(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/57 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
H04N5/57
(21)【出願番号】P 2021536938
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 JP2020027788
(87)【国際公開番号】W WO2021020157
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】P 2019140676
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 宙士
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智博
(72)【発明者】
【氏名】三木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】全 真生
(72)【発明者】
【氏名】池山 哲夫
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/123292(WO,A1)
【文献】特開2018-093469(JP,A)
【文献】特開2009-302924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/57- 5/60
H04R 1/02- 1/04
H04R 7/02- 7/14
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号と音声信号を処理する信号処理部と、
前記映像信号に応じた映像を表示する板状のパネル部と、
前記パネル部の裏面側に配置され、前記音声信号に応じて前記パネル部を振動させる加振部と
を備え、
前記信号処理部は、
前記音声信号に基づいて、前記パネル部の発光量を抑制するための補正値を算出し、
算出した前記補正値に基づいて、前記映像信号のレベルを制御する
表示装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記加振部に出力する音声信号に応じた電力値に基づいて、前記補正値を算出する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、
前記電力値と
、前記表示装置の内部又は外部に設けられた温度センサにより計測された温度に基づいて、温度マップを生成し、
生成した前記温度マップに基づいて、前記補正値のゲインマップを生成し、
生成した前記ゲインマップに基づいて、前記映像信号のレベルを制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記信号処理部は、
生成した前記温度マップに基づいて、前記パネル部の発光量を抑制するための逆補正値を算出し、
算出した前記逆補正値に基づいて、前記ゲインマップを生成する
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記温度マップは、時間の経過に応じて、前記電力値に応じた温度上昇量が加算されるとともに、前記
温度に応じた放熱量が減算される
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記信号処理部は、前記ゲインマップに基づいて、前記パネル部の所定の領域ごとに、前記映像信号のレベルを制御する
請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記逆補正値は、前記パネル部における前記加振部が配置された部分に対応する領域の輝度を、前記加振部が配置されていない部分に対応する領域の輝度に合わせるためのゲインに応じた値である
請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記信号処理部は、
前記電力値を単位時間で積算した積算値に基づいて、温度マップを生成し、
生成した前記温度マップに基づいて、前記補正値のゲインマップを生成し、
生成した前記ゲインマップに基づいて、前記映像信号のレベルを制御する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
前記信号処理部は、前記ゲインマップに基づいて、前記パネル部の所定の領域ごとに、前記映像信号のレベルを制御する
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記加振部は、1又は複数の加振器を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記信号処理部は、コンテンツの映像信号と音声信号を処理する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
テレビ受像機として構成される
請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、表示装置に関し、特に、より確実に発熱による影響を抑制することができるようにした表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイの薄型軽量化が進んでいる。また、スピーカについても薄型軽量化が進み、コーン型スピーカに代わって、フラットパネルスピーカ(FPS:Flat Panel Speaker)を用いることが提案されている。さらに、フラットパネルスピーカにおける振動板として、表示パネルを用いることも提案されている。
