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特許7517442フィルタ装置およびそれを備えた高周波フロントエンド回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】フィルタ装置およびそれを備えた高周波フロントエンド回路
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/09 20060101AFI20240709BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20240709BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H03H7/09 Z
H01F27/00 S
H01F27/29 123
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022550405
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 JP2021028945
(87)【国際公開番号】W WO2022059373
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-01-24
(31)【優先権主張番号】P 2020154409
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】菊田 誠之
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-517920(JP,A)
【文献】国際公開第2018/034103(WO,A1)
【文献】特開2013-128232(JP,A)
【文献】特開2019-079865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 7/00-7/54
H01F 27/00
H01F 27/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ装置であって、
誘電体基板と、
入力端子と、
出力端子と、
接地端子と、
前記誘電体基板の法線方向の異なる位置に配置され、前記接地端子に接続された第1接地電極および第2接地電極と、
前記法線方向において前記第1接地電極と前記第2接地電極との間に配置され、互いに電磁界結合する複数の共振器とを備え、
前記複数の共振器の各々は、
前記法線方向から前記誘電体基板を平面視した場合に、前記第1接地電極と部分的に重なる第1キャパシタ電極と、
前記法線方向から前記誘電体基板を平面視した場合に、前記第2接地電極と部分的に重なる第2キャパシタ電極と、
前記第1キャパシタ電極と前記第2キャパシタ電極とを接続する、少なくとも1つの第1ビアとを含み、
前記複数の共振器は、
前記入力端子に接続された第1共振器と、
前記出力端子に接続された第2共振器と、
前記第1共振器と前記第2共振器との間に配置された第3共振器とを含み、
前記フィルタ装置は、
前記第1共振器に含まれる少なくとも1つの第1ビアと前記接地端子とに接続された第1分路電極、および、前記第2共振器に含まれる少なくとも1つの第1ビアと前記接地端子とに接続された第2分路電極の少なくとも1つをさらに備え、
前記第1分路電極および前記第2分路電極の各々は、第1端部および第2端部を有する帯形状を有しており、前記第1端部および前記第2端部において前記接地端子に接続されている、フィルタ装置。
【請求項2】
前記複数の共振器の少なくとも1つにおいて、前記第1キャパシタ電極および前記第2キャパシタ電極が複数の第1ビアによって接続される、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記フィルタ装置は、前記第1分路電極を備えており、
前記第1共振器は、前記第1共振器における第2キャパシタ電極と前記第1分路電極とを接続する第2ビアをさらに含む、請求項1または2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記フィルタ装置は、前記入力端子に接続され、前記法線方向から前記誘電体基板を平面視した場合に前記第1分路電極と部分的に重なる第3キャパシタ電極をさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記フィルタ装置は、前記第2分路電極を備えており、
前記第2共振器は、前記第2共振器における第2キャパシタ電極と前記第2分路電極とを接続する第3ビアをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記フィルタ装置は、前記出力端子に接続され、前記法線方向から前記誘電体基板を平面視した場合に前記第2分路電極と部分的に重なる第4キャパシタ電極をさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記誘電体基板の側面に配置され、前記第1接地電極および前記第2接地電極を前記接地端子に接続する第1側面電極をさらに備える、請求項1~のいずれか1項記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記誘電体基板の内部に設けられ、前記第1接地電極および前記第2接地電極を前記接地端子に接続する第4ビアをさらに備える、請求項1~のいずれか1項記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記誘電体基板の側面に配置され、前記第1共振器と前記入力端子とを接続する第2側面電極と、
前記誘電体基板の側面に配置され、前記第2共振器と前記出力端子とを接続する第3側面電極とをさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記誘電体基板の内部に設けられ、前記第1共振器と前記入力端子とを接続する第5ビアと、
前記誘電体基板の内部に設けられ、前記第2共振器と前記出力端子とを接続する第6ビアとをさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
前記複数の共振器は、前記第2共振器と前記第3共振器との間に配置された第4共振器をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
前記複数の共振器は、前記第3共振器と前記第4共振器との間に配置された第5共振器をさらに含む、請求項11に記載のフィルタ装置。
【請求項13】
前記第2接地電極は、前記第1接地電極よりも前記接地端子に近い位置に配置されており、
前記第2キャパシタ電極と前記第2接地電極との間の誘電体層の誘電率は、前記第1キャパシタ電極と前記第1接地電極との間の誘電体層の誘電率よりも高い、請求項1~12のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項14】
前記第2接地電極は、前記第1接地電極よりも前記接地端子に近い位置に配置されており、
前記第2キャパシタ電極と前記第2接地電極との間の距離は、前記第1キャパシタ電極と前記第1接地電極との間の距離よりも短い、請求項1~12のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項15】
