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特許7517644位置調節部を含むパウチ形電池シーリング装置及びこれを用いたパウチ形電池シーリング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】位置調節部を含むパウチ形電池シーリング装置及びこれを用いたパウチ形電池シーリング方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/178 20210101AFI20240709BHJP
【FI】
H01M50/178
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022558201
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 KR2021017416
(87)【国際公開番号】W WO2022119226
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0165644
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ヨン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン フン
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-511912(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111029636(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0046910(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1762807(KR,B1)
【文献】特開2020-092062(JP,A)
【文献】中国実用新案第203690351(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/102-198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極リードの断面の厚さ及び幅に対応するシーリング溝を含むシーリングブロック;及び、
前記シーリング溝に対する前記電極リードの位置を調節する位置調節部;を含み、
前記位置調節部は、
1)前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを固定する第1固定部;
前記第1固定部全体を移動させる第1移動部;及び
前記第1移動部による移動変位を測定する第1位置測定部;を含む、或いは
2)前記電極リードの横隔壁及び縦隔壁の位置を決定する第2移動部;
前記第2移動部の前記横隔壁及び縦隔壁に前記電極リードを合わせ、前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを固定可能な第2固定部;及び
前記第2移動部による移動変位を測定する第2位置測定部;を含む、或いは
3)前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースの横隔壁及び縦隔壁の位置を決定する第3移動部;
前記第3移動部の前記横隔壁及び縦隔壁に、前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを合わせ、前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを固定可能な第3固定部;及び
前記第3移動部による移動変位を測定する第3位置測定部;を含み、
前記シーリングブロックは、上部シーリングブロック及び下部シーリングブロックを含み、
前記シーリング溝は、上部シーリングブロック及び下部シーリングブロックの少なくとも一方に設けられ、
前記シーリング溝は、絶縁フィルムの厚さに対応する第1溝及び絶縁フィルム、及び電極リードの厚さに対応する第2溝を含み、
前記位置調節部は、前記シーリング溝の範囲内で前記電極リードの位置を調節し、前記第1溝の範囲が前記絶縁フィルムに位置するように配置し、前記第2溝の範囲が前記電極リード上に位置するように配置する、
パウチ形電池シーリング装置。
【請求項2】
前記第1移動部、第2移動部、第3移動部は、xyz直交座標を基準に各x、y、z軸に移動させる横移動部、縦移動部、高さ移動部を含み、
前記第1位置測定部、第2位置測定部、第3位置測定部は、前記第1固定部、第2固定部、第3固定部のx、y、z軸移動変位をそれぞれ測定する横測定部、縦測定部、高さ測定部を含む、請求項に記載のパウチ形電池シーリング装置。
【請求項3】
高さが固定され、前記高さ移動部及び前記高さ測定部が省略された、請求項に記載のパウチ形電池シーリング装置。
【請求項4】
前記第1移動部、第2移動部、第3移動部は、制御装置によって作動されるか或いはねじの回転によって移動が調節される、請求項からのいずれか一項に記載のパウチ形電池シーリング装置。
