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特許7517393施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240709BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022202333
(22)【出願日】2022-12-19
(62)【分割の表示】P 2021530508の分割
【原出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2023025299
(43)【公開日】2023-02-21
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2019126753
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雄介
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特許第6327376(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第109784518(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0001239(KR,A)
【文献】特開2002-279466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の入り口でユーザの顔画像を取得する第1取得手段と、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定する判定手段と、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する登録手段と、
を備え
前記登録手段は、前記施設を利用可能と判定されたユーザに、前記施設内で利用可能なサービスを割り当てて登録する、
施設管理装置。
【請求項2】
施設の入り口でユーザの顔画像を取得する第1取得手段と、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定する判定手段と、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する登録手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記施設を利用可能なユーザであると判定した場合に、前記施設に関するチェックイン手続きを行い、
前記登録手段は、前記チェックイン手続きを行う際に、前記施設を利用可能と判定されたユーザに入室可能な部屋を割り当てて登録する、
施設管理装置。
【請求項3】
施設の入り口でユーザの顔画像を取得する第1取得手段と、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定する判定手段と、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する登録手段と、
を備え、
前記登録手段は、前記施設を利用可能と判定されたユーザの顔と対応付けて予め登録された予約情報に基づいて、前記施設内で利用可能なサービスを割り当てて登録する、
施設管理装置。
【請求項4】
前記施設は、宿泊施設であり、
前記サービスは、前記宿泊施設の客室及び設備の利用、前記宿泊施設内で利用可能な物品の利用、前記宿泊施設内で開催されるイベントへの参加の少なくとも1つを含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の施設管理装置。
【請求項5】
少なくとも1つのコンピュータによって、
施設の入り口でユーザの顔画像を取得し、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録し、
前記施設を利用可能と判定されたユーザに、前記施設内で利用可能なサービスを割り当てて登録する、
施設管理方法。
【請求項6】
少なくとも1つのコンピュータによって、
施設の入り口でユーザの顔画像を取得し、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録し、
前記施設を利用可能なユーザであると判定した場合に、前記施設に関するチェックイン手続きを行い、
前記チェックイン手続きを行う際に、前記施設を利用可能と判定されたユーザに入室可能な部屋を割り当てて登録する、
施設管理方法。
【請求項7】
少なくとも1つのコンピュータによって、
施設の入り口でユーザの顔画像を取得し、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録し、
前記施設を利用可能と判定されたユーザの顔と対応付けて予め登録された予約情報に基づいて、前記施設内で利用可能なサービスを割り当てて登録する、
施設管理方法。
【請求項8】
前記施設は、宿泊施設であり、
前記サービスは、前記宿泊施設の客室及び設備の利用、前記宿泊施設内で利用可能な物品の利用、前記宿泊施設内で開催されるイベントへの参加の少なくとも1つを含む、
請求項5から7のいずれか一項に記載の施設管理方法。
【請求項9】
少なくとも1つのコンピュータに、
施設の入り口でユーザの顔画像を取得し、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録し、
前記施設を利用可能と判定されたユーザに、前記施設内で利用可能なサービスを割り当てて登録する、
施設管理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項10】
少なくとも1つのコンピュータに、
施設の入り口でユーザの顔画像を取得し、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録し、
前記施設を利用可能なユーザであると判定した場合に、前記施設に関するチェックイン手続きを行い、
前記チェックイン手続きを行う際に、前記施設を利用可能と判定されたユーザに入室可能な部屋を割り当てて登録する、