前記フィルタ装置は、バンドパスフィルタである、請求項1~14のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載のフィルタ装置を備えた、高周波フロントエンド回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はフィルタ装置およびそれを備える高周波フロントエンド回路に関し、より特定的には、積層型LCフィルタの特性を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のLC共振器が配置されたフィルタ装置が知られている。たとえば、国際公開第2018/100923号(特許文献1)には、キャパシタによって接地ノードから直流的に絶縁された複数のLC共振器が配置されたバンドパスフィルタが開示されている。バンドパスフィルタを構成するLC共振器が接地ノードから直流的に絶縁されることによって、接地電極および当該接地電極に接続されている他の導体に電流が流れた場合に、接地電極および当該導体がインダクタとして機能することが抑制される。これによって、バンドパスフィルタの特性が所望の特性から乖離することが防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/100923号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
国際公開第2018/100923号(特許文献1)に開示されているバンドパスフィルタにおいては、主に通過帯域よりも高周波数側の減衰特性を調整することができる。しかしながら、バンドパスフィルタが用いられる機器の特性によっては、通過帯域よりも低周波数側の減衰特性についても調整することが必要となる場合が生じ得る。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数のLC共振器を含むフィルタ装置において、通過帯域よりも高周波数側および低周波数側の非通過帯域における減衰特性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るフィルタ装置は、誘電体基板と、接地端子に接続された第1接地電極および第2接地電極と、第1接地電極と第2接地電極との間に配置され、互いに電磁界結合する複数の共振器とを備える。第1接地電極および第2接地電極は、誘電体基板の法線方向の異なる位置に配置される。複数の共振器は、第1接地電極と第2接地電極との間に配置される。複数の共振器の各々は、誘電体基板を法線方向から平面視した場合に、第1接地電極に部分的に重なる第1キャパシタ電極と、第2接地電極に部分的に重なる第2キャパシタ電極と、第1キャパシタ電極と第2キャパシタ電極とを接続する少なくとも1つの第1ビアとを含む。複数の共振器は、入力端子に接続された第1共振器と、出力端子に接続された第2共振器と、第1共振器と第2共振器との間に配置された第3共振器とを含む。フィルタ装置は、第1共振器に含まれる第1ビアと接地端子とに接続された第1分路電極、および、第2共振器に含まれる第1ビアと接地端子とに接続された第2分路電極の少なくとも1つをさらに備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によるフィルタ装置においては、各共振器は、2つの接地電極に対してそれぞれ部分的に重なるキャパシタ電極(第1キャパシタ電極,第2キャパシタ電極)と、これらのキャパシタ電極間に接続されたビア(第1ビア)を含んで構成されている。そして、入出力端子に接続される共振器(第1共振器,第2共振器)の少なくとも一方については、インダクタを形成するビアが分路電極によって接地端子に接続されている。この構成によって、通過帯域よりも低周波数側の減衰特性が調整できる。さらに、第1共振器と第2共振器との間に配置される共振器回路(第3共振器)については、接地端子から直流的に絶縁されている。この構成によって、通過帯域よりも高周波数側の減衰特性が調整できる。したがって、フィルタ装置において、通過帯域よりも高周波数側および低周波数側の減衰特性を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1のフィルタ装置が適用される高周波フロントエンド回路を有する通信装置のブロック図である。
図2】実施の形態1のフィルタ装置の等価回路図である。
図3図2のフィルタ装置の外観斜視図である。
図4図2のフィルタ装置の積層構造の一例を示す分解斜視図である。
図5図2のフィルタ装置の通過特性を説明するための図である。
図6】実施の形態2のフィルタ装置の等価回路図である。
図7図6のフィルタ装置の積層構造の一例を示す分解斜視図である。
図8図6のフィルタ装置の通過特性を示す図である。
図9】実施の形態3のフィルタ装置の等価回路図である。
図10図9のフィルタ装置の積層構造の一例を示す分解斜視図である。
図11図9のフィルタ装置の通過特性を示す図である。
図12】実施の形態4のフィルタ装置の積層構造の一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0010】
[実施の形態1]
(通信装置の基本構成)
図1は、実施の形態1のフィルタ装置が適用される高周波フロントエンド回路20を有する通信装置10のブロック図である。通信装置10は、たとえば、携帯電話基地局である。
【0011】
図1を参照して、通信装置10は、アンテナ12と、高周波フロントエンド回路20と、ミキサ30と、局部発振器32と、D/Aコンバータ(DAC)40と、RF回路50とを備える。また、高周波フロントエンド回路20は、バンドパスフィルタ22,28と、増幅器24と、減衰器26とを含む。なお、図1においては、高周波フロントエンド回路20が、アンテナ12から高周波信号を送信する送信回路を含む場合について説明するが、高周波フロントエンド回路20はアンテナ12を介して高周波信号を受信する受信回路を含んでいてもよい。
【0012】
通信装置10は、RF回路50から伝達された送信信号を高周波信号にアップコンバートしてアンテナ12から放射する。RF回路50から出力された送信信号である変調済みのデジタル信号は、D/Aコンバータ40によってアナログ信号に変換される。ミキサ30は、D/Aコンバータ40によってデジタル信号からアナログ信号に変換された送信信号を、局部発振器32からの発振信号と混合して高周波信号へとアップコンバートする。バンドパスフィルタ28は、アップコンバートによって生じた不要波を除去して、所望の周波数帯域の送信信号のみを抽出する。減衰器26は、送信信号の強度を調整する。増幅器24は、減衰器26を通過した送信信号を、所定のレベルまで電力増幅する。バンドパスフィルタ22は、増幅過程で生じた不要波を除去するとともに、通信規格で定められた周波数帯域の信号成分のみを通過させる。バンドパスフィルタ22を通過した送信信号は、アンテナ12から放射される。
【0013】
上記のような通信装置10におけるバンドパスフィルタ22,28として、本開示に対応したフィルタ装置を採用することができる。
【0014】
(フィルタ装置の構成)
次に図2図4を用いて、実施の形態1のフィルタ装置100の詳細な構成について説明する。
【0015】
図2は、フィルタ装置100の等価回路図である。図2を参照して、フィルタ装置100は、入力端子T1と、出力端子T2と、接地端子GNDと、共振器RC11~RC14とを備える。共振器RC11~RC14の各々は、インダクタおよびキャパシタを含むLC共振器である。共振器RC11は入力端子T1に接続されており、共振器RC12は出力端子T2に接続されている。共振器RC13,RC14は、共振器RC11と共振器RC12との間に配置されている。
【0016】
共振器RC11は、インダクタL111,L112,L113と、キャパシタC111,C112とを含む。インダクタL111,L112およびキャパシタC112は、入力端子T1と接地端子GNDとの間に、この順で直列に接続されている。インダクタL113は、インダクタL111およびインダクタL112の接続ノードと接地端子GNDとの間に接続されている。キャパシタC111は、入力端子T1と接地端子GNDとの間に接続されている。
【0017】
共振器RC12は、インダクタL121,L122,L123と、キャパシタC121,C122とを含む。インダクタL121,L122およびキャパシタC122は、出力端子T2と接地端子GNDとの間に、この順で直列に接続されている。インダクタL123は、インダクタL121およびインダクタL122の接続ノードと接地端子GNDとの間に接続されている。キャパシタC121は、出力端子T2と接地端子GNDとの間に接続されている。
