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  • 特許-火炉監視装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】火炉監視装置
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/38 20060101AFI20240709BHJP
   F27D 21/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
F22B37/38 E
F27D21/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022524458
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 JP2021018592
(87)【国際公開番号】W WO2021235388
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2020086657
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】田之上 辰朗
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-134316(JP,A)
【文献】特開昭62-009113(JP,A)
【文献】特開平4-294265(JP,A)
【文献】特開平4-090415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 1/00-37/78
F23N 1/00-5/26
F23M 11/04
F27D 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火炉内の監視箇所に付着する燃焼灰を撮影する撮像装置と、
前記撮像装置が出力する監視画像の輝度値と前記燃焼灰の堆積量との関係を示す堆積量テーブルを用い、前記撮像装置が出力する監視画像の輝度値に基づいて前記燃焼灰の付着状況を評価する評価装置と、
前記評価装置の評価結果に基づいて前記燃焼灰に関する報知を行う報知装置と
を備える、火炉監視装置。
【請求項2】
前記火炉は、ボイラの燃焼炉である、請求項1に記載の火炉監視装置。
【請求項3】
前記監視箇所は、過熱器である、請求項2に記載の火炉監視装置。
【請求項4】
前記監視箇所は、前記火炉に設けられたバーナの周囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の火炉監視装置。
【請求項5】
前記撮像装置は、炎を除外して前記燃焼灰を撮像する赤外線カメラである、請求項1~4のいずれか一項に記載の火炉監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、火炉監視装置に関する。本願は、2020年5月18日に日本に出願された日本国特願2020-086657号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ボイラの炉内を監視用テレビカメラで撮影し、その映像に基づいて炉内状態を監視する炉内監視装置が開示されている。この炉内監視装置は、光源の光を投光用光ファイバを介して投光用レンズに供給し、投光用レンズと監視用テレビカメラとの間に炉内撮像用光ファイバを設けることにより、炉内が暗い状態においても炉内の状態を確認するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国実開昭60-86749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記背景技術は、監視用テレビカメラを用いてボイラの炉内を監視するものであるが、燃焼灰の状態を監視することを目的とするものではなく、炉底部の監視を目的とするものである。周知のように、ボイラでは燃料を燃やして生成される灰(燃焼灰)が各所の伝熱管に付着する。そして、ボイラの技術分野では、このような燃焼灰に対して、付着し難い燃料の選定、燃焼灰の人為的な除去あるいは/及び添加材の注入等を行っている。
【0005】
しかしながら、このような従来の燃焼灰対策には限界がある。特に燃料の種類が増加している昨今では、燃料毎に効果的な燃焼灰の付着対策を実行することは極めて困難である。
【0006】
本開示は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも実効的な燃焼灰の付着状態の評価が可能な火炉監視装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示に係る第1の態様は、火炉内の監視箇所に付着する燃焼灰を撮影する撮像装置と、前記撮像装置が出力する監視画像に基づいて前記燃焼灰の付着状況を評価する評価装置と、前記評価装置の評価結果に基づいて前記燃焼灰に関する報知を行う報知装置とを備える、火炉監視装置である。
