IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧

特許7517392撮像装置、撮像処理方法および撮像システム
<>
  • 特許-撮像装置、撮像処理方法および撮像システム 図1
  • 特許-撮像装置、撮像処理方法および撮像システム 図2
  • 特許-撮像装置、撮像処理方法および撮像システム 図3
  • 特許-撮像装置、撮像処理方法および撮像システム 図4
  • 特許-撮像装置、撮像処理方法および撮像システム 図5
  • 特許-撮像装置、撮像処理方法および撮像システム 図6
  • 特許-撮像装置、撮像処理方法および撮像システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像処理方法および撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20240709BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240709BHJP
   H04N 23/53 20230101ALI20240709BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240709BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20240709BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20240709BHJP
【FI】
H04N23/63
H04N23/63 330
H04N23/60 500
H04N23/63 300
H04N23/53
G03B17/18
G02B7/28 N
G03B13/36
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022199171
(22)【出願日】2022-12-14
(62)【分割の表示】P 2021142871の分割
【原出願日】2014-01-16
(65)【公開番号】P2023026470
(43)【公開日】2023-02-24
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大庭 裕二
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-133681(JP,A)
【文献】特開2005-341241(JP,A)
【文献】特開2012-114541(JP,A)
【文献】特開2004-312278(JP,A)
【文献】特開2011-130275(JP,A)
【文献】特許第5250146(JP,B1)
【文献】特開2006-067044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
G03B 13/36
G03B 17/18 -17/20
G02B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4K解像度以上の撮像信号を出力する撮像部と、
前記撮像信号の画枠に対応する第1の表示用画像信号を使用者が撮像時に視認可能な第1の表示部に出力する第1の出力部と、
前記撮像信号に基づく複数の画像信号の中から選択された1つの画像信号を第2の表示用画像信号として前記使用者が撮像時に視認可能な第2の表示部に出力する第2の出力部と、を備え、
前記複数の画像信号は外部装置から受信したリターン信号を含む
撮像装置。
【請求項2】
前記複数の画像信号は、前記撮像信号の画枠の一部を切り出して得られた画像信号を含む
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像信号の画枠の一部を切り出して得られた画像信号は、前記第1の表示用画像信号による画像の一部を拡大した画像を表示するための画像信号であり、解像度のコンバート変換の処理が行われていない画像信号である
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像信号の画枠と、前記第1の表示用画像信号の画枠は同一画枠である
請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の表示用画像信号は、前記撮像信号をダウンコンバートして得られる画像信号である
請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記リターン信号は、オンエア画像を表示するための画像信号を含む
請求項1乃至5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記リターン信号は、前記第1の表示用画像信号による画像、または前記第1の表示用画像信号による画像の一部、にフォーカス合わせの場所を示す表示が含まれる画像を表示するための画像信号を含む
請求項1乃至6のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記リターン信号は、前記撮像信号の撮像状態を示す情報、または他の撮像装置の撮像状態を示す情報、を含む画像を表示するための画像信号を含む
請求項1乃至7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮像信号の画枠の一部に対応する拡大画像を表示するための画像信号を生成する拡大処理部をさらに備え、
前記複数の画像信号は、前記拡大処理部から得られる画像信号を含む
請求項1乃至8のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記拡大画像は、前記撮像信号の画枠の一部を切り出して得られた画像信号である
請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記撮像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め設定される色または特定輝度パターンで示す画像を表示するための画像信号を生成するレベル表示処理部をさらに備え、
前記複数の画像信号は、前記レベル表示処理部から得られる画像信号を含む
請求項1乃至10のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項12】
