(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20240709BHJP
G06Q 50/02 20240101ALI20240709BHJP
G06F 3/04815 20220101ALI20240709BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G06Q50/02
G06F3/04815
G06F3/01 510
(21)【出願番号】P 2022505029
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(86)【国際出願番号】 JP2021002686
(87)【国際公開番号】W WO2021176892
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】P 2020038389
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 大輔
(72)【発明者】
【氏名】市川 美和
(72)【発明者】
【氏名】弓場 大夢
(72)【発明者】
【氏名】石井 智裕
(72)【発明者】
【氏名】舩橋 真俊
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-069177(JP,A)
【文献】特表2012-530975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/00 -19/20
G06Q 50/02
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の特性を示すスコアを算出する算出部と、
前記算出部によって算出されたスコアに応じた高さ情報と、
ユーザの視野範囲に含まれる領域を対象範囲として当該対象範囲に含まれる複数の物体を前記対象物とした際の前記対象物の高さの最大値、平均値、最頻値、又は、最小値に基づく高さ情報とに基づいて、前記対象物に対して可視化情報を表示するための処理を行う提示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記提示制御部は、
前記対象物の高さと、表示される前記可視化情報の高さとに基づいて決定されるオフセットを含む、前記対象物の高さに基づく高さ情報に基づいて、当該可視化情報を表示するための処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提示制御部は、
表示される前記可視化情報が、
前記ユーザの視点の高さと、
前記ユーザと前記対象物との相対水平距離とに基づいて決定される表示画角の画角内に収まる場合、当該可視化情報を表示するための処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提示制御部は、
表示される前記可視化情報が、前記ユーザの視野の角度に関する情報に基づいて決定される前記表示画角の画角内に収まる場合、当該可視化情報を表示するための処理を行う
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、
複数の対象物の各々の前記スコアを算出し、
前記提示制御部は、
前記複数の対象物の各々の前記スコアに応じた高さ情報に基づいて、前記可視化情報を表示するための処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提示制御部は、
前記可視化情報の遷移を示す前記高さ情報に基づく高さの差分が所定の閾値以上である場合、当該可視化情報を動的に表示するための処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提示制御部は、
前記スコアをメッシュ状の三次元グラフで示した前記可視化情報を表示するための処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記算出部は、
植生に関する前記対象物の特性を示すスコアを算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記算出部は、
複数の対象物の関係性を示す前記スコアを算出し、
前記提示制御部は、
前記算出部によって算出された複数の対象物の関係性を示す前記スコアに基づいて、当該複数の対象物の関係性を、三次元パス(path)で可視化した前記可視化情報を表示するための処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提示制御部は、
街中での人間関係、倉庫での商品管理、作業場での人員配置、又は、会場での盛り上がり度を可視化した前記可視化情報を表示するための処理を行う
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記提示制御部は、
前記可視化情報をAR(Augmented Reality)表示するための処理を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
対象物の特性を示すスコアを算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出されたスコアに応じた高さ情報と、
ユーザの視野範囲に含まれる領域を対象範囲として当該対象範囲に含まれる複数の物体を前記対象物とした際の前記対象物の高さの最大値、平均値、最頻値、又は、最小値に基づく高さ情報とに基づいて、前記対象物に対して可視化情報を表示するための処理を行う提示制御工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項13】
対象物の特性を示すスコアを算出する算出手順と、
前記算出手順によって算出されたスコアに応じた高さ情報と、
ユーザの視野範囲に含まれる領域を対象範囲として当該対象範囲に含まれる複数の物体を前記対象物とした際の前記対象物の高さの最大値、平均値、最頻値、又は、最小値に基づく高さ情報とに基づいて、前記対象物に対して可視化情報を表示するための処理を行う提示制御手順と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項14】
対象物の特性を示すスコアを算出する算出部と、
表示される可視化情報が、ユーザの視点の高さと、当該ユーザと前記対象物との相対水平距離とに基づいて決定される表示画角の画角内に収まる場合、前記算出部によって算出されたスコアに応じた高さ情報に基づいて、前記対象物に対して当該可視化情報を表示するための処理を行う提示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項15】
対象物の特性を示すスコアを算出する算出部と、
前記算出部によって算出されたスコアに応じた高さ情報であって可視化情報の遷移を示す高さ情報に基づく高さの差分が所定の閾値以上である場合、前記対象物に対して当該可視化情報を動的に表示するための処理を行う提示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項16】
対象物の特性を示すスコアとして複数の当該対象物の関係性を示すスコアを算出する算出部と、
前記算出部によって算出されたスコアに基づいて、前記関係性を三次元パス(path)で可視化した可視化情報を前記対象物に対して表示するための処理を行う提示制御部と、
を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
農法の一例として、協生農法(登録商標)(Synecoculture)と呼ばれる無耕起、無施肥、及び無農薬を基本とした農法がある。協生農法(登録商標)では、生態系を構成する様々な生態系構成物の影響を受けるため、作業者が協生農法(登録商標)を短期間で習熟することは困難であり、熟練者の支援が必要となり得る。そこで近年では、圃場(例えば、田畑、農園)の熟練者が遠隔から作業者に農法の支援を行う技術が注目されている。
【0003】
協生農法(登録商標)の支援では、圃場などの遠隔地にいる作業者に遠隔地から的確な指示を与える必要がある。そこで近年では、遠隔地の作業者に視覚に基づいた的確な指示を与える技術として、拡張現実(Augmented Reality:AR)が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のAR技術では、生態系構成物と可視化情報との対応付けを、ユーザが的確に把握できない場合もあり得る。このため、更なるユーザビリティの向上を促進する余地があった。
【0006】
そこで、本開示では、更なるユーザビリティの向上を促進することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、対象物の特性を示すスコアを算出する算出部と、前記算出部によって算出されたスコアに応じた高さ情報に基づいて、前記対象物に対して可視化情報を表示するための処理を行う表示処理部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムの実施例の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理システムの実施例の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る情報処理システムの実施例の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る情報処理システムの機能の概要を示す図である。
【
図6】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図7】実施形態に係る情報処理システムの機能の概要を示す図である。
【
図8】実施形態に係る可視化情報のバリエーションの一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る記憶部の一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】実施形態に係る情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】実施形態に係る可視化情報のバリエーションの一例を示す図である。
【
図15】情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態
1.1.はじめに
1.2.情報処理システムの構成
2.情報処理システムの実施例
2.1.圃場の確認と作業場所への移動
2.2.作業
2.3.作業後の確認
3.情報処理システムの機能
3.1.機能の概要
3.2.機能構成例
3.3.情報処理システムの処理
3.4.処理のバリエーション
4.ハードウェア構成例
5.まとめ
【0011】
<<1.本開示の一実施形態>>
<1.1.はじめに>