【0008】
本開示に係る第2の態様は、上記第1の態様において、前記火炉はボイラの燃焼炉である。
【0009】
本開示に係る第3の態様は、上記第2の態様において、前記監視箇所は過熱器である。
【0010】
本開示に係る第4の態様は、上記第1~第3の態様のうちいずれかの態様において、前記監視箇所は前記火炉に設けられたバーナの周囲である。
【0011】
本開示に係る第5の態様は、上記第1~第4の態様のうちいずれかの態様において、前記撮像装置は炎を除外して前記燃焼灰を撮像する赤外線カメラである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、従来よりも実効的な燃焼灰の付着状態の評価が可能な火炉監視装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態に係る火炉監視装置の機能構成を示すブロック図である。
図2】本開示の一実施形態におけるバーナ周辺の監視状態を示す模式図である。
図3】本開示の一実施形態に係る火炉監視装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る火炉監視装置Aは、ボイラの燃焼炉を監視対象とする。すなわち、本実施形態における火炉Xは、ボイラの燃焼炉である。
【0015】
図1に示すように、ボイラは、正面から見た形状が屈曲した形状であり、所定の燃料を燃焼させることによって得られた熱(燃焼熱)を用いて水蒸気を発生させる設備である。このボイラは、例えば発電所に備えられる設備であり、蒸気タービンを駆動するための作動流体として水蒸気を発生させる。このようなボイラは、例えば、ボイラ壁x1、複数のバーナx2、過熱器x3、再熱器x4、予熱器x5及び屈曲部x6を備えている。
【0016】
ボイラ壁x1は、ボイラの外形を形成する板状部材であり、複数の伝熱管が並列状態で相互に接合されることによって平板上をなしている。このようなボイラ壁x1を形成する複数の伝熱管には、一端から他端に向かって水が流れている。この水は、上述した燃焼熱によって加熱され、一部が水蒸気となる。
【0017】
このようなボイラ壁x1の一部領域には、図示するように複数のバーナx2が設けられており、燃焼室Rを構成している。すなわち、図1に示すボイラにおいて、屈曲部x6の左側部位は、燃料が燃焼する燃焼室Rを構成しており、下端近傍部位に複数のバーナx2が設けられている。なお、この燃焼室Rは、水平断面における形状が矩形である。
【0018】
複数のバーナx2は、燃焼室Rを形成すると共に並行対峙するボイラ壁x1に各々設けられている。すなわち、複数のバーナx2は、互いに対向するように設けられている。並行対峙する一対のボイラ壁x1の一方には、例えば図2に示すように上下方向に多段(3個)及び左右方向に複数(6個)のバーナx2が設けられている。また、一対のボイラ壁x1の他方にも、上記一方と同様に配列した複数のバーナx2が設けられている。
【0019】
なお、図2に示すバーナx2の設置形態は、あくまでも一例である。ボイラは、規模や用途等に応じて様々なバーナx2の設置形態を取り得る。例えば、並行対峙する一対のボイラ壁x1の一方のみに複数のバーナx2を所定の形態で配列設置してもよい。
【0020】
このような複数のバーナx2は、図示しない燃料供給系から供給される微粉炭やバイオマス等の燃料を燃焼室Rに噴射し、空気供給系によって燃焼室R内に別途取り込まれた燃焼用空気を酸化剤として燃料を燃焼させる。すなわち、燃焼室Rでは、各バーナx2から噴射される燃料が燃焼することによって高温な燃焼ガスが発生する。
【0021】
また、燃焼室Rでは、燃料の燃焼に伴って燃焼灰が発生する。この燃焼灰の多くは、燃焼室Rの下方に落下して捕集されるが、一部は燃焼ガスと共に上昇し、燃焼室Rから排気口Eに向けてボイラ内を流れる。高温の燃焼ガスは、ボイラで水蒸気を発生させるための熱源として機能するが、燃焼灰を排気口Eに向かって搬送する紛体キャリアとしても機能する。
【0022】
過熱器x3は、ボイラで発生させた飽和水蒸気をさらに加熱するための熱交換器であり、ボイラ壁x1で囲まれたボイラの内部空間において燃焼室Rの直上に設けられている。この過熱器x3は、飽和水蒸気を燃焼ガスと熱交換させることにより、熱エネルギーが飽和水蒸気よりも高い過熱水蒸気を発生させる。
【0023】
再熱器x4は、蒸気タービンの駆動に供された水蒸気を再加熱するための熱交換器であり、ボイラの内部空間において屈曲部x6の直後に設けられている。発電所における蒸気タービンの構成は、様々であり、発電所によっては、高圧用の蒸気タービンに加えて低圧用の蒸気タービンを備えるものがある。再熱器x4は、例えば、高圧用の蒸気タービンの駆動に供された水蒸気を低圧用の蒸気タービンに供給する前に再加熱する。
【0024】