【0003】
この種のディスプレイやスピーカでは、発熱が動作に影響を与える可能性があるため、その対策が必要になる。発熱の対策に関する技術としては、例えば、特許文献1乃至3に開示された技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第9807528号明細書
【文献】米国特許第8774419号明細書
【文献】特開2009-276744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した発熱の対策に関する技術では、表示パネルを振動板に用いたフラットパネルスピーカに関する対策としては十分ではなく、確実に発熱による影響を抑制することが求められていた。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より確実に発熱による影響を抑制することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の表示装置は、映像信号と音声信号を処理する信号処理部と、前記映像信号に応じた映像を表示する板状のパネル部と、前記パネル部の裏面側に配置され、前記音声信号に応じて前記パネル部を振動させる加振部とを備え、前記信号処理部は、前記音声信号に基づいて、前記パネル部の発光量を抑制するための補正値を算出し、算出した前記補正値に基づいて、前記映像信号のレベルを制御する表示装置である。
【0008】
本技術の一側面の表示装置においては、映像信号と音声信号を処理する信号処理部と、前記映像信号に応じた映像を表示する板状のパネル部と、前記パネル部の裏面側に配置され、前記音声信号に応じて前記パネル部を振動させる加振部とが設けられ、前記信号処理部によって、前記音声信号に基づいて、前記パネル部の発光量を抑制するための補正値が算出され、算出された前記補正値に基づいて、前記映像信号のレベルが制御される。
【0009】
なお、本技術の一側面の表示装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本技術を適用した表示装置の側面構成例を示す図である。
【
図2】本技術を適用した表示装置の背面構成例を示す図である。
【
図3】バックシャーシを取り外したときの表示装置の背面の構成例を示す図である。
【
図4】
図3のA-A線に応じた要部断面構成を示す図である。
【
図6】映像処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図7】音声処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図9】温度マップ生成処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図11】温度マップ作成処理の詳細を説明するフローチャートである。
【
図12】電力値から温度上昇量への変換方法の例を示す図である。
【
図13】温度マップの平面拡散の例を示す図である。
【
図15】温度マップとゲインマップとの関係の例を示す図である。
【
図16】加振器を複数設けた場合の表示装置の背面の構成例を示す図である。
【
図17】加振器を複数設けた場合の温度マップとゲインマップとの関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
【0012】
1.本技術の実施の形態
2.変形例
【0013】
<1.本技術の実施の形態>
【0014】
(表示装置の構成例)
図1は、本技術を適用した表示装置の一実施の形態の構成例として、表示装置1の側面構成例を示している。また、この表示装置1の背面構成例を、
図2に示している。
【0015】
表示装置1は、テレビ受像機等として構成される。表示装置1は、映像表示面10Aに映像を表示するとともに、映像表示面10Aから音声を出力する。すなわち、表示装置1は、フラットパネルスピーカを内蔵している。
【0016】
表示装置1は、映像を表示するとともに振動板としても機能するパネル部10と、パネル部10の裏面に配置されてパネル部10を振動させる加振部20とを備えている。表示装置1は、さらに、パネル部10及び加振部20を制御する信号処理部30と、パネル部10を回動部50を介して支持する支持部40とを備えている。
【0017】
加振部20及び信号処理部30は、パネル部10の裏面に配置されている。パネル部10は、パネル部10の裏面側に、加振部20、及び信号処理部30を保護するリアカバー10Rを有している。リアカバー10Rは、板状の金属板や樹脂板などによって構成され、回動部50に連結されている。
【0018】
図3は、リアカバー10Rを取り外したときの、表示装置1の背面の構成例を示している。
図3には、信号処理部30に相当する回路基板30Aが例示されている。また、
図3のA-A線に応じた要部断面構成例を、
図4に示している。なお、信号処理部30の詳細な構成は、
図5を参照して後述する。
【0019】