【0018】
共振器RC13は、インダクタL131と、キャパシタC131,C132とを含む。インダクタL131の一方端は、キャパシタC131を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL131の他方端は、キャパシタC132を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL131は、キャパシタC131,C132によって、接地端子GNDと直流的に絶縁されている。
【0019】
共振器RC14は、インダクタL141と、キャパシタC141,C142とを含む。インダクタL141の一方端は、キャパシタC141を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL141の他方端は、キャパシタC142を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL141は、キャパシタC141,C142によって、接地端子GNDと直流的に絶縁されている。
【0020】
各共振器同士は、電磁界結合により結合している。このように、フィルタ装置100は、入力端子T1と出力端子T2との間に、互いに電磁界結合する4段の共振器が配置された構成を有している。入力端子T1に入力された高周波信号は、共振器RC11~RC14の電磁界結合により伝達されて、出力端子T2から出力される。このとき、各共振器の共振周波数によって定まる周波数帯域の信号のみが出力端子T2に伝達される。すなわち、フィルタ装置100は各共振器の共振周波数を調整することによって、所望の周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタとして機能する。
【0021】
図3はフィルタ装置100の外観斜視図であり、図4はフィルタ装置100の積層構造の一例を示す分解斜視図である。
【0022】
図3および図4を参照して、フィルタ装置100は、複数の誘電体層LY1~LY11が所定の方向に沿って積み上げられて形成された、直方体または略直方体の誘電体基板110を備えている。誘電体基板110において、複数の誘電体層LY1~LY11が積み上げられている方向を積層方向とする。誘電体基板110の各誘電体層は、たとえば低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)などのセラミック、あるいは樹脂により形成されている。誘電体基板110の内部において、各誘電体層に設けられた複数の電極、および、誘電体層間に設けられた複数のビアによって、LC共振回路を構成するためのインダクタおよびキャパシタが構成される。なお、本明細書において「ビア」とは、異なる誘電体層に設けられた電極を接続するために、誘電体層中に設けられる導体を示す。ビアは、たとえば、導電ペースト、めっき、および/または金属ピンなどによって形成される。
【0023】
なお、以降の説明においては、誘電体基板110の積層方向を「Z軸方向」とし、Z軸方向に垂直であって誘電体基板110の長辺に沿った方向を「X軸方向」とし、誘電体基板110の短辺に沿った方向を「Y軸方向」とする。また、以下では、各図におけるZ軸の正方向を上側、負方向を下側と称する場合がある。
【0024】
誘電体基板110の上面111(誘電体層LY1)には、フィルタ装置100の方向を特定するための方向性マークDMが配置されている。誘電体基板110の下面112(誘電体層LY11)には、入力端子T1、出力端子T2および接地端子GNDが配置されている。
【0025】
入力端子T1、出力端子T2および2つの接地端子GNDの各々は平板状の電極である。入力端子T1は、誘電体層LY11のY軸に沿った一方の辺に接するように配置されている。入力端子T1は、誘電体基板110の側面114に設けられた側面電極121に接続されている。出力端子T2は、誘電体層LY11のY軸に沿った他方の辺に接するように配置されている。出力端子T2は、誘電体基板110の側面113に設けられた側面電極120に接続されている。
【0026】
2つの接地端子GNDは、誘電体層LY11のX軸に沿った2つの辺にそれぞれ接するように配置されている。一方の接地端子GNDは、誘電体基板110の側面115に設けられた側面電極122に接続されている。他方の接地端子GNDは、誘電体基板110の側面116に設けられた側面電極123に接続されている。
【0027】
誘電体基板110の誘電体層LY2には、平板状の接地電極PG1が配置されている。また、誘電体基板110の誘電体層LY10には、平板状の接地電極PG2が配置されている。接地電極PG1,PG2は、側面電極122,123によって、誘電体層LY11に配置された接地端子GNDに接続されている。
【0028】
フィルタ装置100は、誘電体基板110の下面112に配置された入力端子T1、出力端子T2および接地端子GND、あるいは、側面電極120~123を用いて外部機器と接続される。
【0029】
フィルタ装置100は、図2で説明したように、4段のLC共振器を含む。より具体的には、フィルタ装置100は、共振器RC11と、共振器RC12と、共振器RC13と、共振器RC14とを含む。共振器RC11は、ビアV10,V11およびキャパシタ電極PC11,PC12を含む。共振器RC12は、ビアV20,V21およびキャパシタ電極PC21,PC22を含む。共振器RC13は、ビアV30およびキャパシタ電極PC31、PC32を含む。共振器RC14は、ビアV40およびキャパシタ電極PC41、PC42を含む。
【0030】
キャパシタ電極PC11は、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY3に設けられている。誘電体基板110の法線方向(Z軸方向)から平面視した場合、キャパシタ電極PC11の一部は、誘電体層LY2に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC11と接地電極PG1とによって、図2のキャパシタC111が構成される。キャパシタ電極PC12は矩形状の平板電極であり、誘電体層LY9に設けられている。誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC12の一部は、誘電体層LY10に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC12と接地電極PG2とによって、図2のキャパシタC112が構成される。
【0031】
キャパシタ電極PC11は、ビアV10,V11によってキャパシタ電極PC12に接続されている。ビアV10は、誘電体層LY4に設けられた接続電極PA1に接続されている。接続電極PA1は、側面電極121を介して入力端子T1に接続されている。
【0032】
ビアV10,V11は、誘電体層LY8に設けられた分路電極PB1にも接続されている。分路電極PB1は、第1端部および第2端部を有する帯形状の平板電極であり、第1端部が側面電極122に接続されており、第2端部が側面電極123に接続されている。すなわち、分路電極PB1は、ビアV10,V11の中間部分と接地端子GNDとの間に接続される電極である。分路電極PB1によって、図2におけるインダクタL113が構成される。分路電極PB1のX軸方向の寸法を変更することによって、インダクタL113のインダクタンスを調整することができる。
【0033】
なお、キャパシタ電極PC11と分路電極PB1との間のビアV10,V11の部分によって、図2のインダクタL111が構成される。また、キャパシタ電極PC12と分路電極PB1との間のビアV10,V11の部分によって、図2のインダクタL112が構成される。分路電極PB1が設けられる誘電体層を変更することによって、インダクタL111,L112のインダクタンスの大きさ(比率)を調整することができる。
【0034】
