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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20240709BHJP
   A63F 9/04 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A63F9/00 508H
A63F9/04 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023107274
(22)【出願日】2023-06-29
【審査請求日】2023-08-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】庄司 亮太
(72)【発明者】
【氏名】内田 裕之
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-115503(JP,A)
【文献】特許第6592815(JP,B1)
【文献】特開2015-036063(JP,A)
【文献】特開2014-226306(JP,A)
【文献】特開2003-144603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00
A63F 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにゲームを提供するゲーム装置であって、
前記ゲーム装置における物理的な変化を検出する検出装置と、
前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記一つの第一抽選対象のみを決定する電子抽選手段と、
前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記一つの第二抽選対象のみを決定する物理抽選手段と、
前記電子抽選手段により決定された前記一つの第一抽選対象の内容及び前記物理抽選手段により決定された前記一つの第二抽選対象の内容を組み合わせて前記ゲームを進行させる進行手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項2】
プレイヤにゲームを提供するゲーム装置であって、
前記ゲーム装置における物理的な変化を検出する検出装置と、
前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記一つの第一抽選対象のみを決定する電子抽選手段と、
前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記一つの第二抽選対象のみを決定する物理抽選手段と、
前記電子抽選手段により決定された前記一つの第一抽選対象の内容及び前記物理抽選手段により決定された前記一つの第二抽選対象の内容を同時に利用して前記ゲームを進行させる進行手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項3】
前記進行手段は、前記電子抽選手段により決定された前記一つの第一抽選対象の内容及び前記物理抽選手段により決定された前記一つの第二抽選対象の内容を利用して、前記ゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいて前記ゲームを進行させる、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記物理抽選手段は、前記電子抽選手段が前記一つの第一抽選対象を決定した後に、前記一つの第二抽選対象を決定する、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記検出装置は、現実空間において前記ゲーム装置に予め用意されている実物体が所定の場所に移動したことを検出する、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記電子抽選手段が前記一つの第一抽選対象を決定した後で且つ前記物理抽選手段が前記一つの第二抽選対象を決定する前に、前記電子抽選手段の決定内容に基づいて前記ゲームの進行に係る演出を行う演出手段、
を備える請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記複数の第一抽選対象は複数の第一記号を含み、且つ、前記複数の第二抽選対象は複数の第二記号を含み、
前記電子抽選手段は、前記複数の第一記号を第一リールに変動表示させながら表示制御し、前記電子タイミングに基づいて当該変動表示を停止し、当該第一リールに表示された第一記号を前記一つの第一抽選対象として決定し、
前記物理抽選手段は、前記複数の第二記号を第二リールに変動表示させながら表示制御し、前記物理タイミングに基づいて当該変動表示を停止し、当該第二リールに表示された第二記号を前記一つの第二抽選対象として決定する、
請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記進行手段は、前記一つの第一抽選対象として決定された前記第一記号と、前記一つの第二抽選対象として決定された前記第二記号と、を利用して前記ゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいて前記ゲームを進行させる、
請求項7に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記演出手段は、前記電子抽選手段が前記第一記号を決定した後で且つ前記物理抽選手段が前記第二記号を決定する前に、決定された第一記号と今後の第二記号の決定によって前記ゲームの進行度合いが予め定められた進行度合いになる可能性がある場合、前記プレイヤに知らせる演出を行う、
請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記演出手段は、前記ゲームの進行度合いが前記予め定められた進行度合いになる第二記号を表示制御する演出を行う、
請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記演出手段は、前記電子抽選手段が前記第一記号を決定した後に、前記検出装置を強調する演出を行う、
請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項12】
プレイヤにゲームを提供するゲーム装置であって、
前記ゲーム装置における物理的な変化を検出する検出装置と、
前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記一つの第一抽選対象を決定する電子抽選手段と、
前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記一つの第二抽選対象を決定する物理抽選手段と、