節炭器x5は、エコノマイザとも言われる熱交換器(予熱器)であり、ボイラの内部空間における燃焼ガスの流れ方向において、再熱器x4の下流側に設けられている。この節炭器x5は、ボイラの熱効率の向上を図るために、気化させる前のボイラ給水を加熱(予熱)する。
【0025】
ここで、ボイラにおける熱交換器の構成形態には様々なものがある。図1に示す熱交換器、つまり過熱器x3、再熱器x4、及び節炭器x5は、あくまで一例である。本実施形態におけるボイラは、例えば、ボイラ給水を予熱する節炭器x5に加えて、外気から取り込んだ燃焼用空気を予熱して燃焼室Rに供給する空気予熱器を備えるものであってもよい。
【0026】
屈曲部x6は、ボイラの内部空間において燃焼室Rで発生した燃焼ガスの流路面積が最も狭い部位であり、また燃焼ガスの流れ方向が上昇流から下降流に転じる部位である。この屈曲部x6は、燃焼ガスに含まれる燃焼灰が付着し易い部位でもある。
【0027】
このようなボイラの燃焼炉Xに対して、本実施形態に係る火炉監視装置Aは、図1に示すように、赤外線カメラ1、制御装置2、解析装置3及び監視パネル4を備えている。
【0028】
赤外線カメラ1は、燃焼炉X(火炉)内の所定の監視箇所を撮影箇所とする撮像装置であり、監視箇所に付着する燃焼灰を撮影する。すなわち、この赤外線カメラ1は、監視箇所から放射される赤外線を検出することにより、監視箇所に関する二次元の熱画像を監視画像として生成して制御装置2に出力する。
【0029】
このような赤外線カメラ1は、例えばバーナx2から燃焼炉X内に放射される炎を除外して燃焼灰を撮像する。すなわち、この赤外線カメラ1は、電磁波の赤外域において炎が発する波長帯の赤外線を含まない特定の波長帯の赤外線のみを検出する。このような赤外線カメラ1の監視画像(熱画像)は、炎が外乱として作用することのない監視箇所の状態を忠実に示す二次元画像である。
【0030】
このような監視画像(熱画像)は、例えば、燃焼灰の付着量が増加する程に輝度値が上昇する白黒画像である。すなわち、監視画像(熱画像)は、燃焼灰の付着量が輝度値に相関する二次元画像であり、燃焼灰の付着量が多い程に白に近い輝度値となり、燃焼灰の付着量が少ない程に黒に近い輝度値となる。なお、このような赤外線カメラ1として、例えばLumasense社(Lumasense Technologies, Inc.)の炉内監視カメラを採用することができる。
【0031】
ここで、本実施形態における上記監視箇所は、例えば、バーナx2近傍のボイラ壁x1つまりバーナx2の周囲(ボイラ壁x1のうちバーナx2を囲む壁)、過熱器x3、屈曲部x6、再熱器x4及び節炭器x5のうち、いずれか1つあるいは複数である。特に、燃焼室Rの一部となるバーナx2近傍のボイラ壁x1及び過熱器x3は、ボイラの内部空間つまり燃焼ガス及び燃焼灰の流路において燃焼灰が付着し易い箇所である。
【0032】
バーナx2が設けられている一対のボイラ壁x1と交差する一対のボイラ壁x1(側壁)には、図2に示すようにバーナx2の状態を監視するための監視窓x7がそれぞれ設けられていることが多い。バーナx2近傍のボイラ壁x1を監視箇所とする場合、赤外線カメラ1は、例えば、監視窓x7越しにバーナx2近傍のボイラ壁x1を撮像する。
【0033】
すなわち、バーナx2近傍のボイラ壁x1を監視箇所とする場合には、ボイラ壁x1に開口を設ける等の加工を施すことなく、赤外線カメラ1を据え付けることができる。したがって、本実施形態によれば、既設のボイラに対して容易に赤外線カメラ1を据え付けることが可能である。
【0034】
上述した赤外線カメラ1は、このような監視箇所を画角とするように設置されている。なお、図1では、1台の赤外線カメラ1を記載したが、赤外線カメラ1の台数は1台に限定されない。すなわち、監視箇所毎に赤外線カメラ1を設けてもよく、あるいは1台の赤外線カメラ1で複数の監視箇所を同時に撮像してもよい。
【0035】
制御装置2は、赤外線カメラ1を制御すると共に赤外線カメラ1から入力された監視画像(熱画像)を取り込む。すなわち、この制御装置2は、赤外線カメラ1における監視画像(熱画像)の撮影タイミングを制御する。また、この制御装置2は、自らが指定した撮影タイミングで撮影された監視画像(熱画像)を赤外線カメラ1から取り込んで解析装置3に提供する。このような制御装置2は、予め記憶された制御プログラムに基づいて機能するコンピュータである。すなわち、制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disc Drive)等の補助記憶装置、等から構成された一種のコンピュータである。
【0036】
解析装置3は、監視画像(熱画像)に基づいて監視箇所における燃焼灰の付着状況を評価する。すなわち、この解析装置3は、赤外線カメラ1が出力する監視画像(熱画像)を制御装置2を介して取得し、当該監視画像(熱画像)に所定の画像処理を施すことにより燃焼灰の堆積量tを評価する。この解析装置3は、上述した制御装置2と共に評価装置を構成している。
