(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】自動走行システム、自動走行方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20240709BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G08G1/0968 B
(21)【出願番号】P 2021167562
(22)【出願日】2021-10-12
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】今津 貴雅
(72)【発明者】
【氏名】深田 善樹
(72)【発明者】
【氏名】岡村 竜路
(72)【発明者】
【氏名】林 孝士
(72)【発明者】
【氏名】馬場 広樹
(72)【発明者】
【氏名】小見 聡
(72)【発明者】
【氏名】楠本 光優
(72)【発明者】
【氏名】片岡 佑太
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-198013(JP,A)
【文献】特開2020-086930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30、30/00-60/00
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
G09B 23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両によるユーザのピックアップ場所
と、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する基準場所と、ユーザが該基準場所からピックアップ場所に向かい始める基準時刻とを取得する取得部と、
自動運転車両を現在位置からピックアップ場所に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所の間において自動運転車両を一時的に駐車させる待機場所を設定する待機場所設定部と、
自動運転車両を現在位置から該待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両を該待機場所において一時的に駐車させ、その後、自動運転車両をピックアップ場所まで自動運転させる自動運転管理部
とを具備
しており、
該自動運転管理部は、取得された該基準場所および該基準時刻に基づいて、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻を予測し、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻をピックアップ時刻として、待機場所から自動運転車両を出発させる車両の自動走行システム。
【請求項2】
該基準場所は、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが待機している待機場所であり、該基準時刻は、ユーザが該ユーザの待機場所からピックアップ場所に向かい始める時刻である請求項1に記載の車両の自動走行システム。
【請求項3】
コンピュータが、
自動運転車両によるユーザのピックアップ場所と、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する基準場所と、ユーザが該基準場所からピックアップ場所に向かい始める基準時刻とを取得し、
取得された該基準場所および該基準時刻に基づいて、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻を予測し、
自動運転車両を現在位置からピックアップ場所に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所の間において自動運転車両を一時的に駐車させる待機場所を設定し、
自動運転車両を現在位置から該待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両を該待機場所において一時的に駐車させ、その後、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻をピックアップ時刻として、該待機場所から自動運転車両を出発させ、次いで、自動運転車両をピックアップ場所まで自動運転させる車両の自動走行方法。
【請求項4】
自動運転車両によるユーザのピックアップ場所と、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する基準場所と、ユーザが該基準場所からピックアップ場所に向かい始める基準時刻とを取得し、
取得された該基準場所および該基準時刻に基づいて、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻を予測し、
自動運転車両を現在位置からピックアップ場所に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所の間において自動運転車両を一時的に駐車させる待機場所を設定し、