キャパシタ電極PC21は、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY3に設けられている。誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC21の一部は、誘電体層LY2に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC21と接地電極PG1とによって、図2のキャパシタC121が構成される。キャパシタ電極PC22は矩形状の平板電極であり、誘電体層LY9に設けられている。誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC22の一部は、誘電体層LY10に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC22と接地電極PG2とによって、図2のキャパシタC122が構成される。
【0035】
キャパシタ電極PC21は、ビアV20,V21によってキャパシタ電極PC22に接続されている。ビアV20は、誘電体層LY4に設けられた接続電極PA2に接続されている。接続電極PA2は、側面電極120を介して出力端子T2に接続されている。
【0036】
ビアV20,V21は、誘電体層LY8に設けられた分路電極PB2にも接続されている。分路電極PB2は、第1端部および第2端部を有する帯形状の平板電極であり、第1端部が側面電極122に接続されており、第2端部が側面電極123に接続されている。すなわち、分路電極PB2は、ビアV20,V21の中間部分と接地端子GNDとの間に接続される電極である。分路電極PB2によって、図2におけるインダクタL123が構成される。分路電極PB2のX軸方向の寸法を変更することによって、インダクタL123のインダクタンスを調整することができる。
【0037】
なお、キャパシタ電極PC21と分路電極PB2との間のビアV20,V21の部分によって、図2のインダクタL121が構成される。また、キャパシタ電極PC22と分路電極PB2との間のビアV20,V21の部分によって、図2のインダクタL122が構成される。分路電極PB2が設けられる誘電体層を変更することによって、インダクタL121,L122のインダクタンスの大きさ(比率)を調整することができる。
【0038】
キャパシタ電極PC31は、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY3に設けられている。誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC31の一部は、誘電体層LY2に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC31と接地電極PG1とによって、図2のキャパシタC131が構成される。キャパシタ電極PC32は矩形状の平板電極であり、誘電体層LY9に設けられている。誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC32の一部は、誘電体層LY10に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC32と接地電極PG2とによって、図2のキャパシタC132が構成される。キャパシタ電極PC31は、ビアV30によってキャパシタ電極PC32に接続されている。ビアV30によって、図2のインダクタL131が構成される。
【0039】
キャパシタ電極PC41は、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY3に設けられている。誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC41の一部は、誘電体層LY2に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC41と接地電極PG1とによって、図2のキャパシタC141が構成される。キャパシタ電極PC42は矩形状の平板電極であり、誘電体層LY9に設けられている。誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC42の一部は、誘電体層LY10に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC42と接地電極PG2とによって、図2のキャパシタC142が構成される。キャパシタ電極PC41は、ビアV40によってキャパシタ電極PC42に接続されている。ビアV40によって、図2のインダクタL141が構成される。
【0040】
誘電体層LY3において、共振器RC11のキャパシタ電極PC11は側面114に近接して配置されており、共振器RC12のキャパシタ電極PC21は側面113に近接して配置されている。また、共振器RC13のキャパシタ電極PC31および共振器RC14のキャパシタ電極PC41は、誘電体層LY3においてキャパシタ電極PC11とキャパシタ電極PC21との間に、X軸に沿って平行に配置されている。また、誘電体層LY9におけるキャパシタ電極PC12,PC22,PC32,PC42も同様の配置とされている。なお、図4に示される共振器の配置は一例であり、共振器RC11と共振器RC12との間に共振器RC13が配置され、共振器RC12と共振器RC13との間に共振器RC14が配置されるような構成であってもよい。
【0041】
共振器RC11および共振器RC12は、2つのキャパシタ電極が2つのビアで接続されたループ型の共振器である。このように複数のビアを含むことによって、キャパシタ電極間の経路の抵抗成分が低減でき、各ビアに流れる電流を低減できるため、2つのキャパシタ電極が単独のビアで接続される場合に比べてQ値を改善することができる。また、ループ形状とすることによってコイルの空芯径を大きくできるため、それによってもQ値を改善することができる。なお、共振器RC13,RC14についても複数のビアを用いてキャパシタ電極間が接続されてもよい。
【0042】
以上のように、接地端子から直流的に絶縁された共振器を含む複数の共振器を用いてフィルタ装置が構成されていることによって、伝送特性については共振器間の結合を磁気結合から容量結合にすることができ、高周波数側では接地側のインピーダンスを容量性とすることができるので、高周波数側の減衰特性を向上することに加えて、通過帯域よりも高周波数側に減衰極が発生する。
【0043】
さらに、フィルタ装置100においては、入力端子T1に接続される共振器RC11、および、出力端子T2に接続される共振器RC12は、分路電極PB1,PB2をそれぞれ含む。分路電極による共振器RC11,RC12の低周波数側のインピーダンスの低減と、キャパシタC112,C122に直列接続されるインダクタンスによって通過帯域の低周波数側に減衰極が発生する。
【0044】
なお、分路電極は、入力側の共振器RC11および出力側の共振器RC12のいずれか一方のみに含まれていてもよいが、フィルタの入出力インピーダンス特性の対称性が求められる場合には、共振器RC11,RC12の双方に含まれていることが好ましい。
【0045】
図5は、フィルタ装置100の通過特性を説明するための図である。図5において上段はフィルタ装置100の通過特性を示しており、下段は比較例のフィルタ装置の通過特性を示している。なお、比較例のフィルタ装置は、フィルタ装置100から分路電極PB1,PB2を除去した構成を有するバンドパスフィルタである。なお、図5において、実線LN10,LN15は挿入損失を示しており、破線LN11,LN16は反射損失を示している。
【0046】
図5を参照して、分路電極が配置されていない比較例(下段)においては、実線LN15に示されるように、通過帯域よりも高周波数側に減衰極が発生しているが、通過帯域よりも低周波数側には減衰極が発生していない。一方で、実施の形態1のフィルタ装置100の場合には、通過帯域よりも高周波数側と低周波数側の双方に減衰極が発生している。これにより、フィルタ装置100においては、通過帯域よりも低周波数側の近傍における減衰量および減衰の急峻特性が向上していることがわかる。