施設管理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
少なくとも1つのコンピュータに、
施設の入り口でユーザの顔画像を取得し、
前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、
前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設内で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録し、
前記施設を利用可能と判定されたユーザの顔と対応付けて予め登録された予約情報に基づいて、前記施設内で利用可能なサービスを割り当てて登録する、
施設管理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記施設は、宿泊施設であり、
前記サービスは、前記宿泊施設の客室及び設備の利用、前記宿泊施設内で利用可能な物品の利用、前記宿泊施設内で開催されるイベントへの参加の少なくとも1つを含む、
請求項9から11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの施設利用を管理する施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、ユーザの顔認証を行うことで施設の利用を管理するものが知られている。例えば特許文献1では、訪問者の識別コード及び顔写真データが一致する場合に、施設への入退出を許可する技術が開示されている。特許文献2では、航空機に搭乗する際に照合する生体情報として、顔の輪郭に関する情報を用いる技術が開示されている。
【0003】
その他、特許文献3では、個人認証情報を利用して会議室の予約を管理する技術が開示されている。特許文献4では、指紋データを照合してホテルの各客室への入室を許可する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-048817号公報
【文献】特開2007-328556号公報
【文献】特開2005-032100号公報
【文献】特開2000-076451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔認証でユーザによる施設利用を許可する場合、施設によっては二段階の認証処理が要求されることがある。具体的には、施設全体の利用に関する認証処理と、施設内で提供されている各サービスの利用に関する認証処理であり、一例として、ホテル等の宿泊施設では、チェックイン手続きと、各客室(或いは、ホテル内の各種設備)への入室許可とで、それぞれ別々の認証処理が求められる。
【0006】
しかしながら、上述した特許文献では、このような二段階の認証処理については全く想定されていない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザの施設利用及び施設でのサービス利用を好適に管理することが可能な施設管理装置、施設管理方法及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の施設管理装置の一の態様は、施設を訪れたユーザの顔画像を取得する第1取得手段と、前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定する判定手段と、前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する登録手段と、を備える。
【0009】
本発明の施設管理装置の他の態様は、施設で提供されるサービスを利用するユーザの顔画像を取得する第2取得手段と、前記ユーザの顔画像と前記サービスを利用可能な許可ユーザの顔画像とに基づいた顔認証により、前記ユーザが前記許可ユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可する許可手段と、を備える。
【0010】
本発明の施設管理方法の一の態様は、施設を訪れたユーザの顔画像を取得し、前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する。
【0011】
本発明の施設管理方法の他の態様は、施設で提供されるサービスを利用するユーザの顔画像を取得し、前記ユーザの顔画像と前記サービスを利用可能な許可ユーザの顔画像とに基づいた顔認証により、前記ユーザが前記許可ユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可する。
【0012】
本発明のコンピュータプログラムの一の態様は、少なくとも1つのコンピュータに、施設を訪れたユーザの顔画像を取得し、前記ユーザの顔画像と予め記憶された顔画像とに基づいた顔認証により、前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、前記施設を利用可能なユーザであると判定された前記ユーザの顔画像を、前記施設で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する、施設管理方法を実行させる。
【0013】
本発明のコンピュータプログラムの他の態様は、少なくとも1つのコンピュータに、施設で提供されるサービスを利用するユーザの顔画像を取得し、前記ユーザの顔画像と前記サービスを利用可能な許可ユーザの顔画像とに基づいた顔認証により、前記ユーザが前記許可ユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可する、施設管理方法を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
上述した施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラムのそれぞれの一の態様によれば、ユーザの施設利用及び施設でのサービス利用を好適に管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る施設管理システムの具体的な構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る施設管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る施設管理システムによる全体的な動作の流れを示す概念図である。
