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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】伝送線路及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01P 3/08 20060101AFI20240709BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H01P3/08 201
H01P3/08 102
H05K1/02 C
H05K1/02 N
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022565292
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 JP2021042514
(87)【国際公開番号】W WO2022113889
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2020198386
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池本 伸郎
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/130731(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/163728(WO,A2)
【文献】国際公開第2009/128598(WO,A1)
【文献】国際公開第2001/080347(WO,A1)
【文献】特開昭62-269401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 3/08
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に複数の絶縁体層が積層された構造を有する積層体と、
前記積層体に設けられており、かつ、前記上下方向に直交する前後方向に延びている第1信号導体層と、
前記積層体に設けられており、かつ、前記上下方向に見て、前記第1信号導体層と重なるように、前記第1信号導体層の上に設けられている第1グランド導体層と、
を備えており、
第1中空部が、前記第1信号導体層の上かつ前記第1グランド導体層の下に位置する部分を有するように、前記積層体に設けられており、
前記第1中空部は、前記上下方向に見て、前記第1信号導体層及び前記第1グランド導体層と重なっており、
前記複数の絶縁体層は、前記第1中空部の上に設けられている第1絶縁体層を含んでおり、
第1上開口が、前記第1グランド導体層に設けられており、
前記第1上開口の少なくともの一部分は、前記上下方向に見て、前記第1中空部及び前記第1信号導体層と重なっている、
伝送線路。
【請求項2】
前記第1絶縁体層は、前記第1グランド導体層の上に設けられている、
請求項1に記載の伝送線路。
【請求項3】
第1絶縁体層開口が、前記第1絶縁体層に設けられており、
前記第1絶縁体層開口は、前記上下方向に見て、前記第1上開口と重なっている、
請求項2に記載の伝送線路。
【請求項4】
複数の前記第1上開口が、前記第1グランド導体層に設けられており、
前記複数の第1上開口は、前記前後方向に並んでいる、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の伝送線路。
【請求項5】
前記積層体は、曲げ区間及び非曲げ区間を有しており、
前記曲げ区間は、前記非曲げ区間における前記上下方向に前記非曲げ区間に対して折り曲げられており、
前記複数の第1上開口は、前記曲げ区間に設けられている1以上の曲げ区間第1上開口を含んでいる、
請求項4に記載の伝送線路。
【請求項6】
前記曲げ区間は、前記非曲げ区間における上方向に前記非曲げ区間に対して折り曲げられており、
前記1以上の曲げ区間第1上開口の前記前後方向の長さの総和をWtotalと定義し、
前記曲げ区間における前記第1信号導体層の半径をRcと定義し、
前記曲げ区間における前記第1グランド導体層の半径をRiと定義し、
前記曲げ区間の中心角をθと定義し、
下記式(1)を満足する、
請求項5に記載の伝送線路。
Wtotal≧(Rc-Ri)×θ・・・(1)
【請求項7】
前記伝送線路は、
前記積層体に設けられており、かつ、前記上下方向に見て、前記第1信号導体層と重なるように、前記第1信号導体層の下に設けられている第2グランド導体層を更に備えており、
第2中空部が、前記第1信号導体層の下かつ前記第2グランド導体層の上に位置するように、前記積層体に設けられており、
前記第2中空部は、前記上下方向に見て、前記第1信号導体層及び前記第2グランド導体層と重なっており、
複数の絶縁体層は、前記第2中空部の下に設けられている第2絶縁体層を含んでおり、
前記第2グランド導体層には、下開口が設けられており、
前記下開口の少なくともの一部分は、前記上下方向に見て、前記第2中空部と重なっている、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の伝送線路。
【請求項8】
複数の前記下開口が、前記第2グランド導体層に設けられており、
前記複数の下開口は、前記前後方向に並んでおり、
前記積層体は、曲げ区間及び非曲げ区間を有しており、
前記曲げ区間は、前記非曲げ区間における前記上下方向に前記非曲げ区間に対して折り曲げられており、
前記複数の下開口は、前記曲げ区間に設けられている1以上の曲げ区間下開口を含んでいる、
請求項7に記載の伝送線路。
【請求項9】
前記複数の第1上開口の前記前後方向の長さは、前記複数の下開口の前記前後方向の長さより大きい、
請求項8に記載の伝送線路。
【請求項10】
前記第1上開口の左端及び/又は右端における前記前後方向の長さは、前記第1上開口の左右方向の中央における前記前後方向の長さより大きい、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の伝送線路。
【請求項11】
前記第1上開口は、前記左右方向に延びる左右方向スリット部と、前記左右方向スリット部の左端に設けられ、かつ、前記前後方向に延びる左端前後方向スリット部と、前記左右方向スリット部の右端に設けられ、かつ、前記前後方向に延びる右端前後方向スリット部と、を含んでいる、
請求項10に記載の伝送線路。
【請求項12】
前記伝送線路は、
前記積層体に設けられており、かつ、前記前後方向に延びている第2信号導体層を、
更に備えており、
前記第2信号導体層は、前記第1信号導体層の左又は右に設けられており、
第2中空部が、前記第2信号導体層の上かつ前記第1グランド導体層の下に位置するように、前記積層体に設けられており、
前記第2中空部は、前記上下方向に見て、前記第2信号導体層及び前記第1グランド導体層と重なっている、
請求項1にないし請求項11のいずれかに記載の伝送線路。
【請求項13】
複数の前記第1上開口及び複数の第2上開口が、前記第1グランド導体層に設けられており、
前記複数の第2上開口少なくともの一部分は、前記上下方向に見て、前記第2中空部及び前記第2信号導体層と重なっており、
前記複数の第1上開口及び前記複数の第2上開口は、前記前後方向に並んでいる、
請求項12に記載の伝送線路。
【請求項14】
前記複数の第1上開口の前記前後方向における位置と前記複数の第2上開口の前記前後方向における位置とが異なることにより、前記複数の第1上開口と前記複数の第2上開口とが前記前後方向において交互に並んでいる、