【0047】
以上のように、複数の共振器を含んで構成されるフィルタ装置において、直流的に絶縁された共振器を用いるとともに、入出力端子に接続される共振器が分路電極を含むことによって、バンドパスフィルタの通過帯域よりも高周波数側および低周波数側の双方に減衰極が発生する。これによって、フィルタ装置の非通過帯域における減衰特性を向上することができる。
【0048】
なお、第1キャパシタ電極であるキャパシタ電極PC11,PC21,PC31,PC41により構成されるキャパシタC111,C121,C131,C141のキャパシタンスよりも、第2キャパシタ電極であるキャパシタ電極PC12,PC22,PC32,PC42により構成されるキャパシタC112,C122,C132,C142のキャパシタンスが大きく、かつ、接地電極PG2は接地電極PG1よりも接地端子GNDに近く配置されている。このような配置構成とすることによって、接地端子GNDの寄生インダクタによる高周波数側の減衰特性の低下の影響を極小化することができる。
【0049】
具体的には、第2キャパシタ電極であるキャパシタ電極PC12,PC22,PC32,PC42と接地電極PG2との間の誘電体層LY9の誘電率を、第1キャパシタ電極であるキャパシタ電極PC11,PC21,PC31,PC41と接地電極PG1との間の誘電体層LY2の誘電率よりも高くする。あるいは、第2キャパシタ電極であるキャパシタ電極PC12,PC22,PC32,PC42と接地電極PG2との間の間隔を、第1キャパシタ電極であるキャパシタ電極PC11,PC21,PC31,PC41と接地電極PG1との間の間隔よりも短くする。
【0050】
なお、上記の例においては、フィルタ装置が4つの共振器を含む構成について説明したが、フィルタ装置が共振器RC14を除いた3つの共振器を含む構成であってもよい。
【0051】
なお、実施の形態1における「共振器RC11」、「共振器RC12」、「共振器RC13」および「共振器RC14」は、本開示における「第1LC共振器」、「第2LC共振器」、「第3LC共振器」および「第4LC共振器」にそれぞれ対応する。実施の形態1における「接地電極PG1」および「接地電極PG2」は、本開示における「第1接地電極」および「第2接地電極」にそれぞれ対応する。実施の形態1の各共振器において、「ビアV10,V11,V20,V21,V30,V40」は、本開示における「第1ビア」に対応する。実施の形態1の各共振器において「キャパシタ電極PC11,PC21,PC31,PC41」は、本開示における「第1キャパシタ電極」に対応する。実施の形態1の各共振器において「キャパシタ電極PC12,PC22,PC32,PC42」は、本開示における「第2キャパシタ電極」に対応する。実施の形態1における「分路電極PB1」,「分路電極PB2」は、開示における「第1分路電極」および「第2分路電極」にそれぞれ対応する。実施の形態1における「側面電極122,123」の各々は、本開示における「第1側面電極」に対応する。実施の形態1における「側面電極121」および「側面電極120」は、本開示における「第2側面電極」および「第3側面電極」にそれぞれ対応する。
【0052】
[実施の形態2]
実施の形態2においては、入出力インピーダンスの調整が可能なフィルタ装置の構成について説明する。
【0053】
図6は、実施の形態2のフィルタ装置100Aの等価回路図である。フィルタ装置100Aにおいては、図2で説明した実施の形態1のフィルタ装置100における入力側の共振器RC11および出力側の共振器RC12に、インピーダンス調整用のキャパシタが追加された構成となっている。なお、図6および後述する図7において、実施の形態1における図2および図4と重複する要素の説明は繰り返さない。
【0054】
図6を参照して、フィルタ装置100Aは、実施の形態1のフィルタ装置100と同様に、入力端子T1と、出力端子T2と、接地端子GNDと、共振器RC11A,RC12A,RC13,RC14とを備える。
【0055】
入力端子T1に接続される共振器RC11Aは、フィルタ装置100における共振器RC11の構成に対して、入力端子T1と接地端子GNDとの間に接続されたキャパシタC113が追加された構成を有している。また、出力端子T2に接続される共振器RC12Aは、フィルタ装置100における共振器RC12の構成に対して、出力端子T2と接地端子GNDとの間に接続されたキャパシタC123が追加された構成を有している。なお、共振器RC13,RC14は、フィルタ装置100における共振器RC13,RC14と同じ構成となっている。
【0056】
フィルタ装置100Aの入力端子T1および出力端子T2に接続される機器に応じて、共振器RC11AにおけるキャパシタC113、および、共振器RC12AにおけるキャパシタC123をそれぞれ調整することによって、当該機器とのインピーダンスの調整を行なうことができる。これによって、反射損失を低減することができる。
【0057】
図7は、図6のフィルタ装置100Aの積層構造の一例を示す分解斜視図である。図7においては、図4で示したフィルタ装置100の分解斜視図において、誘電体層LY7に設けられたキャパシタ電極PD1,PD2が追加された構成となっている。
【0058】
キャパシタ電極PD1は、X軸に沿って延在する帯形状の平板電極であり、誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、誘電体層LY8に配置された分路電極PB1と部分的に重なっている。キャパシタ電極PD1の一方端は、誘電体基板110の側面114に配置された側面電極121を介して入力端子T1および接続電極PA1と接続されている。
【0059】
上述のように、分路電極PB1は、側面電極122,123によって接地端子GNDと接続されているため、キャパシタ電極PD1および分路電極PB1によって、図6におけるキャパシタC113が構成される。キャパシタ電極PD1の幅を変化させて分路電極PB1と重なる面積を調整することによって、キャパシタC113のキャパシタンスが変化する。これによって、フィルタ装置100Aの入力インピーダンスを調整することができる。
【0060】
キャパシタ電極PD2は、X軸に沿って延在する帯形状の平板電極であり、誘電体基板110の法線方向から平面視した場合、誘電体層LY8に配置された分路電極PB2と部分的に重なっている。また、キャパシタ電極PD2の一方端は、誘電体基板110の側面113に配置された側面電極120を介して出力端子T2および接続電極PA2と接続されている。
【0061】
上述のように、分路電極PB2は、側面電極122,123によって接地端子GNDと接続されているため、キャパシタ電極PD2および分路電極PB2によって、図6におけるキャパシタC123が構成される。キャパシタ電極PD2の幅を変化させて分路電極PB2と重なる面積を調整することによって、キャパシタC123のキャパシタンスが変化する。これによって、フィルタ装置100Aの出力インピーダンスを調整することができる。
【0062】
図8は、図6のフィルタ装置100Aの通過特性を示す図である。なお、図8において、実線LN20は挿入損失を示しており、破線LN21は反射損失を示している。
【0063】
図8を参照して、フィルタ装置100Aにおいても、実施の形態1のフィルタ装置100と同様に、入力端子T1の接続される共振器RC11A、および、出力端子T2に接続される共振器RC12Aに分路電極PB1,PB2がそれぞれ配置されているので、通過帯域よりも高周波数側および低周波数側の双方に減衰極が発生している。
【0064】
さらに、フィルタ装置100Aにおいては、共振器RC11A,RC12Aにそれぞれ配置されたキャパシタ電極PD1,PD2によって、最適な入出力インピーダンスにマッチングすることができる。これによって、図5に示したフィルタ装置100に比べて通過帯域における反射損失が全体的に低減されている。
【0065】
以上のように、入出力端子に接続される共振器について、分路電極およびインピーダンス調整用のキャパシタ電極を配置することによって、フィルタ装置の非通過帯域における減衰特性を向上するとともに、通過帯域における反射損失を低減することができる。