前記電子抽選手段の決定内容及び前記物理抽選手段の決定内容を組み合わせて前記ゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいて前記ゲームを進行させる進行手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項13】
プレイヤにゲームを提供するゲーム装置であって、
前記ゲーム装置における物理的な変化を検出する検出装置と、
前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記一つの第一抽選対象を決定する電子抽選手段と、
前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記一つの第二抽選対象を決定する物理抽選手段と、
前記電子抽選手段の決定内容及び前記物理抽選手段の決定内容を同時に利用して前記ゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいて前記ゲームを進行させる進行手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項14】
物理的な変化を検出する検出装置を備え、プレイヤにゲームを提供するコンピュータを、前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記第一抽選対象のみを決定する電子抽選手段、
前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記第二抽選対象のみを決定する物理抽選手段、
前記電子抽選手段により決定された前記一つの第一抽選対象の内容及び前記物理抽選手段により決定された前記一つの第二抽選対象の内容を組み合わせて前記ゲームを進行させる進行手段、
として機能させるゲームプログラム。
【請求項15】
物理的な変化を検出する検出装置を備え、プレイヤにゲームを提供するコンピュータを、前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記第一抽選対象のみを決定する電子抽選手段、
前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記第二抽選対象のみを決定する物理抽選手段、
前記電子抽選手段により決定された前記一つの第一抽選対象の内容及び前記物理抽選手段により決定された前記一つの第二抽選対象の内容を同時に利用して前記ゲームを進行させる進行手段、
として機能させるゲームプログラム。
【請求項16】
物理的な変化を検出する検出装置を備え、プレイヤにゲームを提供するコンピュータを、前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記第一抽選対象を決定する電子抽選手段、
前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記第二抽選対象を決定する物理抽選手段、
前記電子抽選手段の決定内容及び前記物理抽選手段の決定内容を組み合わせて前記ゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいて前記ゲームを進行させる進行手段、
として機能させるゲームプログラム。
【請求項17】
物理的な変化を検出する検出装置を備え、プレイヤにゲームを提供するコンピュータを、前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記第一抽選対象を決定する電子抽選手段、
前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記第二抽選対象を決定する物理抽選手段、
前記電子抽選手段の決定内容及び前記物理抽選手段の決定内容を同時に利用して前記ゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいて前記ゲームを進行させる進行手段、
として機能させるゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びゲームプログラムに関する。
【0002】
従来から、抽選を含むゲームをプレイヤに提供するゲーム装置が知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、物理抽選を行う物理抽選手段とデジタル抽選を行うデジタル抽選手段の2つの抽選手段を備え、2つの抽選手段の一方の抽選手段による第一の抽選が先に行われ、第一の抽選の抽選結果に応じて、他方の抽選手段による第二の抽選を行い、第二の抽選の抽選結果に基づいてゲームを進行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-215739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、2つの抽選手段を用いても、第二の抽選の抽選結果に基づいてゲームを進行するため、第二の抽選がデジタル抽選である場合、ゲームの進行について作為的な操作が介入する感覚をプレイヤに与えてしまう。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレイヤに対し、ゲームの進行について作為的な操作が介入する感覚を弱めることができるゲーム装置及びゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るゲーム装置は、プレイヤにゲームを提供するゲーム装置であって、前記ゲーム装置における物理的な変化を検出する検出装置と、前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記一つの第一抽選対象を決定する電子抽選手段と、前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記一つの第二抽選対象を決定する物理抽選手段と、前記電子抽選手段の決定内容及び前記物理抽選手段の決定内容に基づいて前記ゲームを進行させる進行手段と、を備える。
【0008】
また、本発明の第二態様に係るゲーム装置では、前記物理抽選手段は、前記電子抽選手段が前記一つの第一抽選対象を決定した後に、前記一つの第二抽選対象を決定する。
【0009】
また、本発明の第三態様に係るゲーム装置では、前記検出装置は、現実空間において前記ゲーム装置に予め用意されている実物体が所定の場所に移動したことを検出する。
【0010】
また、本発明の第四態様に係るゲーム装置では、前記電子抽選手段が前記一つの第一抽選対象を決定した後で且つ前記物理抽選手段が前記一つの第二抽選対象を決定する前に、前記電子抽選手段の決定内容に基づいて前記ゲームの進行に係る演出を行う演出手段、を備える。