自動運転車両を現在位置から該待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両を該待機場所において一時的に駐車させ、その後、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻をピックアップ時刻として、該待機場所から自動運転車両を出発させ、次いで、自動運転車両をピックアップ場所まで自動運転させるよう、コンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動走行システム、自動走行方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転車両のオーナーが、自動運転車両からの降車後、離れた場所に移動したときに、自動運転車両を、オーナーの希望するピックアップ場所に移動させるようにした自動走行システムが公知である(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この場合、オーナーが降車したときの自動運転車両の駐車場所からピックアップ場所までの間で渋滞が生じていると、オーナーの待ち時間が長くなるという問題が生ずる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明によれば、自動運転車両によるユーザのピックアップ場所と、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する基準場所と、ユーザが基準場所からピックアップ場所に向かい始める基準時刻とを取得する取得部と、
自動運転車両を現在位置からピックアップ場所に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所の間において自動運転車両を一時的に駐車させる待機場所を設定する待機場所設定部と、
自動運転車両を現在位置から待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両を待機場所において一時的に駐車させ、その後、自動運転車両をピックアップ場所まで自動運転させる自動運転管理部とを具備しており、
自動運転管理部は、取得された基準場所および基準時刻に基づいて、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻を予測し、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻をピックアップ時刻として、待機場所から自動運転車両を出発させる車両の自動走行システムが提供される。
また、本発明によれば、コンピュータが、
自動運転車両によるユーザのピックアップ場所と、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する基準場所と、ユーザが基準場所からピックアップ場所に向かい始める基準時刻とを取得し、
取得された基準場所および基準時刻に基づいて、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻を予測し、
自動運転車両を現在位置からピックアップ場所に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所の間において自動運転車両を一時的に駐車させる待機場所を設定し、
自動運転車両を現在位置から待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両を待機場所において一時的に駐車させ、その後、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻をピックアップ時刻として、待機場所から自動運転車両を出発させ、次いで、自動運転車両をピックアップ場所まで自動運転させる車両の自動走行方法が提供される。
また、本発明によれば、自動運転車両によるユーザのピックアップ場所と、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する基準場所と、ユーザが基準場所からピックアップ場所に向かい始める基準時刻とを取得し、
取得された基準場所および基準時刻に基づいて、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻を予測し、
自動運転車両を現在位置からピックアップ場所に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所の間において自動運転車両を一時的に駐車させる待機場所を設定し、
自動運転車両を現在位置から待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両を待機場所において一時的に駐車させ、その後、ユーザがピックアップ場所に到着する時刻をピックアップ時刻として、待機場所から自動運転車両を出発させ、次いで、自動運転車両をピックアップ場所まで自動運転させるよう、コンピュータを機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
ピックアップ場所での自動運転車両の待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、道路および駐車スペースを図解的に表した図である。
【
図3】
図3は、走行管理サーバを図解的に示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施例におけるピックアップの要求手法の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1実施例におけるピックアップ処理を行うためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、ピックアップ指令を発生させるためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、自動運転制御を行うためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、遅延通知を行うためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明による実施例の機能構成図である。
【
図10】
