(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】肌状態推定方法、肌状態推定装置及び肌状態推定システム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20240709BHJP
【FI】
G16H50/30
(21)【出願番号】P 2022541453
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 JP2021027725
(87)【国際公開番号】W WO2022030300
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2020131861
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】山根 梨江
(72)【発明者】
【氏名】坂本 智則
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 裕司
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/106998(WO,A1)
【文献】特開2020-046200(JP,A)
【文献】特開2011-185923(JP,A)
【文献】特開2008-242963(JP,A)
【文献】特開2006-340763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される肌状態推定方法であって、
ホルモンバランスに関連する第1情報を取得するステップと、
血管状態に関連する第2情報を取得するステップと、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記第1情報を取得する第1取得日及び前記第2情報を取得する第2取得日より後の推定日における将来の肌状態を推定するステップと、
を含
み、
前記第1情報は、基礎体温、脳波、血液中に含まれるホルモンの量、唾液中に含まれるホルモンの量及び尿中に含まれるホルモンの量のうち少なくとも1つの情報を含み、
前記第2情報は、加速度脈派の情報を含む、肌状態推定方法。
【請求項2】
前記加速度脈派は、時系列順にピークとなるa波、b波、c波、d波及びe波を有し、
前記第2情報は、前記加速度脈派におけるa波の振幅とc波の振幅との比である、
請求項1に記載の肌状態推定方法。
【請求項3】
前記第1取得日は、前記推定日から7日以上前であって13日以内である、
請求項1又は2に記載の肌状態推定方法。
【請求項4】
前記第1情報を取得するステップは、異なる複数の日において複数の前記第1情報を取得することを有し、
前記推定するステップは、前記異なる複数の日において取得された複数の前記第1情報に基づいて、前記将来の肌状態を推定することを有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の肌状態推定方法。
【請求項5】
前記第1取得日と前記第2取得日とは異なる、
請求項
1~4のいずれか1項に記載の肌状態推定方法。
【請求項6】
前記第2取得日は前記第1取得日より後である、
請求項
5に記載の肌状態推定方法。
【請求項7】
前記第2情報を取得するステップは、異なる複数の日において複数の前記第2情報を取得することを有し、
前記推定するステップは、前記異なる複数の日において取得された複数の前記第2情報に基づいて、前記将来の肌状態を推定することを有する、
請求項
1~6のいずれか一項に記載の肌状態推定方法。
【請求項8】
前記第2情報とは異なる血管状態に関連する第3情報を取得するステップを含み、
前記推定するステップは、前記第1情報、前記第2情報及び前記第3情報に基づいて、前記第3情報を取得する第3取得日より後の前記推定日における前記将来の肌状態を推定することを有する、
請求項
1~7のいずれか一項に記載の肌状態推定方法。
【請求項9】
前記第3情報は、時系列順にピークとなるa波、b波、c波、d波及びe波を有する加速度脈波におけるa波の振幅とb波の振幅との比である、
請求項8に記載の肌状態推定方法。
【請求項10】
前記第3取得日は前記第2取得日と異なる、
請求項
9に記載の肌状態推定方法。
【請求項11】
前記第3取得日は前記第2取得日より後である、
請求項
9に記載の肌状態推定方法。
【請求項12】
前記第3情報を取得するステップは、異なる複数の日において複数の前記第3情報を取得することを有し、
前記推定するステップは、前記異なる複数の日において取得された複数の前記第3情報に基づいて、前記将来の肌状態を推定することを有する、
請求項
8~11のいずれか一項に記載の肌状態推定方法。
【請求項13】
前記推定日は現在であり、
前記推定するステップは、過去に取得した前記第1情報に基づいて現在の肌状態を推定すること、を有する、
請求項1~
12のいずれか一項に記載の肌状態推定方法。
【請求項14】
更に、
現在のホルモンバランスに関連する情報と現在の血
管状態に関連する情報とのうち少なくとも1つを有する第4情報を取得するステップを含み、
前記現在の肌状態を推定することは、過去に取得した前記第1情報と現在取得した前記第4情報とに基づいて前記現在の肌状態を推定すること、を有
し、
前記現在のホルモンバランスに関連する情報は、現在における、基礎体温、脳波、血液中に含まれるホルモンの量、唾液中に含まれるホルモンの量及び尿中に含まれるホルモンの量のうち少なくとも1つの情報を含み、
前記現在の血管状態に関連する情報は、現在の加速度脈波の情報を含む、
請求項
13に記載の肌状態推定方法。
【請求項15】
更に、
肌状態の実測情報を取得するステップと、
前記第1情報と前記肌状態の情報とを教師データとして用いて、前記第1情報を入力とし前記将来の肌状態を出力とする回帰モデルを作成するステップと、
含む、
請求項1~
14のいずれか一項に記載の肌状態推定方法。
【請求項16】
前記推定するステップは、前記回帰モデルに前記第1情報を入力することにより、前記将来の肌状態を推定することを有する、
請求項
15に記載の肌状態推定方法。
【請求項17】
ホルモンバランスに関連する
第1情報
及び血管状態に関連する第2情報を取得する
1つ又は複数の測定部と、
前記
1つ又は複数の測定部で取得した前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記
第1情報を取得した
第1取得日
及び前記第2情報を取得した第2取得日より後の推定日における将来の肌情報を推定する推定部と、
を備え
、
前記第1情報は、基礎体温、脳波、血液中に含まれるホルモンの量、唾液中に含まれるホルモンの量及び尿中に含まれるホルモンの量のうち少なくとも1つの情報を含み、
前記第2情報は、加速度脈派の情報を含む、肌状態推定装置。
【請求項18】
測定装置と、
前記測定装置と通信する処理装置と、
備え、
前記測定装置は、
ホルモンバランスに関連する
第1情報
及び血管状態に関連する第2情報を取得する
1つ又は複数の測定部と、
前記
第1情報
及び前記第2情報を送信する第1通信部と、
を有し、
前記処理装置は、
前記
第1情報
及び前記第2情報を受信する第2通信部と、
前記
第1情報
及び前記第2情報に基づいて、前記
第1情報を取得した
第1取得日
及び前記第2情報を取得した第2取得日より後の推定日における将来の肌状態を推定する推定部と、
有
し、
前記第1情報は、基礎体温、脳波、血液中に含まれるホルモンの量、唾液中に含まれるホルモンの量及び尿中に含まれるホルモンの量のうち少なくとも1つの情報を含み、
前記第2情報は、加速度脈派の情報を含む、肌状態推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌状態推定方法、肌状態推定装置及び肌状態推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筋肉量を指標として肌状態を推定する肌状態の鑑別方法が開示されている。特許文献1に記載の鑑別方法は、測定により得た筋肉量を多変量解析によって得られた推定式に当てはめることにより、肌状態を表すパラメータを導くことによって解析を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、将来の肌状態を推定することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の肌状態推定方法は、
コンピュータによって実行される肌状態推定方法であって、
ホルモンバランスに関連する第1情報を取得するステップと、
前記第1情報に基づいて、前記第1情報を取得する第1取得日より後の推定日における将来の肌状態を推定するステップと、
を含む。
【0006】
本発明の一態様の肌状態推定装置は、
ホルモンバランスに関連する情報を取得する測定部と、
前記測定部で取得した前記情報に基づいて、前記情報を取得した日より後の推定日における将来の肌情報を推定する推定部と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の肌状態推定システムは、
測定装置と、
前記測定装置と通信する処理装置と、
備え、
前記測定装置は、
ホルモンバランスに関連する情報を取得する測定部と、
前記情報を送信する第1通信部と、
を有し、
前記処理装置は、
前記情報を受信する第2通信部と、
前記情報に基づいて、前記情報を取得した日より後の推定日における将来の肌状態を推定する推定部と、
有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、将来の肌状態を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る実施の形態1の肌状態推定装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】基礎体温と肌状態との相関係数の一例を示すグラフである。
【
図4】本発明に係る実施の形態1の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
【
図5】本発明に係る実施の形態1の変形例1の肌状態推定装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図6A】変形例1の表示部の表示画面の一例を示す概略図である。
【
図6B】変形例1の表示部の表示画面の別例を示す概略図である。
【
図7】本発明に係る実施の形態2の肌状態推定装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明に係る実施の形態2の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
【
図11】本発明に係る実施の形態3の肌状態推定装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図12】測定タイミングの一例を示す概略図である。
【
図13】本発明に係る実施の形態3の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
【
図14】本発明に係る実施の形態3の変形例2の肌状態推定方法のフローチャートである。
【
図15】変形例2の測定タイミングの一例を示す概略図である。
【
図16】本発明に係る実施の形態4の肌状態推定装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明に係る実施の形態4の肌状態推定方法における機械学習方法の一例のフローチャートである。
【
図18】本発明に係る実施の形態5の肌状態推定装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図19】本発明に係る実施の形態6の肌状態推定システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図20】本発明に係る実施の形態6の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
【
図21】本発明に係る実施の形態6の変形例3の肌状態推定システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図22】本発明に係る実施の形態7の肌状態推定システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図23】本発明に係る実施の形態8の肌状態推定システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図24】本発明に係る実施の形態9の肌状態推定装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【
図25】本発明に係る実施の形態9の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
【
図26】本発明に係る実施の形態9の変形例4の肌状態推定方法のフローチャートである。
【
図27】実測値、実施例1及び実施例2の相関関係の一例を示すグラフである。
【
図28】比較例1と実測値との相関関係の一例を示すグラフである。
【
図29】比較例2と実測値との相関関係の一例を示すグラフである。
【
図30】比較例3と実測値との相関関係の一例を示すグラフである。
【
図31】比較例4と実測値との相関関係の一例を示すグラフである。
【
図32】実施例1-3及び比較例1-4の相関係数の一例を示す表である。
【
図33】実測値、実施例4及び実施例5の相関関係の一例を示すグラフである。
【
図34】実測値、実施例6及び実施例7の相関関係の一例を示すグラフである。
【
