(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】測距装置、測距装置の制御方法及び測距システム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/484 20060101AFI20240709BHJP
G01S 17/89 20200101ALI20240709BHJP
G01S 17/88 20060101ALI20240709BHJP
G01S 17/04 20200101ALI20240709BHJP
【FI】
G01S7/484
G01S17/89
G01S17/88
G01S17/04
(21)【出願番号】P 2023509966
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(86)【国際出願番号】 JP2021013546
(87)【国際公開番号】W WO2022208661
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】武井 大祐
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/098263(WO,A1)
【文献】特開2016-048237(JP,A)
【文献】中国実用新案第210363862(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0364387(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S17/00-17/95
G01C 3/06- 3/08
G01B11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出射手段から対象物の入射位置に第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、前記光出射手段と前記入射位置との間の距離を計測する距離計測手段と、
前記距離に応じて前記入射位置に入射するレーザ光のビーム径を第2のビーム径に調整するビーム径調整手段と、
前記光出射手段から前記入射位置に前記第2のビーム径で入射した前記レーザ光に対応する反射光に基づき、前記対象物に関するセンシングデータを生成するデータ生成手段と、
を備え、
前記対象物は、通信鉄塔であり、
前記ビーム径調整手段は、前記入射位置における前記第2のビーム径が前記入射位置における前記第1のビーム径に比して小さくなるように、前記レーザ光のビーム径を調整
し、
前記データ生成手段は、前記光出射手段から前記対象物の同じ前記入射位置に、前記第2のビーム径の前記レーザ光を複数回入射させ、前記反射光を複数回受光し、前記入射位置からの前記反射光の強度が、同じ前記入射位置から以前に取得された前記反射光の強度よりも減少した場合、前記入射位置においてボルトが外れたことを示す前記センシングデータを生成する、
測距装置。
【請求項2】
前記データ生成手段は、前記入射位置における前記第2のビーム径に応じた空間分解能に応じて、前記センシングデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
【請求項3】
前記データ生成手段は、前記センシングデータとして、前記入射位置における前記第2のビーム径に応じた空間分解能に応じて、前記対象物の三次元モデルを生成することを特徴とする請求項2に記載の測距装置。
【請求項4】
前記センシングデータを出力する制御を実行する出力制御手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項
3のうちのいずれか1項に記載の測距装置。
【請求項5】
前記距離に応じた強度で、前記第2のビーム径の前記レーザ光を前記光出射手段に出力させる強度調整手段を更に備える、請求項1から請求項
4のうちのいずれか1項に記載の測距装置。
【請求項6】
前記光出射手段を制御する光照射制限手段を更に備え、
前記距離計測手段は、前記光出射手段と複数の前記入射位置の各々との間の複数の前記距離を測定し、
前記光照射制限手段は、前記複数の前記距離のうちの閾値以上の前記距離の前記入射位置に対して前記第2のビーム径の前記レーザ光を前記光出射手段に出力させ、前記複数の前記距離のうちの前記閾値未満の前記距離の前記入射位置に対して前記第2のビーム径の前記レーザ光を前記光出射手段に出力させず、
前記データ生成手段は、前記閾値以上の前記距離の前記入射位置に対して前記第2のビーム径で入射した前記レーザ光に対応する反射光と、前記閾値未満の前記距離の前記入射位置に対して前記第1のビーム径で入射した前記レーザ光に対応する反射光とに基づいて、前記センシングデータを生成する、
請求項1から請求項
5のうちのいずれか1項に記載の測距装置。
【請求項7】
光出射手段から対象物の入射位置に第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、前記光出射手段と前記入射位置との間の距離を計測し、
前記距離に応じて前記対象物に入射するレーザ光のビーム径を、前記第1のビーム径に比して小さい第2のビーム径に調整し、