図10は、第2実施例におけるピックアップの要求手法を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第2実施例におけるピックアップ処理を行うためのフローチャートである。
【
図12】
図12は、第2実施例におけるピックアップ処理を行うためのフローチャートである。
【
図13】
図13は、第3実施例におけるピックアップの要求手法を説明するための図である。
【
図14】
図14は、第3実施例におけるピックアップ処理を行うためのフローチャートである。
【
図15】
図15は、第3実施例におけるピックアップ処理を行うためのフローチャートである。
【
図16】
図16は、第4実施例におけるピックアップの要求手法を説明するための図である。
【
図17】
図17は、第4実施例におけるピックアップ処理を行うためのフローチャートである。
【
図19】
図19は、自動運転車両の移動処理を行うためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
最初に、
図1を参照しつつ、自宅に駐車している自動運転車両を駅まで呼び寄せる場合を例にとって、本発明による自動走行システムの概要について説明する。
図1を参照すると、1は自宅、2は、自宅1に駐車している自動運転車両、3は駅、4は道路、5は駅3の近くにおいて自動運転車両に乗降可能な場所を夫々示している。
図1には、この乗降可能な場所5において、駐車することはできないが乗降のために自動運転車両を一次的に停車させることのできる二台分の停車スペース6が存在している場合が示されている。この例では、この乗降可能な場所5が、自動運転車両に迎えに来てもらうピックアップ場所として利用されており、従って、以下の説明では、この乗降可能な場所をピックアップ場所5と称する。
【0009】
次に、
図2を参照しつつ、自動運転機能および自動駐車機能を備えた自動運転車両2について説明する。
図2を参照すると、21は自動運転車両2の駆動輪に駆動力を与えるための車両駆動部、22は自動運転車両2を制動するための制動装置、23は自動運転車両2を操舵するための操舵装置、24は自動運転車両2内に搭載された電子制御ユニットを夫々示す。
図2に示されるように、電子制御ユニット24はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス25によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)26、ROMおよびRAMからなるメモリ27および入出力ポート28を具備する。
【0010】
一方、
図2に示されるように、自動運転車両2には、自動運転車両2が自動運転および自動駐車を行うのに必要な各種センサ30、即ち、自動運転車両2の状態を検出するセンサおよび自動運転車両2の周辺を検出するセンサが設置されている。この場合、自動運転車両2の状態を検出するセンサとしては、加速度センサ、速度センサ、方位角センサが用いられており、自動運転車両2の周辺を検出するセンサとしては、自動運転車両2の前方、側方、後方を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等が用いられる。また、自動運転車両2には、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)受信装置31、地図データ記憶装置32、ナビゲーション装置33および各種操作をおこなうための操作部が設けられている。GNSS受信装置31は、複数の人工衛星から得られる情報に基づいて、自動運転車両2の現在位置(例えば自動運転車両2の緯度及び経度)を検出することができる。従って、このGNSS受信装置
31により自動運転車両2の現在位置を取得することができる。このGNSS受信装置31として、例えば、GPS受信装置が用いられる。
【0011】
一方、地図データ記憶装置32には、自動運転車両2が自動運転を行うのに必要な地図データ等が記憶されている。また、操作部34には自動運転等に必要な操作パネルが設けられており、操作パネルにおいて目的地が入力されると、ナビゲーション装置33を用いて自動運転車両2の走行ルートが検索される。これらの各種センサ30、GNSS受信装置31、地図データ記憶装置32、ナビゲーション装置33および操作部34は、電子制御ユニット24に接続されている。
【0012】
図2を参照すると、本発明による実施例では、車両駆動部21は、2次電池により駆動される電気モータ、或いは、燃料電池により駆動される電気モータより構成されており、駆動輪は、電子制御ユニット
24の出力信号に従って、これらの電気モータにより駆動制御される。また、自動運転車両2の制動制御は、電子制御ユニット24の出力信号に従って制動装置22により行われ、自動運転車両2の操舵制御は、電子制御ユニット24の出力信号に従って操舵装置23により行われる。
【0013】
一方、
図3は、自動運転車両2の走行を管理するための走行管制サーバ10を示している。
図3に示されるように、この走行管制サーバ10内には電子制御ユニット40が設けられている。この電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)42、ROMおよびRAMからなるメモリ43および入出力ポート44を具備する。更に、走行管制サーバ10内には、自動運転車両2と通信を行うための通信装置45が設けられている。一方、自動運転車両2には、走行管制サーバ10と通信を行うための通信装置35が搭載されている。また、
図3には、走行管制サーバ10による走行管制サービスを利用するユーザが所有していて、通信ネットワークを介して走行管制サーバ10の通信装置45と通信可能な携帯端末46が示されている。なお、以下、この走行管制サービスを利用するユーザを、自動運転車両2のユーザと称している。