【請求項5】
前記第1位置測定部、第2位置測定部、第3位置測定部は、レーザー距離測定機又はマイクロメーターである、請求項からのいずれか一項に記載のパウチ形電池シーリング装置。
【請求項6】
前記第1固定部、第2固定部、第3固定部は、
前記パウチ形電池ケースの少なくとも1個の側面を支持する隔壁;及び/又は
前記パウチ形電池ケースが置かれている状態の上面を加圧して固定する加圧部材;
を含む、請求項からのいずれか一項に記載のパウチ形電池シーリング装置。
【請求項7】
前記位置調節部は、該位置調節部全体が移動して、前記パウチ形電池ケースのシールする部分を前記シーリングブロックの間に配置可能な配送部が付加された、請求項からのいずれか一項に記載のパウチ形電池シーリング装置。
【請求項8】
(S1)電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを、請求項1~のいずれか一項に記載のパウチ形電池シーリング装置に配置する段階;
(S2)前記位置調節部を用いて前記シーリング溝に対する前記電極組立体の電極リード及び絶縁フィルムの位置を調整する段階;及び
(S3)前記パウチ形電池ケースをシールする段階;
を含むパウチ形電池シーリング方法。
【請求項9】
前記(S2)段階は、前記位置調節部内で前記シーリング溝に対する前記電極リード及び絶縁フィルムの位置を調節する、請求項に記載のパウチ形電池シーリング方法。
【請求項10】
前記(S3)段階は、前記位置調節部に固定された前記電極リードを含む電極組立体を、前記シーリングブロックに移動させた後に行われる、請求項またはに記載のパウチ形電池シーリング方法。
【請求項11】
前記(S3)段階後に、(S4)シールされた前記パウチ形電池ケースの密封力を確認する段階をさらに含む、請求項から10のいずれか一項に記載のパウチ形電池シーリング方法。
【請求項12】
前記(S4)段階は、前記電極リードと絶縁フィルムが接着する時に空いた空間に接着剤が充填された長さを確認する、請求項11に記載のパウチ形電池シーリング方法。
【請求項13】
前記(S4)段階は、肉眼、又はレーザーのような透過光線によって行われる、請求項12に記載のパウチ形電池シーリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月01日付韓国特許出願第2020-0165644号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本願発明は、位置調節部を含むパウチ形電池シーリング装置及びこれを用いたパウチ形電池シーリング方法に関する。具体的には、パウチ形電池を製造する時に、ラミネートシートからなる電池ケースの外周辺を熱と圧力を加えてシールする過程において前記電池ケースのリード位置を調節できる位置調節部を含むパウチ形電池シーリング装置及びこれを用いたパウチ形電池のシーリング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器と電気自動車などのエネルギ源として二次電池の需要が急増している。特に、高いエネルギー密度と高い放電電圧を有するリチウム二次電池に対する需要が高い。
【0004】
リチウム二次電池は、形状及び素材によって、金属素材からなる円筒形二次電池又は角形二次電池;ラミネートシートからなるパウチ形電池などに区別できる。パウチ形電池は、高い集積度で積層されて重量当たりのエネルギー密度が高く、製造コストが低く、形態変形が容易であるという長所から、様々なデバイスに用いられている。
【0005】
パウチ形電池は一般に、外部被服層、金属遮断層、及び内部接着層を含むラミネートシートを成形して電池ケースとして使用する。前記ラミネートシートに形成された収納部内に電極組立体と電解液を組み込んでシールしてパウチ形電池を製造する。
【0006】
図1に示すように、パウチ形電池は、下部パウチ部11と上部パウチ部12とで構成された電池ケース10の収納部13に、電極組立体20が組み込まれる。電極組立体20は、正極と負極タブ21,22が2つの電極リード31,32にそれぞれ溶接されて電池ケース10の外部に露出されている。そして、電極リード31,32の上部と下部には、一対の絶縁フィルム41,42を介在させた状態でケース10の外周辺をシールする。
【0007】
ケース10の外周辺は、長手方向に長い直方体状のシーリングツールによってラミネートシートの内部接着層が加熱溶融及び圧着されながらシールされる。
【0008】
図2は、従来技術に係るパウチ形電池シーリング装置1000の側面図であり、図3は、従来技術に係るパウチ形電池シーリング装置1000の位置調節部1200を示す上面図である。
【0009】
従来技術に係るパウチ形電池シーリング装置1000は、上部シーリングブロック1110及び下部シーリングブロック1120を含むシーリングブロック1100、パウチ形電池50が上部又は内部に位置し、前記シーリングブロック1100に対する前記パウチ形電池50の相対的な位置を調整する位置調節部1200、及び前記位置調節部1200全体の移動を助ける配送部1300を含む。配送部1300は、ベース1400上に位置する。