前記撮像信号の撮像状態を示す情報を含む画像を表示するための画像信号を生成するステータス生成モジュール部をさらに備え、
前記複数の画像信号は、前記ステータス生成モジュール部により得られる画像信号を含む
請求項1乃至11のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第1の表示部と、
前記第2の表示部と、をさらに備える、
請求項1乃至12のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項14】
4K解像度以上の撮像信号を出力するステップと、
前記撮像信号の画枠に対応する第1の表示用画像信号を使用者が撮像時に視認可能な第1の表示部に出力するステップと、
前記撮像信号に基づく複数の画像信号の中から選択された1つの画像信号を第2の表示用画像信号として前記使用者が撮像時に視認可能な第2の表示部に出力するステップと、を有し、
前記複数の画像信号は外部装置から受信したリターン信号を含む
撮像処理方法。
【請求項15】
撮像装置と外部装置とを有する撮像システムであり、
前記撮像装置は、
4K解像度以上の撮像信号を出力する撮像部と、
前記撮像信号の画枠に対応する第1の表示用画像信号を使用者が撮像時に視認可能な第1の表示部に出力する第1の出力部と、
前記撮像信号に基づく複数の画像信号の中から選択された1つの画像信号を第2の表示用画像信号として前記使用者が撮像時に視認可能な第2の表示部に出力する第2の出力部と、を備え、
前記複数の画像信号は外部装置から受信したリターン信号を含む
撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、撮像装置、撮像処理方法および撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ装置における撮像情報の表示として、例えば、レンズフォーカス状態の表示がある。従来、その表示方法として、撮像画像の高域周波数成分を強調して表示することが知られている。あるいは、その表示方法として、任意の必要なエリアを拡大スケーリングして、レンズの焦点状態を撮影者に伝えることが知られている。しかし、これらの表示方法の場合、1つの表示器において、撮像本線信号と切り替えて表示するため、撮像本線信号の真の状態を常時確認することはできなかった。また、従来、本線画像と拡大画像とを組み合わせて1画面に表示する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この場合、1画面内の表示であり、真の本線画像の同時確認はできていない。
【0003】
また、カメラ装置における撮像情報の表示として、例えば、撮像信号の輝度レベルの表示がある。この表示に関しても、予め指定したレベルの領域を色や特定の画像に置き換えて識別させているが、撮像本線を常時確認することはできない。
【0004】
また、カメラ装置における撮像情報の表示として、例えば、撮像時のステータス情報の表示がある。この表示に関して、従来は、例えば、撮像時のステータス情報を撮像画像の表示画面の上下部に文字として重畳する場合が多いが、重畳部は画像を隠してしまうため、撮像に支障を生じさせる場合もあった。
【0005】
また、従来、複数のカメラ装置を使って任意のカメラ装置の画像をオンエア(ON AIR)画像とするシステムの場合、オンエア画像をリターン画像として各々のカメラ装置に伝送して確認できるようになっている。この場合も、撮像装置側で表示するための表示器は1つであり、信号を切り替える必要があり、長時間オンエア画像を確認しながらの操作は不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-034173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本技術の目的は、撮像本線信号の確認表示に影響を与えることなく、撮像する際に有効となる情報を表示可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の概念は、
撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号を出力する第1の出力部と、
撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号を出力する第2の出力部を備える
カメラ装置にある。
【0009】
本技術において、第1の出力部により、撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号が出力される。また、第2の出力部により、撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号が出力される。例えば、第1の画像信号および第2の画像信号は、自装置で生成される、および/または、カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる、ようにされてもよい。
【0010】
また、例えば、第2の画像は、第1の画像の一部に対応した拡大画像である、ようにされてもよい。この場合、例えば、撮像画像信号は4K解像度の画像信号であり、第1の画像信号は、撮像画像信号にダウンコンバート処理を施して得られた、撮像画像信号と同一画枠のHD解像度の画像信号であり、第2の画像信号は、撮像画像信号から一部を切り出して得られたHD解像度の画像信号である、ようにされてもよい。
【0011】
また、例えば、第2の画像は、第1の画像のうち撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターンで示す画像である、ようにされてもよい。また、例えば、第2の画像は、撮像状態を示す情報を含む画像である、ようにされてもよい。また、例えば、第2の画像は、オンエア画像である、ようにされてもよい。
【0012】
また、例えば、第2の画像信号は、カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる画像信号であり、第2の画像は、第1の画像または第1の画像の一部に対応した拡大画像にフォーカス合わせの場所を示す表示が含まれた画像である、ようにされてもよい。