【0015】
さて、自動運転車両2のユーザが、自宅1に駐車している自動運転車両2をピックアップ場所5まで迎えに来させる場合、
図1に示される例では、自動運転車両2のユーザが、携帯端末46を用いて、走行管制サーバ10に、自宅1に駐車している自動運転車両2をピックアップ場所5まで迎えに来させる迎車要求を送信する、走行管制サーバ10がこの迎車要求を受信すると、走行管制サーバ10は自動運転車両2に対して、ピックアップ場所5に移動するよう走行指令を発する。自動運転車両2が走行管制サーバ10から走行指令を受信すると、自動運転車両2は、ピックアップ場所5に向けて自動運転による走行を開始する。
【0016】
この場合、自宅1からピックアップ場所5に向かう道路4が混雑していたとすると、自動運転車両2がピックアップ場所5に到達するのに時間を要し、自動運転車両2のユーザの待ち時間が長くなってしまうという問題を生ずる。この場合、ピックアップ場所5に直接向かわせるのではなくて、自動運転車両2を自宅1から早めにピックアップ場所5に向けて走行させ、自動運転車両2をピックアップ場所5の近くで待機させておけば、自動運転車両2がピックアップ場所5に到達するまでの時間を短くすることができ、自動運転車両2のユーザの待ち時間を短縮することができる。
【0017】
そこで、
図1に示される例では、自宅1からピックアップ場所5の間に存在する駐車可能な駐車スペース7を利用し、自宅1から出発した自動運転車両2を駐車可能な駐車スペース7に一時的に駐車させるようにしている。この場合、走行管制サーバ10の電子制御ユニット40のメモリ43内には地図情報に加えて、駐車可能な駐車スペース7の位置が記憶されており、従って、
図1に示される例では、メモリ43内に記憶されている駐車スペース7の位置情報から適切な駐車スペース7が検索される。また、
図1に示される例では、各駐車スペース7の使用状態を監視する監視カメラ8,9が設置されており、これら監視カメラ8,9による撮影画像データは走行管制サーバ10に送信されている。
【0018】
走行管制サーバ10では、これらの撮影画像データに基づいて、各駐車スペース7の使用状態が判別され、メモリ43内に記憶されている駐車スペース7の使用状態が常時、更新されている。従って、
図1に示される例では、メモリ43内に記憶されている駐車スペース7に関する情報から空の駐車スペース7が検索され、この空の駐車スペース7が自動運転車両2の待機場所として利用される。なお、
図1に示される例では、駐車スペース7として道路4の側縁に形成されている駐車スペース7が利用されているが、これら駐車スペース7として道路4に通ずる駐車場内の空の駐車スペース7を利用してもよい。
【0019】
次に、
図4から
図8を参照しつつ、本発明による第1実施例について説明する。
図4は、自動運転車両2のユーザにより携帯端末46を用いて行われるピックアップの要求手法の一例を示している。
図4を参照すると、携帯端末46のピックアップの要求画面において、A1に示されるように、ピックアップ要求の登録を行い、A2に示されるように、ピックアップ時刻の登録を行い、A3に示されるように、ピックアップ場所の登録を行い、A4に示されるように、ユーザの自動運転車両2を特定するための車両IDの登録を行い、A5に示されるように、これらの登録データを携帯端末46から走行管制サーバ10に送信する。この第1実施例では、自動運転車両2が、ピックアップ場所へピックアップ時刻に到着するように、走行制御される、
【0020】
図5は、走行管制サーバ10の電子制御ユニット40において繰り返し実行されるピックアップ処理ルーチンを示している、
図5を参照すると、まず初めに、ステップ50において、携帯端末46からピックアップの要求を受信したか否かが判別される。ピックアップの要求を受信していないと判別されたときには処理サイクルを終了する。これに対し、ピックアップの要求を受信したと判別されたときには、ステップ51に進み、ユーザの自動運転車両2と通信を行って、自動運転車両2において検出されている自動運転車両2の現在位置が取得される。
【0021】
次いで、ステップ52では、走行管制サーバ10の電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている駐車スペース7の位置情報および使用状態に関する情報に基づいて、自動運転車両2の現在位置と、ユーザによりピックアップ要求のあったピックアップ場所との間に存在する空の駐車スペース7が検索される。次いで、ステップ53では、これらの空の駐車スペース7中から、いずれかの空の駐車スペース7が自動運転車両2の待機場所として決定される。
【0022】
次いで、ステップ54では、メモリ43内に記憶されている地図情報に基づいて、現在位置から待機場所までの自動運転車両2の走行ルートが決定されると共に現在位置から待機場所までの自動運転車両2の走行時間が算出される。次いで、ステップ55では、メモリ43内に記憶されている地図情報に基づいて、待機場所からピックアップ場所までの自動運転車両2の走行ルートが決定されると共に待機場所からピックアップ場所までの自動運転車両2の走行時間が算出される。次いで、ステップ56では、これらの算出された走行時間に基づき、待機場所における待機時間が設定された時間、例えば、20分となるように、自動運転車両2の現在位置からの出発時刻が算出される。次いで、ステップ57では、自動運転車両2の待機場所からの出発時刻が算出される。
【0023】
図6は、走行管制サーバ10の電子制御ユニット40において繰り返し実行されるピックアップ指令ルーチンを示している、