【0011】
また、本発明の第五態様に係るゲーム装置では、前記複数の第一抽選対象は複数の第一記号を含み、且つ、前記複数の第二抽選対象は複数の第二記号を含み、前記電子抽選手段は、前記複数の第一記号を第一リールに変動表示させながら表示制御し、前記電子タイミングに基づいて当該変動表示を停止し、当該第一リールに表示された第一記号を前記一つの第一抽選対象として決定し、前記物理抽選手段は、前記複数の第二記号を第二リールに変動表示させながら表示制御し、前記物理タイミングに基づいて当該変動表示を停止し、当該第二リールに表示された第二記号を前記一つの第二抽選対象として決定する。
【0012】
また、本発明の第六態様に係るゲーム装置では、前記進行手段は、前記一つの第一抽選対象として決定された前記第一記号と、前記一つの第二抽選対象として決定された前記第二記号と、を利用して前記ゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいて前記ゲームを進行させる。
【0013】
また、本発明の第七態様に係るゲーム装置では、前記演出手段は、前記電子抽選手段が前記第一記号を決定した後で且つ前記物理抽選手段が前記第二記号を決定する前に、決定された第一記号と今後の第二記号の決定によって前記ゲームの進行度合いが予め定められた進行度合いになる可能性がある場合、前記プレイヤに知らせる演出を行う。
【0014】
また、本発明の第八態様に係るゲーム装置では、前記演出手段は、前記ゲームの進行度合いが前記予め定められた進行度合いになる第二記号を表示制御する演出を行う。
【0015】
また、本発明の第九態様に係るゲーム装置では、前記演出手段は、前記電子抽選手段が前記第一記号を決定した後に、前記検出装置を強調する演出を行う。
【0016】
また、本発明の第十態様に係るゲームプログラムでは、物理的な変化を検出する検出装置を備え、プレイヤにゲームを提供するコンピュータを、前記ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて前記第一抽選対象を決定する電子抽選手段、前記複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、前記検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて前記第二抽選対象を決定する物理抽選手段、前記電子抽選手段の決定内容及び前記物理抽選手段の決定内容に基づいて前記ゲームを進行させる進行手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プレイヤに対し、ゲームの進行について作為的な操作が介入する感覚を弱めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係るゲーム装置の一例を示す斜視図である。
図2図1に示すゲーム装置のA-A矢視断面図である。
図3図2に示すゲーム装置における一つのプレイ領域を示す図である。
図4】本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係るゲーム装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図6】本実施形態に係るゲーム装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7A】本実施形態に係るゲーム装置に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
図7B図7Aに示すゲーム画面から続くゲーム画面の一例を示す図である。
図7C図7Bに示すゲーム画面から続くゲーム画面の一例を示す図である。
図7D図7Cに示すゲーム画面から続くゲーム画面の一例を示す図である。
図7E図7Dに示すゲーム画面から続くゲーム画面の一例を示す図である。
図7F図7Eに示すゲーム画面から続くゲーム画面の一例を示す図である。
図7G図7Fに示すゲーム画面から続くゲーム画面の一例を示す図である。
図7H図7Gに示すゲーム画面から続くゲーム画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るゲーム装置10の一例を示す斜視図である。ゲーム装置10は、一又は複数のプレイヤにゲームを提供する。ゲームとしては、抽選を実行するゲームであれば、メダルゲーム、パズルゲーム、シュミレーションゲーム、音楽ゲーム、アクションゲーム等、特に限定されないが、本実施形態ではメダルゲームのうちメダルプッシャーゲームである。また、本実施形態では、メダルプッシャーゲームの中に、モノポリーのようなすごろくゲームや抽選ゲームも含まれる。
【0021】
図1に示すように、ゲーム装置10は、投入装置12と、操作装置14と、を備える。
【0022】
投入装置12は、プレイヤが遊技媒体としてのメダルをゲーム装置10の内部に投入するための装置である。
【0023】
操作装置14は、ゲーム装置10を操作するための装置である。この操作装置14は、例えば、投入装置12によるメダルの投入方向を操作する。
【0024】
図2は、図1に示すゲーム装置10のA-A矢視断面図である。
【0025】
図2に示すように、ゲーム装置10は、4つの抽選機16と、表示装置18と、4つのプレイ領域20と、を備える。
【0026】
抽選機16は、後述する物理抽選の際に利用されるものであり、移動台16Aと、落とし穴16Bと、検出装置としての第一検出センサ16Cと、を備える。移動台16Aには、物理抽選の際に、抽選機16により不図示の抽選ボールが射出されたときに抽選ボールが移動するためのものである。落とし穴16Bは、移動台16Aを移動した抽選ボールが落ちるための穴である。第一検出センサ16Cは、ゲーム装置10における物理的な変化を検出するものである。例えば、第一検出センサ16Cは、現実空間においてゲーム装置10に予め用意されている実物体が所定の場所に移動したことを検出する。具体的には、第一検出センサ16Cは、実物体としての抽選ボールが所定の場所としての落とし穴16Bに落ちたことを検出する。
【0027】
表示装置18は、メダルプッシャーゲームと連動して実行されるゲームのゲーム画面を表示する。
【0028】
プレイ領域20は、一人のプレイヤがメダルプッシャーゲームをプレイするための領域である。
【0029】
図3は、図2に示すゲーム装置10における一つのプレイ領域20を示す図である。
【0030】
図3に示すように、プレイ領域20には、フィールド部30と、格納手段としてのストッカー40と、が設けられている。
【0031】
フィールド部30は、フィールド30Aと、押し板30Bと、射出機32と、落とし口34と、第二検出センサ36と、を含んで構成される。
