
図39に示すように、第1領域R1、第3領域R3および第4領域R4が導体凸部708と重なる。
【0210】
このとき、第1領域R1を通過する磁界は、導体凸部708に発生する渦電流により相殺される。また、第2領域R2を通過する磁界によって、第2曲部722および第3曲部723に電圧が発生する。さらに、第2曲部722の巻線方向は、第3曲部723の巻線方向と同じになっている。したがって、第2曲部722に発生する電圧の向きは、第3曲部723に発生する電圧の向きと同じになっている。また、第2曲部722および第3曲部723の巻線方向は、第1曲部721および第4曲部724の巻線方向と逆向きになっている。これにより、第2曲部722および第3曲部723に発生する電圧の向きは、第1曲部721および第4曲部724に発生する電圧の向きと逆向きになる。このため、第2曲部722および第3曲部723に発生する電圧の向きは、第2領域R2が導体凸部708と重なるときに発生する電圧の向きと逆向きになる。よって、このとき、第1受信コイル701に発生する電圧は、最小値になる。
【0211】
また、第4領域R4のうち導体凸部708と重なる部分および第3領域R3を通過する磁界は、渦電流により相殺される。また、第4領域R4のうち導体凸部708と重なる部分の大きさは、第3領域R3の大きさと同じである。さらに、上記したように、第3領域R3の大きさは、第5領域R5の大きさと同じである。第4領域R4の大きさは、第5領域R5の大きさの2倍である。したがって、第4領域R4のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさは、第5領域R5の大きさと同じである。また、第4領域R4のうち導体凸部708と重なっていない部分を通過する磁界によって、第6曲部726および第9曲部729に電圧が発生する。さらに、第5領域R5を通過する磁界によって、第7曲部727および第8曲部728に電圧が発生する。また、第6曲部726および第9曲部729の巻線方向は、第7曲部727および第8曲部728の巻線方向と逆向きになっている。したがって、第6曲部726に発生する電圧の向きは、第7曲部727に発生する電圧の向きと逆向きになる。また、第9曲部729に発生する電圧の向きは、第8曲部728に発生する電圧の向きと逆向きになる。さらに、第4領域R4のうち導体凸部708と重なっていない部分の大きさが第5領域R5の大きさと同じであるため、第6曲部726に発生する電圧の大きさは、第7曲部727に発生する電圧の大きさと同じになる。
また、第9曲部729に発生する電圧の大きさは、第8曲部728に発生する電圧の大きさと同じになる。よって、第6曲部726に発生する電圧は、第7曲部727に発生する電圧により相殺される。また、第9曲部729に発生する電圧は、第8曲部728に発生する電圧により相殺される。したがって、このとき、第2受信コイル702に発生する電圧は、ゼロになる。
【0212】
その後、導体凸部708が回転して、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4、第5領域R5との位置関係が初期状態と同様になる。
【0213】
したがって、操舵角度が変化するとき、
図31に示すように、第1受信コイル701に発生する電圧は、正弦波になる。また、第2受信コイル702に発生する電圧は、余弦波になる。
【0214】
よって、出力回路705は、第1受信コイル701に発生した電圧を検出して、この検出した電圧から高周波送信回路704によって第1受信コイル701に印加された交流電圧を除算する。これにより、出力回路705は、復調することで、操舵角度に対応する正弦波からなる信号を生成する。また、出力回路705は、この生成した信号を回転角度演算部83に出力する。さらに、出力回路705は、第2受信コイル702に発生した電圧を検出して、この検出した電圧から高周波送信回路704によって第2受信コイル702に印加された交流電圧を除算する。これにより、出力回路705は、復調することで、操舵角度に対応する余弦波からなる信号を生成する。また、出力回路705は、この生成した信号を回転角度演算部83に出力する。
【0215】
そして、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81の第1素子および第2素子からの信号と、出力回路705からの信号とに基づいて、操舵角度に関する値を演算する。
【0216】
例えば、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81の第2素子の正弦波からなる信号の値を、角度用第1磁気検出部81の第1素子の余弦波からなる信号の値で除算する。これにより、回転角度演算部83は、第1従動歯車31の回転角度に対応するタンジェントの値を演算することで、第1従動歯車31の回転角度を演算する。また、回転角度演算部83は、出力回路705の正弦波からなる信号の値を、出力回路705の余弦波からなる信号の値で除算する。これにより、回転角度演算部83は、主動歯車35の回転角度に対応するタンジェントの値を演算することで、主動歯車35の回転角度を演算する。