【0066】
なお、実施の形態2において、「共振器RC11A」および「共振器RC12A」は、本開示における「第1LC共振器」および「第2LC共振器」にそれぞれ対応する。また、実施の形態2における「キャパシタ電極PD1」および「キャパシタ電極PD2」は、本開示における「第3キャパシタ電極」および「第4キャパシタ電極」にそれぞれ対応する。
【0067】
[実施の形態3]
実施の形態1,2においては、4つの共振器を有するフィルタ装置の構成について説明した。実施の形態3においては、フィルタ装置が5つの共振器を含む構成の例について説明する。
【0068】
図9は、実施の形態3のフィルタ装置100Bの等価回路図である。図9を参照して、フィルタ装置100Bは、入力端子T1と、出力端子T2と、接地端子GNDと、共振器RC21~RC25を備える。共振器RC21~RC25の各々は、インダクタおよびキャパシタを含むLC共振器である。共振器RC21は入力端子T1に接続されており、共振器RC22は出力端子T2に接続されている。共振器RC23~RC25は、共振器RC21と共振器RC22との間にこの順に配置されている。
【0069】
共振器RC21は、インダクタL211,L212,L213と、キャパシタC211,C212とを含む。インダクタL211,L212およびキャパシタC212は、入力端子T1と接地端子GNDとの間に、この順で直列に接続されている。インダクタL213は、インダクタL211およびインダクタL212の接続ノードと接地端子GNDとの間に接続されている。キャパシタC211は、入力端子T1と接地端子GNDとの間に接続されている。
【0070】
共振器RC22は、インダクタL221,L222,L223と、キャパシタC221,C222とを含む。インダクタL221,L222およびキャパシタC222は、出力端子T2と接地端子GNDとの間に、この順で直列に接続されている。インダクタL223は、インダクタL221およびインダクタL222の接続ノードと接地端子GNDとの間に接続されている。キャパシタC221は、出力端子T2と接地端子GNDとの間に接続されている。
【0071】
共振器RC23は、インダクタL231,L232と、キャパシタC231,C232とを含む。インダクタL231の一方端は、キャパシタC231を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL231の他方端は、キャパシタC232を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL232は、インダクタL231に並列に接続されている。インダクタL231,L232は、キャパシタC231,C232によって、接地端子GNDと直流的に絶縁されている。
【0072】
共振器RC24は、インダクタL241,L242と、キャパシタC241,C242とを含む。インダクタL241の一方端は、キャパシタC241を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL241の他方端は、キャパシタC242を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL242は、インダクタL241に並列に接続されている。インダクタL241,L242は、キャパシタC241,C242によって、接地端子GNDと直流的に絶縁されている。
【0073】
共振器RC25は、インダクタL251と、キャパシタC251,C252とを含む。インダクタL251の一方端は、キャパシタC251を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL251の他方端は、キャパシタC252を介して接地端子GNDに接続されている。インダクタL251は、キャパシタC251,C252によって、接地端子GNDと直流的に絶縁されている。
【0074】
各共振器同士は、電磁界結合により結合している。このように、フィルタ装置100Bは、入力端子T1と出力端子T2との間に、互いに電磁界結合する5段の共振器が配置された構成を有している。入力端子T1に入力された高周波信号は、共振器RC21~RC25の電磁界結合により伝達されて、出力端子T2から出力される。このとき、各共振器の共振周波数によって定まる周波数帯域の信号のみが出力端子T2に伝達される。すなわち、フィルタ装置100Bは各共振器の共振周波数を調整することによって、所望の周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタとして機能する。
【0075】
図10は、図9のフィルタ装置100Bの積層構造の一例を示す分解斜視図である。図10を参照して、フィルタ装置100Bは、複数の誘電体層LY21~LY31が所定の方向に沿って積み上げられて形成された、直方体または略直方体の誘電体基板110Bを備えている。誘電体基板110Bの各誘電体層は、フィルタ装置100の誘電体基板110と同様に、LTCCなどのセラミック、あるいは樹脂により形成される。
【0076】
誘電体基板110Bの上面111(誘電体層LY21)には、フィルタ装置100Bの方向を特定するための方向性マークDMが配置されている。誘電体基板110Bの下面112(誘電体層LY31)には、入力端子T1、出力端子T2および接地端子GNDが配置されている。入力端子T1、出力端子T2および接地端子GNDは、フィルタ装置100と同様に、誘電体基板110Bの側面に設けられた側面電極に接続されている。
【0077】
誘電体基板110Bの誘電体層LY22には、平板状の接地電極PG1が配置されている。また、誘電体基板110Bの誘電体層LY30には、平板状の接地電極PG2が配置されている。接地電極PG1,PG2は、側面電極によって、誘電体層LY31に配置された接地端子GNDに接続されている。
【0078】
フィルタ装置100Bは、図9で説明したように、5段のLC共振器を含む。より具体的には、フィルタ装置100Bは、共振器RC21と、共振器RC22と、共振器RC23と、共振器RC24と、共振器RC25とを含む。共振器RC21は、ビアV10B,V15Bおよびキャパシタ電極PC11B,PC12Bを含む。共振器RC22は、ビアV20,V25Bおよびキャパシタ電極PC21B,PC22Bを含む。共振器RC23は、ビアV30B,V31Bおよびキャパシタ電極PC31B、PC32Bを含む。共振器RC24は、ビアV40B,V41Bおよびキャパシタ電極PC41B、PC42Bを含む。共振器RC25は、ビアV50Bおよびキャパシタ電極PC51B、PC52Bを含む。
【0079】
キャパシタ電極PC11Bは、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY23に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC11Bの一部は、誘電体層LY22に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC11Bと接地電極PG1とによって、図9のキャパシタC211が構成される。キャパシタ電極PC12Bは矩形状の平板電極であり、誘電体層LY29に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC12Bの一部は、誘電体層LY30に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC12Bと接地電極PG2とによって、図9のキャパシタC212が構成される。
【0080】
キャパシタ電極PC11Bは、ビアV10Bによってキャパシタ電極PC12Bに接続されている。ビアV10Bは、誘電体層LY24に設けられた接続電極PA1Bに接続されている。接続電極PA1Bは、側面電極121を介して入力端子T1に接続されている。
【0081】