【0032】
フィールド30Aは、一又は複数のメダルMと、物体としてのボールOと、が載置される。ボールOは、一又は複数の第一物体としてのサイコロボールO1と、一又は複数の第二物体としてのスペシャルボールO2と、を含む。サイコロボールO1は、例えばサイコロの模様が描かれた球状のボールである。スペシャルボールO2は、サイコロボールO1とは異なるボールであり、例えば全周に渡って所定の色が着色された球状のボールである。なお、本実施形態では、スペシャルボールO2は省略することもできる。
【0033】
押し板30Bは、フィールド30Aに対して落とし口34の反対側に設けられている。この押し板30Bは、落とし口34の方向D1に向かって往復運動を繰り返す。
【0034】
射出機32は、投入装置12から投入されたメダルMを、フィールド30A又は押し板30Bに射出するためのものである。この射出機32により射出されたメダルMが押し板30Bの前に入ると、当該メダルMが押し板30Bによりフィールド30A上の他のメダルMの中に押し込まれる。この影響により、フィールド30A上の他のメダルMが次々に移動していき、フィールド30A上の何れかのメダルMやサイコロボールO1、スペシャルボールO2等が落とし口34に落下するようになる。すなわち、射出機32は、メダルMの投入というプレイヤの操作を受け付けた場合に物体としてのサイコロボールO1やスペシャルボールO2を移動可能な移動手段として機能する。更に言い換えれば、サイコロボールO1やスペシャルボールO2は、メダルMの投入というプレイヤの操作により、フィールド30A上を間接的に移動可能である。そして、メダルMが移動して落とし口34へ落下すると、そのメダルMはプレイヤの元へと払い出される。サイコロボールO1が移動して落下すると第一処理(例えば通常抽選ゲームの処理)が実行される。スペシャルボールO2が移動して落下すると、上記第一処理とは異なる第二処理(例えば特別抽選ゲームの処理)が実行される。通常抽選ゲームは、抽選結果に基づきゲームを進行するために行われる。特別抽選ゲームは、抽選結果に基づきプレイヤに報酬を付与するために行われる。
【0035】
落とし口34は、フィールド30Aの方向D1の一端側の外に設けられている。この落とし口34は、フィールド30Aに載置されているメダルM、サイコロボールO1、及び、スペシャルボールO2が落下可能なサイズに形成されている。
【0036】
第二検出センサ36は、落とし口34に物体が落下したか否かを検出するものである。
【0037】
ストッカー40は、フィールド30Aに隣接して設けられ、フィールド30Aの一端側から他端側に向かって延伸している。このストッカー40には、落とし口34に落下したボールOが格納される。なお、ストッカー40のボールOの格納上限数は、例えば10個である。
【0038】
ストッカー40の一端側には射出機42が設けられている。この射出機42は、落とし口34に落下したボールOをストッカー40の他端側に向かって射出する。これにより、ボールOが、フィールド30Aの他端側から一端側に向かって順番に格納される。
【0039】
また、ストッカー40の下部には昇降装置44が設けられている。昇降装置44は、フィールド30Aとは反対側のストッカー40の一端を上昇させる。これにより、昇降装置44は、ストッカー40をフィールド30A側に傾斜させて、ストッカー40に格納されている全てのボールOをフィールド30A又は押し板30Bに戻す。
【0040】
<ハードウェア構成>
図4は、本実施形態に係るゲーム装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0041】
図4に示すように、ゲーム装置10は、第一検出センサ16Cと、表示装置18と、第二検出センサ36と、昇降装置44と、プロセッサ50と、メモリ52と、記憶装置54と、を備える。
【0042】
プロセッサ50は、メモリ52或いは記憶装置54等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能的構成として機能する。この機能的構成の詳細については後述する。
【0043】
メモリ52は、ゲーム装置10の各種設定値等が格納されている。
【0044】
記憶装置54は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置54は、ゲームプログラムを含む、ゲーム装置10における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0045】
<機能的構成>
図5は、本実施形態に係るゲーム装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
図5に示すように、ゲーム装置10は、機能的構成として、記憶部60と、電子抽選手段62と、物理抽選手段64と、進行手段66と、演出手段68と、を備える。これらの機能的構成は、プロセッサ50がプログラムを実行することにより実現される。
【0047】
記憶部60は、複数のプレイ情報60Aと、複数の抽選対象情報60Bと、を記憶する。プレイ情報60Aは、ゲームの進行度合いや、ゲームプレイによりプレイヤが獲得した報酬の獲得数等を含む。抽選対象情報60Bは、ゲームで行われる抽選の複数の抽選対象の識別情報を含む。
【0048】
電子抽選手段62は、ゲームが実行されている間に、抽選対象情報60Bに含まれる複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御する。また、電子抽選手段62は、この表示制御とともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて複数の第一抽選対象の中から少なくとも一つの第一抽選対象を決定する。
【0049】
なお、電子抽選手段62によって第一抽選対象を決定することを「電子抽選」と称す。また、上記「自動的に」とは、プレイヤの操作や物理的な動作がなく電子的に抽選が行われることを意味する。また、複数の第一抽選対象は、複数の第一記号を含んでもよい。第一記号は、文字や数字を含む概念である。例えば、複数の第一抽選対象は、互いに異なる「1」、「2」、「3」、「4」、「5」及び「6」の数字を含んでもよいし、一部重複する「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、及び「6」の数字を含んでもよい。また、複数の第一抽選対象は、「1」、「2」、「3」、「A」、「B」、「C」の英数字を含んでもよい。また、複数の第一抽選対象は、「1」、「2」、「3」、「&」、「%」、「A」、「B」、「C」の英数字と記号を含んでもよい。
【0050】