請求項13に記載の伝送線路。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の伝送線路を、
備えている、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号が伝送される伝送線路及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の伝送線路に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のフレキシブルプリント配線板が知られている。このフレキシブルプリント配線板は、複数の絶縁性シートと信号線とシールド材とを備えている。複数の絶縁性シートは、上下方向に積層されることにより、積層体を構成している。信号線及びシールド材は、積層体に設けられている。空隙が、信号線とシールド材との間に設けられている。従って、信号線とシールド材とは、空隙を介して向かい合っている。また、複数のスリットが、シールド材に設けられている。複数のスリットは、上下方向に見て、信号線及び空隙と重なっている。特許文献1に記載のフレキシブルプリント配線板では、複数のスリットがシールド材に設けられているので、フレキシブルプリント配線板のフレキシブル性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-227052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のフレキシブルプリント配線板では、空隙の変形を抑制しつつ、フレキシブルプリント配線板のフレキシブル性を確保することが難しい。より詳細には、シールド材は、空隙の上において、絶縁性シートに支持されていない。更に、シールド材には、複数のスリットが設けられている。そのため、このフレキシブルプリント配線板では、シールド材が変形しやすいので、空隙が変形する場合がある。この場合、フレキシブルプリント配線板の特性インピーダンスが変化する。
【0005】
空隙の変形を抑制するためには、シールド材の強度を高くする必要がある。そこで、シールド材の厚みを大きくすればよい。しかしながら、シールド材が高い弾性率を有する。そのため、シールド材の厚みが大きくなると、フレキシブルプリント配線板のフレキシブル性が低下しやすい。
【0006】
そこで、本発明の目的は、中空部の変形を抑制しつつ、伝送線路のフレキシブル性を確保できる伝送線路及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る伝送線路は、
上下方向に複数の絶縁体層が積層された構造を有する積層体と、
前記積層体に設けられており、かつ、前記上下方向に直交する前後方向に延びている第1信号導体層と、
前記積層体に設けられており、かつ、前記上下方向に見て、前記第1信号導体層と重なるように、前記第1信号導体層の上に設けられている第1グランド導体層と、
を備えており、
第1中空部が、前記第1信号導体層の上かつ前記第1グランド導体層の下に位置するように、前記積層体に設けられており、
前記第1中空部は、前記上下方向に見て、前記第1信号導体層及び前記第1グランド導体層と重なっており、
前記複数の絶縁体層は、前記第1中空部の上に設けられている第1絶縁体層を含んでおり、
第1上開口が、前記第1グランド導体層に設けられており、
前記第1上開口の少なくともの一部分は、前記上下方向に見て、前記第1中空部及び前記第1信号導体層と重なっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る伝送線路及び電子機器によれば、中空部の変形を抑制しつつ、伝送線路のフレキシブル性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、伝送線路10の分解斜視図である。
図2図2は、図1のA-Aにおける伝送線路10の断面図である。
図3図3は、伝送線路10を備える電子機器1の左面図である。
図4図4は、伝送線路10の曲げ区間A2における断面図である。
図5図5は、伝送線路10aの断面図である。
図6図6は、伝送線路10bの絶縁体層16a,16c、第1グランド導体層24及び第2グランド導体層26の上面図である。
図7図7は、伝送線路10cの絶縁体層16a,16c、第1グランド導体層24及び第2グランド導体層26の上面図である。
図8図8は、伝送線路10dの断面図である。
図9図9は、伝送線路10eの断面図である。
図10図10は、伝送線路10eの絶縁体層16a及び第1グランド導体層24の上面図である。
図11図11は、伝送線路10fの絶縁体層16a及び第1グランド導体層24の上面図である。
図12図12は、伝送線路10gの断面図である。
図13図13は、伝送線路10hの断面図である。
図14図1は、伝送線路10iの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
[伝送線路の構造]
以下に、本発明の実施形態に係る伝送線路10の構造について図面を参照しながら説明する。図1は、伝送線路10の分解斜視図である。なお、図1では、複数の層間接続導体v1,v2の内の代表的な層間接続導体v1,v2にのみ参照符号を付した。図2は、図1のA-Aにおける伝送線路10の断面図である。
【0011】
本明細書において、方向を以下のように定義する。伝送線路10の積層体12の積層方向を上下方向と定義する。また、伝送線路10の第1信号導体層22が延びている方向を前後方向と定義する。また、第1信号導体層22の線幅方向を左右方向と定義する。上下方向、前後方向及び左右方向は、互いに直交している。
【0012】
以下では、Xは、伝送線路10の部品又は部材である。本明細書において、特に断りのない場合には、Xの各部について以下のように定義する。Xの前部とは、Xの前半分を意味する。Xの後部とは、Xの後半分を意味する。Xの左部とは、Xの左半分を意味する。Xの右部とは、Xの右半分を意味する。Xの上部とは、Xの上半分を意味する。Xの下部とは、Xの下半分を意味する。Xの前端とは、Xの前方向の端を意味する。Xの後端とは、Xの後方向の端を意味する。Xの左端とは、Xの左方向の端を意味する。Xの右端とは、Xの右方向の端を意味する。Xの上端とは、Xの上方向の端を意味する。Xの下端とは、Xの下方向の端を意味する。Xの前端部とは、Xの前端及びその近傍を意味する。Xの後端部とは、Xの後端及びその近傍を意味する。Xの左端部とは、Xの左端及びその近傍を意味する。Xの右端部とは、Xの右端及びその近傍を意味する。Xの上端部とは、Xの上端及びその近傍を意味する。Xの下端部とは、Xの下端及びその近傍を意味する。
【0013】
まず、図1を参照しながら、伝送線路10の構造について説明する。伝送線路10は、高周波信号を伝送する。伝送線路10は、スマートフォン等の電子機器において、2つの回路を電気的に接続するために用いられる。伝送線路10は、図1に示すように、積層体12、第1信号導体層22、第1グランド導体層24、第2グランド導体層26、グランド導体層27、信号端子28a,28b、グランド端子29a,29b,30a,30b、複数の層間接続導体v1,v2及び層間接続導体v3~v8を備えている。
【0014】
積層体12は、板形状を有している。従って、積層体12は、上主面及び下主面を有している。積層体12の上主面及び下主面は、前後方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。従って、積層体12の前後方向の長さは、積層体12の左右方向の長さより長い。
【0015】
