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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ペダル装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/06 20060101AFI20240709BHJP
   F16J 15/52 20060101ALI20240709BHJP
   F16J 3/04 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B60T7/06 H
B60T7/06 E
F16J15/52 Z
F16J3/04 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023520888
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2022013792
(87)【国際公開番号】W WO2022239501
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2021082794
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒尾 昌志
(72)【発明者】
【氏名】柳田 悦豪
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-75912(JP,A)
【文献】実開昭58-196256(JP,U)
【文献】実開昭49-139733(JP,U)
【文献】実開昭58-147027(JP,U)
【文献】実開昭58-192759(JP,U)
【文献】実開昭54-010631(JP,U)
【文献】特開2021-035791(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0005237(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 7/06
F16J 15/52
F16J 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダル装置であって、
操作者の踏込によって回転軸(CL)を中心に回転するペダル(40)と、
前記ペダルのうち前記操作者によって踏まれる面とは反対側の面であるペダル裏面(405)に接続されていることにより前記回転軸を中心に前記ペダルとともに回転する連結ロッド(60)と、
前記操作者によって前記ペダルが踏まれるときに前記ペダルから前記連結ロッドを介して力を受けることで弾性変形することにより前記ペダルに印加される前記操作者の踏力に対する反力を発生させる反力発生機構(30)と、
前記操作者によって前記ペダルが踏まれるときに前記連結ロッドが通過する孔であるハウジング孔(100)を形成するとともに、前記反力発生機構を収容しているハウジング(5)と、
前記ハウジングのうち前記ハウジング孔を形成する端部であるハウジング端部(101)に接続されているハウジング接続部(81)と、前記ハウジング接続部および前記ペダル裏面の間に配置されているとともに前記ハウジング接続部に接続されていることにより前記ハウジング孔を覆う被覆部(83)と、を有する被覆部材(80)と、
を備え
前記ハウジングは、前記ハウジング端部を含む第1ハウジング(10)と、第2ハウジング(20)と、を有し、
前記第1ハウジングは、前記ハウジング孔とは異なる位置に形成された開口(16)および前記ハウジング孔と前記開口とに連通するハウジング空間(15)を形成し、
前記第2ハウジングは、前記開口を塞いでおり、
前記第1ハウジングのうち前記開口側の端および前記第2ハウジングの間に空間である呼吸孔(25)が形成されており、
前記操作者の踏込によって前記ペダルが踏まれるときに前記ペダルからの力を受けることで前記ハウジング空間の空気が圧縮されるとき、前記ハウジング空間の空気が前記呼吸孔を通過して前記ハウジングの外部に流出し、
前記操作者が前記ペダルを踏んでいる状態から前記ペダルを踏むことをやめるときに前記ペダルからの力が除荷されることで前記ハウジング空間の空気が膨張するとき、前記ハウジングの外部の空気が前記呼吸孔を通過して前記ハウジング空間に流入するペダル装置。
【請求項2】
前記開口は、前記ハウジング孔とは反対側に位置している請求項1に記載のペダル装置。
【請求項3】
ペダル装置であって、
操作者の踏込によって回転軸(CL)を中心に回転するペダル(40)と、
前記ペダルのうち前記操作者によって踏まれる面とは反対側の面であるペダル裏面(405)に接続されていることにより前記回転軸を中心に前記ペダルとともに回転する連結ロッド(60)と、
前記操作者によって前記ペダルが踏まれるときに前記ペダルから前記連結ロッドを介して力を受けることで弾性変形することにより前記ペダルに印加される前記操作者の踏力に対する反力を発生させる反力発生機構(30)と、
前記操作者によって前記ペダルが踏まれるときに前記連結ロッドが通過する孔であるハウジング孔(100)を形成するとともに、前記反力発生機構を収容しているハウジング(5)と、
前記ハウジングのうち前記ハウジング孔を形成する端部であるハウジング端部(101)に接続されているハウジング接続部(81)と、前記ハウジング接続部および前記ペダル裏面の間に配置されているとともに前記ハウジング接続部に接続されていることにより前記ハウジング孔を覆う被覆部(83)と、を有する被覆部材(80)と、
を備え、
前記ハウジングは、前記ハウジング孔に連通するハウジング空間(15)および前記ハウジングの外部と前記ハウジング空間とに連通するフィルタ穴(220)を形成し、
前記ペダル装置は、前記ハウジングの外部から前記フィルタ穴を通過して前記ハウジングの内部の空間に向かって流れる異物を通過させないで空気を通過させるフィルタ(225)をさらに備え、
前記操作者によって前記ペダルが踏まれるときに前記ハウジング空間の空気が前記ペダルからの力を受けることで圧縮されるとき、前記ハウジング空間の空気が前記フィルタ穴および前記フィルタを通過して前記ハウジングの外部に流出し、
前記操作者が前記ペダルを踏んでいる状態から前記ペダルを踏むことをやめるときに前記ペダルからの力が除荷されることで前記ハウジング空間の空気が膨張するとき、前記ハウジングの外部の空気が前記フィルタ穴および前記フィルタを通過して前記ハウジング空間に流入するペダル装置。
【請求項4】
ペダル装置であって、
操作者の踏込によって回転軸(CL)を中心に回転するペダル(40)と、
前記ペダルのうち前記操作者によって踏まれる面とは反対側の面であるペダル裏面(405)に接続されていることにより前記回転軸を中心に前記ペダルとともに回転する連結ロッド(60)と、
前記操作者によって前記ペダルが踏まれるときに前記ペダルから前記連結ロッドを介して力を受けることで弾性変形することにより前記ペダルに印加される前記操作者の踏力に対する反力を発生させる反力発生機構(30)と、
前記操作者によって前記ペダルが踏まれるときに前記連結ロッドが通過する孔であるハウジング孔(100)を形成するとともに、前記反力発生機構を収容しているハウジング(5)と、
前記ハウジングのうち前記ハウジング孔を形成する端部であるハウジング端部(101)に接続されているハウジング接続部(81)と、前記ハウジング接続部および前記ペダル裏面の間に配置されているとともに前記ハウジング接続部に接続されていることにより前記ハウジング孔を覆う被覆部(83)と、を有する被覆部材(80)と、
前記ペダル裏面から前記ハウジング側に延びていることにより前記連結ロッドおよび前記被覆部材の少なくとも一部と前記回転軸の延びる方向に重なっている保護部(515)と、
を備え、
前記操作者の踏込によって前記ペダルが最も回転した状態において、前記ペダル裏面および前記ハウジングの間には、第1領域(α)と、第2領域(β)と、が形成されており、
前記ペダル裏面に対して垂直な方向において、前記第2領域における前記ペダル裏面から前記ハウジングまでの距離は、前記第1領域における前記ペダル裏面から前記ハウジングまでの距離よりも長くなっており、
前記第2領域は、前記保護部が前記第2領域を覆っていないことにより、前記回転軸の延びる方向の一方側および他方側のうち少なくとも前記保護部が配置されている側に開放されているペダル装置。
【請求項5】
前記被覆部は、蛇腹状に形成されており、前記操作者によって前記ペダルが踏まれるときに弾性変形することにより前記反力を発生させる請求項1ないし4のいずれか1つに記載のペダル装置。
【請求項6】
前記被覆部材は、前記被覆部に接続されているとともに前記ペダル裏面に接続されているペダル接続部(82)をさらに有する請求項1ないし5のいずれか1つに記載のペダル装置。
【請求項7】
前記被覆部材は、前記反力発生機構のうち前記連結ロッドと接触する面(373)に接続されているとともに前記被覆部に接続されている機構接続部(82)をさらに有する請求項1ないし5のいずれか1つに記載のペダル装置。
【請求項8】
前記被覆部材は、前記被覆部に接続されているとともに前記連結ロッドに接続されているロッド接続部(82)をさらに有する請求項1ないし5のいずれか1つに記載のペダル装置。
【請求項9】
前記連結ロッドは、前記連結ロッドの軸方向と直交する方向に凹んでいるロッド凹部(613)を有し、
前記ロッド凹部は、ロッド底面(616)と、前記ロッド底面に接続されているロッド側面(617)とを含み、
前記ロッド接続部は、前記ロッド底面および前記ロッド側面に形成される空間に挿入されている挿入部(821)と、前記挿入部から前記連結ロッドの軸方向と直交する方向に突出する突出部(822)と、を含む請求項に記載のペダル装置。
【請求項10】
前記連結ロッドは、前記連結ロッドの側面から前記連結ロッドの軸方向と直交する方向の突出しているロッド凸部(632)を有し、
前記ロッド接続部は、一方向に延びている底部(883)と、前記底部から前記底部が延びている方向と交差する方向に延びている第1側部(881)と、前記底部のうち前記第1側部とは反対側から前記底部が延びている方向と交差する方向に延びている第2側部(882)とを含み、
前記ロッド凸部は、前記底部、前記第1側部および前記第2側部によって形成される空間に挿入されている請求項に記載のペダル装置。
【請求項11】
前記第2側部の長さは、前記第1側部の長さよりも短く、
前記第2側部は、前記ロッド凸部とは反対側に形成されているロッド用斜面(884)を含み、
前記ロッド用斜面は、前記第2側部が延びている方向に対して傾斜していることにより、前記ロッド凸部を前記底部、前記第1側部および前記第2側部によって形成される空間に案内する請求項10に記載のペダル装置。
【請求項12】
前記ハウジング接続部は、一方向に延びている第1延長部(811)と、前記第1延長部から前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(812)と、前記第2延長部のうち前記第1延長部とは反対側から前記第2延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第3延長部(813)とを含み、
前記第1延長部、前記第2延長部および前記第3延長部によって形成される空間に前記ハウジング端部が挿入されている請求項1ないし11のいずれか1つに記載のペダル装置。
【請求項13】
前記第3延長部の長さは、前記第1延長部の長さよりも短く、
前記第3延長部は、前記ハウジング端部とは反対側に形成されているハウジング用斜面(814)を含み、
前記ハウジング用斜面は、前記第3延長部が延びている方向に対して傾斜していることにより、前記ハウジング端部を前記第1延長部、前記第2延長部および前記第3延長部によって形成される空間に案内する請求項12に記載のペダル装置。
【請求項14】
前記ハウジング端部は、凹んでいる端部凹部(105)を含み、
前記端部凹部は、端部底面(106)と、前記端部底面に接続されている端部側面(107)とを含み、
前記ハウジング接続部は、前記端部底面および前記端部側面によって形成される空間に挿入されている請求項1ないし11のいずれか1つに記載のペダル装置。
【請求項15】
前記ハウジング接続部は、前記ハウジング孔に挿入されていることにより前記ハウジング端部に接続されている低強度部(851)と、前記低強度部に囲まれているとともに前記低強度部のヤング率よりも高いヤング率を有する高強度部(841)とを含む請求項1ないし11のいずれか1つに記載のペダル装置。
【請求項16】
前記保護部の一部が、前記操作者によって前記ペダルが踏まれていないとき、前記ハウジングの一部と前記回転軸の延びる方向に重なっている請求項に記載のペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本出願は、2021年5月14日に出願された日本特許出願番号2021-82794
号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ペダル装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、特許文献1に記載されているように、車両の運転者によって踏まれるペダルを覆う被覆部材を備える自動車用ペダルが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭64-50131号公報
【発明の概要】
【0005】
発明者等の検討によれば、ペダルのうち運転者によって踏まれる面が被覆部材に覆われていることから、被覆部材は、運転者によって踏まれることによって摩耗したり破損したりする。このため、被覆部材の破損部分からばね等の反力発生機構を収容するハウジングの内部に埃、水分および被覆部材の摩耗粉等の異物が侵入する。
本開示は、異物の侵入を抑制するペダル装置を提供することを目的とする。
【0006】