協生農法(登録商標)において、植物等の生態系構成物同士の相性や、生態系全体の複雑性を理解することも重要である。このため、AR技術を用いて、例えば、生態系構成物に対してラベル付け等の可視化情報を付与する技術が注目されている。しかしながら、協生農法(登録商標)では、多種多様な生態系構成物を密集させて配置させる場合があり、この場合には、多量の生態系構成物に可視化情報が付与されてしまう。このため、生態系構成物と可視化情報との対応付けを、ユーザが的確に把握することは困難となり得る。
【0012】
また、例えば、色情報(例えば、ヒートマップ)を用いて、各生態系構成物に紐付く概念情報(例えば、高度や温度)を示す可視化情報を表示する技術が注目されているが、付与した色情報が生態系構成物を覆い隠してしまう場合もある。また、例えば、生態系構成物を表示する空間とは異なる他の空間に表示することで、生態系構成物を覆い隠さずに表示する技術も注目されているが、生態系構成物と可視化情報との表示提示の位置が乖離してしまう場合もある。この場合、生態系構成物と可視化情報との空間的な相対位置が把握できなくなり得るため、生態系構成物と可視化情報との対応付けを、ユーザが的確に把握することは困難となり得る。
【0013】
しかしながら、上述したように、従来のAR技術では、生態系構成物と可視化情報との対応付けを、ユーザが的確に把握できない場合もあり得る。このため、更なるユーザビリティの向上を促進する余地があった。
【0014】
そこで、本開示では、更なるユーザビリティの向上を促進することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提案する。
【0015】
以下の説明において、圃場の作業者を、適宜、「ユーザ」とする。ユーザは、圃場の作業者をAR体験するユーザであってもよい。実施形態では、ユーザは、実際の圃場の作業者ではなく、圃場の作業者をAR体験する体験者である。また、以下、ユーザに指示する圃場の熟練者を、適宜、「指示者」とする。指示者は、圃場の作業者をAR体験するユーザに対して指示する指示者又は指示物であってもよい。実施形態では、指示者は、実際の圃場の熟練者ではなく、圃場の作業者をAR体験するユーザに対して指示する指示者又は指示物である。
【0016】
以下、実施形態に係る対象物は、現実空間に対応する位置にAR表示されたオブジェクト(仮想オブジェクト)でも、実際のオブジェクト(実物体)でもよいものとする。
【0017】
以下、複数の対象物を含む所定の領域を、適宜、対象範囲とする。なお、対象物が仮想オブジェクトである場合には、対象範囲は、後述する表示範囲となる。
【0018】
<1.2.情報処理システムの構成>
実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
図1は、情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1に示したように、情報処理システム1は、情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30を備える。情報処理装置10には、多様な装置が接続され得る。例えば、情報処理装置10には、端末装置20及び情報提供装置30が接続され、各装置間で情報の連携が行われる。情報処理装置10には、端末装置20及び情報提供装置30が無線で接続される。例えば、情報処理装置10は、端末装置20及び情報提供装置30とBluetooth(登録商標)を用いた近距離無線通信を行う。なお、情報処理装置10には、端末装置20及び情報提供装置30が有線で接続されてもよいし、ネットワークを介して接続されてもよい。
【0019】
(1)情報処理装置10
情報処理装置10は、対象物に対して可視化情報に関する情報を表示するための処理を行う情報処理装置である。具体的には、情報処理装置10は、対象物の特性を示すスコア(複雑度)を算出する。そして、情報処理装置10は、算出されたスコアに基づいて、対象物に対して可視化情報に関する情報を表示するための制御情報を提供する。
【0020】
また、情報処理装置10は、情報処理システム1の動作全般を制御する機能も有する。例えば、情報処理装置10は、各装置間で連携される情報に基づき、情報処理システム1の動作全般を制御する。具体的には、情報処理装置10は、例えば、情報提供装置30から受信する情報に基づき、端末装置20で表示される可視化情報の制御を行う。
【0021】
情報処理装置10は、PC(Personal computer)、WS(Work station)等により実現される。なお、情報処理装置10は、PC、WS等に限定されない。例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10としての機能をアプリケーションとして実装したPC、WS等の情報処理装置であってもよい。
【0022】
(2)端末装置20
端末装置20は、AR表示の出力可能なシースルー型アイウェア(HoloLens)等のウェアラブル機器である。また、端末装置20は、ARCore(登録商標)やARKit(登録商標)等のモバイル(Mobile)AR表示の出力可能なスマートホン等の端末機器であってもよい。また、端末装置20は、Varjo(登録商標)のXR-1等のビデオシースルー型のARデバイスやXRデバイスであってもよい。
【0023】
端末装置20は、例えば、情報処理装置10から提供された制御情報に基づいて、可視化情報に関する情報を表示する。
【0024】
(3)情報提供装置30
情報提供装置30は、対象範囲に関する情報を情報処理装置10へ提供する情報処理装置である。情報処理装置10は、例えば、対象範囲に関する情報の取得に関する情報に基づいて、対象範囲に関する情報を提供する。
【0025】
情報提供装置30は、PC、WS等により実現される。なお、情報提供装置30は、PC、WS等に限定されない。例えば、情報提供装置30は、情報提供装置30としての機能をアプリケーションとして実装したPC、WS等の情報処理装置であってもよい。
【0026】
<<2.情報処理システムの実施例>>
以上、情報処理システム1の構成について説明した。続いて、情報処理システム1の実施例について説明する。なお、実施形態では、圃場は、実際の圃場ではなく、AR体験用の模擬的な圃場であるため、適宜、「AR圃場」とする。また、実施形態では、ユーザU11はシースルー型アイウェアを装着しており、画角の制約があるものとする。また、実施形態では、圃場には作業場所があるものとする。また、対象物の一例として、仮想オブジェクトを用いて説明する。
【0027】
<2.1.圃場の確認と作業場所への移動>
図2は、AR体験の対象となるユーザU11が圃場の確認を行う場面FS1と、ユーザU11が作業場所へ移動する場面FS2とを示す図である。
図2では、AR体験中のユーザU11の行動を示す行動場面US11と、ユーザU11の行動に伴って表示されるAR表示を示すAR場面AS11とが含まれる。以下、行動場面USと、AR場面ASとを対応付けながら説明する。なお、行動画像UR11乃至行動画像UR14は、AR画像AR11乃至AR画像AR14に各々対応するものとする。
【0028】
図2は、まず、ユーザU11が、「作業を始めましょう。トマトの苗を持ってください。」と指示された指示場面GS11を示す。行動画像UR11は、ユーザU11がトマトの苗を持ち、圃場から少し離れたところで待機する場面を示す画像である。AR画像AR11は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR11では、AR表示がされていない状態のため、現実空間の背景がそのまま表示される。次いで、指示者による操作に応じて、情報処理システム1は、AR圃場中に植生の仮想オブジェクトをAR表示する(S11)。そして、ユーザU11が、「圃場全体の様子です。」と指示された指示場面GS12へ移行する。
【0029】
行動画像UR12は、ユーザU11が圃場を俯瞰して圃場全体を把握する場面を示す画像である。AR画像AR12は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR12では、AR圃場中に植生の仮想オブジェクトが表示される。例えば、AR画像AR12には、トマトの仮想オブジェクトOB11や、人参の仮想オブジェクトOB12等が表示される。AR画像AR12では、仮想オブジェクトOB11及び仮想オブジェクトOB12を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR12に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。なお、指示場面GS11と指示場面GS12とを合わせた場面が、場面FS1である。そして、ユーザU11が、「今日の作業場所まで近づいてください。」と指示された指示場面GS13へ移行する。
【0030】
行動画像UR13は、ユーザU11が作業場所へ近づく場面を示す画像である。情報処理システム1は、ユーザU11の行動に応じて、植生の仮想オブジェクトの表示範囲を制限する処理を行う(S12)。AR画像AR13は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR13では、AR画像AR12において表示された植生の仮想オブジェクトの表示範囲が制限される。例えば、AR画像AR13では、ユーザU11が所定の時間内(例えば、一日の作業時間に相当する時間内)に作業可能な情報のみが表示されるように、仮想オブジェクトの表示範囲が制限される。これにより、情報処理システム1は、ユーザU11を作業場所へ的確に誘導することができる。AR画像AR13では、例えば、ジャガイモの仮想オブジェクトOB13や、キャベツの仮想オブジェクトOB14等が表示される。AR画像AR13では、仮想オブジェクトOB13及び仮想オブジェクトOB14を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR13に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。次いで、指示者による操作に応じて、情報処理システム1は、植生の複雑度(多様度)を可視化した可視化情報である仮想オブジェクトをAR表示する(S13)。なお、この複雑度が、対象物の特性を示すスコア、若しくは、対象物の特性を示すスコアに応じた高さ情報である。そして、ユーザU11が、「植生の複雑度を示しています。複雑度が低い箇所に苗を植えます。」と指示された指示場面GS14へ移行する。
【0031】
行動画像UR14は、ユーザU11が改善箇所を確認する場面を示す画像である。AR画像AR14は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR14では、植生の複雑度を可視化した仮想オブジェクトOB15がAR表示される。AR画像AR14では、例えば、植生の複雑度をメッシュ状の三次元グラフである仮想オブジェクトOB15がAR表示される。仮想オブジェクトOB15は、メッシュ状の三次元グラフの高さの高低に応じて、植生の複雑度を示す。仮想オブジェクトOB15は、例えば、植生に関する仮想オブジェクトの関係性を示す。また、仮想オブジェクトOB15の下方への窪みは、植生が豊かではない、すなわち、ユーザU11の作業が必要な箇所を示す。これにより、情報処理システム1は、ユーザU11に作業が必要な箇所を的確に示すことができる。なお、指示場面GS13と指示場面GS14とを合わせた場面が、場面FS2である。そして、
