(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】フレキシブル基板及び配線モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/298 20210101AFI20240709BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/519 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/59 20210101ALI20240709BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/202 201
H01M50/284
H01M50/507
H01M50/519
H01M50/588
H01M50/59
H05K1/02 B
(21)【出願番号】P 2023026956
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2021006350の分割
【原出願日】2021-01-19
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 暢之
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 慎一
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-228216(JP,A)
【文献】特開2022-097917(JP,A)
【文献】特開2019-023996(JP,A)
【文献】特開2020-057700(JP,A)
【文献】特開2015-138604(JP,A)
【文献】特開2020-013766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/50
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い形状を有する配線部と、前記配線部の長辺方向と交差する方向に前記配線部と離間して設けられる第1接続片と、前記配線部と前記第1接続片とを連結するブリッジ部と、を備え、
前記ブリッジ部は、前記配線部から前記長辺方向の一方側に延びる第1部分と、前記第1接続片から前記長辺方向の一方側に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続する折り返し部と、を備え
、
前記第1部分は、前記配線部の長辺方向と交差する方向について前記配線部の内側に配されている、フレキシブル基板。
【請求項2】
前記ブリッジ部は、切り欠き部を有し、伸縮可能に設けられている、請求項1に記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のフレキシブル基板と、
前記第1接続片と電気的に接続されるバスバーと、
プロテクタと、を備え、
前記プロテクタは、前記配線部が載置される配線面と、前記バスバーが配設されるバスバー配設部と、前記配線面と前記バスバー配設部との間に設けられ、上下方向に貫通する開口と、を有し、
前記ブリッジ部の少なくとも一部が、前記開口の上方または内部に配されている、配線モジュール。
【請求項4】
フレキシブル基板と、
バスバーと、
プロテクタと、を備え、
前記フレキシブル基板は、細長い形状を有する配線部と、前記配線部の長辺方向と交差する方向に前記配線部と離間して設けられる第1接続片と、前記配線部と前記第1接続片とを連結するブリッジ部と、を備え、
前記ブリッジ部は、前記配線部から前記長辺方向の一方側に延びる第1部分と、前記第1接続片から前記長辺方向の一方側に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続する折り返し部と、を備え、
前記バスバーは、前記第1接続片と電気的に接続され、
前記プロテクタは、前記配線部が載置される配線面と、前記バスバーが配設されるバスバー配設部と、前記配線面と前記バスバー配設部との間に設けられ、上下方向に貫通する開口と、を有し、
前記ブリッジ部の少なくとも一部が、前記開口の上方または内部に配されている、配線モジュール。
【請求項5】
前記ブリッジ部は、切り欠き部を有し、伸縮可能に設けられている、請求項
4に記載の配線モジュール。
【請求項6】
前記フレキシブル基板が接続され、前記プロテクタに載置される配線部材をさらに備える、請求項3
から請求項5のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項7】
前記配線部材は回路基板である、請求項
6に記載の配線モジュール。
【請求項8】
金属小片をさらに備え、
前記バスバーと前記第1接続片とは前記金属小片を介して接続されている、請求項3