積層体12は、図1に示すように、絶縁体層16a~16c,18a,18b,20a,20bを含んでいる。積層体12は、上下方向に絶縁体層20a,16a,18a,16b,18b,16c,20bが上から下へとこの順に積層された構造を有している。絶縁体層20a,16a~16c,18a,18b,20bは、上下方向に見て、積層体12と同じ長方形状を有している。絶縁体層16a~16cは、可撓性を有する誘電体シートである。絶縁体層16a~16cの材料は、例えば、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂は、例えば、液晶ポリマー、PTFE(ポリテトラフロオロエチレン)等の熱可塑性樹脂である。絶縁体層16a~16cの材料は、ポリイミドであってもよい。絶縁体層18a,18bは、樹脂層及び接着層を含んでいる。樹脂層の材料は、例えば、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂、アクリル樹脂等である。接着層は、絶縁体層18aの樹脂層の下主面及び絶縁体層18bの上主面に塗布されている。このように、絶縁体層18a,18bの材料は、絶縁体層16a~16cの材料と異なっている。また、絶縁体層16a~16c,18a,18bの材料の弾性率は、後述する第1グランド導体層24の材料の弾性率及び第2グランド導体層26の材料の弾性率より低い。絶縁体層20は、例えば、液晶ポリマー又はポリイミドに接着剤を塗布したシートである。
【0016】
ただし、絶縁体層18a,18bは、接着層として機能してもよい。この場合、絶縁体層18aは、絶縁体層18aの上に存在する絶縁体層16aと絶縁体層18aの下に存在する絶縁体層16bとを接合する接着層として機能する。絶縁体層18bは、絶縁体層18bの上に存在する絶縁体層16bと絶縁体層18bの下に存在する絶縁体層16cとを接合する接着層として機能する。従って、絶縁体層18a,18bは、シート状の接着剤である。
【0017】
第1信号導体層22は、図1に示すように、積層体12に設けられている。本実施形態では、第1信号導体層22は、絶縁体層16bの上主面に設けられている。これにより、第1信号導体層22は、積層体12内に設けられている。第1信号導体層22は、線形状を有している。第1信号導体層22は、前後方向に延びている。第1信号導体層22は、絶縁体層16bの上主面の左右方向の中央に位置している。
【0018】
第1グランド導体層24は、図1に示すように、積層体12に設けられている。第1グランド導体層24は、上下方向に見て、第1信号導体層22と重なるように、第1信号導体層22の上に設けられている。本明細書において、「第1グランド導体層24は、第1信号導体層22の上に設けられている。」とは、以下の状態を指す。第1グランド導体層24の少なくとも一部分は、第1信号導体層22が上方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。よって、第1グランド導体層24は、第1信号導体層22が上方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっていてもよいし、第1信号導体層22が上方向に平行移動するときに通過する領域から突出していてもよい。ここで、本実施形態では、第1グランド導体層24は、絶縁体層16aの下主面に設けられている。また、第1グランド導体層24は、絶縁体層16aの下主面の略全面を覆っている。そのため、第1グランド導体層24は、第1信号導体層22が上方向に平行移動するときに通過する領域から突出している。
【0019】
第2グランド導体層26は、図1に示すように、積層体12に設けられている。第2グランド導体層26は、上下方向に見て、第1信号導体層22と重なるように、第1信号導体層22の下に設けられている。本実施形態では、第2グランド導体層26は、絶縁体層16cの上主面に設けられている。また、第2グランド導体層26は、絶縁体層16cの上主面の略全面を覆っている。以上のような第1信号導体層22、第1グランド導体層24及び第2グランド導体層26は、ストリップライン構造を有している。
【0020】
グランド導体層27は、絶縁体層16bの上主面に設けられている。グランド導体層27は、第1信号導体層22の周囲を囲んでいる。
【0021】
複数の層間接続導体v1,v2は、第1グランド導体層24と第2グランド導体層26とグランド導体層27とを電気的に接続している。より詳細には、複数の層間接続導体v1,v2は、絶縁体層16a~16c,18a,18bを上下方向に貫通している。複数の層間接続導体v1,v2の上端部は、第1グランド導体層24に接続されている。複数の層間接続導体v1,v2の下端部は、第2グランド導体層26に接続されている。複数の層間接続導体v1,v2の中間部は、グランド導体層27に接続されている。複数の層間接続導体v1は、第1信号導体層22の左に設けられている。複数の層間接続導体v1は、前後方向において等間隔に一列に並んでいる。複数の層間接続導体v2は、第1信号導体層22の右に設けられている。複数の層間接続導体v2は、前後方向において等間隔に一列に並んでいる。ただし、複数の層間接続導体v1,v2は、後述する非曲げ区間A1,A3に設けられ、後述する曲げ区間A2には設けられていない。
【0022】
信号端子28aは、積層体12の上主面に設けられている。より詳細には、信号端子28aは、絶縁体層16aの上主面の前端部に設けられている。信号端子28aは、上下方向に見て、第1信号導体層22の前端部と重なっている。信号端子28aは、上下方向に見て、長方形状を有している。
【0023】
層間接続導体v3は、信号端子28aと第1信号導体層22とを電気的に接続している。具体的には、層間接続導体v3は、絶縁体層16a,18aを上下方向に貫通している。層間接続導体v3の上端は、信号端子28aに接続されている。層間接続導体v3の下端は、第1信号導体層22の左端部に接続されている。これにより、信号端子28aは、第1信号導体層22と電気的に接続されている。また、層間接続導体v3が第1グランド導体層24と絶縁されるように、層間接続導体v3の周囲には第1グランド導体層24が設けられていない。高周波信号は、信号端子28aを介して、第1信号導体層22に入出力する。
【0024】
なお、信号端子28b及び層間接続導体v4は、信号端子28a及び層間接続導体v3と前後対称な構造を有する。従って、信号端子28b及び層間接続導体v4の説明を省略する。
【0025】
グランド端子29aは、積層体12の上主面に設けられている。より詳細には、グランド端子29aは、絶縁体層16aの上主面の前端部に設けられている。グランド端子29aは、信号端子28aの左に設けられている。グランド端子29aは、上下方向に見て、第1グランド導体層24と重なっている。グランド端子29aは、上下方向に見て、長方形状を有している。
【0026】
層間接続導体v5は、グランド端子29aと第1グランド導体層24と第2グランド導体層26とグランド導体層27とを電気的に接続している。具体的には、層間接続導体v5は、絶縁体層16a~16c,18a,18bを上下方向に貫通している。層間接続導体v5の上端は、グランド端子29aに接続されている。層間接続導体v5の中間部は、第1グランド導体層24及びグランド導体層27に接続されている。層間接続導体v5の下端は、第2グランド導体層26に接続されている。第1グランド導体層24は、グランド端子29aを介して、グランド電位に接続される。なお、グランド端子30a及び層間接続導体v6は、グランド端子29a及び層間接続導体v5の構造と左右対称な構造を有する。従って、グランド端子30a及び層間接続導体v6の説明を省略する。
【0027】