前記光出射手段から前記第2のビーム径で入射した前記レーザ光に対応する反射光に基づき、前記対象物に関するセンシングデータを生成
し、
前記対象物は、通信鉄塔であり、
前記対象物に関するセンシングデータを生成するとき、
前記光出射手段から前記対象物の同じ前記入射位置に、前記第2のビーム径の前記レーザ光を複数回入射させ、前記反射光を複数回受光し、前記入射位置からの前記反射光の強度が、同じ前記入射位置から以前に取得された前記反射光の強度よりも減少した場合、前記入射位置においてボルトが外れたことを示す前記センシングデータを生成する、
測距装置の制御方法。
【請求項8】
光出射手段から対象物の入射位置に第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、前記光出射手段と前記入射位置との間の距離を計測する距離計測手段と、
前記距離に応じて前記入射位置に入射するレーザ光のビーム径を第2のビーム径に調整するビーム径調整手段と、
前記光出射手段から前記入射位置に前記第2のビーム径で入射した前記レーザ光に対応する反射光に基づき、前記対象物に関するセンシングデータを生成するデータ生成手段と、
を備え、
前記対象物は、通信鉄塔であり、
前記ビーム径調整手段は、前記入射位置における前記第2のビーム径が前記入射位置における前記第1のビーム径に比して小さくなるように、前記レーザ光のビーム径を調整
し、
前記データ生成手段は、前記光出射手段から前記対象物の同じ前記入射位置に、前記第2のビーム径の前記レーザ光を複数回入射させ、前記反射光を複数回受光し、前記入射位置からの前記反射光の強度が、同じ前記入射位置から以前に取得された前記反射光の強度よりも減少した場合、前記入射位置においてボルトが外れたことを示す前記センシングデータを生成する、
測距システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging)による測定における空間分解能を向上させることが可能な測距装置、測距装置の制御方法及び測距システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光を対象物に対して出射し、対象物から受光した反射光に基づいて、対象物の表面状態等を検出するLiDARと呼ばれる技術が用いられている。例えば、特許文献1には、LiDARによる測定における距離測定分解能を向上する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、近年、対象物の表面における細かい傷、細かいひび又は細かい凹凸形状などを検出する観点から、LiDARによる測定における空間分解能を向上することが求められている。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、LiDAR等による測定における空間分解能を向上させることが可能な測距装置、測距装置の制御方法及び測距システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の測距装置は、
光出射手段から対象物の入射位置に第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、前記光出射手段と前記入射位置との間の距離を計測する距離計測手段と、
前記距離に応じて前記入射位置に入射する前記レーザ光のビーム径を第2のビーム径に調整するビーム径調整手段と、
前記光出射手段から前記入射位置に前記第2のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、前記対象物に関するセンシングデータを生成するデータ生成手段と、
を備え、
前記ビーム径調整手段は、前記入射位置における前記第2のビーム径が前記入射位置における前記第1のビーム径に比して小さくなるように、前記レーザ光のビーム径を調整する。
【0007】
または、本発明の測距装置の制御方法は、
光出射手段から対象物の入射位置に第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、前記光出射手段と前記入射位置との間の距離を計測し、
前記距離に応じて前記対象物に入射するレーザ光のビーム径を、前記第1のビーム径に比して小さい第2のビーム径に調整し、
前記光出射手段から前記第2のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、前記対象物に関するセンシングデータを生成する。
【0008】
または、本発明の測距システムは、
光出射手段から対象物の入射位置に第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、前記光出射手段と前記入射位置との間の距離を計測する距離計測手段と、
前記距離に応じて前記入射位置に入射する前記レーザ光のビーム径を第2のビーム径に調整するビーム径調整手段と、
前記光出射手段から前記入射位置に前記第2のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、前記対象物に関するセンシングデータを生成するデータ生成手段と、