【0013】
また、撮像画像信号を処理して第1の画像信号を得る標準処理部と、カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる第1の画像信号を受信する信号受信部と、標準処理部で得られた第1の画像信号または信号受信部で受信された第1の画像信号を選択的に取り出して第1の出力部に送る第1のセレクタをさらに備える、ようにされてもよい。この場合、例えば、第1のセレクタは、カメラコントロールユニットからの第1のセレクタのコントロール信号があるとき、このコントロール信号に基づいて切り替えが制御される、ようにされてもよい。
【0014】
また、例えば、複数の第2の画像信号からいずれか一つの第2の画像信号を取り出して第2の出力部に送る第2のセレクタをさらに備える、ようにされてもよい。この場合、例えば、第2のセレクタは、拡大処理部で得られた第2の画像信号、レベル表示処理部で得られた第2の画像信号、ステータス生成モジュールで得られた第2の画像信号または信号受信部で受信された第2の画像信号を選択的に取り出して第2の出力部に送る、ようにされてもよい。そして、この場合、第2のセレクタは、カメラコントロールユニットからの第2のセレクタのコントロール信号があるとき、このコントロール信号に基づいて切り替えが制御される、ようにされてもよい。
【0015】
ここで、拡大処理部で得られる第2の画像信号は、撮像画像信号を処理して第1の画像の一部に対応した拡大画像を第2の画像として表示するための画像信号である。また、レベル表示処理部で得られる第2の画像信号は、撮像画像信号を処理して、第1の画像のうち撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターンで示す画像を第2の画像として表示するための画像信号である。また、ステータス生成モジュールで得られる第2の画像信号は、撮像状態を示す情報を含む画像を第2の画像として表示するための画像信号である。また、信号受信部で受信される第2の画像信号は、カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる画像信号である。
【0016】
このように本技術においては、撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号を出力すると共に、撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号を出力するものである。そのため、撮像本線信号の確認表示に影響を与えることなく、撮像する際に有効となる情報を表示することが可能となる。
【0017】
また、本技術の他の概念は、
カメラ本体と、
上記カメラ本体に、使用者が同時に監視可能な状態で取り付けられた2つの表示器を備え、
上記カメラ本体は、
撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号を出力して上記2つの表示器の一方に供給する第1の出力部と、
撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号を出力して上記2つの表示器の他方に供給する第2の出力部を有する
カメラ装置にある。
【0018】
本技術は、カメラ本体に、使用者が同時に監視可能な状態で2つの表示器が取り付けられているものである。そして、このカメラ本体は、第1の出力部および第2の出力部を有するものである。例えば、2つの表示器は、いずれも解放タイプの表示器である、ようにされてもよい。また、例えば、2つの表示器は、覗きタイプの表示器および解放タイプの表示器である、ようにされてもよい。
【0019】
カメラ本体の第1の出力部により、撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号が出力されて2つの表示器の一方に供給される。また、カメラ本体の第2の出力部により、撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号が出力されて2つの表示器の他方に供給される。
【0020】
例えば、カメラ本体は、2つの表示器が覗きタイプの表示器および解放タイプの表示器であり、第2の画像が第1の画像の一部に対応した拡大画像であるとき、第2の出力部から出力される第2の画像信号を、覗きタイプの表示器に供給する、ようにされてもよい。また、例えば、カメラ本体は、2つの表示器が覗きタイプの表示器および解放タイプの表示器であり、第2の画像が第1の画像のうち撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターンで示す画像であるとき、第2の出力部から出力される第2の画像信号を、解放タイプの表示器に供給する、ようにされてもよい。
【0021】
このように本技術においては、カメラ本体から撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号を出力して2つの表示器の一方に供給すると共に、撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号を出力して2つの表示器の他方に供給するものである。そのため、撮像本線信号の確認表示に影響を与えることなく、撮像する際に有効となる情報を表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本技術によれば、撮像本線信号の確認表示に影響を与えることなく、撮像する際に有効となる情報を表示可能となる。なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施の形態としてのカメラ装置の基本構成を示す図である。
図2】実施の形態としてのカメラ装置のカメラ本体の内部モジュール構成例を示す図である。
図3】制御部における第1のセレクタ、第2のセレクタの切り替え制御処理の一例を示すフローチャートである。
図4】カメラ内部信号使用時における表示器の表示の一例を示す図である。
図5】リターン信号使用時における表示器の表示の一例を示す図である。
図6】2つの表示器のタイプ(解放タイプ、覗きタイプ)を説明するための図である。
図7】2つの表示器の一方が解放タイプで他方が覗きタイプである場合における表示器の具体的な配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0025】