図3に示す場面へ移行する。
【0032】
<2.2.作業>
図3は、ユーザU11が作業のAR体験を行う場面FS3を示す図である。
図3では、ユーザU11の行動を示す行動場面US12と、ユーザU11の行動に伴って表示されるAR表示を示すAR場面AS12とが含まれる。以下、行動場面USと、AR場面ASとを対応付けながら説明する。なお、行動画像UR15乃至行動画像UR18は、AR画像AR15乃至AR画像AR18に各々対応するものとする。
【0033】
図3は、ユーザU11が、「では、しゃがんで作業をしましょう。根っこは傷つけないでくださいね。」と指示された指示場面GS15を示す。行動画像UR15は、ユーザU11がしゃがんで待機する場面を示す画像である。AR画像AR15は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR15では、指示者による操作に応じて、植生の根の範囲を可視化した仮想オブジェクトが表示される。例えば、AR画像AR15には、植生の根の範囲を可視化した仮想オブジェクトOB16乃至仮想オブジェクトOB18等が表示される。これにより、情報処理システム1は、ユーザU11に傷つけてはいけない植生の根の箇所を的確に示すことができる。AR画像AR15では、仮想オブジェクトOB16及び仮想オブジェクトOB18を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR15に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。次いで、指示者による操作に応じて、情報処理システム1は、指示者の手の動きを可視化した仮想オブジェクトをリアルタイムでAR表示する(S14)。これにより、指示者は、遠隔である場合であっても、的確に指差し指示を行うことができる。そして、ユーザU11が、「この辺りに植えられそうですね。」と指示された指示場面GS16へ移行する。
【0034】
行動画像UR16は、ユーザU11が指示者により指示された箇所にトマトの苗を植える場面を示す画像である。AR画像AR16は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR16では、指示者による操作に応じて、指示者の手の動きを可視化した仮想オブジェクトがリアルタイムで表示される。例えば、AR画像AR16では、指示者の手の動きを可視化した仮想オブジェクトOB19が表示される。仮想オブジェクトOB19は、指示者の手の動きに応じてリアルタイムに変化する。また、AR画像AR16では、指示者による操作に応じて、作業の必要な箇所を可視化した仮想オブジェクトが表示される。例えば、AR画像AR16では、作業の必要な箇所を可視化した仮想オブジェクトOB20が表示される。これにより、情報処理システム1は、指示者の手の動きとともに、作業の必要な箇所をAR表示することで、作業の必要な箇所に対して、的確に指差し指示を行うことができる。AR画像AR16では、仮想オブジェクトOB19及び仮想オブジェクトOB20を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR16に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。次いで、指示者による操作に応じて、情報処理システム1は、指示者の手の動きによる詳細又はお手本を可視化した仮想オブジェクトをリアルタイムでAR表示する(S15)。これにより、指示者は、ニュアンスを含めた作業のやり方を的確に指示することができる。そして、ユーザU11が、「こんな感じで土をかぶせてください。」と指示された指示場面GS17へ移行する。
【0035】
行動画像UR17は、ユーザU11が指示者のお手本を真似して苗に土をかぶせる場面を示す画像である。AR画像AR17は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR17では、指示者による操作に応じて、指示者の手の動きを可視化した仮想オブジェクトがリアルタイムで表示される。例えば、AR画像AR17では、指示者の手の動きを可視化した仮想オブジェクトOB19及び仮想オブジェクトOB21が表示される。仮想オブジェクトOB19は、指示者の右手の動きに応じてリアルタイムに変化する。仮想オブジェクトOB21は、指示者の左手の動きに応じてリアルタイムに変化する。これにより、情報処理システム1は、指示者の両手の動きをAR表示することで、より的確に指差し指示を行うことができる。AR画像AR17では、仮想オブジェクトOB19及び仮想オブジェクトOB21を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR17に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。次いで、指示者による操作に応じて、情報処理システム1は、指示者の手の動きによるフィードバックを可視化した仮想オブジェクトをリアルタイムでAR表示する(S16)。これにより、指示者は、フィードバックを示すことで、ユーザU11を安心させることができる。そして、ユーザU11が、「いいですね。そんな感じです。」と指示された指示場面GS18へ移行する。
【0036】
行動画像UR18は、ユーザU11が指示者からのフィードバックを確認して、立ち上がる場面を示す画像である。AR画像AR18は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR18では、指示者による操作に応じて、フィードバックを示す指示者の手の動きを可視化した仮想オブジェクトがリアルタイムで表示される。例えば、AR画像AR18では、フィードバックを示す指示者の手の動きを可視化した仮想オブジェクトOB19が表示される。仮想オブジェクトOB19は、フィードバックを示す指示者の手の動きに応じてリアルタイムに変化する。これにより、情報処理システム1は、指示者のフィードバックをAR表示することで、より的確に指差し指示を行うことができる。AR画像AR18では、仮想オブジェクトOB19を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR18に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。なお、指示場面GS15乃至指示場面GS18を合わせた場面が、場面FS3である。そして、
図4に示す場面へ移行する。
【0037】
<2.3.作業後の確認>
図4は、ユーザU11が行った作業を確認する場面FS4を示す図である。
図4では、ユーザU11の行動を示す行動場面US13と、ユーザU11の行動に伴って表示されるAR表示を示すAR場面AS13とが含まれる。以下、行動場面USと、AR場面ASとを対応付けながら説明する。なお、行動画像UR19乃至行動画像UR22は、AR画像AR19乃至AR画像AR22に各々対応するものとする。
【0038】
図4は、ユーザU11が、「先程より多様性がいい感じになりましたね。」と指示された指示場面GS19を示す。行動画像UR19は、ユーザU11が作業を行った箇所を見る場面を示す画像である。AR画像AR19は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR19では、指示者による操作に応じて、植生の複雑度を可視化した仮想オブジェクトOB22がAR表示される。AR画像AR19では、例えば、植生の複雑度をメッシュ状の三次元グラフである仮想オブジェクトOB22がAR表示される。仮想オブジェクトOB22は、高さの高低に応じた複雑度を示す。例えば、仮想オブジェクトOB22は、箇所PT11の複雑度が高く、植生が豊かであることを示す。また、仮想オブジェクトOB22は、箇所PT12の複雑度が低く、植生が豊かでない(乏しい)ことを示す。また、箇所PT13は、場面FS3で、ユーザU11が苗を植えた箇所である。仮想オブジェクトOB22は、箇所PT13の複雑度が高くなり、植生が豊かになったことを示す。これにより、情報処理システム1は、ユーザU11に作業の効果を実感させることができる。AR画像AR19では、仮想オブジェクトOB22を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR19に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。次いで、指示者による操作に応じて、情報処理システム1は、圃場全体の複雑度を可視化した仮想オブジェクトをAR表示する(S17)。これにより、指示者は、他の改善箇所をユーザU11が見つけやすくすることができる。そして、ユーザU11が、「圃場全体を見てもいい感じです。」と指示された指示場面GS20へ移行する。
【0039】
行動画像UR20は、ユーザU11が圃場を少し離れたところから見渡す場面を示す画像である。AR画像AR20は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR20では、指示者による操作に応じて、圃場全体の植生の複雑度を可視化した仮想オブジェクトOB23がAR表示される。AR画像AR20では、例えば、圃場全体の植生の複雑度をメッシュ状の三次元グラフである仮想オブジェクトOB23がAR表示される。これにより、情報処理システム1は、ユーザU11に他の改善箇所を的確に表示することができる。AR画像AR20では、仮想オブジェクトOB23を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR20に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。次いで、指示者による操作に応じて、情報処理システム1は、予測される未来の植生の成長具合を可視化した仮想オブジェクトをAR表示する(S18)。これにより、指示者は、ユーザU11のモチベーションを向上することができる。そして、ユーザU11が、「成長が気になりますね。2ヶ月後の成長を見てみましょうか。」と指示された指示場面GS21へ移行する。
【0040】
