(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】作業機システム
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
(21)【出願番号】P 2022553708
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(86)【国際出願番号】 JP2021032421
(87)【国際公開番号】W WO2022070762
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】P 2020164606
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【氏名又は名称】村井 弘実
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【氏名又は名称】村井 隆
(72)【発明者】
【氏名】松岡 清人
(72)【発明者】
【氏名】西河 智雅
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-506303(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0364687(US,A1)
【文献】特表2014-529320(JP,A)
【文献】特開2013-101642(JP,A)
【文献】国際公開第2017/170648(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/207859(WO,A1)
【文献】特開2020-040128(JP,A)
【文献】特開2020-023008(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0149569(US,A1)
【文献】特開2015-087852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B25B 21/00 - 23/18
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報を記憶する第1記憶部を有する第1作業機と、
前記第1作業機に有線又は無線で接続され、前記第1記憶部から前記第1情報を取得して記憶する第1端末装置と、
前記第1端末装置に有線又は無線で接続され、前記第1端末装置から前記第1情報を取得して記憶するサーバ機器と、
を有し、
前記第1端末装置又は前記サーバ機器に記憶した前記第1情報
の一部を、前記
第1記憶部に替えて前記第1作業機に組み込まれる第2記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機システムであって、
前記第1情報を、前記第1端末装置又は前記サーバ機器を介して、前記第2記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の作業機システムであって、
前記第1端末装置又は前記サーバ機器は第3記憶部を有し、
前記第1情報は、前記第1記憶部から前記第3記憶部を介して前記第2記憶部に記憶される、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項4】
請求項3に記載の作業機システムであって、
前記第1記憶部には、前記第1作業機の製造番号又は形名の少なくとも一方を含む固有情報が記憶されており、
前記第3記憶部には、前記第1情報と前記固有情報とが紐づけされて記憶されている、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の作業機システムであって、
更に、前記第1作業機及び前記サーバ機器に有線又は無線で接続され、前記第1情報を前記サーバ機器に送信する第2端末装置を備え、
前記第2端末装置は、前記第1端末装置と独立して前記第1情報を前記サーバ機器に定期的又は任意のタイミングで自動的に送信する、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項6】
第1情報を記憶する第1記憶部を有する第1作業機と、
前記第1情報を記憶するサーバ機器と、
前記第1作業機及び前記サーバ機器に有線又は無線で接続され、前記第1情報を前記サーバ機器に送信する第2端末装置と、
を有し、
前記第2端末装置は、前記第1情報を前記サーバ機器に定期的又は任意のタイミングで自動的にアップロードし、
前記第1記憶部を新たな第2記憶部に交換する場合、前記サーバ機器にアップロードされた前記第1情報
の一部を前記第2記憶部に書き込むよう構成される、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項7】
請求項
6に記載の作業機システムであって、
前記第1作業機及び前記サーバ機器に有線又は無線で接続され、前記第1記憶部から前記第1情報を取得して記憶する第1端末装置を備え、
前記第1端末装置を介して前記第1情報を前記第2記憶部に書き込む、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項8】
請求項1から
5、
7のいずれか一項に記載の作業機システムであって、
前記第1作業機は、第1作業機本体と、前記第1作業機本体に着脱可能に装着される電源装置と、を備え、
前記第1記憶部は、前記第1作業機本体に内蔵された本体側第1記憶部を有し、
前記電源装置は、前記第1端末装置に有線又は無線で接続される接続部を有し、
前記本体側第1記憶部に記憶された前記第1情報は、前記接続部を介して前記第1端末装置に送信される、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項9】
請求項1から
5、
7、
8のいずれか一項に記載の作業機システムであって、
前記第1作業機は、自身の製造番号又は形名の少なくとも一方を含む固有情報を有し、
前記第1情報は、前記第1作業機の履歴情報と、前記第1作業機の修理情報と、を含み、
前記第1端末装置は、前記固有情報と、前記履歴情報及び前記修理情報の少なくとも一方との情報を表示可能な表示部を備える、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項10】
請求項1から
5、
7から
9のいずれか一項に記載の作業機システムであって、
前記第1端末装置は、前記第1作業機とは別の作業機の第2情報を読み込むための操作部を有し、
前記第2情報は、前記別の作業機を動作させるための動作パラメータであり、
前記第1作業機は前記第2情報に基づいて動作可能である、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項11】
請求項
10に記載の作業機システムであって、
前記第1端末装置は、前記第2情報に基づいて動作する前の状態、又は、初期状態の動作パラメータによって駆動するための操作部を有する、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項12】
請求項1に記載の作業機システムであって、
前記第1記憶部から取得した前記第1情報の一部を変更して、前記第1端末装置又は前記サーバ機器を介して、前記第1記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする作業機システム。
【請求項13】
請求項1又は
12に記載の作業機システムであって、
更に、前記第1作業機とは別の第2作業機を有し、
前記第1記憶部には、前記第1作業機の製造番号又は形名の少なくとも一方を含む固有情報が記憶されており、