を備え、
前記ビーム径調整手段は、前記入射位置における前記第2のビーム径が前記入射位置における前記第1のビーム径に比して小さくなるように、前記レーザ光のビーム径を調整する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、LiDAR等による測定における空間分解能を向上させることが可能な測距装置、測距装置の制御方法及び測距システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態における測距装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態における測距装置の詳細を説明するための図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態における測距装置の詳細を説明するための図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態における測距装置の詳細を説明するための図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態における測距装置の詳細を説明するための図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態における測距装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第1の実施形態における測距装置の変形例の構成例を示すブロック図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態における測距装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態における測距装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
第1の実施形態における測距装置1について、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5及び
図6に基づき説明する。
図1は、測距装置1の構成例を示すブロック図である。
図2、
図3、
図4及び
図5は、測距装置1の詳細を説明するための図である。
図6は、測距装置1の動作例を説明するためのフローチャート図である。
【0012】
測距装置1の構成について説明する。測距装置1は、光源部10及び制御部20を備える。なお、
図1において、光源部10及び制御部20は一体に設けられているが、別体であっても良い。光源部10及び制御部20は、不図示の通信手段により互いに通信可能である。
【0013】
光源部10は、光出射手段11及び光受光手段13を備える。光出射手段11は、監視対象MTにレーザ光を照射する。具体的には、レーザ光は、パルス状のレーザ光である。例えば、光出射手段11は、
図2、
図3、
図4及び
図5に示されるように、光源部10に設けられた光入出力端OIからレーザ光を照射する。これにより、照射されたレーザ光は、光路OPに沿って伝搬し、監視対象MTの入射位置FPに入射する。光路OPは、光入出力端OIと入射位置FPとを結ぶ線分である。ここで、監視対象MTは、通信鉄塔であるとする。光出射手段11は、予め設定された角度でレーザ光を出射することにより、監視対象MTにレーザ光を照射する。
【0014】
また、光受光手段13は、監視対象MTの入射位置FPで反射されたレーザ光(以下、「レーザ反射光」とする。)を受光する。例えば、光受光手段13は、
図2、
図3及び
図4の例においては、監視対象MTからのレーザ反射光を、光路OP及び光入出力端OIを介して受光する。また、後述のように光源部10がレーザ光を照射する方向を変化させることで、光受光手段13は、
図5に示されるように、異なる反射点FP1、FP2及びFP3からのレーザ反射光を受信することができる。
【0015】
次に、制御部20について説明する。制御部20は、距離計測手段21、ビーム径調整手段22、データ生成手段23及び出力制御手段24を備える。なお、距離計測手段21、ビーム径調整手段22、データ生成手段23及び出力制御手段24は、一つの制御部20に設けられている必要はなく、それぞれが別の装置に設けられたうえで一つのシステムとして動作しても良い。また、距離計測手段21、ビーム径調整手段22、データ生成手段23及び出力制御手段24の各々をコンピュータ等の情報処理装置に実現させるプログラムが、ハードディスクドライブなどの記憶媒体により格納されてもよい。
【0016】
距離計測手段21は、光出射手段11から監視対象物MTの入射位置FPに入射したレーザ光の反射光に基づき、光出射手段11と入射位置FPとの間の距離を計測する。
【0017】
ここで、
図2、
図3、
図4及び
図5を用いて、光出射手段11と入射位置FPとの間の距離を計測する方法の詳細を説明する。
図2は、x軸、y軸及びz軸によって、光源部10と監視対象MTとの位置関係を示すものである。また、
図3は、z軸及びa軸によって、光源部10と監視対象MTとの位置関係を示すものである。a軸は、光路OPをxy平面上に正射影することによって得られる。また、
