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特許7517404稼働制御装置、稼働制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】稼働制御装置、稼働制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240709BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022501499
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 JP2020006740
(87)【国際公開番号】W WO2021166147
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】関根 繁
(72)【発明者】
【氏名】柴田 剛
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-189288(JP,A)
【文献】特開2007-055727(JP,A)
【文献】国際公開第2013/014970(WO,A1)
【文献】宮崎 真次,群衆行動解析技術を用いた混雑推定システム,[online],Vol.67 No.1,2017年08月23日,第82-85頁,[2020年6月3日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20170823153243/https://jpn.nec.com/techrep/journal/g14/n01/pdf/140117.pdf>
【文献】NEC、羽田空港国際線旅客ターミナルの保安検査場に「待ち時間予測システム」を構築,[online],2020年02月16日,第1-2頁,[2020年6月3日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20200216055744/https://jpn.nec.com/press/201912/20191212_02.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データを取得するデータ取得手段と、
前記第1混雑データを用いて、前記空港内の第2エリアと前記第1エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置を制御する装置制御手段と、
を備え、
前記第1エリアと前記第2エリアの間には複数の前記被制御装置が位置しており、
前記装置制御手段は、前記第1混雑データが基準を超える場合に、前記複数の被制御装置の稼働台数を減らす制御および前記被制御装置の応答速度を下げる制御の少なくとも一方を実行する、
稼働制御装置。
【請求項2】
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データを取得するデータ取得手段と、
前記第1混雑データを用いて、前記空港内の第2エリアと前記第1エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置を制御する装置制御手段と、
を備え、
前記装置制御手段は、前記被制御装置の応答速度を制御し、
前記第1エリアはセキュリティエリアであり、
前記第2エリアは一般エリアであり、
前記被制御装置は保安検査場に設置されている、
稼働制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の稼働制御装置において、
前記データ取得手段は、前記第1エリアを撮像することにより生成された第1画像データを処理することにより前記第1混雑データを生成する稼働制御装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の稼働制御装置において、
前記装置制御手段は、さらに前記空港の出発便のフライト情報を用いて前記被制御装置を制御する稼働制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の稼働制御装置において、
前記フライト情報は、機種又は搭乗人数の少なくとも一方、及び出発予定時刻を含んでいる稼働制御装置。
【請求項6】
コンピュータが、
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データと、前記空港内の第2エリアの混雑状況を示す第2混雑データとを取得し、
前記第1混雑データ及び前記第2混雑データを用いて、前記第1エリアと前記第2エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき複数の被制御装置の稼働台数を制御することを含み
前記複数の被制御装置の稼働台数を制御することは、前記第1混雑データが基準を超える場合に、前記複数の被制御装置の稼働台数を減らす制御および前記被制御装置の応答速度を下げる制御の少なくとも一方を実行することを含む、
稼働制御方法。
【請求項7】
コンピュータが、
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データと、前記空港内の第2エリアの混雑状況を示す第2混雑データとを取得し、
