(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】フィルムヒータ
(51)【国際特許分類】
H05B 3/84 20060101AFI20240709BHJP
H05B 3/20 20060101ALI20240709BHJP
H05B 3/03 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H05B3/84
H05B3/20 384
H05B3/03
(21)【出願番号】P 2021169582
(22)【出願日】2021-10-15
【審査請求日】2023-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 太郎
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-86712(JP,A)
【文献】特開平7-277151(JP,A)
【文献】特開2016-201343(JP,A)
【文献】特開平3-62492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/00~3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムヒータであって、
通電されることにより発熱するとともに光を透過する第1発熱部(31)と、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第2発熱部(32)と、を有する透明導電膜(30)と、
前記第1発熱部と接続されている第1接続部(411、421)と、前記第2発熱部および前記第1接続部と接続されている第2接続部(412、422)と、を有する第1電極(41、42)と、
前記第1接続部と対向しているとともに前記第1発熱部および前記第2発熱部と接続されている第2電極(42、41)と、
を備え、
前記第2発熱部を流れる電流の経路の長さ(H2)は、前記第1発熱部を流れる電流の経路の長さ(H1)よりも小さくなっており、
前記第2接続部の電気抵抗が前記第1接続部の電気抵抗よりも大きくなっており、
前記第2接続部は、
端部(510、530)と、
複数の第1延長部(511、531)と、
複数の第2延長部(512、532)と、
複数の第3延長部(513、533)と、
複数の第4延長部(514、534)と、
を含み、
前記端部は、前記第1接続部と接続されているとともに、前記第1接続部から一方向に延びており、
前記第1延長部は、前記端部が延びている方向と交差する方向に延びており、複数の前記第1延長部のうちの1つが前記端部と接続されており、
前記第2延長部は、前記第1延長部と接続されているとともに、前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びており、
前記第3延長部は、前記第2延長部と接続されているとともに、前記第2延長部が延びている方向と交差する方向に延びており、
前記第4延長部は、前記第3延長部および前記第1延長部と接続されているとともに、前記第3延長部が延びている方向と交差する方向に延びており、
前記端部、前記第1延長部、前記第2延長部、前記第3延長部および前記第4延長部により、前記第2接続部を流れる電流の経路の長さは、前記第1接続部を流れる電流の経路の長さよりも大きくなって
おり、
前記第1電極は、前記第1接続部および電源に接続されているリード部(415、417、425、427)をさらに有するフィルムヒータ。
【請求項2】
フィルムヒータであって、
通電されることにより発熱するとともに光を透過する第1発熱部(31)と、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第2発熱部(32)と、を有する透明導電膜(30)と、
前記第1発熱部と接続されている第1接続部(411、421)と、前記第2発熱部および前記第1接続部と接続されている第2接続部(412、422)と、を有する第1電極(41、42)と、
前記第1接続部と対向しているとともに前記第1発熱部および前記第2発熱部と接続されている第2電極(42、41)と、
を備え、
前記第2発熱部を流れる電流の経路の長さ(H2)は、前記第1発熱部を流れる電流の経路の長さ(H1)よりも小さくなっており、
前記第2接続部の電気抵抗が前記第1接続部の電気抵抗よりも大きくなっており、
前記第2接続部を流れる電流の方向と前記透明導電膜の面とに直交する方向における前記第2接続部の厚さは、前記第1接続部を流れる電流の方向と前記透明導電膜の面とに直交する方向における前記第1接続部の厚さよりも小さくなって
おり、
前記第1電極は、前記第1接続部および電源に接続されているリード部(415、417、425、427)をさらに有するフィルムヒータ。
【請求項3】
フィルムヒータであって、
通電されることにより発熱するとともに光を透過する第1発熱部(31)と、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第2発熱部(32)と、を有する透明導電膜(30)と、
前記第1発熱部と接続されている第1接続部(411、421)と、前記第2発熱部および前記第1接続部と接続されている第2接続部(412、422)と、を有する第1電極(41、42)と、
前記第1接続部と対向しているとともに前記第1発熱部および前記第2発熱部と接続されている第2電極(42、41)と、
を備え、
前記第2発熱部を流れる電流の経路の長さ(H2)は、前記第1発熱部を流れる電流の経路の長さ(H1)よりも小さくなっており、
前記第2接続部の電気抵抗が前記第1接続部の電気抵抗よりも大きくなっており、
前記第2接続部の導電率は、前記第1接続部の導電率よりも小さくなって
おり、
前記第1電極は、前記第1接続部および電源に接続されているリード部(415、417、425、427)をさらに有するフィルムヒータ。
【請求項4】
前記第2接続部を流れる電流の経路の長さは、前記第1接続部を流れる電流の経路の長さよりも大きくなっている請求項2または3に記載のフィルムヒータ。
【請求項5】
前記第2接続部を流れる電流の方向と前記透明導電膜の面とに直交する方向における前記第2接続部の厚さは、前記第1接続部を流れる電流の方向と前記透明導電膜の面とに直交する方向における前記第1接続部の厚さよりも小さくなっている請求項1または3に記載のフィルムヒータ。
【請求項6】
前記第2接続部の導電率は、前記第1接続部の導電率よりも小さくなっている請求項1または2に記載のフィルムヒータ。
【請求項7】