本開示の1つの観点によれば、ペダル装置であって、操作者の踏込によって回転軸を中心に回転するペダルと、ペダルのうち操作者によって踏まれる面とは反対側の面であるペダル裏面に接続されていることにより回転軸を中心にペダルとともに回転する連結ロッドと、操作者によってペダルが踏まれるときにペダルから連結ロッドを介して力を受けることで弾性変形することによりペダルに印加される操作者の踏力に対する反力を発生させる反力発生機構と、操作者によってペダルが踏まれるときに連結ロッドが通過する孔であるハウジング孔を形成するとともに、反力発生機構を収容しているハウジングと、ハウジングのうちハウジング孔を形成する端部であるハウジング端部に接続されているハウジング接続部と、ハウジング接続部およびペダル裏面の間に配置されているとともにハウジング接続部に接続されていることによりハウジング孔を覆う被覆部と、を有する被覆部材と、を備え、ハウジングは、ハウジング端部を含む第1ハウジングと、第2ハウジングと、を有し、第1ハウジングは、ハウジング孔とは異なる位置に形成された開口およびハウジング孔と開口とに連通するハウジング空間を形成し、第2ハウジングは、開口を塞いでおり、第1ハウジングのうち開口側の端および第2ハウジングの間に空間である呼吸孔が形成されており、操作者の踏込によってペダルが踏まれるときにペダルからの力を受けることでハウジング空間の空気が圧縮されるとき、ハウジング空間の空気が呼吸孔を通過してハウジングの外部に流出し、操作者がペダルを踏んでいる状態からペダルを踏むことをやめるときにペダルからの力が除荷されることでハウジング空間の空気が膨張するとき、ハウジングの外部の空気が呼吸孔を通過してハウジング空間に流入するペダル装置である。
また、本開示の別の観点によれば、ペダル装置であって、操作者の踏込によって回転軸を中心に回転するペダルと、ペダルのうち操作者によって踏まれる面とは反対側の面であるペダル裏面に接続されていることにより回転軸を中心にペダルとともに回転する連結ロッドと、操作者によってペダルが踏まれるときにペダルから連結ロッドを介して力を受けることで弾性変形することによりペダルに印加される操作者の踏力に対する反力を発生させる反力発生機構と、操作者によってペダルが踏まれるときに連結ロッドが通過する孔であるハウジング孔を形成するとともに、反力発生機構を収容しているハウジングと、ハウジングのうちハウジング孔を形成する端部であるハウジング端部に接続されているハウジング接続部と、ハウジング接続部およびペダル裏面の間に配置されているとともにハウジング接続部に接続されていることによりハウジング孔を覆う被覆部と、を有する被覆部材と、を備え、ハウジングは、ハウジング孔に連通するハウジング空間およびハウジングの外部とハウジング空間とに連通するフィルタ穴を形成し、ペダル装置は、ハウジングの外部からフィルタ穴を通過してハウジングの内部の空間に向かって流れる異物を通過させないで空気を通過させるフィルタをさらに備え、操作者によってペダルが踏まれるときにハウジング空間の空気がペダルからの力を受けることで圧縮されるとき、ハウジング空間の空気がフィルタ穴およびフィルタを通過してハウジングの外部に流出し、操作者がペダルを踏んでいる状態からペダルを踏むことをやめるときにペダルからの力が除荷されることでハウジング空間の空気が膨張するとき、ハウジングの外部の空気がフィルタ穴およびフィルタを通過してハウジング空間に流入するペダル装置である。
さらに、本開示の別の観点によれば、ペダル装置であって、操作者の踏込によって回転軸(CL)を中心に回転するペダル(40)と、ペダルのうち操作者によって踏まれる面とは反対側の面であるペダル裏面(405)に接続されていることにより回転軸を中心にペダルとともに回転する連結ロッド(60)と、操作者によってペダルが踏まれるときにペダルから連結ロッドを介して力を受けることで弾性変形することによりペダルに印加される操作者の踏力に対する反力を発生させる反力発生機構(30)と、操作者によってペダルが踏まれるときに連結ロッドが通過する孔であるハウジング孔(100)を形成するとともに、反力発生機構を収容しているハウジング(5)と、ハウジングのうちハウジング孔を形成する端部であるハウジング端部(101)に接続されているハウジング接続部(81)と、ハウジング接続部およびペダル裏面の間に配置されているとともにハウジング接続部に接続されていることによりハウジング孔を覆う被覆部(83)と、を有する被覆部材(80)と、ペダル裏面からハウジング側に延びていることにより連結ロッドおよび被覆部材の少なくとも一部と回転軸の延びる方向に重なっている保護部(515)と、を備え、操作者の踏込によってペダルが最も回転した状態において、ペダル裏面およびハウジングの間には、第1領域(α)と、第2領域(β)と、が形成されており、ペダル裏面に対して垂直な方向において、第2領域におけるペダル裏面からハウジングまでの距離は、第1領域におけるペダル裏面からハウジングまでの距離よりも長くなっており、第2領域は、保護部が第2領域を覆っていないことにより、回転軸の延びる方向の一方側および他方側のうち少なくとも保護部が配置されている側に開放されているペダル装置である。
【0007】
被覆部がハウジング接続部およびペダル裏面の間に配置されていることにより、操作者によって踏まれることがない。このため、被覆部材が摩耗および破損することがなくなる。また、被覆部がハウジング孔を覆っているため、異物は、ハウジングの外部からハウジング孔を通過してハウジングの内部に侵入できない。したがって、異物の侵入が抑制される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態のペダル装置が用いられるブレーキバイワイヤシステムの構成図。
図2】ペダル装置の斜視図。
図3】ペダル装置の斜視図。
図4】ペダル装置の断面図。
図5】ペダル装置の一部の斜視図。
図6図4のVI部拡大図。
図7】ペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図8】第2実施形態のペダル装置の断面図。
図9】第3実施形態のペダル装置の断面図。
図10】第4実施形態のペダル装置の断面図。
図11】第5実施形態のペダル装置の断面図。
図12】第6実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図13図12のXIII-XIII線断面図。
図14】第7実施形態のペダル装置のハウジングおよび被覆部材の断面図。
図15】第8実施形態のペダル装置のハウジングおよび被覆部材の断面図。
図16】第9実施形態のペダル装置のハウジングおよび被覆部材の断面図。
図17】第10実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図18】第11実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図19】第12実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図20】第13実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図21】第14実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図22】第15実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図23】第16実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図24】第17実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図25】第18実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図26】第19実施形態のペダル装置の連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図27】第20実施形態のペダル装置の連結ロッドおよび被覆部材の断面図。
図28】第21実施形態のペダル装置の連結ロッドおよび被覆部材の断面図。
図29】第22実施形態のペダル装置の第1ハウジングおよび第2ハウジングの断面図。
図30】第23実施形態のペダル装置の第1ハウジングおよび第2ハウジングの断面図。
図31】第24実施形態のペダル装置の第1ハウジングの斜視図。
図32】第25実施形態のペダル装置の第1ハウジングの斜視図。
図33】第26実施形態のペダル装置の第1ハウジングの斜視図。
図34】第27実施形態のペダル装置の断面図。
図35】第28実施形態のペダル装置の断面図。
図36】第29実施形態のペダル装置の斜視図。
図37】ペダル装置の側面図。
図38】ペダル装置の側面図。
図39】ペダル装置において最大踏込状態を示す側面図。
図40】第30実施形態のペダル装置の側面図。
図41】他の実施形態のペダル装置のペダル、連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図42】他の実施形態のペダル装置のペダル、連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図43】他の実施形態のペダル装置のペダル、連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
図44】他の実施形態のペダル装置のペダル、連結ロッド、被覆部材およびハウジング端部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態のペダル装置1は、例えば、車両のブレーキを制御するブレーキバイワイヤシステム150にブレーキペダルとして用いられる。まず、このブレーキバイワイヤシステム150について説明する。
【0012】
ブレーキバイワイヤシステム150は、図1に示すように、ホイールシリンダ131~134、ECU110、ブレーキ回路120およびペダル装置1を備えている。
【0013】
ホイールシリンダ131~134は、車両の各車輪にそれぞれ配置されている。また、各ホイールシリンダ131~134には、図示しないブレーキパッドが取り付けられている。
【0014】
ECU110は、第1ECU111および第2ECU112を有する。第1ECU111は、図示しないマイコンおよび駆動回路等を有する。また、第1ECU111は、後述のペダル装置1からの信号に基づいて、後述のブレーキ回路120の第1ブレーキ回路121を制御する。第2ECU112は、図示しないマイコンおよび駆動回路等を有する。さらに、第2ECU112は、後述のペダル装置1からの信号に基づいて、後述のブレーキ回路120の第2ブレーキ回路122を制御する。
【0015】
ブレーキ回路120は、第1ブレーキ回路121および第2ブレーキ回路122を有する。第1ブレーキ回路121は、リザーバ124、モータ123、ギヤ機構125およびマスターシリンダ126を含む。リザーバ124は、ブレーキ液を貯蔵している。モータ123は、ギヤ機構125を駆動する。ギヤ機構125は、マスターシリンダ126の有するマスターピストン127を、マスターシリンダ126の軸方向に往復移動させる。第2ブレーキ回路122は、図示しない電磁弁等を含む。また、第2ブレーキ回路122は、第2ECU112からの制御信号に応じて電磁弁の開閉を行うことにより、各ホイールシリンダ131~134の液圧を制御する。
【0016】
ここで、以下のペダル装置1を説明するため、車両の前後方向を車両前後方向Daとする。車両の天地方向を車両上下方向Dbとする。車両の左右方向を車両左右方向Dcとする。車両前後方向Daにおける前方を、車両前方と記載する。車両前後方向Daにおける後方を、車両後方と記載する。車両上下方向Dbにおける上方を、車両上方と記載する。車両上下方向Dbにおける下方を、車両下方と記載する。車両左右方向Dcにおける左方を、車両左方と記載する。車両左右方向Dcにおける右方を、車両右方と記載する。
【0017】
ペダル装置1は、オルガン式のペダル装置1である。このため、ペダル装置1は、後述のペダル40に印加される運転者の踏力の増加に応じてペダル40のうち回転軸CLより車両前方の部位が車室内のフロア2側またはダッシュパネル側に回転する。なお、ダッシュパネルは、車両のエンジンルーム等の車室外と車室内とを区切る隔壁であって、バルクヘッドと呼ばれることもある。
【0018】
具体的には、ペダル装置1は、図2図7に示すように、ハウジング5、ハウジング用ボルト22、反力発生機構30、ペダル40、パッド402、シャフト41、回転プレート43およびセンサユニット50を備える。また、ペダル装置1は、連結ロッド60、ロッド接続用ねじ65、第1ストッパ70、第2ストッパ75および被覆部材80を備える。
【0019】
ハウジング5は、第1ハウジング10、第2ハウジング20および呼吸孔25を有する。
【0020】
第1ハウジング10は、箱状に樹脂で形成されている。また、第1ハウジング10は、上壁11、左側壁12、右側壁13、前壁14、ハウジング空間15、ハウジング開口16および軸受穴17を有する。
【0021】
上壁11は、図2図4に示すように、第1ハウジング10のうち車両上方側の壁である。また、上壁11は、図4および図7に示すように、ハウジング孔100およびハウジング端部101を含む。ハウジング孔100には、後述の反力発生機構30の大部分が挿入されている。ハウジング端部101は、ハウジング孔100を形成している。左側壁12は、図3に示すように、第1ハウジング10のうち車両左方側の壁である。
【0022】
右側壁13は、図2および図5に示すように、第1ハウジング10のうち車両左方側の壁である。また、右側壁13は、ハウジング凹部130を含む。
【0023】
ハウジング凹部130は、右側壁13の外面から車両左方向に凹んでいる。また、ハウジング凹部130は、ハウジング凹部底面305、ハウジング凹部第1側面301、ハウジング凹部第2側面302、ハウジング凹部第3側面303およびハウジング凹部空間306を含む。
【0024】