また、グランド端子29b,30b及び層間接続導体v7,v8は、グランド端子29a,30a及び層間接続導体v5,v6の構造と前後対称な構造を有する。従って、グランド端子29b,30b及び層間接続導体v7,v8の説明を省略する。
【0028】
以上のような第1信号導体層22、第1グランド導体層24、第2グランド導体層26、グランド導体層27、信号端子28a,28b及びグランド端子29a,29b,30a,30bは、例えば、絶縁体層16a~16cの上主面又は下主面に設けられた金属箔にエッチングが施されることにより形成されている。金属箔は、例えば、銅箔である。また、層間接続導体v1~v8は、例えば、スルーホール導体である。スルーホール導体は、絶縁体層16a~16c,18a,18bに貫通孔を形成し、貫通孔にメッキを施すことにより作製される。なお、層間接続導体v1~v8は、ビアホール導体であってもよい。ビアホール導体は、絶縁体層16a~16c,18a,18bに貫通孔を形成し、貫通孔に導電性ペーストを充填し、導電性ペーストを焼結させることにより作製される。
【0029】
絶縁体層20a,20bは、可撓性を有する絶縁体層である。絶縁体層20a,20bは、上下方向に見て、積層体12と同じ長方形状を有している。このような絶縁体層20aは、積層工程前に絶縁体層16aに貼り付けられる。同様に、絶縁体層20bは、積層工程前に絶縁体層16cに貼り付けられる。
【0030】
絶縁体層20aは、絶縁体層16aの上主面の略全面を覆っている。これにより、絶縁体層20aは、第1グランド導体層24を保護している。ただし、絶縁体層20aには、開口h1~h6が設けられている。開口h1は、上下方向に見て、信号端子28aと重なっている。これにより、信号端子28aは、開口h1を介して伝送線路10から外部に露出している。開口h2は、開口h1の左に設けられている。開口h2は、上下方向に見て、グランド端子29aと重なっている。これにより、グランド端子29aは、開口h2を介して伝送線路10から外部に露出している。開口h3は、開口h1の右に設けられている。開口h3は、上下方向に見て、グランド端子30aと重なっている。これにより、グランド端子30aは、開口h3を介して伝送線路10から外部に露出している。なお、開口h4~h6の構造はそれぞれ、開口h1~h3の構造と前後対称である。従って、開口h4~h6の説明を省略する。
【0031】
次に、第1中空部H1及び中空部H2について説明する。第1中空部H1は、第1信号導体層22の上かつ第1グランド導体層24の下に位置するように、積層体12に設けられている。より詳細には、絶縁体層18aには、図2に示すように、絶縁体層18aを上下方向に貫通する第1中空部H1が設けられている。第1中空部H1は、図1に示すように、上下方向に見て、前後方向に延びている。第1中空部H1は、絶縁体層18aの左右方向の中央に設けられている。これにより、第1中空部H1は、上下方向に見て、第1信号導体層22及び第1グランド導体層24と重なっている。従って、第1信号導体層22と第1グランド導体層24とは、図2に示すように、第1中空部H1を介して、互いに向かい合っている。
【0032】
中空部H2は、第1信号導体層22の下かつ第2グランド導体層26の上に位置するように、積層体12に設けられている。より詳細には、絶縁体層18bには、図2に示すように、絶縁体層18bを上下方向に貫通する中空部H2が設けられている。中空部H2は、図1に示すように、上下方向に見て、前後方向に延びている。中空部H2は、絶縁体層18bの左右方向の中央に設けられている。これにより、中空部H2は、上下方向に見て、第1信号導体層22及び第2グランド導体層26と重なっている。
【0033】
次に、第1上開口60、下開口62、第1絶縁体層開口64及び第2絶縁体層開口66について説明する。複数の第1上開口60が、第1グランド導体層24に設けられている。本明細書において、開口とは、グランド導体層又は絶縁体層において導体又は絶縁材料が存在しない領域である。開口の外縁は、環状を有している。従って、開口は、導体又は絶縁材料により周囲を囲まれている。複数の第1上開口60は、上下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。すなわち、複数の第1上開口60は、左右方向に延びるスリットである。複数の第1上開口60は、第1グランド導体層24の左右方向の中央に設けられている。これにより、複数の第1上開口60の少なくともの一部分は、上下方向に見て、第1中空部H1及び第1信号導体層22と重なっている。このような、複数の第1上開口60は、前後方向に並んでいる。本実施形態では、複数の第1上開口60は、前後方向に等間隔に並んでいる。
【0034】
ところで、複数の絶縁体層16a~16c,18a,18b,20a,20bは、第1中空部H1の上に設けられている絶縁体層16a(第1絶縁体層)を含んでいる。絶縁体層16a(第1絶縁体層)は、第1グランド導体層24の上に設けられている。そして、複数の第1絶縁体層開口64が、絶縁体層16a(第1絶縁体層)に設けられている。複数の第1絶縁体層開口64は、上下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。すなわち、複数の第1絶縁体層開口64は、左右方向に延びるスリットである。複数の第1絶縁体層開口64のそれぞれは、上下方向に見て、複数の第1上開口60と重なっている。本実施形態では、第1絶縁体層開口64の形状は、上下方向に見て、第1上開口60の形状と同じである。そして、第1絶縁体層開口64の外縁の全体は、上下方向に見て、第1上開口60の外縁の全体と一致している。このように、第1上開口60と第1絶縁体層開口64とは、一つの空間を形成している。更に、図2に示すように、第1上開口60及び第1絶縁体層開口64は、第1中空部H1と繋がっている。
【0035】
複数の下開口62及び第2絶縁体層開口66の構造は、複数の第1上開口60及び第1絶縁体層開口64の構造と上下対称である。すなわち、複数の下開口62及び第2絶縁体層開口66の形状及び大きさは、複数の第1上開口60及び第1絶縁体層開口64の形状及び大きさと同じである。より詳細には、複数の下開口62が、第2グランド導体層26に設けられている。複数の下開口62は、上下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。すなわち、複数の下開口62は、左右方向に延びるスリットである。下開口62は、第2グランド導体層26の左右方向の中央に設けられている。これにより、下開口62の少なくともの一部分は、上下方向に見て、中空部H2及び第1信号導体層22と重なっている。このような、複数の下開口62は、前後方向に並んでいる。本実施形態では、複数の下開口62は、前後方向に等間隔に並んでいる。
【0036】
ところで、複数の絶縁体層16a~16c,18a,18b,20a,20bは、中空部H2の下に設けられている絶縁体層16c(第2絶縁体層)を含んでいる。絶縁体層16c(第2絶縁体層)は、第2グランド導体層26の下に設けられている。そして、複数の第2絶縁体層開口66が、絶縁体層16c(第2絶縁体層)に設けられている。複数の第2絶縁体層開口66は、上下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。すなわち、複数の第2絶縁体層開口66は、左右方向に延びるスリットである。複数の第2絶縁体層開口66のそれぞれは、上下方向に見て、複数の下開口62と重なっている。本実施形態では、第2絶縁体層開口66の形状は、上下方向に見て、下開口62の形状と同じである。そして、第2絶縁体層開口66の外縁の全体は、上下方向に見て、下開口62の外縁の全体と一致している。このように、下開口62と第2絶縁体層開口66とは、一つの空間を形成している。更に、図2に示すように、下開口62及び第2絶縁体層開口66は、中空部H2と繋がっている。