【0217】
ここで、上記したように、第1従動歯車31の歯数に対応する第1従動歯部314の数は、主動歯車35の歯数に対応する主動歯部365の数と異なっている。このため、角度用第1磁気検出部81の第1素子および第2素子の出力波形の周期と、出力回路705の出力波形の周期とは異なる。さらに、角度用第1磁気検出部81の第1素子および第2素子の出力および出力回路705の出力は、それぞれ操舵角度に対応する。このため、第1従動歯車31の回転角度と主動歯車35の回転角度との差は、操舵角度に対応する。
【0218】
よって、回転角度演算部83は、第1従動歯車31の回転角度と主動歯車35の回転角度との差を演算して、この演算した差から操舵角度を演算する。
【0219】
以上のように、トルクアングルセンサ25は、操舵角度を検出する。第7実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第7実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0220】
[7]トルクアングルセンサ25は、主動歯車35と、第1受信コイル701と、第2受信コイル702と、励磁コイル703と、高周波送信回路704と、導体706と、出力回路705と、基板60と、ケース40と、を備える。主動歯車35は、ステアリングホイール5とともに回転する。第1受信コイル701は、電磁誘導により電圧を発生させる。第2受信コイル702は、電磁誘導により電圧を発生させる。励磁コイル703は、第1受信コイル701および第2受信コイル702を囲っている。高周波送信回路704は、励磁コイル703に交流電圧を印加することにより第1受信コイル701の第1領域R1および第2領域R2と、第2受信コイル702の第3領域R3、第4領域R4および第5領域R5と、に磁界を発生させる。導体706は、主動歯車35とともに回転することにより第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4および第5領域R5を通過する磁界を変化させる。これにより、導体706は、第1受信コイル701および第2受信コイル702に発生する電圧を変化させる。出力回路705は、導体706が回転することにより変化する電圧を検出する。また、この電圧は、操舵角度に対応する。基板60は、第1受信コイル701、第2受信コイル702、励磁コイル703、高周波送信回路704および出力回路705を実装している。ケース40は、ケース基部41と、ケース凸部45とを有する。ケース基部41は、軸方向Daと直交する方向に主動歯車35が取り付けられているとともに軸方向Daと直交する方向に延びる板状に形成されている。ケース凸部45は、ケース基部41から軸方向Daに突出している。さらに、ケース凸部45は、ケース凸端面451を含む。ケース凸端面451は、ケース凸部45のうちケース基部41とは反対側の端面である。また、ケース基部41およびケース凸部45によって区画される基板用空間453が形成されている。さらに、ケース凸部45のケース凸端面451上の空間であって軸方向Daを向いて開口しているとともに基板用空間453に連通する基板用開口454が形成されている。そして、基板60は、この基板用開口454を介して基板用空間453に挿入されている。なお、主動歯車35は、回転体に対応する。高周波送信回路704は、磁界発生部に対応する。出力回路705は、検出部に対応する。第1領域R1および第2領域R2は、第1受信コイル701の内部に対応する。第3領域R3、第4領域R4および第5領域R5は、第2受信コイル702の内部に対応する。
【0221】
これにより、第1実施形態と比較して、第2従動歯車32および角度検出用第2磁石52をなくすことができる。
【0222】
(第8実施形態)
第8実施形態では、第5実施形態と第7実施形態とが組み合わされた構成である。具体的には、トルクアングルセンサ25は、第2従動歯車32を備えていない。このため、トルクアングルセンサ25は、角度用第2磁気検出部82を備えていない。また、ケース40は、第2従動用凹部402を有しない。さらに、トルクアングルセンサ25は、
図40に示すように、上記と同様の第1受信コイル701、第2受信コイル702、励磁コイル703、高周波送信回路704、出力回路705および導体706を備えている。これら以外は、第5実施形態と同様である。この第8実施形態においても、第7実施形態と同様の効果を奏する。なお、
図40において、記載の煩雑さを避けるため、導体706が省略されている。
【0223】
(第9実施形態)
第9実施形態では、ケース40の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0224】
ケース40は、