図4】第1実施形態に係る施設利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図5】第1実施形態に係る設備利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る施設利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図7】第3実施形態に係る設備利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、施設管理システム、顔認証装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラムの実施形態について説明する。
【0017】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係る施設管理システムについて、図1から図5を参照して説明する。
【0018】
(システム構成)
はじめに、第1実施形態に係る施設管理システム1の具体的なシステム構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る施設管理システムの具体的な構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態に係る施設管理システム1は、施設利用管理装置10と、設備利用管理装置20と、顔画像記憶装置30とを備えて構成されている。
【0020】
施設利用管理装置10は、ユーザによる施設の利用(つまり、施設全体の利用)を管理する装置であり、第1顔画像取得部110と、第1利用許可部120とを備えている。第1顔画像取得部110は、例えば施設の入口や入場手続きを行うエリアに設置されたカメラから、施設を利用しようとしているユーザの顔画像を取得可能に構成されている。第1利用許可部120は、施設を利用しようとしているユーザの顔画像(即ち、第1顔画像取得部110で取得された顔画像)と、施設の利用を許可すべきユーザの顔画像(顔画像記憶装置30に予め記憶されている画像)とを比較して、施設の利用を許可可能に構成されている。第1利用許可部120は、例えば比較する各画像から特徴量を抽出し(或いは、カメラ等で実行される前処理で画像から抽出された特徴量を受け取り)、各画像の特徴量の比較結果として求められる類似度に基づいて、顔画像の人物が同一であるか否かを判定する。ここでの「特徴量」とは、顔画像から抽出可能な特有の値であり、例えば顔画像の各種パラメータ(例えば、各画素の輝度等)の値や、それらの各種パラメータから算出できる値である。特徴量の類似度は、比較する特徴量がどの程度似ているかを示す値であり、例えば0~1のスコア(1が完全一致)として算出される。特徴量を比較する場合、施設利用管理装置10は、ユーザの情報とユーザの顔の特徴量とを紐づけて記憶しておけばよい(言い換えれば、施設利用管理装置10は、ユーザの顔画像を記憶していなくともよい)。なお、顔画像の特徴量を利用した判定手法はあくまで一例であり、その他の既存の技術を利用した判定を行うこともできる(後述する第2利用許可部220においても同様)。施設の利用を許可する具体的な態様としては、例えば施設の入場ゲートの解放、施設スタッフに対する通知、システムによる入場手続きの実行(言い換えれば、ユーザに対する施設利用資格の付与)等が挙げられる。なお、顔画像を用いた判定(所謂、顔認証)に関する具体的な方法については、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳細な説明は省略する。第1顔画像取得部110及び第1利用許可部120は、後述する付記における「第1取得手段」及び「第1許可手段」の一具体例である。
【0021】
設備利用管理装置20は、ユーザによる設備の利用(つまり、施設内で提供されているサービスとしての設備の利用)を管理する装置であり、第2顔画像取得部210と、第2利用許可部220とを備えている。第2顔画像取得部110は、例えば設備の入口や入室手続きを行うエリアに設置されたカメラから、設備を利用しようとしているユーザの顔画像を取得可能に構成されている。第2利用許可部220は、設備を利用しようとしているユーザの顔画像(即ち、第2顔画像取得部210で取得された顔画像)と、設備の利用を許可してもよいユーザ(即ち、施設の利用が許可されたユーザ)の顔画像とを比較して、施設の利用を許可可能に構成されている。第2利用許可部220は、例えば比較する各画像から特徴量を抽出し(或いは、カメラ等で実行される前処理で画像から抽出された特徴量を受け取り)、各画像の特徴量の比較結果として求められる類似度に基づいて、顔画像の人物が同一であるか否かを判定する。設備の利用を許可してもよいユーザ(即ち、施設の利用が許可されたユーザ)については、例えばユーザ情報に付加された「許可フラグ」によって管理されていてもよい。具体的には、施設利用管理装置10において施設の利用が許可された時点で、そのユーザの許可フラグを立てる(例えば、「0」から「1」に変更する)ようにする。このようにすれば、許可フラグを用いて、設備の利用を許可してもよいユーザであるか否かを容易に判定することが可能となる。例えば、類似度によって同一人物であると判定されたユーザの許可フラグが立っているか否かによって、設備の利用を許可するか否かを判定することもできる。設備の利用を許可する具体的な態様としては、例えば設備入口のドアの解錠、設備スタッフに対する通知、システムによる入場手続きの実行(言い換えれば、ユーザに対する設備利用資格の付与)等が挙げられる。なお、設備の利用を許可すべきユーザの顔画像は、顔画像記憶装置30に記憶されている顔画像のうち、少なくとも第1利用許可部120で施設の利用が許可されたユーザの顔画像である。第2顔画像取得部210及び第2利用許可部220は、後述する付記における「第2取得手段」及び「第2許可手段」の一具体例である。また、設備利用管理装置20は、後述する付記における「顔認証装置」の一具体例でもあり、第2顔画像取得部210及び第2利用許可部220は、顔認証装置における「取得手段」及び「許可手段」の一具体例でもある。