前記第1記憶部は、前記第1端末装置又は前記サーバ機器を介して前記第2作業機の製造番号又は形名の少なくとも一方を含む固有情報を記憶させられた状態で、前記第1作業機に替えて前記第2作業機に組み込まれる、
ことを特徴とする作業機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具などの作業機を含む作業機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具のような作業機の利便性を向上させるためには、作業機に対して外部から様々な情報を入力できるようにすることが有益であると考えられる。下記特許文献1には、携帯機器から無線通信によって電動工具の設定パラメータを変更可能にすることで、作業に最適な設定パラメータを選定できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、作業に最適な設定パラメータを選定しても、作業機が故障した場合には、ユーザは作業機の製造業者に作業機の修理を依頼することになる。故障した部品が設定パラメータを記憶するための部品であった場合、製造業者は、設定パラメータを記憶するための部品を新たな部品に交換することになる。このような場合に、ユーザがこれまで使用していた設定パラメータを新たな部品に復元できれば便利であると考えられる。また、ユーザが追加で新たな作業機を購入した場合にも、ユーザがこれまで使用していた設定パラメータを新たな作業機に復元できれば便利であると考えられる。さらに、熟練したあるユーザが使用している設定パラメータを、別のユーザが流用することができれば、便利であると考えられる。
【0005】
そこで本発明は、上記課題の少なくとも一つの解決を目的とする。すなわち本発明は、作業機の情報(例えば設定情報)を管理するための利便性の高い作業機システム、作業機の情報(例えば設定情報)を修理後に復元することができる作業機システム、作業機の情報(例えば設定情報)を別の作業機に引き継ぐことができる作業機システム、又は、別の作業者の設定情報を流用することができる作業機システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、作業機システムである。この作業機システムは、
第1情報を記憶する第1記憶部を有する第1作業機と、
前記第1作業機に有線又は無線で接続され、前記第1記憶部から前記第1情報を取得して記憶する第1端末装置と、
前記第1端末装置に有線又は無線で接続され、前記第1端末装置から前記第1情報を取得して記憶するサーバ機器と、
を有し、
前記第1端末装置又は前記サーバ機器に記憶した前記第1情報の一部を、前記第1記憶部に替えて前記第1作業機に組み込まれる第2記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする。
この態様によれば、作業機の記憶部に記憶された情報、例えば設定情報を、第1端末装置及びサーバ機器に記憶させることができる。また、作業機の記憶部に記憶された情報、例えば設定情報を、別の記憶部に記憶させることができる。また、作業機の修理に伴い記憶部を交換した場合に、新たに組み込まれた記憶部に元の情報、例えば設定情報を記憶させることができる。また、引き継ぎが不要な情報をリセットすることができる。
【0007】
前記第1情報を、前記第1端末装置又は前記サーバ機器を介して、前記第2記憶部に記憶させてもよい。
【0010】
前記第1端末装置又は前記サーバ機器は第3記憶部を有し、前記第1情報は、前記第1記憶部から前記第3記憶部を介して前記第2記憶部に記憶されてもよい。これによれば、第3記憶部に記憶させることで、他の作業機の情報も一括管理することができる。第3記憶部に記憶されている複数の作業機の情報、例えば設定情報を見ることができる。
【0011】
前記第1記憶部には、前記第1作業機の製造番号又は形名の少なくとも一方を含む固有情報が記憶されており、前記第3記憶部には、前記第1情報と前記固有情報とが紐づけされて記憶されていてもよい。これによれば、情報、例えば設定情報を容易に管理することができる。作業機と設定情報の関係を容易に把握することができる。
【0013】
前記第1作業機及び前記サーバ機器に有線又は無線で接続され、前記第1情報を前記サーバ機器に送信する第2端末装置を備え、前記第2端末装置は、前記第1端末装置と独立して前記第1情報を前記サーバ機器に定期的又は任意のタイミングで自動的に送信してもよい。これによれば、第1作業機と第1端末装置とが接続できなくなった場合(例えば制御部が故障)でも、第1情報、例えば第1設定情報をサーバ機器に保存することができる。
【0014】
本発明の別の態様は、作業機システムである。この作業機システムは、
第1情報を記憶する第1記憶部を有する第1作業機と、
前記第1情報を記憶するサーバ機器と、
前記第1作業機及び前記サーバ機器に有線又は無線で接続され、前記第1情報を前記サーバ機器に送信する第2端末装置と、
を有し、
前記第2端末装置は、前記第1情報を前記サーバ機器に定期的又は任意のタイミングで自動的にアップロードし、
前記第1記憶部を新たな第2記憶部に交換する場合、前記サーバ機器にアップロードされた前記第1情報の一部を前記第2記憶部に書き込むよう構成される、
ことを特徴とする。
前記第1作業機及び前記サーバ機器に有線又は無線で接続され、前記第1記憶部から前記第1情報を取得して記憶する第1端末装置を備え、
前記第1端末装置を介して前記第1情報を前記第2記憶部に書き込んでもよい。
前記第1作業機は、第1作業機本体と、前記第1作業機本体に着脱可能に装着される電源装置と、を備え、
前記第1記憶部は、前記第1作業機本体に内蔵された本体側第1記憶部を有し、
前記電源装置は、前記第1端末装置に有線又は無線で接続される接続部を有し、
前記本体側第1記憶部に記憶された前記第1情報は、前記接続部を介して前記第1端末装置に送信されてもよい。
これによれば、通信機能がない作業機本体であっても電源装置を介して情報、例えば設定情報を端末装置に送信することができる。
【0015】
前記第1作業機は、自身の製造番号又は形名の少なくとも一方を含む固有情報を有し、前記第1情報は、前記第1作業機の履歴情報と、前記第1作業機の修理情報と、を含み、前記第1端末装置は、前記固有情報と、前記履歴情報及び前記修理情報の少なくとも一方との情報を表示可能な表示部を備えてもよい。これによれば、ユーザが容易に情報を確認することができる。
【0016】
前記第1端末装置は、前記第1作業機とは別の作業機の第2情報を読み込むための操作部を有し、前記第2情報は、前記別の作業機を動作させるための動作パラメータであり、前記第1作業機は前記第2情報に基づいて動作可能であってもよい。これによれば、他の作業者の設定値(動作パラメータ)が使用可能であるため作業性を向上することができる。
【0017】
前記第1端末装置は、前記第2情報に基づいて動作する前の状態、又は、初期状態の動作パラメータによって駆動するための操作部を有してもよい。これによれば、第2情報、例えば第2設定情報がユーザの作業に合わない場合に前の設定又は初期設定に簡単に戻すことができる。操作性を向上することができる。
【0018】
前記第1記憶部から取得した前記第1情報の一部を変更して、前記第1端末装置又は前記サーバ機器を介して、前記第1記憶部に記憶させてもよい。これによれば、引き継ぎが不要な情報(交換した新しい部位に関する情報)をリセットすることができる。
【0019】
前記第1作業機とは別の第2作業機を有し、前記第1記憶部には、前記第1作業機の製造番号又は形名の少なくとも一方を含む固有情報が記憶されており、前記第1記憶部は、前記第1端末装置又は前記サーバ機器を介して前記第2作業機の製造番号又は形名の少なくとも一方を含む固有情報を記憶させられた状態で、前記第1作業機に替えて前記第2作業機に組み込まれてもよい。これによれば、固有情報の変更がある場合にも好適に対応できる。