前記第2接続部を流れる電流の方向と直交する方向かつ前記透明導電膜の面が延びている方向における前記第2接続部の幅は、前記第1接続部を流れる電流の方向と直交する方向かつ前記透明導電膜の面が延びている方向における前記第1接続部の幅よりも小さくなっている請求項1ないし6のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルムヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、接続部と、バイパス部と、取出部とを有する電極と、矩形形状でない透明導電膜とを備えるフィルムヒータが知られている。この接続部は、ポートを介して透明導電膜の発熱部の内部との間で電流が流れるよう透明導電膜に接続される。バイパス部は、接続部に接続されるとともに、取出部を介して給電部に接続される。したがって、特許文献1に記載されたフィルムヒータでは、給電部から取出部、バイパス部、接続部およびポートを経由して透明導電膜に電流が流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたフィルムヒータの接続部の大きさは、バイパス部および取出部と比較して小さい。これにより、接続部の電力密度がバイパス部および取出部の電力密度と比較して大きくなることから、接続部の単位面積当たりの発熱量は、バイパス部および取出部の単位面積当たりの発熱量と比較して大きくなる。このため、接続部では、局所発熱が発生する。
【0005】
本開示は、透明導電膜の局所発熱を抑制するフィルムヒータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、フィルムヒータであって、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第1発熱部(31)と、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第2発熱部(32)と、を有する透明導電膜(30)と、第1発熱部と接続されている第1接続部(411、421)と、第2発熱部および第1接続部と接続されている第2接続部(412、422)と、を有する第1電極(41、42)と、第1接続部と対向しているとともに第1発熱部および第2発熱部と接続されている第2電極(42、41)と、を備え、第2発熱部を流れる電流の経路の長さ(H2)は、第1発熱部を流れる電流の経路の長さ(H1)よりも小さくなっており、第2接続部の電気抵抗が第1接続部の電気抵抗よりも大きくなっており、第2接続部は、端部(510、530)と、複数の第1延長部(511、531)と、複数の第2延長部(512、532)と、複数の第3延長部(513、533)と、複数の第4延長部(514、534)と、を含み、端部は、第1接続部と接続されているとともに、第1接続部から一方向に延びており、第1延長部は、端部が延びている方向と交差する方向に延びており、複数の第1延長部のうちの1つが端部と接続されており、第2延長部は、第1延長部と接続されているとともに、第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びており、第3延長部は、第2延長部と接続されているとともに、第2延長部が延びている方向と交差する方向に延びており、第4延長部は、第3延長部および第1延長部と接続されているとともに、第3延長部が延びている方向と交差する方向に延びており、端部、第1延長部、第2延長部、第3延長部および第4延長部により、第2接続部を流れる電流の経路の長さは、第1接続部を流れる電流の経路の長さよりも大きくなっており、第1電極は、第1接続部および電源に接続されているリード部(415、417、425、427)をさらに有するフィルムヒータである。
また、請求項2に記載の発明は、フィルムヒータであって、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第1発熱部(31)と、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第2発熱部(32)と、を有する透明導電膜(30)と、第1発熱部と接続されている第1接続部(411、421)と、第2発熱部および第1接続部と接続されている第2接続部(412、422)と、を有する第1電極(41、42)と、第1接続部と対向しているとともに第1発熱部および第2発熱部と接続されている第2電極(42、41)と、を備え、第2発熱部を流れる電流の経路の長さ(H2)は、第1発熱部を流れる電流の経路の長さ(H1)よりも小さくなっており、第2接続部の電気抵抗が第1接続部の電気抵抗よりも大きくなっており、第2接続部を流れる電流の方向と透明導電膜の面とに直交する方向における第2接続部の厚さは、第1接続部を流れる電流の方向と透明導電膜の面とに直交する方向における第1接続部の厚さよりも小さくなっており、第1電極は、第1接続部および電源に接続されているリード部(415、417、425、427)をさらに有するフィルムヒータである。
さらに、請求項3に記載の発明は、フィルムヒータであって、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第1発熱部(31)と、通電されることにより発熱するとともに光を透過する第2発熱部(32)と、を有する透明導電膜(30)と、第1発熱部と接続されている第1接続部(411、421)と、第2発熱部および第1接続部と接続されている第2接続部(412、422)と、を有する第1電極(41、42)と、第1接続部と対向しているとともに第1発熱部および第2発熱部と接続されている第2電極(42、41)と、を備え、第2発熱部を流れる電流の経路の長さ(H2)は、第1発熱部を流れる電流の経路の長さ(H1)よりも小さくなっており、第2接続部の電気抵抗が第1接続部の電気抵抗よりも大きくなっており、第2接続部の導電率は、第1接続部の導電率よりも小さくなっており、第1電極は、第1接続部および電源に接続されているリード部(415、417、425、427)をさらに有するフィルムヒータである。
【0007】
これにより、第2発熱部を流れる電流の経路の長さが第1発熱部を流れる電流の経路の長さよりも小さくなっているところ、第2発熱部にかかる電圧が第1発熱部にかかる電圧よりも小さくなる。このため、第1発熱部の電力密度と第2発熱部の電力密度とが同じになることから透明導電膜の局所発熱が抑制される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態のフィルムヒータ10は、図示しない車両に搭載されるカメラ、レーダ装置、Lidar、ヘッドライトおよびガラスに貼り付けられる。また、フィルムヒータ10は、発熱することにより、これらのものの解氷、融雪および防曇を行う。なお、Lidarは、Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Rangingの略である。
【0012】
具体的には、フィルムヒータ10は、
図1~
図6に示すように、透明絶縁体20、透明導電膜30、第1電極41および第2電極42を備える。なお、ここで、フィルムヒータ10の構成の説明をわかりやすくするため、図の紙面上側を単に上側と記載する。図の紙面下側を単に下側と記載する。図の紙面左側を単に左側と記載する。図の紙面右側を単に右側と記載する。
【0013】
透明絶縁体20は、ポリカーボネート等の樹脂で形成されていることにより、電気絶縁性を有する。
【0014】
透明導電膜30は、ITOまたはカーボンナノチューブ等で形成されていることにより、透明であるととともに導電性を有する。なお、ITOは、酸化インジウムスズの略称である。
【0015】
また、透明導電膜30は、面状に形成されているとともに透明絶縁体20に覆われている。さらに、透明導電膜30は、第1発熱部31、第2発熱部32および第3発熱部33を有する。
【0016】