【0022】
顔画像記憶装置30は、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20と通信可能な記憶装置であり、ユーザの顔画像(これに加えて又は代えて、顔画像の特徴量)と、その他の情報とを紐づけて記憶することが可能に構成されている。具体的には、顔画像記憶装置30は、ユーザの顔画像と、施設の利用可否に関する情報とを紐づけて記憶することで、施設の利用を許可すべきユーザの顔画像を記憶する。なお、施設の利用を許可すべきユーザの顔画像は、例えばユーザによる事前登録(例えば、施設の利用予約等)の際に記憶される。また、顔画像記憶装置30は、ユーザの顔画像と、第1利用許可部120によって施設の利用が許可されたか否かを示す情報とを紐づけて記憶することで、施設を利用中であるユーザの顔画像を記憶する。顔画像記憶装置30は、ユーザの顔画像と、設備の利用可否に関する情報とを紐づけて記憶することで、設備の利用を許可すべきユーザの顔画像を記憶する。顔画像記憶装置30に記憶された顔画像は、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20によって適宜読出・更新可能に構成されている。なお、顔画像記憶装置30は、システム外部の記憶装置(例えば、外部サーバやデータベース、クラウド等)として構成されてもよい。この場合、顔画像記憶装置30は、施設利用管理装置10又は設備利用管理装置20における顔認証(即ち、顔画像の照合)を実行する機能を少なくとも部分的に有するように構成されていてもよい。
【0023】
(ハードウェア構成)
続いて、第1実施形態に係る施設管理システム(特に、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20)のハードウェア構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る施設管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る施設管理システム1が備える施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20は、は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とを備えている。CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0025】
CPU11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、CPU11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、CPU11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。CPU11は、ネットワークインタフェースを介して、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。CPU11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、CPU11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、CPU11内には、施設利用の管理又は設備利用の管理を行うための機能ブロックが実現される。つまり、CPU11は、施設利用又は設備利用の管理を実行するためのコントローラとして機能可能である。
【0026】
RAM12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、CPU11がコンピュータプログラムを実行している際にCPU11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0027】
ROM13は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0028】
記憶装置14は、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、CPU11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0029】
入力装置15は、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0030】
出力装置16は、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20に関する情報を表示可能な表示装置であってもよい。
【0031】
(動作の概要)
次に、第1実施形態に係る施設管理システム1が適用される施設、及びそこで実現される動作の概要について、図3を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る施設管理システムによる全体的な動作の流れを示す概念図である。以下では、施設管理システムがホテル(即ち、宿泊施設)に適用される場合を例に挙げて説明する。
【0032】
図3に示すように、ホテルを利用しようとするユーザは、予約の際にユーザ情報として自分の顔画像を登録する。顔画像は、例えばスマートフォン等の端末で撮像した画像をアップロードすることで登録できる。ここで登録されたユーザの顔画像は、顔画像記憶装置30に記憶される。
【0033】
続いて、ユーザがホテルを訪問すると、施設利用管理装置10が、訪問したユーザの顔画像と、予め登録されたユーザの顔画像とを照合する。そして、訪問したユーザの顔画像と、予め登録されたユーザの顔画像とを比較して同一人物であることを確認できた場合に、ユーザのチェックイン手続きを完了させる(言い換えれば、ホテルの利用を許可する)。
【0034】