図35】実測値、実施例8及び実施例9の相関関係の一例を示すグラフである。
【
図36】実施例4-9の相関係数の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本発明に至った経緯)
近年、将来の肌状態を推定することが求められている。将来の肌状態を知ることによって、肌に対する効果的なケアを実施することができ、肌状態を良好に保つことができる。
【0011】
特許文献1に記載の肌状態の鑑別方法は、筋肉量を指標として肌状態を推定している。しかしながら、特許文献1に記載の鑑別方法では、現在の肌状態を推定することができるが、将来の肌状態を推定することができないという課題がある。
【0012】
本発明者らは、鋭意研究したところ、ホルモンバランスに関連する情報と肌状態とに相関関係があることを見出した。そこで、本発明者らは、ホルモンバランスに関連する情報を取得し、当該情報に基づいて当該情報の取得日よりも将来の肌状態を推定する構成を見出し、本発明に至った。
【0013】
本発明の一態様の肌状態推定方法は、
コンピュータによって実行される肌状態推定方法であって、
ホルモンバランスに関連する第1情報を取得するステップと、
前記第1情報に基づいて、前記第1情報を取得する第1取得日より後の推定日における将来の肌状態を推定するステップと、
を含む。
【0014】
このような構成により、将来の肌状態を推定することができる。
【0015】
前記第1情報は、基礎体温、脳波、血液、唾液及び尿のうち少なくとも1つの情報を含んでもよい。
【0016】
このような構成により、将来の肌状態を容易に推定することができる。
【0017】
前記第1取得日は、前記推定日から7日以上前であって13日以内であってもよい。
【0018】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0019】
前記第1情報を取得するステップは、異なる複数の日において複数の前記第1情報を取得することを有し、
前記推定するステップは、前記異なる複数の日において取得された複数の前記第1情報に基づいて、前記将来の肌状態を推定することを有していてもよい。
【0020】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0021】
前記肌状態の推定方法は、更に、
血管状態に関連する第2情報を取得するステップを含み、
前記推定するステップは、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記第2情報を取得する第2取得日より後の前記推定日における前記将来の肌状態を推定することを有していてもよい。
【0022】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0023】
前記第2情報は、脈波、血圧、血管の形態及び機能のうち少なくとも1つの情報を含んでいてもよい。
【0024】
このような構成により、将来の肌状態を容易に推定することができる。
【0025】
前記第2取得日は前記第1取得日と異なっていてもよい。
【0026】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0027】
前記第2取得日は前記第1取得日より後であってもよい。
【0028】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を更に向上させることができる。
【0029】
前記第2情報を取得するステップは、異なる複数の日において複数の前記第2情報を取得することを有し、
前記推定するステップは、前記異なる複数の日において取得された複数の前記第2情報に基づいて、前記将来の肌状態を推定することを有していてもよい。
【0030】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を更に向上させることができる。
【0031】
前記肌状態の推定方法は、更に、
前記第2情報とは異なる血管状態に関連する第3情報を取得するステップを含み、
前記推定するステップは、前記第1情報と前記第3情報とに基づいて、前記第3情報を取得する第3取得日より後の前記推定日における前記将来の肌状態を推定することを有していてもよい。
【0032】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0033】
前記第3情報は前記第2取得日と異なっていてもよい。
【0034】
このような構成により、将来の肌状態を容易に推定することができる。
【0035】
前記第3取得日は前記第2取得日より後であってもよい。
【0036】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0037】
前記第3情報を取得するステップは、異なる複数の日において複数の前記第3情報を取得することを有し、
前記推定するステップは、前記異なる複数の日において取得された複数の前記第3情報に基づいて、前記将来の肌状態を推定することを有していてもよい。
【0038】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0039】
前記推定日は現在であり、
前記推定するステップは、過去に取得した前記第1情報に基づいて現在の肌状態を推定すること、を有していてもよい。
【0040】
このような構成により、現在の肌状態を推定することができる。
【0041】
前記肌状態の推定方法は、更に、
現在のホルモンバランスに関連する情報と現在の血液状態に関連する情報とのうち少なくとも1つを有する第4情報を取得するステップを含み、
前記現在の肌状態を推定することは、過去に取得した前記第1情報と現在取得した前記第4情報とに基づいて前記現在の肌状態を推定すること、を有していてもよい。
【0042】
このような構成により、現在の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0043】
前記肌状態の推定方法は、更に、
肌状態の実測情報を取得するステップと、
前記第1情報と前記肌状態の情報とを教師データとして用いて、前記第1情報を入力とし前記将来の肌状態を出力とする回帰モデルを作成するステップと、
含んでいてもよい。
【0044】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0045】
前記推定するステップは、前記回帰モデルに前記第1情報を入力することにより、前記将来の肌状態を推定してもよい。
【0046】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0047】
本発明の一態様の肌状態推定装置は、
ホルモンバランスに関連する情報を取得する測定部と、
前記測定部で取得した前記情報に基づいて、前記情報を取得した日より後の推定日における将来の肌情報を推定する推定部と、
を備える。
【0048】
このような構成により、将来の肌状態を推定することができる。
【0049】
本発明の一態様の肌状態推定システムは、
測定装置と、
前記測定装置と通信する処理装置と、
備え、
前記測定装置は、
ホルモンバランスに関連する情報を取得する測定部と、
前記情報を送信する第1通信部と、
を有し、
前記処理装置は、
前記情報を受信する第2通信部と、
前記情報に基づいて、前記情報を取得した日より後の推定日における将来の肌状態を推定する推定部と、
有する。
【0050】
このような構成により、将来の肌状態を推定することができる。
【0051】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0052】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、発明に係る実施の形態1の肌状態推定装置1Aの一例の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、肌状態推定装置1A、測定部10と、推定部20と、制御部30と、を備える。肌状態推定装置1Aは、測定部10で測定された情報に基づいて将来の肌状態を推定する。実施の形態1では、肌状態推定装置1Aが推定する肌状態の部位は、ヒトの顔面である。
【0053】
本明細書では、「肌状態」とは、毛穴、シワ、キメ、色素沈着肌色、水分及び油分のうち少なくとも1つを含む。「毛穴」とは、肌表面から飛び出す毛の出口の目立ちを示す評価項目である。「シワ」とは、皮膚の表面にできる、折り目、ひだ、隆起を示す評価項目である。「キメ」とは、肌表面に刻み込まれた細かな凹凸によって決まる肌の美しさを示す評価項目である。「色素沈着」とは、メラニンなどの色素が皮膚に沈着することにより生じるシミ又は肌の色ムラ等を示す評価項目である。「肌色」とは、肌の色味や明るみを示す評価項目である。「水分」とは、肌に含まれる水分量を意味する。「油分」とは、肌に含まれる油量を意味する。これらの評価項目は、例えば、数値化されて表示される。例えば、肌状態は、5段階評価で表される。5段階評価とは、1~5の数値範囲で表され、数値が大きいほど良好であることを示す。
【0054】
肌状態推定装置1Aについて詳細に説明する。
【0055】
<測定部>
測定部10は、ホルモンバランスに関連する情報を取得する。測定部10は第1測定部10と称する場合がある。
【0056】
ホルモンとは、例えば、女性ホルモン、男性ホルモンを含む。女性ホルモンは、例えば、エストロゲン及びプロゲステロンを有する。男性ホルモンは、例えば、テストロンなどのステロイドホルモンを有する。
【0057】
ホルモンバランスに関連する情報とは、ホルモンバランスと相関関係にある情報を意味する。即ち、ホルモンバランスに関連する情報とは、ホルモンバランスの変化を推定することができる情報を意味する。例えば、ホルモンバランスに関連する情報は、ホルモンの分泌量の変化に伴って変化する生体情報である。例えば、ホルモンバランスに関連する情報は、基礎体温、脳波、血液、唾液及び尿のうち少なくとも1つの情報を含む。
【0058】
本明細書では、ホルモンバランスに関連する情報を第1情報と称する場合がある。
【0059】
「基礎体温」とは、活動による体温変化などの要因を排除し、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静状態で測定した体温である。例えば、基礎体温は、起床時に安静した状態で基礎体温計によって測定することができる。基礎体温は、0.01単位(小数点第二位)で表示される。
【0060】
「脳波」とは、脳波計測器で測定される脳波である。ホルモンバランスに関連する脳波としては例えば、20以上22Hz以下、11Hz、14Hz、8以上10Hz以下付近の脳波が挙げられる。
【0061】
「血液」とは、例えば、血液中に含まれるホルモン(例えば、プロゲストロン)の量の情報である。血液中に含まれるホルモンの量は、例えば、血液検査によって測定することができる。
【0062】
「唾液」とは、例えば、唾液中に含まれるホルモンの量、又は唾液の分泌量の情報である。唾液中に含まれるホルモンの量及び唾液の分泌量は、例えば、唾液検査によって測定することができる。また、唾液の分泌量は、例えば、口腔湿潤計によって測定することができる。
【0063】
「尿」とは、例えば、尿中に含まれるホルモン(例えば、エストロゲン)の量の情報である。尿中に含まれるホルモンの量は、例えば、尿検査によって測定することができる。
【0064】
測定部10は、ホルモンバランスに関連する情報として、基礎体温、脳波、血液、唾液及び尿のうち少なくとも1つの情報を測定できる測定装置である。
【0065】
実施の形態1では、ホルモンバランスに関連する情報が基礎体温である例について説明する。したがって、測定部10は、基礎体温を測定する。測定部10は、例えば、基礎体温計を有する。
【0066】
測定部10は、ホルモンバランスに関連する情報を推定部20に送信する。具体的には、測定部10は、基礎体温の情報を推定部20に送信する。あるいは、測定部10で測定された基礎体温の情報が推定部20に入力される。
【0067】
図2は、測定タイミングの一例を示す概略図である。
図2において、T0は肌状態を推定する推定日を示す。T1は、測定部10による基礎体温の測定日、即ち、基礎体温の取得日を示す。
図2に示すように、測定部10は、推定日T0よりも前の取得日T1に、基礎体温を測定する。
【0068】
図3は、基礎体温と肌状態との相関係数の一例を示すグラフである。
図3において、横軸は推定日T0からの基礎体温の取得日T1のずれ日数を示し、縦軸は基礎体温と肌状態の相関係数を示す。なお、相関係数とは、基礎体温と肌状態との相関の度合いを示す。相関係数が高いほど、基礎体温と肌状態との相関が高いことを示す。相関係数は、基礎体温に基づいて推定した肌状態の推定スコアと、肌状態を実際に測定した実測スコアと、に基づいて算出される。例えば、相関係数は、共分散をそれぞれの変数の標準偏差で除算することによって算出される。なお、推定スコアの算出については後述する。実測スコアは、肌状態をスコア化できる測定装置を用いて測定した。測定装置としては、例えば、ソニー株式会社製の肌解析システムBeauty Explorer(登録商標)を用いることができる。
【0069】
相関係数は、0.5以上で相関があると言える。即ち、相関係数が0.5以上であれば、基礎体温の情報に基づいて肌状態を精度高く推定することができる。
図3に示すように、相関係数が0.5以上となる測定部10による基礎体温の取得日T1は、推定日T0より7日以上前であって13日以内である。相関係数が0.6以上となる基礎体温の取得日T1は、推定日T0より8日以上前であって12日以内である。また、相関係数が最も高くなる取得日T1は、推定日T0より10日前の日である。
【0070】