前記第1混雑データ及び前記第2混雑データを用いて、前記第1エリアと前記第2エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置の応答速度を制御することを含み、
前記第1エリアはセキュリティエリアであり、
前記第2エリアは一般エリアであり、
前記被制御装置は保安検査場に設置されている、
稼働制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データと、前記空港内の第2エリアの混雑状況を示す第2混雑データとを取得する機能と、
前記第1混雑データ及び前記第2混雑データを用いて、前記第1エリアと前記第2エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき複数の被制御装置の稼働台数を制御する機能と、
を持たせ
前記複数の被制御装置の稼働台数を制御する機能は、前記第1混雑データが基準を超える場合に、前記複数の被制御装置の稼働台数を減らす制御および前記被制御装置の応答速度を下げる制御の少なくとも一方を実行する、
プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データと、前記空港内の第2エリアの混雑状況を示す第2混雑データとを取得する機能と、
前記第1混雑データ及び前記第2混雑データを用いて、前記第1エリアと前記第2エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置の応答速度を制御する機能と、
を持たせ、
前記第1エリアはセキュリティエリアであり、
前記第2エリアは一般エリアであり、
前記被制御装置は保安検査場に設置されている、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、稼働制御装置、稼働制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
目的地が混雑している場合、人は負荷を感じる。これに対し、一般的には、目的地の混雑度を推定することが行われている。例えば特許文献1には、乗り物に関する手続を行う手続所の混雑を推定する装置が記載されている。この装置は、まず、すでに出発した便において、出発時刻を起算時刻として、所定の時間区分ごとに、予約人数に対する手続所への到着人数の割合を算出する。そしてこの装置は、この時間区分ごとの割合、並びにこれから出発する便の予約人数及び予約時刻を用いて、手続所の混雑度を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-194766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、空港の所定のエリアが混雑しないようにするための技術を検討した。本発明の目的は、空港の所定のエリアが混雑しないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データを取得するデータ取得手段と、
前記第1混雑データを用いて、前記空港内の第2エリアと前記第1エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置を制御する装置制御手段と、
を備える稼働制御装置が提供される。
【0006】
本発明によれば、コンピュータが、
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データと、前記空港内の第2エリアの混雑状況を示す第2混雑データとを取得し、
前記第1混雑データ及び前記第2混雑データを用いて、前記第1エリアと前記第2エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置を制御する、稼働制御方法が提供される。
【0007】
本発明によれば、コンピュータに、
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データと、前記空港内の第2エリアの混雑状況を示す第2混雑データとを取得する機能と、
前記第1混雑データ及び前記第2混雑データを用いて、前記第1エリアと前記第2エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置を制御する機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、空港の所定のエリアが混雑しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0010】
図1】第1実施形態に係る稼働制御装置の使用環境を説明するための図である。
図2】稼働制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】稼働制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】稼働制御装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係る稼働制御装置の使用環境を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る稼働制御装置10の使用環境を説明するための図である。稼働制御装置10は、空港に設置された被制御装置20を制御する。被制御装置20は、第1エリアと第2エリアの間に位置しており、第2エリアから第1エリアに移動する人、例えば飛行機の搭乗者によって利用される。本図に示す例において、被制御装置20は複数設置されている。そして稼働制御装置10は、被制御装置20を制御することにより、第2エリアの混雑状況を制御する。
