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特許7517284情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240709BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20240709BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021134016
(22)【出願日】2021-08-19
(65)【公開番号】P2023028358
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 義
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】前田 光輝
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064510(JP,A)
【文献】特開2018-067310(JP,A)
【文献】特開2003-016519(JP,A)
【文献】特開2006-251921(JP,A)
【文献】特開2019-096201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの荷物の預け先の候補となる、保管装置における所定の区画の内部画像である第1画像を取得することと、
前記ユーザに関連するユーザ端末に前記第1画像を送信することと、
を実行する制御部を備え
前記保管装置が自律走行可能な車両に搭載されており、
前記制御部は、
前記保管装置における何れかの区画に格納された物品の前記車両の走行中における挙動を示す画像である第2画像を前記ユーザ端末に送信することをさらに実行し、
前記第2画像は、前記保管装置における何れかの区画に前記物品が格納された状態で前記車両が走行したときに予め撮像された動画像であり、
前記制御部は、
前記ユーザ端末から前記第2画像の送信要求を受信したときに、記憶部に記憶された前記第2画像を抽出する、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ユーザ端末から前記第1画像の送信要求を受信したときに、前記所定の区画に設置されたカメラによって撮像された前記第1画像を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記車両は、所定のルートを巡回走行する車両である、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
一または複数の保管装置における各区画の空き状況に関する情報を含むロッカー情報を前記ユーザ端末に送信することをさらに実行する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の区画は、前記ロッカー情報に基づいて前記ユーザによって選択された区画である、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
一または複数の保管装置における各区画の空き状況に関する情報を含むロッカー情報に基づいて、前記ユーザに対して利用を推奨する区画として前記所定の区画を選択することをさらに実行する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ロッカー情報は、前記一または複数の保管装置における各区画が備える機能に関する情報を含み、
前記制御部は、
前記ユーザの荷物の属性に関する情報を前記ユーザ端末から受信し、
前記ロッカー情報と前記ユーザの荷物の属性とに基づいて前記所定の区画を選択する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、
ユーザの荷物の預け先の候補となる、保管装置における所定の区画の内部画像である第1画像を取得することと、
前記ユーザに関連するユーザ端末に前記第1画像を送信することと、
を含み、
前記保管装置が自律走行可能な車両に搭載されており、
前記情報処理装置が、前記保管装置における何れかの区画に格納された物品の前記車両の走行中における挙動を示す画像である第2画像を前記ユーザ端末に送信することをさらに含み、
前記第2画像は、前記保管装置における何れかの区画に前記物品が格納された状態で前記車両が走行したときに予め撮像された動画像であり、
前記情報処理装置が、前記ユーザ端末から前記第2画像の送信要求を受信したときに、記憶部に記憶された前記第2画像を抽出する、情報処理方法。
【請求項9】
前記情報処理装置が、前記ユーザ端末から前記第1画像の送信要求を受信したときに、前記所定の区画に設置されたカメラによって撮像された前記第1画像を取得する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記車両は、所定のルートを巡回走行する車両である、
請求項8または9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
ユーザの荷物の預け先の候補となる保管装置を管理する情報処理装置を制御するプログラムであって、
前記保管装置における所定の区画の内部画像である第1画像を取得させることと、
前記ユーザに関連するユーザ端末に前記第1画像を送信させることと、
を含み、
前記保管装置が自律走行可能な車両に搭載されており、
前記プログラムは、前記保管装置における何れかの区画に格納された物品の前記車両の走行中における挙動を示す画像である第2画像を前記ユーザ端末に送信させることをさらに含み、