図6を参照すると、まず初めに、ステップ60において、現在の時刻が、算出された自動運転車両2の現在位置からの出発時刻であるか否かが判別される。現在の時刻が、算出された自動運転車両2の現在位置からの出発時刻でないと判別されたときには処理サイクルを終了する。これに対し、現在の時刻が、算出された自動運転車両2の現在位置からの出発時刻であると判別されたときには、ステップ61に進み、自動運転車両2の目的地が待機場所とされる。次いで、ステップ62では、自動運転車両2に対して、自動運転の開始命令が送信される。次いで、ステップ63に進む。
【0024】
ステップ63では、現在の時刻が、算出された自動運転車両2の待機場所からの出発時刻であるか否かが判別される。現在の時刻が、算出された自動運転車両2の待機場所からの出発時刻でないと判別されたときには処理サイクルを終了する。これに対し、現在の時刻が、算出された自動運転車両2の待機場所からの出発時刻であると判別されたときには、ステップ64に進み、自動運転車両2の目的地がピックアップ場所5とされる。次いで、ステップ62では、自動運転車両2に対して、自動運転の開始命令が送信される。
【0025】
図7は、自動運転の開始命令を受信したときに、自動運転車両2の電子制御ユニット24において実行される自動運転制御ルーチンを示している。
図7を参照すると、まず初めに、ステップ70において、走行管制サーバ10において決定された目的地、即ち、待機場所又はピックアップ場所5が取得される。次いで、ステップ71では、走行管制サーバ10において決定された目的地とGNSS受信装置20により取得された自動運転車両2の現在位置に基づいて、ナビゲーション装置33により現在位置から目的地までの自動運転車両2の走行ルートが決定される。この場合、走行管制サーバ10において算出されている走行ルートを採用することもできる。
【0026】
次いで、ステップ72では、自動運転車両2の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等のセンサの検出結果に基づいて、他車両や歩行者と接触することのない自動運転車両2の走行軌跡および走行速度が決定される。次いで、ステップ73では、決定された走行軌跡および走行速度に従って、自動運転車両2の走行制御が行われる。次いで、ステップ74では、自動運転車両2が目的地、即ち、待機場所又はピックアップ場所5に到達したか否かが判別される。自動運転車両2が目的地に到達していないと判別されたときには、ステップ72に戻り、車両20の自動運転が続行される。これに対し、ステップ74において、自動運転車両2が目的地、即ち、待機場所又はピックアップ場所5に到達したと判別されたときには、ステップ75に進んで、自動運転車両2の自動運転が停止される。このようにして、自動運転車両2が、待機場所又はピックアップ場所5まで自動運転される。
【0027】
図8は、自動運転車両2が待機場所に待機しているときに、自動運転車両2の電子制御ユニット24において実行される遅延通知ルーチンを示している。
図8を参照すると、まず初めに、ステップ80において、例えば、走行管制サーバ10から送信されている混雑情報等に基づいて、ピックアップ場所への到達時刻が算出される。次いで、ステップ81では、ユーザによりピックアップ要求のあったピックアップ時刻に対して、算出されたピックアップ場所への到達時刻が遅延するか否かが判別される。遅延すると判別されたときには、ステップ82に進んで、遅延時間が算出され、次いで、ステップ83において、遅延する旨と遅延時間が、通信ネットワークを介して、ユーザの携帯端末46に送信される。
【0028】
このように、本発明による実施例では、
図9の機能構成図に示されるように、自動走行システムが、自動運転車両2によるユーザのピックアップ場所5を取得する取得部90と、自動運転車両2を現在位置からピックアップ場所5に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所5の間において自動運転車両2を一時的に駐車させる待機場所を設定する待機場所設定部91と、自動運転車両2を現在位置から待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両2を待機場所において一時的に駐車させ、その後、自動運転車両2をピックアップ場所5まで自動運転させる自動運転管理部92を具備している。
【0029】
この場合、本発明による実施例では、取得部90が、ユーザのピックアップ場所5に加えてピックアップ時刻を取得し、自動運転管理部92は、自動運転車両2がピックアップ場所5へピックアップ時刻に到着すると予測される時刻に待機場所から自動運転車両2を出発させる。また、この場合、本発明による実施例では、自動運転管理部92は、ピックアップ場所5への自動運転車両2の到着時刻が遅れるときには、到着時刻が遅れる旨をユーザに通知する。
【0030】
また、本発明による実施例では、自動運転車両2によるユーザのピックアップ場所5を取得し、自動運転車両2を現在位置からピックアップ場所5に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所5の間において自動運転車両2を一時的に駐車させる待機場所を設定し、自動運転車両2を現在位置から待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両2を待機場所において一時的に駐車させ、その後、自動運転車両2をピックアップ場所5まで自動運転させる車両の自動走行方法が提供される。
【0031】
また、本発明による実施例では、自動運転車両2によるユーザのピックアップ場所5を取得し、自動運転車両2を現在位置からピックアップ場所5に向かわせるときに、現在位置からピックアップ場所5の間において自動運転車両2を一時的に駐車させる待機場所を設定し、自動運転車両2を現在位置から待機場所まで自動運転させた後、自動運転車両2を待機場所において一時的に駐車させ、その後、自動運転車両2をピックアップ場所5まで自動運転させるように、コンピュータを機能させるプログラムが提供される。