図4は、xy平面上における、光源部10と監視対象MTとの位置関係を示すものである。
【0018】
光出射手段11は、
図2に示されるように、xy平面を基準とする任意の仰俯角θ1で示される方向に、レーザ光を出射する。
図3において、仰俯角θ1とは、レーザ光の光入出力端OIから鉛直下向きに伸びる直線と、光路OPによって形成される角である。
【0019】
また、光出射手段11は、
図2に示されるように、x軸を基準とする任意の方位角θ2で示される方向に、レーザ光を出射する。
図4において、方位角θ2は、xy平面上に設定された基準線Lと、光路OPによって形成される角である。仰俯角θ1及び方位角θ2の各々は、互いに独立して、距離計測手段21によって設定される。
【0020】
距離計測手段21は、光出射手段11によりレーザ光が照射されてから、光受光手段13によりレーザ反射光が受光されるまでの時間(以下、時間tとする)から光路OPの長さを求める。具体的には、光路OPの長さは、時間tに光速を乗じた値を2で除することにより求められる。
【0021】
光源部10が仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させることにより、レーザ光は異なる入射位置FPに入射する。光源部10は、予め定められた複数の仰俯角θ1及び複数の方位角θ2に従ってレーザ光を照射することにより、監視対象MTの複数の入射位置FPで反射された反射レーザ光を受光する。これにより、距離計測手段21は、監視対象MTの複数の入射位置FPごとに、光出射手段11の光入出力端OIからの距離(光路OPの長さ)を求める。
【0022】
例えば、光源部10は、仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させることにより、異なる入射位置FPにレーザ光を入射させる。例えば、光源部10は、仰俯角θ1を変化させることにより、
図5に示される光路OP1、光路OP2及び光路OP3に沿ってレーザ光を出力し、入射位置FP1、FP2及びFP3の各々からレーザ反射光を受光する。距離計測手段21は、前述の距離を計測する方法に従って、各入射位置までの距離(光路OPの長さ)を求める。この際、距離計測手段21は、レーザ光を出射した時点での仰俯角θ1及び方位角θ2と、当該レーザ光が反射された入射位置までの距離とを対応付けて、ビーム径調整手段22に出力する。
【0023】
ビーム径調整手段22は、距離計測手段21が求めた距離に応じて、光出射手段11から対象物の入射位置FPに入射するレーザ光のビーム径に調整する。前述の通り、距離計測手段21は、光出射手段11から出力されたレーザ光のレーザ反射光に基づいて、入射位置FPと光出射手段11の距離を計測した。光出射手段11は、距離計測手段21が距離を計測する際に、光出射手段11内に設けられたビームエキスパンダから、予め定められたビーム径のレーザ光を出射する。この際、ビームエキスパンダにおける複数のレンズ間の距離は、ビームエキスパンダから平行なレーザ光が出射されるように設定されている。出射された時点で平行なレーザ光は、入射位置FPに入射するまでに拡散した後に、入射位置FPに入射する。出射された時点で平行なレーザ光が入射位置FPに入射した時点のビーム径を第1のビーム径とする。距離計測手段21は、入射位置FPまでの距離及び出射時点のレーザ光のビーム径に基づいて、第1のビーム径を求めることができる。なお、ビームエキスパンダは、光源部10内に設けられていても良く、また制御部20に設けられていても良い。
【0024】
ビーム径調整手段22は、距離計測手段21から出力された入射位置までの距離に基づいて、当該入射位置に対応付けられた仰俯角θ1及び方位角θ2で光出射手段11から入射位置FPに入射するレーザ光のビーム径を、第2のビーム径として設定する。具体的には、ビーム径調整手段22は、距離計測手段21が求めた距離においてレーザ光が出射された時点よりも収束するように、ビームエキスパンダを制御する。たとえば、ビーム径調整手段22は、ビームエキスパンダに含まれる複数のレンズ間の距離と入射位置FPまでの距離を対応付けたルックアップテーブルを参照する。これにより、ビーム径調整手段22は、入射位置FPまでの距離に応じてレンズ間の距離を、平行なレーザ光を出射していた時点から調整することにより、異なる距離に入射位置FPに、第1のビーム径よりも小さい第2のビーム径でレーザ光を入射させることができる。ビーム径調整手段22は、仰俯角θ1及び方位角θ2に、第2のビーム径を対応付けて、データ生成手段23に出力する。
【0025】
データ生成手段23は、光出射手段11から入射位置FPに第2のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、対象物MTに関するセンシングデータを生成する。具体的には、データ生成手段23は、ビーム径調整手段22からの仰俯角θ1及び方位角θ2に対応付けられた入射位置FPまでの距離を、光出射手段11に出力する。光出射手段11は、上記と同様に、仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させることにより、異なる入射位置FPに対してレーザ光を出力する。この際、光出射手段11は、仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させるたびに、変化後の仰俯角θ1及び方位角θ2に対応付けられた入射位置FPにおいて、第2のビーム径でレーザ光が入射するようにビームエキスパンダを制御する。データ生成手段23は、第2のビーム径で監視対象物MTに入射したレーザ光のレーザ反射光に基づいて、監視対象物MTのセンシングデータを生成する。