【0010】
従来技術に係るパウチ形電池シーリング装置1000は、前記位置調節部1200の上部又は内部に前記パウチ形電池50を配置させる。前記パウチ形電池50を正確にシールするために、前記パウチ形電池50の位置を位置測定部1220を用いて決めるだけでなく、その変位も測定する。この時、前記位置測定部1220は、横の変位を測定する定規1222、縦の変位を測定する定規1224を含む。ここで、パウチ形電池50の位置を調整するということは、つまり、パウチ形電池50の電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42のx、y、z軸、好ましくは上下を除く左右であるx、y軸の位置を調節してシーリングブロック1100に対する相対的な位置を設定することである。
【0011】
図3で、パウチ形電池50の電池ケース10のハッチング部分は、シールされる部分を示している。左、右側シーリング部は、電池ケース10が互いに接する部分をシールするので、位置に対する細部調整が不要であるか、あまり重要でない。これに対し、上部の電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42が位置する部分は、位置によるシーリング差が大きい。シーリングブロックに溝が設けられない場合に、位置を調節する必要がない。
【0012】
図8で説明するように、電極リード31,32と絶縁フィルム41,42の突出した部分に対するシーリングを改善するために、本願発明では、シーリングブロック1100の上部シーリングブロック1110及び下部シーリングブロック1120に溝を備えている。シーリングブロック1100には、電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42に対応する第1溝1114,1124及び第2溝1112,1122が設けられる。
【0013】
電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42のx、y、z軸の位置を調節して、前記第1溝1114,1124及び第2溝1112,1122に対する位置を調節しなければならない。パウチ形電池50をシーリングブロック1100内に位置させた後に位置を調整することは空間的制約のために容易でなく、よって、前記位置調整は別の位置調節部1200内でなされ、前記位置調節部1200全体を配送部1300によって平衡移動する。位置を調節した前記パウチ形電池50は、配送部1300によってシーリングブロック1100の間に位置する。配送部1300によって前記パウチ形電池50を移送したり或いは前記シーリングブロック1100によってシールされる時に、前記パウチ形電池50が動かないように前記パウチ形電池50の側面及び上面は固定部1260によって固定される。図3に例示されている固定部1260は、側面を固定する側壁1262,1264と、上面を固定する加圧部材1266とで構成される。
【0014】
従来技術に係るパウチ形電池シーリング装置1000では、パウチ形電池50の位置を調節する過程において、所望の距離だけ正確に移動させることができない他、移動した変位も正確に測定できないという問題点がある。パウチ形電池のうち、特にリード部分は、金属素材とその厚さによって常にシーリングが問題とされてきた。リードの位置、リードの種類によるシーリング強度に対する正確な情報を把握し難く、そのため、工程条件が変更される度に、作業者が既存の経験などの不正確な基準によってリードの位置とそれに対する公差を設定した。また、それらを測定するために、定規1222,1224を使って変位を測定したが、これもまた、精密度が非常に低いだけでなく、多い誤差を含んでいる。
【0015】
特許文献1によるパウチ形電池シーリング装置のように、電解液の漏液現象を防止するために段差部を含むシーリング装置を使用する場合に、正確な位置に前記パウチ形電池の電極リードを配置する必要がさらに多くなる。特許文献1は、それに対する具体的な解決策が欠如している。
【0016】
特許文献2では、電池セルを同一に締結するための加圧ジグ制御ユニットに関して言及しているが、これは、前記制御ユニットを上下方向に動かすためのもので、様々な大きさのパウチ形電池を全方向に正確に移動させる手段がない。
【0017】
電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42と前記シーリングブロック1100の相対的な位置によってシーリング強度が大きく変わる。数マイクロメートルの変位だけでもシーリング強度が大きく変わるので、正確な位置に電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42を配置しなければならず、しかも、工程で許容可能な誤差範囲を設定することも非常に重要である。
【0018】