行動画像UR21は、ユーザU11が圃場全体を観察する場面を示す画像である。AR画像AR21は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR21では、指示者による操作に応じて、予測される未来の植生の成長具合を可視化した仮想オブジェクトが表示される。例えば、AR画像AR21には、予測される未来の植生の成長具合を可視化した仮想オブジェクトOB24乃至仮想オブジェクトOB26等が表示される。これにより、情報処理システム1は、ユーザU11のモチベーションの向上を促進することができる。AR画像AR21では、仮想オブジェクトOB24乃至仮想オブジェクトOB26を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR21に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。次いで、指示者による操作に応じて、情報処理システム1は、予測される収穫時期の植生の成長具合を可視化した仮想オブジェクトをAR表示する(S19)。これにより、指示者は、収穫時期をユーザU11が判断しやすくすることができる。そして、ユーザU11が、「収穫時期はこんな感じです。このくらいの大きさになったら収穫できます。」と指示された指示場面GS22へ移行する。
【0041】
行動画像UR22は、ユーザU11が圃場全体を観察する場面を示す画像である。AR画像AR22は、端末装置20に表示されたAR表示を示す画像である。AR画像AR21では、指示者による操作に応じて、予測される収穫時期の植生の成長具合を可視化した仮想オブジェクトOB27等がAR表示される。これにより、情報処理システム1は、ユーザU11の収穫のモチベーションの向上を促進することができる。AR画像AR22では、仮想オブジェクトOB27を仮想オブジェクトの一例として説明の便宜上符号を付したが、AR画像AR22に含まれる他の仮想オブジェクトにも符号が付されてもよいものとする。なお、指示場面GS19乃至指示場面GS22を合わせた場面が、場面FS4である。
【0042】
以上、場面FS1乃至場面FS4を用いて、情報処理システム1の実施例を説明した。
【0043】
<<3.情報処理システムの機能>>
続いて、情報処理システム1の機能について説明する。
【0044】
<3.1.機能の概要>
図5は、実施形態に係る情報処理システム1の機能の概要を示す図である。
図5は、ユーザU11が、対象物TB11等を含む対象範囲TG11へ視線を向ける場合を示す。そして、対象範囲TG11に対して、可視化情報KJ11を表示する。ここで、距離SD11は、ユーザU11と対象範囲TG11との相対水平距離を示す。高さSH11は、床面からのユーザU11の視点の高さを示す。高さSH12は、床面からの、表示される可視化情報KJ11の基準の高さを示す。高さSH13は、可視化情報KJ11の地点PT11における可視化情報KJ11の基準からの高さを示す。なお、高さSH13は、可視化情報KJ11の凹凸具合(複雑度)を示す。角度SK11は、ユーザU11が前方に視線を向けている状態で、目を動かすのに快適な視野角を示す。角度SK11は、例えば、30度以下の視野角である。角度SK12は、ユーザU11が前方に視線を向けている状態で、目を動かして上部を目視できる視野角を示す。角度SK12は、例えば、5度以下の視野角である。視線SS11は、ユーザU11の視点から、地面と水平方向のユーザU11の視線を示す。視線SS12は、ユーザU11の視点から、角度SK11の方向へのユーザU11の視線を示す。視線SS13は、ユーザU11の視点から、角度SK12の方向へのユーザU11の視線を示す。
【0045】
<3.2.機能構成例>
図6は、実施形態に係る情報処理システム1の機能構成例を示すブロック図である。
【0046】
(1)情報処理装置10
図6に示したように、情報処理装置10は、通信部100、制御部110、及び記憶部120を備える。なお、情報処理装置10は、少なくとも制御部110を有する。
【0047】
(1-1)通信部100
通信部100は、外部装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部100は、外部装置との通信において、外部装置から受信する情報を制御部110へ出力する。具体的には、通信部100は、情報提供装置30から受信する情報を制御部110へ出力する。例えば、通信部100は、対象範囲に関する情報を制御部110へ出力する。
【0048】
通信部100は、外部装置との通信において、制御部110から入力される情報を外部装置へ送信する。具体的には、通信部100は、制御部110から入力される対象範囲に関する情報の取得に関する情報を情報提供装置30へ送信する。
【0049】
(1-2)制御部110
制御部110は、情報処理装置10の動作を制御する機能を有する。例えば、制御部110は、対象物の特性を示すスコアに基づいて、対象物に対して可視化情報に関する情報を表示するための処理を行う。
【0050】
上述の機能を実現するために、制御部110は、
図6に示すように、取得部111、処理部112、出力部113を有する。
【0051】
・取得部111
取得部111は、対象物に対して可視化情報に関する情報を表示するための情報を取得する機能を有する。取得部111は、例えば、通信部100を介して、端末装置20から送信されたセンサ情報を取得する。例えば、取得部111は、加速度情報、ジャイロ情報、GPS(Global Positioning System)情報、地磁気情報等の端末装置20の位置に関する情報を特定するためのセンサ情報を取得する。
【0052】
取得部111は、例えば、通信部100を介して、情報提供装置30から送信された対象範囲に関する情報を取得する。例えば、取得部111は、対象範囲に含まれる複数の対処物に関する情報を取得する。
【0053】
・処理部112
処理部112は、情報処理装置10の処理を制御するための機能を有する。処理部112は、
図6に示すように、位置制御部1121、算出部1122、提示制御部1123、及び提示作成部1124を有する。
【0054】
・位置制御部1121
位置制御部1121は、端末装置20を有するユーザの位置に関する情報を決定する機能を有する。位置制御部1121は、端末装置20の位置に関する情報に基づいて、ユーザの位置に関する情報を決定する。位置制御部1121は、例えば、対象物に対するユーザの相対的な位置に関する情報を決定する。例えば、位置制御部1121は、対象物とユーザとの相対水平距離を決定する。具体的には、位置制御部1121は、加速度情報、ジャイロ情報、GPS情報、及び地磁気情報のうち少なくともいずれか一つに基づいて、ユーザの位置に関する情報を決定する。また、位置制御部1121は、例えば、対象範囲からのユーザの位置に関する情報を決定する。具体的には、位置制御部1121は、対象範囲の中心とユーザとを結ぶ直線と、対象範囲の一辺とが交差する箇所からのユーザの位置に関する情報を決定する。
【0055】
・算出部1122
算出部1122は、対象物の特性を示すスコアを算出する機能を有する。算出部1122は、対象範囲に含まれる複数の対象物の各々のスコアを算出する。また、算出部1122は、対象範囲に含まれる複数の対象物の関係性を示すスコアを算出してもよい。例えば、算出部1122は、隣接関係にある対象物同士の関係性を示すスコアを算出してもよい。具体的には、算出部1122は、街中での人間関係、倉庫での商品管理、オフィス等の作業場での人員配置、イベント等の会場での盛り上がり度等の、複数の対象物の関係性を示すスコアを算出してもよい。この場合、対象物は、特定の環境での人物や商品等の物である。なお、算出部1122は、対象物が植生に関する場合には、植生に関する対象物の特性を示すスコアを算出してもよい。
【0056】
算出部1122は、例えば、通信部100を介して、情報提供装置30から送信された対象範囲に関する情報に基づいて、スコアを算出する。
【0057】
算出部1122は、算出されたスコアに応じた高さ情報に変換する。算出部1122は、例えば、スコアと高さ情報とが対応付けて予め定められた対応付け情報に基づいて、算出されたスコアを高さ情報に変換する。
【0058】
・提示制御部1123
提示制御部1123は、対象物に対して表示される可視化情報の高さに関する情報を決定する機能を有する。提示制御部1123は、例えば、ユーザが快適に可視化情報を目視できる高さに関する情報を決定する。例えば、提示制御部1123は、対象物に対するユーザの位置に関する情報と、ユーザの視点の高さに関する情報と、ユーザの視野角に関する情報とに基づいて、ユーザが快適に可視化情報を目視できる高さに関する情報を決定する。具体的には、提示制御部1123は、表示される可視化情報の高さを、対象物に対するユーザの位置に関する情報と、ユーザの視点の高さに関する情報と、ユーザの視野角に関する情報とに基づいて決定される端末装置20の表示画角の画角内に収まる高さに決定する。
【0059】
提示制御部1123は、ユーザが快適に可視化情報を目視できる視野の範囲を示す目標視野範囲に基づいて、可視化情報の高さに関する情報を決定する。下記式(1)は、ユーザの視野が、目標視野範囲の範囲内に収まるように、可視化情報の高さを決定するための算出式の一例を示す。なお、下記式(1)では、目標視野範囲の上限を、ユーザの視点から上方向に5度、目標視野範囲の下限を、ユーザの視点から下方向に30度とする。
【0060】
【0061】
式中、Hobjは、可視化情報の高さを表す。Heyeは、ユーザの視点の高さを表す。Ddisは、ユーザと対象範囲との距離を表す。
【0062】
提示制御部1123は、可視化情報の基準の高さに関する情報を決定する。なお、可視化情報の基準の高さは、例えば、各地点における可視化情報の高さの基準値(例えば、平均値)である。提示制御部1123は、例えば、対象範囲に含まれる対象物の高さに基づく高さを、可視化情報の基準の高さとする。具体的には、提示制御部1123は、対象範囲に含まれる対象物の高さに基づく高さとして、対象物の高さの最大値、平均値、最頻値、又は最小値に基づく高さを、可視化情報の基準の高さとする。
【0063】
図7は、提示制御部1123が決定する可視化情報の基準の高さの一例を示す。高さSH21は、対象範囲TG21に含まれる対象物のうち、高さが最小である対象物TB12の高さである。提示作成部1124は、高さSH21に基づいて、可視化情報KJ21を表示するための処理を行う。高さSH22は、対象範囲TG21に含まれる対象物の高さの最頻値である。具体的には、高さSH22は、対象物TB11、対象物TB13、及び対象物TB14の高さである。提示作成部1124は、高さSH22に基づいて、可視化情報KJ22を表示するための処理を行う。高さSH23は、対象範囲TG21に含まれる対象物の高さの平均値(平均)である。具体的には、高さSH23は、対象物TB11乃至対象物TB16の高さの平均である。提示作成部1124は、高さSH23に基づいて、可視化情報KJ23を表示するための処理を行う。高さSH24は、対象範囲TG24に含まれる対象物のうち、高さが最大である対象物TB15の高さである。提示作成部1124は、高さSH24に基づいて、可視化情報KJ24を表示するための処理を行う。
【0064】