図41に示すように、第1ケース461および第2ケース462を有することにより、2つに分かれている。また、ケース40は、ケース凸部45を有していない。なお、
図41において、記載の煩雑さをさけるため、第1ヨーク361および第2ヨーク362の記載が省略されている。
【0225】
第1ケース461は、上記主動用凹部43、第1従動用凹部401、第2従動用凹部402およびカバー用ピン44を含む。また、第1ケース461は、開口部465を含む。この開口部465は、軸方向Daと直交する方向に開口している。
【0226】
第2ケース462は、上記ケース基部41、ターミナル用収容部42、ケース凸部45および基板用ピン46を含む。さらに、第2ケース462は、第1ケース461の開口部465の空間に挿入されているとともに、第1ケース461と着脱可能になっている。
【0227】
以上のように、第9実施形態は、構成されている。第9実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0228】
(第10実施形態)
第10実施形態では、トルクアングルセンサ25は、カバー用ピン44および保護カバー90を備えていないで、保持用ピン94および保持部材95を備えている。また、ケース40の形態が第1実施形態と異なる。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0229】
保持用ピン94は、後述の保持部材95をケース40に取り付けるためのピンである。また、保持用ピン94は、
図42および
図43に示すように、ケース基部41から軸方向Daと直交する方向に突出している。
【0230】
保持部材95は、主動歯車35およびケース40に取り付けられる部材である。具体的には、保持部材95は、保持凹部950および接続部955を有する。
【0231】
保持凹部950は、保持凹部側面951および保持凹部底面952を含む。保持凹部側面951は、円弧柱の側面形状に形成されている。このため、保持凹部側面951は、円環状の主動大径部351および主動凸部352の外側面と対応する形状になっている。保持凹部底面952は、保持凹部側面951に接続されている。また、保持凹部底面952は、円弧状に形成されている。このため、保持凹部底面952は、主動凸部352のうち軸方向Daを向く端面と対応する形状になっている。さらに、保持凹部底面952は、主動凸部352と接触することによって、主動歯車35を支持する。また、主動歯車35が回転するとき、主動凸部352が保持凹部底面952上を摺動する。
【0232】
接続部955は、接続穴956を有する。接続穴956には、保持用ピン94の一部が挿入されている。これにより、保持部材95がケース40に接続されているとともに、保持部材95がケース40から外れにくくなっている。また、接続部955と保持用ピン94とが熱かしめ等されていることにより、熱かしめ等されていない場合と比較して、保持部材95がケース40から外れにくくなっている。
【0233】
以上のように、第10実施形態は、構成されている。第10実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0234】
この保持部材95により、主動歯車35がケース40から外れて落下することが抑制される。また、この保持部材95により主動歯車35が支持されるため、主動歯車35の位置精度が向上することから、主動歯車35および第1従動歯車31の間の位置精度が向上する。
【0235】
(第11実施形態)
第11実施形態では、トルクアングルセンサ25は、
図44~
図47に示すように、第2従動歯車32、を備えていない。このため、トルクアングルセンサ25は、角度用第2磁気検出部82を備えていない。さらに、トルクアングルセンサ25は、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62、支持部材70、第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72、回転角度演算部83を備えていない。また、ケース40は、第2従動用凹部402を有しない。さらに、主動歯車35は、第1ヨーク361および第2ヨーク362を有していない。また、トルクアングルセンサ25は、第1受信コイル741、第2受信コイル742、第3受信コイル743、第4受信コイル744、第1励磁コイル751および第2励磁コイル752を備える。さらに、トルクアングルセンサ25は、第1高周波送信回路761、第2高周波送信回路762、第1導体771、第2導体772、第1出力回路781および第2出力回路782を備える。これら以外は、第1実施形態と同様である。なお、
図47において、煩雑さを避けるため、ターミナル接続穴84は、省略されている。
【0236】
第1受信コイル741は、電磁誘導により電圧を発生させる。第2受信コイル742は、電磁誘導により電圧を発生させる。第1励磁コイル751は、第1受信コイル741および第2受信コイル742を囲っている。