シーリング強度は、ラミネートシートの金属遮断層の金属の種類及び厚さ、ラミネートシートの内部接着層の厚さ及び接着成分、電極リード金属の種類及び厚さ、絶縁フィルムの厚さ及び成分、ホルダーとシーリングブロックの温度などによって変わることがある。これにより、電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42の適切な位置を選定することが何よりも重要である。最近では、高容量化によって電極組立体自体の厚さ及びそれによるタブの厚さも増加し、精密なシーリングがより一層必要な実情である。
【0019】
本願発明は、上記のような問題点を解決するためのものであり、上記の様々な変数による不良率を正確に確認し、前記電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42の位置によるシーリング結果を把握するために本願発明を導出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
(特許文献1)韓国公開特許第2016-0118931号公報
(特許文献2)韓国公開特許第2020-0053783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本願発明は、上記のような問題を解決するためのものであり、パウチ形電池を製造する時に、ラミネートシートからなる電池ケースの外周辺を熱と圧力を加えてシールする過程においてパウチ形電池の電極リード及び絶縁フィルムの位置を正確に調節してそれによるシーリングの程度を把握できるパウチ形電池シーリング装置及びこれを用いたパウチ形電池シーリング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
このような目的を達成するために、本願発明は、電極リード断面の厚さ及び幅に対応するシーリング溝を含むシーリングブロック;及び、前記シーリング溝に対する前記電極リードの位置を調節する位置調節部;を含むパウチ形電池シーリング装置を提供する。
【0023】
前記位置調節部は、
1)前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを固定する第1固定部;前記第1固定部全体を移動させる第1移動部;及び、前記第1移動部による移動変位を測定する第1位置測定部;を含む、或いは
2)前記電極リードの横隔壁及び縦隔壁の位置を決定する第2移動部;前記第2移動部の前記横隔壁及び縦隔壁に前記電極リードを合わせ、前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを固定できる第2固定部;及び、前記第2移動部による移動変位を測定する第2位置測定部;を含む、或いは
3)前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースの横隔壁及び縦隔壁の位置を決定する第3移動部;前記第3移動部の前記横隔壁及び縦隔壁に、前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを合わせ、前記電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを固定できる第3固定部;及び、前記第3移動部による移動変位を測定する第3位置測定部を含むことができる。
【0024】
前記第1移動部、第2移動部、第3移動部は、xyz直交座標を基準に各x、y、z軸に移動させる横移動部、縦移動部、高さ移動部を含み、前記第1位置測定部、第2位置測定部、第3位置測定部は、前記第1固定部、第2固定部、第3固定部のx、y、z軸移動変位をそれぞれ測定する横測定部、縦測定部、高さ測定部を含むことができ、高さが固定され、前記高さ移動部及び前記高さ測定部が省略されてよい。
【0025】
前記第1移動部、第2移動部、第3移動部は、制御装置によって作動されるか或いはねじの回転によって移動が調節されてよく、前記第1位置測定部、第2位置測定部、第3位置測定部は、レーザー距離測定機又はマイクロメーターであってよい。
【0026】
前記第1固定部、第2固定部、第3固定部は、前記パウチ形電池ケースの少なくとも1個の側面を支持する隔壁;及び/又は、前記パウチ形電池ケースが置かれている状態の上面を加圧して固定する加圧部材;を含むことができる。
【0027】
前記シーリングブロックは、上部シーリングブロック及び下部シーリングブロックを含み、前記シーリング溝は、上部シーリングブロック及び下部シーリングブロックの少なくとも一方に設けられ、前記シーリング溝は、絶縁フィルムの厚さに対応する第1溝及び絶縁フィルム、及び電極リードの厚さに対応する第2溝を含むことができる。
【0028】
前記位置調節部は、前記シーリング溝の範囲内で前記電極リードの位置を調節する。
【0029】
前記位置調節部は、該位置調節部全体を移動して、前記パウチ形電池ケースのシールする部分を前記シーリングブロックの間に配置できる配送部が付加される。
【0030】
一方、本願発明は、また、(S1)電極リードを含む電極組立体を収納したパウチ形電池ケースを前記パウチ形電池シーリング装置に配置する段階;(S2)前記位置調節部を用いて前記シーリング溝に対する前記電極組立体の電極リード及び絶縁フィルム位置を調整する段階;及び、(S3)前記パウチ形電池ケースをシールする段階;を含むパウチ形電池シーリング方法を提供する。