から請求項7のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フレキシブル基板及び配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車等に用いられる高圧の電池パックは、多数の電池セルが積層され、バスバモジュールによって直列あるいは並列に電気接続された電池集合体を複数個備えて構成される。このような電池パックの電池状態検出装置として、従来、特開2018-054334号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1の電池状態検出装置は、バスバモジュールと一体に構成され、電池集合体の状態を検出するためのメインユニット及びサブユニットを備えて構成されている。メインユニット及びサブユニットは、リジッド基板からなり、フレキシブルプリント基板等から構成される電圧検出線により各電池セルと接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池パックは、通常、上記のような電池集合体を筐体の内部に収容して構成され、車両等の内部に配設される。電池集合体は、車両等の使用により発熱するため、筐体の外側の外気との温度差により、筐体の内部の電池集合体には結露水が生じやすくなっている。また、結露水は、埃等の汚損の原因ともなる。このように電池パック内に生じた結露や汚損は、特に、多くの電子部品が実装されているメインユニット及びサブユニットにおいて、短絡等の深刻な問題を引き起こすおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の配線モジュールは、複数の蓄電素子の上側に取り付けられる配線モジュールであって、前記複数の蓄電素子の電極端子に接続されるバスバーと、前記バスバーに設けられたバスバー側接続部と接続されるフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板と接続される回路基板と、前記バスバーと前記フレキシブル基板と前記回路基板とが載置されるプロテクタと、を備え、前記回路基板の上面は、前記バスバー側接続部の上面よりも上方に配されている、配線モジュールである。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、回路基板における結露及び汚損による短絡を抑制することが可能な配線モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態1にかかる蓄電モジュールが搭載された車両を示す模式図である。
【
図4】
図4は、
図3の状態からアウターカバーを除いた平面図である。
【
図6】
図6は、フレキシブル基板とバスバーとの接続、及びフレキシブル基板と回路基板との接続について示す
図5の拡大図である。
【
図7】
図7は、プロテクタの凹部周辺を示す
図5の拡大図である。
【
図8】
図8は、
図7のA-A断面における蓄電モジュールの断面図である。
【
図9】
図9は、
図7のB-B断面における蓄電モジュールの断面図である。
【
図14】
図14は、実施形態2にかかる止水壁を示す蓄電モジュールの断面図である。
【
図15】
図15は、実施形態3にかかる閉鎖部を示す蓄電モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0009】
(1)本開示の配線モジュールは、複数の蓄電素子の上側に取り付けられる配線モジュールであって、前記複数の蓄電素子の電極端子に接続されるバスバーと、前記バスバーに設けられたバスバー側接続部と接続されるフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板と接続される回路基板と、前記バスバーと前記フレキシブル基板と前記回路基板とが載置されるプロテクタと、を備え、前記回路基板の上面は、前記バスバー側接続部の上面よりも上方に配されている。
【0010】
このような構成によると、回路基板はフレキシブル基板を介してバスバー側接続部に接続されており、回路基板の上面はバスバー側接続部の上面よりも上方に配されているから、バスバーから回路基板への結露水の浸入を抑制することができる。
【0011】
(2)前記フレキシブル基板は、配線部と、前記バスバー側接続部の上面に重ねられ、接続される第1接続片と、前記配線部と前記第1接続片とを連結するブリッジ部を備え、前記プロテクタは、前記配線部が載置される配線面と、前記バスバーが配設されるバスバー配設部と、前記配線面と前記バスバー配設部との間に設けられ、上下方向に貫通する開口と、を有し、前記開口の上方または内部には、前記ブリッジ部の少なくとも一部が配されていることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、ブリッジ部に溜まった結露水が開口を通じて下方に排水されやすい。よって、結露水がブリッジ部を通じてバスバーからフレキシブル基板の配線部へと浸入することを抑制することができる。
【0013】
(3)前記配線面は、前記バスバー側接続部の上面よりも上方に配されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、フレキシブル基板の配線部は、第1接続片よりも上方に配されるから、結露水がブリッジ部を通じてバスバーから配線部へと浸入することを抑制することができる。
【0015】
(4)前記ブリッジ部は、切り欠き部を有し、伸縮可能に設けられていることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、切り欠き部が設けられることで、結露水がブリッジ部から開口を通じて下方に排水されやすくなる。また、配線面とバスバー側接続部の上面とが上下方向においてずれて配される場合でも、ブリッジ部は上下方向に伸びることができるため、余長をもってブリッジ部を形成する必要がない。
【0017】
(5)前記プロテクタは、前記回路基板が装着される装着部を有し、前記装着部は、前記回路基板の外縁部を囲む隔壁と、前記隔壁に設けられる凹部と、を有し、前記フレキシブル基板は、前記配線部から前記凹部を通って前記回路基板側にのびる第2接続片を備え、前記第2接続片は、前記回路基板の上面に重ねられ、接続されていることが好ましい。