パネル部10は、映像を表示する薄板状の表示セル11と、空隙15を介して表示セル11と対向配置されたインナープレート12(対向プレート)と、バックシャーシ13とを有している。
【0020】
表示セル11の表面(加振部20とは反対側の表面)が映像表示面10Aとなっている。パネル部10は、さらに、表示セル11とインナープレート12との間に固定部材14を有している。
【0021】
固定部材14は、表示セル11の外縁に沿って配置され、表示セル11とインナープレート12を互いに固定する機能と、空隙15を維持するスペーサとしての機能を有している。
【0022】
インナープレート12は、加振器21を支持する基板である。インナープレート12は、加振器21を設置する箇所に、加振器用の開口を有している。
【0023】
バックシャーシ13は、インナープレート12よりも高い剛性を有しており、インナープレート12の撓みや振動を抑える役割を有している。また、バックシャーシ13は、インナープレート12の開口(加振器用の開口等)と対向する位置に開口を有している。バックシャーシ13に設けられた開口のうち、加振器用の開口と対向する位置に設けられた開口は、加振器21を挿通することが可能な大きさとなっている。
【0024】
加振部20は、加振器21を有している。加振器21は、表示セル11を裏面側から見たときに、左右方向においてほぼ中央に配置され、上下方向においてほぼ中央に配置されている。
【0025】
加振器21は、例えば、ボイスコイルと、当該ボイスコイルを巻き付けるボビンと、磁気回路とを有し、振動源となるスピーカ用のアクチュエータである。
【0026】
加振器21は、ボイスコイルに電気信号の音声電流が流れると、電磁作用の原理に従ってボイスコイルに駆動力を発生させる。この駆動力が後述の振動伝達部材24を介して表示セル11に伝達され、表示セル11に音声電流の変化に応じた振動を発生させ、空気が振動して音圧が変化する。
【0027】
加振部20は、加振器21に対して固定部23及び振動伝達部材24を有している。固定部23は、加振器21を挿通させた状態で固定する開口23aと、固定部23を凸部12Aに固定する際に使用するネジを挿通させるための複数のネジ穴23bを有している。加振器21は、固定部23を介して、インナープレート12に固定されている。
【0028】
振動伝達部材24は、例えば、表示セル11の裏面と、加振器21のボビンとに接しており、表示セル11の裏面と、加振器21のボビンとに固定されている。振動伝達部材24は、少なくとも、音波領域(20Hz以上)では反発する特性を有する部材によって構成されている。
【0029】
パネル部10は、表示セル11とインナープレート12との間に制振部材16を有している。制振部材16は、加振器21によって表示セル11に生じる振動が互いに干渉するのを妨げる作用を有する。
【0030】
パネル部10はさらに、インナープレート12とバックシャーシ13との間に配置された接着層18又は粘着層19を有する。接着層18又は粘着層19は、インナープレート12とバックシャーシ13とを互いに固定するための層である。
【0031】
(信号処理部の構成例)
図5は、信号処理部30の構成例を示している。
【0032】
図5において、信号処理部30は、チューナ31、映像デコーダ32、映像処理部33、音声デコーダ34、音声処理部35、温度センサ36、及び温度マップ生成部37を有している。
【0033】
チューナ31は、受信アンテナ(不図示)により受信された放送信号を処理して、ユーザにより選択されたチャンネルに応じた放送ストリームを抽出する。チューナ31は、抽出した放送ストリームのうち、映像ストリームを映像デコーダ32に出力し、音声ストリームを音声デコーダ34に出力する。
【0034】
映像デコーダ32は、チューナ31から入力される映像ストリームに対してデコード処理を行い、その処理の結果得られる映像信号を、映像処理部33に出力する。
【0035】
映像処理部33は、パネルドライバを含み、映像デコーダ32から入力される映像信号に基づいて、パネル部10(の表示セル11)を駆動する。これにより、パネル部10には、映像信号に応じた映像が表示される。
【0036】
音声デコーダ34は、チューナ31から入力される音声ストリームに対してデコード処理を行い、その結果得られる音声信号を、音声処理部35に出力する。
【0037】
音声処理部35は、音声デバイスドライバを含み、音声デコーダ34から入力される音声信号を増幅して、加振部20に出力することにより、加振部20(の加振器21)を駆動する。これにより、フラットパネルスピーカにおける振動板としてパネル部10(の表示セル11)が振動して、音声信号に応じた音声(音)が出力される。
【0038】
また、音声処理部35は、フラットパネルスピーカとして構成される加振部20で消費される電力に応じた電力値を算出し、温度マップ生成部37に出力する。
【0039】
温度センサ36は、表示装置1の内部又は外部に設けられる。温度センサ36は、周辺の温度(外気温)を計測し、その計測結果(周辺の温度の計測値)を、温度マップ生成部37に出力する。
【0040】
温度マップ生成部37は、音声処理部35から入力される電力値と、温度センサ36から入力される計測値に基づいて、温度マップを生成する。温度マップ生成部37は、温度マップに対応したゲインマップを生成し、映像処理部33に出力する。
【0041】