ハウジング凹部底面305は、車両右方を向く面である。また、ハウジング凹部底面305は、後述のペダル40の回転軸CLを中心とする円弧状に形成されている。
【0025】
ハウジング凹部第1側面301は、ハウジング凹部底面305のうち車両後方側に接続されている。また、ハウジング凹部第1側面301は、後述のペダル40の回転軸CLを中心とする円弧柱の側面状に形成されている。
【0026】
ハウジング凹部第2側面302は、ハウジング凹部底面305のうち車両前方側に接続されている。また、ハウジング凹部第2側面302は、後述のペダル40の回転軸CLを中心とする円弧柱の側面状に形成されている。
【0027】
ハウジング凹部第3側面303は、ハウジング凹部底面305、ハウジング凹部第1側面301およびハウジング凹部第2側面302のうち車両上方側に接続されている。
【0028】
ハウジング凹部空間306は、ハウジング凹部底面305、ハウジング凹部第1側面301、ハウジング凹部第2側面302およびハウジング凹部第3側面303によって形成される空間である。また、ハウジング凹部空間306は、ハウジング凹部底面305、ハウジング凹部第1側面301およびハウジング凹部第2側面302の形状により、後述のペダル40の回転軸CLを中心とする円弧状に形成されている。
【0029】
前壁14は、図4に示すように、第1ハウジング10のうち車両前方側の壁である。ハウジング空間15は、上壁11、左側壁12、右側壁13および前壁14によって形成される空間である。ハウジング開口16は、ハウジング空間15のうち上壁11の端、左側壁12の端、右側壁13の端および前壁14の端によって形成される開口空間である。軸受穴17は、車両左右方向Dcに延びる円柱状の空間である。
【0030】
第2ハウジング20は、板状に形成されているとともに、第1ハウジング10の上壁11の端、左側壁12の端、右側壁13の端および前壁14の端に接続されている。また、例えば、第1ハウジング10の上壁11の端の図示しない穴、左側壁12の端の図示しない穴、右側壁13の端の図示しない穴、前壁14の端の図示しない穴およびこれらの穴に対応する第2ハウジング20の穴に図示しないボルトが挿入されている。これにより、第2ハウジング20は、第1ハウジング10と固定されているとともに、ハウジング開口16を塞いでいる。また、第2ハウジング20は、金属で形成されている。さらに、上記したように、第1ハウジング10は、樹脂で形成されている。このため、第2ハウジング20のヤング率は、第1ハウジング10のヤング率よりも高くなっている。このため、ハウジング5の剛性は、第1ハウジング10および第2ハウジング20がともに樹脂で形成されている場合よりも、高くなっている。さらに、図3に示すように、第2ハウジング20の穴およびこの第2ハウジング20の穴に対応するフロア2の穴にハウジング用ボルト22が挿入されていることにより、第2ハウジング20とフロア2とが固定されている。これにより、ペダル装置1は、フロア2に固定される。
【0031】
呼吸孔25は、図6に示すように、第1ハウジング10および第2ハウジング20の間に形成される空間である。このため、呼吸孔25は、ハウジング空間15とハウジング5の外部の空間とに連通する。また、この呼吸孔25は、例えば、第1ハウジング10の前壁14の端および第2ハウジング20のうち車両前方側かつ車両上方側の部位の間に形成されている。さらに、呼吸孔25における第1ハウジング10から第2ハウジング20までの距離は、0.05mm~1.0mm程度である。
【0032】
反力発生機構30は、ペダル40に印加される運転者の踏力に対する反力を発生させる。例えば、反力発生機構30は、図4に示すように、板ばね31、下ホルダ35、大径コイルばね33、小径コイルばね34、ばね座36および上ホルダ37を有する。
【0033】
板ばね31は、荷重を受けていない状態において、フロア2側に凸の曲面となるように曲がっている。また、板ばね31の一端311は、第2ハウジング20のうち車両後方側に接続されている。下ホルダ35は、板ばね31の他端312に接続されている。大径コイルばね33は、下ホルダ35のうち板ばね31とは反対側に接続されている。ばね座36は、ばね座小径部361およびばね座大径部362を有する。ばね座小径部361は、有底筒状に形成されている。さらに、ばね座小径部361は、大径コイルばね33の内側の空間に配置されている。ばね座大径部362は、ばね座小径部361のうち底とは反対側に接続されている。また、ばね座大径部362の径は、ばね座小径部361の径よりも大きくなっている。これにより、ばね座大径部362と大径コイルばね33とが接続されている。さらに、小径コイルばね34は、ばね座小径部361に収容されているとともにばね座小径部361の底と接続されている。
【0034】
上ホルダ37は、ホルダ小径部371およびホルダ大径部372を有する。ホルダ小径部371は、筒状に形成されている。また、ホルダ小径部371は、小径コイルばね34の内側の空間に配置されている。さらに、板ばね31の穴、下ホルダ35の穴、ばね座小径部361の穴およびホルダ小径部371の穴にピンが挿入されていることにより、板ばね31、下ホルダ35、ばね座36および上ホルダ37は、互いに接続されている。また、このピンは、ホルダ小径部371の内面と摺動するとともに、ばね座小径部361の内面と摺動する。ホルダ大径部372は、ホルダ小径部371のうちばね座36とは反対側に接続されている。さらに、ホルダ大径部372の径は、ホルダ小径部371の径よりも大きくなっている。これにより、ホルダ大径部372と小径コイルばね34とが接続されている。また、ホルダ大径部372は、後述する連結ロッド60と接触している接触面373を含む。この接触面373は、ホルダ大径部372のうちホルダ小径部371とは反対側の面であって、平面になっている。
【0035】
ペダル40は、板状に形成されている。また、ペダル40は、ペダル板部401およびロッド固定用穴403を有する。
【0036】
ペダル板部401は、金属で形成されている。また、ペダル板部401は、ペダル表面404およびペダル裏面405を含む。ペダル表面404は、車両の運転者に向く面である。ペダル裏面405は、ペダル板部401のうちペダル表面404とは反対側の面である。
【0037】
ロッド固定用穴403は、ペダル表面404およびペダル裏面405を貫通している穴である。
【0038】
パッド402は、ゴム等で形成されている。また、パッド402は、ペダル表面404のうち車両上方側と接続されている。さらに、パッド402は、車両の運転者によって踏まれる。また、パッド402は、ロッド固定用穴403のうちペダル表面404側を覆う。これにより、ロッド固定用穴403は、車両の運転者に視認されない。
【0039】
シャフト41は、金属で円柱状に形成されている。また、シャフト41は、第1ハウジング10の軸受穴17に挿入されているとともに、第1ハウジング10によって回転可能に支持されている。
【0040】
回転プレート43は、L字状に形成されている。また、回転プレート43は、図2および図4に示すように、裏板部44および側板部45を有する。裏板部44は、図4に示すように、裏板部44の穴およびその穴に対応するペダル板部401の穴にねじが挿入されていることによって、ペダル裏面405と固定されている。側板部45は、裏板部44のうち車両右方側と垂直に接続されている。また、側板部45は、図2に示すように、シャフト用穴451およびストッパ用穴452を含む。
【0041】
シャフト用穴451には、シャフト41が挿入されている。したがって、ペダル40は、回転プレート43を介してシャフト41と接続されている。これにより、ペダル40は、シャフト41の軸を回転軸CLとして、シャフト41および回転プレート43とともに回転する。
【0042】
ストッパ用穴452は、シャフト用穴451よりも車両前方側に形成されている。また、ストッパ用穴452は、ハウジング凹部空間306に連通している。さらに、ストッパ用穴452には、後述の第1ストッパ70の一部が挿入されている。
【0043】
センサユニット50は、図3に示すように、シャフト41のうち側板部45とは反対側、すなわち、車両左方側に配置されている。また、センサユニット50は、図示しない磁石、ヨーク、ホール素子等を有する。センサユニット50は、磁石、ヨーク、ホール素子等を用いてこれらのシャフト41の回転角度を検出することにより、ペダル40の回転角度を検出する。さらに、センサユニット50は、この検出したペダル40の回転角度に応じた信号を、第1ECU111および第2ECU112に出力する。なお、センサユニット50は、ホール素子に代えて、MR素子を有してもよい。MRは、Magneto Resistive
の略である。また、センサユニット50は、コイルを用いて回転角度を検出するインダクティブセンサであってもよい。
【0044】
連結ロッド60は、金属で棒状に形成されている。また、連結ロッド60は、図4に示すように、アーム部61およびプッシュ部62を有する。
【0045】
アーム部61は、アーム穴611、アーム凹部612および被覆部材用凹部613を含む。アーム穴611は、ロッド固定用穴403に対応する穴である。アーム穴611およびロッド固定用穴403にロッド接続用ねじ65が挿入されていることにより、アーム部61は、ペダル裏面405に固定されている。
【0046】
アーム凹部612は、アーム部61のうち後述のプッシュ部62側の端面から連結ロッド60の軸方向に凹んでいる。また、アーム凹部612は、アーム凹部側面614およびアーム凹部底面615を含む。アーム凹部側面614は、アーム部61のうち後述のプッシュ部62側の端面に接続されている。アーム凹部底面615は、アーム凹部側面614に接続されている。さらに、アーム凹部側面614およびアーム凹部底面615によって空間が形成されている。
【0047】
被覆部材用凹部613は、アーム部61の側面から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に凹んでいる。また、被覆部材用凹部613は、図7に示すように、被覆部材用凹部側面617および被覆部材用凹部底面616を含む。被覆部材用凹部側面617は、アーム部61の側面に接続されている。また、被覆部材用凹部側面617は、連結ロッド60の軸方向を向いている。被覆部材用凹部底面616は、被覆部材用凹部側面617に接続されている。また、被覆部材用凹部底面616は、連結ロッド60の軸方向と直交する方向を向いている。さらに、被覆部材用凹部底面616および被覆部材用凹部側面617によって空間が形成されている。
【0048】
プッシュ部62は、図4に示すように、プッシュ接触部621およびプッシュ凸部622を含む。プッシュ接触部621は、反力発生機構30における上ホルダ37の接触面373と接触している。プッシュ凸部622は、プッシュ接触部621のうち接触面373とは反対側から連結ロッド60の軸方向に向かって突出している。また、プッシュ凸部622は、アーム凹部側面614およびアーム凹部底面615によって形成される空間に挿入されている。これにより、アーム部61とプッシュ部62とが接続されている。
【0049】
第1ストッパ70は、図2および図5に示すように、車両左右方向Dcに延びる棒状に形成されている。また、第1ストッパ70の一部は、回転プレート43のストッパ用穴452に挿入されている。これにより、第1ストッパ70は、シャフト41の軸を回転軸CLとして回転プレート43、ペダル40およびシャフト41とともに回転する。さらに、第1ストッパ70の一部は、ハウジング凹部空間306に挿入されている。また、第2ストッパ75は、第1ハウジング10の上壁11のうち車両上方側からペダル40に向かって突出している。
【0050】
被覆部材80は、ゴム等の弾性材料で形成されている。また、被覆部材80は、図4に示すように、ペダル裏面405よりも車両前方側に配置されている。さらに、被覆部材80は、ハウジング孔100を覆う。具体的には、被覆部材80は、第1接続部81、第2接続部82および被覆部83を有する。
【0051】
第1接続部81は、第1ハウジング10の上壁11のハウジング端部101に接続されている。また、第1接続部81は、図7に示すように、第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813を含む。
【0052】
第1延長部811は、ハウジング端部101の外面に接続されている。また、第1延長部811は、連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている。
【0053】
第2延長部812は、ハウジング端部101の側面および第1延長部811に接続されている。また、第2延長部812は、第1延長部811から連結ロッド60の軸方向に延びている。なお、ハウジング端部101の側面は、ハウジング端部101の外面と内面とに接続されている面である。
【0054】
第3延長部813は、ハウジング端部101の内面および第2延長部812に接続されている。また、第3延長部813は、第2延長部812のうち第1延長部811とは反対側から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている。さらに、ここでは、連結ロッド60の軸方向と直交する方向における第3延長部813の長さは、第1延長部811の長さと同じになっている。また、第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813によって連結ロッド60の軸方向と直交する方向に凹む空間が形成されている。この空間に、ハウジング端部101が挿入されている。これにより、第1接続部81がハウジング端部101から外れにくくなっている。
【0055】
第2接続部82は、連結ロッド60のアーム部61に接続されている。また、第2接続部82は、挿入部821および突出部822を含む。挿入部821は、アーム部61の被覆部材用凹部底面616および被覆部材用凹部側面617によって形成される空間に挿入されている。突出部822は、挿入部821の全周から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に突出している。