【0237】
第3受信コイル743は、電磁誘導により電圧を発生させる。第4受信コイル744は、電磁誘導により電圧を発生させる。第2励磁コイル752は、第3受信コイル743および第4受信コイル744を囲っている。
【0238】
第1高周波送信回路761は、第1励磁コイル751に交流電圧を印加することにより第1受信コイル741と、第2受信コイル742とに磁界を発生させる。
【0239】
第2高周波送信回路762は、第2励磁コイル752に交流電圧を印加することにより第3受信コイル743と、第4受信コイル744とに磁界を発生させる。
【0240】
第1導体771および第2導体772は、例えば、金属等で形成されている。第1導体771の穴には、トーションバー13のうち第1ステアリングシャフト11側が挿入されている。このため、第1導体771は、トーションバー13が回転することにより、第1導体771は、一体成形されていることによって主動歯車35と一体になっている。このため、第1導体771は、主動歯車35とともに回転する。また、第1導体771は、トーションバー13および主動歯車35とともに回転することにより、第1受信コイル741および第2受信コイル742に発生する電圧を変化させる。
【0241】
第2導体772の穴には、トーションバー13のうち第2ステアリングシャフト12側が挿入されている。このため、第2導体772は、トーションバー13が回転することにより、第2導体772は、トーションバー13とともに回転することにより、第3受信コイル743および第4受信コイル744に発生する電圧を変化させる。
【0242】
第1出力回路781は、第1導体771の回転により変化した第1受信コイル741および第2受信コイル742に発生する電圧に基づいて、
図48に示すように、第1導体771の回転角度を演算する。また、第1出力回路781は、第1導体771の回転角度に応じた信号をモータ制御装置18に出力する。
【0243】
第2出力回路782は、第2導体772の回転により変化した第3受信コイル743および第4受信コイル744に発生する電圧に基づいて、第2導体772の回転角度を演算する。また、第2出力回路782は、第2導体772の回転角度に応じた信号をモータ制御装置18に出力する。なお、
図48において、操舵角度に対する第2導体772の回転角度がθc1で示されている。操舵角度に対する第2導体772の回転角度がθc2で示されている。
【0244】
そして、モータ制御装置18は、
図49に示すように、操舵トルクが発生したときに生じる第1出力回路781からの信号と第2出力回路782からの信号との位相差を演算することにより、操舵トルクを演算する。また、モータ制御装置18は、角度用第1磁気検出部81の第1素子および第2素子からの信号と、第1出力回路781からの信号とに基づいて、操舵角度に関する値を演算する。
【0245】
以上のように、第11実施形態は、構成されている。第11実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0246】
(第12実施形態)
第12実施形態では、保護カバー90は、カバー用凸部903を有しないで、
図50に示すように、カバー凹部960を有する。また、主動歯車35は、カバー用凹部364を有しないで、回転体凸部395を有する。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0247】
カバー凹部960は、主動用カバー部900から軸方向Daに凹んでいる。また、カバー凹部960は、カバー凹部底面961と、カバー凹部底面961に接続されているカバー凹部側面962とを含む。
【0248】
回転体凸部395は、主動用カバー部900と軸方向Daに対向する面から軸方向Daに突出している。また、回転体凸部395は、カバー凹部底面961とカバー凹部側面962とによって区画される空間に挿入されていることにより保護カバー90を支持する。
【0249】
以上のように、第12実施形態は、構成されている。第12実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0250】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0251】
本開示に記載の演算部等およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の演算部等およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の演算部等およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0252】
上記第1~第6、第9、第10、第12実施形態では、主動歯車35が第1従動歯車31および第2従動歯車32の両方に噛み合っていることから、主動歯車35が回転することにより、第1従動歯車31および第2従動歯車32が回転する。これに対して、主動歯車35が第1従動歯車31および第2従動歯車32の両方に噛み合うことに限定されない。