ビアV10Bは、誘電体層LY28に設けられた分路電極PB1Bにも接続されている。分路電極PB1Bは、第1端部および第2端部を有する帯形状の平板電極であり、第1端部および第2端部は側面電極122,123をそれぞれ介して接地端子GNDに接続されている。すなわち、分路電極PB1Bは、ビアV10Bの中間部分と接地端子GNDとの間に接続される電極である。分路電極PB1Bによって、図9におけるインダクタL213が構成される。分路電極PB1BのX軸方向の寸法を変更することによって、インダクタL213のインダクタンスを調整することができる。
【0082】
分路電極PB1Bおよびキャパシタ電極PC12Bは、ビアV10Bに加えて、ビアV15Bによっても接続されている。キャパシタ電極PC11Bと分路電極PB1Bとの間のビアV10Bの部分によって、図9のインダクタL211が構成される。また、キャパシタ電極PC12Bと分路電極PB1Bとの間のビアV10Bの部分およびビアV15Bによって、図9のインダクタL212が構成される。分路電極PB1Bが設けられた誘電体層を変更することによって、インダクタL211,L212のインダクタンスの大きさ(比率)を調整することができる。また、ビアV15Bの数を変更することによって、インダクタL212のインダクタンスの大きさを調整することができる。なお、ビアV10Bによって所望のインダクタンスが得られる場合には、ビアV15Bは省略されてもよい。
【0083】
キャパシタ電極PC21Bは、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY23に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC21Bの一部は、誘電体層LY22に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC21Bと接地電極PG1とによって、図9のキャパシタC221が構成される。キャパシタ電極PC22Bは矩形状の平板電極であり、誘電体層LY29に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC22Bの一部は、誘電体層LY30に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC22Bと接地電極PG2とによって、図9のキャパシタC222が構成される。
【0084】
キャパシタ電極PC21Bは、ビアV20Bによってキャパシタ電極PC22Bに接続されている。ビアV20Bは、誘電体層LY24に設けられた接続電極PA2Bに接続されている。接続電極PA2Bは、側面電極120を介して出力端子T2に接続されている。
【0085】
ビアV20Bは、誘電体層LY28に設けられた分路電極PB2Bにも接続されている。分路電極PB2Bは、第1端部および第2端部を有する帯形状の平板電極であり、第1端部および第2端部は側面電極を介して接地端子GNDに接続されている。すなわち、分路電極PB2Bは、ビアV20Bの中間部分と接地端子GNDとの間に接続される電極である。分路電極PB2Bによって、図9におけるインダクタL223が構成される。分路電極PB2BのX軸方向の寸法を変更することによって、インダクタL223のインダクタンスを調整することができる。
【0086】
分路電極PB2Bおよびキャパシタ電極PC22Bは、ビアV20Bに加えて、ビアV25Bによっても接続されている。キャパシタ電極PC21Bと分路電極PB2Bとの間のビアV20Bの部分によって、図9のインダクタL221が構成される。また、キャパシタ電極PC22Bと分路電極PB2Bとの間のビアV20Bの部分およびビアV25Bによって、図9のインダクタL222が構成される。分路電極PB2Bが設けられる誘電体層を変更することによって、インダクタL221,L222のインダクタンスの大きさ(比率)を調整することができる。また、ビアV25Bの数を変更することによって、インダクタL222のインダクタンスの大きさを調整することができる。なお、ビアV20Bによって所望のインダクタンスが得られる場合には、ビアV25Bは省略されてもよい。
【0087】
キャパシタ電極PC31Bは、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY23に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC31Bの一部は、誘電体層LY22に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC31Bと接地電極PG1とによって、図9のキャパシタC231が構成される。キャパシタ電極PC32Bは矩形状の平板電極であり、誘電体層LY29に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC32Bの一部は、誘電体層LY30に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC32Bと接地電極PG2とによって、図9のキャパシタC232が構成される。キャパシタ電極PC31Bは、ビアV30B,V31Bによってキャパシタ電極PC32Bに接続されている。ビアV30B,V31Bによって、図9のインダクタL231,L232が構成される。
【0088】
キャパシタ電極PC41Bは、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY23に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC41Bの一部は、誘電体層LY22に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC41Bと接地電極PG1とによって、図9のキャパシタC241が構成される。キャパシタ電極PC42Bは矩形状の平板電極であり、誘電体層LY29に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC42Bの一部は、誘電体層LY30に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC42Bと接地電極PG2とによって、図9のキャパシタC242が構成される。キャパシタ電極PC41Bは、ビアV40B,V41Bによってキャパシタ電極PC42Bに接続されている。ビアV40B,V41Bによって、図9のインダクタL241,L242が構成される。
【0089】
キャパシタ電極PC51Bは、矩形状の平板電極であり、誘電体層LY23に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC51Bの一部は、誘電体層LY22に設けられた接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC51Bと接地電極PG1とによって、図9のキャパシタC251が構成される。キャパシタ電極PC52Bは矩形状の平板電極であり、誘電体層LY29に設けられている。誘電体基板110Bの法線方向から平面視した場合、キャパシタ電極PC52Bの一部は、誘電体層LY30に設けられた接地電極PG2と重なっている。キャパシタ電極PC52Bと接地電極PG2とによって、図9のキャパシタC252が構成される。キャパシタ電極PC51Bは、ビアV50Bによってキャパシタ電極PC52Bに接続されている。ビアV50Bによって、図9のインダクタL251が構成される。
【0090】
なお、誘電体基板110Bの誘電体層LY23におけるキャパシタ電極は、誘電体基板110Bの側面114から側面113に向かって、キャパシタ電極PC11B、キャパシタ電極PC31B、キャパシタ電極PC51B、キャパシタ電極PC41B、およびキャパシタ電極PC21Bの順に配置されている。同様に、誘電体層LY29におけるキャパシタ電極は、誘電体基板110Bの側面114から側面113に向かって、キャパシタ電極PC12B、キャパシタ電極PC32B、キャパシタ電極PC52B、キャパシタ電極PC42B、およびキャパシタ電極PC22Bの順に配置されている。