【0037】
[電子機器の構造]
次に、伝送線路10を備える電子機器1の構造について図面を参照しながら説明する。図3は、伝送線路10を備える電子機器1の左面図である。図4は、伝送線路10の曲げ区間A2における断面図である。電子機器1は、例えば、携帯無線通信端末である。電子機器1は、例えば、スマートフォンである。
【0038】
伝送線路10は、図3に示すように、折り曲げられる。「伝送線路10が折り曲げられる」とは、伝送線路10に外力が加えられることにより伝送線路10が変形して曲がっていることを意味する。伝送線路10は、非曲げ区間A1、曲げ区間A2及び非曲げ区間A3を有している。曲げ区間A2は、伝送線路10が折り曲げられる区間である。非曲げ区間A1,A3は、伝送線路10が折り曲げられない区間である。そして、電子機器1におけるx軸、y軸及びz軸を以下の様に定義する。x軸は、非曲げ区間A1での前後方向に延びている。y軸は、非曲げ区間A1での左右方向に延びている。z軸は、非曲げ区間A1での上下方向に延びている
【0039】
曲げ区間A2は、図4に示すように、z軸方向に折り曲げられる。従って、上下方向及び前後方向は、図4に示すように、伝送線路10の位置によって異なる。積層体12が折り曲げられていない非曲げ区間A1(例えば、(1)の位置)では、上下方向及び前後方向のそれぞれは、z軸方向及びx軸方向と一致する。一方、積層体12が折り曲げられている曲げ区間A2(例えば、(2)の位置)では、上下方向及び前後方向のそれぞれは、z軸方向及びx軸方向と一致しない。
【0040】
電子機器1は、図4に示すように、伝送線路10、コネクタ32a,32b,102a,102b、回路基板100,110を備えている。
【0041】
回路基板100,110は、板形状を有している。回路基板100は、主面S5,S6を有している。主面S5は、主面S6よりz軸の負方向側に位置する。回路基板110は、主面S11,S12を有している。主面S11は、主面S12よりx軸の負方向側に位置する。回路基板100,110は、図示しない配線導体層やグランド導体層、電極等を含んでいる。
【0042】
コネクタ32aは、非曲げ区間A1のz軸の正方向側の主面(上主面)に実装されている。コネクタ32aは、開口h1~h3から露出している信号端子28a及びグランド端子29a,30aに実装される。コネクタ32bは、非曲げ区間A3のx軸の負方向側の主面(上主面)に実装されている。コネクタ32bは、開口h4~h6から露出している信号端子28b及びグランド端子29b,30bに実装される。
【0043】
コネクタ102a,102bのそれぞれは、回路基板100の主面S5及び回路基板110の主面S12に実装されている。コネクタ102a,102bのそれぞれは、コネクタ32a,32bに接続されている。これにより、伝送線路10は、回路基板100と回路基板110とを電気的に接続している。
【0044】
ここで、曲げ区間A2について図4を参照しながらより詳細に説明する。曲げ区間A2は、z軸方向(非曲げ区間A1における上下方向)に非曲げ区間A1に対して折り曲げられている。本実施形態では、曲げ区間A2は、z軸方向の正方向(非曲げ区間A1における上方向)に非曲げ区間A1に対して折り曲げられている。複数の第1上開口60は、曲げ区間A2に設けられている1以上の曲げ区間第1上開口600を含んでいる。本実施形態では、全ての第1上開口60は、曲げ区間A2に設けられている。従って、全ての第1上開口60は、曲げ区間第1上開口600である。
【0045】
ここで、複数の曲げ区間第1上開口600の前後方向の長さの総和をWtotalと定義する。曲げ区間A2における第1信号導体層22の半径をRcと定義する。曲げ区間A2における第1グランド導体層24の半径をRiと定義する。曲げ区間A2の中心角をθと定義する。このとき、下記式(1)を満足する。
Wtotal≧(Rc-Ri)×θ・・・(1)
複数の下開口62は、曲げ区間A2に設けられている1以上の曲げ区間下開口620を含んでいる。本実施形態では、全ての下開口62は、曲げ区間A2に設けられている。従って、全ての下開口62は、曲げ区間下開口620である。
【0046】
[効果]
伝送線路10によれば、伝送線路10の伝送損失の低減を図ることができる。より詳細には、絶縁体層18aには、第1中空部H1が設けられている。低い誘電率及び低い誘電正接を有する空気が第1中空部H1内に存在する。そのため、第1信号導体層22の周囲の誘電率及び誘電正接が低くなる。その結果、伝送線路10では、第1信号導体層22を伝送される高周波信号に誘電損が発生することが抑制されるので、伝送線路10の伝送損失が低くなる。中空部H2も、第1中空部H1と同じ理由により、伝送線路10の伝送損失の低減に寄与する。
【0047】
伝送線路10によれば、第1中空部H1の変形を抑制しつつ、伝送線路10のフレキシブル性を確保できる。より詳細には、伝送線路10では、複数の第1上開口60が、第1グランド導体層24に設けられている。これにより、第1グランド導体層24が変形しやすくなるので、伝送線路10のフレキシブル性が向上する。ただし、第1上開口60が第1グランド導体層24に設けられると、第1中空部H1の変形の原因となるような第1グランド導体層24の変形が生じる場合がある。
【0048】
そこで、複数の絶縁体層16a~16c,18a,18b,20a,20bは、第1中空部H1の上に設けられている絶縁体層16a(第1絶縁体層)を含んでいる。これにより、第1グランド導体層24は、絶縁体層16aにより支持されるようになる。その結果、伝送線路10によれば、第1グランド導体層24の厚みを大きくすることなく、第1中空部H1の変形の原因となるような第1グランド導体層24の変形を抑制できる。これにより、第1中空部H1の変形による伝送線路10の特性インピーダンスの変動が抑制され、伝送線路10において高周波信号の反射が発生することが抑制される。以上のように、伝送線路10によれば、第1中空部H1の変形を抑制しつつ、伝送線路10のフレキシブル性を確保できる。
【0049】
伝送線路10によれば、第1グランド導体層24の加工が容易である。より詳細には、複数の絶縁体層16a~16c,18a,18b,20a,20bは、第1中空部H1の上に設けられている絶縁体層16a(第1絶縁体層)を含んでいる。これにより、第1グランド導体層24は、絶縁体層16aにより支持されるようになる。そのため、絶縁体層16aに貼り付けられた銅箔をエッチングすることにより、第1グランド導体層24を形成することができる。従って、第1グランド導体層24を容易に精度よく形成できる。更に、第1グランド導体層24と信号端子28a,28bとグランド端子29a,29b,30a,30bとを同時に形成できる。そのため、第1グランド導体層24と信号端子28a,28bとグランド端子29a,29b,30a,30bとの位置ずれが抑制される。
【0050】
伝送線路10では、絶縁体層16aは、第1グランド導体層24の上に設けられている。これにより、第1グランド導体層24が絶縁体層16aにより覆われる。第1グランド導体層24が伝送線路10から外部に露出することが抑制される。その結果、第1グランド導体層24が外部の導体と接触することにより、ショートが発生することが抑制される。
【0051】
伝送線路10によれば、非曲げ区間A1,A3では、第1グランド導体層24に開口が設けられていない。これにより、非曲げ区間A1,A3において、第1信号導体層22から伝送線路10の外部に電磁波が放射されることが抑制される。その結果、電磁波の放射による損失が、第1信号導体層22を伝送される高周波信号に発生しにくい。