【0253】
例えば、主動歯車35が第1従動歯車31に噛み合うとともに、この第1従動歯車31が第2従動歯車32と噛み合ってもよい。この場合、主動歯車35が回転することにより、第1従動歯車31が回転する。さらに、この第1従動歯車31が回転することにより、第2従動歯車32が回転する。
【0254】
また、例えば、主動歯車35が第2従動歯車32に噛み合っており、この第2従動歯車32が第1従動歯車31と噛み合ってもよい。この場合、主動歯車35が回転することにより、第2従動歯車32が回転する。さらに、この第2従動歯車32が回転することにより、第1従動歯車31が回転する。
【0255】
また、上記実施形態において、
図51に示すように、第1従動歯車31の第1従動小径部312に角度検出用ヨーク96が取り付けられてもよい。角度検出用ヨーク96は、軟磁性体で形成されている。また、角度検出用ヨーク96は、例えば、角度検出用第1磁石51の付近に配置されている。このとき、角度検出用ヨーク96は、角度検出用第1磁石51からの磁力線をケース基部41に導く。これにより、角度検出用第1磁石51のN極から、角度検出用ヨーク96、ケース基部41、角度用第1磁気検出部81、ケース基部41、角度検出用ヨーク96および角度検出用第1磁石51のS極を通過する磁力線が生成される。この角度検出用ヨーク96により、角度検出用第1磁石51からの磁力線がケース基部41に導かれるため、角度用第1磁気検出部81を通過する磁力線が密になる。角度用第1磁気検出部81にかかる磁界の強さが大きくなることから、角度用第1磁気検出部81は、操舵角度に対応する磁界の強さを検出することがしやすくなる。さらに、上記と同様に、第2従動歯車32の第2従動小径部322に、角度検出用ヨーク96が取り付けられてもよい。
【0256】
また、上記実施形態では、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第1磁石51のうち第1方向D1の一方側は、N極に着磁されている。さらに、ステアリングホイール5が回転していない初期状態において、角度検出用第1磁石51の第1方向D1のうち第1方向D1の他方側は、S極に着磁されている。これに対して、角度検出用第1磁石51の着磁方向は、これに限定されない。例えば、角度検出用第1磁石51の着磁方向は、軸方向Daであってもよい。
【0257】
この場合、例えば、
図52に示すように、2つの角度検出用第1磁石51が第1磁石用凹部側面316と第1磁石用凹部底面317とに区画される空間に挿入されている。1つの角度検出用第1磁石51の軸方向Daの一方側がN極に着磁されている。また、その角度検出用第1磁石51の軸方向Daの他方側がS極に着磁されている。さらに、もう1つの角度検出用第1磁石51の軸方向Daの他方側がN極に着磁されている。また、その角度検出用第1磁石51の軸方向Daの一方側がS極に着磁されている。これにより、角度検出用第1磁石51のN極から、ケース基部41、角度用第1磁気検出部81、ケース基部41および角度検出用第1磁石51のS極を通過する磁力線が生成される。さらに、上記と同様に、角度検出用第2磁石52の着磁方向は、軸方向Daであってもよい。
【0258】
また、上記実施形態では、主動用凹部43の主動用凹部側面431は、円弧柱の側面形状に形成されている。また、主動用凹部43の主動用凹部底面432は、円弧状に形成されている。これに対して、主動用凹部側面431が円弧柱の側面形状に形成されるとともに、主動用凹部43の主動用凹部底面432が円弧状に形成されることに限定されない。例えば、
図53に示すように、主動用凹部側面431が円柱の側面形状に形成されるとともに、主動用凹部43の主動用凹部底面432が円環状に形成されてもよい。
【0259】
上記第1~第6、第9、第10、第12実施形態では、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81からの信号および角度用第2磁気検出部82からの信号に基づいて、操舵角度を演算する。これに対して、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81からの信号および角度用第2磁気検出部82からの信号に基づいて操舵角度を演算することに限定されない。回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81からの信号のみに基づいて、操舵角度を演算してもよい。また、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81からの信号およびモータ制御装置18からのモータ19の回転角度に応じた信号に基づいて、操舵角度を演算してもよい。これにより、第2従動歯車32および角度検出用第2磁石52をなくすことができる。
【0260】