具体的には、電子抽選手段62は、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」及び「6」の数字を含む第一記号を第一リールに変動表示させながら表示制御し、電子タイミングに基づいて当該変動表示を停止し、当該第一リールに表示された第一記号を一つの第一抽選対象として決定する。
【0051】
物理抽選手段64は、複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、第一検出センサ16Cが検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を決定する。
【0052】
なお、物理抽選手段64によって第二抽選対象を決定することを「物理抽選」と称す。物理抽選手段64は、電子抽選手段62が一つの第一抽選対象を決定した後に、一つの第二抽選対象を決定することが好ましい。すなわち、電子抽選の後に物理抽選が実行されることが好ましい。また、複数の第二抽選対象は、複数の第二記号を含んでもよい。第二記号は、文字や数字を含む概念である。例えば、複数の第二抽選対象は、互いに異なる「1」、「2」、「3」、「4」、「5」及び「6」の数字を含んでもよいし、一部重複する「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、及び「6」の数字を含んでもよい。また、複数の第二抽選対象は、「1」、「2」、「3」、「A」、「B」、「C」の英数字を含んでもよい。また、複数の第二抽選対象は、「1」、「2」、「3」、「&」、「%」、「A」、「B」、「C」の英数字と記号を含んでもよい。
【0053】
具体的には、物理抽選手段64は、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」及び「6」の数字を含む第二記号を第二リールに変動表示させながら表示制御し、物理タイミングに基づいて当該変動表示を停止し、当該第二リールに表示された第二記号を一つの第二抽選対象として決定する。
【0054】
進行手段66は、電子抽選手段62の決定内容及び物理抽選手段64の決定内容に基づいてプレイヤのゲームを進行させる。具体的には、進行手段66は、一つの第一抽選対象として決定された第一記号と、一つの第二抽選対象として決定された第二記号と、を利用してゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいてゲームを進行させる。例えば、第一記号と第二記号が数字である場合(以下、適宜「第一数字」、「第二数字」と称す)、進行手段66は、一つの第一抽選対象として決定された第一数字と、一つの第二抽選対象として決定された第二数字とを四則計算し、四則計算結果が示す数字だけゲームを進行させる。本実施形態では、進行手段66は、複数のマスが用意されたすごろくゲームにおいて、一つの第一抽選対象として決定された第一数字と、一つの第二抽選対象として決定された第二数字とを加算し、加算結果が示す数字に対応するマス数だけ、プレイヤに対応するオブジェクトを移動させる。
【0055】
演出手段68は、電子抽選手段62が一つの第一抽選対象を決定した後で且つ物理抽選手段64が一つの第二抽選対象を決定する前に、電子抽選手段62の決定内容に基づいてゲームの進行に係る演出を行う。例えば、演出手段68は、ゲーム画面において電子抽選手段62の決定内容から進行できない箇所(例えばマス)をグレーアウトする演出を行ったり、ゲーム画面において電子抽選手段62の決定内容から進行できる箇所を強調表示する演出を行ったり、電子抽選手段62の決定内容からゲームを進行できる内容を表示したりしてもよい。また、演出手段68は、電子抽選手段62の決定内容と決定前の複数の第二抽選対象の内容に基づき、演出を行う。例えば、演出手段68は、一つの第一抽選対象として決定された第一数字と、これから一つの第二抽選対象として決定される各第二数字とを加算し、加算結果が示す数字に対応するマスを強調する演出をしたり、加算結果が示す数字に対応するマスだけ非グレーアウトする演出をしたりする。
【0056】
また、演出手段68は、電子抽選手段62が第一記号を決定した後で且つ物理抽選手段64が第二記号を決定する前に、決定された第一記号と今後の第二記号の決定によってゲームの進行度合いが予め定められた進行度合いになる可能性がある場合、プレイヤに知らせる演出を行う。例えば、演出手段68は、決定された第一数字と今後の第二数字の決定によってプレイヤに対応するオブジェクトが予め定められたマスに移動する可能性がある場合、その旨をプレイヤに知らせる。ここで、予め定められたマスとしては、プレイヤにとってゲーム上有利となるマス又はプレイヤにとってゲーム上不利となるマスが挙げられる。また、演出手段68は、ゲームの進行度合いが予め定められた進行度合いになる第二記号を表示制御する演出を行う。例えば、演出手段68は、決定された第一数字と今後の第二数字の決定によってプレイヤに対応するオブジェクトが予め定められたマスに移動する可能性がある場合、そのマスに移動するための第二数字を表示制御する。また、演出手段68は、電子抽選手段62が第一記号を決定した後に、第一検出センサ16Cを強調する演出を行う。例えば、演出手段68は、電子抽選手段62が第一記号を決定した後に、第二記号を決定する様子と、第一検出センサ16Cとが繋がることを示す演出を行う。言い換えれば、演出手段68は、第二記号の決定が、第一検出センサ16Cの検出によるものであることを示す演出を行う。
【0057】
<処理の流れ>
図6は、本実施形態に係るゲーム装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、所定期間毎に繰り返される。また、以下の処理の内容及び順番は適宜変更することができる。
【0058】
(ステップSP10)
進行手段66は、ゲーム装置10の電源が入った場合、又は、投入装置12を介してフィールド30AにメダルMが投入された場合、所定期間の間、表示装置18に対してゲーム画面を表示制御する。
【0059】
図7Aは、本実施形態に係るゲーム装置10に表示されるゲーム画面100Aの一例を示す図である。
【0060】
図7Aに示すように、ゲーム画面100Aには、マップ102と、複数のマス104と、コマ106と、が表示されている。マップ102は、例えば複数のマス104が環状に繋がって構成されている。複数のマス104にはそれぞれ、例えば第Aイベント~第Pイベント等のイベントが用意されている。コマ106は、複数のマス104のうち何れか一つのマスに配置されており、電子抽選手段62による抽選結果と物理抽選手段64による抽選結果との組み合わせにより、マス104を移動する。
【0061】
図6に戻って、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP12)