【0037】
このような解析装置3は、予め記憶された解析プログラムに基づいて監視画像(熱画像)に画像処理を施すと共に、当該画像処理の結果に基づいて燃焼灰の堆積量tを評価するコンピュータである。すなわち、解析装置3は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disc Drive)等の補助記憶装置、等から構成された一種のコンピュータである。例えば、解析装置3は、監視画像(熱画像)の輝度値と燃焼灰の堆積量tとの関係を示す堆積量テーブルを予め記憶しており、この堆積量テーブルを用いることにより燃焼灰の堆積量tを評価する。なお、この解析装置3については、後述する動作説明で詳しく説明する。
【0038】
監視パネル4は、ボイラの運転を監視するための監視室に備えられている。この監視パネル4は、ボイラの運転を監視する監視員に対して提供されるものであり、ボイラの運転状態を示す様々な情報(ボイラ運転情報)が掲載される。このような監視パネル4は、ボイラ運転情報の1つとして、解析装置3の評価結果に基づいて燃焼灰に関する報知を行う。すなわち、監視パネル4は、本実施形態における報知装置である。
【0039】
次に、本実施形態に係る火炉監視装置Aの動作について、図3をも参照して詳しく説明する。
【0040】
この火炉監視装置Aでは、制御装置2が予め設定されたタイムスケジュールに基づいて赤外線カメラ1に監視画像(熱画像)の取得を指示する。すなわち、制御装置2は、制御プログラムに基づいて設定された時刻になると、監視画像(熱画像)の取得指示を赤外線カメラ1に出力する。そして、赤外線カメラ1は、この取得指示に基づいて監視箇所の監視画像(熱画像)を順次取得する(ステップS1)。
【0041】
そして、このようにして赤外線カメラ1が取得した監視画像(熱画像)は、赤外線カメラ1から制御装置2を経由して解析装置3に入力される。解析装置3は、監視画像(熱画像)に画像処理つまりフィルタ処理を施す(ステップS2)。このフィルタ処理によって、監視画像(熱画像)に含まれるノイズが除去される。
【0042】
そして、解析装置3は、監視画像(熱画像)の輝度値を取得し、この輝度値を用いて予め記憶している堆積量テーブルを検索することにより、輝度値に対応する燃焼灰の堆積量tを取得する(ステップS3)。そして、この解析装置3は、このように取得した堆積量tを予め記憶している評価しきい値Trefと比較することにより、堆積量tが制限値を超えたか否かを判断する(ステップS4)。
【0043】
そして、解析装置3は、このステップS4の判断結果が「Yes」となると、監視パネル4に対してアラートを出力する(ステップS5)。このアラートは、監視員に対して燃焼灰の付着に関する注意喚起を促すものであり、音声あるいは/及び映像として報知される。監視員は、このようなアラートによって燃焼灰が制限値を超えて付着している状態であることを知ることができる。
【0044】
このような本実施形態によれば、赤外線カメラ1の監視画像(熱画像)に基づいて燃焼灰の堆積量tを自動的に評価するので、従来よりも実効的な燃焼灰の付着状態の評価を提供することが可能である。
【0045】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、ボイラの燃焼炉Xを監視対象の火炉としたが、本発明はこれに限定されない。本開示は、ボイラの燃焼炉X以外の様々な火炉に適用することができる。
【0046】
(2)バーナx2から燃焼炉X内に放射される炎を除外して燃焼灰を撮像する赤外線カメラ1を用いたが、本開示はこれに限定されない。バーナx2近傍のボイラ壁x1を監視箇所とする場合には、炎の影響を除去する必要があるが、他の監視箇所については炎の影響を考慮する必要がないので、一般的な赤外線カメラを用いてもよい。
【0047】
(3)また、上記実施形態では、バーナx2の炎を除外する赤外線カメラ1を用いたが、本開示はこれに限定されない。例えば、バーナx2の炎を除外する機能を解析装置3に設けることにより、撮像装置として一般的な赤外線カメラを用いてもよい。
【0048】
(4)上記実施形態では、制御装置2と解析装置3とを個別の装置として設けたが、本開示はこれに限定されない。すなわち、制御装置2の機能と解析装置3の機能とを単一の装置に集約して設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示によれば、従来よりも実効的な燃焼灰の付着状態の評価が可能な火炉監視装置を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
X 燃焼炉(火炉)
x1 ボイラ壁
x2 バーナ
x3 過熱器
x4 再熱器
x5 節炭器
x6 屈曲部
x7 監視窓
R 燃焼室
E 排気口
1 赤外線カメラ(撮像装置)
2 制御装置(評価装置)
3 解析装置(評価装置)
4 監視パネル(報知装置)
図1
図2
図3