【0020】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、作業機の情報、例えば設定情報を管理するための利便性の高い作業機システム、作業機の情報、例えば設定情報を修理後に復元することができる作業機システム、作業機の情報、例えば設定情報を別の作業機に引き継ぐことができる作業機システム、又は、別の作業者の設定情報を流用することができる作業機システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る作業機システムの概念図。
【
図5】第1作業機1の固有情報、使用履歴情報、及び修理情報の一例を示す表。
【
図6】管理機器(第1端末装置80)が第1作業機1の情報を読み込む場合に管理機器(第1端末装置80)と第1作業機1との間で送受信されるデータの一例を示す表。
【
図7】管理機器(第1端末装置80)が第1作業機1に情報を書き込む場合に管理機器(第1端末装置80)と第1作業機1との間で送受信されるデータの一例を示す表。
【
図8】本発明の実施の形態2に係る作業機システムの概念図。
【
図9】
図8の作業機システムの動作の第1部分を示すシーケンス図。
【
図13】
図12、
図19及び
図25の「引き継ぎ情報を任意に設定/選択」(S40)の具体的手順の一例を示すフローチャート。
【
図14】本発明の実施の形態3に係る作業機システムの概念図。
【
図15】
図14の作業機システムの動作の第1部分を示すシーケンス図。
【
図20】本発明の実施の形態4に係る作業機システムの概念図。
【
図21】
図20の作業機システムの動作の第1部分を示すシーケンス図。
【
図26】第1端末装置80の管理アプリケーション及び/又は第2端末装置90の専用アプリケーションの画面表示説明図(その1)。
【
図37】本発明の実施の形態5に係る作業機システムの動作を示すシーケンス図。
【
図38】第2端末装置90の専用アプリケーションの画面表示説明図(その1)。
【
図40】(A)は、第2端末装置90に表示された、設定情報をダウンロード可能なウェブサイトの表示例。(B)は当該ウェブサイトのリンクをタップした場合に表示される第2端末装置90の専用アプリケーションの画面表示説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下において、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示である。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0024】
(実施の形態1)
図1~
図5を参照し、本発明の実施の形態1を説明する。本実施の形態は、作業機システムに関する。この作業機システムは、第1作業機1と、第1端末装置(管理機器)80と、第2端末装置(通信機器)90と、サーバ機器100と、を備える。第1作業機1には、電源装置(電池パック)20が着脱可能に接続される。第1作業機1は、例えば、インパクトドライバやインパクトレンチ等の電動工具である。第1作業機1の外装(ハウジング)には、第1作業機1の固有情報すなわち自身の形名及び製造番号が記載されると共に、形名及び製造番号を表すコード、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードが付されている。第1作業機1は、自身の固有情報及び第1情報、例えば第1設定情報を記憶する第1記憶部としての記憶部46(
図2)を有する。記憶部46は、不揮発性メモリを含む。
【0025】
図5に示すように、記憶部46は、第1作業機1の固有情報(以下「第1固有情報」とも表記)、使用履歴情報、及び修理情報を記憶している。第1固有情報は、第1作業機1の形名と製造番号である。製造番号は、第1作業機1を一意に特定可能な番号である。使用履歴情報及び修理情報は、第1設定情報の一例である。使用履歴情報は、スイッチトリガ(トリガスイッチ)を引いた総回数、作業時間毎のスイッチトリガの引き回数、モータの総稼働時間、モータに流れる電流毎の稼働時間、使用した電源装置20の形名及び回数、並びにエラー履歴などである。修理情報は、修理した日時、修理で交換した部品のID(識別情報)、及び修理を行った工場のIDなどである。
【0026】
第1固有情報及び第1設定情報は、製品管理や故障原因特定などの場面において非常に重要な役割を果たす。したがって、第1作業機1を修理した際、第1固有情報及び第1設定情報を引き継ぐことは非常に有益なものとなる。本実施の形態は、第1固有情報及び第1設定情報を引き継ぐ際に想定される様々な条件下においても、修理後の第1作業機1に情報を引き継ぐことができることを特徴とする。
【0027】
図示は省略したが、第1設定情報は、第1作業機1の駆動に関する動作パラメータを含んでもよい。動作パラメータは、例えば、第1作業機1がインパクトドライバであれば、スイッチトリガの遊び、最低回転数、最高回転数、ソフトスタートにおける回転数上昇速度、及び低速領域の幅などであり、第1作業機1がインパクトレンチであれば、締付のパワー、及び打撃開始からモータ停止までの時間(オートストップ時間)などである。
【0028】
第1端末装置80は、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第1端末装置80は、例えば第1作業機1の販売店等にある。第1端末装置80には、第1作業機1を管理する管理アプリケーション(以下「管理アプリ」)がインストールされている。第1端末装置80は、第3記憶部の一例である記憶部83(
図3)を有する。記憶部83は、不揮発性メモリを含む。第1端末装置80は、第1作業機1に有線又は無線で接続され、第1作業機1の記憶部46から第1固有情報及び第1設定情報を取得し、両者を紐づけて(関連づけて)記憶部83に記憶する。第1端末装置80は、第1固有情報及び第1設定情報の少なくとも一部を画面表示可能である。
【0029】
第1端末装置80は、第1固有情報及び第1設定情報の少なくとも一部を書き換えることができる。例えば、修理により第1作業機1の外装が交換されることがある。この場合、第1端末装置80は、新しい外装に付されたコードを読み取り、新しい外装に記された製造番号を第1固有情報に含め(例えば元の外装に記された製造番号と紐づけ)、記憶部46に書き込むことができる。あるいは、修理により第1作業機1の一部の部品が交換されることがある。この場合、第1端末装置80は、交換した部品に係る使用履歴情報をリセットして記憶部46に書き込むことができる。例えばスイッチトリガ9が交換された場合、第1端末装置80は、使用履歴情報のうち、スイッチトリガ9を引いた回数をリセットして(0回にして)、記憶部46に書き込むことができる。
【0030】
サーバ機器100は、第3記憶部の一例であるデータベース100aを有する。サーバ機器100は、第1端末装置80に有線又は無線で接続され、第1端末装置80から第1固有情報及び第1設定情報を取得し、両者を紐づけてデータベース100aに記憶する。サーバ機器100は、例えば第1作業機1のメーカーに属するものである。データベース100aには、第1作業機1と同種(同形名)あるいは異種の多数の作業機の各固有情報及び各設定情報を紐づけて記憶している。
【0031】
第2端末装置90は、例えば第1作業機1のユーザが保有するスマートフォンやタブレット端末等である。第2端末装置90には、ユーザが第1作業機1を管理するための専用アプリケーション(以下「専用アプリ」)がインストールされている。第2端末装置90は、第1作業機1及びサーバ機器100に有線又は無線で接続され、第1固有情報及び第1設定情報を自身の記憶部に記憶すると共にサーバ機器100に送信(アップロード)できる。第2端末装置90は、第1端末装置80とは独立して第1固有情報及び第1設定情報をサーバ機器100に定期的又は任意のタイミングで自動的に送信(アップロード)する。なお、専用アプリでは、第1作業機1以外の種々の作業機を管理でき、当該作業機の固有情報及び設定情報もサーバ機器100に同じタイミングでアップロードできる。