第1発熱部31、第2発熱部32および第3発熱部33は、それぞれに電流が流れることにより熱を発生させる。第1発熱部31は、透明導電膜30の中央部分である。また、第2発熱部32は、第1発熱部31の左側と接続されている。さらに、第3発熱部33は、第1発熱部31の右側と接続されている。
【0017】
ここで、第1発熱部31を流れる電流の経路の長さを第1通電距離H1とする。また、第2発熱部32を流れる電流の経路の長さを第2通電距離H2とする。さらに、第3発熱部33を流れる電流の経路の長さを第3通電距離H3とする。そして、第2通電距離H2および第3長さは、第1通電距離H1よりも小さくなっている。また、第2通電距離H2は、第1発熱部31と第2発熱部32との境界部から左方向に向かうにつれて小さくなっている。さらに、第3通電距離H3は、第1発熱部31と第3発熱部33との境界部から右方向に向かうにつれて小さくなっている。また、第1発熱部31、第2発熱部32および第3発熱部33の左右方向の長さは、ほぼ同じになっている。なお、図において、第1発熱部31、第2発熱部32および第3発熱部33の境界部が模式的に二点鎖線で示されている。また、ここでは、第1通電距離H1は、第1発熱部31の上下方向の長さと同じになっている。第2通電距離H2は、第2発熱部32の上下方向の長さと同じになっている。第3通電距離H3は、第3発熱部33の上下方向の長さと同じになっている。
【0018】
第1電極41は、金、白金、銀、銅、アルミ等の金属で形成されている。また、第1電極41は、正極である。さらに、第1電極41は、第1接続部411、第2接続部412、第3接続部413、第1リード部415および第1端子部417を有する。
【0019】
第1接続部411は、第1発熱部31の上側と接続されているとともに左右方向に延びている。
【0020】
第2接続部412は、第2発熱部32の上側と接続されている。また、第2接続部412は、
図2に示すように、第1端部510、複数の第1延長部511、複数の第2延長部512、複数の第3延長部513および複数の第4延長部514を含む。
【0021】
第1端部510は、第1接続部411の左側と接続されているとともに、第1端部510と第1接続部411との境界部から左下方向に延びている。複数の第1延長部511のうち右側の第1延長部511は、第1端部510の左側と接続されている。また、第1延長部511は、左上方向に延びている。第2延長部512は、第1延長部511の上側と接続されているととともに、第2延長部512と第1延長部511との境界部から左下方向に延びている。第3延長部513は、第2延長部512の左側と接続されているとともに、第3延長部513と第2延長部512との境界部から右下方向に延びている。第4延長部514は、第3延長部513の下側および第1延長部511の下側と接続されているととともに、第4延長部514と第3延長部513との境界部から左下方向に延びている。したがって、第2接続部412は、これらの第1端部510、第1延長部511、第2延長部512、第3延長部513および第4延長部514によって蛇行形状になっている。また、これらにより、第2接続部412の全長は、第1接続部411の全長よりも長くなっている。なお、第1端部510、第1延長部511、第2延長部512、第3延長部513および第4延長部514は、互いに交差する方向に延びてもよい。
【0022】
また、第1端部510、第1延長部511、第2延長部512、第3延長部513および第4延長部514の幅は、第1接続部411の幅よりも小さくなっている。さらに、
図3に示すように、第1端部510、第1延長部511、第2延長部512、第3延長部513および第4延長部514の厚みは、第1接続部411の厚みと同じになっている。また、第2接続部412が第1接続部411と同じ材料で形成されているため、第2接続部412の導電率は、第1接続部411の導電率と同じになっている。
【0023】
第3接続部413は、第3発熱部33の上側と接続されている。また、第3接続部413は、
図4に示すように、第2端部520、複数の第5延長部521、複数の第6延長部522、複数の第7延長部523および複数の第8延長部524を含む。
【0024】
第2端部520は、第1接続部411の右側と接続されているとともに、第2端部520と第1接続部411との境界部から右下方向に延びている。複数の第5延長部521のうち左側の第5延長部521は、第2端部520の右側と接続されている。また、第5延長部521は、右上方向に延びている。第6延長部522は、第5延長部521の上側と接続されているととともに、第6延長部522と第5延長部521との境界部から右下方向に延びている。第7延長部523は、第6延長部522の右側と接続されているとともに、第7延長部523と第6延長部522との境界部から左下方向に延びている。第8延長部524は、第7延長部523の下側および第5延長部521の下側と接続されているととともに、第8延長部524と第7延長部523との境界部から右下方向に延びている。したがって、第3接続部413は、これらの第2端部520、第5延長部521、第6延長部522、第7延長部523および第8延長部524によって蛇行形状になっている。また、これらにより、第3接続部413の全長は、第1接続部411の全長よりも長くなっている。なお、第2端部520、第5延長部521、第6延長部522、第7延長部523および第8延長部524は、互いに交差する方向に延びてもよい。
【0025】
また、第2端部520、第5延長部521、第6延長部522、第7延長部523および第8延長部524の幅は、第1接続部411の幅よりも小さくなっている。さらに、第2端部520、第5延長部521、第6延長部522、第7延長部523および第8延長部524の厚みは、第1接続部411の厚みと同じになっている。また、第3接続部413が第1接続部411と同じ材料で形成されているため、第3接続部413の導電率は、第1接続部411の導電率と同じになっている。
【0026】
第1リード部415は、第1接続部411に接続されているとともに透明絶縁体20の縁に沿って延びている。第1端子部417は、第1リード部415および図示しない電源と接続されている。
【0027】
第2電極42は、金、白金、銀、銅、アルミ等の金属で形成されている。また、第2電極42は、負極である。さらに、第2電極42は、
図1に戻って、第4接続部421、第5接続部422、第6接続部423、第2リード部425および第2端子部427を有する。
【0028】
第4接続部421は、第1発熱部31の下側と接続されているとともに左右方向に延びている。
【0029】
第5接続部422は、第2発熱部32の下側と接続されている。また、第5接続部422は、
図5に示すように、第3端部530、複数の第9延長部531、複数の第10延長部532、複数の第11延長部533および複数の第12延長部534を含む。
【0030】