【0052】
伝送線路10によれば、非曲げ区間A1,A3では、第1グランド導体層24に開口が設けられていない。非曲げ区間A1,A3において、伝送線路10に金属体が近づけられたときに、第1信号導体層22と金属体との間に容量が形成されにくい。その結果、非曲げ区間A1,A3において、第1信号導体層22に発生している特性インピーダンスが変動しにくい。
【0053】
伝送線路10によれば、複数の第1上開口60は、曲げ区間A2に設けられている。これにより、非曲げ区間A1,A3より曲げ区間A2が変形しやすくなる。その結果、伝送線路10を折り曲げる際に、意図しない部分が折れ曲がることが抑制される。
【0054】
伝送線路10によれば、第1上開口60がつぶれることが抑制される。より詳細には、第1グランド導体層24は、第1信号導体層22の上に設けられている。そのため、曲げ区間A2が、z軸方向の正方向に非曲げ区間A1に対して折り曲げられると、第1グランド導体層24は、第1信号導体層22より内側に位置する。従って、第1グランド導体層24が前後方向に圧縮応力を受けるようになる。この場合、第1上開口60の前後方向の長さが短くなる。そして、第1上開口60がつぶれると、第1上開口60の2本の長辺同士が接触する。第1上開口60の2本の長辺同士が接触すると、第1グランド導体層24が過大な応力を受けて、第1グランド導体層24が破損する可能性がある。
【0055】
そこで、伝送線路10では、以下の式(1)が満足される。
Wtotal≧(Rc-Ri)×θ・・・(1)
複数の曲げ区間第1上開口600の前後方向の長さの総和:Wtotal
曲げ区間A2における第1信号導体層22の半径:Rc
曲げ区間A2における第1グランド導体層24の半径:Ri
曲げ区間A2の中心角:θ
これにより、第1上開口60がつぶれることが抑制され、第1上開口60の2本の長辺同士が接触することが抑制される。その結果、第1グランド導体層24が破損することが抑制される。
【0056】
伝送線路10では、複数の第1絶縁体層開口64が、絶縁体層16aに設けられている。そして、複数の第1絶縁体層開口64のそれぞれは、上下方向に見て、複数の第1上開口60と重なっている。これにより、複数の第1上開口60及び複数の第1絶縁体層開口64を同時に形成することができる。
【0057】
伝送線路10では、絶縁体層16bと絶縁体層18aとが剥離することが抑制される。より詳細には、グランド導体層27の左部の右端部が第1中空部H1内に位置していないと、グランド導体層27の左部の右端部は、絶縁体層16bと絶縁体層18aとの間に位置する。この場合、第1中空部H1を形成する中空部形成面の左部の下端P0近傍において、絶縁体層16bと絶縁体層18aとの間に隙間が形成される。このような隙間は、絶縁体層16bと絶縁体層18aとの剥離の原因となる。そこで、グランド導体層27の左部の右端部は、第1中空部H1内に位置している。これにより、第1中空部H1を形成する中空部形成面の左部の下端P0近傍において、絶縁体層16bと絶縁体層18aとの間に隙間が形成されない。その結果、伝送線路10では、絶縁体層16bと絶縁体層18aとが剥離することが抑制される。
【0058】
伝送線路10では、絶縁体層20aは、積層工程前に絶縁体層16aに貼り付けられる。そのため、絶縁体層20aは、第1中空部H1の形成前に絶縁体層16aに貼り付けられる。同様に、絶縁体層20bは、積層工程前に絶縁体層16cに貼り付けられる。そのため、絶縁体層20bは、中空部H2の形成前に絶縁体層16bに貼り付けられる。これにより、絶縁体層20a,20bの積層の際に、第1中空部H1及び中空部H2が変形することが抑制される。
【0059】
(第1変形例)
以下に、第1変形例に係る伝送線路10aについて図面を参照しながら説明する。図5は、伝送線路10aの断面図である。
【0060】
伝送線路10aは、第1絶縁体層開口64及び第2絶縁体層開口66が設けられていない点において、伝送線路10と相違する。これにより、第1中空部H1及び中空部H2に異物が侵入することが抑制される。その結果、異物に起因する伝送線路10の高周波特性の劣化や、第1信号導体層22のショートの発生等を抑制できる。なお、伝送線路10aのその他の構造は、伝送線路10の構造と同じであるので説明を省略する。なお、伝送線路10aは、伝送線路10と同じ効果を奏することができる。
【0061】
また、伝送線路10aでは、第1グランド導体層24のエッチングと同時に、第1上開口60を形成することができる。
【0062】
(第2変形例)
以下に、第2変形例に係る伝送線路10bについて図面を参照しながら説明する。図6は、伝送線路10bの絶縁体層16a,16c、第1グランド導体層24及び第2グランド導体層26の上面図である。
【0063】
伝送線路10bは、第1上開口60及び下開口62のサイズにおいて、伝送線路10と相違する。より詳細には、複数の第1上開口60の前後方向の長さは、複数の下開口62の前後方向の長さより大きい。これにより、曲げ区間A2が上方向に折り曲げられた際に、第1上開口60がつぶれることがより抑制される。なお、伝送線路10bのその他の構造は、伝送線路10の構造と同じであるので説明を省略する。なお、伝送線路10bは、伝送線路10と同じ効果を奏することができる。
【0064】
伝送線路10bによれば、曲げ区間A2が曲げられると、第1上開口60の前後方向の長さと下開口62の前後方向の長さとが近づく。すなわち、伝送線路10bの上半分の構造と伝送線路10bの下半分の構造とが近づく。また、曲げ区間A2が曲げられると、下開口62は前後方向の長さが大きくなる。しかしながら、第1上開口60の前後方向の長さが下開口62の前後方向の長さより大きいので、下開口62の前後方向の長さが大きくなりすぎない。その結果、下開口62からの電磁波の放射や下開口62からの異物侵入のリスクが抑えられる。
【0065】
(第3変形例)
以下に、第3変形例に係る伝送線路10cについて図面を参照しながら説明する。図7は、伝送線路10cの絶縁体層16a,16c、第1グランド導体層24及び第2グランド導体層26の上面図である。
【0066】
伝送線路10cは、第1上開口60及び下開口62の形状において、伝送線路10と相違する。より詳細には、第1上開口60は、上下方向に見て、H字形状を有している。第1上開口60は、左右方向スリット部71a、左端前後方向スリット部72a及び右端前後方向スリット部73aを含んでいる。左右方向スリット部71aは、左右方向に延びている。左端前後方向スリット部72aは、左右方向スリット部71aの左端に設けられ、かつ、前後方向に延びている。右端前後方向スリット部73aは、左右方向スリット部71aの右端に設けられ、かつ、前後方向に延びている。これにより、第1上開口60の左端及び右端における前後方向の長さは、第1上開口60の左右方向の中央における前後方向の長さより大きい。なお、下開口62の形状は、第1上開口60の形状と同じであるので説明を省略する。伝送線路10cのその他の構造は、伝送線路10の構造と同じであるので説明を省略する。なお、伝送線路10cは、伝送線路10と同じ効果を奏することができる。
【0067】
伝送線路10cでは、第1上開口60の左端及び右端における前後方向の長さは、第1上開口60の左右方向の中央における前後方向の長さより大きい。曲げ区間A2が折り曲げられたときに、第1グランド導体層24において第1上開口60の左端近傍及び右端近傍に応力が集中することが抑制される。これにより、第1グランド導体層24が破損することが抑制される。
【0068】
なお、図7では、第1上開口60は、第1上開口60の左右方向の中央から第1上開口60の左端に近づくにしたがって前後方向が大きくなり、かつ、第1上開口60の左右方向の中央から第1上開口60の右端に近づくにしたがって前後方向が大きくなる形状を有していてもよい。