提示制御部1123は、可視化情報の基準の高さを決定するためのオフセットを決定する。オフセットは、ユーザが快適に対象物と可視化情報とを目視できる高さに調整するための高さである。例えば、オフセットは、可視化情報を対象物から上方向に所定の距離離れた高さに表示するための高さである。具体的には、オフセットは、ユーザが快適に対象物を目視できる距離である所定の距離離れた高さに可視化情報を表示するための高さである。オフセットは、対象物の高さと、表示される可視化情報の高さとに基づいて決定される高さである。提示制御部1123は、オフセットを含む対象物の高さに基づく高さ情報に基づいて、可視化情報の基準の高さを決定する。
【0065】
提示制御部1123は、目標視野範囲に基づく高さの範囲に含まれるように、可視化情報の高さを調整する。例えば、提示制御部1123は、目標視野範囲に基づく高さの範囲に含まれるように、オフセットを設定する。提示制御部1123は、調整された可視化情報の高さを、可視化情報の基準の高さに決定する。
【0066】
提示制御部1123は、各地点における可視化情報の高さに関する情報を決定する。提示制御部1123は、可視化情報の基準の高さからの、可視化情報の凹凸具合(複雑度)に基づく高さに関する情報を決定する。例えば、提示制御部1123は、算出部1122により算出されたスコアに応じた高さを、可視化情報の基準の高さからの、各地点における可視化情報の高さとして決定する。提示制御部1123は、可視化情報の基準の高さと、可視化情報の凹凸具合(複雑度)に基づく高さとに基づいて、各地点における可視化情報の高さを決定する。例えば、可視化情報の基準の高さと、可視化情報の凹凸具合(複雑度)に基づく高さとを足し合せることで、各地点における可視化情報の高さを決定する。提示制御部1123は、対象範囲に含まれる複数の対象物の各々のスコアに応じた高さ情報に基づいて、可視化情報の高さに関する情報を決定する。
【0067】
提示制御部1123は、対象物に対して可視化情報を表示するタイミングに関する情報を決定する。提示制御部1123は、例えば、ユーザの位置に関する情報に基づいて、ユーザが対象物から所定の距離まで近づいた場合、対象物に対して可視化情報を表示すると決定する。
【0068】
・提示作成部1124
提示作成部1124は、対象物に対して表示する可視化情報の制御を行う機能を有する。提示作成部1124は、複数の対象物を含む対象範囲に対して表示する可視化情報の制御を行う。
【0069】
提示作成部1124は、例えば、提示制御部1123により決定された可視化情報の高さに関する情報に基づいて、対象物に対して表示する可視化情報の制御を行う。また、提示作成部1124は、例えば、提示制御部1123により決定されたタイミングに関する情報に基づいて、対象物に対して表示する可視化情報の制御を行う。また、提示作成部1124は、例えば、算出部1122により算出されたスコアに応じた高さ情報に基づいて、対象物に対して表示する可視化情報の制御を行う。
【0070】
提示作成部1124は、対象物に対して可視化情報を表示するための制御を行う。提示作成部1124は、例えば、提示制御部1123により決定された可視化情報の高さに関する情報を、メッシュ状の三次元グラフで示した可視化情報を表示するための制御を行ってもよい。例えば、提示作成部1124は、対象物の特性を示すスコアを、メッシュ状の三次元グラフで示した可視化情報を表示するための制御を行ってもよい。
【0071】
提示作成部1124は、例えば、提示制御部1123により決定された可視化情報の高さに関する情報を、三次元パス(Path)で示した可視化情報を表示するため制御を行ってもよい。例えば、提示作成部1124は、複数の対象物の関係性を示すスコアを、三次元パスで示した可視化情報を表示するため制御を行ってもよい。具体的には、提示作成部1124は、街中での人間関係、倉庫での商品管理、オフィス等の作業場での人員配置、イベント等の会場での盛り上がり度等の、複数の対象物の関係性を示すスコアを、三次元パスで示した可視化情報を表示するための制御を行ってもよい。
【0072】
図8は、三次元パスで示した可視化情報の一例を示す。仮想オブジェクトOB31乃至仮想オブジェクトOB34は、同一の対象範囲に含まれる対象物である。
図8では、各仮想オブジェクトから発するパスを示す線が、仮想オブジェクト同士の関係性を示す。例えば、仮想オブジェクトOB31は、仮想オブジェクトOB32乃至仮想オブジェクトOB34のいずれとも関係性を有する。このため、提示作成部1124は、仮想オブジェクトOB31が、仮想オブジェクトOB32乃至仮想オブジェクトOB34のいずれともパスで連結されるように表示するための制御を行ってもよい。また、提示作成部1124は、他の仮想オブジェクトとの関係性が大きい程、密度が大きいパスで連結されるように表示するための制御を行ってもよい。これにより、提示作成部1124は、複数の対象物に影響力を有する対象物を、パスの密度を介して、ユーザに把握し易くさせることができる。また、対象物が植生に関する場合には、提示作成部1124は、様々な地点に影響力を有するハブとなる植物をユーザに把握し易くさせることができる。
【0073】
提示作成部1124は、例えば、可視化情報の遷移を示す高さ情報に基づく高さの差分が所定の閾値以上である場合、可視化情報を特定の態様で表示するための制御を行ってもよい。例えば、提示作成部1124は、過去の対象範囲に関する情報に基づく可視化情報の高さ情報と、現在の対象範囲に関する情報に基づく可視化情報の高さ情報とを比較する。そして、提示作成部1124は、高さ情報の差分が所定の閾値以上となる地点の可視化情報を、アニメーション描画等を用いて動的に表示するための制御を行ってもよい。
【0074】
・出力部113
出力部113は、可視化情報に関する情報を出力する機能を有する。出力部113は、処理部112による処理に基づいて、可視化情報に関する情報を出力する。例えば、出力部113は、提示作成部1124による制御に基づいて、対象物に対して可視化情報を出力する。また、出力部113は、例えば、算出部1122によって算出されたスコアに応じた高さ情報に基づいて、対象物に対して可視化情報を出力する。
【0075】
出力部113は、タグ情報を出力してもよい。例えば、出力部113は、対象物に関するタグ情報を、可視化情報に関する情報として、対象物に対して表示されるように出力してもよい。また、例えば、出力部113は、対象物に関するタグ情報を、出力される可視化情報に対して表示されるように出力してもよい。なお、出力部113は、タグ情報を、ユーザが快適に対象物、又は、可視化情報を目視できる位置にタグ情報が表示されるように出力してもよい。
【0076】
出力部113は、対象物に対して表示するための可視化情報に関する情報を提供する。例えば、出力部113は、通信部100を介して、可視化情報を出力するための制御情報を提供する。なお、出力部113は、タグ情報を出力するための制御情報を提供してもよい。
【0077】
(1-3)記憶部120
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、情報処理装置10における処理に関するデータを記憶する機能を有する。
【0078】
図9は、記憶部120の一例を示す。
図9に示す記憶部120は、複数の対象物を含む対象範囲に関する情報を記憶する。
図9に示すように、記憶部120は、「対象範囲ID」、「対象範囲」、「対象物ID」、「対象物」といった項目を有してもよい。
【0079】
「対象範囲ID」は、対象範囲を識別するための識別情報を示す。「対象範囲」は、対象範囲に関する情報を示す。
図9に示す例では、「対象範囲」に「対象範囲#11」や「対象範囲#12」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、座標情報が格納される。「対象物ID」は、対象物を識別するための識別情報を示す。「対象物」は、対象物に関する情報を示す。
図9に示す例では、「対象物」に「対象物#11」や「対象物#12」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、対象物の属性や種類等の対象物を特定するための情報が格納される。「対象物」には、他の対象物との関係性を示す情報が格納されてもよい。
【0080】
(2)端末装置20
図6に示したように、端末装置20は、通信部200、制御部210、出力部220、及びセンサ部230を有する。
【0081】
(2-1)通信部200
通信部200は、外部装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部200は、外部装置との通信において、外部装置から受信する情報を制御部210へ出力する。具体的に、通信部200は、情報処理装置10から受信する可視化情報に関する情報を制御部210へ出力する。
【0082】
(2-2)制御部210
制御部210は、端末装置20の動作全般を制御する機能を有する。例えば、制御部210は、可視化情報に関する情報の出力を制御する処理を行う。
【0083】
(2-3)出力部220
出力部220は、可視化情報に関する情報を出力する機能を有する。例えば、出力部220は、可視化情報に関する情報をAR表示する。
【0084】
(2-4)センサ部230
センサ部230は、各測定器により測定されたセンサ情報を取得する機能を有する。例えば、センサ部230は、加速度情報、ジャイロ情報、GPS情報、地磁気情報等のセンサ情報を取得する。
図6に示したように、センサ部230は、加速度センサ部231、ジャイロセンサ部232、GPS受信部233、及び地磁気センサ部234を有してもよい。
【0085】
(3)情報提供装置30
図6に示したように、情報提供装置30は、通信部300、制御部310、及び記憶部320を備える。
【0086】
(3-1)通信部300
通信部300は、外部装置と通信を行う機能を有する。例えば、通信部300は、外部装置との通信において、外部装置から受信する情報を制御部310へ出力する。具体的には、通信部300は、情報処理装置10から受信する情報を制御部310へ出力する。例えば、通信部300は、対象範囲に関する情報の取得に関する情報を制御部310へ出力する。
【0087】
(3-2)制御部310
制御部310は、情報提供装置30の動作を制御する機能を有する。例えば、制御部310は、通信部300を介して、対象範囲に関する情報を情報処理装置10へ送信する。例えば、制御部310は、記憶部320にアクセスして取得した対象範囲に関する情報を情報処理装置10へ送信する。
【0088】
(3-3)記憶部320
記憶部320は、記憶部120と同様の情報を記憶する。このため、記憶部320の説明を省略する。
【0089】
<3.3.情報処理システムの処理>
以上、実施形態に係る情報処理システム1の機能について説明した。続いて、情報処理システム1の処理について説明する。
【0090】
(1)情報処理装置10における処理1:位置情報に基づく制御