したがって、測定部10による取得日T1は、推定日T0より7日以上前であって13日以内である。好ましくは、取得日T1は、推定日T0より8日以上前であって12日以内である。より好ましくは、取得日T1は、推定日T0より10日前の日である。これにより、推定部20による肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0071】
<推定部>
推定部20は、測定部10で取得した情報に基づいて将来の肌状態を推定する。具体的には、推定部20は、測定部10で取得した情報に基づいて、測定部10で取得した情報の取得日T1より後の推定日T0における将来の肌状態を推定する。
【0072】
実施の形態1では、推定部20は、測定部10で取得した基礎体温に基づいて、基礎体温を取得した取得日T1より後の推定日T0における将来の肌状態を推定する。
【0073】
推定部20は、測定部10による基礎体温の取得日T1から7日以上13日以内の将来の肌状態を推定する。好ましくは、推定部20は、測定部10による基礎体温の取得日T1から8日以上12日以内の将来の肌状態を推定する。より好ましくは、推定部20は、測定部10による基礎体温の取得日T1から10日後の将来の肌状態を推定する。
【0074】
実施の形態1では、推定部20は、測定部10により情報を取得した取得日T1の日に、推定日T0における将来の肌状態を推定する。即ち、取得日T1は現在であり、推定日T0は取得日T1より将来である。
【0075】
推定部20は、測定部10から基礎体温の情報を受信する。推定部20は、基礎体温の情報を用いて回帰分析を実行する。具体的には、推定部20は、予め機械学習させた回帰モデルを有する。回帰モデルは、推定部20の記憶部に記憶されている。実施の形態1では、回帰モデルは、基礎体温の情報を入力とし、将来の肌状態の情報を出力とするモデルである。出力される将来の肌状態の情報とは、例えば、肌状態の評価を数値化した情報である。
【0076】
推定部20は、測定部10で測定された基礎体温の情報を回帰モデルに入力する。推定部20は、回帰モデルを用いて基礎体温に基づいて、取得日T1より後の推定日T0における将来の肌状態を推定する。即ち、推定部20は、回帰モデルに対して基礎体温を入力することによって、将来の肌状態の情報を出力する。
【0077】
推定部20は、例えば、半導体素子などで実現可能である。例えば、推定部20は、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成することができる。
【0078】
<制御部>
制御部30は、肌状態推定装置1Aの構成要素を統括的に制御する。制御部30は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)を備える。制御部30においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。制御部30は、例えば、半導体素子などで実現可能である。例えば、制御部30は、マイクロコンピュータ、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、又はASICで構成してもよい。制御部30の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。実施の形態1では、制御部30は、測定部10及び推定部20を制御する。
【0079】
肌状態推定装置1Aは、例えば、コンピュータなどの情報処理装置で実現することができる。例えば、測定部10、推定部20及び制御部30は、コンピュータの構成要素として実現されてもよい。
【0080】
[動作]
肌状態推定装置1Aの動作(肌状態推定方法)の一例について
図4を用いて説明する。
図4は、本発明に係る実施の形態1の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
図4に示す肌状態推定方法は、肌状態推定装置1Aによって実行される。
【0081】
図4に示すように、ステップST1において、ホルモンバランスに関連する情報を取得する。ステップST1では、測定部10がホルモンバランスに関連する情報を取得する。具体的には、測定部10は、ホルモンバランスに関連する情報として、基礎体温、脳波、血液、唾液及び尿のうち少なくとも1つの情報を取得する。実施の形態1では、測定部10は、基礎体温を測定する。
【0082】
ステップST2において、測定部10で取得した情報に基づいて将来の肌状態を推定する。ステップST2では、推定部20が測定部10で取得したホルモンバランスに関連する情報に基づいて、測定部10による情報の取得日T1よりも将来の肌状態を推定する。実施の形態1では、推定部20は測定部10で測定された基礎体温に基づいて、取得日T1よりも将来の肌状態を推定する。
【0083】
推定部20は、基礎体温の情報に基づいて回帰モデルを用いて回帰分析を実行する。具体的には、推定部20は、予め機械学習させた回帰モデルに、推定日T0の7日以上前であって13日以内の取得日T1の基礎体温の情報を入力する。好ましくは、推定部20は、回帰モデルに推定日T0の8日以上前であって12日以内の取得日T1の基礎体温の情報を入力する。より好ましくは、推定部20は、回帰モデルに推定日T0の10日前の取得日T1の基礎体温の情報を入力する。これにより、推定部20は、回帰モデルによって取得日T1より将来の肌状態を推定する。
【0084】
[効果]
実施の形態1に係る肌状態推定方法によれば、以下の効果を奏することができる。
【0085】
肌状態推定方法は、ホルモンバランスに関連する情報を取得するステップST1と、取得した情報に基づいて、情報を取得する取得日T1より後の推定日T0における将来の肌状態を推定するステップST2と、を含む。このような構成により、ホルモンバランスに関連する情報に基づいて将来の肌状態を容易に推定することができる。
【0086】
ホルモンバランスに関連する情報は、基礎体温、脳波、血液、唾液及び尿のうち少なくとも1つの情報を含む。このような構成により、ホルモンバランスに関連する情報を容易に取得することができる。また、顔以外の部位から取得した情報に基づいて、将来の肌状態を推定することができる。また、基礎体温、脳波、唾液及び尿などの情報は、ユーザを侵襲せずに取得することができる。
【0087】
取得日T1は、推定日T0よりも7日以上前であって13日以内である。このような構成により、ホルモンバランスと肌状態との相関が高い情報を取得することができる。これにより、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0088】
肌状態推定装置1Aは、ホルモンバランスに関連する情報を取得する測定部10と、測定部10で取得した情報に基づいて、情報を取得した取得日T1より後の推定日T0における将来の肌情報を推定する推定部20と、を備える。このような構成により、ホルモンバランスに関連する情報に基づいて将来の肌状態を容易に推定することができる。
【0089】
なお、実施の形態1では、測定部10が基礎体温を測定する例について説明したが、これに限定されない。測定部10は、ホルモンバランスに関連する情報を取得できればよい。また、ホルモンバランスに関連する情報は、推定部20の回帰モデルに入力される前に任意の処理が施されていてもよい。
【0090】
実施の形態1では、肌状態推定装置1Aが1つの測定部10を備える例について説明したが、これに限定されない。肌状態推定装置1Aは、1つ又は複数の測定部10を備えていてもよい。例えば、肌状態推定装置1Aが複数の測定部10を備えることによって、肌状態の推定精度を向上させることができる。また、複数の測定部10は、それぞれ、異なる情報を取得してもよい。
【0091】
肌状態推定装置1Aにおいて、測定部10は必須の構成ではない。即ち、肌状態推定装置1Aは、測定部10を有していなくてもよい。肌状態推定装置1Aが測定部10を有しない場合、ホルモンバランスに関連する情報は、肌状態推定装置1Aに含まれない別体の測定装置によって取得されてもよい。肌状態推定装置1Aは、測定部10の代わりにホルモンバランスに関連する情報を入力する入力部を有していてもよい。肌状態推定装置1Aの推定部20は、入力部に入力されたホルモンバランスに関連する情報に基づいて、将来の肌状態を推定してもよい。
【0092】
実施の形態1では、推定部20が基礎体温に基づいて、基礎体温の取得日よりも将来の肌状態を推定する例について説明したが、これに限定されない。肌状態を推定するために用いる情報は、ホルモンバランスに関連する情報であればよい。推定部20は、基礎体温以外の情報に基づいて将来の肌状態を推定してもよい。
【0093】
推定部20は、測定部10により情報を取得した取得日T1に、推定日T0における将来の肌状態を推定する例について説明したが、これに限定されない。即ち、推定部20による肌状態の推定を実施するタイミングは、取得日T1に限られない。推定部20による肌状態の推定を実施するタイミングは、取得日T1以外であってもよい。推定部20による肌状態の推定を実施するタイミングは、取得日T1から推定日T0までの間であってもよい。
【0094】
実施の形態1では、推定部20が回帰モデルを用いた回帰分析により、将来の肌状態を推定する例について説明したが、これに限定されない。推定部20は、ホルモンバランスに関連する情報に基づいて、将来の肌状態を推定できればよい。また、推定部20は回帰モデル以外のモデルを用いて、将来の肌状態を推定してもよい。
【0095】
実施の形態1では、測定部10、推定部20及び制御部30が別体で形成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、測定部10、推定部20及び制御部30のうち少なくとも2つは統合されていてもよい。
【0096】
実施の形態1では、取得日T1が現在であり、推定日T0が将来であり、推定部20が取得日T1に、推定日T0における将来の肌状態を推定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、取得日T1が過去であり、推定日T0が現在であってもよい。この場合、推定部20は、過去に取得した第1情報に基づいて、現在の肌状態を推定してもよい。このような構成により、現在の肌状態を推定することができる。
【0097】
実施の形態1では、肌状態推定方法は、ステップST1及びST2を含む例について説明したが、これに限定されない。肌状態推定方法は、他のステップを追加してもよいし、いくつかのステップを減らしてもよいし、複数のステップを1つのステップで実施してもよい。
【0098】
実施の形態1では、肌状態推定装置及び肌状態推定方法を例として説明したが、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体にも適用可能である。例えば、プログラムは、コンピュータに上述した肌状態推定方法を実行させてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに上述した肌状態推定方法を実行させるためのプログラムを記憶していてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD-ROM、DVD又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶デバイスであってもよい。
【0099】
(変形例1)
図5は、本発明に係る実施の形態1の変形例1の肌状態推定装置1AAの概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように、変形例1における肌状態推定装置1AAは、表示部31を更に備える。表示部31は、推定部20で推定された肌状態の推定結果を表示する。表示部31は、例えば、ディスプレイである。表示部31は、制御部30によって制御される。
【0100】
図6Aは、変形例1の表示部31の表示画面の一例を示す概略図である。
図6Aに示すように、表示部31は、推定部20によって推定された将来の肌状態の情報を表示する。表示部31が表示する表示画面には、例えば、XX日後の肌状態における総合肌スコアを含む。総合スコアは、肌状態の総合的な評価を数値化したものであり、例えば、1~5の範囲の数値で示される。また、
図6Aの表示部31には、総合肌スコアを視覚的に認識するために、評価用アイコンを表示している。評価用アイコンとは、総合肌スコアを視覚的に認識可能な画像である。評価用アイコンは、例えば、色付きのハートマークと、色なしのハートマークとを含む複数の評価アイコンを含む。複数の評価アイコンのうち色付きのハートマークが多い場合、総合肌スコアが良好であることが認識できる。また、複数の評価アイコンのうち色なしのハートマークが多い場合、総合肌スコアが良好ではないことが認識できる。
【0101】
図6Bは、変形例1の表示部31の表示画面の別例を示す概略図である。なお、
図6Bにおいて「◎」は良好、「〇」は普通、「△」は良好ではないことを示す。
図6Bに示すように、表示部31は、肌状態の予報を表示してもよい。例えば、10日分の肌状態の予報を1日毎に表示してもよい。具体的には、曜日毎に、肌状態の予報を表示してもよい。
【0102】
なお、変形例1の表示部31の表示画面は、
図6A及び
図6Bに示す例に限定されない。表示部31の表示画面には、
図6A及び
図6Bに示す情報以外に、追加で別の情報が表示されてもよい。あるいは、
図6A及び
図6Bに示す情報は、修正されて表示されてもよい。
【0103】
変形例1では、表示部31はディスプレイである例について説明したが、これに限定されない。例えば、表示部31は、1つ又は複数のLEDを有していてもよい。表示部31は、LEDを点灯させることにより、将来の肌状態が良好であるか否かをユーザに知らせてもよい。
【0104】