進行手段66は、第二検出センサ36からの検出結果に基づき、落とし口34に物体が落下したか否かを判定する。具体的には、第二検出センサ36は、落下した物体の透過率を検出及び出力することができるため、進行手段66は、第二検出センサ36から出力された透過率に基づいて、落とし口34に落下した物体がサイコロボールO1又はスペシャルボールO2を含むボールOであるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP14の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP12の処理に戻る。
なお、落とし口34に落下したボールは、射出機42によって射出されてストッカー40に格納される。また、本実施形態では、落とし口34に落下した物体がサイコロボールO1であるときに、下記の電子抽選と物理抽選を組み合わせた抽選ゲーム(通常抽選ゲーム)が実行される場合を説明し、落とし口34に落下した物体がスペシャルボールO2であるときに特別抽選ゲームが実行される場合の説明は省略する。
【0063】
(ステップSP14)
進行手段66は、ボール格納数Nをインクリメントする(N=N+1)。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP16)
電子抽選手段62は、以下のステップSP16A~ステップSP16Dを経ることで、電子抽選を実行する。
【0065】
(ステップSP16A)
電子抽選手段62は、表示装置18に対して電子抽選画面を表示制御する。
【0066】
図7Bは、図7Aに示すゲーム画面100Aから続くゲーム画面100Bの一例を示す図である。
【0067】
図7Bに示すように、ゲーム画面100Bには、電子抽選画面の一例が表示されている。具体的には、ゲーム画面100Bには、マップ102の中心に、一のサイコロ110と、他のサイコロ112と、が表示される。一のサイコロ110は、例えば「1」、「2」、「3」、「4」、「5」及び「6」の第一数字を含んでいる。他のサイコロ112は、例えば「1」、「2」、「3」、「4」、「5」及び「6」の第二数字を含んでいる。そして、ゲーム画面100Bでは、一のサイコロ110が第一リール114に変化する演出が行われる。具体的には、ゲーム画面100Bでは、一のサイコロ110が消えるととともに、その近くに当該一のサイコロ110の目がドラムの図柄に反映された第一リール114が登場する演出が行われる。
【0068】
図6に戻って、処理は、ステップSP16Bの処理に移行する。
【0069】
(ステップSP16B)
電子抽選手段62は、電子抽選を開始する。具体的には、電子抽選手段62は、第一リール114のドラムを回転表示させることで、複数の第一数字を第一リール114に変動表示させながら表示制御する。そして、処理は、ステップSP16Cの処理に移行する。
【0070】
(ステップSP16C)
電子抽選手段62は、自動的に電子タイミングを決定する。例えば、電子抽選手段62は、電子抽選の開始から、5秒や10秒等の予め定められた時間が経過したタイミングを電子タイミングとして決定する。そして、処理は、ステップSP16Dの処理に移行する。
【0071】
(ステップSP16D)
電子抽選手段62は、決定した電子タイミングで第一数字の変動表示を停止し、第一リール114に停止表示された第一数字を一つの第一抽選対象として決定する。
【0072】
図7Cは、図7Bに示すゲーム画面100Bから続くゲーム画面100Cの一例を示す図である。
【0073】
図7Cに示すように、ゲーム画面100Cには、例えばキャラクタ116がトンカチ116Aで第一リール114を叩いて第一数字の変動表示を停止する様子が表示される。図7Cでは、第一リール114に停止表示された第一数字「4」が一つの第一抽選対象として決定される。
【0074】
図6に戻って、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP18)
演出手段68は、第一抽選対象として決定された第一数字と、これから一つの第二抽選対象として決定される各第二数字とを加算し、加算結果が示す数字に対応するマス104を予想マスとして強調表示する演出を行う。具体的には、演出手段68は、加算結果が示す数字に対応するマス104だけ非グレーアウトする演出を行う。言い換えれば、演出手段68は、加算結果が示す数字に対応するマス104以外のマスをグレーアウトする演出を行う。
【0076】
図7Cに示すように、ゲーム画面100Dでは、第一数字の変動表示が停止した後、演出手段68による加算結果が示す数字に対応するマス104以外のマスがグレーアウトされている。これにより、予想マスが強調表示されることになる。
【0077】
図6に戻って、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0078】
(ステップSP20)
物理抽選手段64は、以下のステップSP20A~ステップSP20Dを経ることで、物理抽選を実行する。
【0079】
(ステップSP20A)
物理抽選手段64は、表示装置18に対して物理抽選画面を表示制御する。
【0080】
図7Dは、図7Cに示すゲーム画面100Cから続くゲーム画面100Dの一例を示す図である。
【0081】
図7Dに示すように、ゲーム画面100Dには、物理抽選画面の一例が表示されている。具体的には、ゲーム画面100Bには、マップ102の中心に、第一リール114の他、他のサイコロ112が表示される。そして、ゲーム画面100Dでは、他のサイコロ112が第二リール120に変化する演出が行われる。具体的には、ゲーム画面100Dでは、他のサイコロ112が消えるととともに、その近くに当該他のサイコロ112の目がドラムの図柄に反映された第二リール120が登場する演出が行われる。
【0082】
図6に戻って、処理は、ステップSP20Bの処理に移行する。
【0083】
(ステップSP20B)
演出手段68は、電子抽選手段62により決定された第一数字と今後の第二数字の決定によってゲームの進行度合いが予め定められた進行度合いになる可能性がある場合、プレイヤに知らせるカットイン演出を行う。
【0084】
図7Eは、図7Dに示すゲーム画面100Dから続くゲーム画面100Eの一例を示す図である。
【0085】
図7Eに示すように、演出手段68は、決定された第一数字と今後の第二数字の組み合わせにより、予め定められた「ホテルオープン」という第Kイベントが実行される可能性がある場合、「ホテルオープン」という文字をゲーム画面100Eにカットイン表示させ、今後の第二数字の決定によって第Kイベントが実行される可能性があることをプレイヤに知らせる。また、図7Eに示すように、演出手段68は、第Kイベントが実行される第二数字「6」を表示制御する演出を行う。例えば、演出手段68は、「ホテルオープン」という文字の隣に第二数字「6」を示すサイコロ132Aを表示制御する。また、演出手段68は、予め定められた第Kイベントのマス104を光らせたり色を変えたりして当該第Kイベントを強調表示するとともに、予め定められた第Kイベントのマス104の周囲に、第二数字「6」を示すサイコロ132Bを表示制御する。