前記第2画像は、前記保管装置における何れかの区画に前記物品が格納された状態で前記車両が走行したときに予め撮像された動画像であり、
前記プログラムは、前記ユーザ端末から前記第2画像の送信要求を受信したときに、記憶部に記憶された前記第2画像を抽出させる、プログラム。
【請求項12】
前記プログラムは、前記ユーザ端末から前記第1画像の送信要求を受信したときに、前
記所定の区画に設置されたカメラによって撮像された前記第1画像を取得させる、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記車両は、所定のルートを巡回走行する車両である、
請求項11または12に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷物を預ける保管装置をユーザが予約するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロッカーを備えた自動運転車両を管理するための管理システムが開示されている。特許文献1に開示の管理システムにおいては、サーバが、自動運転ロッカー(自動運転車両に備えられたロッカー)、および、固定式ロッカーの利用状況を管理する。そして、ユーザからロッカーの利用要求があった場合に、サーバは、利用状況に基づいて、自動運運転ロッカーまたは固定式ロッカーの予約を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-096201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザが保管装置に荷物を預ける際の利便性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
ユーザの荷物の預け先の候補となる、保管装置における所定の区画の内部画像である第1画像を取得することと、
前記ユーザに関連するユーザ端末に前記第1画像を送信することと、
を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の第2の態様に係る情報処理方法は、
ユーザの荷物の預け先の候補となる、保管装置における所定の区画の内部画像である第1画像を取得することと、
前記ユーザに関連するユーザ端末に前記第1画像を送信することと、
を含む。
【0007】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、
ユーザによって使用されるユーザ端末を制御するプログラムであって、
前記ユーザの荷物の預け先の候補となる、保管装置における所定の区画の内部画像である第1画像を、前記ユーザ端末に受信させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザが保管装置に荷物を預ける際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る予約システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、管理サーバおよびユーザ端末それぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るロッカー情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る予約システムにおける情報処理の流れを示すシーケンス図である。
図5図5は、第2実施形態に係る車両について説明するための図である。
図6図6は、第2実施形態に係るロッカー情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係る予約システムにおける情報処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に係る保管装置はユーザが荷物を預けるための装置である。保管装置は、ユーザの荷物を格納するための区画を有している。また、本開示の第1の態様に係る情報処理装置は保管装置を管理するための装置である。情報処理装置において、制御部は第1画像を取得する。第1画像は、ユーザの荷物の預け先の候補となる、保管装置における所定の区画の内部画像である。つまり、第1画像は、ユーザの荷物が格納される前の所定の区画内の様子を示す画像である。
【0011】
そして、制御部は、取得した第1画像を、ユーザに関連するユーザ端末に送信する。これにより、ユーザは、保管装置における所定の区画内の様子を第1画像によって確認することが可能となる。そのため、ユーザが、所定の区画内の様子に基づいて、自身の荷物の預け先として所定の区画を利用するか否かを決定することが可能となる。したがって、ユーザが保管装置に荷物を預ける際の利便性を向上させることができる。
【0012】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
<第1実施形態>
(システムの概略)
図1は、本実施形態に係る予約システムの概略構成を示す図である。予約システム1は、ユーザが自身の荷物(以下、「ユーザ荷物」と称する。)を預けるために行うロッカーの予約を管理するシステムである。予約システム1は、管理サーバ100、ユーザ端末200、およびロッカー300を含んで構成される。予約システム1においては、管理サーバ100、ユーザ端末200、およびロッカー300がネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1としては、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0014】