【0031】
前記(S2)段階は、前記位置調節部内で前記シーリング溝に対する前記電極リード及び絶縁フィルムの位置を調節することであり、前記(S3)段階は、前記位置調節部に固定された前記電極リードを含む電極組立体を前記シーリングブロックに移動させた後に行われる。また、前記(S3)段階後に、(S4)シールされた前記パウチ形電池ケースの密封力を確認する段階をさらに含むことができる。この時、前記(S4)段階は、前記電極リードと絶縁フィルムが接着する時に空いた空間に接着剤が充填された長さを確認することであってよく、前記(S4)段階は、肉眼、又はレーザーのような透過光線によって行われてよい。
【0032】
本願発明は、また、前記課題の解決手段を組み合わせ可能な如何なる組合せでも提供可能である。
【発明の効果】
【0033】
以上に説明したように、本願発明は、パウチ形電池を製造する時に、ラミネートシートからなる電池ケースの外周辺を熱と圧力を加えてシールする過程において電極リードと絶縁フィルムの位置を正確に調節し、それによるシーリングの程度を把握できるパウチ形電池シーリング装置及びこれを用いたパウチ形電池シーリング方法を提供することができる。
【0034】
本願発明は、位置調節部によって電極リードと絶縁フィルムの位置を精密に調節し、その変位を観測できるので、精密且つ一定のシーリング位置を設定でき、これをよって一貫した結果を提供することができる。
【0035】
本願発明に係る位置調節部は、電極リードの位置を調節する他にも、前記電極リードの位置によるシーリング程度を測定し、これによってパウチ形電池シーリングの不良率を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来技術に係るパウチ形電池の分解斜視図である。
図2】従来技術に係るパウチ形電池シーリング装置の側面図である。
図3】従来技術に係るパウチ形電池シーリング装置の位置調節部を示す上面図である。
図4】本願発明の第1実施例に係るパウチ形電池シーリング装置の位置調節部を示す上面図である。
図5】本願発明の第2実施例に係るパウチ形電池シーリング装置の位置調節部を示す上面図である。
図6】本願発明の第3実施例に係るパウチ形電池シーリング装置の位置調節部を示す上面図である。
図7】本願発明の第1実施例に係るパウチ形電池シーリング装置の位置調節部(2200)がレールに沿って移動する様子を示す模式図である。
図8】本願発明に係るシーリングブロックの断面図である。
図9】本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置によってシールされたパウチ形電池の上面図である。
図10】本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置によってシールされたパウチ形電池の写真である。
図11】従来技術及び本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置によって移動したパウチ形電池の偏り誤差グラフである。
図12】従来技術及び本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置によってシールされたパウチ形電池のPP充填長誤差グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本願発明を容易に実施できる実施例を詳細に説明する。ただし、本願発明の好ましい実施例に対する動作原理を詳細に説明するとき、関連する公知機能又は構成に関する具体的な説明が本願発明の要旨を却って曖昧にし得ると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0038】
なお、図面中、類似の機能及び作用をする部分に対しては同一の図面符号を使用する。明細書全体を通じて、ある部分が他の部分と連結されているとしているとき、これは、直接に連結されている場合の他に、それらの間にさらに他の素子を介在して間接に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むということは、別に断らない限り、他の構成要素を除外する意味ではなく、他の構成要素をさらに含んてもよいことを意味する。
【0039】
また、構成要素を限定又は付加して具体化する説明は、特に制限がない限り、いかなる発明に適用されてもよく、特定の発明に関する説明に限定されない。
【0040】
また、本願発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって単数で表示されたものは、特に言及されない限り、複数である場合も含む。
【0041】
また、本願発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって、「又は」は、特に言及されない限り、「及び」も含むものである。したがって、「A又はBを含む」とは、Aを含む、Bを含む、A及びBを含む、3つのいずれの場合をも意味する。
【0042】
以下、本願発明を、図面を参照して詳細な実施例のように説明する。
【0043】