第3端部530は、第4接続部421の左側と接続されているとともに、第3端部530と第4接続部421との境界部から左上方向に延びている。複数の第9延長部531のうち右側の第9延長部531は、第3端部530の左側と接続されている。また、第9延長部531は、左下方向に延びている。第10延長部532は、第9延長部531の下側と接続されているとともに、第10延長部532と第9延長部531との境界部から左上方向に延びている。第11延長部533は、第10延長部532の左側と接続されているとともに、第11延長部533と第10延長部532との境界部から右上方向に延びている。第12延長部534は、第11延長部533の上側および第9延長部531の上側と接続されているとともに、第12延長部534と第11延長部533との境界部から左上方向に延びている。したがって、第5接続部422は、これらの第3端部530、第9延長部531、第10延長部532、第11延長部533および第12延長部534によって蛇行形状になっている。また、これらにより、第5接続部422の全長は、第4接続部421の全長よりも長くなっている。
【0031】
また、第3端部530、第9延長部531、第10延長部532、第11延長部533および第12延長部534の幅は、第4接続部421の幅よりも小さくなっている。さらに、第3端部530、第9延長部531、第10延長部532、第11延長部533および第12延長部534の厚みは、第4接続部421の厚みと同じになっている。また、第5接続部422が第4接続部421と同じ材料で形成されているため、第5接続部422の導電率は、第4接続部421の導電率と同じになっている。
【0032】
第6接続部423は、第3発熱部33の下側と接続されているとともに第4接続部421の右側と接続されている。また、第6接続部423は、
図6に示すように、第4端部540、複数の第13延長部541、複数の第14延長部542、複数の第15延長部543および複数の第16延長部544を含む。
【0033】
第4端部540は、第4接続部421の右側と接続されているとともに、第4端部540と第4接続部421との境界部から右上方向に延びている。複数の第13延長部541のうち左側の第13延長部541は、第4端部540の右側と接続されている。また、第13延長部541は、右下方向に延びている。第14延長部542は、第13延長部541の下側と接続されているとともに、第14延長部542と第13延長部541との境界部から右上方向に延びている。第15延長部543は、第14延長部542の右側と接続されているとともに、第15延長部543と第14延長部542との境界部から左上方向に延びている。第16延長部544は、第15延長部543の上側および第13延長部541の上側と接続されているとともに、第16延長部544と第13延長部541との境界部から右上方向に延びている。したがって、第6接続部423は、これらの第4端部540、第13延長部541、第14延長部542、第15延長部543および第16延長部544によって蛇行形状になっている。また、これらにより、第6接続部423の全長は、第4接続部421の全長よりも長くなっている。
【0034】
また、第4端部540、第13延長部541、第14延長部542、第15延長部543および第16延長部544の幅は、第4接続部421の幅よりも小さくなっている。さらに、第4端部540、第13延長部541、第14延長部542、第15延長部543および第16延長部544の厚みは、第4接続部421の厚みと同じになっている。また、第6接続部423は、第4接続部421と同じ材料で形成されているため、第6接続部423の導電率は、第4接続部421の導電率と同じになっている。
【0035】
第2リード部425は、第4接続部421に接続されているとともに透明絶縁体20の縁に沿って延びている。第2端子部427は、第2リード部425および図示しない電源と接続されている。
【0036】
以上のように、フィルムヒータ10は構成されている。このフィルムヒータ10による発熱により、図示しない車両に搭載されるカメラ、レーダ装置、Lidar、ヘッドライトおよびガラスの解氷および防曇が行われるととともに、透明導電膜30の局所発熱が抑制される。次に、このフィルムヒータ10による発熱について説明する。
【0037】
ここでは、第1電極41は、正極であって、第2電極42が負極である。このため、図示しない電源がフィルムヒータ10に電力を供給すると、図示しない電源から第1端子部417および第1リード部415を経由して、第1接続部411に電流が流れる。また、第1接続部411から第1発熱部31を経由して第4接続部421に電流が流れる。これにより、第1発熱部31は、発熱する。
【0038】
さらに、第1接続部411から第2接続部412に電流が流れる。また、第2接続部412から第2発熱部32および第5発熱部を経由して第4接続部421に電流が流れる。このため、第2発熱部32は、発熱する。
【0039】
ここで、第2接続部412の全長が第1接続部411の全長よりも長く、第2接続部412の幅が第1接続部411の幅よりも小さいことから、第2接続部412の電気抵抗は、第1接続部411の電気抵抗よりも大きい。したがって、第2接続部412から第2発熱部32に電流が流れるときの第2接続部412における電圧降下は、第2接続部412の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗以下であるときと比較して、大きくなる。また、第5接続部422の全長が第4接続部421の全長よりも長く、第5接続部422の幅が第4接続部421の幅よりも小さいことから、第5接続部422の電気抵抗は、第4接続部421の電気抵抗よりも大きい。よって、第2発熱部32から第5接続部422を経由して第4接続部421に電流が流れるときの第5接続部422における電圧降下は、第5接続部422の電気抵抗が第4接続部421の電気抵抗以下であるときと比較して、大きくなる。したがって、第2発熱部32にかかる電圧は、第1発熱部31にかかる電圧よりも小さくなる。よって、第2発熱部32による発熱量は、第1発熱部31による発熱量よりも小さくなる。したがって、第2発熱部32の単位面積あたりの発熱量は、第1発熱部31の単位面積当たりの発熱量と同じになっている。
【0040】
また、第1接続部411から第3接続部413に電流が流れる。さらに、第3接続部413から第3発熱部33および第6接続部423を経由して第4接続部421に電流が流れる。これにより、第3発熱部33は、発熱する。よって、第1発熱部31、第2発熱部32および第3発熱部33により、図示しない車両に搭載されるカメラ、レーダ装置、Lidar、ヘッドライトおよびガラスが加熱されることで、これらの解氷、融雪および防曇が行われる。
【0041】
ここで、第3接続部413の全長が第1接続部411の全長よりも長く、第3接続部413の幅が第1接続部411の幅よりも小さいことから、第3接続部413の電気抵抗は、第1接続部411の電気抵抗よりも大きい。したがって、第3接続部413から第3発熱部33に電流が流れるときの第3接続部413における電圧降下は、第3接続部413の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗以下であるときと比較して、大きくなる。また、第6接続部423の全長が第4接続部421の全長よりも長く、第6接続部423の幅が第4接続部421の幅よりも小さいことから、第6接続部423の電気抵抗は、第4接続部421の電気抵抗よりも大きい。よって、第3発熱部33から第6接続部423を経由して第4接続部421に電流が流れるときの第6接続部423における電圧降下は、第6接続部423の電気抵抗が第4接続部421の電気抵抗以下であるときと比較して、大きくなる。したがって、第3発熱部33にかかる電圧は、第1発熱部31にかかる電圧よりも小さくなる。よって、第3発熱部33による発熱量は、第1発熱部31による発熱量よりも小さくなる。したがって、第3発熱部33の単位面積あたりの発熱量は、第1発熱部31の単位面積当たりの発熱量と同じになっている。よって、第1発熱部31、第2発熱部32および第3発熱部33の単位面積当たりの発熱量と同じになっている。