【0069】
(第4変形例)
以下に、第4変形例に係る伝送線路10dについて図面を参照しながら説明する。図8は、伝送線路10dの断面図である。
【0070】
伝送線路10dは、第1グランド導体層24の位置及び第2グランド導体層26の位置において、伝送線路10と相違する。より詳細には、第1グランド導体層24は、絶縁体層16aの上主面に設けられている。第2グランド導体層26は、絶縁体層16cの下主面に設けられている。伝送線路10dのその他の構造は、伝送線路10の構造と同じであるので説明を省略する。伝送線路10dは、伝送線路10と同じ効果を奏することができる。なお、伝送線路10a~10cにおいても、第1グランド導体層24が絶縁体層16aの上主面に設けられ、第2グランド導体層26が絶縁体層16cの下主面に設けられてもよい。
【0071】
(第5変形例)
以下に、第5変形例に係る伝送線路10eについて図面を参照しながら説明する。図9は、伝送線路10eの断面図である。図10は、伝送線路10eの絶縁体層16a及び第1グランド導体層24の上面図である。
【0072】
伝送線路10eは、第2信号導体層22a,22bを備えている点、及び、第2中空部H1a,H1b及び中空部H2a,H2bが設けられている点において、伝送線路10と相違する。より詳細には、第2信号導体層22a,22bは、積層体12に設けられており、かつ、前後方向に延びている。第2信号導体層22a,22bは、絶縁体層16bの上主面に設けられている。第2信号導体層22aは、第1信号導体層22の左に設けられている。第2信号導体層22bは、第1信号導体層22の右に設けられている。第1信号導体層22と第2信号導体層22aとは、差動伝送線路を構成していてもよい。また、第1信号導体層22と第2信号導体層22bとは、差動伝送線路を構成していてもよい。
【0073】
第2中空部H1aが、第2信号導体層22aの上かつ第1グランド導体層24の下に位置するように、積層体12に設けられている。第2中空部H1aは、上下方向に見て、第2信号導体層22a及び第1グランド導体層24と重なっている。第2中空部H1bが、第2信号導体層22bの上かつ第1グランド導体層24の下に位置するように、積層体12に設けられている。第2中空部H1bは、上下方向に見て、第2信号導体層22b及び第1グランド導体層24と重なっている。
【0074】
中空部H2aが、第2信号導体層22aの下かつ第2グランド導体層26の上に位置するように、積層体12に設けられている。中空部H2aは、上下方向に見て、第2信号導体層22a及び第2グランド導体層26と重なっている。中空部H2bが、第2信号導体層22bの下かつ第2グランド導体層26の上に位置するように、積層体12に設けられている。中空部H2bは、上下方向に見て、第2信号導体層22b及び第2グランド導体層26と重なっている。
【0075】
複数の第2上開口60a,60bが、第1グランド導体層24に設けられている。複数の第2上開口60aの少なくともの一部分は、上下方向に見て、第2中空部H1a及び第2信号導体層22aと重なっている。複数の第2上開口60bの少なくともの一部分は、上下方向に見て、第2中空部H1b及び第2信号導体層22bと重なっている。複数の第2上開口60a,60bは、前後方向に並んでいる。
【0076】
複数の下開口62a,62bが、第2グランド導体層26に設けられている。複数の下開口62aの少なくともの一部分は、上下方向に見て、中空部H2a及び第2信号導体層22aと重なっている。複数の下開口62bの少なくともの一部分は、上下方向に見て、中空部H2b及び第2信号導体層22bと重なっている。複数の下開口62a,62bは、前後方向に並んでいる。なお、伝送線路10eのその他の構造は、伝送線路10の構造と同じであるので説明を省略する。なお、伝送線路10eは、伝送線路10と同じ効果を奏することができる。
【0077】
(第6変形例)
以下に、第6変形例に係る伝送線路10fについて図面を参照しながら説明する。図11は、伝送線路10fの絶縁体層16a及び第1グランド導体層24の上面図である。
【0078】
伝送線路10fは、第1上開口60及び第2上開口60a,60bの配置において、伝送線路10eと相違する。より詳細には、複数の第1上開口60の前後方向における位置と複数の第2上開口60aの前後方向における位置とが異なることにより、複数の第1上開口60及び複数の第2上開口60aが前後方向において交互に並んでいる。従って、第2上開口60aは、第1上開口60の左に配置しない。複数の第1上開口60の前後方向における位置と複数の第2上開口60bの前後方向における位置とが異なることにより、複数の第1上開口60及び複数の第2上開口60bが前後方向において交互に並んでいる。従って、第2上開口60bは、第1上開口60の右に配置しない。これにより、曲げ区間A2が折り曲げられたときに、第1グランド導体層24に加わる応力が分散されるようになる。その結果、第1グランド導体層24の破損が抑制される。
【0079】
伝送線路10fのその他の構造は、伝送線路10eと同じであるので説明を省略する。なお、伝送線路10fは、伝送線路10eと同じ効果を奏することができる。
【0080】
(第7変形例)
以下に、第7変形例に係る伝送線路10gについて図面を参照しながら説明する。図12は、伝送線路10gの断面図である。
【0081】
伝送線路10gは、絶縁体層16d及びグランド導体層27a,27bを更に備えている点において、伝送線路10と相違する。より詳細には、絶縁体層16dは、絶縁体層16bの上に積層されている。これにより、第1信号導体層22は、絶縁体層16dと絶縁体層16bとの間に位置するようになる。第1信号導体層22が第1中空部H1に露出することがなくなる。その結果、第1信号導体層22が酸化等によって劣化することが抑制される。また、第1信号導体層22と第1グランド導体層24とのショートが防止される。
【0082】
また、グランド導体層27aは、絶縁体層16dの上主面に設けられている。グランド導体層27bは、絶縁体層16bの下主面に設けられている。グランド導体層27a,27bは、グランド導体層27と同じ形状を有している。伝送線路10gのその他の構造は、伝送線路10と同じであるので説明を省略する。なお、伝送線路10gは、伝送線路10と同じ効果を奏することができる。
【0083】
(第8変形例)
以下に、第8変形例に係る伝送線路10hについて図面を参照しながら説明する。図13は、伝送線路10hの断面図である。
【0084】
伝送線路10hは、第1グランド導体層24、第2グランド導体層26及びグランド導体層27が第1中空部H1及び中空部H2に露出していない点において、伝送線路10aと相違する。これにより、第1グランド導体層24、第2グランド導体層26及びグランド導体層27が酸化等によって劣化することが抑制される。また、第1信号導体層22と第1グランド導体層24、第2グランド導体層26及びグランド導体層27とのショートが防止される。
【0085】
(第9変形例)
以下に、第9変形例に係る伝送線路10iについて図面を参照しながら説明する。図14は、伝送線路10iの断面図である。
【0086】