【0026】
センシングデータとは、例えば、レーザ反射光の強度に基づいて生成される。例えば、監視対象物MTが通信鉄塔である場合、劣化が進むと亀裂が生じる。亀裂が生じた箇所に入射したレーザ光は、亀裂が生じていない箇所に入射したレーザ光に比べて散乱しやすい。そのため、亀裂が生じた箇所に入射したレーザ光のレーザ反射光は、亀裂が生じていない箇所に入射したレーザ光のレーザ反射光に比べて強度が低い。そこで、データ生成手段23は、強度が閾値以下のレーザ反射光が光受光手段13によって受光された場合、レーザ光の入射位置FPにおいて亀裂が生じていることを示すデータを、センシングデータとして検出する。
【0027】
また、例えば、監視対象物MTが通信鉄塔である場合、通信鉄塔に取り付けられているボルトがねじ穴から外れる場合がある。ボルトが外れた場合、レーザ光は、ねじ穴に入射するため、ボルトが外れる前に比べて散乱しやすい。そのため、ねじ穴に入射したレーザ光のレーザ反射光は、ボルトに入射したレーザ光のレーザ反射光に比べて強度が低い。そこで、データ生成手段23は、光出射手段11から対象物MTの入射位置FPに第2のビーム径のレーザ光を複数回入射させ、レーザ反射光を複数回受光する。データ生成手段23は、特定の入射位置FPからのレーザ反射光の強度が、同じ入射位置FPから以前に取得された強度よりも減少した場合に、当該入射位置FPにおいてボルトが外れたことを示すデータをセンシングデータとして生成する。
【0028】
また、この際、光出射手段11は、仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させるたびに、変化後の仰俯角θ1及び方位角θ2に対応付けられた第2のビーム径で入射位置FPに入射するように、レーザ光を出力する。データ生成手段23は、複数の入射位置からの反射光に基づいて、監視対象MTの3次元モデルを生成してもよい。3次元モデルとは、x軸の座標、y軸の座標及びz軸の座標によって位置が一意に定まる点の集合体である。3次元モデルは、例えば、3次元点群モデルである。データ生成手段23は、入射位置FPの各々のx座標、y座標及びz座標を求め、x軸、y軸及びz軸からなる座標系にプロットすることにより、監視対象MTの3次元モデルを生成する。
【0029】
この際、データ生成手段23は、光路OPの長さにcosθ1を乗じることで、レーザ光の光入出力端OIのz座標と、レーザ光の入射位置FPのz座標との差(
図3におけるH)を算出できる。これにより、データ生成手段23は、光入出力端OIに対する入射位置FPのz軸上の相対位置を取得する。
【0030】
更に、データ生成手段23は、光路OPの長さにsinθ1を乗じることで、xy平面上に投影された光路OPの長さ(
図4におけるD1)を算出する。D1は、
図4に示されるように、xy平面上において、レーザ光の光入出力端OIから入射位置FPまでを結ぶ線分の長さである。データ生成手段23はD1にsinθ2を乗じることで、光入出力端OIのx座標と入射位置FPのx座標の差(
図4におけるD2)を求める。また、データ生成手段23は、D1にcosθ2を乗じることで、光入出力端OIのy座標と入射位置FPのy座標の差(
図4におけるD3)を求める。
【0031】
データ生成手段23は、以上の手順で、光入出力端OIに対する、入射位置FPの各軸上の相対位置を取得できる。データ生成手段23は、上記の手順を繰り返すことにより、光入出力端OIに対する、複数の入射位置FPの各軸上の相対位置を取得し、3次元モデルを生成する。
【0032】
また、出力制御手段24は、データ生成手段23により生成されたセンシングデータを出力する制御を実行する。例えば、出力制御手段24は、不図示の外部装置から指示された場合に、センシングデータを当該外部装置に出力する。
【0033】
以上、測距装置1の構成の一例について説明した。次に、
図6を用いて、測距装置の動作例について説明する。
【0034】
距離計測手段21は、複数の入射位置FPまでの距離を取得する(S101)。具体的には、距離計測手段21は、光出射手段11により出射されたレーザ光が第1のビーム径で入射位置FPに入射し、入射位置FPからレーザ反射光が光受光手段13により受光されるまでの時間tに基づき、光入出力端OIから入射位置までの距離
(図2~4における光路OPの長さ)を求める。距離計測手段21は、仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させることで、光入出力端OIから複数の入射位置の各々までの距離を求める。距離計測手段21は、レーザ光を出射した時点での仰俯角θ1及び方位角θ2と、当該レーザ光が反射された入射位置までの距離とを対応付けて、ビーム径調整手段22に出力する。