管理サーバ100は、複数のロッカー300を管理するサーバ装置である。管理サーバ100は、それぞれ異なる場所に設置された複数のロッカー300を管理している。ただし、図1においては、便宜上、一台のロッカー300のみ図示している。
【0015】
管理サーバ100は、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信インターフェース(通信I/F)104を有するコンピュータを含んで構成される。ここで、プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDS
P(Digital Signal Processor)である。主記憶部102は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部103は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。また、補助記憶部103は
、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。通信I/F104は、例え
ば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0016】
補助記憶部103には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。そして、プロセッサ101が、補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102にロードして実行することによって、後述するような、ユーザによるロッカー300の利用予約を管理するための制御が実現される。ただし、管理サーバ100における一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。なお、本実施形態においては、管理サーバ100が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。
【0017】
ロッカー300は、ユーザ荷物を格納するための複数の区画30を備えている。ロッカー300の各区画30は施錠および解錠可能に構成されている。また、ロッカー300の各区画30には、区画30の内部画像を撮像可能なカメラ31が設置されている。各カメラ31によって撮像される画像は静止画像または動画像のいずれであってもよい。また、ロッカー300は、各カメラ31によって撮像された画像データを、ネットワークN1を介して管理サーバ100に送信可能な通信インターフェースを備えている。なお、本実施形態においては、ロッカー300が、本開示に係る「保管装置」に相当する。
【0018】
ユーザ端末200は、ロッカー300の利用を希望するユーザによって使用される端末である。ユーザ端末200は、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、および通信インターフェース(通信I/F)204を有するコンピュータを含んで構成される。ここで、プロセッサ201、主記憶部202、および補助記憶部203の具体例としては、それぞれ、上述した、管理サーバ100を構成するコンピュータにおけるプロセッサ101、主記憶部102、および補助記憶部103の具体例と同様のものを例示することができる。また、通信I/F204は、例えば、3G(3rd Generation)、またはLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信サービスを利用して、ネットワークN1経由で管理サーバ100を含む他の装置と通信を行うためのインターフェースである。
【0019】
ユーザ端末200において所定のアプリケーションが実行されることで、後述するような、ロッカー300の利用予約のための制御が実現される。ユーザ端末200としては、スマートフォン、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ、または、ウェアラブルコンピュータを例示することができる。
【0020】
ユーザ端末200に対しては、ユーザによってロッカー300の利用予約のための操作(以下、「予約操作」と称する場合もある。)が行われる。ユーザ端末200に対して予約操作が行われると、ユーザ端末200から管理サーバ100に予約依頼が送信される。そして、管理サーバ100は、ユーザ端末200から受信した予約依頼に基づいて、ロッカー300を予約するための処理(以下、「予約処理」と称する場合もある。)を実行する。
【0021】
このとき、ユーザは、ユーザ端末200において、予約操作の実行前に、ユーザ荷物の預け先の候補として、ロッカー300におけるいずれかの区画30を指定する。以下、ユーザによってユーザ荷物の預け先の候補として指定された区画30を「所定の区画30a」と称する。ユーザ端末200において所定の区画30aが指定されると、第1画像の送信要求がユーザ端末200から管理サーバ100に送信される。第1画像は、所定の区画30aの内部画像である。
【0022】
管理サーバ100は、ユーザ端末200から第1画像の送信要求を受信すると、ロッカー300から、所定の区画30aに設置されたカメラ31によって撮像された第1画像を取得する。そして、管理サーバ100は、ロッカー300から取得した所定の区画30aについての第1画像をユーザ端末200に送信する。これにより、ユーザは、ロッカー300を予約する前に、ユーザ荷物の預け先の候補として指定した所定の区画30a内の様子を第1画像によって確認することが可能となる。