伝送線路10iは、絶縁体層20aの一部分が第1絶縁体層開口64内及び第1上開口60内に位置している点、及び、絶縁体層20bの一部分が第1絶縁体層開口64内及び下開口62内に位置している点において、伝送線路10と相違する。絶縁体層20a,20bは、例えば、液晶ポリマー又はポリイミドに接着剤を塗布したシートである。そのため、絶縁体層20a,20bの接着剤が第1上開口60内及び下開口62内に侵入している。ただし、第1上開口60の一部分に絶縁体層20aが存在しており、第1上開口60の全体に絶縁体層20aが存在していない。下開口62の一部分に絶縁体層20bが存在しており、下開口62の全体に絶縁体層20bが存在していない。伝送線路10iのその他の構造は、伝送線路10と同じであるので説明を省略する。なお、伝送線路10iは、伝送線路10と同じ効果を奏することができる。
【0087】
また、絶縁体層20aの一部分が第1絶縁体層開口64内に位置しているので、絶縁体層20aが絶縁体層16aから剥離にしにくくなる。同様に、絶縁体層20aの一部分が第1絶縁体層開口64内に位置しているので、絶縁体層20bが絶縁体層16cから剥離しにくくなる。
【0088】
(その他の実施形態)
本発明に係る伝送線路は、伝送線路10,10a~10iに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。なお、伝送線路10,10a~10iの構成を任意に組み合わせてもよい。
【0089】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、信号端子28a,28b及びグランド端子29a,29b,30a,30bは、積層体12の下主面に設けられてもよい。
【0090】
なお、伝送線路10,10a~10iは、ストリップライン線路に加えて、他の回路を更に備えていてもよい。
【0091】
なお、伝送線路10,10a~10iには、コネクタ32a,32b以外に電子部品が実装されてもよい。
【0092】
なお、伝送線路10,10a~10iは、上下方向に見て、直線形状を有している。しかしながら、伝送線路10,10a~10iは、曲がっていてもよい。ここでの「伝送線路10,10a~10iが曲がっている」とは、伝送線路10,10a~10iに外力を加えない状態で曲がった形状を有していることを意味する。なお、この場合、前後方向は、第1信号導体層22の位置によって異なる。
【0093】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、第2グランド導体層26は、必須の構成ではない。この場合、第1信号導体層22と第1グランド導体層24とは、マイクロストリップライン構造を有する。
【0094】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、第1上開口60及び下開口62の数は、1以上であればよい。
【0095】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、複数の第1上開口60は、曲げ区間A2に設けられている1以上の曲げ区間第1上開口600を含んでいればよい。ただし、曲げ区間A2の前端近傍に一つの曲げ区間第1上開口600が設けられ、かつ、曲げ区間A2の後端近傍に一つの曲げ区間第1上開口600が設けられ、かつ、曲げ区間A2の前端と後端との間に1以上の曲げ区間第1上開口600が設けられることが好ましい。これにより、曲げ区間A2が折り曲げられやすくなる。
【0096】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、絶縁体層20a,20bは、必須ではない。
【0097】
なお、伝送線路10e,10gは、2本の信号伝送線路を備えていてもよいし、4本以上の信号伝送線路を備えていてもよい。
【0098】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、式(1)を満たしていなくてもよい。
【0099】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、中空部H2は、必須ではない。
【0100】
なお、伝送線路10cにおいて、第1上開口60の左端又は右端における前後方向の長さは、第1上開口60の左右方向の中央における前後方向の長さより大きければよい。従って、第1上開口60は、左端前後方向スリット部72a又は右端前後方向スリット部73aのいずれか一方を含んでいればよい。
【0101】
なお、伝送線路10cにおいて、第1上開口60の前後方向の長さは、第1上開口60の左右方向の中央から左端又は右端に近づくにしたがって、連続的又は段階的に大きくなってもよい。
【0102】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、第1上開口60の少なくともの一部分は、上下方向に見て、第1中空部H1及び第1信号導体層22と重なっていればよい。従って、第1上開口60の全体が、上下方向に見て、第1中空部H1及び第1信号導体層22と重なっていてもよい。第1上開口60の一部分が、上下方向に見て、第1中空部H1及び第1信号導体層22と重なっていてもよい。
【0103】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、複数の第1上開口60は、等間隔に並んでいなくてもよい。
【0104】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、複数の第1上開口60は、曲げ区間A2以外に設けられていてもよい。従って、複数の第1上開口60は、非曲げ区間A1,A3に設けられていてもよい。
【0105】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、複数の層間接続導体v1,v2は、曲げ区間A2には設けられていてもよい。
【0106】
なお、伝送線路10,10a~10iにおいて、第1中空部H1は、一つに繋がっていなくてもよい。従って、複数の第1中空部H1が積層体12に設けられていてもよい。同様に、複数の中空部H2が積層体12に設けられていてもよい。
【0107】
なお、伝送線路10において、グランド導体層27の左部の右端部が第1中空部H1内に位置していなくてもよい。
【0108】
なお、伝送線路10では、図2に示すように、第1上開口60の左右方向の幅及び第1絶縁体層開口64の左右方向の幅は、第1中空部H1の左右方向の幅と一致している。そのため、第1グランド導体層24の左部の右端部は、第1中空部H1内に突出していない。しかしながら、第1グランド導体層24の左部の右端部は、第1中空部H1内に突出していてもよい。
【0109】
なお、伝送線路10iにおいて、絶縁体層20aの一部分が第1絶縁体層開口64内に位置し、及び第1上開口60内に位置しなくてもよい。絶縁体層20bの一部分が第1絶縁体層開口64内に位置し、及び下開口62内に位置しなくてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1:電子機器
10,10a~10i:伝送線路
12:積層体
16a~16d,18a,18b、20a,20b:絶縁体層
22:第1信号導体層
22a,22b:第2信号導体層
24:第1グランド導体層
26:第2グランド導体層
27:グランド導体層
28a,28b:信号端子
29a,29b,30a,30b:グランド端子
60:第1上開口
60a,60b:第2上開口
62,62a,62b:下開口
64:第1絶縁体層開口
66:第2絶縁体層開口
71a:左右方向スリット部
72a:左端前後方向スリット部
73a:右端前後方向スリット部
600:曲げ区間第1上開口
620:曲げ区間下開口
A1,A3:非曲げ区間
A2:曲げ区間
H1:第1中空部
H1a,H1b:第2中空部
H2,H2a,H2b:中空部
h1~h6:開口
v1~v8:層間接続導体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14