【0018】
このような構成によると、フレキシブル基板と回路基板との接続のために必要な凹部を除いて、回路基板が隔壁により囲まれるため、装着部の外側から回路基板側への結露水の浸入を抑制することができる。
【0019】
(6)前記凹部には、前記配線面から上方にのび、前記第2接続片の下面に接触する止水壁が設けられていることが好ましい。
【0020】
このような構成によると、止水壁により、配線面及び配線部から回路基板への結露水の浸入を抑制することができる。
【0021】
(7)前記装着部に取り付けられ、前記回路基板を上方から覆うカバーが設けられていることが好ましい。
【0022】
このような構成によると、上方から落下してくる結露水が回路基板へと浸入することを抑制することができる。
【0023】
(8)前記カバーには、前記凹部を塞ぐように配され、弾性部材から構成される閉鎖部が設けられ、前記閉鎖部の下端部は、前記第2接続片の上面に接触していることが好ましい。
【0024】
このような構成によると、閉鎖部により、配線部から回路基板への水の浸入を抑制することができる。
【0025】
(9)前記カバーは、前記装着部の上方に配されるカバー本体部と、前記カバー本体部から前記装着部の外側に突出するひさし部と、を有し、前記ひさし部は、前記第2接続片を上方から覆っており、前記ひさし部の上面は、前記カバー本体部から外側に遠ざかるにつれて低くなるように傾斜していることが好ましい。
【0026】
このような構成によると、上方から落下してくる結露水が第2接続片に付着することを抑制することができる。また、上方から落下してくる結露水をひさし部を通じて下方へ排水することができる。
【0027】
(10)前記回路基板は、前記第2接続片と接続される回路基板側接続部を備え、前記第2接続片の下面と前記回路基板側接続部の上面は、同一の高さとされていることが好ましい。
【0028】
このような構成によると、フレキシブル基板と回路基板との接続信頼性を向上させることができる。
【0029】
(11)上記の配線モジュールは、車両に搭載されて用いられる車両用の配線モジュールである。
【0030】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0031】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、
図1から
図13を参照しつつ説明する。本実施形態の配線モジュール20を備えた蓄電モジュール10は、例えば、
図1に示すように、車両1に搭載される蓄電パック2に適用される。蓄電パック2は、電気自動車またはハイブリッド自動車等の車両1に搭載されて、車両1の駆動源として用いられる。以下の説明においては、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0032】
図1に示すように、車両1の中央付近には蓄電パック2が配設されている。車両1の前部にはPCU3(Power Control Unit)が配設されている。蓄電パック2とPCU3とは、ワイヤーハーネス4によって接続されている。蓄電パック2とワイヤーハーネス4とは図示しないコネクタによって接続されている。蓄電パック2は複数の蓄電素子11を備えた蓄電モジュール10を有する。以下では、
図1を除き、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。
【0033】
[蓄電パック内部の結露水について]
蓄電パック2は、複数の蓄電モジュール10と、複数の蓄電モジュール10を内部に収容する筐体(図示せず)と、を備えて構成されている。車両1の使用等により、後述する蓄電素子11やバスバー40等の温度は急激に変化するため、蓄電パック2の筐体の内部と外部との間で温度差が生じる。この温度差によって、筐体の内部には、結露水が発生しやすくなっている。以下では、特に、バスバー40に付着した結露水、及び筐体の天井面に付着した結露水が、回路基板30へと浸入することを抑制するための技術について説明する。
【0034】
蓄電モジュール10は、
図2に示すように、一列に並べられた複数の蓄電素子11と、複数の蓄電素子11の上面に装着される配線モジュール20とを備える。蓄電素子11は、内部に図示しない蓄電要素が収容された扁平な直方体状をなしている。
図7に示すように、蓄電素子11は、上面に正極および負極の電極端子12A,12Bを有する。
【0035】
[配線モジュール]
図5に示すように、配線モジュール20は、2つのフレキシブル基板21A,21Bと、フレキシブル基板21A,21Bに接続される回路基板30と、蓄電素子11に接続されるバスバー40と、フレキシブル基板21A,21Bおよびバスバー40を保持するプロテクタ50と、を備える。2つのフレキシブル基板21A,21Bは同様の構造を有するため、以下には、一方のフレキシブル基板21A、およびフレキシブル基板21Aの電気的接続にかかる構成について詳細に説明し、他方のフレキシブル基板21Bについては説明を省略する場合がある。
【0036】
配線モジュール20は、さらに回路基板30を上方から覆うカバー70と(
図4及び
図5参照)、カバー70の外側の領域を上方から覆うアウターカバー80(
図2から
図4参照)と、を備える。
【0037】
[フレキシブル基板]
フレキシブル基板21Aは、可撓性を有するシート状の基板である。