<1.実施の形態>
[カメラ装置の構成例]
図1は、実施の形態としてのカメラ装置10の構成例を示している。このカメラ装置10は、カメラ本体100と、撮像レンズ200と、2つの表示器301,302からなっている。撮像レンズ200は、カメラ本体100の前部のレンズマウント部(図示せず)に取り付けられている。2つの表示器301,302は、使用者(カメラマン)が同時に監視可能な状態でカメラ本体100に取り付けられている。表示器301,302は、例えば、液晶パネルにより構成された解放タイプの表示器である。
【0026】
カメラ本体100からは、撮像画像信号が本線信号として出力される。この本線信号は、図示しないカメラコントロールユニット(CCU)に送られる。また、カメラ本体100には、カメラコントロールユニットからリターン信号が入力される。なお、本線信号が記録装置に送られる場合もある。
【0027】
カメラ本体100は、撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号を出力して表示器301に供給する。そして、表示器301は、この第1の画像信号による第1の画像を表示する。使用者(カメラマン)は、表示器301の表示画像(第1の画像)に基づいて、撮像本線信号の確認を常に行うことが可能となる。
【0028】
また、カメラ本体100は、撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号を出力して表示器302に供給する。そして、表示器302は、この第2の画像信号による第2の画像を表示する。使用者(カメラマン)は、表示器302の表示画像(第1の画像)に基づいて、撮像する際に有効となる情報を得ることが可能となる。
【0029】
カメラ本体100から出力される第1の画像信号および第2の画像信号は、カメラ本体100内で生成されるか、カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる。
【0030】
例えば、表示器302は、第2の画像として、例えば、第1の画像の一部に対応した拡大画像を表示する。この場合、使用者(カメラマン)は、この第2の画像がフォーカスポイントを含むように設定することで、この第2の画像に基づいて、フォーカスポイントのフォーカス調整(ピント合わせ)を精度よく行うことが可能となる。
【0031】
また、例えば、表示器302は、第2の画像として、第1の画像のうち撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターンで示す画像を表示する。この場合、使用者(カメラマン)は、この第2の画像に基づいて、画像の所定領域の輝度レベルが所定の輝度レベル範囲内に入るように容易に調整することが可能となる。
【0032】
また、例えば、表示器302は、第2の画像として、撮像状態を示す情報を含む画像を表示する。例えば、撮像状態を示す情報は、レンズ状態、カメラセッティング状態などの情報、より具体的にはフレームレート、シャッター開角度などである。この場合、使用者(カメラマン)は、この第2の画像に基づいて、撮像状態を容易に把握することが可能となる。
【0033】
また、例えば、表示器302は、第2の画像として、オンエア画像を表示する。この場合、第2の画像信号はカメラコントロールユニットから送られてくる画像信号である。この場合、使用者(カメラマン)は、この第2の画像に基づいて、オンエア画像を確認することが可能となる。
【0034】
また、例えば、表示器302は、第2の画像として、第1の画像または第1の画像の一部に対応した拡大画像にフォーカス合わせの場所を示す表示(マーカー)が含まれた画像を表示する。この場合、第2の画像信号はカメラコントロールユニットから送られてくる画像信号である。この場合、使用者(カメラマン)は、この第2の画像に基づいて、カメラコントロールユニット側からのフォーカス合わせ場所の指示を容易に把握することが可能となる。
【0035】
図2は、カメラ本体100の内部モジュール構成例を示している。カメラ本体100は、制御部101と、ユーザ操作部102と、撮像部103と、信号処理部104と、標準処理部105と、拡大処理部106と、レベル表示処理部107と、ステータス生成モジュール108を有している。また、カメラ本体100は、第1のセレクタ109と、出力モジュール110と、第2のセレクタ111と、出力モジュール112と、リターン分離処理部113を有している。
【0036】
制御部(カメラCPU)101は、カメラ本体100の各部の動作を制御する。ユーザ操作部102は、制御部101に接続されており、ユーザが種々の操作を行うためのユーザインタフェースを構成する。
【0037】
撮像部103は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Devices)などのイメージセンサを持ち、HD解像度、4K解像度などの撮像画像信号を出力する。上述の撮像レンズ200により、イメージセンサの撮像面に、被写体が結像される。信号処理部104は、撮像部103から出力される撮像画像信号に対して欠陥補正処理などの処理を施し、カメラ本体100の出力としての撮像画像信号(本線信号)を出力する。この撮像画像信号は、図示しないカメラコントロールユニットに送られる。
【0038】
標準処理部105は、信号処理部104から出力される撮像画像信号を処理して、撮像画像信号による画像に対応した、この撮像画像信号と同一画枠の第1の画像を表示するためのHD解像度の第1の画像信号を得る。標準処理部105は、例えば、撮像画像信号がRGB異種配列(ベイヤー配列)をそのまま出力するRAWの形式だった場合、同配列RGB信号に変換する。また、標準処理部105は、撮像画像信号が4K解像度などの高解像度画像信号である場合、ダウンコンバートする。
【0039】
拡大処理部106は、信号処理部104から出力される撮像画像信号を処理して、第1の画像の一部に対応した拡大画像を第2の画像として表示するためのHD解像度の第2の画像信号を得る。例えば、撮像画像信号がHD解像度の画像信号である場合、拡大処理部106は、一部を切り出してアップコンバートする。また、例えば、撮像画像信号が4K解像度、あるいはその他の高解像度の画像信号である場合、拡大処理部106は、HD解像度に対応した一部を切り出してそのまま用いる。この場合には、アップコンバート処理を行う場合のような解像度低下はない。