【0032】
図2は、第1作業機1の回路ブロック図である。スイッチトリガ9は、ユーザがモータ3の駆動、停止を切り替えるための操作スイッチである。電流検出回路41は、モータ3の電流経路に設けられた抵抗R1の両端の電圧により、モータ3に流れる電流を検出し、制御部40に送信する。電圧検出回路42は、電源装置20の電池セル21からの入力電圧を検出し、制御部40に送信する。スイッチ操作検出回路43は、スイッチトリガ9の操作(オンオフ及び操作量)を検出し、制御部40に送信する。制御電源回路44は、電池セル21の電圧を、制御部40等の電源電圧に変換して出力する。
【0033】
モータ制御回路45は、例えばインバータ回路であり、制御部40の制御に従い、モータ3に駆動電流を供給する。制御部40は、マイクロコントローラ等を含み、スイッチトリガ9の操作に応じてモータ制御回路45を制御し、モータ3の駆動を制御する。なお、
図2では制御部40と記憶部46を別ブロックとしているが、記憶部46は制御部40の一部であってもよい。温度検出回路47は、モータ3あるいはモータ制御回路45の近傍に設けられた温度センサ50の出力信号により、モータ3あるいはモータ制御回路45の温度を検出し、制御部40に送信する。
【0034】
有線通信回路48は、電源装置20又は第1端末装置80と有線通信するための回路である。第1端末装置80と有線通信する場合、第1作業機1には、電源装置20に替えて通信用のアダプタを装着する。アダプタは、電源装置20を模した外形を有する。アダプタは第1作業機1に電源を供給する電源装置としても機能する。アダプタと第1端末装置80とは、通信ケーブルで互いに接続される。有線通信回路48は、アダプタを介して第1端末装置80と有線通信するための回路である。照明LED駆動回路49は、照明用のLED等の発光素子D1の点灯回路である。制御部40は、照明LED駆動回路49の電流経路に設けられたスイッチング素子SW1のオンオフを制御する。
【0035】
図3は、第1端末装置80の回路ブロック図である。近距離無線通信回路81は、制御部85の制御に従い、第1作業機1とBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うための回路である。近距離無線通信用アンテナ89aは、近距離無線通信回路81に接続される。遠距離無線通信回路82は、無線LAN等を介して又は直接インターネット等のネットワークに接続してサーバ機器100と通信するための回路である。遠距離無線通信用アンテナ89bは、遠距離無線通信回路82に接続される。有線通信回路84は、有線LAN等を介して又は直接インターネット等のネットワークに接続してサーバ機器100と通信するための回路である。
【0036】
制御部85は、プロセッサユニット等を含み、第1端末装置80の全体の動作を制御する。なお、
図3では制御部85と記憶部83を別ブロックとしているが、記憶部83は制御部85の一部であってもよい。その他に、第1端末装置80は、カメラ86、外部インターフェース87、及びディスプレイ88を有する。カメラ86は、第1作業機1の外装に設けられたコードの読み取り機能を有する。ディスプレイ(画面)88は、表示部として機能すると共に、タッチパネル(操作部)としても機能する。なお、第2端末装置90も、
図3に示す第1端末装置80と同様のハードウェア構成を有する。
【0037】
図4は、電源装置20の回路ブロック図である。電池セル21は、リチウムイオン二次電池等の充電可能な任意の数の電池セルである。電流検出回路22は、電池セル21の出力電流の経路に設けられた抵抗R2の両端の電圧により、電池セル21の出力電流を検出し、制御部27に送信する。電圧検出回路23は、電池セル21の出力電圧を検出し、制御部27に送信する。制御電源回路24は、電池セル21の出力電圧を、制御部27等の電源電圧に変換して出力する。温度センサ25は、電池セル21の近傍に設けられる。
【0038】
無線通信回路26は、第1端末装置80又は第2端末装置90とBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うための回路である。近距離無線通信用アンテナ32は、無線通信回路26に接続される。制御部27は、マイクロコントローラ等を含み、電源装置20の全体の動作を制御する。
図4では、制御部27と記憶部28を別ブロックとしているが、記憶部28は制御部27の一部であってもよい。温度検出回路29は、温度センサ25の出力信号により電池セル21の温度を検出し、制御部27に送信する。有線通信回路30は、第1作業機1と有線通信するための回路である。残量LED駆動回路31は、電池セル21の残量表示用のLED等の発光素子D2の点灯回路である。制御部27は、残量LED駆動回路31の電流経路に設けられたスイッチング素子SW2のオンオフを制御する。
【0039】
図6は、管理機器(第1端末装置80)が第1作業機1の情報を読み込む場合に管理機器(第1端末装置80)と第1作業機1との間で送受信されるデータの一例を示す。
図7は、管理機器(第1端末装置80)が第1作業機1に情報を書き込む場合に管理機器(第1端末装置80)と第1作業機1との間で送受信されるデータの一例を示す。
【0040】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0041】
(1) 第1作業機1の記憶部46に記憶された第1固有情報及び第1設定情報を、第1端末装置80、第2端末装置90、及びサーバ機器100に記憶させることができ、便利である。これにより、記憶部46に記憶した情報が失われた場合でも、失われた情報を復元できる。例えば、修理等により記憶部46を新たな別の記憶部(第2記憶部の一例)に交換する場合に、記憶部46に記憶されていた情報を、第1端末装置80の記憶部83から当該別の記憶部に書き込む(記憶させる)ことができる。あるいは、第1端末装置80は、記憶部46に記憶されていた情報を、サーバ機器100からダウンロードして、当該別の記憶部に書き込む(記憶させる)ことができる。更に、当該別の記憶部は、第1作業機1とは別の第2作業機に組み込まれるものであってもよい。第2作業機は、第1作業機1と同種(同形名)で製造番号が異なる作業機である。この場合、第1作業機1が故障して同種の第2作業機を使用するときに、第2作業機の記憶部に第1作業機1の記憶部46に記憶されていた動作パラメータを引き継ぐことができ、便利である。
【0042】
(2) 第1端末装置80は、記憶部46から読み出して保存した第1固有情報及び第1設定情報の少なくとも一部を、修理に伴う第1作業機1の外装交換や内蔵部品の交換に対応して編集し、記憶部46に記憶させることができる。例えば、第1固有情報及び第1設定情報に対して、外装交換に伴う製造番号の変更ないし追加や、部品の交換に伴う当該部品の使用履歴情報のリセットをした上で、記憶部46に記憶させることが可能である。したがって、修理の前後で第1固有情報及び第1設定情報を好適に引き継ぐことができ、便利である。
【0043】
(3) 第2端末装置90は、第1端末装置80とは独立して第1固有情報及び第1設定情報をサーバ機器100に定期的又は任意のタイミングで自動的に送信(アップロード)するため、ユーザが第1作業機1の故障前に販売店等を訪れていなかった場合かつ記憶部46が故障した場合であっても、販売店等においては、第1端末装置80を用いて、サーバ機器100から第1固有情報及び第1設定情報を取得(ダウンロード)し、交換用の新たな記憶部(第2記憶部)に書き込むことができる。また、ユーザが保有する種々の作業機の固有情報及び設定情報をサーバ機器100で一括管理できて便利である。また、ユーザは第2端末装置90を使用して種々の作業機の固有情報及び設定情報を確認でき、便利である。また、第1作業機1と第1端末装置80とが接続できなくなった場合(例えば制御部が故障)でも、その時点で第2端末装置90に記憶されている第1設定情報をサーバ機器100に保存することができる。