【0056】
被覆部83は、蛇腹状に形成されている。また、被覆部83は、第1接続部81の第1延長部811および第2接続部82に接続されている。これにより、被覆部83は、連結ロッド60のアーム部61の一部、プッシュ部62、上ホルダ37の一部およびハウジング孔100を覆っている。
【0057】
以上のように、ブレーキバイワイヤシステム150は、構成されている。次に、ペダル装置1の作動について説明する。
【0058】
車両の運転者がペダル40のパッド402を踏んでいないとき、反力発生機構30の大径コイルばね33および小径コイルばね34は、圧縮されている。このとき、大径コイルばね33および小径コイルばね34の復元力は、反力発生機構30の上ホルダ37に接続されている連結ロッド60を介して、ペダル40に伝達される。この復元力により、ペダル40は、第1ハウジング10に離れる方向に回転しようとする。また、このとき、回転プレート43を介してペダル40に接続されている第1ストッパ70は、第1ハウジング10の右側壁13のハウジング凹部第3側面303に接触する。これにより、車両の運転者がペダル40のパッド402を踏んでいないときのペダル40の位置が固定される。
【0059】
そして、車両の運転者がペダル40のパッド402を踏んだとき、ペダル40は、シャフト41の軸を回転軸CLとして、シャフト41および回転プレート43とともに回転する。これにより、ペダル40は、第1ハウジング10に近づく方向に回転する。
【0060】
このとき、センサユニット50は、シャフト41の回転角度を検出することにより、ペダル40の回転角度を検出する。また、センサユニット50は、この検出したペダル40の回転角度に応じた信号を、第1ECU111および第2ECU112に出力する。
【0061】
このとき、第1ECU111は、例えば、モータ123に電力を供給することにより、モータ123を回転させる。これにより、ギヤ機構125が駆動されることからマスターピストン127が移動する。このため、リザーバ124からマスターシリンダ126に供給されるブレーキ液の液圧が増加する。この増加した液圧は、第2ブレーキ回路122に供給される。
【0062】
また、第2ECU112は、例えば、第2ブレーキ回路122の図示しない電磁弁に電力を供給する。これにより、第2ブレーキ回路122の電磁弁が開く。このため、第2ブレーキ回路122に供給されたブレーキ液は、各ホイールシリンダ131~134に供給される。したがって、ホイールシリンダ131~134に取り付けられているブレーキパッドがそれに対応するブレーキディスクと摩擦する。よって、各車輪が制動されるため、車両は減速する。なお、このとき、第2ECU112は、センサユニット50からの信号および図示しない他の電子制御装置からの信号に基づいて、ABS制御、VSC制御、衝突回避制御および回生協調制御等を行ってもよい。なお、ABSはAnti-lock Braking Systemの略である。さらに、VSCはVehicle Stability Controlの略である。
【0063】
また、このとき、ペダル40に接続されている連結ロッド60が回転軸CLを中心にペダル40とともに回転するため、連結ロッド60は、ハウジング孔100を通過する。さらに、被覆部材80の第2接続部82が連結ロッド60ととともに回転することから、蛇腹状の被覆部83が圧縮される。このときの被覆部83の復元力により、被覆部83は、ペダル40に印加される運転者の踏力に対する反力を発生させる。
【0064】
また、このとき、連結ロッド60のプッシュ部62が反力発生機構30の上ホルダ37と接触することにより、ペダル40からの力が上ホルダ37に伝達される。これにより、上ホルダ37のホルダ小径部371の内面とピンとが摺動するとともに、上ホルダ37によって小径コイルばね34が圧縮される。さらに、ペダル40からの力は、小径コイルばね34を介して、ばね座36に伝達される。また、上ホルダ37がばね座36と接触することにより、ペダル40からの力は、上ホルダ37を介して、ばね座36に伝達される。このため、ばね座36のばね座小径部361の内面とピンとが摺動するとともに、ばね座36によって大径コイルばね33が圧縮される。さらに、ペダル40からの力は、大径コイルばね33を介して、板ばね31に伝達される。このため、板ばね31がたわむ。また、上ホルダ37のホルダ小径部371の内面とピンとが摺動して上ホルダ37のホルダ大径部372がピンと接触することにより、ペダル40からの力がこのピンを介して板ばね31に伝達される。これにより、板ばね31がたわむ。このとき、板ばね31、大径コイルばね33および小径コイルばね34の復元力により、反力発生機構30は、ペダル40に印加される運転者の踏力に対する反力を発生させる。このため、ペダル装置1は、ペダル40とマスターシリンダ126との機械的な接続を廃止しても、マスターシリンダ126と接続している場合すなわち油圧による反力が得られる場合と同様の反力を得ることができる。
【0065】
また、このとき、ハウジング空間15の空気が、ペダル40からの力を受けることで圧縮される。このため、ハウジング空間15の空気が呼吸孔25を通ってハウジング5の外部の空間に流出する。
【0066】
また、このとき、回転プレート43を介してペダル40に接続されている第1ストッパ70は、シャフト41の軸を回転軸CLとして回転する。さらに、第1ストッパ70の一部が挿入されているハウジング凹部空間306は、ペダル40の回転軸CLを中心とする円弧状に形成されている。このため、第1ストッパ70は、ハウジング凹部空間306内を移動する。また、第2ストッパ75は、ペダル裏面405に接触する。このため、このとき、ペダル40に印加される運転者の踏力を大きくしても、ペダル40の回転が停止する。よって、このとき、ペダル40の回転角度が最大となる。
【0067】
また、車両の運転者がペダル40のパッド402を踏むことをやめたとき、反力発生機構30および被覆部83の反力によって、ペダル40は、第1ハウジング10と離れる方向に回転する。このとき、第1ストッパ70は、ペダル40とともに回転する。これにより、第1ストッパ70は、ハウジング凹部空間306内を移動した後、第1ハウジング10の右側壁13のハウジング凹部第3側面303に接触する。このため、ペダル40の回転が停止する。これにより、ペダル40の位置が、車両の運転者がペダル40のパッド402を踏んでいないときの初期位置に戻る。
【0068】
また、車両の運転者がペダル40のパッド402を踏むことをやめたとき、車両の運転者の踏力が除荷されることによって、ハウジング空間15の空気が膨張する。このため、ハウジング5の外部の空間が呼吸孔25を通ってハウジング空間15に流入する。
【0069】
このように、ペダル装置1は、作動する。次に、ペダル装置1によって異物の侵入が抑制されることについて説明する。
【0070】
ペダル装置1は、ペダル40と、連結ロッド60と、反力発生機構30と、ハウジング5と、被覆部材80とを備える。ペダル40は、車両の運転者の踏込によって回転軸CLを中心に回転する。連結ロッド60は、ペダル裏面405に接続されていることにより、回転軸CLを中心にペダル40とともに回転する。ペダル裏面405は、ペダル40のうち車両の運転者によって踏まれる面とは反対側の面である。反力発生機構30は、車両の運転者によってペダル40が踏まれるときにペダル40から連結ロッド60を介して力を受けることで弾性変形することにより、ペダル40に印加される車両の運転者の踏力に対する反力を発生させる。ハウジング5は、ハウジング孔100を形成するとともに、反力発生機構30を収容している。ハウジング孔100は、車両の運転者によってペダル40が踏まれるときに連結ロッド60が通過する孔である。被覆部材80は、第1接続部81と、被覆部83とを有する。第1接続部81は、ハウジング端部101に接続されている。ハウジング端部101は、ハウジング5のうちハウジング孔100を形成する。被覆部83は、第1接続部81およびペダル裏面405の間に配置されているとともに第1接続部81に接続されていることによりハウジング孔100を覆う。なお、車両の運転者は、操作者に対応する。第1接続部81は、ハウジング接続部に対応する。
【0071】
被覆部83が第1接続部81およびペダル裏面405の間に配置されていることにより、被覆部材80は、車両の運転者によって踏まれることがない。このため、被覆部材80が摩耗および破損することがなくなる。また、被覆部83がハウジング孔100を覆っているため、異物は、ハウジング5の外部からハウジング孔100を通過してハウジング5内部に侵入できない。したがって、異物の侵入が抑制される。
【0072】
また、ペダル装置1では、以下に記載する効果も奏する。
【0073】
[1-1]被覆部83は、蛇腹状に形成されている。このため、被覆部83は、車両の運転者によってペダル40が踏まれるときにペダル40から連結ロッド60を介して力を受けることによって弾性変形することにより、ペダル40に印加される車両の運転者の踏力に対する反力を発生させる。
【0074】
これにより、連結ロッド60や反力発生機構30が破損した場合に、反力発生機構30の反力が発生しないときでも、被覆部83は、反力を発生させることができる。このため、連結ロッド60や反力発生機構30が破損した場合でも、ペダル40の位置を、車両の運転者がペダル40のパッド402を踏んでいないときの初期位置に戻すことができる。
【0075】
[1-2]被覆部材80は、第2接続部82をさらに有する。第2接続部82は、被覆部83に接続されているとともに連結ロッド60に接続されている。なお、第2接続部82は、ロッド接続部に対応する。
【0076】
これにより、第2接続部82が連結ロッド60に接続されていることから、被覆部材80は、連結ロッド60と固定することができる。
【0077】
[1-3]連結ロッド60は、被覆部材用凹部613を含む。第2接続部82は、挿入部821および突出部822を含む。挿入部821は、被覆部材用凹部613の被覆部材用凹部底面616および被覆部材用凹部側面617によって形成される空間に挿入されている。突出部822は、挿入部821から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に突出している。なお、被覆部材用凹部613は、ロッド凹部に対応する。被覆部材用凹部側面617は、ロッド側面に対応する。被覆部材用凹部底面616は、ロッド底面に対応する。
【0078】
これにより、第2接続部82が連結ロッド60から外れにくくなる。また、別部材を設けることなく、第2接続部82と連結ロッド60とを容易に接続することができる。このため、ペダル装置1のコストを別部材の分低下させることができる。
【0079】
[1-4]第1接続部81は、第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813を含む。第1延長部811は、連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている。第2延長部812は、第1延長部811に接続されているとともに、連結ロッド60の軸方向に延びている。第3延長部813は、第2延長部812のうち第1延長部811とは反対側に接続されているとともに、連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている。また、第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813によって形成される空間に、ハウジング端部101が挿入されている。なお、連結ロッド60の軸方向と直交する方向は、一方向、第1延長部811が延びている方向、および、第2延長部812が延びている方向と交差する方向に対応する。また、連結ロッド60の軸方向は、第1延長部811が延びている方向と交差する方向に対応する。
【0080】
これにより、第1接続部81がハウジング端部101から外れにくくなる。また、別部材を設けることなく、第1接続部81とハウジング端部101とを容易に接続することができる。このため、ペダル装置1のコストを別部材の分低下させることができる。
【0081】
[1-5]ハウジング5は、第1ハウジング10および第2ハウジング20を有する。第1ハウジング10は、ハウジング端部101を含む。また、第1ハウジング10は、ハウジング開口16およびハウジング空間15を形成する。ハウジング開口16は、ハウジング孔100とは反対側に位置している。ハウジング空間15は、ハウジング孔100とハウジング開口16とに連通する。第2ハウジング20は、ハウジング開口16を塞いでいる。さらに、第1ハウジング10のうちハウジング開口16側の端および第2ハウジング20の間の空間である呼吸孔25が形成されている。
【0082】
また、車両の運転者の踏込によってペダル40が踏まれるときにハウジング空間15の空気がペダル40からの力を受けることで圧縮されるとき、ハウジング空間15の空気が呼吸孔25を通過してハウジング5の外部に流出する。さらに、車両の運転者がペダル40を踏んでいる状態からペダル40を踏むことをやめるときに、ペダル40からの力が除荷されることでハウジング空間15の空気が膨張する。このとき、ハウジング5の外部の空気が呼吸孔25を通過してハウジング空間15に流入する。
【0083】
この呼吸孔25により、ペダル40の回転によって生じるハウジング空間15の空気の体積変化が緩和される。また、ハウジング空間15の温度変化によって生じるハウジング空間15の空気の体積変化が緩和される。このため、ペダル40が回転するときに、ハウジング空間15の空気の圧縮および膨張の抵抗が小さくなることから、ペダル40の回転が滑らかになる。さらに、呼吸孔25が第1ハウジング10および第2ハウジング20の間に形成されていることから、別で孔を設ける必要がなく穴あけ専用工程が不要になるため、ペダル装置1の製造が容易になる。