図6に示すように、フレキシブル基板21Aは、絶縁性の合成樹脂からなるベースフィルム22と、ベースフィルム22に配索される第1導電路23(一部のみ図示)と、を有する。図示しないが、ベースフィルム22および第1導電路23は、さらに絶縁性のオーバーレイフィルムや塗膜等からなる絶縁層により覆われている。ベースフィルム22や絶縁層の材料としては、例えばポリイミド(PI)やポリエチレンテレフタレート(PET)等が用いられる。第1導電路23は、例えば銅または銅合金などの金属からなり、導電性を有している。本実施形態では、第1導電路23は、フレキシブル基板21Aの片面に配索されており、フレキシブル基板21Aは、第1導電路23の配索された面が下方を向くように配置される。
【0038】
[配線部]
図5に示すように、フレキシブル基板21A,21Bは、左右方向(図示上下方向)において、回路基板30とバスバー40との間に配されている。
図6に示すように、フレキシブル基板21Aは、前後方向(図示左右方向)に帯状にのびる配線部24と、バスバー40側に設けられる第1接続片25と、配線部24と第1接続片25とを連結するブリッジ部26と、配線部24から回路基板30側にのびて設けられる第2接続片28と、を備えている。
【0039】
[第1接続片]
図8に示すように、第1接続片25は、バスバー40のバスバー側接続部43の上面43Aに重ねて配されている。
図6に示すように、第1接続片25の下面には、第1導電路23の端部に配される第1ランド23Aが形成されている。第1ランド23Aの下方には、絶縁層が設けられておらず、第1ランド23Aは下方を向いて露出して設けられている。第1ランド23Aは、バスバー側接続部43と半田付けにより電気的に接続される。
【0040】
[ブリッジ部]
図6に示すように、ブリッジ部26は、前後方向に切り欠かれた切り欠き部27を有し、細長い形状をなしている。ブリッジ部26は、切り欠き部27により、前後方向、上下方向、及び左右方向に伸縮可能とされている。
図8に示すように、本実施形態のブリッジ部26は、主として上下方向に伸びて、配線部24と第1接続片25とを連結している。また、ブリッジ部26により、バスバー40やフレキシブル基板21A、プロテクタ50等の製造公差、及びこれらの間の組み付け公差を吸収することもできる。
【0041】
[第2接続片]
図6に示すように、第2接続片28は、短冊状をなし、前後方向に並んでいる。第2接続片28同士は、スリット29により分割されている。
図8に示すように、第2接続片28は、回路基板30の上面30Aに重ねて配されている。第2接続片28の下面28Aには、第2ランド23Bが形成されている。
図6に示すように、第2ランド23Bは、第1導電路23における第1ランド23Aと反対側の端部に配されている。第2ランド23Bの下方には、絶縁層が設けられておらず、第2ランド23Bも第1ランド23Aと同様に、下方を向いて露出している。第2ランド23Bは、回路基板30の回路基板側接続部33と半田付けにより電気的に接続される(
図6参照)。
【0042】
[回路基板]
本実施形態にかかる回路基板30は、可撓性を有しないリジッド基板とされている。
図6に示すように、回路基板30は、絶縁性を有する絶縁板31と、この絶縁板31に配索された第2導電路32(一部のみ図示)と、を備える。絶縁板31は、例えばガラス繊維布にエポキシ樹脂を含浸させて硬化させることにより形成される。第2導電路32は、例えば銅または銅合金などの金属からなり、導電性を有している。回路基板30は、絶縁板31の第2導電路32が配索された面が上側となるように配置される。
【0043】
回路基板30は、
図5に示すように、前後方向に細長い長方形状をなしている。回路基板30には、電子部品EやコネクタCが搭載されている。電子部品Eの例としては、例えば、抵抗、コンデンサ、スイッチング素子等が挙げられる。回路基板30は、コネクタCにより、図示しない外部のECU(Electronic Control Unit)に電気的に接続される。ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、蓄電素子11の電圧、電流、温度等の検知、各蓄電素子11の充放電コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。本実施形態の回路基板30には、蓄電素子11の電圧や温度等の情報を監視し、これらの情報をECUへと送信する機能を付与することができる。
図6及び
図7に示すように、回路基板30には、凹状をなす係止凹部34と、上下方向に貫通する貫通孔35と、が設けられている。
【0044】
[回路基板側接続部]
図6に示すように、第2導電路32の端部には、回路基板側接続部33が設けられている。回路基板側接続部33の上面33Aには、第2接続片28が重ねられるようになっており、回路基板側接続部33は、第2接続片28に設けられた第2ランド23Bと半田付けにより接続される。
【0045】
図8に示すように、本実施形態では、第2接続片28の下面28Aと回路基板側接続部33の上面33Aは、同一の高さとなるように設計されている。ここで、第2接続片28の下面28Aには第2ランド23Bが含まれるものとする。また、第2ランド23B及び回路基板側接続部33のいずれか一方には、半田(図示せず)が予め設けられており、リフローにより第2ランド23Bと回路基板側接続部33との半田付けがされているものとする。第2接続片28の下面28Aと回路基板側接続部33の上面33Aが同一の高さとされることで、第2接続片28と回路基板側接続部33とを接続する半田に無理な力がかからないため、フレキシブル基板21Aと回路基板30との電気的接続の信頼性を高めることができる。
【0046】