本願発明の明細書において、本願発明の第1実施例~第3実施例に係るパウチ形電池のシーリング装置のシーリングブロック及び配送部は、本願発明の明細書で言及している従来技術に係るパウチ形電池シーリング装置1000のシーリングブロック1100及び配送部1300と同一である。
【0044】
図4は、本願発明の第1実施例に係るパウチ形電池シーリング装置2000の位置調節部2200を示す上面図である。
【0045】
図4を参照すると、第1実施例に係るパウチ形電池シーリング装置2000の位置調節部2200は、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を固定する第1固定部2260;前記第1固定部2260全体を移動させる第1移動部2240;及び、前記第1移動部2240の移動変位を測定する第1位置測定部2220;を含む。
【0046】
図4図6は、図3と違い、電極組立体20の一面に1個の電極タブ21、絶縁フィルム41、電極リード31のみを示している。これは、一つの例示であり、他の電極を省略したものである。電極組立体20の一面に、正極及び負極に該当する2個以上の電極タブ、絶縁フィルム、電極リードが配置されてよく、一面及び他面にそれぞれ、1個以上の電極タブ、絶縁フィルム、電極リードが配置されてよい。いずれの場合も、それぞれの電極タブ、絶縁フィルム、電極リードが同時にシールされても、個別にシールされてよいことは自明であるが、好ましくは、一面にある電極タブ、絶縁フィルム、電極リードは同時にシールされることが好ましい。
【0047】
一般に、シールする前に、電極組立体に配置された電極タブ、絶縁フィルム、電極リードは、前記電極組立体に対する位置が固定されているので、複数の電極タブ、絶縁フィルム、電極リードのうち一つの位置のみを調整することによって、他の電極タブ、絶縁フィルム、電極リードもシーリングブロックへの相対的な位置が調整され得る。
【0048】
再び図4を参照すると、位置調節部2200の上面は、平面の形態であり、上面に、他の平面の第1固定部2260が配置される。第1固定部2260には、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を固定するための3個の側壁2262とクランプ2264があり、これらを用いて前記パウチ形電池ケース10を固定する。位置調節部2200及び第1固定部2260には、後でシーリングのためのシーリングブロック1100が加圧できるように、貫通口である加圧孔2268が設けられている。第1固定部2260に設けられている加圧孔2268は、固定されたサイズのホールであり、位置調節部2200に設けられた貫通口は、そのサイズが加圧孔2268よりも大きい。第1固定部2260の位置が動くことを反映して、加圧孔2268よりも大きい貫通口が必要である。
【0049】
図4には、電極リード31を固定するクランプ2264のみを示しているが、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10の上面を加圧する加圧部材(図示せず)が付加されてよい。前記加圧部材は、前記パウチ形電池50を固定する役割を担うことができさえすれば、その形態及び材質は限定されない。一例として、前記加圧部材は磁石からなっており、前記パウチ形電池50を第1固定部2260に固定することができる。
【0050】
前記第1固定部2260の全体は、前記第1移動部2240によってx軸及びy軸方向に移動する。前記第1移動部2240は、2個の移動調節ねじ2242,2244を含む。2個の移動調節ねじ2244,2242は、前記第1固定部2260をそれぞれx軸及びy軸方向に移動させることができる。2個の移動調節ねじ2242,2244は一つの実施例であり、これはステップモーターなどにも代替可能である。
【0051】
移動調節ねじ2242,2244自体は、固定軸(図示せず)によって位置調節部2200に固定され、第1固定部2260に設けられたねじ溝と結合し、ねじの回転によって第1固定部2260をx軸及びy軸方向に移動させることができる。本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置2000は、0.01μm単位で移動を調節することができる。
【0052】
前記第1移動部2240による移動変位を測定する第1位置測定部2220は、x軸の変位とy軸の変位を測定する2個のマイクロメーター2222,2224を含む。図4には、第1固定部2260から突出した2個の突出部2266(図4には1個にのみ図面番号を表示)と前記2個のマイクロメーター2222,2224の探針部2226(図4には1個にのみ図面番号を表示)が接し、これにより、前記第1移動部2240による第1固定部2260の移動変位を測定することができる。図4は、一つの例示としてマイクロメーターを示しているが、これは、他の精密なレーザー距離測定機などにも代替可能である。
【0053】