【0086】
図6に戻って、処理は、ステップSP20Cの処理に移行する。
【0087】
(ステップSP20C)
物理抽選手段64は、物理抽選を開始する。具体的には、物理抽選手段64は、第二リール120のドラムを回転表示させることで、複数の第二数字を第二リール120に変動表示させながら表示制御する。そして、処理は、ステップSP20Dの処理に移行する。
【0088】
(ステップSP20D)
物理抽選手段64は、物理タイミングを決定する。具体的には、物理抽選手段64は、抽選機16を制御して移動台16Aに抽選ボールを射出する。射出された抽選ボールは、移動台16Aを移動して落とし穴16Bに落下する。落下した抽選ボールは、第一検出センサ16Cによって検出される。物理抽選手段64は、第一検出センサ16Cが抽選ボールの落下を検出したタイミングを物理タイミングとして決定する。そして、処理は、ステップSP20Eの処理に移行する。
【0089】
(ステップSP20E)
物理抽選手段64は、決定した物理タイミングで第二数字の変動表示を停止し、第二リール120に停止表示された第二数字を一つの第二抽選対象として決定する。
【0090】
図7Fは、図7Eに示すゲーム画面100Eから続くゲーム画面100Fの一例を示す図である。
【0091】
図7Fに示すように、ゲーム画面100Fには、物理タイミングで第二数字の変動表示が停止される様子が表示される。図7Fでは、第二リール120に停止表示された第二数字「6」が一つの第二抽選対象として決定される。
【0092】
図6に戻って、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0093】
(ステップSP22)
進行手段66は、第一抽選対象として決定された第一数字と、第二抽選対象として決定された第二数字と、を利用してゲームを進行させる進行度合いとしてコマ106を移動させるマス104の数「移動マス数」を算出する。
【0094】
図7Gは、図7Fに示すゲーム画面100Fから続くゲーム画面100Gの一例を示す図である。
【0095】
図7Gに示す例では、進行手段66は、第一抽選対象として決定された第一数字「4」と、第二抽選対象として決定された第二数字「6」とを加算して、その加算結果「10」を移動マス数とし、これをゲーム画面100Gに表示する。
【0096】
図6に戻って、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0097】
(ステップSP24)
進行手段66は、移動マス数だけ、コマ106を移動させる。
【0098】
図7Hは、図7Gに示すゲーム画面100Gから続くゲーム画面100Hの一例を示す図である。
【0099】
図7Hに示すように、コマ106は、進行手段66により移動マス数「10」だけマス104を移動する。
【0100】
図6に戻って、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0101】
(ステップSP26)
進行手段66は、移動したコマ106が位置するマス104に対応する第Kイベントを実行する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0102】
(ステップSP28)
進行手段66は、ボール格納数Nが上限値Nmaxと一致しているか否かを判定する(N=Nmax?)。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP30の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には図6に示す一連の処理が終了する。
【0103】
(ステップSP30)
進行手段66は、ストッカー40の格納を解除する。具体的には、進行手段66は、昇降装置44を制御して、フィールド30Aとは反対側のストッカー40の一端を上昇させ、ストッカー40に格納されている全てのボールOをフィールド30Aに戻す。また、進行手段66は、ボール格納数Nをゼロに初期化する。そして、図6に示す一連の処理が終了する。
【0104】
<効果>
以上、本実施形態に係るゲーム装置10は、プレイヤにゲームを提供するゲーム装置10であって、当該ゲーム装置10における物理的な変化を検出する第一検出センサ16Cを備える。そして、ゲーム装置10は、ゲームが実行されている間に、複数の第一抽選対象の中から一つの第一抽選対象を抽選している様子を表示制御するとともに、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて一つの第一抽選対象を決定する電子抽選手段62と、複数の第一抽選対象と同一の又は異なる複数の第二抽選対象の中から一つの第二抽選対象を抽選する様子を表示制御するとともに、第一検出センサ16Cが検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて一つの第二抽選対象を決定する物理抽選手段64と、電子抽選手段62の決定内容及び物理抽選手段64の決定内容に基づいてゲームを進行させる進行手段66と、を備える。
この構成によれば、電子抽選手段62の決定内容だけでなく物理抽選手段64の決定内容にも基づいてゲームを進行させるので、ゲームの進行について物理抽選手段64による無作為性を入り込ませることができる。これにより、本実施形態に係るゲーム装置10では、電子抽選手段62による電子抽選が二回行われる場合に比べて、プレイヤに対し、ゲームの進行について作為的な操作が介入する感覚を弱めることができる。また、本実施形態に係るゲーム装置10では、物理抽選手段64による物理抽選が二回行われる場合に比べて、抽選の時間を短縮でき、テンポ良くゲームを進行することができる。また、本実施形態に係るゲーム装置10の抽選は、電子抽選と物理抽選の組み合わせであるため、抽選のフローが淡泊とならず、ゲームの興趣性を向上することができる。
【0105】
また、本実施形態に係るゲーム装置10では、物理抽選手段64は、電子抽選手段62が一つの第一抽選対象を決定した後に、一つの第二抽選対象を決定する。
この構成によれば、電子抽選よりも物理抽選が後に行われるため、ゲームの進行については最終的に物理抽選による無作為性によって決まることになる。これにより、物理抽選よりも電子抽選が後に行われる場合に比べて、プレイヤに対し、ゲームの進行について作為的な操作が介入する感覚を一層弱めることができる。
【0106】
また、本実施形態に係るゲーム装置10では、第一検出センサ16Cは、現実空間においてゲーム装置10に予め用意されている実物体が所定の場所に移動したことを検出する。