【0042】
また、第4接続部421を流れた電流は、第2リード部425および第2端子部427を経由して図示しない電源に流れる。
【0043】
以上のように、フィルムヒータ10は、発熱する。次に、透明導電膜30の局所発熱が抑制されることについて説明する。
【0044】
フィルムヒータ10は、透明導電膜30と、第1電極41と、第2電極42と、を備える。透明導電膜30は、第1発熱部31と、第2発熱部32と、を有する。第1発熱部31は、通電されることにより発熱するとともに光を透過する。第2発熱部32は、通電されることにより発熱するとともに光を透過する。第1電極41は、第1接続部411と、第2接続部412と、を有する。第1接続部411は、第1発熱部31と接続されている。第2接続部412は、第2発熱部32および第1接続部411と接続されている。第2電極42は、第1接続部411と対向しているとともに、第1発熱部31および第2発熱部32と接続されている。また、透明導電膜30は、面状に形成されている。さらに、第2通電距離H2は、第1通電距離H1よりも小さくなっている。また、第2接続部412の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなっている。これにより、電流が第2接続部412を流れて第2発熱部32が発熱するときの第2接続部412における電圧降下が、第2接続部412の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗以下であるときと比較して大きくなる。これによって、第2発熱部32にかかる電圧は、第1発熱部31にかかる電圧よりも小さくなる。なお、第1通電距離H1は、第1発熱部31を流れる電流の経路の長さに対応する。第2通電距離H2は、第2発熱部32を流れる電流の経路の長さに対応する。また、第2接続部412の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなっている。これに対して、電流が第2接続部412を流れる方向の単位長さ当たりの第2接続部412の電気抵抗が、電流が第1接続部411を流れる方向の単位長さ当たりの第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなってもよい。
【0045】
ここで、単位面積当たりの電力である電力密度Wρは、下記関係式(1)のように表される。なお、Vは、電圧である。Rsは、透明導電膜30のシート抵抗である。シート抵抗は、単位面積当たりの電気抵抗である。Hは、透明導電膜30の面に平行かつ第1電極41から第2電極42に向かう方向における透明導電膜30の長さである。
【0046】
【0047】
そして、フィルムヒータ10では、第2通電距離H2が第1通電距離H1よりも小さくなっているところ、第2発熱部32にかかる電圧が第1発熱部31にかかる電圧よりも小さくなる。このため、第1発熱部31の電力密度Wρと第2発熱部32の電力密度Wρとが同じになることから、透明導電膜30の局所発熱が抑制される。また、透明導電膜30の局所発熱が抑制されるため、局所発熱によって消費されるエネルギが抑制される。したがって、電源からフィルムヒータ10へ余分に電力を供給する必要がなくなるため、フィルムヒータ10の消費電力が抑制される。
【0048】
また、フィルムヒータ10では、以下に記載する効果も奏する。
【0049】
[1-1]フィルムヒータ10は、透明導電膜30と、第1電極41と、第2電極42と、を備える。透明導電膜30は、上記と同様に、第1発熱部31と、第2発熱部32と、を有する。第1電極41は、透明導電膜30の上側に接続されている。第2電極42は、第4接続部421と、第5接続部422と、を有する。第4接続部421は、第1発熱部31のうち第1電極41とは反対側と接続されている。第5接続部422は、第2発熱部32および第4接続部421と接続されている。第5接続部422の電気抵抗が第4接続部421の電気抵抗よりも大きくなっている。これにより、電流が第5接続部422を流れて第2発熱部32が発熱するときの第5接続部422における電圧降下が、第5接続部422の電気抵抗が第4接続部421の電気抵抗以下であるときと比較して大きくなる。これによって、第2発熱部32にかかる電圧は、第1発熱部31にかかる電圧よりも小さくなる。なお、この場合、第1電極41は、第2電極に対応する。第2電極42は、第1電極に対応する。第4接続部421は、第1接続部に対応する。第5接続部422は、第2接続部に対応する。また、第5接続部422の電気抵抗が第4接続部421の電気抵抗よりも大きくなっている。これに対して、電流が第5接続部422を流れる方向の単位長さ当たりの第5接続部422の電気抵抗が、電流が第4接続部421を流れる方向の単位長さ当たりの第4接続部421の電気抵抗よりも大きくなってもよい。
【0050】
これにより、第2通電距離H2が第1通電距離H1よりも小さくなっているところ、第2発熱部32にかかる電圧が第1発熱部31にかかる電圧よりも小さくなる。このため、第1発熱部31の電力密度Wρと第2発熱部32の電力密度Wρとが同じになることから、透明導電膜30の局所発熱が抑制される。また、透明導電膜30の局所発熱が抑制されるため、局所発熱によって消費されるエネルギが抑制される。したがって、電源からフィルムヒータ10へ余分に電力を供給する必要がなくなるため、フィルムヒータ10の消費電力が抑制される。
【0051】
[1-2]第2接続部412を流れる電流の経路の長さが、第1接続部411を流れる電流の経路の長さよりも大きくなっている。これにより、第2接続部412の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなりやすくなる。
【0052】
[1-3]第2接続部412の幅が、第1接続部411の幅よりも小さくなっている。これにより、第2接続部412の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなりやすくなる。なお、第1接続部411の幅は、第1接続部411を流れる電流の方向と直交する方向かつ透明導電膜30の面が延びている方向の幅に対応する。第2接続部412の幅は、第2接続部412を流れる電流の方向と直交する方向かつ透明導電膜30の面が延びている方向の幅に対応する。
【0053】
[1-4]第1電極41は、第1リード部415および第1端子部417をさらに有する。第1リード部415は、第1接続部411に接続されている。第1端子部417は、第1リード部415および図示しない電源に接続されている。また、第1接続部411の電気抵抗は、第2接続部412の電気抵抗よりも小さい。これにより、第1リード部415が第2接続部412と接続されている場合と比較して、電源から第1端子部417、第1リード部415および第1接続部411を経由して第1発熱部31に電流が流れやすくなる。したがって、第1発熱部31が発熱しやすくなる。なお、第1リード部415および第1端子部417は、リード部に対応する。