図4では、第1移動部2240、第1位置測定部2220がx軸及びy軸のみを移動し、それらによる変位を測定するとしているが、これを拡張して、z軸を移動し、それらによる変位を測定することも可能である。一般に、シーリングブロック1100の上部シーリングブロック1110と下部シーリングブロック1120が対称の形態である点から、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10をあらかじめそれらの中央に配置することで、z軸の移動と変位を測定する部分を省略することができる。
【0054】
図5は、本願発明の第2実施例に係るパウチ形電池シーリング装置3000の位置調節部3200を示す上面図である。
【0055】
図5を参照すると、第2実施例に係るパウチ形電池シーリング装置3000の位置調節部3200は、前記電極リード31の横隔壁3246及び縦隔壁3248の位置を決定する第2移動部3240;前記第2移動部3240の前記横隔壁3246及び縦隔壁3248に前記電極リード31を合わせ、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を固定できる第2固定部3260;及び、前記第2移動部3240による移動変位を測定する第2位置測定部3220;を含む。
【0056】
図5を参照すると、位置調節部3200の上面は、平面の形態である。第2固定部3260には、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を固定するための3個の側壁3262とクランプ3264があり、それらを用いて前記パウチ形電池ケース10を固定する。まず、第2移動部3240によって前記電極リード31の横隔壁3246及び縦隔壁3248の位置を決定し、そこに前記電極リード31を合わせ、これにより、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を前記第2固定部3260を用いて固定する。Cは、前記第2移動部3240によって移動する横隔壁3246及び縦隔壁3248の拡大図である。
【0057】
前記位置調節部3200には、後でシーリングのためのシーリングブロック1100が加圧できるように、貫通口である加圧孔3268が設けられている。前記位置調節部3200に設けられた加圧孔3268は、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10が移動するので、それに応じてその大きさを多少大きく設定する。
【0058】
図5には、電極リード31を固定するクランプ3264のみを示しているが、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10の上面を加圧する加圧部材(図示せず)が付加されてよい。前記加圧部材は、前記パウチ形電池50を固定する役割を担うことができさえすれば、その形態及び材質は限定されない。一例として、前記加圧部材は磁石からなっており、前記パウチ形電池50を位置調節部3200に固定することができる。
【0059】
前記第2移動部3240は、x軸及びy軸方向に移動する。前記第2移動部3240は、2個の移動調節ねじ3242,3244を含む。2個の移動調節ねじ3242,3244は、前記横隔壁3246及び前記縦隔壁3248をそれぞれy軸及びx軸方向に移動させることができる。2個の移動調節ねじ3242,3244は一つの実施例であり、これはステップモーターなどにも代替可能である。
【0060】
移動調節ねじ3242,3244自体は、固定軸(図示せず)によって位置調節部3200に固定され、前記横隔壁3246及び前記縦隔壁3248を含む第2移動部3240に設けられたねじ溝と結合し、ねじの回転によって前記横隔壁3246及び前記縦隔壁3248をy軸及びx軸方向に移動させることができる。本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置3000は、0.01μm単位で移動を調節することができる。
【0061】
前記第2移動部3240による移動変位を測定する第2位置測定部3220は、x軸の変位とy軸の変位を測定する2個のマイクロメーター3222,3224を含む。図5には、第2移動部3240から突出した2個の突出部3266(図5には1個にのみ図面番号を表示)と前記2個のマイクロメーター3222,3224の探針部3226(図5には1個にのみ図面番号を表示)が接し、これによって前記第2移動部3240による移動変位を測定することができる。図5は、一つの例示としてマイクロメーターを示しているが、これは他の精密なレーザー距離測定機などにも代替可能である。
【0062】
図5では、第2移動部3240、第2位置測定部3220がx軸及びy軸のみを移動し、それらによる変位を測定するとしているが、これを拡張して、z軸を移動し、それらによる変位を測定することも可能である。一般に、シーリングブロック1100の上部シーリングブロック1110と下部シーリングブロック1120が対称の形態である点から、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10をあらかじめそれらの中央に配置することで、z軸の移動と変位を測定する部分を省略することができる。
【0063】
図6は、本願発明の第3実施例に係るパウチ形電池シーリング装置4000の位置調節部4200を示す上面図である。