変形例1では、表示部31が肌状態推定装置1AAに含まれる例について説明したが、これに限定されない。表示部31は肌状態推定装置1AAに含まれていなくてもよい。表示部31は、肌状態推定装置1AAと別体であってもよい。例えば、表示部31は、スマートフォンなどの情報処理端末の表示画面であってもよい。肌状態推定装置1AAは、ネットワーク通信などによって、情報処理端末の表示部31に推定結果を送信してもよい。これにより、肌状態推定装置1AA以外の情報処理端末などの表示部31に、将来の肌状態の推定結果を表示することができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0105】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る肌状態推定装置及び肌状態推定方法について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0106】
実施の形態2の肌状態推定装置の一例について、
図7を用いて説明する。
図7は、本発明に係る実施の形態2の肌状態推定装置1Bの一例の概略構成を示すブロック図である。
【0107】
実施の形態2では、2つの測定部10,11を備え、2つの測定部10,11で取得した情報に基づいて肌状態を推定する点で、実施の形態1と異なる。
【0108】
図7に示すように、肌状態推定装置1Bは、血管状態に関連する情報を取得する測定部11を更に備える。実施の形態2では、測定部10を第1測定部10と称し、測定部11を第2測定部11と称する。また、ホルモンバランスに関連する情報を第1情報と称し、血管状態に関連する情報を第2情報と称する。
【0109】
<第2測定部>
第2測定部11は、血管状態に関連する第2情報を取得する。第2情報は、血管状態と相関関係にある情報を意味する。即ち、第2情報とは、血管状態の変化を推定することができる情報を意味する。具体的には、第2情報は、脈波、血圧、血管の形態及び機能のうち少なくとも1つの情報を含む。
【0110】
「脈波」とは、心臓が血液を送り出すことに伴い発生する血管の容積変化のことを意味する。脈波は、例えば、光電脈波センサによって測定される。光電脈波センサは、例えば、ユーザの指に取り付けられることによって、脈波を測定する。
【0111】
「血圧」とは、血管壁に与える血液の圧力を意味する。血圧は、例えば、血圧計によって測定される。血圧計は、最高血圧値と最低血圧値とを測定できることが好ましい。
【0112】
「血管の形態及び機能」とは、例えば、血管の厚さ、動脈硬化、血液の流れ及び血管の詰まりなどである。血管の形態及び機能は、例えば、エコー検査によって測定することができる。
【0113】
実施の形態2では、第2情報として脈波を用いる例について説明する。第2測定部11は、脈波を測定する。第2測定部11は、例えば、光電脈波センサを有する。具体的には、第2情報は、光電脈波センサによって測定した脈波に基づいて、算出される加速度脈波の情報である。加速度脈波とは、脈波を時間軸で2回微分したものを意味する。
【0114】
図8は、加速度脈波の一例を示す概略図である。
図8に示すように、加速度脈波は、時系列順にピークとなるa波、b波、c波、d波及びe波を有する。ピークとは振幅が大きくなる部分を意味する。実施の形態2では、第2情報として、加速度脈波におけるa波の振幅とc波の振幅との比を用いる。具体的には、第2情報は、加速度脈波におけるc波の振幅値をa波の振幅値で除算した値c/aである。
【0115】
第2測定部11は、第2情報を推定部20に送信する。あるいは、第2測定部11で測定された第2情報が推定部20に入力される。また、第2測定部11は、制御部30によって制御される。
【0116】
実施の形態2では、第1情報の取得日と第2情報の取得日とが異なる例について説明する。
図9は、測定タイミングの一例を示す概略図である。
図9に示すように、第2測定部11は、第1測定部10と異なるタイミングで第2情報を取得する。第2測定部11は、推定日T0より前の日であって、第1測定部10によって第1情報を取得する第1取得日T1と異なる第2取得日T2に第2情報を取得する。
【0117】
第2取得日T2は、推定日T0より前の日であって第1取得日T1より後の日である。実施の形態2では、第1取得日T1は推定日T0から10日前の日であり、第2取得日T2は第1取得日T1の2日後である。言い換えると、第1取得日T1は推定日から10日前の日であり、第2取得日T2は推定日T0より8日前の日である。
【0118】
血管状態は、ホルモンバランスと同様に、肌状態と相関関係にある。また、血管状態に関連する第2情報と肌状態との相関関係は、推定日T0より前の日であって第1取得日T1より後の日において高くなる傾向にある。このため、第2情報を取得する第2取得日T2は、推定日T0より前の日であって第1取得日T1より後の日に設定される。
【0119】
推定部20は、第1情報と第2情報とに基づいて、第2取得日T2よりも将来の肌状態を推定する。実施の形態2では、推定部20は、第1情報及び第2情報を入力とし、将来の肌状態の情報を出力とする回帰モデルを有する。推定部20は、第1情報及び第2情報を回帰モデルに入力することによって、将来の肌状態を推定する。
【0120】
実施の形態2では、推定部20は、第2測定部11により情報を取得した取得日T2の日に、推定日T0における将来の肌状態を推定する。
【0121】
肌状態推定装置1Bの動作(肌状態推定方法)の一例について
図10を用いて説明する。
図10は、本発明に係る実施の形態2の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
図10において、ステップST11は実施の形態1の
図4に示すステップST1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0122】
図10に示すように、ステップST11において、ホルモンバランスに関連する第1情報を取得する。ステップST11では、第1測定部10が第1情報を取得する。
【0123】
ステップST12において、血管状態に関連する第2情報を取得する。ステップST12では、第2測定部11が、第1情報を取得した第1取得日T1と異なる第2取得日T2に、第2情報を取得する。第2情報は、脈波、血圧、血管の形態及び機能のうち少なくとも1つの情報を含む。第2取得日T2は、推定日T0より前の日であって、第1取得日T1より後の日である。
【0124】
実施の形態2では、ステップST12では、光電脈波センサによって測定した脈波に基づいて加速度脈波を算出することを有する。また、ステップST12では、加速度脈波におけるc波の振幅値をa波の振幅値で除算した値c/aを算出することを有する。ステップST12では、算出した値c/aを第2情報として取得する。
【0125】
ステップST13において、第1情報と第2情報とに基づいて将来の肌状態を推定する。ステップST13では、推定部20が第1情報と第2情報とに基づいて、第2取得日T2よりも将来の肌状態を推定する。
【0126】
推定部20は、第1情報と第2情報を回帰モデルに入力し、回帰分析を実行する。推定部20は、予め機械学習させた回帰モデルに、第1取得日T1に取得した第1情報と、第2取得日T2に取得した第2情報と、を入力する。これにより、推定部20は、第2取得日T2より後の推定日T0における将来の肌状態を推定する。
【0127】
[効果]
実施の形態2に係る肌状態推定方法によれば、以下の効果を奏することができる。
【0128】
肌状態推定方法は、更に、血管状態に関連する第2情報を取得するステップST12を含む。推定するステップST13は、第1情報と第2情報とに基づいて、第2情報を取得する第2取得日T2より後の推定日T0における将来の肌状態を推定する。このような構成により、将来の肌状態を推定することができる。
【0129】
第2情報は、脈波、血圧、血管の形態及び機能のうち少なくとも1つの情報を含む。このような構成により、血管状態に関連する第2情報を容易に取得することができる。また、顔以外の部位から取得した情報を用いて、将来の肌状態を推定することができる。また、脈波、血圧、血管の形態及び機能などの情報は、ユーザを侵襲せずに取得することができる。
【0130】
第2情報を取得する第2取得日T2は、第1情報を取得する第1取得日T1と異なる。このような構成により、取得のタイミングが異なる第1情報と第2情報とに基づいて将来の肌状態を推定することによって、推定精度を向上させることができる。
【0131】
第2取得日T2は、第1取得日T1の後である。このような構成により、第2情報と肌情報との相関関係が高くなるタイミングで第2情報を取得することができる。これにより、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0132】
肌状態推定装置1Bは、第1測定部10と、第2測定部11と、推定部20とを備える。第1測定部10は、ホルモンバランスに関連する情報を取得する。第2測定部11は、血管状態に関連する第2情報を取得する。推定部20は、第1情報と第2情報とに基づいて、第2取得日T2より後の推定日T0における将来の肌状態を推定する。このような構成により、将来の肌状態を推定することができる。
【0133】
なお、実施の形態2では、第1測定部10と第2測定部11とが別体である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1測定部10と第2測定部11とは、統合されていてもよい。
【0134】
実施の形態2では、第2測定部11が血管状態に関連する第2情報を測定する例について説明したが、これに限定されない。第2測定部11は、ホルモンバランスに関連する第1情報以外であって、肌状態と相関関係にある情報を取得できればよい。推定部20は、肌状態と相関関係にある2つ以上の情報に基づいて将来の肌状態を推定してもよい。第2情報は、推定部20の回帰モデルに入力される前に任意の処理が施されていてもよい。
【0135】
実施の形態2では、第2情報として加速度脈波に基づいて算出されたa波とc波との比(c/a)を用いる例について説明したが、これに限定されない。第2情報は、血管状態に関連する情報であればよい。例えば、第2情報は、加速度脈波におけるa波とb波との比(b/a)を用いてもよい。
【0136】
実施の形態2では、第2測定部11が第1測定部10と異なるタイミングで第2情報を取得する例について説明したが、これに限定されない。第1測定部10の第1取得日T1と第2測定部11の第2取得日T2とが同じ日であってもよい。即ち、第2情報を取得するステップST12は、第1取得日T1に第2情報を取得してもよい。推定部20は、同じ日に取得された第1情報と第2情報とに基づいて将来の肌状態を推定してもよい。このような構成においても、推定精度を向上させることができる。
【0137】
実施の形態2では、第1取得日T1が推定日から10日前の日であり、第2取得日T2が推定日T0より8日前の日である例について説明したが、これに限定されない。第1取得日T1及び第2取得日T2は、推定日T0より前の日であればよい。
【0138】
実施の形態2では、肌状態推定方法は、ステップST11~ST13を含む例について説明したが、これに限定されない。肌状態推定方法は、他のステップを追加してもよいし、いくつかのステップを減らしてもよいし、複数のステップを1つのステップで実施してもよい。
【0139】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る肌状態推定方法について説明する。なお、実施の形態3では、主に実施の形態2と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態2と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態2と重複する記載は省略する。
【0140】
実施の形態3の肌状態推定方法の一例について、
図11を用いて説明する。
図11は、本発明に係る実施の形態3の肌状態推定装置1Cの一例の概略構成を示すブロック図である。
【0141】
実施の形態3では、第2情報と異なる血管状態に関連する第3情報を取得し、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて肌状態を推定する点で、実施の形態2と異なる。
【0142】
図11に示すように、肌状態推定装置1Cは、第2測定部11によって第3情報を取得する。第3情報は、第2情報と異なる血管状態に関連する情報である。実施の形態3では、第3情報は、第2測定部11によって測定される脈波に基づいて算出される加速度脈波の情報であり、加速度脈波におけるa波の振幅とb波の振幅との比である(
図8参照)。具体的には、第3情報は、加速度脈波におけるb波の振幅値をa波の振幅値で除算した値b/aである。
【0143】
なお、実施の形態3では、ホルモンバランスに関連する第1情報は、基礎体温の情報である。血管状態に関連する第2情報は、加速度脈波におけるc波の振幅値をa波の振幅値で除算した値c/aの情報である。
【0144】
実施の形態3では、第1情報の取得日、第2情報の取得日及び第3情報の取得日がそれぞれ異なる例について説明する。
図12は、測定タイミングの一例を示す概略図である。
図12に示すように、第3情報は、第1情報を取得する第1取得日T1と第2情報を取得する第2取得日T2と異なる第3取得日に取得される。
【0145】
第3取得日T3は、推定日T0より前の日であって第1取得日T1より後の日である。また、第3取得日T3は、第2取得日T2より後の日である。実施の形態3では、第1取得日T1は推定日T0から10日前の日であり、第2取得日T2は第1取得日T1から2日後であり、第3取得日T3は第2取得日T2から7日後である。言い換えると、第1取得日T1は推定日から10日前の日であり、第2取得日T2は推定日T0より8日前の日であり、第3取得日T3は推定日T0より1日前の日である。