その後、ユーザが客室(即ち、チェックイン時にアサインされた部屋)に入室しようとすると、設備利用管理装置20が、入室しようとするユーザの顔画像と、その客室の利用者として登録されたユーザの顔画像とを照合する。そして、入室しようとするユーザの顔画像と、利用者として登録されたユーザの顔画像とを比較して同一人物であることを確認できた場合に、客室のドアを解錠する(言い換えれば、客室の利用を許可する)。なお、設備利用管理装置20は、客室の他にも、ホテル内にある各種設備(例えば、ホテルの宿泊者のみを対象とする設備等)への入室を許可可能に構成されてもよい。
【0035】
以上のように、本実施形態に係る施設管理システム1は、施設の利用と、施設内の設備の利用とで二段階の許可動作を実行することが可能に構成されている。このため、ホテル以外にも、同様の二段階の許可を要求される可能性がある施設であれば、本実施形態に係る施設管理システム1を適用することが可能である。具体的には、マンションに適用する場合、エントランスにおけるオートロックを一段階目の許可(即ち、施設の利用許可)、各部屋への入室を二段階目の許可(即ち、設備の利用許可)として設定すればよい。
【0036】
(施設管理装置の動作)
次に、第1実施形態に係る施設利用管理装置10が実行する処理の流れについて、図4を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る施設利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0037】
図4に示すように、施設利用管理装置10は、まずホテルにチェックイン手続きをしようとするユーザの存在が検出されているか否かを判定する(ステップS101)。このようなユーザの存在は、例えばフロントデスク周辺に設置された各種センサで検出されてもよいし、ユーザがフロントデスク周辺に設置された端末(或いは、ユーザ自身が保有する端末)で所定の操作を行った際に検出されてもよい。ユーザの存在が検出されていない場合(ステップS101:NO)、以降の処理は省略され、一連の処理は終了する。この場合には、所定期間後に再びステップS101の処理が実行される。
【0038】
ユーザの存在が検出された場合(ステップS101:YES)、周辺に設置されたカメラによってユーザの顔画像が撮像され、その顔画像を第1顔画像取得部110が取得する(ステップS102)。なお、ユーザの顔画像が正常に取得できない場合(言い換えれば、顔認証に利用できるような顔画像が取得できない場合)、ユーザに対して、カメラに顔を向けさせるための指示や、顔を露出させる(例えば、サングラスやマスクを外させる)ための指示を出力するようにしてもよい。
【0039】
続いて、第1利用許可部120が、撮像したユーザの顔画像と、ホテルの利用を許可すべきユーザの顔画像(例えば、予約時に登録された顔画像等)とを照合し、同一人物のものがあるか否かを判定する(ステップS103)。
【0040】
撮像したユーザの顔画像と、ホテルの利用を許可すべきユーザの顔画像との照合で同一人物であると判定された場合(ステップS103:YES)、第1利用許可部120は、ユーザのチェックイン手続きを完了させることで、ホテルの利用を許可する(ステップS104)。この際、チェックイン手続きを完了した旨を、ユーザに対してディスプレイ等で表示するようにしてもよい。また、第1利用許可部120は、ホテルの利用を許可すべきユーザの顔画像、或いは撮像したユーザの顔画像を、ホテルを利用中のユーザの顔画像として顔画像記憶装置30に登録する(ステップS105)。或いは、第1利用許可部120は、ホテルの利用が許可されたユーザが予約時に登録することで顔画像記憶装置30が既に記憶している顔画像に対して、当該顔画像がホテルを利用中のユーザの顔画像であるという情報を紐づけて顔画像記憶装置30に登録してもよい。
【0041】
一方、撮像したユーザの顔画像と、ホテルの利用を許可すべきユーザの顔画像との照合で同一人物であると判定されない場合(ステップS103:NO)、上述したステップS104及びステップS105の処理は実行されない。即ち、ホテルのチェックイン手続き及び利用者登録が行われないため、ユーザはホテルを利用することができない。
【0042】
以上のように、施設利用管理装置10は、顔認証が成功したユーザにホテルの利用を許可する。ただし、ユーザがホテルのチェックアウト手続き(即ち、施設の利用を終了する手続き)を行った場合には、ステップS104によるユーザに対するホテルの利用許可は解除される。また、ステップS105によるホテル利用者としての登録も解除される。この場合、ユーザは、ホテル内の設備を利用することもできなくなる。
【0043】
(設備管理装置の動作)
次に、第1実施形態に係る設備利用管理装置20が実行する処理の流れについて、図5を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る設備利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0044】
図5に示すように、設備利用管理装置20は、まずホテルの設備(典型的には、客室)に入室しようとするユーザの存在が検出されているか否かを判定する(ステップS201)。このようなユーザの存在は、例えば設備のドア周辺に設置された各種センサで検出されてもよいし、ユーザがドア周辺に設置された端末(或いは、ユーザ自身が保有する端末)で所定の操作を行った際に検出されてもよい。ユーザの存在が検出されていない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され、一連の処理は終了する。この場合には、所定期間後に再びステップS201の処理が実行される。
【0045】
ユーザの存在が検出された場合(ステップS201:YES)、設備のドア周辺に設置されたカメラによってユーザの顔画像が撮像され、その顔画像を第2顔画像取得部210が取得する(ステップS202)。なお、ユーザの顔画像が正常に取得できない場合(言い換えれば、顔認証に利用できるような顔画像が取得できない場合)、ユーザに対して、カメラに顔を向けさせるための指示や、顔を露出させる(例えば、サングラスやマスクを外させる)ための指示を出力するようにしてもよい。