【0054】
[1-5]第2電極42は、第2リード部425および第2端子部427をさらに有する。第2リード部425は、第4接続部421に接続されている。第2端子部427は、第2リード部425および図示しない電源に接続されている。第4接続部421は、第1発熱部31の下側と接続されている。また、第4接続部421の電気抵抗は、第5接続部422の電気抵抗よりも小さい。これにより、第2リード部425が第5接続部422と接続されている場合と比較して、第1発熱部31を流れた電流が第4接続部421、第2リード部425および第2端子部427を経由して電源に流れやすくなる。このため、第1発熱部31が発熱しやすくなる。なお、第2リード部425および第2端子部427は、リード部に対応する。
【0055】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1接続部411、第2接続部412、第3接続部413、第4接続部421、第5接続部422および第6接続部423の形態が異なっている。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0056】
第2接続部412の第1延長部511および第3延長部513は、
図7に示すように、第1接続部411の厚みよりも小さくなっている。同様に、第2接続部412の第1端部510、第2延長部512および第4延長部514の厚みは、第1接続部411の厚みよりも小さくなっている。
【0057】
また、第3接続部413の第2端部520、第5延長部521、第6延長部522、第7延長部523および第8延長部524の厚みは、第1接続部411の厚みよりも小さくになっている。
【0058】
さらに、第5接続部422の第3端部530、第9延長部531、第10延長部532、第11延長部533および第12延長部534の厚みは、第4接続部421の厚みよりも小さくになっている。
【0059】
また、第6接続部423の第4端部540、第13延長部541、第14延長部542、第15延長部543および第16延長部544の厚みは、第4接続部421の厚みよりも小さくになっている。
【0060】
さらに、第1接続部411、第2接続部412、第3接続部413、第4接続部421、第5接続部422および第6接続部423は、金、白金、銀、銅、アルミ等の金属が焼結されていることにより、形成されている。また、第2接続部412および第3接続部413は、第1接続部411の場合と比較して温度が低い状態で焼結されていることにより、形成されている。このため、第2接続部412および第3接続部413の気孔率が第1接続部411の気孔率よりも大きくなっていることから、第2接続部412および第3接続部413の導電率が第1接続部411の導電率よりも小さくなっている。また、第5接続部422および第6接続部423は、第4接続部421の場合と比較して温度が低い状態で焼結されていることにより、形成されている。このため、第5接続部422および第6接続部423の気孔率が第4接続部421の気孔率よりも大きくなっていることから、第5接続部422および第6接続部423の導電率が第4接続部421の導電率よりも小さくなっている。なお、第1接続部411が銀で形成されて、第2接続部412および第3接続部413がアルミで形成されていることにより、第2接続部412および第3接続部413の導電率が第1接続部411の導電率よりも小さくなっていてもよい。このように、第1接続部411と、第2接続部412および第3接続部413とが異なる材料で形成されていることにより、第2接続部412および第3接続部413の導電率が第1接続部411の導電率よりも小さくなっていてもよい。また、第4接続部421が銀で形成されて、第5接続部422および第6接続部423がアルミで形成されていることにより、第5接続部422および第6接続部423の導電率が第4接続部421の導電率よりも小さくなっていてもよい。このように、第4接続部421と、第5接続部422および第6接続部423とが異なる材料で形成されていることにより、第5接続部422および第6接続部423の導電率が第4接続部421の導電率よりも小さくなっていてもよい。
【0061】
このように、第2実施形態は、構成されている。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0062】
[2-1]第2接続部412を流れる電流の方向と透明導電膜30の面とに直交する方向における第2接続部412の厚さが、第1接続部411を流れる電流の方向と透明導電膜30の面とに直交する方向における厚さよりも小さくなっている。これにより、第2接続部412の電気抵抗は、第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなりやすくなる。
【0063】
[2-2]第2接続部412の導電率が第1接続部411の導電率よりも小さくなっている。これにより、第2接続部412の電気抵抗は、第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなりやすくなる。
【0064】
[2-3]第5接続部422を流れる電流の方向と透明導電膜30の面とに直交する方向における第5接続部422の厚さが、第4接続部421を流れる電流の方向と透明導電膜30の面とに直交する方向における厚さよりも小さくなっている。これにより、第5接続部422の電気抵抗は、第4接続部421の電気抵抗よりも大きくなりやすくなる。
【0065】
[2-4]第5接続部422の導電率が第4接続部421の導電率よりも小さくなっている。これにより、第5接続部422の電気抵抗は、第4接続部421の電気抵抗よりも大きくなりやすくなる。
【0066】
(第3実施形態)
第3実施形態では、透明導電膜30の形態が異なっている。これ以外は、第1実施形態と同様である。透明導電膜30は、
図8に示すように、三角形状に形成されている。このため、透明導電膜30の第1発熱部31は、例えば、五角形状に形成されている。また、透明導電膜30の第2発熱部32および第3発熱部33は、例えば、三角形状に形成されている。
【0067】
このように、第3実施形態は、構成されている、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0068】
(第4実施形態)
第4実施形態では、透明導電膜30の形態が異なっている。これ以外は、第1実施形態と同様である。透明導電膜30は、
図9に示すように、六角形状に形成されている。このため、第1発熱部31は、例えば、長方形形状に形成されている。また、第2発熱部32および第3発熱部33は、例えば、台形形状に形成されている。
【0069】
このように、第4実施形態は、構成されている、第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0070】
(第5実施形態)
第5実施形態では、透明導電膜30の形態が異なっている。これ以外は、第1実施形態と同様である。透明導電膜30は、