また、上記実施形態では、ケース40のケース基部41は、円弧状に形成されている。これに対して、ケース基部41は、円弧状に形成されることに限定されないで、例えば、直方体状に形成されてもよい。
【0261】
また、上記実施形態では、第1磁気誘導部材71は、基板60に取り付けられている支持部材70に支持されている。これに対して、第1磁気誘導部材71は、この支持部材70に支持されていることに限定されない。例えば、第1磁気誘導部材71は、ケース40および蓋部材86に取り付けられてもよい。この場合、第1磁気誘導部材71は、例えば、インサート成形やアウトサート成形により、ケース40および蓋部材86に取り付けられる。さらに、第2磁気誘導部材72は、基板60のうちトルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62が実装されている面とは反対側の面に取り付けられている。これに対して、第2磁気誘導部材72は、基板60に取り付けられることに限定されない。例えば、第2磁気誘導部材72は、ケース40および蓋部材86に取り付けられてもよい。この場合、第2磁気誘導部材72は、例えば、インサート成形やアウトサート成形により、ケース40および蓋部材86に取り付けられる。また、第1磁気誘導部材71および第2磁気誘導部材72は、なくてもよい。この場合、トルク検出用磁石30からの磁力線は、第1ヨーク361を経由して、トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62を通過する。また、トルク検出用磁石30からの磁力線は、第2ヨーク362を経由して、トルク用第1磁気検出部61およびトルク用第2磁気検出部62を通過する。
【0262】
また、上記実施形態では、主動歯車35の歯数、第1従動歯車31の歯数および第2従動歯車32の歯数は、それぞれ異なっている。主動歯車35の歯数、第1従動歯車31の歯数および第2従動歯車32の歯数は、同じであってもよい。
【0263】
上記第3実施形態および上記第6実施形態が組み合わせてもよい。この場合、例えば、
図54に示すように、蓋部材86の凸部861の凹みに弾性部材88が挿入されてもよい。また、
図55に示すように、ケース40のケース凸部45の凹みに弾性部材88が挿入されてもよい。
【0264】
上記第7実施形態および第8実施形態では、第1受信コイル701は、第1リード部711、第2リード部712、第1曲部721、第2曲部722、第3曲部723および第4曲部724を有する。これに対して、第1受信コイル701の形状は、これに限定されない。また、第2受信コイル702は、第3リード部713、第4リード部714、第5リード部715、第5曲部725、第6曲部726、第7曲部727、第8曲部728、第9曲部729および第10曲部730を有する。これに対して、第2受信コイル702の形状は、これに限定されない。例えば、第1受信コイル701および第2受信コイル702の形状は、
図56に示すように、複数の直線、円弧、正弦波および余弦波等が組み合わされた形状であってもよい。
【0265】
上記第7実施形態および第8実施形態では、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81からの信号および出力回路705からの信号に基づいて、操舵角度を演算する。これに対して、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81からの信号および出力回路705からの信号に基づいて操舵角度を演算することに限定されない。回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81からの信号のみに基づいて、操舵角度を演算してもよい。また、回転角度演算部83は、角度用第1磁気検出部81からの信号およびモータ制御装置18からのモータ19の回転角度に応じた信号に基づいて、操舵角度を演算してもよい。これにより、第1受信コイル701、第2受信コイル702、励磁コイル703、高周波送信回路704、出力回路705および導体706をなくすことができる。さらに、回転角度演算部83は、出力回路705からの信号のみに基づいて、操舵角度を演算してもよい。また、回転角度演算部83は、出力回路705からの信号およびモータ制御装置18からのモータ19の回転角度に応じた信号に基づいて、操舵角度を演算してもよい。これにより、第1従動歯車31および角度検出用第1磁石51をなくすことができる。
【0266】
上記実施形態では、基板60は、トルク用第1磁気検出部61、トルク用第2磁気検出部62、角度用第1磁気検出部81、角度用第2磁気検出部82および回転角度演算部83等を実装している。また、基板60は、第1受信コイル701、第2受信コイル702、励磁コイル703、高周波送信回路704および出力回路705を実装している。これらに加えて、基板60は、保護素子を実装してもよい。
【0267】