【0084】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、被覆部材80の第2接続部82は、連結ロッド60に接続されている。これに対して、第2実施形態では、図8に示すように、第2接続部82は、溶着、接着および2色成形等によりペダル裏面405と接続されている。なお、この場合、連結ロッド60のアーム部61には、被覆部材用凹部613は形成されていない。
【0085】
このように、第2実施形態は、構成されている。第2実施形態においても、上記[1-2]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態では、以下に記載する効果を奏する。
【0086】
[2]第2接続部82は、被覆部83に接続されているとともにペダル裏面405に接続されている。なお、第2接続部82は、ペダル接続部に対応する。
【0087】
これにより、被覆部材80は、ペダル40と固定することができる。また、連結ロッド60が短いことにより被覆部材80が連結ロッド60と固定することが困難である場合に、被覆部材80を固定することができる。
【0088】
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、被覆部材80の第2接続部82は、連結ロッド60に接続されている。これに対して、第3実施形態では、図9に示すように、第2接続部82は、溶着、接着および2色成形等により反力発生機構30の上ホルダ37のうちホルダ大径部372の側面と接続されている。なお、ホルダ大径部372の側面は、上ホルダ37のうち連結ロッド60と接触している接触面373と接続されている面である。
【0089】
このように、第3実施形態は、構成されている。第3実施形態においても、上記[1-2]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第3実施形態では、以下に記載する効果を奏する。
【0090】
[3]第2接続部82は、被覆部83に接続されているとともに反力発生機構30の上ホルダ37のうちホルダ大径部372の側面と接続されている。なお、第2接続部82は、機構接続部に対応する。
【0091】
これにより、被覆部材80は、反力発生機構30と固定することができる。また、被覆部材80が連結ロッド60やペダル裏面405と固定することが困難である場合に、被覆部材80を固定することができる。
【0092】
(第4実施形態)
第4実施形態では、被覆部材80の被覆部83は、図10に示すように、摺動部835を有する。これ以外は、第3実施形態と同様である。この摺動部835は、車両の運転者によってペダル40が踏まれることにより回転するとき、連結ロッド60の側面と摺動する。
【0093】
このように、第4実施形態は、構成されている。第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第4実施形態では、以下に記載する効果を奏する。
【0094】
[4]被覆部83の摺動部835は、車両の運転者によってペダル40が踏まれることにより回転するときに、連結ロッド60の側面と摺動する。
【0095】
ここで、特許文献1の自動車用ペダルのように、ペダル本体がゴム等の部材よって覆われている場合、車両の運転者の履物とその部材とが摩擦する。しかし、この摩擦は、運転者の履物によって変化するため、ペダルを覆う部材の寿命設計が困難になる。
【0096】
これに対して、被覆部83は、ペダル裏面405側に配置されているため、車両の運転者の履物と摩擦しない。また、被覆部83の摺動部835と連結ロッド60の側面との摺動であれば、被覆部83によって摩耗粉の侵入が抑制されるとともに、この摺動に最適な材料を選定することができる。このため、被覆部83の寿命設計を容易で安価にすることができる。
【0097】
また、被覆部83の摺動部835と連結ロッド60の側面とが摩擦することにより、ペダル40の回転速度に応じた抵抗力が連結ロッド60を介してペダル40に発生する。このため、ペダル40に作用する力は、ヒステリシスになる。さらに、車両の運転者の踏込が微小であるとき、この抵抗力によってペダル40が回転しなくなる。よって、車両の挙動がハンチングしにくくなる。
【0098】
(第5実施形態)
第5実施形態では、ハウジング端部101の形態および被覆部材80の第1接続部81の形態が第1実施形態と異なる。ハウジング端部101は、図11に示すように、車両上方向かつ車両後方向を向いている。また、第4実施形態のハウジング孔100の大きさは、第1実施形態のハウジング孔100の大きさよりも大きくなっている。なお、この場合、ペダル装置1は、第2ストッパ75を備えていない。しかし、ペダル40が回転するとき、例えば、ペダル装置1の第1ストッパ70が第2ハウジング20のうち第1ハウジング10側の面と接触する。このため、このとき、ペダル40に印加される運転者の踏力を大きくしても、ペダル40の回転が停止する。よって、このとき、ペダル40の回転角度が最大となる。
【0099】
第1接続部81の第1延長部811は、ハウジング端部101の外面に接続されている。また、第1延長部811は、車両上方向かつ車両後方向に延びている。なお、車両上方向かつ車両後方向は、一方向および第1延長部811が延びている方向に対応する。
【0100】
第2延長部812は、被覆部材80の被覆部83、ハウジング端部101の側面および第1延長部811に接続されている。さらに、第2延長部812は、第1延長部811から第1延長部811が延びている方向と交差する方向に延びている。
【0101】
第3延長部813は、ハウジング端部101の内面および第2延長部812に接続されている。また、第3延長部813は、第2延長部812のうち第1延長部811とは反対側から車両前方向かつ車両下方向に延びている。さらに、第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813によって空間が形成されている。この空間に、ハウジング端部101が挿入されている。これにより、第1接続部81がハウジング端部101から外れにくくなっている。なお、車両前方向かつ車両下方向は、第2延長部812が延びている方向と交差する方向に対応する。
【0102】
このように、第5実施形態は、構成されている。第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0103】
(第6実施形態)
第6実施形態では、第1ハウジング10のハウジング孔100および被覆部材80の第1接続部81の形態が第1実施形態と異なる。
【0104】
連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、ハウジング孔100は、図12および図13に示すように、円形状に形成されている。また、連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、第1接続部81の第2延長部812は、円環状に形成されている。さらに、第1接続部81の第3延長部813は、複数形成されている。それぞれの第3延長部813は、第2延長部812から第2延長部812が延びている方向に交差する方向に延びている。
【0105】
このように、第6実施形態は、構成されている。第6実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0106】
(第7実施形態)
第7実施形態では、被覆部材80の第1接続部81の第3延長部813の形態が第6実施形態と異なる。
【0107】
第3延長部813は、図14に示すように、第2延長部812の全周から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に突出していることにより、円環状に形成されている。
【0108】
このように、第7実施形態は、構成されている。第7実施形態においても、第6実施形態と同様の効果を奏する。
【0109】
(第8実施形態)
第8実施形態では、第1ハウジング10のハウジング孔100および被覆部材80の第1接続部81の形態が第1実施形態と異なる。
【0110】
連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、ハウジング孔100は、図15に示すように、四角形状に形成されている。また、連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、第1接続部81の第2延長部812は、四角環状に形成されている。さらに、第1接続部81の第3延長部813は、第2延長部812の全周から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に突出していることにより、四角形状に形成されている。
【0111】
このように、第8実施形態は、構成されている。第8実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第8実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0112】
[5]連結ロッド60の軸方向と直交する方向に切ったときの断面において、ハウジング孔100は、四角形状に形成されている。なお、連結ロッド60の軸方向と直交する方向に切ったときの断面において、ハウジング孔100は、四角形状に形成されていることに限定されない。連結ロッド60の軸方向と直交する方向に切ったときの断面において、ハウジング孔100は、多角形状に形成されていればよい。
【0113】
これにより、連結ロッド60の軸方向と直交する方向のうち一方向におけるハウジング孔100および第1接続部81の第2延長部812の長さを、第2延長部812が円環状で形成されているときと比較して、小さくすることができる。このため、第1ハウジング10および被覆部材80を小さくできることから、ペダル装置1を小さくすることができる。
【0114】
(第9実施形態)
第9実施形態では、連結ロッド60の形態および被覆部材80の第2接続部82の形態が第1実施形態と異なる。
【0115】
連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、ハウジング孔100は、図16に示すように、楕円形状に形成されている。また、連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、第1接続部81の第2延長部812は、楕円環状に形成されている。さらに、第1接続部81の第3延長部813は、第2延長部812の全周から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に突出していることにより、楕円形状に形成されている。
【0116】
このように、第9実施形態は、構成されている。第9実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第9実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0117】
[6]連結ロッド60の軸方向と直交する方向に切ったときの断面において、ハウジング孔100は、楕円形状に形成されている。
【0118】
これにより、連結ロッド60の軸方向と直交する方向のうち一方向におけるハウジング孔100および第1接続部81の第2延長部812の長さを、第2延長部812が円環状で形成されているときと比較して、小さくすることができる。このため、第1ハウジング10および被覆部材80を小さくできることから、ペダル装置1を小さくすることができる。
【0119】
(第10実施形態)
第10実施形態では、被覆部材80の第1接続部81における第1延長部811および第3延長部813の形態が第1実施形態と異なる。
【0120】
図17に示すように、連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、第3延長部813の長さは、第1延長部811の長さよりも短くなっている。また、第3延長部813は、第3延長部用斜面814を含む。この第3延長部用斜面814は、第3延長部813のうちハウジング端部101側の部位とは反対側に形成されている。
【0121】
このように、第10実施形態は、構成されている。第10実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第10実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0122】
[7]第3延長部813の長さは、第1延長部811の長さよりも短くなっている。また、第3延長部813は、第3延長部用斜面814を含む。この第3延長部用斜面814は、第3延長部813のうちハウジング端部101と接続されている部位とは反対側に形成されているとともに、第3延長部813が延びている方向に対して傾斜している。これにより、第3延長部用斜面814は、ハウジング端部101を第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813によって形成される空間に案内する。なお、第3延長部用斜面814は、ハウジング用斜面に対応する。
【0123】
第3延長部813の長さが第1延長部811の長さよりも短くなっていることにより、ハウジング端部101を第3延長部813側から第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813によって形成される空間に挿入することがしやすくなる。また、ハウジング端部101をこの空間に挿入するとき、第3延長部用斜面814によりハウジング端部101がこの空間に案内されるため、ハウジング端部101をこの空間に挿入することがしやすくなる。
【0124】
(第11実施形態)
第11実施形態では、被覆部材80の第1接続部81における第1延長部811および第3延長部813の形態が第1実施形態と異なる。
【0125】