[バスバー]
図6に示すように、バスバー40は、隣り合う蓄電素子11の電極端子12A,12Bを接続するための部材であって、導電性を有する金属板材からなる。バスバー40を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)等が挙げられる。
図13に示すように、バスバー40は、長方形の板状をなすバスバー本体部41と、バスバー本体部41に上下方向に貫通形成された2つの電極挿通孔42と、バスバー本体部41から外側(右側または左側)に突出するバスバー側接続部43と、を有している。
図6に示すように、電極挿通孔42には、電極端子12A,12Bが挿通されるようになっている。バスバー40と電極端子12A,12Bとは溶接により電気的に接続される。
【0047】
[バスバー側接続部]
図13に示すように、バスバー側接続部43の上面43Aは、バスバー本体部41の上面よりも下方に設けられている。
図8に示すように、配線モジュール20においては、バスバー側接続部43の上面43Aは、プロテクタ50の配線面52、回路基板30の上面30Aよりも下方となるように設定されている。バスバー側接続部43の上面43Aは、第1接続片25の下面に設けられた第1ランド23Aと半田付けにより接続されている。
【0048】
[プロテクタ]
プロテクタ50は、絶縁性の合成樹脂からなり、板状をなしている。
図5に示すように、プロテクタ50は、左右方向の中央部のプロテクタ本体部51と、プロテクタ本体部51の左右両側に設けられ、フレキシブル基板21A,21Bの配線部24が載置される配線面52と、プロテクタ50の右端部および左端部に設けられ、バスバー40が配設されるバスバー配設部53と、を備える。プロテクタ本体部51の前半部分には、回路基板30が装着される装着部54が設けられている。
【0049】
[配線面]
図5に示すように、配線面52は、前後方向にのびて設けられている。配線面52の左右両側には、仕切り壁55が設けられている。フレキシブル基板21A,21Bの配線部24は、接着剤、粘着テープ、熱かしめ等により、配線面52上に固定され、仕切り壁55によって仕切られるようになっている。なお、
図7に示すように、フレキシブル基板21Aと回路基板30との間の仕切り壁55は、装着部54を構成する隔壁58を兼ねている。
【0050】
[開口]
図7に示すように、プロテクタ50は、配線面52とバスバー配設部53との間に、上下方向に貫通する開口56を有している(口縁を一部破線で示す)。開口56は、上方から見た場合にブリッジ部26を開口56の内部に含むように形成されている。前方からの断面図では、
図8に示すように、ブリッジ部26は開口56の上方あるいは内部に配されるようになっている。ブリッジ部26は、切り欠き部27を有する細長い形状をなしているため、ブリッジ部26に付着した結露水は開口56を通じて下方(すなわち蓄電素子11側)に排水されやすくなっている。
【0051】
図8に示すように、配線面52は、バスバー側接続部43の上面43Aよりも上方に配されているため、配線部24は、第1接続片25よりも上方に配される。これにより、配線部24と第1接続片25を連結するブリッジ部26を介して、結露水がバスバー40から配線部24へと浸入しにくくなっている。本実施形態のブリッジ部26は、切り欠き部27を有するため、配線部24と第1接続片25との上下方向のずれの分だけ伸びることにより、配線部24と第1接続片25を連結することができる。したがって、配線部24と第1接続片25との上下方向のずれの分だけブリッジ部26に余長をもたせる必要はなく、フレキシブル基板21A,21Bの使用量を低減することができる。
【0052】
[装着部]
図7に示すように、装着部54は、回路基板30の外縁部を囲む隔壁58と、回路基板30の左右両側の隔壁58に設けられる凹部59と、を備えている。
図8に示すように、本実施形態の凹部59の内側の上端59Aは、段差なく滑らかに配線面52に連続して設けられている。凹部59には、配線部24から回路基板30側へのびる第2接続片28が挿通されるようになっている。装着部54において、回路基板30の下面が当接する面は、底面57とされている。
図5に示すように、装着部54の前端部には、コネクタCが装着される第1コネクタ凹部60が設けられている。
【0053】
図9に示すように、底面57には、上方にのび、左右方向に撓み変形可能とされる係止片61が設けられている。係止片61は、回路基板30の係止凹部34と係止するように配されている。
図7に示すように、装着部54には、上方にのびる円柱状の位置決め凸部62が設けられている。位置決め凸部62は、回路基板30の貫通孔35に挿通され、回路基板30を装着部54に位置決めする。
図10に示すように、隔壁58には、装着部54の内方に突出する係止突起63が設けられている。
【0054】
図7に示すように、バスバー配設部53は、枠状に形成され、バスバー40を前後方向に並べて配設できるように構成されている。バスバー配設部53は、係止爪64を備え、バスバー40を保持している。バスバー配設部53は、バスバー側接続部43を収容するバスバー凹部65を有している。バスバー凹部65に収容されたバスバー側接続部43は、バスバー配設部53の外方に突出して、開口56の内部に配されるようになっている。
図8に示すように、バスバー配設部53は、一部底が抜けた構成となっており、バスバー配設部53に保持されたバスバー40は、複数の蓄電素子11に電気的に接続される。
【0055】
[カバー、ひさし部]
カバー70は、絶縁性の合成樹脂製であって、蓋状の部材とされている。