上記第4実施形態と上記第7実施形態とが組み合わされてもよい。具体的には、トルクアングルセンサ25は、主動歯車35と、第1受信コイル701と、第2受信コイル702と、励磁コイル703と、高周波送信回路704と、導体706と、出力回路705と、基板60と、ケース40と、を備える。主動歯車35は、ステアリングホイール5とともに回転する。第1受信コイル701は、電磁誘導により電圧を発生させる。第2受信コイル702は、電磁誘導により電圧を発生させる。励磁コイル703は、第1受信コイル701および第2受信コイル702を囲っている。高周波送信回路704は、励磁コイル703に交流電圧を印加することにより第1受信コイル701の第1領域R1および第2領域R2と、第2受信コイル702の第3領域R3、第4領域R4および第5領域R5と、に磁界を発生させる。導体706は、主動歯車35とともに回転することにより第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4および第5領域R5を通過する磁界を変化させる。これにより、導体706は、第1受信コイル701および第2受信コイル702に発生する電圧を変化させる。出力回路705は、導体706が回転することにより変化するとともに操舵角度に対応する電圧を検出する。基板60は、
図57に示すように、第1受信コイル701、第2受信コイル702、励磁コイル703、高周波送信回路704および出力回路705を実装している。ケース40は、ケース基部41を有する。ケース基部41は、軸方向Daと直交する方向に主動歯車35が取り付けられている。
【0268】
また、ケース基部41は、第1基部510、第1側部511、第2側部512、第3側部513および第2基部514を有する。さらに、第1基部510は、軸方向Daと直交する方向に延びる板状に形成されている。また、第1側部511は、第1基部510に接続されている。さらに、第2側部512は、第1基部510および第1側部511に接続されている。また、第3側部513は、第2側部512に接続されている。さらに、第2基部514は、軸方向Daと直交する方向に延びる板状に形成されているとともに第1側部511、第2側部512および第3側部513に接続されている。また、第1基部510、第1側部511、第2側部512、第3側部513および第2基部514によって区画される基板用空間457が形成されている。さらに、第1側部511、第3側部513および第2基部514によって区画される基板用開口458が形成されている。この基板用開口458は、主動歯車35の軸の周方向を向いて開いている。そして、基板60は、主動歯車35の軸を中心として回転させることによって、基板用開口458を介して基板用空間457に挿入されている。これにより、第4実施形態および第7実施形態と同様の効果を奏する。
【0269】
上記実施形態では、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、先細り形状になっている。これに対して、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、先細り形状になっていることに限定されない。例えば、第1ヨーク爪部372および第2ヨーク爪部382は、長方形形状等であってもよい。
【0270】
上記実施形態では、固定用カラー354は、第2ステアリングシャフト12に接続されているとともに、トルク検出用磁石30が第1ステアリングシャフト11に接続されている。これに対して、固定用カラー354は、第2ステアリングシャフト12に接続されているとともに、トルク検出用磁石30が第1ステアリングシャフト11に接続されていることに限定されない。例えば、固定用カラー354は、第1ステアリングシャフト11に接続されているとともに、トルク検出用磁石30が第2ステアリングシャフト12に接続されてもよい。
【0271】
上記実施形態では、ケース40と、保護カバー90と、基板60と、ターミナル85とは、樹脂による一体成形によって形成されてもよい。これにより、基板60が樹脂に埋まることとなるため、防塵性および防水性を向上させることができる。
【0272】
上記実施形態では、ケース40は、主動用凹部43を有する。これに対して、ケース40は、主動用凹部43を有することに限定されない。
図58および
図59に示すように、主動用凹部43が形成されていなくてもよい。この場合、ケース40は、ケース基面411の内周縁に接続されている側面471を有する。この側面471は、ケース側面に対応し、主動歯車35の軸を中心とする円弧柱の側面形状に形成されている。また、側面471は、軸方向Daと直交する方向に主動歯車35と対向する。
【0273】
また、上記実施形態が適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0274】
31 第1従動歯車
35 主動歯車
40 ケース
41 ケース基部
45 ケース凸部
60 基板
81 角度用第1磁気検出部
86 蓋部材
861 凸部