【0013】
第1エリアと第2エリアの組み合わせは様々である。一例として、第1エリアは搭乗者でないと入れないエリア(例えばセキュリティエリア)であり、第2エリアは搭乗者以外も入ることができるエリア(例えば一般エリア)である。この場合、第2エリアから第1エリアに移動する人は、出発便に乗る人である。そして被制御装置20は、例えば保安検査場に設置された装置(例えばx線検査装置、ボディースキャナー、PRS:Passenger Reconciliation System)であるが、チェックイン手続きをするための装置(例えばチェックインカウンターに設置された装置(CUTE:Common Use Terminal Equipment)、自動チェックイン装置(CUSS:Common Use Self-Service)、自動手荷物預け入れ装置(CUBD:Common Use Bag Drop)であってもよいし、エスカレータ(水平型の場合を含む)であってもよい。
【0014】
また、他の例として、第1エリアは一般エリアであり、第2エリアはセキュリティエリアである。この場合、第2エリアから第1エリアに移動する人は、到着便から降りた人である。そして被制御装置20は、第1エリアと第2エリアの間を仕切るゲートや顔認証ゲート、入国審査用の端末の他、税関審査場申告ゲートや税関審査用の端末であってもよいし、エスカレータ(水平型の場合を含む)であってもよい。
【0015】
そして稼働制御装置10は、被制御装置20の応答速度(エスカレータの場合は移動速度)を制御したり、被制御装置20の稼働台数を制御することにより、第2エリアから第1エリアに移動する人の単位時間当たりの数を制御する。これにより、第1エリアの混雑度を制御することができる。
【0016】
稼働制御装置10は、被制御装置20を制御する際に、撮像部32が生成した画像を用いる。撮像部32は第1エリアを撮像している。そして稼働制御装置10は、撮像部32が生成した画像を処理することにより、第1エリアの混雑状況を示すデータ(以下、第1混雑データと記載)を生成する。
【0017】
なお、稼働制御装置10は、被制御装置20を制御する際に、さらに撮像部34が生成した画像を用いてもよい。撮像部34は第2エリアを撮像している。そして稼働制御装置10は、撮像部34が生成した画像を処理することにより、第2エリアの混雑状況を示すデータ(以下、第2混雑データと記載)を生成する。
【0018】
図2は、稼働制御装置10の機能構成の一例を示す図である。本図に示す例において、稼働制御装置10は、データ取得部110及び装置制御部120を備えている。
【0019】
データ取得部110は第1混雑データを取得する。本実施例において、データ取得部110は、撮像部32が生成した画像を処理することにより、第1混雑データを生成する。ここで行われる画像処理は、例えば群衆の人数を数える処理を含む。そして第1混雑データは、第1エリアの単位面積当たりの人数に応じた値になっていてもよいし、第1エリア全体の人数に応じた値になっていてもよい。
【0020】
装置制御部120は、第1混雑データを用いて、被制御装置20を制御する。装置制御部120は、例えば第1混雑データが基準値を超えた場合、第2エリアから第1エリアに移動する人の単位時間当たりの数が減るように、被制御装置20の稼働台数を減らしたり、被制御装置20の応答速度を下げる。
【0021】
装置制御部120が被制御装置20に対して出力する制御情報の内容、例えば被制御装置20の稼働台数や応答速度は、例えば機械学習の結果を用いて設定される。ここで行われる機械学習は、例えば教師あり学習である。この場合、教師データは、現在の第1混雑データ及び現在の被制御装置20の稼働状態(例えば台数及び応答速度の少なくとも一方)の組み合わせに、ラベルとして所定時間経過後の第1混雑データを付したものである。ただし、教師データはこれに限定されない。ここで所定時間は、例えば第1エリアと第2エリアの距離を用いて設定されるが、これに限定されない。
【0022】
なお、稼働制御装置10が、撮像部34が生成した画像を用いる場合、データ取得部110は、この画像を処理することにより、第2エリアの混雑状況を示すデータ(以下、第2混雑データと記載)を生成する。そして装置制御部120は、第1混雑データ及び第2混雑データを用いて、被制御装置20を制御する。この場合、教師データは、現在の第1混雑データ、現在の第2混雑データ、及び現在の被制御装置20の稼働状態(例えば台数及び応答速度の少なくとも一方)の組み合わせに、所定時間経過後の第1混雑データをラベルとして付したものになる。
【0023】
図3は、稼働制御装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。稼働制御装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0024】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0025】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0026】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0027】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は稼働制御装置10の各機能(例えばデータ取得部110及び装置制御部120)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0028】