【0032】
次に、これまで説明してきた第1実施例の変形例である第2実施例から第4実施例について順に説明する、なお、これら第2実施例から第4実施例において、第1実施例と異なる場合があるのは、
図4に示されるピックアップの要求手法と、
図5に示されるピックアップ処理ルーチンだけであり、
図6に示されるピックアップ指令ルーチンと、
図7に示される自動運転制御ルーチンと、
図8に示される遅延通知ルーチンは同じルーチンが用いられる。従って、第2実施例から第4実施例において用いられるピックアップ指令ルーチンと自動運転制御ルーチンと、遅延通知ルーチンについては、説明を省略する。また、第2実施例から第4実施例におけるピックアップの要求手法とピックアップ処理ルーチンは、夫々、
図4に示されるピックアップの要求手法および
図5に示されるピックアップ処理ルーチンと同一の部分が存在しており、これら同一の部分については同一の符号を付すと共に説明を省略する。
【0033】
最初に本発明による第2実施例について説明する。さて、第1実施例では、自動運転車両2が、ピックアップ場所5へピックアップ時刻に到着するように、走行制御されている。しかしながら、実際には、ユーザが正確にピックアップ時刻にピックアップ場所5へ到着するとは限らない。そこで、この第2実施例では、ユーザの携帯端末46からユーザの位置情報が取得され、取得されたユーザの位置情報に基づいて、ユーザがピックアップ場所5に到着する時刻が予測され、ユーザがピックアップ場所5に到着する時刻をピックアップ時刻として、待機場所から自動運転車両を出発させるようにしている。
【0034】
この第2実施例を実行するために用いられるピックアップの要求手法が
図10に示されており、第2実施例を実行するために用いられるピックアップ処理ルーチンが
図11および
図12に示されている。
図10に示されるピックアップの要求手法を参照すると、このピックアップの要求手法は、
図4に示される第1実施例におけるピックアップの要求手法
と同一である。従って、
図10に示されるピックアップの要求手法については、説明を省略する。
【0035】
一方、
図11に示されるピックアップ処理ルーチンのステップ50からステップ56は、
図5に示される第1実施例におけるピックアップ処理ルーチンのステップ50からステップ56と同一であり、
図11に示されるピックアップ処理ルーチンと
図5に示されるピックアップ処理ルーチンとの異なるところは、
図11に示されるピックアップ処理ルーチンにおけるステップ57aだけである。従って、
図11に示されるピックアップ処理ルーチンについては、ステップ57aについてだけ説明する。
図11に示されるように、このステップ57aでは、自動運転車両2の待機場所からの出発時刻の算出処理が行われ、この自動運転車両2の待機場所からの出発時刻の算出処理が
図12に示されている。
【0036】
図12を参照すると、まず初めに、ステップ100において、自動運転車両2が待機場所に駐車中であるか否かが判別される。自動運転車両2が待機場所に駐車中でないと判別されたときには処理サイクルを終了する。これに対し、自動運転車両2が待機場所に駐車中であると判別されたときには、ステップ101に進んで、ユーザの携帯端末46からユーザの現在位置が取得される。次いで、ステップ102では、ユーザの現在位置とピックアップ場所5間の距離およびユーザの予測される徒歩速度に基づいて、ピックアップ場所5へのユーザの予測到着時刻が算出される。
【0037】
次いで、ステップ103では、電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている地図情報等に基づいて、待機場所からピックアップ場所5までの自動運転車両2の走行時間が算出される。次いで、ステップ104では、自動運転車両2の待機場所からの出発時刻が算出される。自動運転車両2の待機場所からの出発時刻が算出されると、
図6に示されるピックアップ指令において、自動運転車両2に自動運転の開始指令が発せられ、自動運転車両2の自動運転が開始される。
【0038】
次に、本発明による第3実施例について説明する。さて、ユーザによっては、例えば、雨を避けるために、室内の待機場所で待機していて、ピックアップ時間が近づいたときに、ピックアップ場所に移動したい場合がある。また、駅への到着時刻がわかっており、駅に到着するや否や、ピックアップ場所5へ向かい始める場合がある。このような場合、ピックアップ時間5を登録するためには、ピックアップ場所5への移動時間の計算をしなければならないので煩わしく、待機場所からピックアップ場所5に向かい始める時刻や駅への到着時刻のように、時間計算を必要としない時刻を登録する方が楽である。
【0039】
そこで、この第3実施例では、室内の待機場所や、到着駅のような、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する場所およびユーザがこの場所からピックアップ場所に向かい始める時刻を登録するようにしている。このように、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する場所およびユーザがこの場所からピックアップ場所に向かい始める時刻は、ユーザがピックアップ場所に到着するときの時刻の基準となるので、本発明による実施例では、ユーザがピックアップ場所に向かう前にユーザが位置する場所を基準場所と称しており、ユーザがこの基準場所からピックアップ場所に向かい始める時刻を基準時間と称している。
【0040】