【0023】
(機能構成)
次に、予約システム1を構成する管理サーバ100およびユーザ端末200それぞれの機能構成について図2に基づいて説明する。図2は、管理サーバ100およびユーザ端末200それぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0024】
(管理サーバ)
管理サーバ100は、通信部110、制御部120、およびロッカー情報データベース(ロッカー情報DB)130を有している。通信部110は、管理サーバ100をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部110は通信I/F104によって実現することができる。制御部120は、管理サーバ100を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部120は、プロセッサ101によって実現することができる。制御部120は、所定の区画30aについての第1画像の送信要求を通信部110を用いてユーザ端末200から受信する処理を実行する。
【0025】
また、制御部120は、画像取得部1201、画像送信部1202、および予約部1203を機能部として含んでいる。画像取得部1201は、所定の区画30aについての第1画像をロッカー300から取得する機能を有する。具体的には、画像取得部1201は、所定の区画30aについての第1画像の撮像指令を通信部110を用いてロッカー300に送信する処理を実行する。さらに、画像取得部1201は、所定の区画30aについての第1画像を通信部110を用いてロッカー300から受信する処理を実行する。
【0026】
画像送信部1202は、ロッカー300から受信した所定の区画30aについての第1画像を通信部110を用いてユーザ端末200に送信する処理を行う。予約部1203は、ユーザ端末200から所定の区画30aの予約依頼を受信した場合、所定の区画30aをユーザが利用する区画として予約する予約処理を実行する。
【0027】
ロッカー情報DB130は、管理サーバ100の管理下にある複数のロッカー300それぞれについての情報であるロッカー情報が記憶されている。ロッカー情報DB130は補助記憶部103に形成される。図3は、本実施形態に係る、ロッカー情報DB130に記憶されているロッカー情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【0028】
図3に示すように、ロッカー情報は、ロッカーIDフィールド、設置場所フィールド、区画No.フィールド、サイズフィールド、および空き状況フィールドを有する。ロッカーIDフィールドには、ロッカー300を特定するための識別情報であるロッカーIDが入力される。設置場所フィールドには、各ロッカー300の設置場所を示す情報が入力される。ロッカー300の設置場所を示す情報としては、例えば、ロッカー300が設置されている施設の名称、および、該施設におけるロッカー300の設置位置であってもよい。図3に例示するロッカー情報おいては、ロッカーID「R001」のロッカー300が、「XX駅」の「北口」に設置されていることが示されている。
【0029】
区画No.フィールドには、各ロッカー300が有する複数の区画30それぞれの番号が入力される。サイズフィールドには、各ロッカー300における各区画30のサイズを
示す情報が入力される。空き状況フィールドには、各ロッカー300における各区画30の空き状況を示す情報が入力される。各区画30の空き状況としては、「使用中」、「予約済」、または「利用可」が入力される。ここで、「使用中」は、現在、区画30内にユーザ荷物が格納されていることを示している。「予約済」は、現在、区画30の利用予約がすでになされていることを示している。「利用可」は、現在、区画30が空いており、ユーザが該区画30の利用予約を行うことが可能であることを示している。図3に例示するロッカー情報おいては、「No. 1」および「No. 2」の区画が「使用中」であることが示されている。また、No. 3の区画が「予約済」であることが示されている。また、「No. 4」および「No. 5」の区画が「利用可」であることが示されている。なお、ロッカー情報における空き状況フィールドに入力された情報は、各ロッカー300の各区画30の使用状況および予約状況に応じて制御部120によって変更される。
【0030】
(ユーザ端末)
ユーザ端末200は、通信部210、制御部220、および入出力部230を有している。通信部210は、ユーザ端末200をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部210は通信I/F204によって実現することができる。制御部220は、ユーザ端末200を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部220は、プロセッサ201によって実現することができる。
【0031】
入出力部230は、ユーザによって行われる入力操作を受け付ける機能、および、ユーザに対して情報を提示する機能を有する。例えば、入出力部230は、タッチパネルディスプレイを含んで構成されてもよい。この場合、制御部220が所定のアプリケーションを作動させることで、入出力部230のタッチパネルディスプレイに対してユーザが入力操作を行うことが可能となる。
【0032】