【0146】
第3情報が加速度脈波におけるb波の振幅値をa波の振幅値で除算した値b/aである場合、第3情報と肌状態との相関関係は、推定日T0より前の日であって第1取得日T1及び第2取得日T2より後の日において高くなる傾向がある。このため、第3情報を取得する第3取得日T3は、推定日T0より前の日であって第1取得日T1及び第2取得日T2より後の日に設定される。
【0147】
推定部20は、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、第3取得日T3よりも将来の肌状態を推定する。
【0148】
実施の形態3では、推定部20は、第1情報、第2情報及び第3情報を入力とし、将来の肌状態の情報を出力とする回帰モデルを有する。推定部20は、第1情報、第2情報及び第3情報を回帰モデルに入力することによって、将来の肌状態を推定する。
【0149】
実施の形態3では、推定部20は、第3情報を取得する第3取得日T3の日に、推定日T0における将来の肌状態を推定する。
【0150】
肌状態推定装置1Cの動作(肌状態推定方法)の一例について
図13を用いて説明する。
図13は、本発明に係る実施の形態3の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
図13において、ステップST21及びST22は実施の形態2の
図10に示すステップST11及びST12と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0151】
図13に示すように、ステップST21において、ホルモンバランスに関連する第1情報を取得する。ステップST21では、第1測定部10が第1情報を取得する。
【0152】
ステップST22において、血管状態に関連する第2情報を取得する。ステップST22では、第2測定部11が、第1情報を取得した第1取得日T1より後の第2取得日T2に、第2情報を取得する。
【0153】
ステップST23において、第2情報と異なる血管状態に関連する第3情報を取得する。ステップST23では、第2測定部1が、第1情報を取得した第1取得日T1及び第2情報を取得した第2取得日T2と異なる第3取得日T3に、第3情報を取得する。第3取得日T3は、推定日T0より前の日であって、第1取得日T1及び第2取得日T2より後の日である。
【0154】
実施の形態3では、ステップST23では、第2測定部11によって測定した脈波に基づいて加速度脈波を算出することを有する。また、ステップST23では、加速度脈波におけるb波の振幅値をa波の振幅値で除算した値b/aを算出することを有する。ステップST23では、算出した値b/aを第3情報として取得する。
【0155】
ステップST24において、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。ステップST24では、推定部20が第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、第3取得日T3よりも将来の肌状態を推定する。
【0156】
推定部20は、第1情報、第2情報及び第3情報を回帰モデルに入力し、回帰分析を実行する。推定部20は、予め機械学習させた回帰モデルに、第1取得日T1に取得した第1情報と、第2取得日T2に取得した第2情報と、第3取得日T3に取得した第3情報を入力する。これにより、推定部20は、第3取得日T3より後の推定日T0における将来の肌状態を推定する。
【0157】
[効果]
実施の形態3に係る肌状態推定方法によれば、以下の効果を奏することができる。
【0158】
肌状態推定方法は、更に、第2情報と異なる血管状態に関連する第3情報を取得するステップST23を含む。推定するステップST24は、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、第3取得日T3より後の推定日T0における将来の肌状態を推定する。このような構成により、将来の肌状態を推定することができる。
【0159】
第3取得日T3は第2取得日T2と異なる。このような構成により、取得のタイミングが異なる第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて将来の肌状態を推定することによって、推定精度を更に向上させることができる。
【0160】
第3取得日T3は第1取得日T1及び第2取得日T2より後である。このような構成により、第3情報と肌情報との相関関係が高くなるタイミングで第3情報を取得することができる。これにより、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0161】
なお、実施の形態3では、第2測定部11が第2情報と第3情報とを取得する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第3情報は、第2測定部11とは別の装置によって取得されてもよい。
【0162】
実施の形態3では、第3情報として加速度脈波に基づいて算出されたa波とb波との比(b/a)を用いる例について説明したが、これに限定されない。第3情報は、血管状態に関連する情報であればよい。例えば、第3情報は、脈波、血圧、血管の形態及び機能のうち少なくとも1つの情報を含んでいてもよい。
【0163】
実施の形態3では、第1取得日T1、第2取得日T2及び第3取得日T3が異なる日である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1取得日T1、第2取得日T2及び第3取得日T3のうち少なくとも2つが同じ日であってもよい。このような構成においても、推定精度を向上させることができる。
【0164】
実施の形態3では、第1取得日T1が推定日から10日前の日であり、第2取得日T2が推定日T0より8日前の日であり、第3取得日T3が推定日T0より1日前の日である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第3取得日T3は、推定日T0より前の日であって、第2取得日T2より前の日であってもよい。
【0165】
実施の形態3では、推定部20が第3取得日T3に、推定日T0における将来の肌状態を推定する例について説明したが、これに限定されない。推定部20は、過去に取得した第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、現在の肌状態を推定してもよい。
【0166】
実施の形態3では、肌状態推定方法は、ステップST21~ST24を含む例について説明したが、これに限定されない。肌状態推定方法は、他のステップを追加してもよいし、いくつかのステップを減らしてもよいし、複数のステップを1つのステップで実施してもよい。
【0167】
(変形例2)
図14は、本発明に係る実施の形態3の変形例2の肌状態推定方法のフローチャートである。
図15は、変形例2の測定タイミングの一例を示す概略図である。
図14及び
図15に示すように、変形例2の肌状態推定方法は、現在の血管状態に関連する第4情報を取得するステップST24と、第1情報、第2情報、第3情報及び第4情報に基づいて、現在の肌状態を推定するステップST26と、を更に含む。
【0168】
ステップST25において、現在の血管状態に関連する第4情報を取得する。第4情報は、脈波、血圧、血管の形態及び機能のうち少なくとも1つを含む。ステップST25では、第2測定部11が第4情報を取得する。第4情報は、例えば、加速度脈波に基づいて算出されたa波とb波との比(b/a)である。
【0169】
変形例2において、推定日T0は現在である。ステップST25では、第2測定部11は、推定日T0における現在の血管状態に関連する第4情報を取得する。
【0170】
ステップST26において、第1情報、第2情報、第3情報及び第4情報に基づいて、現在の肌状態を推定する。ステップST26では、推定部20は、過去に取得した第1情報、第2情報及び第3情報と、現在に取得した第4情報とに基づいて、現在の肌状態を推定する。
【0171】
このような構成により、現在の肌状態を精度よく推定することができる。
【0172】
なお、変形例2では、第4情報が血管状態に関連する情報である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第4情報は、現在のホルモンバランスに関連する情報及び現在の血液状態に関連する情報のうち少なくとも1つを有していればよい。
【0173】
変形例2では、推定部20が第1情報、第2情報、第3情報及び第4情報に基づいて、現在の肌状態を推定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、推定部20は、過去に取得した第1情報と現在取得した第4情報とに基づいて現在の肌状態を推定してもよい。あるいは、推定部20は、過去に取得した第1情報、第2情報及び第3情報のうち少なくとも1つと、現在取得した第4情報とに基づいて現在の肌状態を推定してもよい。このような構成においても、現在の肌状態を推定することができる。
【0174】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る肌状態推定装置及び肌状態推定方法について説明する。なお、実施の形態4では、主に実施の形態3と異なる点について説明する。実施の形態4においては、実施の形態3と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態4では、実施の形態3と重複する記載は省略する。
【0175】
実施の形態4の肌状態推定装置の一例について、
図16を用いて説明する。
図16は、本発明に係る実施の形態4の肌状態推定装置1Dの一例の概略構成を示すブロック図である。
【0176】
実施の形態4では、肌状態の実測情報を取得する第3測定部12を有する点、及び推定部20Aが学習部21を有する点で、実施の形態3と異なる。
【0177】
図15に示すように、肌状態推定装置1Dは、肌状態の実測情報を取得する第3測定部12を有する。また、推定部20Aは、学習部21を有する。
【0178】
<第3測定部>
第3測定部12は、肌状態の実測情報を取得する肌測定器である。第3測定部12は、例えば、ヒトの顔面部位の肌状態の実測情報を取得する。第3測定部12で取得された肌状態の実測情報は、後述する学習部21の教師データとして活用される。第3測定部12は、ヒトの顔面部位の肌状態の評価を数値化できる装置である。第3測定部12は、例えば、ソニー株式会社製の肌解析システムBeauty Explorer(登録商標)を用いることができる。なお、第3測定部12は、ソニー株式会社製の肌解析システムBeauty Explorer(登録商標)に限定されない。
【0179】
第3測定部12で取得された肌状態の実測情報は、推定部20Aの学習部21に送信される。
【0180】
<学習部>
学習部21は、第1情報、第2情報、第3情報、及び第3測定部12で取得した肌状態の実測情報を教師データとして用い、機械学習によって回帰モデルを作成する。具体的には、学習部21は、第1情報、第2情報及び第3情報を入力とし、将来の肌状態の情報を出力とする回帰モデルを作成する。
【0181】
学習部21で行う機械学習法としては、k最近傍法が挙げられる。k最近傍法とは、教師データを用いる学習の一手法であり、クラス未知のサンプルのクラスラベルを近傍サンプルk個による多数決で決定するシンプルな手法である。例えば、Pythonのscikit-learnライブラリに登録されているKNeighborsRegressorが挙げられる。
【0182】
学習結果は、交差検定によって最も精度の良いパラメータを選択することで機械学習による予測精度の良いモデルを得ることができる。交差検定を容易に行う市販のツールとして、例えば、DataRobot社製のDataRobotなどが使用できる。
【0183】
なお、学習部21で行う機械学習法としてk最近傍法を説明したが、これに限定されない。例えば、学習部21で行う機械学習法は、決定木などを用いた方法であってもよい。
【0184】
図17は、本発明に係る実施の形態4の肌状態推定方法における機械学習方法の一例のフローチャートである。
図17に示すように、機械学習方法のステップST31において、ホルモンバランスに関連する第1情報を取得する。ステップST31は、第1測定部10が第1情報を取得する。取得した第1情報は、推定部20Aの学習部21に送信される。
【0185】
ステップST32において、血管状態に関連する第2情報を取得する。ステップST32では、第2測定部11が第2情報を取得する。取得した第2情報は、推定部20Aの学習部21に送信される。
【0186】
ステップST33において、第2情報と異なる血管状態に関連する第3情報を取得する。ステップST33では、第2測定部11が第3情報を取得する。取得した第3情報は、推定部20Aの学習部21に送信される。
【0187】
ステップST34において、肌状態の実測情報を取得する。ステップST34では、第3測定部12が肌状態の実測情報を取得する。取得した肌状態の実測情報は、推定部20Aの学習部21に送信される。
【0188】
ステップST35において、第1情報、第2情報、第3情報及び肌状態の実測情報を用いて回帰モデルを作成する。ステップST35では、学習部21は、第1情報、第2情報、第3情報及び肌状態の実測情報を受信する。学習部21は、受信した第1情報、第2情報、第3情報及び肌状態の実測情報を教師データとして用いて回帰モデルを作成する。具体的には、学習部21は、第1情報、第2情報及び第3情報を入力とし、将来の肌情報を出力とする回帰モデルを作成する。
【0189】