図10は、実施形態に係る情報処理装置10における処理の流れを示すフローチャートである。具体的には、情報処理装置10が、ユーザの位置情報と対象範囲に関する情報とに基づいて、仮想オブジェクトの表示の制御を行う処理の流れを示す。まず、情報処理装置10は、ユーザの位置情報を取得する(S101)。次いで、情報処理装置10は、ユーザの位置情報と、対象範囲の位置情報とを比較する(S102)。例えば、情報処理装置10は、記憶部120にアクセスして、記憶部120に記憶された対象範囲の位置情報を用いて比較する。次いで、情報処理装置10は、ユーザの位置から所定の距離以内に対象範囲があるか否かを判定する(S103)。そして、情報処理装置10は、ユーザの位置から所定の距離以内に対象範囲がない場合(S103;NO)、情報処理を終了する。また、情報処理装置10は、ユーザの位置から所定の距離以内に対象範囲がある場合(S103;YES)、仮想オブジェクトを表示するか否かを判定する(S104)。
【0091】
情報処理装置10は、仮想オブジェクトを表示しないと判定した場合(S104;NO)、後述するステップS106の処理に進む。また、情報処理装置10は、仮想オブジェクトを表示すると判定した場合(S104;YES)、対象範囲に関する情報に基づいて、実物体の高さにオフセットを伴って、仮想オブジェクトを表示する(S105)。そして、情報処理装置10は、可視化情報を表示するか否かを判定する(S106)。
【0092】
情報処理装置10は、可視化情報を表示しないと判定した場合(S106;NO)、情報処理を終了する。また、情報処理装置10は、可視化情報を表示すると判定した場合(S106;YES)、可視化情報のスコアを算出する(S107)。なお、情報処理装置10は、対象範囲に関する情報を外部の情報処理装置へ提供することにより、外部の情報処理装置で可視化情報のスコアを算出してもよい。そして、情報処理装置10は、算出されたスコアに基づいて、可視化情報を表示する(S108)。例えば、情報処理装置10は、外部の情報処理装置で算出されたスコアに基づいて、可視化情報を表示する。なお、ステップS104において、仮想オブジェクトを表示しないと判定した場合には、情報処理装置10は、実物体に対して可視化情報を表示する。また、ステップS104において、仮想オブジェクトを表示すると判定した場合には、情報処理装置10は、表示される仮想オブジェクトに対して可視化情報を表示する。
【0093】
(2)情報処理装置10における処理2:可視化情報の高さの制御1
図11は、実施形態に係る情報処理装置10における処理の流れを示すフローチャートである。具体的には、情報処理装置10が、ユーザの視点の高さに関する情報と、ユーザと対象範囲との距離に関する情報(例えば、相対水平距離)と、対象範囲に関する情報とに基づいて、可視化情報の表示の高さを制御する処理の流れを示す。まず、情報処理装置10は、ユーザの視点の高さに関する情報と、ユーザと対象範囲との距離に関する情報と、対象範囲に関する情報とを取得する(S201)。次いで、情報処理装置10は、対象範囲に含まれる対象物に関する情報を取得する(S202)。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、対象物が植生に関する場合には、対象範囲の各地点に植えられている植生に関する情報を取得する。
【0094】
情報処理装置10は、対象物に関する情報に基づいて、各地点における可視化情報のスコアを算出する(S203)。例えば、情報処理装置10は、対象物が植生に関する場合には、対象範囲の各地点に植えられている植生に関するスコアを算出する。次いで、情報処理装置10は、算出されたスコアに基づいて、各地点における可視化情報のスコアに応じた高さ情報を算出する(S204)。例えば、情報処理装置10は、算出された各地点におけるスコアの最大値と最小値との差分に基づいて、各地点における可視化情報のスコアに応じた高さ情報を正規化する。そして、情報処理装置10は、対象物に関する情報に基づいて、対象物の高さに関する情報を算出する(S205)。例えば、情報処理装置10は、対象物が植生に関する場合には、対象範囲の各地点に植えられている植生に関する情報に基づいて、対象範囲に植えられている植生の高さに関する情報を算出する。そして、情報処理装置10は、正規化されたスコアに関する情報と、対象物の高さに関する情報とに基づいて、可視化情報を表示する(S206)。例えば、情報処理装置10は、メッシュ状の三次元グラフをAR表示する。
【0095】
(3)情報処理装置10における処理3:可視化情報の高さの制御2
図12は、実施形態に係る情報処理装置10における処理の流れを示すフローチャートである。具体的には、情報処理装置10が、オフセットに基づいて、可視化情報の表示の高さを制御する処理の流れを示す。まず、情報処理装置10は、可視化情報の高さを、実物体の高さ情報に基づく高さより高い高さに仮設定する(S301)。例えば、情報処理装置10は、可視化情報の高さを、実物体の高さの平均より高い高さに仮設定する。次いで、情報処理装置10は、仮設定された可視化情報の高さが目標視野範囲に基づく高さの範囲に含まれるかを判定する(S302)。そして、情報処理装置10は、仮設定された可視化情報の高さが目標視野範囲に基づく高さの範囲に含まれる場合(S302;YES)、仮設定された可視化情報の高さを、表示される可視化情報の基準の高さに決定する(S303)。また、情報処理装置10は、仮設定された可視化情報の高さが目標視野範囲に基づく高さの範囲に含まれない場合(S302;NO)、仮設定された可視化情報の高さが目標視野範囲に基づく高さの範囲に含まれるようにオフセットを設定する(S304)。そして、情報処理装置10は、表示される可視化情報の基準の高さを決定する(S305)。
【0096】
(4)情報処理装置10における処理4:可視化情報の表示の制御
図13は、実施形態に係る情報処理装置10における処理の流れを示す。具体的には、情報処理装置10が、対象範囲に関する変化を、可視化情報の変化でAR表示する処理の流れを示す。まず、情報処理装置10は、対象範囲に関する情報を取得する(S401)。情報処理装置10は、例えば、記憶部120にアクセスして、記憶部120に記憶された対象範囲に関する情報を取得する。次いで、情報処理装置10は、取得した対象範囲に関する情報と、端末装置20の表示画角に表示されている対象範囲に関する情報とが同一であるかを判定する。そして、情報処理装置10は、取得した対象範囲に関する情報と、表示画角に表示されている対象範囲に関する情報とが同一である場合(S402;YES)、情報処理を終了する。また、情報処理装置10は、取得した対象範囲に関する情報と、表示画角に表示されている対象範囲に関する情報とが同一でない場合(S402;NO)、取得した対象範囲に関する情報に基づく可視化情報のスコアと、表示画角に表示されている対象範囲に関する情報に基づく可視化情報のスコアとを算出する(S403)。そして、情報処理装置10は、算出されたスコアに応じた高さの差分を算出する(S404)。次いで、情報処理装置10は、算出された差分に基づいて、可視化情報の表示態様を決定する(S405)。例えば、情報処理装置10は、算出された差分の大きさに基づいて、差分が大きい地点の変化をアニメーション描画で表示すると決定してもよい。そして、情報処理装置10は、決定された表示態様に基づいて、可視化情報をAR表示する(S406)。そして、情報処理装置10は、表示画角に表示されている対象範囲に関する情報を記憶する(S407)。
【0097】
図13では、情報処理装置10が、対象範囲に関する変化を、可視化情報の変化でAR表示する処理の流れを示したが、情報処理装置10は、対象範囲に関する変化を、仮想オブジェクトの変化で表す処理を行ってもよい。この場合、ステップS405において、情報処理装置10は、算出された差分に基づいて、仮想オブジェクトの表示態様を決定してもよい。また、ステップS406において、情報処理装置10は、決定された表示態様に基づいて、仮想オブジェクトをAR表示してもよい。
【0098】
<3.4.処理のバリエーション>
以上、本開示の実施形態について説明した。続いて、本開示の実施形態の処理のバリエーションを説明する。なお、以下に説明する処理のバリエーションは、単独で本開示の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本開示の実施形態に適用されてもよい。また、処理のバリエーションは、本開示の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本開示の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0099】
(1)正規化、標準化、カットオフ
上記実施形態では、提示制御部1123が、算出されたスコアに応じた高さの生値を、可視化情報の高さに決定する場合を示したが、この例に限られない。提示制御部1123は、算出されたスコアに応じた高さを正規化することにより、可視化情報の高さを決定してもよい。例えば、提示制御部1123は、算出されたスコアに応じた高さを、0から1の大きさに正規化してもよい。下記式(2)は、正規化の算出式の一例を示す。
【0100】
【0101】
式中、E(x、y)は、各地点の値を表す。Eは、数値列を表す。minEは、数値列の最小値を表す。maxEは、数値列の最大値を表す。
【0102】
提示制御部1123は、算出されたスコアに応じた高さを標準化することにより、可視化情報の高さを決定してもよい。例えば、提示制御部1123は、算出されたスコアに応じた高さを、0から1の大きさに標準化してもよい。下記式(3)は、標準化の算出式の一例を示す。
【0103】
【0104】
式中、E(x、y)は、各地点の値を表す。Eは、数値列を表す。AveEは、数値列の平均値を表す。σは、数値列の分散を表す。
【0105】
提示制御部1123は、算出されたスコアに応じた高さを、所定の高さの範囲に制限することにより、可視化情報の高さを決定してもよい。例えば、提示制御部1123は、算出されたスコアに応じた高さを、所定の高さの範囲にカットオフすることにより、可視化情報の高さを決定してもよい。
【0106】
図14は、スコアに応じた高さのバリエーションの一例を示す。
図14(A)は、スコアに応じた高さの生値に基づく可視化情報KJ31を示す。
図14(B)は、スコアに応じた高さを正規化した値に基づく可視化情報KJ32を示す。
図14(C)は、スコアに応じた高さを標準化した値に基づく可視化情報KJ33を示す。
図14(D)は、スコアに応じた高さを所定の高さの範囲にカットオフした値に基づく可視化情報KJ24を示す。
【0107】
(2)可視化情報の透過度
実施形態に係る可視化情報の透過度は、予め定められてもよい。例えば、可視化情報の透過度は、固定値であってもよい。また、可視化情報の透過度は、例えば、ユーザの視点に基づいて定められてもよい。情報処理システム1は、ユーザの視点の高さに応じて、可視化情報の透過度を、例えば、ユーザの視点が高い程、可視化情報の透過度が高くなるように決定し、ユーザの視点が低い程、可視化情報の透過度が低くなるように決定してもよい。これにより、情報処理システム1は、例えば、ユーザの着座や起立等の状態に応じて、可視化情報の透過度を変更できるため、ユーザが快適に目視できる表示提示を行うことができる。
【0108】