図12に示すように、カバー70は、上方から見た場合に方形状をなすカバー本体部71と、カバー本体部71から左右方向に突出して設けられるひさし部72と、を有している。
図8に示すように、カバー70は、装着部54に取り付けられ、回路基板30を上方から覆うように構成されている。ひさし部72は、装着部54の外側に突出して配されるようになっている。
【0056】
図7と
図11の比較からわかるように、ひさし部72は、凹部59及び第2接続片28を上方から覆うように構成されている。このため、筐体の天井面に付着した結露水が上方からカバー70に落下してきた場合に、この結露水が回路基板30へと浸入することを抑制することができる。
【0057】
図8に示すように、ひさし部72の上面72Aは、カバー本体部71から外側(図示左側)に遠ざかるにつれて低くなるように傾斜している。これにより、カバー70の上方から落下してくる結露水を、下方の配線部24や配線面52等に向かって排水することができる。また、ひさし部72の端縁72Bの一部は、開口56の口縁部の上方に配されているため、ひさし部72の上面72Aの結露水を開口56を通じて蓄電素子11側に排水することも可能となっている。
【0058】
図8に示すように、カバー70は、下方にのび、凹部59の内部に配されるカバー側隔壁78を有している。カバー側隔壁78の下端部は、第2接続片28の上面28Bに接触しないように配されている。カバー側隔壁78は、装着部54の隔壁58と前後方向(図示紙面垂直方向)に連なるように設けられている。すなわち、カバー側隔壁78は、部分的ではあるが凹部59を左右方向に閉鎖するように構成されているため、装着部54の内部への結露水の浸入を抑制することができる。
【0059】
図12に示すように、カバー本体部71の前端部には、第2コネクタ凹部73が設けられている。
図2に示すように、第2コネクタ凹部73は、第1コネクタ凹部60に装着されたコネクタCの上部に装着され、第1コネクタ凹部60と第2コネクタ凹部73とによりコネクタCは隙間なく包囲されるようになっている。
【0060】
図10に示すように、カバー本体部71の下側には、係止突起63と係止する係止部74が設けられている。これにより、装着部54に対してカバー70が係止されるようになっている。
図9に示すように、カバー本体部71の下側には、隔壁58と係止片61との間に配される係合突起75が設けられている。係合突起75は、装着部54に対してカバー70を位置決めするとともに、係止片61が隔壁58側に撓んで、係止片61と回路基板30の係止凹部34との係止が外れることを抑制している。
【0061】
図12に示すように、カバー本体部71の後半部分における右側部分及び左側部分には、カバー本体部71の上面71Aより下方に凹んだ段差部76が設けられている。段差部76は、ひさし部72よりも前方及び後方に広がって設けられている。段差部76とカバー本体部71の上面71Aとは、溝部77により接続されている。
図8に示すように、溝部77は、段差部76よりさらに下方に凹んで設けられている。
【0062】
アウターカバー80は、カバー70と同様に、絶縁性の合成樹脂製であって、蓋状の部材とされている。
図2及び
図3に示すように、アウターカバー80は、カバー70の一部、及びカバー70に覆われていない配線モジュール20の外側部分を上方から覆うための部材である。すなわち、
図8に示すように、アウターカバー80は、装着部54の外側の配線部24やバスバー40等を上方から覆っている。詳細な説明は省略するが、アウターカバー80(外側壁部82)及びプロテクタ50の外縁部(バスバー配設部53)には、
図10に示す係止部74及び係止突起63と同様の係止構造がそれぞれ設けられており、プロテクタ50に対してアウターカバー80が装着されるようになっている。
【0063】
図8に示すように、アウターカバー80は、カバー70の段差部76の上面に重ねられる内側壁部81と、バスバー40及びバスバー配設部53を上方から覆う外側壁部82と、を有している。内側壁部81と外側壁部82との間には、第1傾斜部83、中間壁部84、及び第2傾斜部85が設けられている。中間壁部84は、内側壁部81及び外側壁部82より下方に設けられている。中間壁部84は、第1傾斜部83を介して内側壁部81と接続されており、第2傾斜部85を介して外側壁部82と接続されている。
【0064】
図8に示すように、内側壁部81の内方の端部には、下方に突出する係合凸部86が設けられている。係合凸部86は、カバー70の溝部77に係合し、カバー70に対してアウターカバー80の位置決めを行う。また、係合凸部86と溝部77とは、クリアランスをもって係合するようになっており、溝部77に結露水が一定量溜まった後で、結露水がアウターカバー80の内側に浸入するようになっている。このように、プロテクタ50の凹部59近傍は、アウターカバー80とカバー70により二重に上方から覆われているため、上方から落ちてくる結露水が回路基板30まで浸入しにくくなっている。
【0065】
図8に示すように、第2傾斜部85の外側壁部82側には、下方にのびる突壁87が設けられている。突壁87は、バスバー配設部53に近接して設けられており、バスバー40やバスバー配設部53に付着した結露水が、突壁87によって下方に案内され、開口56を通じて下方に排水されるようになっている。第1傾斜部83は、ひさし部72の上面72Aとの間にクリアランスをもって形成されている。これにより、アウターカバー80とカバー70との間に結露水が浸入した場合に、ひさし部72によって結露水が排水されやすくなっている。