(情報処理の流れ)
次に、本実施形態に係る予約システム1における情報処理の流れについて図4に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る予約システム1における情報処理の流れを示すシーケンス図である。図4は、ユーザが、予約システム1によってロッカー300の利用予約を行う際の情報処理の流れを示している。
【0033】
本実施形態に係る予約システム1においては、ユーザがロッカー300の利用予約を行う場合、ユーザ荷物を預けるためのロッカー300および区画30をユーザ自身が選択する。そのため、ユーザは、ユーザ端末200に対して、自身が利用可能なロッカー300を検索するための操作を行う。ユーザ端末200は、入出力部230によってユーザの操作を受け付けると、管理サーバ100にロッカー情報の送信要求を送信する(S101)。
【0034】
管理サーバ100は、ユーザ端末200からロッカー情報の送信要求を受信すると、ロッカー情報DB130に記憶されているロッカー情報をユーザ端末200に送信する(S102)。このとき、ユーザ端末200から送信されるロッカー情報の送信要求には、ユーザがロッカー300の利用を希望する場所(施設またはエリア等)についての情報が含まれていてもよい。この場合、管理サーバ100は、ユーザがロッカー300の利用を希望する場所、または、その場所から所定の範囲内に設置されたロッカー300についてのロッカー情報をロッカー情報DB130から抽出し、ユーザ端末200に送信する。
【0035】
ユーザ端末200においては、管理サーバ100からロッカー情報を受信すると、入出力部230によってユーザに対してロッカー情報が提示される。そして、ユーザは、提示されたロッカー情報に基づいて、ユーザ荷物の預け先の候補である所定の区画30aを指
定する。具体的には、ユーザ情報において「利用可」と示されている区画30の中から所定の区画30aが指定される。このとき、ユーザ端末200は、ユーザによって行われる所定の区画30aを指定するための操作を入出力部230によって受け付ける(S103)。
【0036】
次に、ユーザ端末200は、指定された所定の区画30aについての第1画像の送信要求を管理サーバ100に送信する(S104)。管理サーバ100は、ユーザ端末200から第1画像の送信要求を受信すると、所定の区画30aを有するロッカー300に対し、所定の区画30aについての第1画像の撮像指令を送信する(S105)。
【0037】
ロッカー300では、管理サーバ100から撮像指令が受信されると、所定の区画30aに設置されたカメラ31によって第1画像が撮像される(S106)。そして、ロッカー300から管理サーバ100に、所定の区画30aについての第1画像が送信される(S107)。なお、管理サーバ100において、ロッカー300に撮像指令を送信する処理、およびロッカー300から第1画像を受信する処理は、画像取得部1201によって実行される。
【0038】
管理サーバ100は、ロッカー300から所定の区画30aについての第1画像を受信すると、受信した第1画像をユーザ端末200に送信する(S108)。なお、管理サーバ100において、ユーザ端末200に第1画像を送信する処理は、画像送信部1202によって実行される。
【0039】
ユーザ端末200においては、管理サーバ100から所定の区画30aについての第1画像を受信すると、入出力部230によってユーザに対して第1画像が提示される。これにより、ユーザは、所定の区画30a内の様子を第1画像によって確認することができる。そして、ユーザは、所定の区画30a内の様子を踏まえて、所定の区画30aにユーザ荷物を預けるか否かを決定することができる。
【0040】
ユーザは、所定の区画30aにユーザ荷物を預けると決定した場合、所定の区画30aの利用予約を行う。このとき、ユーザ端末200は、ユーザによって行われる所定の区画30aを予約するための予約操作を入出力部230によって受け付ける(S109)。なお、ユーザは、ユーザ端末200において、第1画像によって内部の様子を確認した区画以外の区画30を所定の区画30aとして再度指定してもよい。この場合、S103からS108の処理が再度実行される。これにより、ユーザは、複数の区画30についての第1画像に基づいて、ユーザ荷物を預けるための区画を決定することができる。
【0041】
ユーザ端末200は、所定の区画30aを予約するためのユーザの予約操作を受け付けると、所定の区画30aの予約依頼を管理サーバ100に送信する(S110)。管理サーバ100は、ユーザ端末200から予約依頼を受信すると、ユーザが利用するための区画として所定の区画30aを予約する予約処理を実行する(S111)。なお、管理サーバ100において、所定の区画30aを予約する予約処理は、予約部1203によって実行される。管理サーバ100において予約処理が実行されると、ロッカー情報DB130において、所定の区画30aについての空き状況が「利用可」から「予約済」に更新される。
【0042】
上記のとおり、予約システム1によれば、ロッカー300の利用を希望するユーザが、ユーザ荷物の預け先となる所定の区画30a内の様子を確認した上で、所定の区画30aを予約することができる。したがって、ユーザがロッカー300にユーザ荷物を預ける際の利便性を向上させることができる。
【0043】
(変形例1)
以下、本実施形態に係る予約システム1の変形例について説明する。上記の実施形態に
係る予約システム1では、ユーザ端末200において、管理サーバ100から受信したロ