【0046】
続いて、第2利用許可部220が、その設備に入室を許可すべきユーザの顔画像を顔画像記憶装置30から読み出す(ステップS203)。ここで読み出される顔画像は、少なくともホテルのチェックイン手続きが完了したユーザの顔画像(言い換えれば、図4のステップS105で利用者登録されたユーザの顔画像)である。具体的には、通常の客室であれば、その部屋にアサインされているユーザの顔画像が読み出され、宿泊者なら誰でも利用できるような設備であれば、宿泊者全員の顔画像が読み出される。
【0047】
その後、第2利用許可部220は、撮像したユーザの顔画像と、設備への入室を許可すべきユーザの顔画像とを照合し、同一人物のものがあるか否かを判定する(ステップS204)。
【0048】
撮像したユーザの顔画像と、設備への入室を許可すべきユーザの顔画像とが同一人物のものと判定された場合(ステップS204:YES)、第2利用許可部220は、設備のドアロックを解錠することで、設備への入室を許可する(ステップS205)。この際、ドア付近の端末に、設備のドアロックが解錠されたことを示す表示を行ってもよい。
【0049】
一方、撮像したユーザの顔画像と、設備への入室を許可すべきユーザの顔画像とが同一人物のものでないと判定された場合(ステップS204:NO)、上述したステップS205の処理は実行されない。即ち、ドアロックの解錠が行われないため、ユーザは設備に入室することができない。なお、ユーザが勘違いをしている(例えば、自分の客室と他の客室とを間違えている)と判断できるような場合(具体的には、その部屋にはアサインされていないが、ホテルの利用者として登録されている場合)には、ドア付近の端末で、利用する設備を間違えていることをユーザに伝えるための表示を行ってもよい。
【0050】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る施設管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0051】
図1から図5で説明したように、第1実施形態に係る施設管理システム1によれば、施設の利用、及び施設内の設備の利用を、顔認証によって好適に管理することができる。具体的には、施設の利用を許可する際の顔認証と、設備の利用を許可する際の顔認証とが、顔画像記憶部30に記憶された共通の顔画像を用いて実行されるため、効率的に顔認証を行うことができる。また、相異なる2種類の許可動作に対して、それぞれ別々の顔画像を登録する必要がないため、施設管理側及びユーザ側の手間を少なくすることができる。
【0052】
更に、設備の利用を許可する際には、その時点で施設を利用しているユーザに限定して顔認証が行える(言い換えれば、照合する顔画像の数を限定できる)ため、より精度の高い顔認証を実現できる。なお、設備の利用を許可する際に顔画像を限定できることを活かして、設備の利用を許可する際の顔認証に用いる閾値を、施設の利用を許可する際の顔認証に用いる閾値より高い値として設定してもよい。なお、ここでの「閾値」とは、顔認証の判定に利用するパラメータ(例えば、顔画像の比較結果として求められる類似度等)に対して設定されるものであり、閾値を超えた場合に顔認証が成功したと判定され、閾値以下である場合には顔認証は失敗したと判定される。よって、閾値が高いほど同一人物であると判定されにくくなり、顔認証の精度は向上する。設備の利用を許可する際の閾値を相対的に高くすれば、照合する顔画像が比較的少ない設備利用許可時の顔認証において、本来許可すべきでないユーザにも設備の利用が許可されてしまう状況を回避できる。一方で、施設の利用を許可する際の閾値は相対的に低くなるため、照合する顔画像が比較的多い施設利用許可時の顔認証においては、顔画像が正常に登録されているにもかかわらず施設の利用が許可されない状況を回避できる。
【0053】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る施設管理システム1について説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の動作(主に施設利用管理装置10の動作)が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0054】
(施設管理装置の動作)
まず、第2実施形態に係る施設利用管理装置10が実行する処理の流れについて、図6を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態に係る施設利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0055】
図6に示すように、第2実施形態に係る施設利用管理装置10では、撮像したユーザの顔画像と、ホテルの利用を許可すべきユーザの顔画像とが同一人物のものであると判定された場合(ステップS103:YES)、第1利用許可部120が、現在の時刻が、ユーザに対してホテルの利用を許可してもよい時間(以下、適宜「施設利用可能時間」と称する)であるか否かを判定する(ステップS301)。なお、施設利用可能時間は、後述する付記における「許可時間」の一具体例であり、顔画像記憶装置30において、ユーザの顔画像と紐づけて記憶されている。或いは、施設利用可能時間は、顔画像記憶装置30とは異なる装置(例えば、施設利用管理装置10)によって、ホテルを利用しようとするユーザ(つまり、ホテルを予約したユーザ)を識別する情報と紐づけて記憶されていてもよい(つまり、管理されていてもよい)。
【0056】
現在時刻が施設利用可能時間であると判定された場合(ステップS301:YES)、第1利用許可部120は、ユーザのチェックイン手続きを完了させることで、ホテルの利用を許可する(ステップS104)。また、第1利用許可部120は、ホテルの利用を許可すべきユーザの顔画像、或いは撮像したユーザの顔画像を、ホテルを利用中のユーザの顔画像として顔画像記憶装置30に登録する(ステップS105)。
【0057】
一方、現在時刻が施設利用可能時間でないと判定された場合(ステップS301:NO)、上述したステップS104及びステップS105の処理は実行されない。即ち、ホテルのチェックイン手続き及び利用者登録が行われないため、ユーザはホテルを利用することができない。