映像処理部33は、温度マップ生成部37から入力されるゲインマップに基づいて、映像信号のレベルを制御する。映像処理部33は、ゲインマップに応じてレベルが調整された映像信号に基づいて、パネル部10(の表示セル11)を駆動する。
【0042】
表示装置1は、以上のように構成される。
【0043】
(映像処理の流れ)
次に、
図6のフローチャートを参照して、
図5の映像処理部33により実行される映像処理の流れを説明する。
【0044】
映像処理部33には、映像デコーダ32からの映像信号が入力される(S11)。
【0045】
映像処理部33は、温度マップ生成部37からのゲインマップに応じて、パネル部10(の表示セル11)における所定の領域ごとに、当該領域に対応した映像信号にゲインをかける(S12)。これにより、所定の領域ごとに、映像信号のレベルが調整される。
【0046】
映像処理部33は、ゲインマップに応じてレベルが調整された映像信号を、パネル部10に出力することで、パネル部10(の表示セル11)を駆動する。
【0047】
以上、映像処理の流れを説明した。
【0048】
この映像処理では、加振部20(の加振器21)の発熱がパネル部10(の表示セル11)に伝わって、特定の領域の輝度が上昇して映像の画質に影響を及ぼす場合に、ゲインマップに応じて所定の領域ごとに映像信号にゲインをかけることで、特定の領域の輝度の上昇を抑制し(表示セル11の発光量を抑制し)、画面全体の領域の輝度がフラットになる(同一の映像信号であれば同一の輝度となる)ようにしている。これにより、加振部20の発熱による映像の画質への影響を抑えることができる。
【0049】
(音声処理の流れ)
次に、
図7のフローチャートを参照して、
図5の音声処理部35により実行される音声処理の流れを説明する。
【0050】
音声処理部35には、音声デコーダ34からの音声信号が入力される(S21)。
【0051】
音声処理部35は、フラットパネルスピーカを構成する加振部20における電力値を算出し、温度マップ生成部37に出力する(S22)。
【0052】
図8は、ステップS22の処理における電力値の算出方法の例を示している。
図8には、横軸を、音声処理部35から加振部20に出力する音声信号(出力信号)とし、縦軸を、加振部20における電力値としたときの、出力信号と電力値との関係を表したグラフC1が示されている。
【0053】
図8において、出力信号と電力値との関係が、所定の関数のグラフC1で表される場合には、当該関数の変数に出力信号に応じた値を代入して、その計算式を解くことで、出力信号から電力値を算出することができる。
【0054】
また、出力信号に対応する電力値を、ルックアップテーブル(LUT:Lookup Table)としてあらかじめ保持しておくことで、当該ルックアップテーブルを参照して、出力信号に対応した電力値を求めることができる。
【0055】
このように、加振部20における電力値は、所定の関数の計算式を解いたり、ルックアップテーブルを参照したりして求められる。ここでは、ルックアップテーブルをあらかじめ保持しておくことで、電力値として、より細かい値が設定可能となる。なお、電力値は、熱に換算可能な値であり、加振部20に流れる電流に応じた電流値や、電圧に応じた電圧値を含むものである。
【0056】
図7の説明に戻り、音声処理部35は、音声信号を増幅して、加振部20に出力することで、加振部20(の加振器21)を駆動する。
【0057】
以上、音声処理の流れを説明した。
【0058】
この音声処理では、加振部20(の加振器21)の発熱がパネル部10(の表示セル11)に伝わって、特定の領域の輝度が上昇して映像の画質に影響を及ぼす場合に、フラットパネルスピーカを構成する加振部20における電力値を温度マップ生成部37に出力することで、温度マップに応じたゲインマップが生成されるようにしている。
【0059】
(温度マップ生成処理の流れ)
次に、
図9のフローチャートを参照して、
図5の温度マップ生成部37により実行される温度マップ生成処理の流れを説明する。
【0060】
温度マップ生成部37には、音声処理部35からの電力値が入力される(S31)。
【0061】
温度マップ生成部37は、温度マップ作成処理を実行する(S32)。この温度マップ作成処理では、入力された電力値と、温度センサ36から取得される周辺温度に基づき、温度マップが生成される。温度マップ作成処理の詳細は、
図11乃至
図14を参照して後述する。
【0062】
ステップS32の処理により出力対象の温度マップが生成されると、処理は、ステップS33に進められる。
【0063】
温度マップ生成部37は、出力対象の温度マップから、パネル部10(の表示セル11)の発光量を抑制するための逆補正値を算出する(S33)。
【0064】
温度マップ生成部37は、算出した逆補正値から得られる補正値のゲインマップを、映像処理部33に出力する(S34)。
【0065】
図10は、ステップS33の処理における逆補正値の算出方法の例を示している。
図10には、横軸を、外気温との温度差とし、縦軸を、パネル部10の表示セル11の輝度(画面の明るさ)としたときの、外気温との温度差と輝度との関係を表したグラフC2が示されている。
【0066】