【0091】
また、図10のフィルタ装置100Bにおいては、共振器RC23,RC24は、2つのキャパシタ電極が2つのビアで接続されたループ型の共振器である。共振器RC23,RC24では、複数のビアを含むことによって、キャパシタ電極間の経路の抵抗成分が低減でき、各ビアに流れる電流を低減できるため、2つのキャパシタ電極が単独のビアで接続される場合に比べてQ値を改善することができる。また、ループ形状とすることによってコイルの空芯径を大きくできるため、それによってもQ値を改善することができる。なお、共振器RC25はループ型の共振器であってもよい。
【0092】
図11は、図9のフィルタ装置100Bの通過特性を示す図である。図11において、実線LN30は挿入損失を示しており、破線LN31は反射損失を示している。
【0093】
図11を参照して、実線LN30に示されるように、フィルタ装置100Bにおいても、通過帯域の高周波数側および低周波数側の双方に減衰極が発生していることがわかる。これにより、通過帯域の高周波数側および低周波数側の非通過帯域における減衰特性を向上させることができる。
【0094】
一般的に、共振器の段数が増加すると、非通過帯域における減衰量が大きくなることが知られている。図11においても、通過帯域に近い低周波数側の減衰極の減衰量は約43dBとなっており、図5で示した実施の形態1における4段のフィルタ装置100の減衰量(約34dB)よりも大きな減衰量を実現することができている。
【0095】
なお、上述の例においては、5つの共振器を有するフィルタ装置について説明したが、共振器の段数は6段以上であってもよい。ただし、共振器の段数が増加すると、通過帯域特性が広帯域特性となる傾向にある。したがって、共振器の段数については、目標とする減衰量と通過帯域幅とのバランスを考慮して決定される。
【0096】
以上のように、5つ以上の共振器を有するフィルタ装置においても、直流的に絶縁された共振器を用いるとともに、入出力端子に接続される共振器に分路電極を含むことによって、バンドパスフィルタの通過帯域よりも高周波数側および低周波数側の双方に減衰極が発生する。これによって、フィルタ装置の非通過帯域における減衰特性を向上することができる。
【0097】
なお、実施の形態3において、「共振器RC21」、「共振器RC22」、「共振器RC23」、「共振器RC24」および「共振器RC25」は、本開示における「第1LC共振器」、「第2LC共振器」,「第3LC共振器」,「第4LC共振器」および「第5LC共振器」にそれぞれ対応する。実施の形態4の各共振器において、「ビアV10B,V20B,V30B,V31B,V40B,V41B,V50B」は、本開示における「第1ビア」に対応する。実施の形態4における「ビアV15B」および「ビア25B」は、本開示の「第2ビア」および「第3ビア」にそれぞれ対応する。実施の形態4の各共振器において「キャパシタ電極PC11B,PC21B,PC31B,PC41B,PC51B」は、本開示における「第1キャパシタ電極」に対応する。実施の形態4の各共振器において「キャパシタ電極PC12B,PC22B,PC32B,PC42B,PC52B」は、本開示における「第2キャパシタ電極」に対応する。実施の形態4における「分路電極PB1B」,「分路電極PB2B」は、開示における「第1分路電極」および「第2分路電極」にそれぞれ対応する。
【0098】
[実施の形態4]
上述の各実施の形態においては、接地電極PG1,PG2と接地端子GNDとの接続、接続電極PA1と入力端子T1との接続、および、接続電極PA2と出力端子T2との接続が、誘電体基板110の側面に形成された側面電極を用いて行なわれる構成について説明した。
【0099】
実施の形態4においては、上記の外部端子との接続が、側面電極ではなく、誘電体基板内に設けられたビアにより行なわれる構成について説明する。
【0100】
図12は、実施の形態4のフィルタ装置100Cの積層構造の一例を示す分解斜視図である。図12は、実施の形態2で説明したフィルタ装置100Aの構成に、ビアVT1,VT2,VG1,VG2が追加された構成となっている。なお、図には示されていないが、フィルタ装置100Cの場合には、図2における側面電極120~123は配置されない。なお、図12において、図7と重複する要素の説明については繰り返さない。
【0101】
図12を参照して、フィルタ装置100Cにおいては、誘電体基板110の各側面に沿って誘電体層LY2から誘電体層LY11にわたって、ビアVT1,VT2,VG1,VG2が設けられている。より詳細には、ビアVT1は、誘電体基板110の側面114に沿って誘電体層LY2から誘電体層LY11にわたって設けられている。そして、当該ビアVT1には、接続電極PA1、キャパシタ電極PD1、および、入力端子T1が接続されている。
【0102】
同様に、ビアVT2は、誘電体基板110の側面113に沿って誘電体層LY2から誘電体層LY11にわたって設けられている。そして、当該ビアVT2には、接続電極PA2、キャパシタ電極PD2、および、出力端子T2が接続されている。
【0103】
また、誘電体基板110の側面115に沿って誘電体層LY2から誘電体層LY11にわたって複数のビアVG1が設けられており、誘電体基板110の側面116に沿って誘電体層LY2から誘電体層LY11にわたって複数のビアVG2が設けられている。そして、ビアVG1,VG2には、接地電極PG1、接地電極PG2、および、接地端子GNDが接続されている。
【0104】
このような構成の場合には、フィルタ装置100Cと外部機器との接続は、下面112に配置された入力端子T1、出力端子T2、および接地端子GNDによって行なわれる。すなわち、フィルタ装置100Cにおいては、LGA(Land Grid Array)の端子構造となる。このような構成により、側面電極を用いた接続が不要となるため、実装面積を小さくすることが可能となる。
【0105】
なお、実施の形態4における「ビアVG1,VG2」は、本開示における「第4ビア」に対応する。実施の形態4における「ビアVT1」および「ビアVT2」は、本開示における「第5ビア」および「第6ビア」にそれぞれ対応する。
【0106】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0107】
10 通信装置、12 アンテナ、20 高周波フロントエンド回路、22,28 バンドパスフィルタ、24 増幅器、26 減衰器、30 ミキサ、32 局部発振器、40 D/Aコンバータ、50 RF回路、100,100A~100C フィルタ装置、110,110B 誘電体基板、111 上面、112 下面、113~116 側面、120~123 側面電極、C111~C113,C121~C123,C131,C132,C141,C142,C211,C212,C221,C222,C231,C232,C241,C242,C251,C252 キャパシタ、DM 方向性マーク、GND 接地端子、L111~L113,L121~L123,L131,L141,L211~L213,L221~L223,L231,L232,L241,L242,L251 インダクタ、LY1~LY11,LY21~LY31 誘電体層、PA1,PA1B,PA2,PA2B 接続電極、PB1,PB1B,PB2,PB2B 分路電極、PC11~PC14,PC11B,PC12B,PC21,PC21B,PC22,PC22B,PC31,PC31B,PC32,PC32B,PC41,PC41B,PC42,PC42B,PC51B,PC52B,PD1,PD2 キャパシタ電極、PG1,PG2 接地電極、RC11~RC14,RC11A,RC12A,RC21~RC25 共振器、T1 入力端子、T2 出力端子、V10,V10B,V11,V15B,V20,V20B,V21,V25B,V30B,V30,V31B,V40,V40B,V41B,V50B,VG1,VG2,VT1,VT2 ビア。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12