入出力インタフェース1050は、稼働制御装置10と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0029】
ネットワークインタフェース1060は、稼働制御装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。稼働制御装置10は、例えば、ネットワークインタフェース1060を介して被制御装置20及び撮像部32,34と接続する。
【0030】
図4は、稼働制御装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。稼働制御装置10は、本図に示す処理を所定時間間隔で繰り返す。ここでの所定時間間隔は、例えば1分以上10分以下であるが、これに限定されない。
【0031】
まず稼働制御装置10のデータ取得部110は、撮像部32から第1画像を取得する。ここでデータ取得部110は、必要に応じて撮像部34から第2画像を取得する(ステップS10)。次いでデータ取得部110は、第1画像を処理することにより第1混雑データを生成する。ここでデータ取得部110は、第2画像を取得していた場合、この第2画像を処理することにより第2混雑データも生成する(ステップS20)。
【0032】
次いで装置制御部120は、第1混雑データを用いて制御情報を生成する。ここでデータ取得部110が第2混雑データを生成していた場合、装置制御部120は、第1混雑データおよび第2混雑データを用いて制御情報を生成する(ステップS30)。ついで装置制御部120は、生成した制御情報を被制御装置20に出力する(ステップS40)。
【0033】
そして被制御装置20は、稼働制御装置10から取得した制御情報に従って動作する。
【0034】
以上、本実施形態によれば、稼働制御装置10は、第1混雑データを用いて被制御装置20を制御する。第1混雑データは第1エリアの混雑状況を示している。そして被制御装置20は、第2エリアから第1エリアに移動する人が使用する装置である。このため、被制御装置20を制御することにより、第1エリアに入る人の数を制御することができる。よって、稼働制御装置10によれば、第1エリアが混雑することを抑制できる。
【0035】
[第2実施形態]
図5は、本実施形態に係る稼働制御装置10の使用環境を説明する図である。本実施形態に係る稼働制御装置10は、被制御装置20を制御する際に、さらにフライト情報記憶部122が記憶している情報を用いる点を除いて、第1実施形態に係る稼働制御装置10と同様の構成である。本図に示す例において、フライト情報記憶部122は稼働制御装置10の外部に位置しているが、稼働制御装置10の一部であってもよい。
【0036】
詳細には、稼働制御装置10のデータ取得部110は、フライト情報記憶部122が記憶している情報(以下、フライト情報と記載)を取得する。このフライト情報は、少なくともこれから空港を出発する便(以下、出発便と記載)に関する情報、例えば機種、定員、及び搭乗予定人数の少なくとも一つ、並びに出発予定時刻を含んでいる。データ取得部110が取得するフライト情報は、例えば出発予定時刻が現在時刻から所定時間以内の出発便に関する情報であるのが好ましい。
【0037】
そして装置制御部120は、被制御装置20を制御する際に、第1混雑データ(及び第2混雑データ)に加えて、フライト情報をさらに用いる。そして装置制御部120が用いる機械学習において、教師データにはさらにフライト情報が含まれる。具体的には、教師データは、現在の第1混雑データ(及び第2混雑データ)、フライト情報、及び被制御装置20の稼働状態(例えば台数及び応答速度の少なくとも一方)の組み合わせに、所定時間経過後の第1混雑データをラベルとして付したものになる。そして、装置制御部120は、機械学習、第1混雑データ(及び第2混雑データ)、並びにフライト情報を用いて、制御情報を生成する。
【0038】
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、第1エリアが混雑することを抑制できる。また、本実施形態によれば、稼働制御装置10は、さらにフライト情報も用いる。このため、稼働制御装置10は、出発便によって第1エリアから出発する人を被制御装置20の制御に用いることになる。したがって、さらに精度よく第1エリアが混雑することを抑制できる。
【0039】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0040】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0041】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データを取得するデータ取得手段と、
前記第1混雑データを用いて、前記空港内の第2エリアと前記第1エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置を制御する装置制御手段と、
を備える稼働制御装置。
2.上記1に記載の稼働制御装置において、