また、学習部21は、第1情報、第2情報及び第3情報の取得日を教師データとして用いてもよい。これにより、学習部21は、第1情報、第2情報及び第3情報の取得日と肌状態との相関関係を算出することができる。学習部21は、肌状態との相関関係が高くなる取得日に取得された第1情報、第2情報及び第3情報を回帰モデルへの入力とすることができる。
【0190】
[効果]
実施の形態4に係る肌状態推定方法及び肌状態推定装置によれば、以下の効果を奏することができる。
【0191】
肌情報推定方法は、機械学習方法を含む。機械学習方法は、第1情報を取得するステップST31、第2情報を取得するステップST32、第3情報を取得するステップST33、肌状態の実測情報を取得するステップST34、及び回帰モデルを作成するステップST35を含む。第1情報はホルモンバランスに関連する情報である。第2情報は血管状態に関連する情報である。第3情報は第2情報と異なる血管状態に関連する情報である。ステップST35は、第1情報、第2情報、第3情報及び肌状態の実測情報を用いて、第1情報、第2情報及び第3情報を入力とし、将来の肌状態を出力とする回帰モデルを作成する。このような構成により、推定精度を向上させた回帰モデルを作成することができる。
【0192】
ステップST35は、更に、第1情報、第2情報及び第3情報の取得日を入力とする回帰モデルを作成する。このような構成により、肌状態との相関関係が高くなる取得日を推定できる。これにより、将来の肌状態の推定精度を更に向上させた回帰モデルを作成することができる。
【0193】
肌状態推定装置1Dは、第3測定部12と、学習部21と、を有する。第3測定部12は、肌状態の実測情報を取得する。学習部21は、第1情報、第2情報及び第3情報、及び第3測定部12で取得した肌状態の実測情報を教師データとして用い、機械学習によって第1情報、第2情報及び第3情報を入力とし、将来の肌状態を出力とする回帰モデルを作成する。このような構成により、推定精度を向上させた回帰モデルを作成することができる。
【0194】
なお、実施の形態4では、肌状態推定装置1Dが第1測定部10、第2測定部11及び第3測定部12を備える例について説明したが、これに限定されない。例えば、肌状態推定装置1Dは、第1測定部10及び第3測定部12を備え、第2測定部11を備えなくてもよい。
【0195】
あるいは、肌状態推定装置1Dにおいて、測定部10-12は必須の構成ではない。即ち、肌状態推定装置1Aは、測定部10-12を有していなくてもよい。肌状態推定装置1Dが測定部10-12を有しない場合、第1情報、第2情報、第3情報及び肌状態の情報は、肌状態推定装置1Dに含まれない別体の測定装置によって取得されてもよい。肌状態推定装置1Dは、測定部10-12の代わりに第1情報、第2情報、第3情報及び肌状態の実測情報を入力する入力部を有していてもよい。学習部21は、入力部に入力された第1情報、第2情報、第3情報及び肌状態の実測情報を教師データとして用いて、回帰モデルを作成してもよい。
【0196】
実施の形態4では、学習部21が第1情報、第2情報及び第3情報、及び第3測定部12で取得した肌状態の実測情報を教師データとして用いる例について説明したが、これに限定されない。第2情報及び第3情報は、教師データとして用いなくてもよい。この場合、学習部21は、第1情報と、第3測定部12で取得した肌状態の実測情報を教師データとして用いてもよい。即ち、学習部21は、第1情報と肌状態の実測情報と、を教師データとして用い、第1情報を入力とし、将来の肌状態を出力とする回帰モデルを作成してもよい。
【0197】
実施の形態4では、肌状態推定方法は、ステップST31~ST35を含む例について説明したが、これに限定されない。肌状態推定方法は、他のステップを追加してもよいし、いくつかのステップを減らしてもよいし、複数のステップを1つのステップで実施してもよい。
【0198】
実施の形態4では、肌状態推定方法が機械学習方法を含む例について説明したが、これに限定されない。機械学習方法は、肌状態推定方法に含まれていなくてもよい。
【0199】
実施の形態4では、推定部20Aが学習部21に含まれる例について説明したが、これに限定されない。学習部21は推定部20Aに含まれていなくてもよい。例えば、学習部21は、肌状態推定装置1Dとは別体の学習装置に含まれていてもよい。
【0200】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る肌状態推定装置について説明する。なお、実施の形態5では、主に実施の形態3と異なる点について説明する。実施の形態5においては、実施の形態3と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態5では、実施の形態3と重複する記載は省略する。
【0201】
実施の形態5の肌状態推定装置の一例について、
図18を用いて説明する。
図18は、本発明に係る実施の形態5の肌状態推定装置1Eの一例の概略構成を示すブロック図である。
【0202】
実施の形態5では、測定部10,11を備えない代わりに、情報取得部13を備える点で、実施の形態3と異なる。
【0203】
図18に示すように、肌状態推定装置1Eは、情報取得部13、推定部20及び制御部30を備える。実施の形態3では、測定部10,11は、肌状態推定装置1Eとは別体の装置である。
【0204】
<情報取得部>
情報取得部13は、第1情報、第2情報及び第3情報を取得する。情報取得部13は、例えば、情報を入力することができる入力部である。入力部としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力インタフェースを用いることができる。あるいは、入力部は、例えば、音声により入力するためのマイクなどであってもよい。情報取得部13は、制御部30によって制御される。
【0205】
例えば、ユーザは、肌状態推定装置1Eとは別体の第1測定部10及び第2測定部11を用いて、第1情報、第2情報及び第3情報を取得する。例えば、第1情報、第2情報及び第3情報は、各測定部10,11の表示部に表示される。ユーザは、第1情報、第2情報及び第3情報を情報取得部13に入力する。
【0206】
情報取得部13に入力された第1情報、第2情報及び第3情報は、推定部20に送信される。
【0207】
推定部20は、情報取得部13から第1情報、第2情報及び第3情報を受信する、推定部20は、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。
【0208】
[効果]
実施の形態5に係る肌状態推定装置によれば、以下の効果を奏することができる。
【0209】
肌状態推定装置1Eは、情報取得部13と、推定部20と、を備える。情報取得部13は、第1情報、第2情報及び第3情報を取得する。推定部20は、情報取得部13で取得した第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。このような構成により、測定部を備えてなくてもよいため、コストを低減することができる。
【0210】
なお、実施の形態5では、情報取得部13が情報を入力することができる入力部である例について説明したが、これに限定されない。例えば、情報取得部13は、所定の通信規格(例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface))に準拠して測定部10,11,12との通信を行う回路を含む通信部を有していてもよい。このような構成により、測定部10,11から情報を受信することによって、情報を容易に取得することができる。
【0211】
実施の形態5では、情報取得部13が第1情報、第2情報及び第3情報を取得する例について説明したが、これに限定されない。情報取得部13は、少なくとも第1情報を取得すればよい。
【0212】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る肌状態推定システム及び肌状態推定方法について説明する。なお、実施の形態6では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態6においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態6では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0213】
実施の形態6の肌状態推定システムの一例について、
図19を用いて説明する。
図19は、本発明に係る実施の形態6の肌状態推定システム50Aの一例の概略構成を示すブロック図ある。
【0214】
図19に示すように、肌状態推定システム50Aは、測定装置51と、処理装置60と、を備える。
【0215】
<測定装置>
測定装置51は、ユーザの情報を取得する装置である。測定装置51は、測定部10と、通信部14と、制御部15と、を有する。実施の形態6では、通信部14を第1通信部14と称し、制御部15を第1制御部15と称する。
【0216】
測定部10は、ホルモンバランスに関連する情報を取得する。測定部10は、実施の形態1の測定部10と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0217】
第1通信部14は、測定部10で取得した情報を送信する。第1通信部14は、所定の通信規格(例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface))に準拠して処理装置60との通信を行う回路を含む。
【0218】
第1制御部15は、測定装置51の構成要素を統括的に制御する。第1制御部15は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)を備える。第1制御部15においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態6では、第1制御部15は、測定部10及び第1通信部14を制御する。
【0219】
<処理装置>
処理装置60は、測定装置51と通信する装置である。処理装置60は、推定部20と、通信部22と、制御部23と、を有する。実施の形態6では、通信部22を第2通信部22と称し、制御部23を第2制御部23と称する。例えば、処理装置60は、サーバなどの情報処理端末である。
【0220】
推定部20は、ホルモンバランスに関連する情報に基づいて、情報を取得した日より後の推定日における将来の肌状態を推定する。推定部20は、実施の形態1の推定部20と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0221】
第2通信部22は、測定装置51から送信される情報を受信する。第2通信部22は、所定の通信規格(例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface))に準拠して測定装置51との通信を行う回路を含む。
【0222】
第2通信部22で受信した情報は、推定部20に送信される。
【0223】
第2制御部23は、処理装置60の構成要素を統括的に制御する。第2制御部23は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)を備える。第2制御部23においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態6では、第2制御部23は、推定部20及び第2通信部22を制御する。
【0224】
[動作]
肌状態推定システム50Aの動作(肌状態推定方法)の一例について
図20を用いて説明する。
図20は、本発明に係る実施の形態6の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
図20に示す肌状態推定方法は、肌状態推定システム50Aによって実行される。
【0225】
図20に示すように、ステップST41において、ホルモンバランスに関連する情報を取得する。ステップST41では、測定装置51がホルモンバランスに関連する情報を取得する。
【0226】
ステップST42において、取得したホルモンバランスに関連する情報を送信する。ステップST42では、測定装置51が取得した情報を処理装置60へ送信する。
【0227】
ステップST43において、送信された情報を受信する。ステップST43では、処理装置60が、測定装置51から送信された情報を受信する。
【0228】
ステップST44において、受信した情報に基づいて将来の肌状態を推定する。ステップST44では、処理装置60が、受信した情報に基づいて、測定装置51によって情報を取得した日より後の推定日における将来の肌状態を推定する。なお、推定部20の推定処理については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0229】
[効果]
実施の形態6に係る肌状態推定システムによれば、以下の効果を奏することができる。
【0230】
肌状態推定システム50Aは、測定装置51と、測定装置51と通信する処理装置60と、を備える。測定装置51は、ホルモンバランスに関連する情報を取得する測定部10と、取得した情報を送信する第1通信部14と、有する。処理装置60は、情報を受信する第2通信部22と、受信した情報に基づいて、情報を取得した日より後の推定日における将来の肌状態を推定する推定部20と、有する。このような構成により、将来の肌状態を推定することができる。
【0231】
なお、実施の形態1では、肌状態推定システム50Aが1つの測定装置51を備える例について説明したが、これに限定されない。肌状態推定システム50Aは、1つ又は複数の測定装置51を備えていてもよい。例えば、肌状態推定システム50Aが複数の測定装置51を備えることによって、肌状態の推定精度を向上させることができる。また、複数の測定装置51は、それぞれ、異なる情報を取得してもよい。
【0232】