図10において、外気温との温度差と輝度との関係が、所定の関数のグラフC2で表される場合には、当該関数の変数に、例えば、パネル部10における加振部20(の加振器21)が設けられていない部分に応じた領域の温度差T11と、加振部20(の加振器21)が設けられた部分に応じた領域の温度差T12を、外気温との温度差を示す値として代入することができる。
【0067】
このとき、当該関数の変数に温度差T11を代入することで、輝度Lbaseが算出され、温度差T12を代入することで、輝度Lspが算出される。そして、輝度Lbaseと輝度Lspを、下記の式(1)に代入することで、パネル部10(の表示セル11)の発光量を抑制するための逆補正値として、補正値のゲインが求められる。
【0068】
Gain = Lbase / Lsp ・・・(1)
【0069】
すなわち、加振器21が発熱して表示セル11の温度が高くなると、その温度上昇に応じて表示セル11の輝度も高くなるため、表示セル11における加振器21が設けられた部分に応じた領域と、加振器21が設けられていない部分に応じた領域とで温度に差があると、それらの領域では、輝度差が出てくることになる。
【0070】
そのため、
図10の例では、加振器21が設けられた部分に応じた領域の輝度を、加振器21が設けられていない部分に応じた領域の輝度に合わせるために、上述した式(1)でゲインを求めている。そして、このゲインを補正値として用いて、映像信号のレベルを制御することで、加振器21が設けられた部分に応じた領域(輝度が上昇してしまう領域)における表示セル11の発光量が抑制され、輝度をフラットにすることができる。
【0071】
なお、ここでも、外気温との温度差に対応する輝度又はゲインを、ルックアップテーブルとしてあらかじめ保持しておくことで、当該ルックアップテーブルを参照して、輝度又はゲインを求めてもよい。
【0072】
このように、出力対象の温度マップにおける所定の領域(パネル部10の画面を所定の分割単位で分割した分割ブロック)ごとに、外気温との温度差に応じた逆補正値が算出され、所定の領域ごとの補正値(ゲイン)を含むゲインマップが生成される。
【0073】
以上、温度マップ生成処理の流れを説明した。
【0074】
この温度マップ生成処理では、加振部20(の加振器21)の発熱がパネル部10(の表示セル11)に伝わって、特定の領域の輝度が上昇して映像の画質に影響を及ぼす場合に、音声処理部35からの電力値に基づいた温度マップを生成して、当該温度マップに対応したゲインマップを、映像処理部33に出力することで、映像処理部33によってゲインマップに応じて所定の領域ごとに映像信号にゲインがかけられ、特定の領域の輝度の上昇が抑制されるようにしている。
【0075】
ここで、
図11のフローチャートを参照して、
図9のステップS32の処理に対応する温度マップ作成処理の詳細を説明する。
【0076】
温度マップ生成部37は、温度センサ36から出力される周辺温度(外気温)の計測値を取得する(S41)。
【0077】
ステップS41の処理で周辺温度の計測値が取得されると、処理は、ステップS42に進められる。
【0078】
温度マップ生成部37は、音声処理部35から入力された電力値を温度上昇量に変換し、その変換値を温度マップに加算する(S42)。
【0079】
図12は、ステップS42の処理における電力値から温度上昇量への変換方法の例を示している。
図12には、横軸を、加振部20における電力値とし、縦軸を、温度上昇量としたときの、電力値と温度上昇量との関係を表したグラフC3が示されている。
【0080】
図12において、電力値と温度上昇量との関係が、所定の関数のグラフC3で表される場合には、当該関数の変数に電力値を代入することで、電力値が温度上昇量に変換される。ここでは、温度マップにおける所定の領域(分割ブロック)ごとに、電力値に応じた温度上昇量が求められる。
【0081】
なお、ここでも、電力値に対応する温度上昇量を、ルックアップテーブルとしてあらかじめ保持しておくことで、当該ルックアップテーブルを参照して、電力値を温度上昇量に変換してもよい。このとき、周辺温度等に応じたルックアップテーブルを複数用意したり、あるいは、ルックアップテーブルに係数をかけたりしてもよい。
【0082】
図11の説明に戻り、ステップS42の処理で温度上昇量が温度マップに加算されると、処理は、ステップS43,S44に進められる。
【0083】
温度マップ生成部37は、電力値に応じた温度上昇量を加算した温度マップを、映像処理部33への出力対象にする(S43)。
【0084】
一方で、温度マップ生成部37では、温度マップにおいて注目している注目分割ブロックとその周辺の分割ブロックとの温度差から温度(熱)の平面拡散がなされ(S44)、外気温との温度差から放熱量が算出されて温度マップから減算される(S45)。
【0085】
図13は、ステップS44の処理における温度マップの平面拡散の例を示している。
図13では、パネル部10の画面を、縦方向と横方向に、5×7分割したときの35個の分割ブロック111のうち、中心の分割ブロック111(図中のドットパターンの領域)を注目分割ブロック111として、そこから8方向に延びる矢印で示すように、その周辺の8個の分割ブロック111に対し、温度差に応じた温度(熱)の平面拡散がなされている。
【0086】
この平面拡散に際しては、例えば、単位時間当たりの温度(熱)の平面方向への拡散量と、隣り合う分割ブロック111の温度差(注目分割ブロックとその周辺の分割ブロックとの温度差)が算出され、単位時間当たりの拡散量と隣り合う分割ブロック111の温度差に応じて、平面拡散の拡散量が算出される。