【0035】
ビーム径調整手段22は、取得された距離に基づいて入射位置FP毎に第2のビーム径を設定する(S102)。具体的には、ビーム径調整手段22は、距離計測手段21から出力された入射位置FPまでの距離に基づいて、当該入射位置FPに対応付けられた仰俯角θ1及び方位角θ2で、光出射手段11から入射位置FPに入射させるレーザ光のビーム径を、第2のビーム径として設定する。ビーム径調整手段22は、仰俯角θ1及び方位角θ2に、第2のビーム径を対応付けて、データ生成手段23に出力する。
【0036】
データ生成手段23は、光源部10に、入射位置FPに対して調整された第2のビーム径でレーザ光を入射させ、反射レーザ光を受光させる(S103)。この際、光出射手段11は、仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させるたびに、変化後の仰俯角θ1及び方位角θ2に対応付けられた第2のビーム径で入射位置FPに入射するように、光出射手段11に備えられたビームエキスパンダを制御する。
【0037】
データ生成手段23は、光受光手段13が受光したレーザ反射光に基づいて、センシングデータを生成する(S104)。具体的にはデータ生成手段23は、前述のように、入射位置において亀裂が生じていることを示すデータ、入射位置においてボルトが外れていることを示すデータ及び3次元モデルの内の少なくとも一つを生成する。
【0038】
以上、測距装置1について説明した。上記のように、測距装置1は、距離計測手段21、ビーム径調整手段22及びデータ生成手段23を備える。距離計測手段21は、光出射手段11から対象物の入射位置FPに第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、光出射手段11と入射位置FPとの間の距離を計測する。また、ビーム径調整手段22は、光出射手段11と入射位置FPとの間の距離に応じて、光出射手段11から入射位置FPに入射するレーザ光のビーム径を第2のビーム径に調整する。また、データ生成手段23は、光出射手段11から入射位置FPに第2のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、対象物に関するセンシングデータを生成する。また、ビーム径調整手段22は、入射位置における第2のビーム径が入射位置における前記第1のビーム径に比して小さくなるように、レーザ光のビーム径を調整する。
【0039】
以上のように、測距装置1においては、光出射手段11と入射位置FPとの間の距離に応じて調整された第2のビーム径のレーザ光の反射光に基づき、センシングデータが生成される。一般的に、光は自由空間を伝搬する距離が長いほど拡散するという性質を持つ。そのため、レーザ光であっても、レーザ光が出射された出射位置から入射する位置までの距離が遠ければ拡散する。そのため、LiDARを用いて対象物に光を照射した場合、出射位置から遠い位置で入射したレーザ光のビーム径は、出射位置から近い位置で入射したレーザ光のビーム径よりも大きくなるため、出射位置から遠い位置では、LiDARを用いた測定の分解能が低下する。
【0040】
一方で、上記の測距装置1では、センシングデータを生成するためのレーザ光の入射位置でのビーム径(第2のビーム径)が、光出射手段11と入射位置FPとの間の距離に応じて調整される。そのため、測距装置1によれば、第2のビーム径を第1のビーム径よりも小さくすることにより、出射位置から遠い位置であっても、LiDARを用いた測定の分解能が低下することが抑制されるため、空間分解能を向上させることが可能である。また、データ生成手段23は、光出射手段11と入射位置FPとの間の距離に応じて調整された第2のビーム径のレーザ光を用いてセンシングデータを生成するため、第2のビーム径に応じた空間分解能のセンシングデータを生成する。これにより、測距装置1のユーザ等は、センシングデータを参照することにより、距離が遠い位置であってもより正確に対象物の状態を把握することができる。
【0041】
なお、
図1において、光出射手段11、光受光手段13、距離計測手段21、ビーム径調整手段22、データ生成手段23及び出力制御手段24の構成要素は、一つの測距装置1に設けられている。一方で、これらの構成要素は一つの装置に設けられている必要はなく、互いに別の装置に設けられた上で一つのシステムとして動作しても良い。
【0042】
次に、
図7を用いて、測距装置1Aについて説明する。測距装置1Aは、測距装置1の変形例である。測距装置1Aは、測距装置1と同様に、光源部10及び制御部20を備える。測距装置1Aは、制御部20が強度調整手段31及び光照射制限手段32を更に備える点で、測距装置1と相違する。なお、距離計測手段21、ビーム径調整手段22、データ生成手段23、出力制御手段24、強度調整手段31及び光照射制限手段32は、一つの制御部20に設けられている必要はなく、それぞれが別の装置に設けられたうえで一つのシステムとして動作しても良い。また、距離計測手段21、ビーム径調整手段22、データ生成手段23、出力制御手段24、強度調整手段31及び光照射制限手段32の各々をコンピュータ等の情報処理装置に実現させるプログラムが、ハードディスクドライブなどの記憶媒体により格納されてもよい。