図18に示すように、連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、第1延長部811の長さは、第3延長部813の長さよりも短くなっている。また、第1延長部811は、第1延長部用斜面815を含む。この第1延長部用斜面815は、第1延長部811のうちハウジング端部101の外面とは反対側に形成されている。
【0126】
このように、第11実施形態は、構成されている。第11実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第11実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0127】
[8]第1延長部811の長さは、第3延長部813の長さよりも短くなっている。また、第1延長部811は、第1延長部用斜面815を含む。この第1延長部用斜面815は、ハウジング端部101の外面とは反対側に形成されているとともに、第1延長部811の延びている方向に対して傾斜している。これにより、第1延長部用斜面815は、ハウジング端部101を第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813によって形成される空間に案内する。なお、この場合、第1延長部811は、第3延長部813に対応する。また、第1延長部用斜面815は、第3延長部用斜面814に対応するとともに、ハウジング用斜面に対応する。
【0128】
第1延長部811の長さが第3延長部813の長さよりも短くなっていることにより、ハウジング端部101を第1延長部811側から第1延長部811、第2延長部812および第3延長部813によって形成される空間に挿入することがしやすくなる。また、ハウジング端部101をこの空間に挿入するとき、第1延長部用斜面815によりハウジング端部101がこの空間に案内されるため、ハウジング端部101をこの空間に挿入することがしやすくなる。
【0129】
(第12実施形態)
第12実施形態では、ハウジング5の第1ハウジング10のうちハウジング端部101の形態および被覆部材80の第1接続部81の形態が第1実施形態と異なる。
【0130】
ハウジング端部101は、図19に示すように、端部凹部105を含む。端部凹部105は、ハウジング端部101の側面から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に凹んでいる。また、端部凹部105は、端部凹部側面107および端部凹部底面106を含む。なお、ハウジング端部101の側面は、ハウジング端部101の外面と内面とに接続されている面である。
【0131】
端部凹部側面107は、ハウジング端部101の側面に接続されている。端部凹部底面106は、端部凹部側面107に接続されている。そして、端部凹部側面107および端部凹部底面106によって形成される空間に、第1接続部81が挿入されている。これにより、第1接続部81とハウジング端部101とが接続されている。
【0132】
このように、第12実施形態は、構成されている。第12実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第12実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0133】
[9]ハウジング端部101は、凹んでいる端部凹部105を含む。端部凹部105は、端部凹部側面107および端部凹部底面106を含む。第1接続部81は、端部凹部側面107および端部凹部底面106によって形成される空間に挿入されている。なお、端部凹部側面107は、端部側面に対応する。端部凹部底面106は、端部底面に対応する。
【0134】
これにより、第1接続部81がハウジング端部101から外れにくくなる。また、別部材を設けることなく、第1接続部81とハウジング端部101とを容易に接続することができる。このため、ペダル装置1のコストを別部材の分低下させることができる。
【0135】
(第13実施形態)
第13実施形態では、連結ロッド60のアーム部61は、アーム凹部612を有しない。また、被覆部材80の形態が第1実施形態と異なる。
【0136】
被覆部材80の第1接続部81は、図20に示すように、ハウジング孔100に挿入されているとともに、ハウジング端部101の側面に接続されている。また、被覆部材80の第2接続部82は、連結ロッド60のアーム部61の側面に接続されている。さらに、被覆部材80の被覆部83は、第1接続部81および第2接続部82に接続されている。また、被覆部83は、蛇腹状に形成されている、さらに、被覆部83は、圧縮されていることにより弾性変形している。
【0137】
このように、第13実施形態は、構成されている。第13実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第13実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0138】
[10]被覆部83は、蛇腹状に形成されている。また、被覆部83は、圧縮されていることにより弾性変形していることで、第1接続部81をハウジング端部101に押し付ける方向に作用する復元力を発生させる。さらに、被覆部83は、圧縮されていることにより弾性変形していることで、第2接続部82を連結ロッド60に押し付ける方向に作用する復元力を発生させる。
【0139】
この復元力により、第1接続部81とハウジング端部101との接続が保持される。また、この復元力により、第2接続部82と連結ロッド60との接続が保持される。
【0140】
(第14実施形態)
第14実施形態では、被覆部材80の第1接続部81および第2接続部82の形態が第13実施形態と異なる。
【0141】
第1接続部81は、図21に示すように、第1高強度部841および第1低強度部851を含む。第1高強度部841は、金属で形成されている。また、第1高強度部841は、環状に形成されている。なお、第1高強度部841は、樹脂で形成されてもよい。
【0142】
第1低強度部851は、ゴム等で形成されている。このため、第1低強度部851のヤング率は、第1高強度部841のヤング率よりも低くなっている。また、第1低強度部851は、環状に形成されている。さらに、第1低強度部851は、第1高強度部841を囲っている。また、第1低強度部851が第1高強度部841とともにハウジング孔100に挿入されていることにより、第1低強度部851とハウジング端部101とが接続されている。
【0143】
第2接続部82は、第2高強度部842および第2低強度部852を含む。第2高強度部842は、金属で形成されている。また、第2高強度部842は、環状に形成されている。なお、第2高強度部842は、樹脂で形成されてもよい。
【0144】
第2低強度部852は、ゴム等で形成されている。このため、第2低強度部852のヤング率は、第2高強度部842のヤング率よりも低くなっている。また、第2低強度部852は、環状に形成されている。さらに、第2低強度部852は、第2高強度部842を囲っている。また、第2低強度部852の内側の空間に、連結ロッド60のアーム部61が挿入されている。なお、第1高強度部841、第1低強度部851、第2高強度部842および第2低強度部852のヤング率は、引張試験等により測定される。
【0145】
このように、第14実施形態は、構成されている。第14実施形態においても、第13実施形態と同様の効果を奏する。また、第14実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0146】
[11-1]第1接続部81は、第1高強度部841および第1低強度部851を含む。第1高強度部841は、第1低強度部851に囲まれているとともに、第1低強度部851のヤング率よりも高いヤング率を有する。第1低強度部851は、ハウジング孔100に挿入されていることによりハウジング端部101に接続されている。
【0147】
第1高強度部841により、第1接続部81の強度が向上する。このため、第1低強度部851をハウジング孔100に圧入することができる。これにより、第1接続部81とハウジング端部101との接続を保持する力が向上する。
【0148】
[11-2]第2接続部82は、第2高強度部842および第2低強度部852を含む。第2高強度部842は、第2低強度部852に囲まれているとともに、第2低強度部852のヤング率よりも高いヤング率を有する。第2低強度部852は、環状に形成されている。また、第2低強度部852は、第2低強度部852に連結ロッド60が挿入されていることにより、連結ロッド60と接続されている。
【0149】
第2高強度部842により、第2接続部82の強度が向上する。このため、連結ロッド60を第2低強度部852に圧入することができる。これにより、第2接続部82と連結ロッド60との接続を保持する力が向上する。
【0150】
(第15実施形態)
第15実施形態では、ハウジング端部101の形態が第13実施形態と異なる。
【0151】
ハウジング端部101は、図22に示すように、ハウジング延長部210を含む。ハウジング延長部210は、連結ロッド60の軸方向に延びている。また、被覆部材80の第1接続部81は、連結ロッド60の軸方向と直交する方向にハウジング延長部210の面と接続されている。この場合、被覆部83は、圧縮されていることにより弾性変形していることで、第1接続部81をハウジング延長部210に押し付ける方向に作用する復元力を発生させる。
【0152】
このように、第15実施形態は、構成されている。第15実施形態においても、第13実施形態と同様の効果を奏する。
【0153】
(第16実施形態)
第16実施形態では、ハウジング端部101の端部凹部105の形態が第12実施形態と異なる。
【0154】
端部凹部105は、図23に示すように、ハウジング端部101の外面から連結ロッド60の軸方向に凹んでいる。また、端部凹部105の端部凹部側面107および端部凹部底面106によって形成される空間に、被覆部材80の第1接続部81が挿入されている。これにより、第1接続部81とハウジング端部101とが接続されている。
【0155】
また、第1接続部81は、弾性部材で形成されている。さらに、第1接続部81は、圧縮されている。これにより、第1接続部81は、連結ロッド60の軸方向と直交する方向に作用する復元力が発生する。この復元力は、第1接続部81を端部凹部側面107に押し付ける方向に作用するため、第1接続部81とハウジング端部101との接続が保持される。
【0156】
このように、第16実施形態は、構成されている。第16実施形態においても、第12実施形態と同様の効果を奏する。
【0157】
(第17実施形態)
第17実施形態では、ハウジング端部101の形態、連結ロッド60の形態、被覆部材80の第1接続部81および第2接続部82の形態が第1実施形態と異なる。また、ペダル装置1は、第1固定部材91および第2固定部材92をさらに備える。
【0158】
ハウジング端部101は、図24に示すように、固定用ハウジング穴201を含む。固定用ハウジング穴201は、連結ロッド60の軸方向に延びている空間である。連結ロッド60のアーム部61は、被覆部材用凹部613を有しないで、固定用ロッド穴620を有する。固定用ロッド穴620は、連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている空間である。第1接続部81は、固定用ハウジング穴201に対応する第1接続部穴861を有する。第2接続部82は、固定用ロッド穴620に対応する第2接続部穴862を有する。
【0159】
第1固定部材91および第2固定部材92は、ねじ、ピンおよびスナップフィット等である。また、第1固定部材91の一部は、固定用ハウジング穴201および第1接続部穴861に挿入されている。これにより、第1接続部81とハウジング端部101とが接続されている。さらに、第2固定部材92の一部は、固定用ロッド穴620および第2接続部穴862に挿入されている。このため、第2接続部82と連結ロッド60のアーム部61とが接続されている。
【0160】
このように、第17実施形態は、構成されている。第17実施形態においても、上記[1-3]、[1-4]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第17実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0161】
[12-1]ハウジング端部101には、固定用ハウジング穴201が形成されている。被覆部材80の第1接続部81には、固定用ハウジング穴201に対応する第1接続部穴861が形成されている。ペダル装置1は、第1固定部材91をさらに備える。第1固定部材91の一部が固定用ハウジング穴201および第1接続部穴861に挿入されていることにより、第1接続部81とハウジング端部101とが接続されている。
【0162】
これにより、第1接続部81とハウジング端部101との固定がしやすくなる。また、第1接続部81とハウジング端部101との接続を保持する力が向上する。
【0163】
[12-2]連結ロッド60には、連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている空間である固定用ロッド穴620が形成されている。被覆部材80の第2接続部82には、固定用ロッド穴620に対応する第2接続部穴862が形成されている。ペダル装置1は、第2固定部材92をさらに備える。第2固定部材92の一部が固定用ロッド穴620および第2接続部穴862に挿入されていることにより、第2接続部82と連結ロッド60とが接続されている。
【0164】
これにより、第2接続部82と連結ロッド60との固定がしやすくなる。また、第2接続部82と連結ロッド60との接続を保持する力が向上する。
【0165】
(第18実施形態)
第18実施形態では、ハウジング端部101と被覆部材80の第1接続部81との接続および連結ロッド60と被覆部材80の第2接続部82との接続が第1実施形態と異なる。
【0166】