これら基準場所および基準時間を用いると、この第3実施例では、ユーザがピックアップ場所5に向かう前にユーザが位置する基準場所およびユーザがこの基準場所からピックアップ場所5に向かい始める基準時刻が取得される。これらの取得された基準場所および基準時刻に基づいて、ユーザがピックアップ場所5に到着する時刻が予測され、ユーザがピックアップ場所5に到着する時刻がピックアップ時刻とされて、待機場所から自動運転車両2が出発せしめられる。この場合、この基準場所は、例えば、ユーザがピックアップ場所5に向かう前にユーザが待機している待機場所であり、基準時刻は、ユーザがこの待機場所からピックアップ場所5に向かい始める時刻とされる。
【0041】
この第3実施例を実行するために用いられるピックアップの要求手法が
図13に示されており、第3実施例を実行するために用いられるピックアップ処理ルーチンが
図14および
図15に示されている。
図13に示されるピックアップの要求手法を参照すると、
図13に示されるピックアップの要求手法A1、A3、A4、A5は、
図5に示される第1実施例におけるピックアップの要求手法A1、A3、A4、A5と同一であり、
図13に示されるピックアップの要求手法と
図5に示されるピックアップの要求手法との異なるところは、
図13に示されるピックアップの要求手法A2aだけである。従って、
図13に示されるピックアップの要求手法については、要求手法A2aについてだけ説明する。
図13に示されるように、この要求手法A2aでは、ピックアップ場所5に向かう前にユーザが位置する基準場所およびユーザがこの基準場所からピックアップ場所5に向かい始める基準時刻が登録される。
【0042】
一方、
図14および
図15に示されるピックアップ処理ルーチンを参照すると、
図14に示されるピックアップ処理ルーチンのステップ50からステップ56は、
図11に示される第2実施例におけるピックアップ処理ルーチンのステップ50からステップ56と同一であり、
図14に示されるピックアップ処理ルーチンと
図11および
図12に示される第2実施例におけるピックアップ処理ルーチンとの異なるところは、
図14に示されるピックアップ処理ルーチンにおけるステップ57aの内容、即ち、
図15に示される自動運転車両2の待機場所からの出発時刻の算出処理だけである。更に、この
図15に示される自動運転車両2の待機場所からの出発時刻の算出処理において、
図12に示される自動運転車両2の待機場所からの出発時刻の算出処理と異なるのは、ステップ101aだけである。従って、
図14および
図15に示される第3実施例におけるピックアップ処理ルーチンについては、ステップ101aに関連する部分についてだけ説明する。
【0043】
即ち、
図15を参照すると、ステップ101aでは、ピックアップ場所5に向かう前にユーザが位置する基準場所およびユーザがこの基準場所からピックアップ場所5に向かい始める基準時刻が取得される。次いで、ステップ102では、これらの基準場所および基準時刻およびユーザの予測される徒歩速度に基づいて、ピックアップ場所5へのユーザの予測到着時刻が算出される。次いで、ステップ103では、電子制御ユニット40のメモリ43内に記憶されている地図情報等に基づいて、待機場所からピックアップ場所5までの自動運転車両2の走行時間が算出される。次いで、ステップ104では、自動運転車両2の待機場所からの出発時刻が算出される。自動運転車両2の待機場所からの出発時刻が算出されると、
図6に示されるピックアップ指令において、自動運転車両2に自動運転の開始指令が発せられ、自動運転車両2の自動運転が開始される。
【0044】
次に、本発明による第4実施例について説明する。この第4実施例は、ピックアップに関する優先度についてユーザが選択し得るようにした場合を示している。この場合、例えば、優先度が、最も優先度の高い優先度1と、次に優先度の高い優先度2と、最も優先度の低い優先度3とに分類されており、ユーザはいずれかの優先度を選択することになる。この場合、例えば、障害度の高いユーザは、優先度1を選択し、比較的障害度の低いユーザは、優先度2を選択し、障害のないユーザは、優先度3を選択する。
【0045】
一方、ピックアップ場所5でのユーザの待ち時間に関し、待ち時間なしを要求するユーザは、優先度1を選択し、比較的短い待ち時間を要求するユーザは、優先度2を選択し、待ち時間が比較的長くてもよいユーザは、優先度3を選択する。この場合には、例えば、ユーザに対しては、本発明による自動走行システムの利用料金が、優先度3,優先度2,優先度1の順で次第に高く設定され、或いは、優先度3および優先度2のユーザに対してポイントが付与されると共に優先度3のユーザ方が優先度2のユーザに比べて大きなポイントが付与される。この第4実施例では、ピックアップ時刻が重なったときには、優先度の高いユーザのピックアップ時刻が優先される。
【0046】
この第4実施例を実行するために用いられるピックアップの要求手法が
図16に示されており、第4実施例を実行するために用いられるピックアップ処理ルーチンが
図17に示されている。
図16に示されるピックアップの要求手法を参照すると、
図16に示されるピックアップの要求手法A1、A2、A3、A4、A5は、
図5に示される第1実施例におけるピックアップの要求手法A1、A2、A3、A4、A5と同一であり、
図16に示されるピックアップの要求手法と
図5に示されるピックアップの要求手法との異なるところは、
図16に示されるピックアップの要求手法では、要求手法A3aが追加されているだけである。従って、
図16に示されるピックアップの要求手法については、要求手法A3aについてだけ説明する。
図16に示されるように、この要求手法A3aでは、ユーザの優先度が登録される。
【0047】
一方、
図17に示されるピックアップ処理ルーチンのステップ50からステップ56は、
図5に示される第1実施例におけるピックアップ処理ルーチンのステップ50からステップ56と同一であり、