【0040】
この場合、使用者(カメラマン)は、ユーザ操作部102により、切り出し位置、つまり拡大すべき位置を任意に設定可能とされる。使用者(カメラマン)は、この切り出し位置を、例えば、フォーカスポイントを含むように設定することで、拡大画像に基づいて、フォーカスポイントのフォーカス調整(ピント合わせ)を精度よく行うことが可能となる。
【0041】
レベル表示処理部107は、信号処理部104から出力される撮像画像信号を処理して、第1の画像のうち撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターン(例えば、ゼブラパターン、クロスハッチパターンなど)で示す画像を第2の画像として表示するための第2の画像信号を得る。この場合、使用者(カメラマン)は、ユーザ操作部102により、輝度レベル範囲と、色または輝度パターンを任意に設定可能とされる。
【0042】
ステータス生成モジュール108は、撮像状態(レンズ状態、カメラセッティング状態など)を示す情報を含む画像を第2の画像として表示するための第2の画像信号を得る。この第2の画像は、例えば、撮像状態を示す情報を文字表示する画像である。
【0043】
リターン分離処理部113は、カメラコントロールユニットから送られてくるリターン信号を受信する。リターン分離処理部113は、リターン信号に含まれる第1の画像信号および/または第2の画像信号を分離して取得する。リターン信号から分離取得される第1の画像信号は、上述した標準処理部105で得られる第1の画像信号と同様に、撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための画像信号である。この第1の画像信号は、カメラコントロールユニット側でカメラ本体100から本線信号として送られる撮像画像信号に対して、標準処理部105と同等の処理が施されて得られたものである。
【0044】
また、リターン信号から分離取得される第2の画像信号は、上述した拡大処理部106、レベル表示処理部107、ステータス生成モジュール108などで得られる第2の画像信号と同様に、撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための画像信号である。この第2の画像信号は、カメラコントロールユニット側で、例えば、カメラ本体100から本線信号として送られる撮像画像信号に基づいて得られたものである。
【0045】
例えば、このようにリターン信号から分離取得される第2の画像信号は、オンエア画像を第2の画像として表示するための画像信号である。また、例えば、このようにリターン信号から分離取得される第2の画像信号は、第1の画像または第1の画像の一部に対応した拡大画像にフォーカス合わせの場所を示す表示(マーカー)が含まれた画像、あるいはフォーカス合わせの場所を示す拡大画像を第2の画像として表示するための画像信号である。また、例えば、このようにリターン信号から分離取得される第2の画像信号は、撮像状態を示す情報を含む画像を第2の画像として表示するための画像信号である。
【0046】
第1のセレクタ109は、標準処理部105で得られる第1の画像信号またはリターン分離処理部113で得られる第1の画像信号を選択的に取り出して出力モジュール110に供給する。出力モジュール110は、第1のセレクタ109から供給される第1の画像信号を、表示器301が適応するデジタルインタフェースに合った信号フォーマットの信号、例えばSDI信号に変換して、表示器301に送信する。
【0047】
第2のセレクタ111は、拡大処理部106で得られる第2の画像信号、レベル表示処理部107で得られる第2の画像信号、ステータス生成モジュール108で得られる第2の画像信号またはリターン分離処理部113で得られる第2の画像信号を選択的に取り出して出力モジュール112に出力する。出力モジュール112は、第2のセレクタ111から供給される第2の画像信号を、表示器302が適応するデジタルインタフェースに合った信号フォーマットの信号、例えばSDI信号に変換して、表示器302に出力する。
【0048】
第1のセレクタ109、第2のセレクタ111における信号選択は、制御部101により制御される。この場合、カメラコントロールユニットからのセレクタコントロール信号があるとき、そのコントロール信号に基づいて制御される。
【0049】
図3のフローチャートは、制御部101における第1のセレクタ109、第2のセレクタ111の切り替え制御処理の一例を示している。制御部101は、ステップST1において、制御処理を開始し、その後に、ステップST2の処理に移る。
【0050】
このステップST2において、制御部101は、第1の表示器用のリターン信号が入力されているか、つまりリターン信号に第1の画像信号が含まれているか否かを判断する。リターン信号に第1の画像信号が含まれているとき、制御部101は、ステップST3の処理に移る。一方、リターン信号に第1の画像信号が含まれていないとき、制御部101は、ステップST4において、標準処理信号にセレクタ1を切り替える、つまり、第1のセレクタ109を、標準処理部105で得られる第1の画像信号を取り出すように、切り替える。その後、制御部101は、ステップST3の処理に移る。
【0051】
このステップST3において、制御部101は、第2の表示器用のリターン信号が入力されているか、つまりリターン信号に第2の画像信号が含まれているか否かを判断する。リターン信号に第2の画像信号が含まれているとき、制御部101は、ステップST5の処理に移る。一方、リターン信号に第2の画像信号が含まれていないとき、制御部101は、ステップST6において、本体選択指示メニューに従ってセレクタ2を切り替える、つまり、第2のセレクタ111を本体選択指示メニューが示す第2の画像信号を取り出すように、切り替える。その後、制御部101は、ステップST5の処理に移る。
【0052】
このステップST5において、制御部101は、第1の表示器用の外部コントロール信号がカメラコントロールユニットからカメラ本体100に入力されているか否かを判断する。第1の表示器用の外部コントロール信号が入力されているとき、制御部101は、ステップST7において、外部コントロール指示に従って、セレクタ1を切り替える、つまり、第1のセレクタ109を外部コントロール信号が示す第1の画像信号を取り出すように、切り替える。その後、制御部101は、ステップST8の処理に移る。