第1接続部81は、図25に示すように、溶着、接着および2色成形等によりハウジング端部101の外面と接続されている。第2接続部82は、溶着、接着および2色成形等により連結ロッド60のアーム部61の側面と接続されている。なお、アーム部61は、被覆部材用凹部613を有しない。
【0167】
このように、第18実施形態は、構成されている。第18実施形態においても、上記[1-3]、[1-4]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第18実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0168】
[13-1]第1接続部81は、溶着、接着および2色成形によりハウジング端部101と接続されている。これにより、第1接続部81とハウジング端部101との固定がしやすくなる。
【0169】
[13-2]第2接続部82は、溶着、接着および2色成形等により連結ロッド60と接続されている。これにより、第2接続部82と連結ロッド60との固定がしやすくなる。
【0170】
(第19実施形態)
第19実施形態では、ハウジング端部101と被覆部材80の第1接続部81との接続および連結ロッド60と被覆部材80の第2接続部82との接続が第1実施形態と異なる。
【0171】
ハウジング端部101は、図26に示すように、ハウジング延長部210を含む。ハウジング延長部210は、連結ロッド60の軸方向に延びている。また、被覆部材80の第1接続部81は、連結ロッド60の軸方向と直交する方向にハウジング延長部210のうち連結ロッド60の軸方向と直交する方向の外側の面と接続されている。
【0172】
また、ペダル装置1は、第1固定部材91および第2固定部材92をさらに備える。第1固定部材91および第2固定部材92は、結束バンドおよび止め輪等である。このため、第1固定部材91および第2固定部材92は、環状になっている。なお、第1固定部材91および第2固定部材92は、環状になっていることに限定されないで、例えば、円弧状、楕円弧状、U字状およびL字状等であってもよい。
【0173】
また、第1固定部材91は、ハウジング延長部210とで第1接続部81を挟んでいる。さらに、第2固定部材92は、連結ロッド60のアーム部61の側面とで第2接続部82を挟んでいる。
【0174】
このように、第19実施形態は、構成されている。第19実施形態においても、上記[1-3]、[1-4]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第19実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0175】
[14-1]ハウジング端部101は、ハウジング延長部210を含む。ハウジング延長部210は、連結ロッド60の軸方向に延びている。第1固定部材91がハウジング延長部210とで第1接続部81を挟むことにより、ハウジング延長部210と第1接続部81とが接続されている。これにより、第1接続部81とハウジング端部101との固定がしやすくなる。また、第1接続部81とハウジング端部101との接続を保持する力が向上する。
【0176】
[14-2]第2固定部材92が連結ロッド60の側面とで第2接続部82を挟んでいることにより、連結ロッド60と第2接続部82とが接続されている。これにより、第2接続部82と連結ロッド60との固定がしやすくなる。さらに、第2接続部82と連結ロッド60との接続を保持する力が向上する。
【0177】
(第20実施形態)
第20実施形態では、被覆部材80の被覆部83の形態が第1実施形態と異なる。
【0178】
被覆部83は、図27に示すように、第1被覆部871および第2被覆部872を有する。このため、被覆部83は、2つに分割されている。また、第1被覆部871は、溶着、接着および2色成形等により、連結ロッド60の軸方向と直交する方向に第2被覆部872と接続されている。
【0179】
このように、第20実施形態は、構成されている。第20実施形態においても、上記[1-3]を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第20実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0180】
[15]被覆部83は、第1被覆部871および第2被覆部872を有する。第1被覆部871および第2被覆部872は、互いに連結ロッド60の軸方向と直交する方向に接続されているとともに、ハウジング孔100を覆う。
【0181】
これにより、被覆部83が分割されていることで、第1接続部81とハウジング端部101との接続を分割して行うことができるため、第1接続部81とハウジング端部101との固定がしやすくなる。また、第2接続部82と連結ロッド60との接続を分割して行うことができるため、第2接続部82と連結ロッド60との固定がしやすくなる。
【0182】
(第21実施形態)
第21実施形態では、被覆部材80の被覆部83の形態が第1実施形態と異なる。被覆部83は、図28に示すように、切れ目873を有する。また、この切れ目873における被覆部83の部分は、溶着、接着および2色成形等により、互いに接続されている。
【0183】
このように、第21実施形態は、構成されている。第21実施形態においても、第20実施形態と同様の効果を奏する。
【0184】
(第22実施形態)
第22実施形態では、呼吸孔25の形態が第1実施形態と異なる。
【0185】
呼吸孔25は、図29に示すように、第1ハウジング10の前壁14の内面と第2ハウジング20の側面との間に形成されている。なお、第2ハウジング20の側面は、第2ハウジング20の外面と内面とに接続されている面である。
【0186】
このように、第22実施形態は、構成されている。第22実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0187】
(第23実施形態)
第23実施形態では、第1ハウジング10、第2ハウジング20および呼吸孔25の形態が第1実施形態と異なる。
【0188】
第1ハウジング10は、図30に示すように、凸部141を有する。凸部141は、第1ハウジング10の前壁14の側面から第2ハウジング20に向かって突出している。さらに、凸部141の一部は、第2ハウジング20に形成されている凹む空間に挿入されている。これにより、凸部141の第2ハウジング20の間に、呼吸孔25が形成されている。また、凸部141および第2ハウジング20に形成されている凹む空間により、呼吸孔25は、迷路状になっている。なお、前壁14の側面は、前壁14の外面と内面とに接続されている面である。
【0189】
このように、第23実施形態は、構成されている。第23実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第23実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0190】
[16]第1ハウジング10の凸部141の一部が第2ハウジング20に形成されている凹む空間に挿入されていることにより、呼吸孔25は、迷路状になっている。
【0191】
これにより、異物がハウジング5の外部から呼吸孔25を通過するとき、異物の移動が凸部141によって妨げられるため、異物がハウジング5の外部から呼吸孔25を通過してハウジング空間15に侵入することが抑制される。また、異物がハウジング5の外部から呼吸孔25を通過するとき、第2ハウジング20の凹む空間に溜まる。このため、異物がハウジング5の外部から呼吸孔25を通過してハウジング空間15に侵入することが抑制される。
【0192】
(第24実施形態)
第24実施形態では、呼吸孔25の形態が第1実施形態と異なる。
【0193】
呼吸孔25は、図31に示すように、第1ハウジング10の前壁14のうち左側、左側壁12および第1ハウジング10の車両後方側のうち左側と第2ハウジング20との間に形成されている。また、第1ハウジング10の左側壁12の端には、穴が形成されているため、呼吸孔25のうち車両左方側の一部は、分岐している。したがって、この呼吸孔25は、第1実施形態と比較して、大きくなっている。このため、呼吸孔25を通過する空気の流入出がしやすくなることから、ペダル40の回転およびハウジング空間15の温度変化によって生じるハウジング空間15の空気の体積変化が緩和されやすくなる。したがって、ペダル40が回転するときに、ハウジング空間15の空気の圧縮および膨張の抵抗が小さくなることから、ペダル40の回転が滑らかになる。なお、図31において、呼吸孔25の範囲が二点鎖線で示されている。
【0194】
このように、第24実施形態は、構成されている。第24実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0195】
(第25実施形態)
第25実施形態では、第1ハウジング10の形態が第24実施形態と異なる。
【0196】
第1ハウジング10は、図32に示すように、呼吸孔25に連通する溜まり穴215を有する。なお、図32において、呼吸孔25の範囲が二点鎖線で示されている。また、第2ハウジング20が溜まり穴215を有してもよい。
【0197】
このように、第25実施形態は、構成されている。第25実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第25実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0198】
[17]ハウジング5は、呼吸孔25に連通する溜まり穴215を有する。この溜まり穴215には、ハウジング5の外部から侵入する異物が溜まる。
【0199】
これにより、異物がハウジング5の外部から呼吸孔25を通過するとき、溜まり穴215に溜まるため、異物がハウジング5の外部から呼吸孔25を通過してハウジング空間15に侵入することが抑制される。
【0200】
(第26実施形態)
第26実施形態では、呼吸孔25の形態が第24実施形態と異なる。
【0201】
呼吸孔25は、図33に示すように、第1ハウジング10のほぼ全周および第2ハウジング20の間に形成されている。なお、図33において、呼吸孔25の範囲が二点鎖線で示されている。
【0202】
このように、第26実施形態は、構成されている。第26実施形態においても、第24実施形態と同様の効果を奏する。
【0203】
(第27実施形態)
第27実施形態では、第1ハウジング10は、フィルタ穴220を有する。また、ペダル装置1は、フィルタ225を備える。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0204】
フィルタ穴220は、図34に示すように、第1ハウジング10の前壁14に形成されている。また、フィルタ穴220は、第1ハウジング10の外部とハウジング空間15とに連通する。なお、フィルタ穴220は、第1ハウジング10の前壁14に形成されていることに限定されないで、第1ハウジング10の左側壁12、右側壁13、車両後方側の壁および第2ハウジング20に形成されてもよい。
【0205】
フィルタ225は、フィルタ穴220に挿入されている。また、フィルタ225は、ベントフィルタである。このため、フィルタ225は、第1ハウジング10の外部からフィルタ穴220を経由してハウジング空間15に向かって流れる水を通過させないで、空気を通過させる。
【0206】
このように、第27実施形態は、構成されている。第27実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第27実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0207】
[18]ハウジング5は、フィルタ穴220を形成する。フィルタ穴220は、ハウジング5の外部とハウジング空間15とに連通する。また、ペダル装置1は、フィルタ225をさらに備える。このフィルタ225は、ハウジング5の外部からフィルタ穴220を経由してハウジング空間15に向かって流れる水を通過させないで、空気を通過させる。なお、水は、異物に対応する。
【0208】
また、車両の運転者の踏込によってペダル40が踏まれるときにハウジング空間15の空気がペダル40からの力を受けることで圧縮されるとき、ハウジング空間15の空気がフィルタ穴220およびフィルタ225を通過してハウジング5の外部に流出する。さらに、車両の運転者がペダル40を踏んでいる状態からペダル40を踏むことをやめるときに、ペダル40からの力が除荷されることでハウジング空間15の空気が膨張する。このとき、ハウジング5の外部の空気がフィルタ穴220およびフィルタ225を通過してハウジング空間15に流入する。
【0209】
このフィルタ穴220およびフィルタ225により、ペダル40の回転によって生じるハウジング空間15の空気の体積変化が緩和される。また、ハウジング空間15の温度変化によって生じるハウジング空間15の空気の体積変化が緩和される。このため、ペダル40が回転するときに、ハウジング空間15の空気の圧縮および膨張の抵抗が小さくなることから、ペダル40の回転が滑らかになる。また、フィルタ225により、異物がハウジング5の外部からフィルタ穴220を通過してハウジング空間15に侵入することが抑制される。
【0210】
(第28実施形態)
第28実施形態では、連結ロッド60および被覆部材80の形態が第1実施形態と異なる。
【0211】
連結ロッド60のアーム部61は、図35に示すように、アーム凹部612を有しないで、アーム凸部632を有する。アーム凸部632は、アーム部61の側面から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に突出している。
【0212】