【0087】
図14は、ステップS45の処理における放熱量の算出方法の例を示している。
図14には、横軸を、外気温との温度差とし、縦軸を放熱量としたときの、外気温との温度差と放熱量との関係を表したグラフC4が示されている。
【0088】
図14において、外気温との温度差と放熱量との関係が、所定の関数のグラフC4で表される場合には、当該関数の変数に、外気温との温度差を代入することで、外気温との温度差に応じた放熱量が算出される。
【0089】
なお、ここでも、外気温との温度差に対応する放熱量を、ルックアップテーブルとしてあらかじめ保持しておくことで、当該ルックアップテーブルを参照して、外気温との温度差に応じた放熱量を求めてもよい。
【0090】
図11の説明に戻り、ステップS44,S45の処理で温度マップの平面拡散と放熱量の減算が行われると、処理は、ステップS42に戻される。そして、温度マップ生成部37では、電力値に応じた温度上昇量が、温度マップに加算され(S42)、当該温度マップが出力対象の温度マップとされる(S43)。
【0091】
このように、温度マップでは、時間の経過に応じて、加振部20における電力値に応じた温度上昇量が加算されるとともに、平面拡散と放熱量の減算が行われるため、単位時間ごとに、加振部20(の加振器21)の発熱による温度上昇だけでなく、外気温に応じた放熱量などの影響が加味された温度マップが生成され、出力対象の温度マップとされる。
【0092】
ステップS43の処理が終了すると、処理は、
図9のステップS32に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0093】
なお、
図11に示した温度マップ作成処理は一例であり、他の生成方法を用いて温度マップを生成してもよい。
【0094】
具体的には、
図11では、ステップS42,S44,S45のループ処理によって、温度上昇量の加算と、平面拡散と放熱量の減算を繰り返して、時系列で温度マップを生成していたが、このようなループ処理を行わずに、例えば、次のような生成方法を用いることができる。すなわち、温度マップ生成部37では、加振部20における電力値を単位時間で積算した積算値(積算電力)を算出し、この積算値に基づき、温度マップを生成してもよい。
【0095】
ここで、
図9のステップS32の処理で生成される出力対象の温度マップと、
図9のステップS34の処理で出力されるゲインマップとの関係を示すと、例えば、
図15に示すようになる。
【0096】
すなわち、
図9のステップS33の処理で、
図10に示した逆補正値の算出方法を適用することで、
図15のAの温度マップから、
図15のBのゲインマップが得られる。ただし、
図15のAでは、パネル部10(表示セル11)に対する加振部20(加振器21)の位置を、図中の破線の円に応じた位置Pで表している。
【0097】
図15のAにおいて、温度マップには、分割ブロック111ごとに、温度に応じた数値が記載されているが、
図15のAの例では、この数値が分割ブロック111ごとの上昇した温度を表している。
【0098】
この例では、加振部20の位置P、すなわち、パネル部10の中心付近の分割ブロック111ほど、温度の上昇が大きくなる(15,10,8,6等)一方で、パネル部10の周辺の分割ブロック111ほど、温度の上昇が小さくなる(0,1,2等)。
【0099】
図15のBにおいて、ゲインマップには、分割ブロック111ごとに、ゲインを示す数値が記載されている。この例では、
図15のAの温度マップに対し、
図10に示した逆補正値の算出方法を適用して、
図15のBのゲインマップにおける分割ブロック111ごとのゲインを求めている。
【0100】
この例では、加振部20の位置P、すなわち、パネル部10の中心付近の分割ブロック111ほど、ゲインの値が1.00から離れた値になる(0.77,0.87,0.84,0.91等)一方で、パネル部10の周辺の分割ブロック111ほど、ゲインの値が1.00に近い値になる(1.00,0.98,0.97等)。
【0101】
このように、パネル部10では、温度の上昇が大きくなる中心部ほど、ゲインの値が小さくなり(1.00から離れた値になり)、温度の上昇が小さくなる周辺部ほど、ゲインの値が大きくなる(1.00に近い値になる)。そのため、映像処理部33では、当該ゲインマップに応じて、分割ブロック111ごとに映像信号にゲインをかけることで、温度が高い領域の映像信号のレベルが下がって、当該領域の輝度の上昇が抑制され、画面全体の領域の輝度がフラットになる(同一の映像信号であれば同一の輝度となる)。
【0102】
具体的には、パネル部10の中心付近のゲインが0.77となる分割ブロック111と、パネル部10の周辺のゲインが1.00となる分割ブロック111に注目すれば、前者の分割ブロック111では映像信号のレベルが下げられるため、同一の映像信号が入力されれば、同一の輝度となる。これにより、加振部20の発熱による映像の画質への影響を抑えて、画質を向上させることができる。
【0103】
なお、
図15では、パネル部10の画面を5×7分割して、5×7の分割ブロック111ごとに、ゲインを算出したが、さらに細かい単位で分割して分割単位ごとにゲインを算出するなど、分割単位は任意に設定可能である。
【0104】
(加振器を複数設けた構成)