【0053】
一方、制御部101は、ステップST5で第1の表示器用の外部コントロール信号が入力されていないとき、ステップST9において、標準処理信号にセレクタ1を切り替える、つまり、第1のセレクタ109を、標準処理部105で得られる第1の画像信号を取り出すように、切り替える。その後、制御部101は、ステップST8の処理に移る。
【0054】
このステップST8において、制御部101は、第2の表示器用の外部コントロール信号がカメラコントロールユニットからカメラ本体100に入力されているか否かを判断する。第2の表示器用の外部コントロール信号が入力されているとき、制御部101は、ステップST10において、外部コントロール指示に従って、セレクタ2を切り替える、つまり、第2のセレクタ111を外部コントロール信号が示す第2の画像信号を取り出すように、切り替える。
【0055】
一方、制御部101は、ステップST8で第1の表示器用の外部コントロール信号が入力されていないとき、ステップST11の処理に移る。このステップST11において、制御部101は、本体選択指示メニューに従ってセレクタ2を切り替える、つまり、第2のセレクタ111を本体選択指示メニューが示す第2の画像信号を取り出すように、切り替える。
【0056】
図2に示すカメラ本体100の動作を簡単に説明する。撮像部103から出力される画像信号は信号処理部104に供給され、欠陥補正処理などの処理が施される。この信号処理部104で得られる撮像画像信号は、カメラ本体100から本線信号として出力され、例えばカメラコントロールユニットに送られる。
【0057】
また、信号処理部104で得られる撮像画像信号は、標準処理部105、拡大処理部106およびレベル表示処理部107に供給される。標準処理部105では、撮像画像信号が処理されて、この撮像画像信号による画像に対応した、この撮像画像信号と同一画枠の第1の画像を表示するためのHD解像度の第1の画像信号が得られる。この第1の画像信号は、第1のセレクタ109に供給される。
【0058】
また、拡大処理部106では、信号処理部104から出力される撮像画像信号が処理されて、第1の画像の一部に対応した拡大画像を第2の画像として表示するためのHD解像度の第2の画像信号が得られる。この第2の画像信号は、第2のセレクタ111に供給される。
【0059】
また、レベル表示処理部107では、信号処理部104から出力される撮像画像信号が処理されて、第1の画像のうち撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターンで示した画像を第2の画像として表示するための第2の画像信号が得られる。この第2の画像信号は、第2のセレクタ111に供給される。
【0060】
また、ステータス生成モジュール108では、撮像状態(レンズ状態、カメラセッティング状態など)を示す情報を含む画像を第2の画像として表示するための第2の画像信号が得られる。この第2の画像信号は、第2のセレクタ111に供給される。
【0061】
また、カメラコントロールユニット(CCU)から送られてくるリターン信号はリターン分離処理部113で受信される。そして、このリターン分離処理部113では、リターン信号に含まれる第1の画像信号および/または第2の画像信号が分離されて取得される。第1の画像信号は第1のセレクタ109に供給され、第2の画像信号は第2のセレクタ111に供給される。
【0062】
第1のセレクタ109では、標準処理部105で得られる第1の画像信号またはリターン分離処理部113で得られる第1の画像信号が選択的に取り出されて出力モジュール110に供給される。出力モジュール110では、この第1の画像信号が、表示器301が対応する所定の信号フォーマットの信号(例えば、SDI信号など)に変換されて、表示器301に供給される。これにより、表示器301には、第1のセレクタ109で取り出された第1の画像信号による、撮像画像信号による画像に対応した第1の画像が表示される。
【0063】
第2のセレクタ111では、拡大処理部106で得られる第2の画像信号、レベル表示処理部107で得られる第2の画像信号、ステータス生成モジュール108で得られる第2の画像信号またはリターン分離処理部113で得られる第2の画像信号が選択的に取り出されて出力モジュール112に供給される。出力モジュール112では、この第2の画像信号が、表示器302が対応する所定の信号フォーマットの信号(例えば、SDI信号など)に変換されて、表示器302に供給される。これにより、表示器302には、第2のセレクタ111で取り出された第2の画像信号による、撮像状態を示す情報を含む第2の画撮が表示される。
【0064】
図4は、第2のセレクタ111で拡大処理部106からの第2の画像信号、レベル表示処理部107からの第2の画像信号またはステータス生成モジュール108からの第2の画像信号のいずれかが取り出される場合、つまりカメラ内部信号使用時における表示器301,302の表示の一例を示している。
【0065】
この場合、第1のセレクタ111では、標準処理部105からの第1の画像信号あるいはリターン分離処理部113からの第1の画像信号のいずれかが取り出され、表示器301には、標準画像、つまり撮像画像信号(本線信号)による画像に対応した第1の画像が表示される。
【0066】
図4(a)は、第2のセレクタ111で拡大処理部106からの第2の画像信号が取り出された場合における表示器301,302の表示の一例を示している。表示器302には、表示器301に表示される標準画像(第1の画像)の一部に対応した拡大画像が第2の画像として表示される。この拡大画像は、例えば、フォーカス(focus)のピント合わせを目的として表示される。
【0067】
図4(b)は、第2のセレクタ111でレベル表示処理部107からの第2の画像信号が取り出された場合における表示器301,302の表示の一例を示している。表示器302には、表示器301に表示される標準画像(第1の画像)のうち撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域が予め指定された色または特定輝度パターン(例えば、ゼブラパターン、クロスハッチパターンなど)で示された画像が第2の画像として表示される。例えば、輝度レベルが100%付近は赤色(矢印P参照)で表示され、輝度レベルが60%付近は緑色(矢印Q参照)で表示される。このレベル表示画像は、例えば、アイリス(iris)による輝度レベル合わせを目的として表示される。