図10に示すように、楕円形状に形成されている。なお、透明導電膜30は、真円形状に形成されてもよい。
【0071】
このように、第5実施形態は、構成されている、第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0072】
(第6実施形態)
第6実施形態では、フィルムヒータ10の形態が異なる。フィルムヒータ10は、
図11に示すように、透明絶縁体20、透明導電膜30、第1電極41、第2電極42、第3電極43および第4電極44を備える。
【0073】
透明絶縁体20は、第1実施形態と同様に、形成されている。透明導電膜30は、第1発熱部31および第2発熱部32を有する。第1発熱部31および第2発熱部32は、長方形形状に形成されている。第1発熱部31の左側が第2発熱部32の右側と接続されている。また、第2通電距離H2は、第1通電距離H1よりも小さくなっている。さらに、第1発熱部31および第2発熱部32の左右方向の長さは、ほぼ同じになっている。
【0074】
第1電極41は、第1実施形態と同様に、金、白金、銀、銅等の金属で形成されている。また、第1電極41は、正極である。さらに、第1電極41は、第1電極用接続部419、第1リード部415および第1端子部417を有する。第1電極用接続部419は、第1発熱部31の上側に接続されている。第1リード部415は、第1電極用接続部419に接続されている。第1端子部417は、第1リード部415および図示しない電源に接続されている。
【0075】
第2電極42は、第1実施形態と同様に、金、白金、銀、銅等の金属で形成されている。また、第2電極42は、負極である。さらに、第2電極42は、第2電極用接続部429、第2リード部425および第2端子部427を有する。第2電極用接続部429は、第1発熱部31および第2発熱部32の下側と接続されている。第2リード部425は、第2電極用接続部429に接続されている。第2端子部427は、第2リード部425の第2電極用接続部429および図示しない電源と接続されている。
【0076】
第3電極43は、金、白金、銀、銅等の金属で形成されている。また、第3電極43は、第2発熱部32の上側と接続されている。第4電極44は、金、白金、銀、銅等の金属で形成されている。さらに、第4電極44は、第1電極用接続部419および第3電極43に接続されている。また、電流が流れる方向と直交する方向において、第4電極44の断面積は、第1電極41、第2電極42および第3電極43の断面積よりも小さくなっている。さらに、電流が流れる方向と直交する方向において、第1電極41、第2電極42および第3電極43の断面積は、同じになっている。
【0077】
以上のように、第6実施形態は、構成されている。次に、このフィルムヒータ10による発熱について説明する。
【0078】
ここでは、第1電極41は、正極であって、第2電極42が負極である。このため、図示しない電源がフィルムヒータ10に電力を供給すると、図示しない電源から第1端子部417および第1リード部415を経由して、第1電極用接続部419に電流が流れる。また、第1電極用接続部419から第1発熱部31を経由して第2電極用接続部429に電流が流れる。これにより、第1発熱部31は、発熱する。
【0079】
さらに、第1電極用接続部419から第4電極44、第3電極43および第2発熱部32を経由して第2電極用接続部429に電流が流れる。このため、第2発熱部32は、発熱する。よって、第1発熱部31および第2発熱部32により、図示しない車両に搭載されるカメラ、レーダ装置、Lidar、ヘッドライトおよびガラスが加熱されることで、これらの解氷、融雪および防曇が行われる。
【0080】
ここで、電流が流れる方向と直交する方向において、第4電極44の断面積は、第1電極41、第2電極42および第3電極43の断面積よりも小さくなっている。このため、第4電極44の電気抵抗は、第1電極41、第2電極42および第3電極43の電気抵抗よりも大きい。したがって、第1電極用接続部419から第4電極44、第3電極43および第2発熱部32を経由して第2電極用接続部429に電流が流れるときの第4電極44における電圧降下は、第4電極44の電気抵抗が第1電極41、第2電極42および第3電極43の電気抵抗以下であるときと比較して大きくなる。よって、第2発熱部32にかかる電圧は、第1発熱部31にかかる電圧よりも小さくなる。したがって、第2発熱部32による発熱量は、第1発熱部31による発熱量よりも小さくなる。よって、第2発熱部32の単位面積あたりの発熱量は、第1発熱部31の単位面積当たりの発熱量と同じになっている。
【0081】
また、第2電極用接続部429を流れた電流は、第2リード部425および第2端子部427を経由して図示しない電源に流れる。
【0082】
以上のように、フィルムヒータ10は、発熱する。第6実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0083】
(第7実施形態)
第7実施形態では、フィルムヒータ10の形態が異なる。フィルムヒータ10は、
図12に示すように、透明絶縁体20、透明導電膜30、第1電極41および第2電極42を備える。
【0084】
透明絶縁体20は、第1実施形態と同様に、形成されている。透明導電膜30は、第1発熱部31、第2発熱部32および第3発熱部33を有する。第1発熱部31は、台形形状に形成されている。第2発熱部32は、五角形形状に形成されている。第2発熱部32の左側と第1発熱部31の右側とが接続されている。第3発熱部33は、台形形状に形成されている。第3発熱部33の左側と第2発熱部32の右側とが接続されている。また、第2通電距離H2は、第1通電距離H1および第3通電距離H3よりも小さくなっている。さらに、第1発熱部31、第2発熱部32および第3発熱部33の左右方向の長さは、ほぼ同じになっている。
【0085】
第1電極41は、第1実施形態と同様に、金、白金、銀、銅等の金属で形成されている。また、第1電極41は、正極である。さらに、第1電極41は、第1接続部411、第2接続部412、第3接続部413、第1リード部415および第1端子部417を有する。
【0086】
第1接続部411は、第1発熱部31の上側と接続されている。第2接続部412は、第2発熱部32の上側と接続されているとともに、第1接続部411の右側と接続されている。第3接続部413は、第3発熱部33の上側と接続されているとともに、第2接続部412の右側と接続されている。また、第1接続部411、第2接続部412および第3接続部413の長さおよび幅は、同じになっている。さらに、第2接続部412の厚さは、第1接続部411および第3接続部413の厚さよりも薄くなっている。このため、第2接続部412の断面積が第1接続部411および第3接続部413の断面積よりも小さくなることから、第2接続部412の電気抵抗は、第1接続部411および第3接続部413の電気抵抗よりも大きくなっている。
【0087】
第1リード部415は、第1接続部411および第3接続部413と接続されている。第1端子部417は、第1リード部415および図示しない電源に接続されている。
【0088】
第2電極42は、第1実施形態と同様に、金、白金、銀、銅等の金属で形成されている。また、第2電極42は、負極である。さらに、第2電極42は、第4接続部421、第5接続部422、第6接続部423、第2リード部425および第2端子部427を有する。