ところで、上述した説明では、加振部20において、1つの加振器21を設けた場合を例示したが、加振器21を複数設けることも可能である。
図16は、2つの加振器21を設けた場合の表示装置1の背面の構成例を示している。
【0105】
図16において、加振部20は、2つの加振器21a,21bを有している。加振器21a,21bは、上述した加振器21と同様の構成を有し、互いに共通の構成となっている。すなわち、加振器21a,21bは、例えば、ボイスコイルと、当該ボイスコイルを巻き付けるボビンと、磁気回路とを有し、震動源となるスピーカ用のアクチュエータである。
【0106】
表示セル11を裏側から見たときに、左右方向において、加振器21aは、左寄りに配置され、加振器21bは、右寄りに配置されている。また、上下方向においては、加振器21a,21bは、ほぼ中央に配置されている。
【0107】
2つの加振器21a,21bを設けた場合においても、1つの加振器21を設けた場合と同様に、温度マップ生成処理(
図9)が実行されるが、温度マップの分布が異なることが想定される。2つの加振器21a,21bを設けた場合における温度マップとゲインマップとの関係を示すと、例えば、
図17に示すようになる。
【0108】
すなわち、
図9のステップS33の処理で、
図10に示した逆補正値の算出方法を適用することで、
図17のAの温度マップから、
図17のBのゲインマップが得られる。ただし、
図17のAでは、パネル部10(表示セル11)に対する加振器21b,21aの位置を、図中の破線の円に応じた位置P1,P2で表している。
【0109】
図17のAにおいて、温度マップでは、分割ブロック111ごとに記載された数値により、分割ブロック111ごとの上昇した温度を表している。
【0110】
この例では、表示セル11の表面側から見た場合に、左寄りに配置された加振器21bの位置P1の中心付近の分割ブロック111ほど、温度の上昇が大きくなる(15,10,8,6等)一方で、位置P1の中心から離れた分割ブロック111ほど、温度の上昇は小さくなる(0,1,2等)。
【0111】
また、表示セル11の表面側から見た場合に、右寄りに配置された加振器21aの位置P2の中心付近の分割ブロック111ほど、温度の上昇が大きくなる(15,10,8,6等)一方で、位置P2の中心から離れた分割ブロック111ほど、温度の上昇は小さくなる(0,1,2等)。
【0112】
図17のBにおいて、ゲインマップには、分割ブロック111ごとに、ゲインを示す数値が記載されている。この例では、
図17のAの温度マップに対し、
図10に示した逆補正値の算出方法を適用して、
図17のBのゲインマップにおける分割ブロック111ごとのゲインを求めている。
【0113】
この例では、左寄りに配置された加振器21bの位置P1の中心付近の分割ブロック111ほど、ゲインの値が1.00から離れた値になる(0.77,0.87,0.84,0.91等)一方で、位置P1の中心から離れた分割ブロック111ほど、ゲインの値が1.00に近い値になる(1.00,0.98,0.97等)。
【0114】
また、右寄りに配置された加振器21aの位置P2の中心付近の分割ブロック111ほど、ゲインの値が1.00から離れた値になる(0.77,0.87,0.84,0.91等)一方で、位置P2の中心から離れた分割ブロック111ほど、ゲインの値が1.00に近い値になる(1.00,0.98,0.97等)。
【0115】
このように、パネル部10では、温度の上昇が大きくなる位置P1,P2の中心部ほど、ゲインの値が小さくなり(1.00から離れた値になり)、位置P1,P2の中心部から離れるほど、ゲインの値が大きくなる(1.00に近い値になる)。そのため、映像処理部33では、当該ゲインマップに応じて、分割ブロック111ごとに映像信号にゲインをかけることで、温度が高い領域の映像信号のレベルが下がって、当該領域の輝度の上昇が抑制され、画面全体の領域の輝度がフラットになる。これにより、加振部20の発熱による映像の画質への影響を抑えて、画質を向上させることができる。
【0116】
<2.変形例>
【0117】
上述した説明では、加振部20に、1つの加振器21を設けた場合(
図3)と、2つの加振器21a,21bを設けた場合(
図16)を特に例示したが、加振器21の数は、1つ又は2つに限らず、3以上の複数とすることができる。3つ以上の加振器21を設けた場合でも、温度マップ生成処理(
図9)を実行することで、3つ以上の加振器21に応じた温度マップを生成することができる。
【0118】
また、上述した説明では、振動源となるスピーカ用のアクチュエータである加振器21が、ボイスコイルを含み、当該ボイスコイルに電気信号の音声電流が流れると、電磁作用の原理に従ってボイスコイルに駆動力が発生するとして説明したが、加振器21は、ボイスコイルに限らず、電圧アクチュエータ等の他のアクチュエータを用いてもよい。
【0119】
他のアクチュエータを用いた場合においても、当該他のアクチュエータによる発熱が動作に影響を与えることが想定されるが、本技術を適用することで、その発熱による影響を抑制することができる。
【0120】
上述した説明では、表示装置1がテレビ受像機である場合を例示したが、それに限らず、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、ゲーム機、ディスプレイ装置などの電子機器であってもよい。さらには、表示装置1は、デジタルサイネージ、医療用モニタ、放送局向けの業務用モニタ(プロフェッショナル用モニタ)、車載用のディスプレイなどであってもよい。