【0068】
図4(c)は、第2のセレクタ111でステータス生成モジュール108からの第2の画像信号が取り出された場合における表示器301,302の表示の一例を示している。表示器302には、本線信号ステータス表示(フレームレート、シャッター開角度など)を含む画像が表示される。この画像は、例えば、撮像状態を常時確認する目的で表示される。
【0069】
図5は、第2のセレクタ111でリターン分離処理部113からの第2の画像信号が取り出される場合、つまりリターン信号使用時における表示器301,302の表示の一例を示している。この場合、第1のセレクタ111では、標準処理部105からの第1の画像信号あるいはリターン分離処理部113からの第1の画像信号のいずれかが取り出され、表示器301には、標準画像、つまり撮像画像信号(本線信号)による画像に対応した第1の画像が表示される。
【0070】
図5(a)は、リターン分離処理部113でオンエア(ON AIR)画像を表示するための第2の画像信号が得られた場合における表示器301,302の表示の一例を示している。表示器302には、オンエア画像が表示される。このオンエア画像は、オンエアを確認しつつ自身の撮像アングル等を管理する目的で表示される。
【0071】
図5(b)は、リターン分離処理部113で表示器301に表示される標準画像(第1の画像)にフォーカス合わせの場所を示す表示(マーカー)が含まれた画像を表示するための第2の画像信号が得られた場合における表示器301,302の表示の一例を示している。表示器302には、例えば、フォーカス合わせの場所を示す矩形枠(矢印R参照)を持つ画像が表示される。この画像は、カメラコントロールユニット側からフォーカス(focus)の具体的なピント合わせ場所を指示する目的で表示される。
【0072】
図5(c)は、リターン分離処理部113で表示器301に表示される標準画像(第1の画像)の拡大画像にフォーカス合わせの場所を示す表示(マーカー)が含まれた画像を表示するための第2の画像信号が得られた場合における表示器301,302の表示の一例を示している。表示器302には、例えば、フォーカス合わせの場所を示す矩形枠(矢印R参照)を持つ拡大画像が表示される。この画像も、カメラコントロールユニット側からフォーカス(focus)の具体的なピント合わせ場所を指示する目的で表示される。拡大画像が表示されることで、使用者(カメラマン)によるピント合わせが容易となる。
【0073】
図5(d)は、リターン分離処理部113で撮像状態を示す情報を含む画像を表示するための第2の画像信号が得られた場合における表示器301,302の表示の一例を示している。表示器302には、例えば、システムの状態(フレームレートなど)を含む画像が表示される。この場合、自身のカメラ本体100の情報だけでなく、カメラコントロールユニットに接続されている任意の撮像機器の情報も表示可能となる。この画像は、自身のカメラ本体100やその他の撮像機器の情報を常時確認する目的で表示される。
【0074】
図1図2に示すカメラ本体100においては、撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号を出力して表示器301に供給すると共に、撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号を出力して表示器301に供給するものである。そのため、撮像本線信号の確認表示に影響を与えることなく、撮像する際に有効となる情報を表示することが可能となる。
【0075】
例えば、レンズフォーカス操作において、本線となる自然な全体画像を確認しつつ、必要なエリアの拡大画像で、表示器側の表現画素制約があってもピント合わせが容易になる。また、カメラコントロールユニット(外部装置)で生成するリターン画像を使うことで、フォーカスエリアの指示がスムースに行えるようにもなる。
【0076】
また、例えば、レンズのアイリス操作において、本線となる自然な全体画像を確認しつつ、任意の必要なエリアの輝度情報を同時に確認して操作することができる。また、例えば、撮影における撮像装置の種々の情報を、本線となる自然な画像を確認しつつ常時把握する事が可能となる。
【0077】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態において、図6(a)に示すように、カメラ本体100に、2つの解放タイプの表示器301,302が取り付けられた例を示した。しかし、表示器301,302の双方が覗きタイプである場合も考えられる。この場合、使用者(カメラマン)が片方の眼で覗くことで、表示器301,302の両方を監視可能な構成とされる。
【0078】
また、図6(b)に示すように、2つの表示器301,302のうち、一方が解放タイプで、他方が覗きタイプである場合も考えられる。図7は、その場合における表示器301,302の具体的な配置例を示している。図示の例では表示器301が解放タイプで表示器302が覗きタイプである例を示しているが、この逆であってもよい。なお、この場合、第2の画像の内容によって、この第2の画像を解放タイプで表示するか覗きタイプで表示するかを切り替える構成も考えられる。
【0079】
例えば、第2のセレクタ111で選択される第2の画像信号が、拡大画像を表示する画像信号であるとき、この画像信号は、覗きタイプの表示器に供給される。また、例えば、第2のセレクタ111で選択される第2の画像信号が、レベル表示画像であるとき、この画像信号は、解放タイプの表示器に供給される。
【0080】
また、上述実施の形態においては、表示器301,302がHD解像度の表示器であるとして説明したが、これに限定されるものではない。また、上述実施の形態においては、カメラ本体100に2個の表示器301,302が接続された例を示したが、カメラ本体100に3個以上の表示器を接続した構成も考えられる。その場合、標準画像(第1の画像)を常時表示した状態で、撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を2つ以上同時に表示することも可能となる。また、上述実施の形態においては、撮像状態を示す情報を持つ画像を独立して表示する例を示したが、拡大画像あるいはレベル表示画像に、撮像状態を示す情報を重畳して表示することも考えらえる。