【0058】
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る施設管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0059】
図6で説明したように、第2実施形態に係る施設管理システム1によれば、顔認証が成功した場合(即ち、ユーザの顔画像が登録された顔画像と同一人物のものであると判定された場合)であっても、施設利用可能時間外であれば、施設の利用が許可されない。よって、顔画像は登録されているが現時点で施設の利用を許可すべきでないユーザ(例えば、予約していた日時とは異なる日時に施設を訪問したユーザ)に対して、誤って施設の利用が許可されてしまうことを防止できる。
【0060】
なお、施設の利用を許可した後に施設利用可能時間が経過してしまった場合には、その時点で施設の利用許可を解除するようにしてもよい。その場合、ユーザが保有する端末等に、施設利用可能時間が過ぎたことを知らせる通知を送信するようにしてもよい。
【0061】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る施設管理システム1について説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と比べて一部の動作(主に設備利用管理装置20の動作)が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1及び第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0062】
(設備管理装置の動作)
まず、第3実施形態に係る設備利用管理装置20が実行する処理の流れについて、図7を参照しながら説明する。図7は、第3実施形態に係る設備利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0063】
図7に示すように、第3実施形態に係る設備利用管理装置20では、撮像したユーザの顔画像と、設備への入室を許可すべきユーザの顔画像とが同一人物のものであると判定された場合(ステップS204:YES)、第2利用許可部220が、現在の時刻が、ユーザに対して設備の利用を許可してもよい時間(以下、適宜「設備利用可能時間」と称する)であるか否かを判定する(ステップS401)。なお、設備利用可能時間は、後述する付記における「利用時間」の一具体例であり、顔画像記憶装置30において、ユーザの顔画像と紐づけて記憶されている。或いは、設備利用可能時間は、顔画像記憶装置30とは異なる装置(例えば、施設利用管理装置10及び設備利用管理装置20の少なくとも一方)によって、ホテルの利用が許可されたユーザ(つまり、チェックイン手続きを完了したユーザ)を識別する情報と紐づけて記憶されていてもよい(つまり、管理されていてもよい)。
【0064】
現在時刻が設備利用可能時間であると判定された場合(ステップS401:YES)、第2利用許可部220は、設備のドアロックを解錠することで、設備への入室を許可する(ステップS205)。
【0065】
一方、現在時刻が設備利用可能時間でないと判定された場合(ステップS401:NO)、上述したステップS205の処理は実行されない。即ち、ドアロックの解錠が行われないため、ユーザは設備に入室することができない。なお、設備への入室が許可されなかったユーザに対しては、そのユーザの設備利用可能時間を知らせる表示を行ってもよい。
【0066】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る施設管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0067】
図7で説明したように、第3実施形態に係る施設管理システム1によれば、顔認証が成功した場合(言い換えれば、施設の利用が許可されているユーザ)であっても、設備利用可能時間外であれば、設備の利用が許可されない。よって、施設の利用は許可されているが、対象となる設備の利用を許可すべきでないユーザに対して、誤って設備の利用が許可されてしまうことを防止できる。なお、このような設備の一例として、ホテルの時間指定風呂や夜間エントランス等が挙げられる。
【0068】
なお、上述した説明では、設備利用管理装置20は、ユーザによる設備の利用を管理している。しかしながら、設備利用管理装置20は、設備とは異なるサービスの利用を管理してもよい。例えば、設備利用管理装置20は、設備とは異なる物品の利用を管理してもよい。このような物品の利用の一例として、施設内で利用可能な物品(例えば、浴衣、バッグ及びスリッパの少なくとも一つ)の利用があげられる。或いは、例えば、設備利用管理装置20は、設備又は物品の利用を伴わないサービスの利用(例えば、施設内で提供されている特定のサービスの利用)を管理してもよい。このようなサービスの利用の一例として、施設内で催されているイベント(例えば、ワインの試飲会、特定の体験会及び物品の販売会の少なくとも一つ)への参加があげられる。
【0069】
上記第1から第3実施形態は、適宜組み合わせて利用することが可能である。例えば、第2実施形態と、第3実施形態とを組み合わせることで、施設利用可能時間及び設備利用可能時間の両方を考慮した施設管理システム1を実現することができる。
【0070】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0071】
(付記1)
付記1に記載の施設管理システムは、施設を訪れた訪問ユーザの顔画像を取得する第1取得手段と、取得された前記訪問ユーザの顔画像に基づいて、前記施設を利用可能なユーザであると判定された場合に、前記訪問ユーザに対して前記施設の利用を許可する第1許可手段と、前記施設で提供されるサービスを利用する特定ユーザの顔画像を取得する第2取得手段と、前記第2取得手段で取得された前記特定ユーザの顔画像に基づいて、前記特定ユーザが前記施設の利用を許可されているユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可する第2許可手段とを備えることを特徴とする施設管理システムである。