ッカー情報に基づいてユーザが所定の区画30aを指定した。これに対し、本変形例では、管理サーバ100が、ユーザに対して利用を推奨する区画として所定の区画30aを選択する。
【0044】
本変形例においては、ユーザ端末200から管理サーバ100に送信されるロッカー情報の送信要求に、ユーザがロッカー300の利用を希望する場所についての情報が含まれている。さらに、ロッカー情報の送信要求には、ユーザ荷物の大きさについての情報も含まれている。
【0045】
そして、管理サーバ100は、先ず、ユーザがロッカー300の利用を希望する場所、または、その場所から所定の範囲内に設置されたロッカー300についてのロッカー情報をロッカー情報DB130から抽出する。さらに、管理サーバ100は、抽出されたロッカー300のロッカー情報に基づいて、ユーザ荷物を預けることが可能な区画30を選択する。具体的には、管理サーバ100は、ロッカー情報において、サイズがユーザ荷物の大きさより大きく、且つ、空き状況が「利用可」である区画30を、所定の区画30aとして選択する。
【0046】
その後、管理サーバ100は、所定の区画30aについてのロッカー情報をユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200においては、管理サーバ100からロッカー情報を受信すると、入出力部230によってユーザに対して所定の区画30aについてのロッカー情報が提示される。その結果、ユーザによって、ユーザ端末200に対し、所定の区画30aについての第1画像の送信を要求する操作が行われると、ユーザ端末200から管理サーバ100に第1画像の送信要求が送信される。その後は、図4に示すシーケンス図のおけるS105以降の処理と同様の処理が実行される。
【0047】
なお、ロッカー情報DB130に記憶されているロッカー情報には、各ロッカー300における各区画30が備える機能についての情報が含まれていてもよい。ここで、各区画30が備える機能としては、冷蔵機能または冷凍機能を例示することができる。また、ユーザ端末200から管理サーバ100に送信されるロッカー情報の送信要求には、ユーザ荷物の属性についての情報が含まれていてもよい。ここで、ユーザ荷物の属性としては、冷蔵保存または冷凍保存が必要な食料品を例示することができる。
【0048】
このとき、管理サーバ100は、各ロッカー300における各区画30が備える機能と、ユーザ荷物の属性とに基づいて、所定の区画30aを選択してもよい。例えば、ユーザ荷物が冷蔵保存が必要な食料品である場合、管理サーバ100は、冷蔵機能を備える区画30を所定の区画30aとして選択する。また、ユーザ荷物が冷凍保存が必要な食料品である場合、管理サーバ100は、冷凍機能を備える区画30を所定の区画30aとして選択する。これによれば、管理サーバ100によって所定の区画30aが選択される場合であっても、ユーザ荷物の属性に応じて、適切な区画を選択することができる。
【0049】
<第2実施形態>
本実施形態においても、予約システム1は、管理サーバ100、ユーザ端末200、およびロッカー300を含んで構成される。ただし、本実施形態においては、図5に示すように、ロッカー300が車両400に搭載されている点で、上述した第1実施形態とは異なる。図5は、本実施形態に係る車両400について説明するための図である。ロッカー300を搭載した車両400は自律走行可能な車両である。
【0050】
なお、車両400は、必ずしも無人車両である必要はない。例えば、車両400には、保安要員などが乗車していてもよい。また、車両400は、必ずしも完全なる自律走行が可能な車両でなくてもよい。例えば、車両400は、状況に応じて人が運転または運転の補助を行う車両であってもよい。以下、本実施形態に係る予約システム1について、第1実施形態とは異なる点について主に説明する。
【0051】
車両400は、自律走行によって所定の巡回ルートを巡回走行する。ただし、ユーザが車両400に搭載されたロッカー300を利用する場合は、ユーザがユーザ荷物の預け入れまたは取り出しを行うことを希望する地点(以下、「利用地点」と称する場合もある。)まで、車両400が自律走行する。
【0052】
また、本実施形態においても、管理サーバ100のロッカー情報DB130には、複数のロッカー300それぞれについてのロッカー情報が記憶されている。図6は、本実施形態に係る、ロッカー情報DB130に記憶されているロッカー情報のテーブル構成の一例を示す図である。図6に示すように、本実施形態に係るロッカー情報は、図3に示すロッカー情報における設置場所フィールドに代えて、巡回ルートフィールドを有する。巡回ルートフィールドには、ロッカー300を搭載した各車両400の巡回ルートを示す情報が入力される。図6に例示するロッカー情報おいては、ロッカーID「R010」のロッカー300を搭載した車両400の巡回ルートが「Aルート」であることが示されている。
【0053】
さらに、本実施形態に係るロッカー情報は、図6に示すように、第2画像フィールドを有する。第2画像フィールドには、各ロッカー300についての第2画像の画像データが入力される。第2画像は、ロッカー300における何れかの区画30に格納された物品の車両400の走行中における挙動を示す画像である。この第2画像は、各ロッカー300において、何れかの区画30に物品が格納された状態で、各車両400が走行したしたときに、物品が格納された区画30に設置されたカメラ31によって予め撮像された動画像である。なお、本実施形態に係るロッカー情報に含まれる各区画30のサイズおよび空き状況を示す情報は、第1の実施形態に係るロッカー情報に含まれる情報を同様である。