【0081】
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号を出力する第1の出力部と、
撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号を出力する第2の出力部を備える
カメラ装置。
(2)上記第1の画像信号および上記第2の画像信号は、自装置で生成される、および/または、カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる
前記(1)に記載のカメラ装置。
(3)上記第2の画像は、
上記第1の画像の一部に対応した拡大画像である
前記(1)または(2)に記載のカメラ装置。
(4)上記撮像画像信号は4K解像度の画像信号であり、
上記第1の画像信号は、上記撮像画像信号にダウンコンバート処理を施して得られた、該撮像画像信号と同一画枠の画像信号であり、
上記第2の画像信号は、上記撮像画像信号から一部を切り出して得られたHD解像度の画像信号である
前記(3)に記載のカメラ装置。
(5)上記第2の画像は、
上記第1の画像のうち上記撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターンで示す画像である
前記(1)または(2)に記載のカメラ装置。
(6)上記第2の画像は、
撮像状態を示す情報を含む画像である
前記(1)または(2)に記載のカメラ装置。
(7)上記第2の画像は、
オンエア画像である
前記(1)または(2)に記載のカメラ装置。
(8)上記第2の画像信号は、
カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる画像信号であり、
上記第2の画像は、
上記第1の画像または上記第1の画像の一部に対応した拡大画像にフォーカス合わせの場所を示す表示が含まれた画像である
前記(1)または(2)に記載のカメラ装置。
(9)上記撮像画像信号を処理して上記第1の画像信号を得る標準処理部と、
カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる上記第1の画像信号を受信する信号受信部と、
上記標準処理部で得られた上記第1の画像信号または上記信号受信部で受信された上記第1の画像信号を選択的に取り出して上記第1の出力部に送る第1のセレクタをさらに備える
前記(1)または(2)に記載のカメラ装置。
(10)上記第1のセレクタは、
カメラコントロールユニットからの上記第1のセレクタのコントロール信号があるとき、該コントロール信号に基づいて切り替えが制御される
前記(9)に記載のカメラ装置。
(11)複数の第2の画像信号からいずれか一つの第2の画像信号を取り出して上記第2の出力部に送る第2のセレクタをさらに備える
前記(1)または(2)に記載のカメラ装置。
(12)上記撮像画像信号を処理して上記第1の画像の一部に対応した拡大画像を上記第2の画像として表示するための第2の画像信号を得る拡大処理部と、
上記撮像画像信号を処理して、上記第1の画像のうち上記撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターンで示す画像を上記第2の画像として表示するための第2の画像信号を得るレベル表示処理部と、
撮像状態を示す情報を含む画像を上記第2の画像として表示するための第2の画像信号を得るステータス生成モジュールと、
カメラコントロールユニットからリターン信号として送られてくる上記第2の画像信号を受信する信号受信部をさらに備え、
上記第2のセレクタは、上記拡大処理部で得られた上記第2の画像信号、上記レベル表示処理部で得られた上記第2の画像信号、上記ステータス生成モジュールで得られた上記第2の画像信号または上記信号受信部で受信された上記第2の画像信号を選択的に取り出して上記第2の出力部に送る
前記(11)に記載のカメラ装置。
(13)上記第2のセレクタは、
カメラコントロールユニットからの上記第2のセレクタのコントロール信号があるとき、該コントロール信号に基づいて切り替えが制御される
前記(12)に記載のカメラ装置。
(14)カメラ本体と、
上記カメラ本体に、使用者が同時に監視可能な状態で取り付けられた2つの表示器を備え、
上記カメラ本体は、
撮像画像信号による画像に対応した第1の画像を表示するための第1の画像信号を出力して上記2つの表示器の一方に供給する第1の出力部と、
撮像する際に有効となる情報を持つ第2の画像を表示するための第2の画像信号を出力して上記2つの表示器の他方に供給する第2の出力部を有する
カメラ装置。
(15)上記2つの表示器は、いずれも解放タイプの表示器である
前記(14)に記載のカメラ装置。
(16)上記2つの表示器は、覗きタイプの表示器および解放タイプの表示器である
前記(14)に記載のカメラ装置。
(17)上記カメラ本体は、
上記第2の画像が上記第1の画像の一部に対応した拡大画像であるとき、上記第2の出力部から出力される上記第2の画像信号を、上記覗きタイプの表示器に供給する
前記(16)に記載のカメラ装置。
(18)上記カメラ本体は、
上記第2の画像が上記第1の画像のうち上記撮像画像信号の所定の輝度レベル範囲に対応した領域を予め指定された色または特定輝度パターンで示す画像であるとき、上記第2の出力部から出力される上記第2の画像信号を、上記解放タイプの表示器に供給する
前記(16)または(17)に記載のカメラ装置。
【符号の説明】
【0082】
10・・・カメラ装置
100・・・カメラ本体
101・・・制御部
102・・・ユーザ操作部
103・・・撮像部
104・・・信号処理部
105・・・標準処理部
106・・・拡大処理部
107・・・レベル表示処理部
108・・・ステータス生成モジュール
109・・・第1のセレクタ
110,112・・・出力モジュール
111・・・第2のセレクタ
113・・・リターン分離処理部
200・・・撮像レンズ
301,302・・・表示器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7