【0044】
(4) 第1端末装置80、第2端末装置90、及びサーバ機器100は、第1固有情報及び第1設定情報を紐づけて記憶するため、第1設定情報を容易に管理できる。例えば、第1作業機1と第1設定情報との関係を容易に把握することができる。
【0045】
(5) 第1作業機1は、電源装置20を介して第1端末装置80に第1固有情報及び第1設定情報を送信するため、第1作業機1の本体に第1端末装置80と直接通信する機能が無くても第1端末装置80に第1固有情報及び第1設定情報を送信でき、便利である。
【0046】
(6) 第1端末装置80は、第1固有情報及び第1設定情報を表示可能なため、販売店等のスタッフは第1固有情報及び第1設定情報を容易に確認できて便利である。
【0047】
(実施の形態2)
図8~
図13を参照し、本発明の実施の形態2を説明する。本実施の形態は、作業機システムに関する。この作業機システムの基本構成は実施の形態1と同様である。ただし、
図8においては、以下の説明に出てこない第2端末装置90の図示を省略している。本実施の形態では、第1作業機1に外装及び記憶部46の交換を伴わない修理を行う前後における処理の流れの具体例を示す。
【0048】
大きな流れとしては、まず、第1端末装置80が修理前の第1作業機1から第1固有情報及び第1設定情報を取得し、それらを紐づけて保存すると共に、サーバ機器100にアップロードする。サーバ機器100は、第1固有情報及び第1設定情報を紐づけてデータベース100aに保存する。修理を終えたら、第1端末装置80は、第1設定情報に今回の修理情報を追加する。その際、交換した部品などがあれば、当該部品の使用履歴情報をリセットする。第1端末装置80は、第1固有情報及び第1設定情報をサーバ機器100にアップロードする。サーバ機器100は、第1固有情報及び第1設定情報を紐づけて保存する。その後、修理を終えた第1作業機1Aに、第1固有情報及び第1設定情報を書き込む。
【0049】
図9~
図12を参照し、より具体的な処理の流れを説明する。これらの図において、管理機器ユーザは、第1端末装置80を操作する例えば販売店のスタッフである。
図9に示すように、管理機器ユーザは、修理前の第1作業機1に対して、接続準備の操作を行う(S1)。これは、例えば電源装置20の近距離無線通信機能を有効化する操作である。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、第1作業機1の情報取得を要求する操作を行う(S2)。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1に対して接続を要求する(S3)。第1作業機1は、接続許可の応答を管理機器(第1端末装置80)に送信する(S4)。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1に情報(第1固有情報及び第1設定情報)を要求する(S5)。第1作業機1は、要求された情報を管理機器(第1端末装置80)に送信する(S6)。管理機器(第1端末装置80)は、受信した情報(第1固有情報及び第1設定情報)を処理する(S7)。S5~S7の処理は、必要な情報の数だけ繰り返される。管理機器(第1端末装置80)は、情報の取得完了を管理機器ユーザに通知する(S8)。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1に対して接続の切断を要求する(S9)。第1作業機1は、切断処理を行う(S10)。その後、第1作業機1に修理が行われる。
【0050】
図10に示すように、管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、データベース100aへの情報の保存を要求する操作を行う(S11)。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに対して、故障情報(修理情報)等の入力を要求する(S12)。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して故障情報等を入力する(S13)。管理機器(第1端末装置80)は、入力された情報を基に第1設定情報の修理情報を編集する。管理機器(第1端末装置80)は、サーバ機器100にアクセスする(S14)。サーバ機器100は、管理機器(第1端末装置80)に対してレスポンスを返す(S15)。管理機器(第1端末装置80)は、サーバ機器100に第1固有情報を送信する(S16)。サーバ機器100は、データベース100aに対して、第1固有情報を照合する(S17)。データベース100aは、サーバ機器100に、第1固有情報が登録されている旨の確認応答を返す(S18)。サーバ機器100は、第1固有情報が登録されている旨を管理機器(第1端末装置80)に通知する(S19)。S17~S19の処理は、第1固有情報がデータベース100aに登録済の場合の処理である。第1固有情報がデータベース100aに登録済でない場合は、
図11に示すS20~S29の処理が行われる。
【0051】
サーバ機器100は、データベース100aに対して、第1固有情報を照合する(S20)。データベース100aは、サーバ機器100に、照合エラーすなわち第1固有情報が登録されていない旨の応答を返す(S21)。サーバ機器100は、照合エラーを管理機器(第1端末装置80)に通知する(S22)。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに対して、照合エラーを通知すると共に、新規データベース構築の許否を確認する(S23)。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、新規データベース構築の許可操作を行う(S24)。管理機器(第1端末装置80)は、サーバ機器100に対して、新規データベース構築を要求する(S25)。サーバ機器100は、データベース100aに、新規データベース構築を構築する(S26)。データベース100aは、サーバ機器100に対して、新規データベース構築の完了を通知する(S27)。サーバ機器100は、管理機器(第1端末装置80)に対して、新規データベース構築の完了を通知する(S28)。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに対して、新規データベース構築の完了を通知する(S29)。
【0052】
管理機器(第1端末装置80)は、サーバ機器100に、第1設定情報を送信する(S30)。このとき、確認用に第1固有情報を再度送信してもよい。サーバ機器100は、受信した情報をデータベース100aに保存する(S31)。データベース100aは、サーバ機器100に対して、保存完了を通知する(S32)。サーバ機器100は、管理機器(第1端末装置80)に対して、保存完了を通知する(S33)。S30~S33の処理は、保存する情報の数だけ繰り返される。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに、保存完了を通知する(S34)。
【0053】