【0043】
強度調整手段31は、距離計測手段21が取得した距離に応じた強度で、第2のビーム径で入射位置FPに入射するレーザ光を光出射手段11に出力させる。例えば、強度調整手段31は、距離が長ければ長いほど、より大きな強度で、第2のビーム径で入射位置FPに入射するレーザ光を光出射手段11に出力させる。
【0044】
測距装置1の説明で示したように、光出射手段11は、仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させるたびに、変化後の仰俯角θ1及び方位角θ2に対応付けられた第2のビーム径で入射するように、レーザ光を出力する。この際、強度調整手段31は、光出射手段11が仰俯角θ1及び方位角θ2の少なくとも一方を変化させるたびに、変化後の仰俯角θ1及び方位角θ2に対応付けられた入射位置までの距離に応じた強度で、第2のビーム径で入射するレーザ光を、光出射手段11に出力させる。
【0045】
光は自由空間を伝搬する距離が長いほど、減衰量が大きくなる傾向がある。そのため、LiDARにおいては、レーザ光の出射された位置から入射位置までの距離が長いほど、レーザ反射光の強度が低くなりやすい。LiDARにおいて、レーザ反射光の強度が低すぎると測定に悪影響を与える。一方で、測距装置1Aにおいては、強度調整手段31は、距離計測手段21が取得した距離に応じた強度で、第2のビーム径で入射するレーザ光を光出射手段11に出力させる。そのため、測距装置1Aによれば、光入出力端OIから焦点位置FPまでの距離が長い場合に、レーザ光の強度を増加させることができるため、レーザ反射光の強度が低くなることを抑制できる。
【0046】
また、光照射制限手段32は、光入出力端OIから複数の焦点位置FPの各々までの距離のうち、閾値未満の距離の入射位置FPに対して、第2のビーム径で入射位置FPに入射するレーザ光を光出射手段11に出力させない。具体的には、光照射制限手段32は、光出射手段11に、当該距離が閾値未満である入射位置FPに対応付けられた仰俯角θ1及び方位角θ2では、第2のビーム径で入射位置FPに入射するレーザ光を出射させない。
【0047】
一方で、光照射制限手段32は、光入出力端OIから複数の焦点位置FPの各々までの距離のうち、閾値以上の距離の入射位置FPに対して、第2のビーム径で入射位置FPに入射するレーザ光を光出射手段11に出力させる。具体的には、光照射制限手段32は、光出射手段11に、当該距離が閾値以上である入射位置FPに対応付けられた仰俯角θ1及び方位角θ2では、第2のビーム径で入射位置FPに入射するレーザ光を出射させる。
【0048】
この際、データ生成手段23は、光入出力端OIからの距離が閾値以上の入射位置FPに対して第2のビーム径で入射したレーザ光のレーザ反射光と、光入出力端OIからの距離が閾値未満の入射位置FPに対して第1のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光とに基づいて、センシングデータを生成する。
【0049】
例えば、データ生成手段23は、対象物MTにおいて亀裂が生じたことを検出する場合、光入出力端OIまでの距離が閾値未満である焦点位置FPにおいては、第1のビーム径で入射したレーザ光のレーザ反射光の強度に基づいて亀裂の発生を検出する。また、データ生成手段23は、光入出力端OIまでの距離が閾値以上である焦点位置FPにおいては、第2のビーム径で入射したレーザ光のレーザ反射光の強度に基づいて亀裂の発生を検出する。
【0050】
以上のように、測距装置1Aにおいては、光照射制限手段32は、光入出力端OIから複数の焦点位置FPの各々までの距離のうち、閾値未満の距離の入射位置FPに対して、第2のビーム径のレーザ光を光出射手段11に出力させない。測距装置1の説明で述べたように、レーザ光は出射された出射位置から入射する位置までの距離が遠ければ、より拡散する。一方で、レーザ光は出射された出射位置から入射する位置までの距離が近ければ、より拡散しにくい。そのため、出射位置から近い位置では、LiDARを用いた測定の分解能が低下するおそれが小さい。そのため、測距装置1Aにおいては、光入出力端OIからの距離が閾値以上である入射位置FPのみに対して、第2のビーム径のレーザ光を光出射手段11に出力させることにより、より効率よくLiDARによる測定が可能になる。
【0051】
なお、
図7において、光出射手段11、光受光手段13、距離計測手段21、ビーム径調整手段22、データ生成手段23、出力制御手段24、強度調整手段31及び光照射制限手段32の構成要素は、一つの測距装置1Aに設けられている。一方で、これらの構成要素は一つの装置に設けられている必要はなく、互いに別の装置に設けられた上で一つのシステムとして動作しても良い。
<第2の実施形態>
第2の実施形態における測距装置2について、
図8及び
図9に基づいて説明する。測距装置2は、