前記データ取得手段は、前記第1エリアを撮像することにより生成された第1画像データを処理することにより前記第1混雑データを生成する稼働制御装置。
3.上記1又は2に記載の稼働制御装置において、
前記第1エリアと前記第2エリアの間には複数の前記被制御装置が位置しており、
前記装置制御手段は、前記複数の被制御装置の稼働台数を制御する稼働制御装置。
4.上記1~3のいずれか一項に記載の稼働制御装置において、
前記装置制御手段は、前記被制御装置の応答速度を制御する稼働制御装置。
5.上記1~4のいずれか一項に記載の稼働制御装置において、
前記第1エリアは一般エリア及びセキュリティエリアの一方であり、
前記第2エリアは前記一般エリア及び前記セキュリティエリアの他方である稼働制御装置。
6.上記5に記載の稼働制御装置において、
前記第1エリアは前記セキュリティエリアであり、
前記第2エリアは前記一般エリアであり、
前記被制御装置は保安検査場に設置されている稼働制御装置。
7.上記1~6のいずれか一項に記載の稼働制御装置において、
前記装置制御手段は、さらに前記空港の出発便のフライト情報を用いて前記被制御装置を制御する稼働制御装置。
8.上記7に記載の稼働制御装置において、
前記フライト情報は、機種又は搭乗人数の少なくとも一方、及び出発予定時刻を含んでいる稼働制御装置。
9.コンピュータが、
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データと、前記空港内の第2エリアの混雑状況を示す第2混雑データとを取得し、
前記第1混雑データ及び前記第2混雑データを用いて、前記第1エリアと前記第2エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置を制御する、稼働制御方法。
10.上記9に記載の稼働制御方法において、
前記コンピュータは、前記第1エリアを撮像することにより生成された第1画像データを処理することにより前記第1混雑データを生成する稼働制御方法。
11.上記9又は10に記載の稼働制御方法において、
前記第1エリアと前記第2エリアの間には複数の前記被制御装置が位置しており、
前記コンピュータは、前記複数の被制御装置の稼働台数を制御する稼働制御方法。
12.上記9~11のいずれか一項に記載の稼働制御方法において、
前記コンピュータは、前記被制御装置の応答速度を制御する稼働制御方法。
13.上記9~12のいずれか一項に記載の稼働制御方法において、
前記第1エリアは一般エリア及びセキュリティエリアの一方であり、
前記第2エリアは前記一般エリア及び前記セキュリティエリアの他方である稼働制御方法。
14.上記13に記載の稼働制御方法において、
前記第1エリアは前記セキュリティエリアであり、
前記第2エリアは前記一般エリアであり、
前記被制御装置は保安検査場に設置されている稼働制御方法。
15.上記9~14のいずれか一項に記載の稼働制御方法において、
前記コンピュータは、さらに前記空港の出発便のフライト情報を用いて前記被制御装置を制御する稼働制御方法。
16.上記15に記載の稼働制御方法において、
前記フライト情報は、機種又は搭乗人数の少なくとも一方、及び出発予定時刻を含んでいる稼働制御方法。
17.コンピュータに、
空港内の第1エリアの混雑状況を示す第1混雑データと、前記空港内の第2エリアの混雑状況を示す第2混雑データとを取得する機能と、
前記第1混雑データ及び前記第2混雑データを用いて、前記第1エリアと前記第2エリアの間に位置していて飛行機の搭乗者が利用すべき被制御装置を制御する機能と、
を持たせるプログラム。
18.上記17に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記第1エリアを撮像することにより生成された第1画像データを処理することにより前記第1混雑データを生成させるプログラム。
19.上記17又は18に記載のプログラムにおいて、
前記第1エリアと前記第2エリアの間には複数の前記被制御装置が位置しており、
前記コンピュータに、前記複数の被制御装置の稼働台数を制御させるプログラム。
20.上記17~19のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記被制御装置の応答速度を制御させるプログラム。
21.上記17~20のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記第1エリアは一般エリア及びセキュリティエリアの一方であり、
前記第2エリアは前記一般エリア及び前記セキュリティエリアの他方であるプログラム。
22.上記21に記載のプログラムにおいて、
前記第1エリアは前記セキュリティエリアであり、
前記第2エリアは前記一般エリアであり、
前記被制御装置は保安検査場に設置されているプログラム。
23.上記17~22のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、さらに前記空港の出発便のフライト情報を用いて前記被制御装置を制御させるプログラム。
24.上記23に記載のプログラムにおいて、
前記フライト情報は、機種又は搭乗人数の少なくとも一方、及び出発予定時刻を含んでいるプログラム。
【符号の説明】
【0042】
10 稼働制御装置
20 被制御装置
32 撮像部
34 撮像部
110 データ取得部
120 装置制御部
122 フライト情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5