【0089】
第4接続部421は、長方形形状に形成されている。また、第4接続部421は、第1発熱部31の下側と接続されているとともに左右方向に延びている。第5接続部422は、長方形形状に形成されている。さらに、第5接続部422は、第2発熱部32の下側および第4接続部421の右側と接続されている。第6接続部423は、長方形形状に形成されている。また、第6接続部423は、第3発熱部33の下側および第5接続部422の右側と接続されている。さらに、第4接続部421、第5接続部422および第6接続部423の長さおよび幅は、同じになっている。また、第5接続部422の厚さは、第4接続部421および第6接続部423の厚さよりも薄くなっている。このため、第5接続部422の断面積が第4接続部421および第6接続部423の断面積よりも小さくなることから、第5接続部422の電気抵抗は、第4接続部421および第6接続部423の電気抵抗よりも大きくなっている。
【0090】
第2リード部425は、第5接続部422に接続されている。第2端子部427は、第2リード部425および図示しない電源と接続されている。
【0091】
以上のように、第7実施形態は、構成されている。第7実施形態においても、上記[1-5]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0092】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0093】
上記第1実施形態では、第2接続部412の全長が第1接続部411の全長よりも長く、第2接続部412の幅が第1接続部411の幅よりも小さいことから、第2接続部412の電気抵抗は、第1接続部411の電気抵抗よりも大きい。これに対して、第2接続部412の全長が第1接続部411の全長よりも長く、第2接続部412の幅が第1接続部411の幅よりも小さいことから、第2接続部412の電気抵抗は、第1接続部411の電気抵抗よりも大きいことに限定されない。第2接続部412の全長が第1接続部411の全長よりも長いこと、第2接続部412の幅が第1接続部411の幅よりも小さいこと、第2接続部412の厚みが第1接続部411の厚みよりも小さいこと、第2接続部412の導電率が第1接続部411の導電率よりも小さいことの少なくとも1つにより、第2接続部412の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなっていてもよい。
【0094】
また、第3接続部413の全長が第1接続部411の全長よりも長く、第3接続部413の幅が第1接続部411の幅よりも小さいことから、第3接続部413の電気抵抗は、第1接続部411の電気抵抗よりも大きい。これに対して、第3接続部413の全長が第1接続部411の全長よりも長く、第3接続部413の幅が第1接続部411の幅よりも小さいことから、第3接続部413の電気抵抗は、第1接続部411の電気抵抗よりも大きいことに限定されない。第3接続部413の全長が第1接続部411の全長よりも長いこと、第3接続部413の幅が第1接続部411の幅よりも小さいこと、第3接続部413の厚みが第1接続部411の厚みよりも小さいこと、第3接続部413の導電率が第1接続部411の導電率よりも小さいことの少なくとも1つにより、第3接続部413の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きくなっていてもよい。
【0095】
また、第5接続部422の全長が第4接続部421の全長よりも長く、第5接続部422の幅が第4接続部421の幅よりも小さいことから、第5接続部422の電気抵抗は、第4接続部421の電気抵抗よりも大きい。これに対して、第5接続部422の全長が第4接続部421の全長よりも長く、第5接続部422の幅が第4接続部421の幅よりも小さいことから、第5接続部422の電気抵抗は、第4接続部421の電気抵抗よりも大きいことに限定されない。第5接続部422の全長が第4接続部421の全長よりも長いこと、第5接続部422の幅が第4接続部421の幅よりも小さいこと、第5接続部422の厚みが第4接続部421の厚みよりも小さいこと、第5接続部422の導電率が第4接続部421の導電率よりも小さいことの少なくとも1つにより、第5接続部422の電気抵抗が第4接続部421の電気抵抗よりも大きくなっていてもよい。
【0096】
また、第6接続部423の全長が第4接続部421の全長よりも長く、第6接続部423の幅が第4接続部421の幅よりも小さいことから、第6接続部423の電気抵抗は、第4接続部421の電気抵抗よりも大きい。これに対して、第6接続部423の全長が第4接続部421の全長よりも長く、第6接続部423の幅が第4接続部421の幅よりも小さいことから、第6接続部423の電気抵抗は、第4接続部421の電気抵抗よりも大きいことに限定されない。第6接続部423の全長が第4接続部421の全長よりも長いこと、第6接続部423の幅が第4接続部421の幅よりも小さいこと、第6接続部423の厚みが第4接続部421の厚みよりも小さいこと、第6接続部423の導電率が第4接続部421の導電率よりも小さいことの少なくとも1つにより、第6接続部423の電気抵抗が第4接続部421の電気抵抗よりも大きくなっていてもよい。
【0097】
上記第1実施形態では、第2接続部412および第3接続部413の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きい、かつ、第5接続部422および第6接続部423が第4接続部421の電気抵抗よりも大きい。これに対して、第2接続部412および第3接続部413の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きい、かつ、第5接続部422および第6接続部423が第4接続部421の電気抵抗よりも大きいことに限定されない。第2接続部412および第3接続部413の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗よりも大きい、かつ、第5接続部422および第6接続部423が第4接続部421の電気抵抗と同じであってもよい。
【0098】
第5接続部422および第6接続部423が第4接続部421の電気抵抗よりも大きい、かつ、第2接続部412および第3接続部413の電気抵抗が第1接続部411の電気抵抗が同じであってもよい。この場合、第2電極42は、第1電極に対応する。第4接続部421は、第1接続部に対応する。第5接続部422は、第2接続部に対応する。第2リード部425および第2端子部427は、リード部に対応する。
【0099】
上記実施形態では、第1電極41は、正極であって、第2電極42が負極である。これに対して、第1電極41は、負極であって、第2電極42が正極であってもよい。
【0100】
上記実施形態は、適宜組み合われてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 フィルムヒータ
30 透明導電膜
31 第1発熱部
32 第2発熱部
41 第1電極
411 第1接続部
412 第2接続部
42 第2電極