(3)スコアの呼び方
実施形態に係るスコアは、対象物の関係性を示す場合には、適宜、「関係スコア」と呼ばれてもよい。また、実施形態に係るスコアは、対象物が協生農法(登録商標)に関する場合には、適宜、「協生スコア」、「シネコスコア」、又は、「シネコ度」と呼ばれてもよい。実施形態に係るスコアは、これらの例に限らず、どのように呼ばれてもよい。
【0109】
(4)レイヤ
上記実施形態では、情報処理装置10が、仮想オブジェクトを表示する高さを個別に決定する場合を示したが、仮想オブジェクトの属性(例えば、根、葉、土壌の水分量)に応じて、仮想オブジェクトをレイヤに分類することで、仮想オブジェクトを表示する高さを決定してもよい。例えば、情報処理装置10は、表示画角の画角内に表示される仮想オブジェクトの画角範囲が小さい程、その仮想オブジェクトを、表示される高さの高いレイヤに分類してもよい。これにより、情報処理装置10は、より画面を汚し難い仮想オブジェクトを、上の方のレイヤに配置することができる。また、情報処理装置10は、仮想オブジェクトの属性に応じて、表示される高さのレイヤを切り替えてもよい。
【0110】
(5)視点の高さ
上記実施形態では、情報処理装置10が、ユーザの視点の高さに関する情報を、ユーザの起立の状態に基づいて取得する場合を示したが、歩行中のユーザの視点の高さに関する情報を、ユーザの視点の高さに関する情報として取得してもよい。また、情報処理装置10は、床面からの高さに関する情報を、ビーコンを用いて取得してもよい。
【0111】
(6)斜面
上記実施形態では、情報処理装置10が、床面が平面である場合の対象範囲に関する情報に基づいて、対象範囲に対して垂直に仮想オブジェクトを表示する場合を示した。ここで、情報処理装置10は、対象範囲が位置する床面が斜面である場合には、床面が斜面である場合の対象範囲に関する情報に基づいて、対象範囲に対して垂直に仮想オブジェクトを表示してもよい。これにより、情報処理装置10は、床面が斜面である場合であっても、斜面に並行して、仮想オブジェクトを表示することができる。
【0112】
(7)可視化情報の粒度
情報処理装置10は、表示される可視化情報の粒度を調整してもよい。例えば、情報処理装置10は、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザが対象範囲に近づく程、表示される可視化情報の粒度が大きくなるように、可視化情報を表示してもよい。また、情報処理装置10は、ユーザの位置情報に対応する可視化情報の粒度を予め定めることにより、ユーザの位置情報に基づいて、表示される可視化情報の粒度を切り替えてもよい。
【0113】
(8)ユーザの視線に基づく選択
情報処理装置10は、表示画角の画角内に、表示される可視化情報が複数ある場合には、ユーザの視線に基づいて、ユーザが注目する可視化情報を決定してもよい。そして、情報処理装置10は、ユーザが注目する可視化情報を、動的に表示する可視化情報に決定してもよい。例えば、情報処理装置10は、ユーザの視線から最も近い可視化情報を、動的に表示する可視化情報に決定してもよい。また、情報処理装置10は、ユーザが着座する場合等、ユーザの視点が下がる場合には、例えば、ユーザが注目する可視化情報以外の可視化情報に対して特定の処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置10は、特定の処理として、可視化情報を透過させる処理や、可視化情報の位置を乖離させる処理を行ってもよい。
【0114】
(9)他の応用例
上記実施形態は、貝の養殖等の畜産のデータの可視化に応用されてもよい。これにより、情報処理装置10は、ユーザが目視できない水中等の畜産のデータの可視化にも応用することができる。
【0115】
<<4.ハードウェア構成例>>
最後に、
図15を参照しながら、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。
図15は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、
図15に示す情報処理装置900は、例えば、
図6に示した情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30を実現し得る。実施形態に係る情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30による情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0116】
図15に示すように、情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、及びRAM(Random Access Memory)903を備える。また、情報処理装置900は、ホストバス904a、ブリッジ904、外部バス904b、インタフェース905、入力装置906、出力装置907、ストレージ装置908、ドライブ909、接続ポート910、及び通信装置911を備える。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ハードウェア構成は、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0117】
CPU901は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM902、RAM903、又はストレージ装置908に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM902は、CPU901に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM903には、例えば、CPU901に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス904aにより相互に接続されている。CPU901、ROM902およびRAM903は、例えば、ソフトウェアとの協働により、
図6を参照して説明した制御部110、制御部210、及び制御部310の機能を実現し得る。
【0118】
CPU901、ROM902、及びRAM903は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス904aを介して相互に接続される。一方、ホストバス904aは、例えば、ブリッジ904を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス904bに接続される。また、外部バス904bは、インタフェース905を介して種々の構成要素と接続される。
【0119】
入力装置906は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロホン、スイッチ及びレバー等、リスナによって情報が入力される装置によって実現される。また、入力装置906は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器であってもよい。さらに、入力装置906は、例えば、上記の入力手段を用いて入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などを含んでいてもよい。情報処理装置900の管理者は、この入力装置906を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0120】
他にも、入力装置906は、ユーザの位置を検知する装置により形成され得る。例えば、入力装置906は、画像センサ(例えば、カメラ)、深度センサ(例えば、ステレオカメラ)、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、光センサ、音センサ、測距センサ(例えば、ToF(Time of Flight)センサ)、力センサ等の各種のセンサを含み得る。また、入力装置906は、情報処理装置900の姿勢、移動速度等、情報処理装置900自身の状態に関する情報や、情報処理装置900の周辺の明るさや騒音等、情報処理装置900の周辺空間に関する情報を取得してもよい。また、入力装置906は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して装置の緯度、経度及び高度を含む位置情報を測定するGNSSモジュールを含んでもよい。また、位置情報に関しては、入力装置906は、Wi-Fi(登録商標)、携帯電話・PHS・スマートホン等との送受信、または近距離通信等により位置を検知するものであってもよい。入力装置906は、例えば、
図6を参照して説明したセンサ部230の機能を実現し得る。
【0121】
出力装置907は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で形成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置、レーザープロジェクタ、LEDプロジェクタ及びランプ等の表示装置や、スピーカ及びヘッドホン等の音響出力装置や、プリンタ装置等がある。出力装置907は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。出力装置907は、例えば、
図6を参照して説明した出力部220の機能を実現し得る。
【0122】
ストレージ装置908は、情報処理装置900の記憶部の一例として形成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置908は、例えば、HDD等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等により実現される。ストレージ装置908は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。このストレージ装置908は、CPU901が実行するプログラムや各種データ及び外部から取得した各種のデータ等を格納する。ストレージ装置908は、例えば、
図6を参照して説明した記憶部120の機能を実現し得る。
【0123】
ドライブ909は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ909は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ909は、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むこともできる。
【0124】
接続ポート910は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS-232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器を接続するためのポートである。
【0125】