【0066】
図8に示すように、周囲の各壁部よりも低く設けられる中間壁部84には、第1傾斜部83及び第2傾斜部85を伝って結露水が集められる。アウターカバー80の内側に付着した結露水は、中間壁部84の下面に集められ、中間壁部84の下方の開口56や配線部24等に排水されやすくなっている。また、アウターカバー80の外側においては、中間壁部84の上面に結露水が溜まりやすくなり、内側壁部81の上面には結露水が溜まりにくくなるため、上方から落ちてくる結露水が溝部77を通じて回路基板30まで浸入しにくくなっている。なお、
図2及び
図3に示すように、中間壁部84の上面には、結露水が付着しても十分に結露水が逃げる領域があり(例えばアウターカバー80の後半部分)、問題とはならない。
【0067】
[実施形態1の作用効果]
実施形態1によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態1にかかる配線モジュール20は、複数の蓄電素子11の上側に取り付けられる配線モジュール20であって、複数の蓄電素子11の電極端子12A,12Bに接続されるバスバー40と、バスバー40に設けられたバスバー側接続部43と接続されるフレキシブル基板21A,21Bと、フレキシブル基板21A,21Bと接続される回路基板30と、バスバー40とフレキシブル基板21A,21Bと回路基板30とが載置されるプロテクタ50と、を備え、回路基板30の上面30Aは、バスバー側接続部43の上面43Aよりも上方に配されている。
【0068】
上記の構成によれば、回路基板30はフレキシブル基板21A,21Bを介してバスバー側接続部43に接続されており、回路基板30の上面30Aはバスバー側接続部43の上面43Aよりも上方に配されているから、バスバー40から回路基板30への結露水の浸入を抑制することができる。
【0069】
実施形態1では、フレキシブル基板21A,21Bは、配線部24と、バスバー側接続部43の上面43Aに重ねられ、接続される第1接続片25と、配線部24と第1接続片25とを連結するブリッジ部26を備え、プロテクタ50は、配線部24が載置される配線面52と、バスバー40が配設されるバスバー配設部53と、配線面52とバスバー配設部53との間に設けられ、上下方向に貫通する開口56と、を有し、開口56の上方または内部には、ブリッジ部26の少なくとも一部が配されている。
【0070】
上記の構成によれば、ブリッジ部26に溜まった結露水が開口56を通じて下方に排水されやすい。よって、結露水がブリッジ部26を通じてバスバー40からフレキシブル基板21A,21Bの配線部24へと浸入することを抑制することができる。
【0071】
実施形態1では、配線面52は、バスバー側接続部43の上面43Aよりも上方に配されている。
【0072】
上記の構成によれば、フレキシブル基板21A,21Bの配線部24は、第1接続片25よりも上方に配されるから、結露水がブリッジ部26を通じてバスバー40から配線部24へと浸入することを抑制することができる。
【0073】
実施形態1では、ブリッジ部26は、切り欠き部27を有し、伸縮可能に設けられている。
【0074】
上記の構成によれば、切り欠き部27が設けられることで、結露水がブリッジ部26から開口56を通じて下方に排水されやすくなる。また、配線面52とバスバー側接続部43の上面43Aとが上下方向においてずれて配される場合でも、ブリッジ部26は上下方向に伸びることができるため、余長をもってブリッジ部26を形成する必要がない。
【0075】
実施形態1では、プロテクタ50は、回路基板30が装着される装着部54を有し、装着部54は、回路基板30の外縁部を囲む隔壁58と、隔壁58に設けられる凹部59と、を有し、フレキシブル基板21A,21Bは、配線部24から凹部59を通って回路基板30側にのびる第2接続片28を備え、第2接続片28は、回路基板30の上面30Aに重ねられ、接続されている。
【0076】
上記の構成によれば、フレキシブル基板21A,21Bと回路基板30との接続のために必要な凹部59を除いて、回路基板30が隔壁58により囲まれるため、装着部54の外側から回路基板30側への結露水の浸入を抑制することができる。
【0077】
実施形態1では、装着部54に取り付けられ、回路基板30を上方から覆うカバー70が設けられている。
【0078】
上記の構成によれば、上方から落下してくる結露水が回路基板30へと浸入することを抑制することができる。
【0079】
実施形態1では、カバー70は、装着部54の上方に配されるカバー本体部71と、カバー本体部71から装着部54の外側に突出するひさし部72と、を有し、ひさし部72は、第2接続片28を上方から覆っており、ひさし部72の上面72Aは、カバー本体部71から外側に遠ざかるにつれて低くなるように傾斜している。
【0080】
上記の構成によれば、上方から落下してくる結露水が第2接続片28に付着することを抑制することができる。また、上方から落下してくる結露水をひさし部72を通じて下方へ排水することができる。
【0081】
実施形態1では、回路基板30は、第2接続片28と接続される回路基板側接続部33を備え、第2接続片28の下面28Aと回路基板側接続部33の上面33Aは、同一の高さとされている。
【0082】
上記の構成によれば、フレキシブル基板21A,21Bと回路基板30との接続信頼性を向上させることができる。
【0083】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、