図12に示すように、管理機器ユーザは、修理後の第1作業機1Aに対して、接続準備の操作を行う(S35)。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、第1作業機1Aに対する情報書込を要求する操作を行う(S36)。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1Aに対して接続を要求する(S37)。第1作業機1Aは、接続許可の応答を管理機器(第1端末装置80)に送信する(S38)。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに対して、第1作業機1Aに書き込む情報を表示する(S39)。管理機器ユーザは、必要に応じて情報を編集する(S40)。例えば、修理により交換した部品があれば、当該部品の使用履歴情報をリセットする。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1Aに情報を送信する(S41)。第1作業機1Aは、受信した情報を記憶部46に保存する(S42)。第1作業機1Aは、管理機器(第1端末装置80)に対して、保存完了を通知する(S43)。S41~S43の処理は、第1作業機1Aに書き込む情報の数だけ繰り返される。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに対して、書込完了を通知する(S44)。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1Aに対して接続の切断を要求する(S45)。第1作業機1Aは、切断処理を行う(S46)。
【0054】
図13は、
図12、
図19、
図25の「引き継ぎ情報を任意に設定/選択」(S40)の具体的手順の一例を示すフローチャートである。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1Aに書き込む情報を表示する(S401)。管理機器ユーザは、修理により固有情報の変更がある場合(S402のYes)、固有情報を変更する操作を行う(S403)。管理機器ユーザは、修理により部品交換があった場合(S404のYes)、交換部品に対応する使用履歴情報を編集(リセット)する操作を行う(S405)。管理機器ユーザは、修理情報等を入力する(S406)。
【0055】
第1作業機1の外装に固有情報が記載されているため、修理において外装を交換する場合、固有情報の変更が必要となる。
図13のフローチャートでは、管理機器(第1端末装置80)で固有情報を編集可能としている。また、第1作業機1を修理する場合、一部の部品を交換することが多い。その際、交換する部品によっては部品寿命や故障原因特定の観点から使用履歴情報を編集するのが望ましい場合もある。例えば、スイッチトリガ9を交換した場合、他の部品、使用履歴はそのままに、スイッチトリガ9の押し回数カウントをリセットするなどが挙げられる。
図13のフローチャートでは、各部品の使用履歴情報も管理機器(第1端末装置80)で編集可能としている。
【0056】
本実施の形態によれば、外装及び記憶部46の交換を伴わない修理を行った場合に、修理前の第1作業機1の情報を、修理後の第1作業機1Aに好適に引き継ぐことができる。
【0057】
(実施の形態3)
図14~
図19を参照し、本発明の実施の形態3を説明する。本実施の形態は、作業機システムに関する。この作業機システムの基本構成は実施の形態1と同様である。本実施の形態では、第1作業機1に記憶部46の交換を伴う修理を行う前後における処理の流れの具体例を示す。
【0058】
大きな流れとしては、故障前に、第2端末装置90が第1作業機1から第1固有情報及び第1設定情報を取得し、それらを紐づけて保存すると共にサーバ機器100にアップロードする。サーバ機器100は、第1固有情報及び第1設定情報を紐づけてデータベース100aに保存する。故障の発生後、第1端末装置80は、第1作業機1の外装に付されたコードから第1固有情報を取得し、取得した第1固有情報を基にサーバ機器100から第1設定情報をダウンロードし、修理後の第1作業機1Bの、交換された記憶部46に第1固有情報と共に書き込む。
【0059】
図15~
図19を参照し、より具体的な処理の流れを説明する。
図15に示すように、故障前において、第1作業機1のユーザは、第1作業機1に対して、接続準備の操作を行う(S51)。これは、例えば電源装置20の近距離無線通信機能を有効化する操作である。第1作業機1のユーザは、通信機器(第2端末装置90)に対して、第1作業機1の情報取得を要求する操作を行う(S52)。通信機器(第2端末装置90)は、第1作業機1に対して接続を要求する(S53)。第1作業機1は、接続許可の応答を通信機器(第2端末装置90)に送信する(S54)。通信機器(第2端末装置90)は、第1作業機1に情報(第1固有情報及び第1設定情報)を要求する(S55)。第1作業機1は、要求された情報を通信機器(第2端末装置90)に送信する(S56)。通信機器(第2端末装置90)は、受信した情報(第1固有情報及び第1設定情報)を処理する(S57)。S55~S57の処理は、必要な情報の数だけ繰り返される。通信機器(第2端末装置90)は、情報の取得完了を第1作業機1のユーザに通知する(S58)。通信機器(第2端末装置90)は、第1作業機1に対して接続の切断を要求する(S59)。第1作業機1は、切断処理を行う(S60)。
【0060】
図16に示すように、通信機器(第2端末装置90)は、第1作業機1のユーザに対して、データベースへの情報の送信の許否を確認する(S61)。第1作業機1のユーザは、通信機器(第2端末装置90)に対して、データベースへの情報の送信を許可する操作を行う(S62)。通信機器(第2端末装置90)は、サーバ機器100にアクセスする(S63)。サーバ機器100は、通信機器(第2端末装置90)に対してレスポンスを返す(S64)。通信機器(第2端末装置90)は、サーバ機器100に第1固有情報及び第1設定情報を送信する(S65)。サーバ機器100は、データベース100aに対して、第1固有情報を照合する(S66)。データベース100aは、サーバ機器100に、第1固有情報が登録されている旨の確認応答を返す(S67)。S66~S67の処理は、第1固有情報がデータベース100aに登録済の場合の処理である。第1固有情報がデータベース100aに登録済でない場合は、S68~S73の処理が行われる。
【0061】
サーバ機器100は、データベース100aに対して、第1固有情報を照合する(S68)。データベース100aは、サーバ機器100に、照合エラーすなわち第1固有情報が登録されていない旨の応答を返す(S69)。サーバ機器100は、照合エラーを通信機器(第2端末装置90)に通知する(S70)。通信機器(第2端末装置90)は、サーバ機器100に対して、新規データベース構築を要求する(S71)。サーバ機器100は、データベース100aに、新規データベース構築を構築する(S72)。データベース100aは、サーバ機器100に対して、新規データベース構築の完了を通知する(S73)。サーバ機器100は、第1設定情報をデータベース100aに保存する(S74)。データベース100aは、サーバ機器100に対して、保存完了を通知する(S75)。サーバ機器100は、通信機器(第2端末装置90)に対して、保存完了を通知する(S76)。通信機器(第2端末装置90)は、第1作業機1のユーザに、保存完了を通知する(S77)。
【0062】
以上は故障前の処理であり、ここから先は故障後の処理である。
図17に示すように、管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、固有情報入力準備の操作を行う(S81)。管理機器(第1端末装置80)は、準備完了を管理機器ユーザに通知する(S82)。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、コード読取り機能を起動する操作を行う(S83)。ここでは、第1作業機1の外装には二次元コードが記されていて、コード読取り機能は、二次元コード読取り機能であるものとする。管理機器(第1端末装置80)は、カメラ等の起動確認を表示する(S84)。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)のカメラを第1作業機1の二次元コードにかざす(S85)。管理機器(第1端末装置80)は、二次元コードの情報すなわち第1固有情報を取得する(S86)。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに、第1固有情報の取得完了を通知する(S87)。その後、第1作業機1に修理が行われる(記憶部46が交換される)。