【0054】
(情報処理の流れ)
次に、本実施形態に係る予約システム1における情報処理の流れについて図7に基づいて説明する。図7は、本実施形態に係る予約システム1における情報処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、図4に示す第1実施形態に係る予約システム1における情報処理の流れと異なる点について説明する。
【0055】
本実施形態に係る予約システム1においても、S101において、ユーザ端末200は、入出力部230によってユーザの操作を受け付けると、管理サーバ100にロッカー情報の送信要求を送信する。このとき、ユーザ端末200から送信されるロッカー情報の送信要求には、利用地点についての情報が含まれている。ここで、車両400は、利用地点が自身の巡回ルートから所定の範囲内に存在していれば、移動地点まで自律走行することができる。そこで、管理サーバ100は、車両400の巡回ルートから所定の範囲内に利用地点が位置することになるロッカー300についてのロッカー情報をロッカー情報DB130から抽出し、ユーザ端末200に送信する。これにより、ユーザが利用地点において利用可能なロッカー300についてのロッカー情報がユーザ端末200に送信される。
【0056】
また、ユーザ端末200は、ユーザによって所定の区画30aが指定されると、所定の区画30aについての第1画像、および、所定の区画30aを有するロッカー300についての第2画像の送信要求を管理サーバ100に送信する(S204)。管理サーバ100は、所定の区画30aを有するロッカー300に第1画像の撮像指令を送信し、該ロッカー300から第1画像を受信する。次に、管理サーバ100は、ロッカー300から受
信した第1画像と、所定の区画30aを有するロッカー300についての第2画像とをユーザ端末200に送信する(S208)。このとき、管理サーバ100は、ロッカー情報DB130から第2画像を取得する。なお、管理サーバ100において、ロッカー情報DB130から第2画像を取得する処理は、画像送信部1202によって実行される。また、管理サーバ100において、ユーザ端末200に第1画像と共に第2画像を送信する処理は、画像送信部1202によって実行される。
【0057】
ユーザ端末200においては、管理サーバ100から、所定の区画30aについての第1画像および所定の区画30aを有するロッカー300についての第2画像を受信すると、入出力部230によってユーザに対して第1画像および第2画像が提示される。これにより、ユーザは、所定の区画30a内の様子を第1画像によって確認することができる。さらに、ユーザは、所定の区画30aを有するロッカー300を搭載した車両400の走行中におけるロッカー300の区画30内に格納された物品の挙動を第2画像によって確認することができる。つまり、ユーザは、所定の区画30aにユーザ荷物を預けた場合に、所定の区画30aを有するロッカー300を搭載した車両400の走行中にユーザ荷物がどのような挙動をとるのかを把握することができる。
【0058】
したがって、本実施形態によれば、車両400に搭載されたロッカー300の利用を希望するユーザが、ユーザ荷物の預け先となる所定の区画30a内の様子を確認することができる。さらに、ユーザは、車両400の走行中に所定の区画30a内おいてユーザ荷物がどのような挙動をとるのかについても確認することができる。そして、ユーザは、これらを確認した上で、所定の区画30aを予約することができる。
【0059】
ここで、車両400の走行中にロッカー300の区画30内おいてユーザ荷物がどのような挙動をとるのかは、車両400の性能、または、車両400の巡回ルートに応じて異なると考えられる。そのため、本実施形態に係る予約システム1においては、各ロッカー300についての第2画像がロッカー情報DB130に記憶されている。そして、ユーザによって指定された所定の区画30aを有するロッカー300についての第2画像がユーザに提示される。これにより、ユーザは、車両400の走行中に所定の区画30a内おいてユーザ荷物がどのような挙動をとるのかをより適切に把握することができる。
【0060】
なお、各ロッカー300についての第2画像がロッカー情報DB130に記憶されていなくてもよい。例えば、各ロッカー300が備える記憶部に第2画像が記憶されていてもよい。この場合、管理サーバ100は、所定の区画30aを有するロッカー300から、第1画像とともに第2画像を取得する。
【0061】
また、本実施形態においても、管理サーバ100からユーザ端末200に必ずしも第2画像が送信されなくてもよい。例えば、ユーザが、第1画像に加え第2画像もユーザ端末200に提示することを希望した場合に、第2画像の送信要求がユーザ端末200から管理サーバ100に送信されてもよい。
【0062】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0063】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0064】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0065】
1・・・予約システム
30・・区画
31・・カメラ
100・・管理サーバ
110、210・・通信部
120、220・・制御部
130・・ロッカー情報データベース
200・・ユーザ端末
300・・ロッカー
400・・車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7