【0121】
また、表示装置1においては、パネル部10として、自発光素子を含む画素を2次元状に配置した表示パネルであるOLED(Organic Light Emitting Diode)表示部や、画素にLEDを用いたCLED(Crystal Light Emitting Diode)表示部や、液晶素子及びTFT(Thin Film Transistor)素子を含む画素を2次元状に配置した表示パネルである液晶表示部などを用いることができる。
【0122】
さらに、表示装置1では、所定の通信方式に対応した通信回路(通信モジュール)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)や、USB(Universal Serial Bus)等の所定の規格に準拠したインターフェースなどを設けてもよい。これにより、表示装置1では、チューナ31を介して受信される放送コンテンツに限らず、インターネット等の通信網を介して動画配信サービス(OTT(Over The Top)サービス等)によりストリーミング配信される通信コンテンツや、録画機(録画再生機)により録画された録画コンテンツが再生される。
【0123】
また、
図5の信号処理部30が、信号処理装置として単独の装置として構成されるようにしてもよい。このとき、当該信号処理装置は、チューナ31、映像デコーダ32、音声デコーダ34、又は温度センサ36などの一部の構成要素を含めない構成としてもよいし、あるいは他の構成要素を含めた構成としてもよい。
【0124】
なお、温度センサ36は、表示装置1の内部又は外部に限らず、パネル部10(表示セル11)に組み込まれていてもよい。
【0125】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0126】
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0127】
(1)
映像信号と音声信号を処理する信号処理部と、
前記映像信号に応じた映像を表示する板状のパネル部と、
前記パネル部の裏面側に配置され、前記音声信号に応じて前記パネル部を振動させる加振部と
を備え、
前記信号処理部は、
前記音声信号に基づいて、前記パネル部の発光量を抑制するための補正値を算出し、
算出した前記補正値に基づいて、前記映像信号のレベルを制御する
表示装置。
(2)
前記信号処理部は、前記加振部に出力する音声信号に応じた電力値に基づいて、前記補正値を算出する
前記(1)に記載の表示装置。
(3)
前記信号処理部は、
前記電力値とその周辺の周辺温度に基づいて、温度マップを生成し、
生成した前記温度マップに基づいて、前記補正値のゲインマップを生成し、
生成した前記ゲインマップに基づいて、前記映像信号のレベルを制御する
前記(2)に記載の表示装置。
(4)
前記信号処理部は、
生成した前記温度マップに基づいて、前記パネル部の発光量を抑制するための逆補正値を算出し、
算出した前記逆補正値に基づいて、前記ゲインマップを生成する
前記(3)に記載の表示装置。
(5)
前記温度マップは、時間の経過に応じて、前記電力値に応じた温度上昇量が加算されるとともに、前記周辺温度に応じた放熱量が減算される
前記(3)又は(4)に記載の表示装置。
(6)
前記信号処理部は、前記ゲインマップに基づいて、前記パネル部の所定の領域ごとに、前記映像信号のレベルを制御する
前記(3)乃至(5)のいずれかに記載の表示装置。
(7)
前記逆補正値は、前記パネル部における前記加振部が配置された部分に対応する領域の輝度を、前記加振部が配置されていない部分に対応する領域の輝度に合わせるためのゲインに応じた値である
前記(4)に記載の表示装置。
(8)
前記信号処理部は、
前記電力値を単位時間で積算した積算値に基づいて、温度マップを生成し、
生成した前記温度マップに基づいて、前記補正値のゲインマップを生成し、
生成した前記ゲインマップに基づいて、前記映像信号のレベルを制御する
前記(2)に記載の表示装置。
(9)
前記信号処理部は、前記ゲインマップに基づいて、前記パネル部の所定の領域ごとに、前記映像信号のレベルを制御する
前記(8)に記載の表示装置。
(10)
前記加振部は、1又は複数の加振器を有する
前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の表示装置。
(11)
前記信号処理部は、コンテンツの映像信号と音声信号を処理する
前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の表示装置。
(12)
テレビ受像機として構成される
前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の表示装置。
【符号の説明】
【0128】
1 表示装置, 10 パネル部, 11 表示セル, 20 加振部, 21,21a,21b 加振器, 30 信号処理部, 31 チューナ, 32 映像デコーダ, 33 映像処理部, 34 音声デコーダ, 35 音声処理部, 36 温度センサ, 37 温度マップ生成部, 40 支持部, 50 回動部