【0063】
図18に示すように、管理機器ユーザは、修理後の第1作業機1Bに対して、接続準備の操作を行う(S88)。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、第1作業機1Bに対する情報書込を要求する操作を行う(S89)。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1Bに対して接続を要求する(S90)。第1作業機1Bは、接続許可の応答を管理機器(第1端末装置80)に送信する(S91)。管理機器(第1端末装置80)は、サーバ機器100にアクセスする(S92)。サーバ機器100は、管理機器(第1端末装置80)に対してレスポンスを返す(S93)。管理機器(第1端末装置80)は、サーバ機器100に対して、第1固有情報に基づいた情報の提供を要求する(S94)。サーバ機器100は、データベース100aに対して、第1固有情報を照合する(S95)。データベース100aは、サーバ機器100に、第1固有情報が登録されている旨の確認応答を返す(S96)。サーバ機器100は、データベース100aに対して、第1固有情報に紐づいた情報を要求する(S97)。データベース100aは、第1固有情報に紐づいた情報である第1設定情報をサーバ機器100に送信する(S98)。サーバ機器100は、管理機器(第1端末装置80)に、第1設定情報を送信する(S99)。
【0064】
図19に示すように、管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに対して、第1作業機1Bに書き込む情報を表示する(S100)。管理機器ユーザは、必要に応じて情報を編集する(S40)。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1Bに情報を送信する(S101)。第1作業機1Bは、受信した情報を記憶部46に保存する(S102)。第1作業機1Bは、管理機器(第1端末装置80)に対して、保存完了を通知する(S103)。S101~S103の処理は、第1作業機1Bに書き込む情報の数だけ繰り返される。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに対して、書込完了を通知する(S104)。管理機器(第1端末装置80)は、第1作業機1Bに対して接続の切断を要求する(S105)。第1作業機1Bは、切断処理を行う(S106)。なお、S88以降の処理に先だって、
図10のS11~S19、S30~S34と同様の処理を行い、データベース100aの保存内容をアップデートしてもよい。
【0065】
第1作業機1は、酷な現場で使用されることが珍しくなく、記憶部46あるいはそれを含む制御部40が故障することもある。その場合、記憶部46又は制御部40の交換を行うが、第1固有情報及び第1設定情報などの内部情報はすべてリセットされた状態となっている。修理前の第1作業機1の情報を修理後の第1作業機1Bに書き込みたいが、故障した記憶部46又は制御部40から情報を抽出することは難しい。その場合でも本実施の形態によれば、故障前に第1作業機1のユーザが通信機器(第2端末装置90)により第1作業機1から情報を抽出し、サーバ機器100と連携しデータベース100aに保存しておくことで、修理後の第1作業機1Bに修理前の第1作業機1の情報を書き込むことが可能となる。
【0066】
(実施の形態4)
図20~
図25を参照し、本発明の実施の形態4を説明する。本実施の形態は、作業機システムに関する。この作業機システムの基本構成は実施の形態1と同様である。ただし、
図20においては、以下の説明に出てこない第2端末装置90の図示を省略している。本実施の形態では、第1作業機1に外装の交換を伴う修理を行う前後における処理の流れの具体例を示す。第1作業機1の外装を交換する場合、固有情報は外装に記載しているため、第1作業機1の記憶部46に保存されている固有情報と外装に記載している固有情報が異なってしまう。本実施の形態ではそうした問題を解決するものである。
【0067】
大きな流れとしては、まず、第1端末装置80が修理前の第1作業機1から第1固有情報及び第1設定情報を取得し、それらを紐づけて保存すると共に、サーバ機器100にアップロードする。サーバ機器100は、第1固有情報及び第1設定情報を紐づけてデータベース100aに保存する。第1端末装置80は、修理を終えた第1作業機1Cの外装に付されたコードを読み取り、新しい固有情報を取得し、第1固有情報を編集する。具体的には、修理前の第1作業機1の固有情報及び修理後の第1作業機1Cの固有情報のいずれからも、修理後の第1作業機1Cを特定できるような形で、新旧の固有情報を保存し、第1固有情報とする。第1端末装置80は、第1設定情報に今回の修理情報を追加する。その際、交換した部品などがあれば、当該部品の使用履歴情報をリセットする。第1端末装置80は、第1固有情報及び第1設定情報をサーバ機器100にアップロードする。サーバ機器100は、第1固有情報及び第1設定情報を紐づけてデータベース100aに保存する。その後、修理を終えた第1作業機1Cに、第1固有情報及び第1設定情報を書き込む。
【0068】
図21~
図25を参照し、より具体的な処理の流れを説明する。
図21に示すS111~S120の処理は、
図9に示すS1~S10の処理と同様に行われる。その後、第1作業機1に修理が行われる。
図22に示すように、管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、固有情報入力準備の操作を行う(S121)。管理機器(第1端末装置80)は、準備完了を管理機器ユーザに通知する(S122)。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)に対して、コード読取り機能を起動する操作を行う(S123)。ここでは、修理後の第1作業機1Cの外装には二次元コードが記されていて、コード読取り機能は、二次元コード読取り機能であるものとする。管理機器(第1端末装置80)は、カメラ等の起動確認を表示する(S124)。管理機器ユーザは、管理機器(第1端末装置80)のカメラを第1作業機1Cの二次元コードにかざす(S125)。管理機器(第1端末装置80)は、二次元コードの情報すなわち新しい固有情報を取得する(S126)。管理機器(第1端末装置80)は、管理機器ユーザに、新しい固有情報の取得完了を通知する(S127)。
【0069】
図23~
図25に示すS128~S162までの処理は、
図10~
図12に示すS11~S46までの処理と同様に行われる。ただし、
図23のS130では、
図28(A)の画面から交換箇所を選択し、
図36に示すように、故障情報として、第1作業機1の外装を交換したことを選択し、新旧の固有情報を含む形に変更された第1固有情報を入力する。本画面では、交換箇所を外装としており、その場合、「カメラを起動」をタップしてコード読取り機能を起動させ、新たな外装のコードを読み取り、新たな外装の固有情報を取得できる(図示省略)。本画面で「データベースに保存」をタップすれば、第1固有情報及び第1設定情報がデータベース100aに書き込まれる(