【0072】
(付記2)
付記2に記載の施設管理システムは、前記第1許可手段は、前記訪問ユーザが訪れた時間が、前記訪問ユーザに対して前記施設の利用を許可する許可時間外である場合には、前記訪問ユーザの顔画像に基づいて、前記施設を利用可能なユーザであると判定された場合であっても、前記訪問ユーザに対して前記施設の利用を許可しないことを特徴とする付記1に記載の施設管理システムである。
【0073】
(付記3)
付記3に記載の施設管理システムは、前記第1許可手段は、前記訪問ユーザに対して前記施設の利用を許可した後に前記許可時間外となった場合には、前記訪問ユーザに対する前記施設の利用許可を解除することを特徴とする付記2に記載の施設管理システムである。
【0074】
(付記4)
付記4に記載の施設管理システムは、前記第1許可手段は、前記訪問ユーザによって前記施設の利用を終了する手続きが行われた場合には、前記訪問ユーザに対する前記施設の利用許可を解除することを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の施設管理システムである。
【0075】
(付記5)
付記5に記載の施設管理システムは、前記第2許可手段は、前記特定ユーザが前記サービスを利用しようとする時間が、前記特定ユーザが前記施設で提供されているサービスを利用可能な利用時間外である場合には、前記特定ユーザの顔画像に基づいて、前記特定ユーザが前記施設の利用を許可されているユーザであると判定された場合であっても、前記特定ユーザに対して前記サービスの利用を許可しないことを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の施設管理システムである。
【0076】
(付記6)
付記6に記載の施設管理システムは、前記第1許可手段は、前記訪問ユーザの顔画像と、前記施設の利用を許可するユーザの顔の特徴量と、を比較して、前記訪問ユーザが前記施設を利用可能なユーザであるか否かを判定し、前記第2許可手段は、前記特定ユーザの顔画像と、前記第1許可手段で前記施設の利用が許可されている前記訪問ユーザの顔の特徴量と、を比較して、前記特定ユーザが前記施設の利用を許可されているユーザであるか否かを判定することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の施設管理システムである。
【0077】
(付記7)
付記7に記載の施設管理システムは、前記第1許可手段及び前記第2許可手段は、前記特徴量の比較結果として求められる類似度が所定の閾値以上であるか否かによって判定を行い、前記第2許可手段が用いる前記所定の閾値である第2閾値は、前記第1許可手段が用いる前記所定の閾値である第1閾値より高く設定されていることを特徴とする付記6に記載の施設管理システムである。
【0078】
(付記8)
付記8に記載の施設管理システムは、前記施設は宿泊施設であり、前記第1許可手段は、前記宿泊施設へのチェックイン手続きを完了させることで、前記訪問ユーザに前記施設の利用を許可し、前記第2許可手段は、前記宿泊施設の客室又は所定の設備に対する入室を許可することで、前記特定ユーザに対して前記サービスの利用を許可することを特徴とする付記1から6のいずれか一項に記載の施設管理システムである。
【0079】
(付記9)
付記9に記載の顔認証装置は、施設の利用を許可するユーザの顔画像に基づいて、前記訪問ユーザに対して前記施設の利用を許可する施設管理システムで用いられる顔認証装置であって、前記施設で提供されるサービスを利用する特定ユーザの顔画像を取得する取得手段と、取得された前記特定ユーザの顔画像に基づいて、前記特定ユーザが前記施設の利用を許可されているユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可する許可手段とを備えることを特徴とする顔認証装置である。
【0080】
(付記10)
付記10に記載の施設管理方法は、施設を訪れた訪問ユーザの顔画像を取得する第1取得工程と、取得された前記訪問ユーザの顔画像に基づいて、前記施設を利用可能なユーザであると判定された場合に、前記訪問ユーザに対して前記施設の利用を許可する第1許可工程と、前記施設で提供されるサービスを利用する特定ユーザの顔画像を取得する第2取得工程と、前記第2取得工程で取得された前記特定ユーザの顔画像に基づいて、前記特定ユーザが前記施設の利用を許可されているユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可する第2許可工程とを含むことを特徴とする施設管理方法である。
【0081】
(付記11)
付記11に記載のコンピュータプログラムは、施設を訪れた訪問ユーザの顔画像を取得する第1取得工程と、取得された前記訪問ユーザの顔画像に基づいて、前記施設を利用可能なユーザであると判定された場合に、前記訪問ユーザに対して前記施設の利用を許可する第1許可工程と、前記施設で提供されるサービスを利用する特定ユーザの顔画像を取得する第2取得工程と、前記第2取得工程で取得された前記特定ユーザの顔画像に基づいて、前記特定ユーザが前記施設の利用を許可されているユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可する第2許可工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0082】
(付記12)
付記11に記載の記録媒体は、付記11に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体である。
【0083】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1 施設管理システム
10 施設利用管理装置
20 設備利用管理装置
30 顔画像記憶装置
110 第1顔画像取得部
120 第1利用許可部
210 第2顔画像取得部
220 第2利用許可部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7