図8に示されるように、距離計測手段21、ビーム径調整手段22及びデータ生成手段23を備える。測距装置2は、更に、上述の測距装置1、1Aと同様の構成要素、機能及び接続関係を備えていても良い。なお、距離計測手段21、ビーム径調整手段22及びデータ生成手段23は、一つの測距装置2に設けられている必要はなく、それぞれが別の装置に設けられたうえで一つのシステムとして動作しても良い。また、距離計測手段21、ビーム径調整手段22及びデータ生成手段23の各々をコンピュータ等の情報処理装置に実現させるプログラムが、ハードディスクドライブなどの記憶媒体により格納されてもよい。
【0052】
距離計測手段21は、不図示の光出射手段から対象物の入射位置に第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、光出射手段と入射位置との間の距離を計測する。なお、距離計測手段21は、上述の測距装置1、1Aの距離計測手段21と同様の構成要素、機能及び接続関係を備えていても良い。
【0053】
ビーム径調整手段22は、距離計測手段21が測定した距離に応じて、入射位置に入射するレーザ光のビーム径を第2のビーム径に調整する。なお、ビーム径調整手段22は、上述の測距装置1、1Aのビーム径調整手段22と同様の構成要素、機能及び接続関係を備えていても良い。
【0054】
データ生成手段23は、光出射手段から入射位置FPに第2のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、対象物に関するセンシングデータを生成する。なお、データ生成手段23は、上述の測距装置1、1Aのデータ生成手段23と同様の構成要素、機能及び接続関係を備えていても良い。
【0055】
次に、
図9を用いて、測距装置2の動作について説明する。
図9は、測距装置2の動作を示すフローチャートである。
【0056】
距離計測手段21は、第1のビーム径で入射位置に入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、光出射手段と対象物との間の距離を計測する(S201)。
【0057】
ビーム径調整手段22は、計測した距離に応じて入射位置に入射するレーザ光のビーム径を第2のビーム径に調整する(S202)。この際、ビーム径調整手段22は、入射位置における第2のビーム径が入射位置における前記第1のビーム径に比して小さくなるように、レーザ光のビーム径を調整する。
【0058】
データ生成手段23は、光出射手段から入射位置に第2のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、対象物に関するセンシングデータを生成する(S203)。
【0059】
以上、測距装置2について説明した。上記のように、測距装置2は、距離計測手段21、ビーム径調整手段22及びデータ生成手段23を備える。距離計測手段21は、光出射手段から対象物の入射位置に第1のビーム径で入射したレーザ光の反射光に基づき、光出射手段と入射位置FPとの間の距離を計測する。また、ビーム径調整手段22は、光出射手段と入射位置FPとの間の距離に応じて、光出射手段から出力されるレーザ光のビーム径を第2のビーム径に調整する。また、データ生成手段23は、光出射手段から第2のビーム径で入射したレーザ光に対応する反射光に基づき、対象物に関するセンシングデータを生成する。また、ビーム径調整手段22は、入射位置における前記第2のビーム径が入射位置における前記第1のビーム径に比して小さくなるように、前記レーザ光のビーム径を調整する。
【0060】
以上のように、測距装置2においては、光出射手段と入射位置FPとの間の距離に応じて調整された第2のビーム径のレーザ光の反射光に基づき、センシングデータが生成される。一般的に、光は自由空間を伝搬する距離が長いほど拡散するという性質を持つ。そのため、レーザ光であっても、レーザ光が出射された出射位置から入射する位置までの距離が遠ければ拡散する。そのため、LiDARを用いて対象物に光を照射した場合、出射位置から遠い位置で入射したレーザ光のビーム径は、出射位置から近い位置で入射したレーザ光のビーム径よりも大きくなるため、出射位置から遠い位置では、LiDARを用いた測定の分解能が低下する。
【0061】
一方で、上記の測距装置2では、センシングデータを生成するためのレーザ光の入射位置におけるビーム径(第2のビーム径)が、光出射手段と入射位置FPとの間の距離に応じて調整される。そのため、測距装置2によれば、第2のビーム径を第1のビーム径よりも小さくすることにより、出射位置から遠い位置であっても、LiDARを用いた測定の分解能が低下することが抑制されるため、空間分解能を向上させることが可能である。
【0062】
なお、
図8において、距離計測手段21、ビーム径調整手段22及びデータ生成手段23の構成要素は、一つの測距装置
2に設けられている。一方で、これらの構成要素は一つの装置に設けられている必要はなく、互いに別の装置に設けられた上で一つのシステムとして動作しても良い。
【0063】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0064】
1、1A、2 測距装置
10 光源部
11 光出射手段
13 光受光手段
20 制御部
21 距離計測手段
22 ビーム径調整手段
23 データ生成手段
24 出力制御手段
31 強度調整手段
32 光照射制限手段