被覆部材80の第2接続部82は、底部883、第1側部881および第2側部882を有する。底部883は、連結ロッド60の軸方向に延びている。第1側部881は、底部883から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている。第2側部882は、底部883のうち第1側部881と反対側から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている。また、底部883、第1側部881および第2側部882によって形成される空間に、アーム凸部632が挿入されている。これにより、第2接続部82は、アーム部61と接続されている。
【0213】
また、連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、第2側部882の長さは、第1側部881の長さよりも短くなっている。さらに、第2側部882は、第2側部用斜面884を含む。この第2側部用斜面884は、第2側部882のうちアーム凸部632側の部位とは反対側に形成されている。なお、連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、第1側部881の長さが第2側部882の長さよりも短くなっていてもよい。また、第1側部881が第2側部用斜面884と同様の斜面を含んでもよい。
【0214】
このように、第28実施形態は、構成されている。第28実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第28実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0215】
[19-1]第2接続部82は、底部883、第1側部881および第2側部882を有する。底部883は、連結ロッド60の軸方向に延びている。第1側部881は、底部883から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている。第2側部882は、底部883のうち第1側部881と反対側から連結ロッド60の軸方向と直交する方向に延びている。また、底部883、第1側部881および第2側部882によって形成される空間に、アーム凸部632が挿入されている。なお、連結ロッド60の軸方向は、一方向に対応する。連結ロッド60の軸方向と直交する方向は、底部883が延びている方向と交差する方向に対応する。アーム凸部632は、ロッド凸部に対応する。
【0216】
これにより、第2接続部82が連結ロッド60から外れにくくなる。また、別部材を設けることなく、第2接続部82と連結ロッド60とを容易に接続することができる。このため、ペダル装置1のコストを別部材の分低下させることができる。
【0217】
[19-2]連結ロッド60の軸方向と直交する方向において、第2側部882の長さは、第1側部881の長さよりも短くなっている。さらに、第2側部882は、第2側部用斜面884を含む。この第2側部用斜面884は、第2側部882のうちアーム凸部632側の部位とは反対側に形成されているとともに、第2側部882が延びている方向に対して傾斜している。これにより、第2側部用斜面884は、アーム凸部632を底部883、第1側部881および第2側部882によって形成される空間に案内する。なお、第2側部用斜面884は、ロッド用斜面に対応する。
【0218】
第2側部882の長さが第1側部881の長さよりも短くなっていることにより、アーム凸部632を第2側部882から底部883、第1側部881および第2側部882によって形成される空間に挿入することがしやすくなる。また、第2側部用斜面884により、アーム凸部632がこの空間に案内されるため、アーム凸部632をこの空間に挿入することがしやすくなる。
【0219】
(第29実施形態)
第29実施形態では、ハウジング5は、傾斜面500および壁部510をさらに有する。さらに、第1ストッパ70の形状が第1実施形態と異なる。また、ペダル装置1は、保護板515をさらに備える。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0220】
傾斜面500は、図36図38に示すように、左側壁12側から右側壁13側に向かい車両下方に傾斜している。さらに、傾斜面500のうち車両下方側の部位は、右側壁13と接続されており、傾斜面500と右側壁13との接続箇所50は、シャフト41および回転プレート43よりも車両前方にずれた位置となっている。また、壁部510は、傾斜面500と接続されている。さらに、壁部510は、傾斜面500との境界部から車両上方に延びている。第1ストッパ70は、側板部45から下方に延びている。なお、図36図38において、煩雑さを避けるため、第2ハウジング20の記載が省略されている。
【0221】
保護板515は、保護部に対応しており、連結ロッド60および被覆部材80を保護する。具体的には、保護板515は、ペダル裏面405からハウジング5側に延びていることにより、連結ロッド60および被覆部材80の少なくとも一部に対して回転軸CLの延びる方向に重なっている。また、保護板515の一部とハウジング5の左側壁12の一部とは、ペダル40の非踏込状態において、回転軸CLの延びる方向に重なっている。さらに、保護板515の一部とハウジング5の右側壁13の一部とは、ペダル40の非踏込状態において、回転軸CLの延びる方向に重なっている。なお、保護板515は、ペダル裏面405の右側と左側の両方に設けられているところ、これに限定されないで、例えば、右側と左側のどちらか片方に設けられていてもよい。また、保護部として保護板515が挙げられているところ、保護部の形状は、板状に形成されていることに限定されないで、例えば、棒状等であってもよい。
【0222】
ここで、図39は、車両の運転者の踏込操作によりペダル40が最も回転動作した最大踏込状態を示している。図39に示すように、最大踏込状態において、ペダル40とハウジング5との間の空間には、ペダル裏面405に対して垂直な方向において第1領域αと第2領域βとが形成されている。また、ペダル裏面405に垂直な方向において、第2領域βにおけるペダル裏面405からハウジング5までの最大距離は、第1領域αにおけるペダル裏面405からハウジング5までの最大距離よりも長くなっている。また、第2領域βは、ペダル裏面405と傾斜面500とで区画形成されている。なお、図39では、第1領域αおよび第2領域βは、矢印で示されている。また、図39において、煩雑さを避けるため、第2ハウジング20の記載が省略されている。
【0223】
また、保護板515は、ペダル40とハウジング5との間の空間において、第2領域βを覆っていない。そのため、その第2領域βは、回転軸CL方向の一方側または他方側に開放されている。したがって、ハウジング5の傾斜面500は、保護板515に覆われていないで、回転軸CL方向のうち保護板515が配置されている一方側に開放されている。これにより、ペダル裏面405とハウジング5との間に異物が挟まれた場合でも、車両の運転者がペダル40の踏み込み操作をすると、その異物は、保護板515に干渉することなく、傾斜面500に沿ってハウジング5の外側へ押し出される。
【0224】
このように、第29実施形態は、構成されている。第29実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第29実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0225】
[20-1]ここで、特許第6881257号公報に記載されているように、比較用ペダルパッドと、比較用ハウジングと、比較用支持体と、比較用保護板とを備える車両用ペダル装置が知られている。比較用保護板は、ペダルパッドに設けられ、最大限に踏込操作がなされた状態の比較用ペダルパッドと、比較用ハウジングと、比較用支持体とで区画された空間に対する車両幅方向外側に配置されている。また、比較用保護板は、その空間に重なる。この構成では、車両用ペダル装置に侵入する異物が比較用ペダルパッドおよび比較用ハウジングの間に堆積し、その堆積した異物は、比較用保護板により比較用ハウジングが覆われているため、排出されにくくなっている。
【0226】
これに対して、ペダル装置1は、保護板515をさらに備える。保護板515は、ペダル裏面405からハウジング5側に延びていることにより、連結ロッド60および被覆部材80の少なくとも一部と回転軸CLの延びる方向に重なっている。また、車両の運転者の踏込によってペダル40が最も回転した状態において、ペダル裏面405およびハウジング5の間には、第1領域αと、第2領域βとが形成されている。さらに、ペダル裏面405に垂直な方向において、第2領域βにおけるペダル裏面405からハウジング5までの距離は、第1領域αにおけるペダル裏面405からハウジング5までの距離よりも長くなっている。さらに、保護板515が第2領域βを覆っていないことにより、第2領域βは、回転軸CLの延びる方向の一方側および他方側のうち少なくとも保護板515が配置されている側に開放されている。これにより、ペダル裏面405とハウジング5との間に異物が挟まれた場合でも、その異物は、第2領域βから排出されるため、ペダル装置1の外部に排出されやすくなる。
【0227】
[20-2]また、保護板515の一部は、車両の運転者によってペダル40が踏まれていないとき、ハウジング5の左側壁12および右側壁13の一部と回転軸CLの延びる方向に重なっている。
【0228】
これにより、例えば、車両の運転者の足で保護板515が蹴られるなど、ペダル装置1の外部から保護板515に対して力が作用した場合でも、その保護板515に印加される荷重は、ハウジング5の左側壁12および右側壁13にて受け止められる。したがって、保護板515により、連結ロッド60および被覆部材80が保護されやすくなる。
【0229】
(第30実施形態)
第30実施形態では、保護板515の形態が第29実施形態と異なる。これ以外は、第29実施形態と同様である。
【0230】
具体的には、保護板515は、図40に示すように、幅が第29実施形態と比較して広いものとなっている。これにより、連結ロッド60および被覆部材80を回転軸CLの延びる方向に投影したとき、投影した連結ロッド60および被覆部材80の全部と保護板515とが重なる。なお、図40において、煩雑さを避けるため、第2ハウジング20の記載が省略されている。
【0231】
また、第30実施形態においても、保護板515が第2領域βを覆っていないことにより、第2領域βは、回転軸CLの延びる方向の一方側および他方側のうち少なくとも保護板515が配置されている側に開放されている。これにより、ペダル裏面405とハウジング5との間に異物が挟まれた場合でも、その異物は、第2領域βから排出されるため、ペダル装置1の外部に排出されやすくなる。
【0232】
このように、第30実施形態は、構成されている。第30実施形態においても、第29実施形態と同様の効果を奏する。
【0233】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0234】
上記実施形態では、ペダル装置1は、車両のブレーキを制御するブレーキバイワイヤシステム150にブレーキペダルとして用いられる。これに対して、ペダル装置1は、ブレーキペダルとして用いられることに限定されない。ペダル装置1は、例えば、車両を加速させるアクセルペダルとして用いられてもよい。
【0235】
上記実施形態では、ペダル装置1は、オルガン式のペダル装置1である。これに対して、ペダル装置1は、オルガン式のペダル装置1であることに限定されない。例えば、ペダル装置1は、吊り下げ式のペダル装置1であってもよい。吊り下げ式のペダル装置1は、ペダル40に印加される運転者の踏力の増加に応じてペダル40のうち回転軸CLより車両後方の部位が車室内のフロア2側またはダッシュパネル側に回転する。
【0236】
上記実施形態では、反力発生機構30には、板ばね31、大径コイルばね33および小径コイルばね34が弾性部材として用いられている。これに対して、反力発生機構30の弾性部材の数は、3つであることに限定されない。反力発生機構30の弾性部材の数は、1つ以上であればよい。
【0237】
上記実施形態では、ブレーキバイワイヤシステム150において、マスターシリンダ126によりブレーキ回路120を流れるブレーキ液に液圧が発生する。これに対して、マスターシリンダ126によりブレーキ回路120を流れるブレーキ液に液圧が発生することに限定されない。例えば、液圧ポンプによりブレーキ回路120を流れるブレーキ液に液圧が発生してもよい。
【0238】
上記第2実施形態では、第2接続部82は、溶着、接着および2色成形等によりペダル裏面405と接続されている。これに対して、第2接続部82は、溶着、接着および2色成形等によりペダル裏面405と接続されていることに限定されない。例えば、図41に示すように、第2接続部82の一部がペダル裏面405から凹む空間に挿入されていることにより、第2接続部82がペダル裏面405と接続されてもよい。また、図42に示すように、第2接続部82の底部883、第1側部881および第2側部882によって形成される空間にペダル裏面405から突出しているペダル凸部406が挿入されていることにより、第2接続部82がペダル裏面405と接続されてもよい。さらに、図43に示すように、第2接続部82の第2接続部穴862およびペダル裏面405に形成されている穴にねじ、ピンおよびスナップフィット等の第2固定部材92が挿入されていることにより、第2接続部82がペダル裏面405と接続されてもよい。また、図44に示すように、結束バンドおよび止め輪等の第2固定部材92がペダル凸部406とで第2接続部82を挟んでいることにより、ペダル裏面405と第2接続部82とが接続されてもよい。
【0239】
上記第29、第30実施形態では、非踏込状態において、保護板515の一部とハウジング5の側面の一部とが回転軸CL方向に重なっているところ、これに限定されない。例えば、保護板515の板厚を増加する等することで、保護板515の剛性を高くすることにより、保護板515の一部とハウジング5の側面の一部とが回転軸CL方向に重ならなくてもよい。
【0240】
上記実施形態が適宜組み合わされてもよい。
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