(変形例3)
図21は、本発明に係る実施の形態6の変形例3の肌状態推定システム50AAの一例の概略構成を示すブロック図である。
図21に示すように、肌状態推定システム50AAは、複数の測定装置51,52を備える。肌状態推定システム50AAにおいて、第1測定装置51は、ホルモンバランスに関連する第1情報を取得する。第2測定装置52は、血管情報に関連する第2情報及び第3情報を取得する。
【0233】
第1測定装置51は、第1測定部10、第1通信部14A及び第1制御部15Aを有する。第1測定装置51は、第1測定部10で第1情報を取得し、第1通信部14Aによって第1情報を処理装置60へ送信する。第1制御部15Aは、第1測定部10と第1通信部14Aとを制御する。
【0234】
第2測定装置52は、第2測定部11、第2通信部14B及び第2制御部15Bを有する。第2測定装置52は、第2測定部11で第2情報を取得し、第2通信部14Bによって第2情報を処理装置60へ送信する。第2制御部15Bは、第2測定部11と第2通信部14Bとを制御する。
【0235】
処理装置60は、第1測定装置51及び第2測定装置52から第1情報、第2情報及び第3情報を受信する。処理装置60は、第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。なお、推定部20の推定処理については、実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
【0236】
なお、変形例3では、肌状態推定システム50AAが2つの測定装置51,52を備える例について説明したが、これに限定されない。肌状態推定システム50AAは、複数の測定装置を備えていればよい。
【0237】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7に係る肌状態推定システムについて説明する。なお、実施の形態7では、主に実施の形態6と異なる点について説明する。実施の形態7においては、実施の形態6と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態7では、実施の形態6と重複する記載は省略する。
【0238】
実施の形態7の肌状態推定システムの一例について、
図22を用いて説明する。
図22は、本発明に係る実施の形態7の肌状態推定システム50Bの一例の概略構成を示すブロック図ある。
【0239】
実施の形態7では、表示装置70を更に備える点で、実施の形態6と異なる。
【0240】
図22に示すように、肌状態推定システム50Bは、測定装置51と、処理装置60と、表示装置70と、備える。
【0241】
<表示装置>
表示装置70は、処理装置60で推定された肌状態の推定結果を表示する装置である。表示装置70は、例えば、スマートフォンなどの情報処理端末又はディスプレイを有する情報処理装置である。
【0242】
表示装置70は、表示部31と、通信部32と、制御部33と、を有する。
【0243】
表示部31は、推定部20で推定された肌状態の推定結果を表示する。表示部31は、例えば、ディスプレイである。表示部31は、制御部33によって制御される。
【0244】
通信部32は、処理装置50から推定結果を受信する。
【0245】
制御部33は、表示装置70の構成要素を統括的に制御する。制御部33は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)を備える。制御部33においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態7では、制御部33は、表示部31と通信部32とを制御する。
【0246】
[効果]
実施の形態7に係る肌状態推定システムによれば、以下の効果を奏することができる。
【0247】
肌状態推定システム50Bは、処理装置60で推定された肌状態の推定結果を表示する表示装置70を更に備える。このような構成により、将来の肌状態の推定結果を表示することができる。
【0248】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8に係る肌状態推定システムについて説明する。なお、実施の形態8では、主に実施の形態6と異なる点について説明する。実施の形態8においては、実施の形態6と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態8では、実施の形態6と重複する記載は省略する。
【0249】
実施の形態8の肌状態推定システムの一例について、
図23を用いて説明する。
図23は、本発明に係る実施の形態8の肌状態推定システム50Cの一例の概略構成を示すブロック図ある。
【0250】
実施の形態8では、制御端末80を更に備える点で、実施の形態6と異なる。
【0251】
図23に示すように、肌状態推定システム50Cは、制御端末80と、処理装置60と、を備える。
【0252】
<制御端末>
制御端末80は、第1情報、第2情報及び第3情報を取得し、処理装置60に送信する。また、制御端末80は、処理装置60から処理装置60で推定された肌状態の推定結果を受信し、表示する。制御端末80は、例えば、スマートフォン、PCなどの情報処理装置である。
【0253】
制御端末80は、情報取得部41、通信部42、表示部43及び制御部44を備える。
【0254】
情報取得部41は、第1情報、第2情報及び第3情報を取得する。情報取得部41は、例えば、情報を入力することができる入力部である。入力部としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力インタフェースを用いることができる。あるいは、入力部は、例えば、音声により入力するためのマイクなどであってもよい。
【0255】
例えば、ユーザは、測定装置で取得した第1情報、第2情報及び第3情報を情報取得部41に入力する。情報取得部41は、ユーザから入力された情報を取得する。
【0256】
通信部42は、処理装置60と通信する。通信部42は、第1情報、第2情報及び第3情報を処理装置60へ送信する。また、通信部42は、処理装置60から肌状態の推定結果を受信する。
【0257】
表示部43は、処理装置60で推定された肌状態の推定結果を表示する。表示部43は、例えば、ディスプレイである。
【0258】
制御部44は、制御端末80の構成要素を統括的に制御する。制御部44は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)を備える。制御部44においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態8では、制御部44は、情報取得部41、通信部42及び表示部43を制御する。
【0259】
[効果]
実施の形態8に係る肌状態推定システムによれば、以下の効果を奏することができる。
【0260】
肌状態推定システム50Cは、制御端末80と、処理装置60と、を備える。制御端末80は、第1情報、第2情報及び第3情報を取得し、処理装置60に送信する。また、制御端末80は、処理装置60で推定された肌状態の推定結果を受信し、表示する。処理装置60は、制御端末80から第1情報、第2情報及び第3情報を受信する。処理装置60は、受信した第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。処理装置60は、肌状態の推定結果を制御端末80に送信する。
【0261】
このような構成により、制御端末80によって情報の取得と肌状態の推定結果の表示を容易に行うことができる。また、肌状態推定システム50Cは、測定装置を必須の構成としないため、コストを低減することができる。
【0262】
なお、実施の形態8では、情報取得部41が情報を入力することができる入力部である例について説明したが、これに限定されない。例えば、情報取得部41は、所定の通信規格(例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface))に準拠して測定部10,11,12との通信を行う回路を含む通信部を有していてもよい。このような構成により、測定部10,11,12から情報を受信することによって、情報を容易に取得することができる。
【0263】
実施の形態8では、情報取得部41が第1情報、第2情報及び第3情報を取得する例について説明したが、これに限定されない。情報取得部41は、少なくとも第1情報を取得すればよい。
【0264】
実施の形態8では、制御端末80が情報の取得と肌状態の推定結果の表示の両方を実施する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御端末80は、情報の取得を行うが、推定結果の表示を行わなくてもよい。
【0265】
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9に係る肌状態推定装置について説明する。なお、実施の形態9では、主に実施の形態3と異なる点について説明する。実施の形態9においては、実施の形態3と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態9では、実施の形態3と重複する記載は省略する。
【0266】
実施の形態9の肌状態推定装置の一例について、
図24を用いて説明する。
図24は、本発明に係る実施の形態
9の肌状態推定装置1
Fの一例の概略構成を示すブロック図である。
【0267】
実施の形態9では、第1測定部10及び第2測定部11が複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報を取得し、推定部20が複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する点で、実施の形態3と異なる。
【0268】
図24に示すように、肌状態推定装置1Fでは、第1測定部10は、複数の第1情報を取得する。また、第2測定部11は、複数の第2情報及び複数の第3情報を取得する。
【0269】
第1測定部10は、異なる複数の日において複数の第1情報を取得する。実施の形態9では、第1測定部10は、推定日T0から10日前、9日前、8日前の3つの第1情報を取得する。
【0270】
第2測定部11は、異なる複数の日において複数の第2情報及び複数の第3情報を取得する。実施の形態9では、第2測定部11は、推定日T0から10日前、9日前、8日前の3つの第2情報を取得する。また、第2測定部11は、推定日T0の10日前、9日前、8日前の3つの第3情報を取得する。
【0271】
推定部20は、複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報に基づいて、将来の肌状態を推定する。
【0272】
図25は、本発明に係る実施の形態9の肌状態推定方法の一例のフローチャートである。
図25に示す肌状態推定方法は、肌状態推定装置1Fによって実行される。
【0273】
図25に示すように、ステップST51において、ホルモンバランスに関連する第1情報を取得する。ステップST51は、異なる複数の日において複数の第1情報を取得するステップST51Aを有する。
【0274】
ステップST51Aでは、第1測定部10が、異なる複数の日において第1情報を複数回取得する。例えば、第1測定部10が、推定日T0から10日前、9日前、8日前の3つの第1情報を取得する。実施の形態9では、第1情報は基礎体温である。
【0275】
ステップST52において、血管状態に関連する第2情報を取得する。ステップST52は、異なる複数の日において複数の第2情報を取得するステップST52Aを有する。
【0276】
ステップST52Aでは、第2測定部11が、異なる複数の日において第2情報を複数回取得する。例えば、第2測定部11が、推定日T0から10日前、9日前、8日前の3つの第2情報を取得する。実施の形態9では、第2情報は心拍である。
【0277】
ステップST53において、第2情報とは異なる血管状態に関連する第3情報を取得する。ステップST53は、異なる複数の日において複数の第3情報を取得するステップST53Aを有する。
【0278】
ステップST53Aでは、第2測定部11が、異なる複数の日において第3情報を複数回取得する。例えば、第2測定部11が、推定日T0から10日前、9日前、8日前の3つの第3情報を取得する。実施の形態9では、第3情報は加速度脈波である。
【0279】
ステップST53において、複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。ステップST53では、推定部20が複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。
【0280】
[効果]
実施の形態9に係る肌状態推定装置および推定方法によれば、以下の効果を奏することができる。
【0281】
肌状態推定装置1Fにおいて、第1測定部10は異なる複数の日において複数の第1情報を取得し、第2測定部11は異なる複数の日において複数の第2情報及び複数の第3情報を取得する。推定部20は、複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。
【0282】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0283】
肌情報推定方法においては、第1情報を取得するステップST51は、異なる複数の日において複数の第1情報を取得するステップST51Aを有する。第2情報を取得するステップST52は、異なる複数の日において複数の第2情報を取得するステップST52Aを有する。第3情報を取得するステップST53は、異なる複数の日において複数の第3情報を取得するステップST53Aを有する。推定するステップST54においては、複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。