図14を参照しつつ説明する。実施形態2にかかる配線モジュール120は、プロテクタ150が止水壁151を有する点を除いて、実施形態1と同様に構成されているため、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0084】
図14に示すように、プロテクタ150の凹部159の内側には、配線面52より上方にのびる止水壁151が設けられている。よって、止水壁151により、配線面52から回路基板30へと結露水が浸入しにくくなっている。また、止水壁151の上端部151Aは、凹部159に通される第2接続片28の下面28Aに接触するようになっている。したがって、配線部24は、回路基板30側から開口56に向かって下方に傾斜しており、配線部24から回路基板30への結露水の浸入を抑制することができる。
【0085】
[実施形態2の作用効果]
実施形態2によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態2では、凹部159には、配線面52から上方にのび、第2接続片28の下面28Aに接触する止水壁151が設けられている。
【0086】
上記の構成によれば、止水壁151により、配線面52及び配線部24から回路基板30への結露水の浸入を抑制することができる。
【0087】
<実施形態3>
本開示の実施形態3について、
図15を参照しつつ説明する。実施形態3にかかる配線モジュール220は、カバー270が閉鎖部271を有する点を除いて、実施形態1と同様に構成されているため、実施形態1と同一の部材、作用効果については、説明を省略する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0088】
図15に示すように、カバー270のカバー側隔壁78には、スポンジやゴム等の弾性部材から構成される閉鎖部271が取り付けられている。閉鎖部271は、弾性部材からなるため、閉鎖部271の下端部271Aが第2接続片28の上面28Bに接触するように設けることができる。これにより、閉鎖部271は、左右方向において凹部59全体を塞ぐことができるため、配線部24から回路基板30への結露水の浸入を抑制することができる。また、スポンジにより閉鎖部271を構成する場合には、結露水をスポンジで吸水することにより、結露水の回路基板30への浸入を抑制することもできる。
【0089】
[実施形態3の作用効果]
実施形態3によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態3では、カバー270には、凹部59を塞ぐように配され、弾性部材から構成される閉鎖部271が設けられ、閉鎖部271の下端部271Aは、第2接続片28の上面28Bに接触している。
【0090】
上記の構成によれば、閉鎖部271により、配線部24から回路基板30への水の浸入を抑制することができる。
【0091】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、回路基板30としてリジッド基板を用いたが、これに限られることはなく、回路基板はフレキシブル基板であってもよい。
(2)上記実施形態では、バスバー40とフレキシブル基板21A,21Bとは、直接接続される構成としたが、これに限られることはなく、バスバーとフレキシブル基板とは、ニッケル等の金属小片を介して接続される構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、カバー70の外側にアウターカバー80が設けられる構成としたが、これに限られることはなく、アウターカバーを備えない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1: 車両
2: 蓄電パック
3: PCU
4: ワイヤーハーネス
10: 蓄電モジュール
11: 蓄電素子
12A,12B: 電極端子
20,120,220: 配線モジュール
21A,21B: フレキシブル基板
22: ベースフィルム
23: 第1導電路
23A: 第1ランド
23B: 第2ランド
24: 配線部
25: 第1接続片
26: ブリッジ部
27: 切り欠き部
28: 第2接続片
28A: 第2接続片の下面
28B: 第2接続片の上面
29: スリット
30: 回路基板
30A: 回路基板の上面
31: 絶縁板
32: 第2導電路
33: 回路基板側接続部
33A: 回路基板側接続部の上面
34: 係止凹部
35: 貫通孔
40: バスバー
41: バスバー本体部
42: 電極挿通孔
43: バスバー側接続部
43A: バスバー側接続部の上面
50,150: プロテクタ
51: プロテクタ本体部
52: 配線面
53: バスバー配設部
54: 装着部
55: 仕切り壁
56: 開口
57: 底面
58: 隔壁
59,159: 凹部
59A: 凹部の内側の上端
60: 第1コネクタ凹部
61: 係止片
62: 位置決め凸部
63: 係止突起
64: 係止爪
65: バスバー凹部
70,270: カバー
71: カバー本体部
71A: カバー本体部の上面
72: ひさし部
72A: ひさし部の上面
72B: ひさし部の端縁
73: 第2コネクタ凹部
74: 係止部
75: 係合突起
76: 段差部
77: 溝部
78: カバー側隔壁
80: アウターカバー
81: 内側壁部
82: 外側壁部
83: 第1傾斜部
84: 中間壁部
85: 第2傾斜部
86: 係合凸部
87: 突壁
151: 止水壁
151A: 止水壁の上端部
271: 閉鎖部
271A: 閉鎖部の下端部
C: コネクタ
E: 電子部品