この構成によれば、実物体が所定の場所に移動するタイミングはゲーム装置10の環境要因等によって変化し得るため、物理抽選の物理タイミングの無作為性を高めることができる。
【0107】
また、本実施形態に係るゲーム装置10では、電子抽選手段62が一つの第一抽選対象を決定した後で且つ物理抽選手段64が一つの第二抽選対象を決定する前に、電子抽選手段62の決定内容に基づいてゲームの進行に係る演出を行う演出手段68、を備える。
この構成によれば、電子抽選と物理抽選の間にゲームの進行に係る演出が行われるので、プレイヤに対し、物理抽選について興趣性を与えることができる。
【0108】
また、本実施形態に係るゲーム装置10では、複数の第一抽選対象は複数の第一記号を含み、且つ、複数の第二抽選対象は複数の第二記号を含み、電子抽選手段62は、複数の第一記号を第一リール114に変動表示させながら表示制御し、電子タイミングに基づいて当該変動表示を停止し、当該第一リール114に表示された第一記号を一つの第一抽選対象として決定し、物理抽選手段64は、複数の第二記号を第二リール120に変動表示させながら表示制御し、物理タイミングに基づいて当該変動表示を停止し、当該第二リール120に表示された第二記号を一つの第二抽選対象として決定する。
この構成によれば、電子抽選と物理抽選の興趣性を高めることができる。
【0109】
また、本実施形態に係るゲーム装置10では、進行手段66は、一つの第一抽選対象として決定された第一記号と、一つの第二抽選対象として決定された第二記号と、を利用してゲームを進行させる進行度合いを算出し、当該進行度合いに基づいてゲームを進行させる。
この構成によれば、第一記号と第二記号でゲームの進行度合いが算出されるため、プレイヤに対してゲームの進行度合いを理解させ易い。
【0110】
また、本実施形態に係るゲーム装置10では、演出手段68は、電子抽選手段62が第一記号を決定した後で且つ物理抽選手段64が第二記号を決定する前に、決定された第一記号と今後の第二記号の決定によってゲームの進行度合いが予め定められた進行度合いになる可能性がある場合、プレイヤに知らせる演出を行う。
この構成によれば、プレイヤに対し、予め定められた進行度合いになる可能性があることを認識させることで、物理抽選について興趣性を与えることができる。
【0111】
また、本実施形態に係るゲーム装置10では、演出手段68は、ゲームの進行度合いが予め定められた進行度合いになる第二記号を表示制御する演出を行う。
この構成によれば、プレイヤに対し、第二記号を認識させることで、物理抽選について興趣性を与えることができる。
【0112】
また、本実施形態に係るゲーム装置10では、演出手段68は、電子抽選手段62が第一記号を決定した後に、第一検出センサ16Cを強調する演出を行う。
この構成によれば、プレイヤに対し、第一検出センサ16Cに着目させることで、物理抽選について興趣性を与えることができる。
【0113】
<変形例>
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0114】
例えば、上記実施形態では、第一検出センサ16Cは、ボールが落とし穴16Bに落ちたことを検出する場合を説明したが、ゲーム装置10における物理的な変化を検出するものであれば、特に限定されない。例えば、第一検出センサ16Cは、ボールが移動台16Aの所定位置に移動したことを検出してもよいし、プレイヤが操作装置14を操作したことを検出してもよいし、メダルMが落ちたことを検出してもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、物理抽選手段64は、電子抽選手段62が一つの第一抽選対象を決定した後に、一つの第二抽選対象を決定する場合を説明したが、電子抽選手段62が一つの第一抽選対象を決定する前に、一つの第二抽選対象を決定してもよい。また、物理抽選手段64は、電子抽選手段62が一つの第一抽選対象を決定すると同時に、一つの第二抽選対象を決定してもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、進行手段66は、所定条件を満たした場合に、電子抽選手段62による電子抽選を物理抽選手段64による物理抽選に変更してもよい。所定条件としては、プレイヤが対価を支払うこと、ゲームが所定の進行状況になったこと、スペシャルボールO2等の所定の物体が落とし口34に落下したこと等が挙げられる。
【0117】
また、上記実施形態では、進行手段66は、電子抽選手段62の決定内容及び物理抽選手段64の決定内容に基づいてゲームを進行させる場合を説明したが、電子抽選手段62の決定内容に基づいて物理抽選手段64の複数の第二抽選対象の全部又は一部を変更してもよい。この場合、物理抽選手段64は、変更された第二抽選対象のうち一の第二抽選対象を決定し、進行手段66は、電子抽選手段62の決定内容及び物理抽選手段64の決定内容に基づいてゲームを進行させる。また、進行手段66は、電子抽選手段62の決定内容及び物理抽選手段64の決定内容に基づいてゲームを進行させるとともに又はゲームを進行させる代わりに、プレイヤに報酬を付与してもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、物体がボールOである場合を説明したが、メダルMや飴、おもちゃ、ぬいぐるみ、キーホルダ等であってもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、サイコロボールO1やスペシャルボールO2は、メダルMの投入というプレイヤの操作により間接的に移動可能である場合を説明したが、サイコロボールO1やスペシャルボールO2をプレイヤが直に触れて操作することにより直接的に移動可能であってもよい。
【符号の説明】
【0120】
10 :ゲーム装置
16C :第一検出センサ(検出装置)
62 :電子抽選手段
64 :物理抽選手段
66 :進行手段
68 :演出手段
114 :第一リール
120 :第二リール

【要約】
【課題】プレイヤに対し、ゲームの進行について作為的な操作が介入する感覚を弱めることができる。
【解決手段】ゲーム装置10が、物理的な変化を検出する検出装置と、自動的にタイミングを決定し、当該タイミングを電子タイミングとしたとき、当該電子タイミングに基づいて一つの第一抽選対象を決定する電子抽選手段62と、検出装置が検出したタイミングを物理タイミングとしたとき、当該物理タイミングに基づいて一つの第二抽選対象を決定する物理抽選手段64と、電子抽選手段62の決定内容及び物理抽選手段64の決定内容に基づいてゲームを進行させる進行手段66と、を備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H