【0284】
このような構成により、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0285】
なお、実施の形態9では、複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報が、3回の測定により得られた3つの情報である例について説明したが、これに限定されない。複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報は、2つ以上の情報であればよい。
【0286】
実施の形態9では、複数の第1情報が推定日T0の10日前、9日前、8日前に測定した情報である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1測定部10は、肌状態を推定する推定日T0から7日以上前であって13日以内の間で複数の異なる日に第1情報を取得してもよい。
【0287】
実施の形態9では、複数の第2情報が推定日T0の10日前、9日前、8日前に測定した情報である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第2測定部11は、第1測定部10が複数の第1情報を取得したそれぞれの日から2日後に第2情報を取得してもよい。
【0288】
実施の形態9では、複数の第3情報が推定日T0の10日前、9日前、8日前に測定した情報である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第2測定部11は、推定日T0より前の日であって複数の第1情報及び複数の第2情報を取得した日より後に複数の第3情報を取得してもよい。
【0289】
実施の形態9では、複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報を取得し、複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する例について説明したが、これに限定されない。第1情報、第2情報及び第3情報のうち少なくとも1つが複数の情報であればよい。例えば、第1測定部10が複数の測定を行い、複数の第1情報を取得する一方、第2測定部11は1回の測定を行い、第2情報及び第3情報を取得してもよい。この場合、推定部20は、複数の第1情報、1回の測定で得られた第2情報及び第3情報に基づいて将来の肌状態を推定してもよい。
【0290】
<変形例4>
図26は、本発明に係る実施の形態9の変形例4の肌状態推定方法のフローチャートである。
図26に示すように、第1情報を取得するステップST51は、複数の第1情報を取得するステップST51Aを有している。一方、第2情報を取得するステップST52及び第3情報を取得するステップST53は、それぞれ、複数の第2情報を取得するステップST52A及び複数の第3情報を取得するステップST53Aを有していなくてもよい。
【0291】
変形例4では、推定するステップST54は、複数の第1情報、1回の測定で得られた第2情報及び第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する。このような構成においても、将来の肌状態の推定精度を向上させることができる。
【0292】
実施の形態9では、複数の第1情報、複数の第2情報及び複数の第3情報に基づいて将来の肌状態を推定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第2情報及び第3情報を用いずに、複数の第1情報に基づいて将来の肌状態を推定してもよいし、第3情報を用いずに、複数の第1情報及び複数の第2情報に基づいて将来の肌状態を推定してもよい。
【実施例】
【0293】
<実施例1及び実施例2について>
実施例1及び実施例2について説明する。
【0294】
実施例1は、実施の形態1の肌状態推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。実施例1では、ホルモンバランスに関連する第1情報として、基礎体温を用いた。測定部10として、家庭用の基礎体温計(オムロン社製:MC-652LC)を使用して、基礎体温を取得した。実施例1では、推定部20は、推定日T0の10日前の基礎体温の情報を回帰モデルに入力し、推定日T0の肌状態を推定した。
【0295】
実施例2は、実施の形態3の肌状態推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。実施例2では、ホルモンバランスに関連する第1情報として、基礎体温を用いた。また、血管情報に関連する第2情報及び第3情報として、脈波から抽出される情報である加速度脈波を使用した。測定部11として、光学式心拍センサを使用した。加速度脈波は測定された脈波信号を二次微分することで算出される。第2情報は、加速度脈波におけるc波の振幅値をa波の振幅値で除算した値c/aを用いた。第3情報は、加速度脈波におけるb波の振幅値をa波の振幅値で除算した値b/aを用いた。実施例2では、推定部20は、推定日T0の10日前の第1情報、推定日T0の8日前の第2情報及び推定日T0の1日前の第3情報を回帰モデルに入力し、推定日T0の肌状態を推定した。
【0296】
実測値は、肌測定機によって肌状態を実際に測定した値である。肌測定器は、ソニー株式会社製の肌解析システムBeauty Explorer(登録商標)を用いて測定した。
【0297】
図27は、実測値、実施例1及び実施例2の相関関係の一例を示すグラフである。
図27に示すように、実施例1及び実施例2における肌スコアの変動傾向が、実測値の肌スコアの変動傾向と相関していることがわかる。
【0298】
実施例1は、推定日T0の10日前のホルモンバランスに関連する第1情報に基づいて、推定した肌状態のスコアである。
図27に示す結果から、第1情報に基づいて第1情報の取得日T1から10日後の肌状態が推定できることがわかる。
【0299】
実施例2は、推定日T0の10日前の第1情報、推定日T0の8日前の第2情報及び推定日T0の1日前の第3情報に基づいて推定した肌状態のスコアである。
図27に示す結果から、第1~3情報に基づいて、第3情報の取得日から1日後の肌状態が推定できることがわかる。また、実施例2では、実施例1と比べて、より精度高く将来の肌状態を推定できていることがわかる。
【0300】
<比較例1-4について>
比較例1は、顔面部位の水分に基づいて将来の肌状態を推定した。比較例2は、顔面部位の油分に基づいて将来の肌状態を推定した。比較例3は、顔面部位のキメに基づいて将来の肌状態を推定した。比較例4は、顔面部位のシミに基づいて将来の肌状態を推定した。
【0301】
比較例1-4では、水分、油分、キメ及びシミの情報は、肌測定機によって測定した値を用いた。肌測定器は、ソニー株式会社製の肌解析システムBeauty Explorer(登録商標)を用いて測定した。比較例1-4では、肌測定器で測定した値に基づいて、将来の肌状態を推定した。
【0302】
比較例1-4においては、肌測定器で測定した実測値と、推定した肌状態の推定値との相関関係を調べた。
【0303】
図28は、比較例1と実測値との相関関係の一例を示すグラフである。
図29は、比較例2と実測値との相関関係の一例を示すグラフである。
図30は、比較例3と実測値との相関関係の一例を示すグラフである。
図31は、比較例4と実測値との相関関係の一例を示すグラフである。
【0304】
図28-31に示すように、比較例1-4においては、実測値との相関関係は見られなかった。
図28-31に示す結果から、顔面部位の水分、油分、キメ及びシミの情報に基づいて将来の肌状態を推定することは困難であることがわかる。
【0305】
<実施例1-3及び比較例1-4における相関係数について>
実施例1-3及び比較例1-4の相関係数の例を、
図32を用いて説明する。
図32は、実施例1-3及び比較例1-4の相関係数の一例を示す表である。
【0306】
なお、実施例3は、実施の形態2の肌状態推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。
【0307】
実施例3では、ホルモンバランスに関連する第1情報と、血管状態に関連する第2情報とに基づいて、将来の肌状態を推定した。第1情報は基礎体温の情報を用い、第2情報は加速度脈波におけるc波の振幅値をa波の振幅値で除算した値c/aを用いた。実施例3では、推定部20は、推定日T0の10日前の第1情報、推定日T0の8日前の第2情報を回帰モデルに入力し、推定日T0の肌状態を推定した。
【0308】
図32に示すように、実施例1-3では、比較例1-4と比べて相関係数が大きくなっており、実測値と相関関係にあることがわかる。また、実施例2及び実施例3では、相関係数が0.7を超えており、強い相関があることがわかる。
【0309】
<実施例4-9について>
実施例4-9について説明する。実施例4-9において、第1情報は基礎体温、第2情報は心拍、第3情報は加速度脈波である。
【0310】
実施例4は、実施の形態1の肌状態推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。実施例4では、推定部20は、推定日T0の10日前に取得した第1情報を回帰モデルに入力し、推定日T0の肌状態を推定した。なお、実施例4は、実施例1とは異なる日に実施している。
【0311】
実施例5は、実施の形態9の肌情報推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。実施例5は、推定日T0の10日前、9日前、8日前に取得した3つの第1情報に基づいて推定日T0の肌状態を推定した。
【0312】
実施例6は、実施の形態2の肌情報推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。実施例6は、推定日T0の10日前に取得した第1情報と、推定日T0の10日前に取得した第2情報に基づいて推定日T0の肌状態を推定した。
【0313】
実施例7は、実施の形態9の肌情報推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。実施例7は、推定日T0の10日前、9日前、8日前に取得した3つの第1情報と、推定日T0の10日前、9日前、8日前に取得した3つの第2情報と、に基づいて推定日T0の肌状態を推定した。
【0314】
実施例8は、実施の形態3の肌情報推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。実施例8は、推定日T0の10日前に取得した第1情報と、推定日T0の10日前に取得した第2情報と、推定日T0の10日前に取得した第3情報と、に基づいて推定日T0の肌状態を推定した。
【0315】
実施例9は、実施の形態9の肌情報推定方法を実施して得られた肌状態の推定結果である。実施例8は、推定日T0の10日前、9日前、8日前に取得した3つの第1情報と、推定日T0の10日前、9日前、8日前に取得した3つの第2情報と、推定日T0の10日前、9日前、8日前に取得した3つの第3情報と、に基づいて推定日T0の肌状態を推定した。
【0316】
図33は、実測値、実施例4及び実施例5の相関関係の一例を示すグラフである。
図34は、実測値、実施例6及び実施例7の相関関係の一例を示すグラフである。
図35は、実測値、実施例8及び実施例9の相関関係の一例を示すグラフである。なお、実測値は、肌測定機によって肌状態を実際に測定した値である。肌測定器は、ソニー株式会社製の肌解析システムBeauty Explorer(登録商標)を用いて測定した。
【0317】
図33-35に示すように、実施例4-9における肌状態の推定結果は、実測値と近似している。これらの結果から、実施例4-9は、実測値と相関関係があることがわかる。
【0318】
図36は、実施例4-9の相関係数の一例を示す表である。
図36に示すように、実施例4-9において、高い相関係数を示している。また、複数の情報や異なる複数の日で取得した情報を用いて肌状態を推定することによって、相関係数がより高くなっていることがわかる。即ち、複数の情報や異なる複数の日で取得した情報を用いて肌状態を推定することによって、肌状態の推定精度をさらに向上させることができる。
【0319】
なお、本発明における肌状態推定方法の肌状態の推定に用いた回帰モデルを、現在を含む過去におけるある期間の肌状態の変化の原因分析に利用してもよい。現在を含む過去のある期間の肌状態の変化の原因を分析する場合、その期間の回帰モデルの入力に該当する、すでに取得済みの第1-3情報の少なくとも1つ以上の情報の変化をそれぞれ独立に回帰モデルに入力し、それぞれの情報変化における肌状態の変化値を得る。それを元にそれぞれの情報の変化が肌状態の変化に与えた影響を見積もることができる。
【0320】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0321】
本発明の肌状態推定方法は、例えば、将来の肌状態を推定する用途に適用できる。
【符号の説明】
【0322】
1A,1AA,1B,1C、1D,1E,1F 肌状態推定装置
10 測定部(第1測定部)
11 測定部(第2測定部)
12 測定部(第3測定部)
13 情報取得部
14,14A,14B 通信部
15,15A,15B 制御部
20 推定部
21 学習部
22 通信部
23 制御部
30 制御部
31 表示部
32 通信部
33 制御部
41 情報取得部
42 通信部
43 表示部
44 制御部
50A,50AA,50B、50C 肌状態推定システム
51 測定装置(第1測定装置)
52 測定装置(第2測定装置)
60 処理装置
70 表示装置
80 制御端末