図11に示されるピックアップ処理ルーチンと
図5に示されるピックアップ処理ルーチンとの異なるところは、
図17に示されるピックアップ処理ルーチンにおけるステップ57aおよびステップ57bだけである。従って、
図17に示されるピックアップ処理ルーチンについては、ステップ57aおよびステップ57bについてだけ説明する。
【0048】
図17に示されるように、ステップ57aでは、ピックアップ時刻が重なる他のユーザの優先度、例えば、ピックアップ時刻が一定時間範囲内である他のユーザの優先度が検索される。次いで、ステップ57bでは、優先度に応じた自動運転車両2の待機場所からの出発時刻が算出される。例えば、他のユーザの優先度の方が高い場合には、待機場所からの出発時刻が、既に算出されている出発時刻よりも少し遅延された時刻とされる。ステップ57bにおいて自動運転車両2の待機場所からの出発時刻が算出されると、
図6に示されるピックアップ指令において、自動運転車両2に自動運転の開始指令が発せられ、自動運転車両2の自動運転が開始される。
【0049】
次に、
図18Aから
図19を参照しつつ、第4実施例の変形例について説明する。この変形例では、優先度の高いユーザに対して、乗車利便性の高いピックアップ場所の使用が優先される。このような乗車利便性の高いピックアップ場所の優先使用の一例について
図18A参照しつつ説明する。
図18Aにおいて、No.1およびNo.2は、ピックアップ場所における停車スペース6を示しており、No.1の停車スペース6の方がNo.2の停車スペース6よりも乗車利便性の高い場合、例えば、
図1に示される例において、No.1の停車スペース6の方がNo.2の停車スペース6よりも駅3に近い場合を示している。また、
図18Aにおいて、AおよびBは、停車スペース6に停車した自動運転車両を示しており、自動運転車両Aのユーザの優先度の方が自動運転車両Bのユーザの優先度よりも高い場合を示している。
【0050】
この変形例では、
図18Aの(1)で示されるように自動運転車両Bが乗車利便性の高いNo.1停車スペース6に停車し、自動運転車両Aが乗車利便性の低いNo.2停車スペース6に停車した場合には、
図18Aの(2)、(3)を経て
図18Aの(4)で示されるように、自動運転車両Aが乗車利便性の高いNo.1停車スペース6に停車するように、自動運転車両Bの前に移動せしめられる。この場合、
図18Aに示す例では、
図18Aの(2)に示されるように、自動運転車両Aが停車スペースRまで自動運転により後退せしめられ、次いで、
図18Aの(3)に示されるように、自動運転車両BがNo.2の停車スペース6まで自動運転により後退せしめられ、次いで、
図18Aの(4)に示されるように、自動運転車両AがNo.1の停車スペース6まで自動運転により前進せしめられる。
【0051】
一方、
図18Bは、No.1の停車スペース6およびNo.2の停車スペース6に加えて、No.2の停車スペース6よりも更に乗車利便性の低いNo.3の停車スペース6が存在しており、自動運転車両Aおよび自動運転車両Bに加えて、自動運転車両Bのユーザの優先度に比べてユーザの優先度の低い自動運転車両Cが、夫々、No.3の停車スペース6、No.2の停車スペース6、No.1の停車スペース6に停車している場合を示している。この例でも、
図18Bの(1)に示される状態から
図18Bの(2)に示される状態を経て
図18Bの(3)に示される状態となるように、各自動運転車両A,B,Cが自動運転により移動せしめられる。
【0052】
図19は、この変形例を実行するために走行管制サーバ10の電子制御ユニット40において実行される自動運転車両の移動処理ルーチンを示している。なお、このルーチンは、
図18Aに示される例を実行するためのルーチンを示しており、
図18Bに示される例を実行するためのルーチンも同様なルーチンとなる。
図19を参照すると、まず初めに、ステップ200において、ピックアップ場所に設置された、例えば、監視カメラの撮影画像データに基づいて、自動運転車両BがNo.1の停車スペース6に停車しかつ自動運転車両AがNo.2の停車スペース6に停車しているか否かが判別される。自動運転車両BがNo.1の停車スペース6に停車しかつ自動運転車両AがNo.2の停車スペース6に停車していないと判別されたときには処理サイクルを終了する。これに対し、自動運転車両BがNo.1の停車スペース6に停車しかつ自動運転車両AがNo.2の停車スペース6に停車していると判別されたときには、ステップ201に進む。
【0053】
ステップ201では、自動運転車両Aの目的地が停車スペースRとされ、次いで、ステップ202では、自動運転車両Aに対して
図7に示される自動運転制御が実行される。次いで、ステップ203では、自動運転が終了したか否か、即ち、停車スペースRへの自動運転車両Aの移動が終了したか否かが判別される。停車スペースRへの自動運転車両Aの移動が終了したと判別されたときには、ステップ204に進む。ステップ204では、自動運転車両Bの目的地がNo.2の停車スペース6とされ、次いで、ステップ205では、自動運転車両Bに対して
図7に示される自動運転制御が実行される。次いで、ステップ206では、自動運転が終了したか否か、即ち、No.2の停車スペース6への自動運転車両Bの移動が終了したか否かが判別される。No.2の停車スペース6への自動運転車両Bの移動が終了したと判別されたときには、ステップ207に進む。ステップ207では、自動運転車両Aの目的地がNo.1の停車スペース6とされ、次いで、ステップ208では、自動運転車両Aに対して
図7に示される自動運転制御が実行される。
【符号の説明】
【0054】
1 自宅
2 自動運転車両
3 駅
4 道路
5 ピックアップ場所
6 停車スペース
7 駐車スペース
8、9 監視カメラ
10 走行管制サーバ