図23のS133)。これにより、以降は、新旧の固有情報のいずれを入力しても同じ情報が取得できるようになる。本実施の形態によれば、外装の交換を伴う修理を行った場合に、修理前の第1作業機1の情報を、修理後の第1作業機1Cに好適に引き継ぐことができる。なお、外装が交換された第1作業機1Cは、第1作業機1とは別の作業機(第2作業機)とみなしてもよい。
【0070】
(管理アプリ及び専用アプリの動作例)
図26~
図36を参照し、第1端末装置80の管理アプリ及び第2端末装置90の専用アプリの画面表示を示す。以下、第1作業機1を対象とする場合を例に説明する。
図26(A)は、管理アプリ及び専用アプリのメニュー画面を示す。メニュー画面において「データの読み出し」をタップすると、
図26(B)及び
図27(A)の画面表示を経て
図27(B)の画面表示に遷移する。この過程で、第1作業機1の固有情報が読み出される。
【0071】
以下、まず管理アプリについて説明する。
図27(B)において「データベースに保存」をタップすると、
図28(A)の画面表示に遷移する。本画面では、修理情報、すなわち修理日時や交換箇所(交換部品)の入力ができる。本画面で「データベースに保存」をタップすると、
図28(B)の画面表示を経て
図29(A)の画面表示に遷移する。ここで、第1作業機1がデータベース100aに未登録の場合、
図29(B)の画面表示となる。本画面で「続ける」をタップすると、
図30(A)及び
図30(B)の画面表示を経て、
図31(A)の画面表示に遷移する。第1作業機1がデータベース100aに登録済の場合、
図29(B)及び
図30(A)の画面表示は飛ばされ、
図29(A)から
図30(B)の画面表示を経て
図31(A)の画面表示に遷移する。この過程で、第1固有情報及び第1設定情報がデータベース100aに保存される。
【0072】
図31(A)の画面で「続ける」をタップすると、
図31(B)の画面表示を経て
図32(A)の画面表示に遷移する。本画面から必要に応じて固有情報、使用履歴情報、及び修理情報等の変更(編集)に進むことができる。本画面で「書き込み」をタップすると、
図32(B)の画面表示を経て
図33(A)の画面表示に遷移する。この過程で、第1固有情報及び第1設定情報が修理後の第1作業機1に書き込まれる。
【0073】
図26(A)のメニュー画面で「データの書き込み」をタップすると、
図34(A)の画面表示に遷移する。本画面で「本体外装から取得する」をタップすると、第1端末装置80のコード読取り機能が起動する(図示省略)。「直接入力する」をタップすると、入力画面に遷移する(図示省略)。第1固有情報が取得できると、
図34(B)の画面表示に遷移する。本画面で「データベースから情報を取得」をタップすると、
図35(A)、
図35(B)の画面表示を経て、
図32(A)の画面表示に遷移する。
【0074】
次に専用アプリについて説明する。
図27(B)において「データベースに保存」をタップすると、
図28(B)の画面表示を経て
図29(A)の画面表示に遷移する。ここで、第1作業機1がデータベース100aに未登録の場合、
図30(A)及び
図30(B)の画面表示を経て
図33(B)の画面表示に遷移する。第1作業機1がデータベース100aに登録済の場合、
図30(A)の画面表示は飛ばされ、
図29(A)から
図30(B)の画面表示を経て
図33(B)の画面表示に遷移する。本画面で「OK」をタップすれば、データベース100aへの保存が完了する。
【0075】
(実施の形態5)
図37~
図40を参照し、本発明の実施の形態5を説明する。本実施の形態は、作業機システムに関する。この作業機システムの基本構成は実施の形態1と同様である。第2端末装置90の専用アプリでは,第1作業機1の情報を抽出するほかに、第1作業機1の設定をカスタマイズする機能がある。例えば、インパクトドライバの回転数を変更したり、インパクトレンチのオートストップ機能を設定したりする機能である。ユーザが設定した動作パラメータはユーザ自身が第2端末装置90に保存できる。本実施の形態では、ユーザが、他の作業者が設定した動作パラメータ(第2情報、例えば第2設定情報)をWEB上から取得できるようにする。利用方法としては、例えばインフルエンサー(SNS等を通じて世間に大きな影響力を与えるユーザ)が使用している動作パラメータを特定のWEBページ経由で各ユーザが取得できるようにする。設定データをSNSなどでユーザ同士が互いに共有できるようにしてもよい。
【0076】
図37は、本発明の実施の形態5に係る作業機システムの動作を示すシーケンス図である。ユーザは、通信機器(第2端末装置90)に対して、他の作業者が設定した動作パラメータを載せたWEB頁を開く操作を行う(S201)。通信機器(第2端末装置90)は、サーバ機器100にアクセスする(S202)。サーバ機器100は、レスポンスを返す(S203)。通信機器(第2端末装置90)は、サーバ機器100に、WEBページのロードを要求する(S204)。サーバ機器100は、WEBページの画面データを通信機器(第2端末装置90)に送信する(S205)。通信機器(第2端末装置90)は、WEBページを表示する(S206)。ユーザは、通信機器(第2端末装置90)に対して、他の作業者が設定した動作パラメータの取得を要求する操作を行う(S207)。通信機器(第2端末装置90)は、サーバ機器100に対して、動作パラメータの取得を要求する(S208)。サーバ機器100は、動作パラメータを通信機器(第2端末装置90)に送信する(S209)。通信機器(第2端末装置90)は、受信した動作パラメータを処理、保存する(S210)。通信機器(第2端末装置90)は、保存完了をユーザに通知する(S211)。
【0077】
図38(A)、(B)は、第2端末装置90の専用アプリの画面表示であって、インパクトドライバ用の画面表示を示す。
図38(A)の画面では、動作パラメータとして、インパクトドライバのスイッチの遊び、最低回転数、最高回転数、ソフトスタートの速さ、及び低速域の幅を、それぞれスライダで変更可能であり、それらの組合せである動作パラメータを設定リストに保存できる。
図38(B)に示すように、設定リストには、複数種類の動作パラメータを保存できる。設定リストは個別に削除可能である。
【0078】
図39(A)、(B)は、第2端末装置90の専用アプリの画面表示であって、インパクトレンチ用の画面表示を示す。
図39(A)の画面では、動作パラメータとして、締付のパワーを四段階から選択でき、また打撃開始からモータ停止までの時間(オートストップ時間)をスライダ又は+、-のボタンで変更可能であり、パワーとオートストップ時間の組合せである動作パラメータを設定リストに保存できる。
図39(B)に示すように、設定リストには、複数種類の動作パラメータを保存できる。設定リストは個別に削除可能である。
【0079】
図40(A)は、第2端末装置90に表示された、設定情報をダウンロード可能なウェブサイトの表示例である。
図40(A)の「設定データのダウンロード」をタップすると、専用アプリが起動し、
図40(B)の画面が表示される。ここで「保存」をタップすれば、他の作業者の動作パラメータが設定リストに保存される。
図40(A)では、必要に応じて作業風景の動画を再生できるようにしている。
【0080】
本実施の形態によれば、他の作業者の動作パラメータ(第2設定情報)が使用可能となるため、作業性を向上する。第2設定情報がユーザの作業に合わない場合には、例えば第2設定情報を設定リスト削除すれば前の設定に戻すことができ、また設定リストから初期設定(デフォルト)等の他の設定を選択すれば簡単に初期設定や他の設定に戻すことができ、操作性が良い。
【0081】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0082】
1,1A~1C…第1作業機、20…電源装置(電池パック)、80…第1端末装置(管理機器)、90…第2端末装置(通信機器)、100…サーバ機器、100a…データベース。