通信装置911は、例えば、ネットワーク920に接続するための通信デバイス等で形成された通信インタフェースである。通信装置911は、例えば、有線若しくは無線LAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)、Bluetooth(登録商標)又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置911は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ又は各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置911は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。通信装置911は、例えば、
図6を参照して説明した通信部100、通信部200、及び通信部300の機能を実現し得る。
【0126】
なお、ネットワーク920は、ネットワーク920に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク920は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、ネットワーク920は、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。
【0127】
以上、実施形態に係る情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて実現されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより実現されていてもよい。従って、実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0128】
<<5.まとめ>>
以上説明したように、実施形態に係る情報処理装置10は、対象物の特性を示すスコアに応じた高さ情報に基づいて、対象物に対して可視化情報を表示するための処理を行う。これにより、情報処理装置10は、対象物と可視化情報との対応付けを、ユーザが的確に把握できるようになるため、更なるユーザビリティの向上を促進することができる。
【0129】
また、情報処理装置10は、対象物の複雑度を高さ情報に変換した可視化情報を表示するための処理を行う。これにより、情報処理装置10は、各対象物に紐付く概念情報を可視化情報の高さで表示することができるため、ユーザの行為を伴う体験に落とし込むことができる。このため、情報処理装置10は、対象物に関するユーザの理解を促進することができる。また、情報処理装置10は、数値だけでは判断が難しい対象物同士の関係性を可視化することができるため、対象物に関するユーザの理解を促進することができる。
【0130】
また、情報処理装置10は、表示される可視化情報の高さを、対象物の表示を邪魔しない高さに調整する。例えば、情報処理装置10は、可視化情報の床面からの高さを、ユーザの視点の高さと、ユーザと対象範囲との相対水平距離と、対象範囲に含まれる対象物の高さとに基づいて、導出する。これにより、情報処理装置10は、対象物を覆い隠すことなく可視化情報を表示することができる。具体的には、情報処理装置10は、可視化情報と対象物とが重畳することなく表示することができる。このため、情報処理装置10は、対象物と概念情報を示す可視化情報との対応付けを容易に行うことができる。
【0131】
また、情報処理装置10は、過去の対象範囲に関する情報に基づく可視化情報を遡って表示してもよい。そして、情報処理装置10は、過去の対象範囲に関する情報に基づく可視化情報と、現在の対象範囲に関する情報に基づく可視化情報とを比較することで、対象範囲に関する情報の遷移を動的に表示するための処理を行ってもよい。これにより、情報処理装置10は、対象範囲の変化を、アニメーション描画等を用いて動的に可視化することができる。このため、情報処理装置10は、収穫や種付け等のユーザの行為による対象範囲の変化を、ユーザに把握し易くさせることができる。
【0132】
よって、更なるユーザビリティの向上を促進することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することが可能である。
【0133】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0134】
例えば、本明細書において説明した各装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部が別々の装置として実現されても良い。例えば、
図6に示した情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30は、それぞれ単独の装置として実現されてもよい。また、例えば、情報処理装置10、端末装置20、及び情報提供装置30とネットワーク等で接続されたサーバ装置として実現されてもよい。また、情報処理装置10が有する制御部110の機能をネットワーク等で接続されたサーバ装置が有する構成であってもよい。
【0135】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
【0136】
また、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0137】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0138】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
対象物の特性を示すスコアを算出する算出部と、
前記算出部によって算出されたスコアに応じた高さ情報に基づいて、前記対象物に対して可視化情報を表示するための処理を行う提示制御部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記提示制御部は、
前記高さ情報と、前記対象物の高さに基づく高さ情報とに基づいて決定される前記可視化情報の基準の高さに基づいて、当該可視化情報を表示するための処理を行う
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記提示制御部は、
前記対象物の高さに基づく高さ情報として、当該対象物の高さの最大値、平均値、最頻値、又は、最小値に基づく高さ情報に基づいて、前記可視化情報を表示するための処理を行う
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記提示制御部は、
前記対象物の高さと、表示される前記可視化情報の高さとに基づいて決定されるオフセットを含む、前記対象物の高さに基づく高さ情報に基づいて、当該可視化情報を表示するための処理を行う
前記(2)又は(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記提示制御部は、
表示される前記可視化情報が、ユーザの視点の高さと、当該ユーザと前記対象物との相対水平距離とに基づいて決定される表示画角の画角内に収まる場合、当該可視化情報を表示するための処理を行う
前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記提示制御部は、
表示される前記可視化情報が、前記ユーザの視野の角度に関する情報に基づいて決定される前記表示画角の画角内に収まる場合、当該可視化情報を表示するための処理を行う
前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記算出部は、
複数の対象物の各々の前記スコアを算出し、
前記提示制御部は、
前記複数の対象物の各々の前記スコアに応じた高さ情報に基づいて、前記可視化情報を表示するための処理を行う
前記(1)~(6)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(8)
前記提示制御部は、
前記可視化情報の遷移を示す前記高さ情報に基づく高さの差分が所定の閾値以上である場合、当該可視化情報を動的に表示するための処理を行う
前記(1)~(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記提示制御部は、
前記スコアをメッシュ状の三次元グラフで示した前記可視化情報を表示するための処理を行う
前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
前記算出部は、
植生に関する前記対象物の特性を示すスコアを算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
前記(1)~(9)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(11)
前記算出部は、
複数の対象物の関係性を示す前記スコアを算出し、
前記提示制御部は、
前記算出部によって算出された複数の対象物の関係性を示す前記スコアに基づいて、当該複数の対象物の関係性を、三次元パス(path)で可視化した前記可視化情報を表示するための処理を行う
前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(12)
前記提示制御部は、
街中での人間関係、倉庫での商品管理、作業場での人員配置、又は、会場での盛り上がり度を可視化した前記可視化情報を表示するための処理を行う
前記(11)に記載の情報処理装置。
(13)
前記提示制御部は、
前記可視化情報をAR(Augmented Reality)表示するための処理を行う
前記(1)~(12)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(14)
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
対象物の特性を示すスコアを算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出されたスコアに応じた高さ情報に基づいて、前記対象物に対して可視化情報を表示するための処理を行う提示制御工程と、
を含む情報処理方法。
(15)
対象物の特性を示すスコアを算出する算出手順と、
前記算出手順によって算出されたスコアに応じた高さ情報に基づいて、前記対象物に対して可視化情報を表示するための処理を行う提示制御手順と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0139】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 端末装置
30 情報提供装置
100 通信部
110 制御部
111 取得部
112 処理部
1121 位置制御部
1122 算出部
1123 提示制御部
1124 提示作成部
113 出力部
120 記憶部
200 通信部
210 制御部
220 出力部
230 センサ部
300 通信部
310 制御部
320 記憶部