【0064】
図6を参照すると、第3実施例に係るパウチ形電池シーリング装置4000の位置調節部4200は、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10の横隔壁4246及び縦隔壁4248の位置を決定する第3移動部4240;前記第3移動部4240の前記横隔壁4246及び縦隔壁4248に、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を合わせ、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を固定できる第3固定部4260;及び、前記第3移動部4240による移動変位を測定する第3位置測定部4220を含む。
【0065】
図6を参照すると、位置調節部4200の上面は、平面の形態である。第3固定部4260には、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を固定するための1個の側壁4262とクランプ4264があり、それらを用いて前記パウチ形電池ケース10を固定する。まず、第3移動部4240によって前記電極リード31の横隔壁4246及び縦隔壁4248の位置を決定し、そこに前記電池ケース10を合わせ、後で、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を前記第3固定部4260を用いて固定する。
【0066】
前記位置調節部4200には、後でシーリングのためのシーリングブロック1100が加圧できるように、貫通口である加圧孔4268が設けられている。前記位置調節部4200に設けられた加圧孔4268は、前記電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10が移動するので、それに応じてその大きさを多少大きく設定する。
【0067】
図6には、電極リード31を固定するクランプ4264のみを示しているが、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10の上面を加圧する加圧部材(図示せず)が付加されてよい。前記加圧部材は、前記パウチ形電池50を固定する役割を担うことができさえすれば、その形態及び材質は限定されない。一例として、前記加圧部材は磁石からなっており、前記パウチ形電池50を位置調節部4200に固定することができる。
【0068】
前記第3移動部4240は、x軸及びy軸方向に移動する。前記第3移動部4240は、2個の移動調節ねじ4242,4244を含む。2個の移動調節ねじ4242,4244は、前記横隔壁4246及び前記縦隔壁4248をそれぞれy軸及びx軸方向に移動させることができる。2個の移動調節ねじ4242,4244は一つの実施例であり、これはステップモーターなどにも代替可能である。
【0069】
移動調節ねじ4242,4244自体は、固定軸(図示せず)によって位置調節部4200に固定され、前記横隔壁4246及び前記縦隔壁4248を含む第3移動部4240に設けられたねじ溝と結合し、ねじの回転によって前記横隔壁4246及び前記縦隔壁4248をy軸及びx軸方向に移動させることができる。本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置4000は、0.01μm単位で移動を調節することができる。
【0070】
前記第3移動部4240による移動変位を測定する第3位置測定部4220は、x軸の変位とy軸の変位を測定する2個のマイクロメーター4222,4224を含む。図6には、第3移動部4240から突出した2個の突出部4266(図6には1個にのみ図面番号を表示)と前記2個のマイクロメーター4222,4224の探針部4226(図6には1個にのみ図面番号を表示)が接し、これにより、前記第3移動部4240による移動変位を測定することができる。図6は一つの例示としてマイクロメーターを示しているが、これは他の精密なレーザー距離測定機などにも代替可能である。
【0071】
図6では、第3移動部4240、第3位置測定部4220がx軸及びy軸のみを移動し、それらによる変位を測定するとしているが、これを拡張して、z軸を移動し、それらによる変位を測定することも可能である。一般に、シーリングブロック1100の上部シーリングブロック1110と下部シーリングブロック1120が対称の形態である点から、電極リード31を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10をあらかじめそれらの中央に配置することで、z軸の移動と変位を測定する部分を省略することができる。
【0072】
本願発明に係る前記位置調節部2200,3200,4200が前記シーリングブロック1100の下に位置していてよいが、前記位置調節部2200,3200,4200を別の場所に置いた後、前記シーリングブロック1100に移動させる形態であってもよい。
【0073】
本願発明に係るパウチ形二次電池シーリング装置2000,3000,4000は、前記位置調節部2200,3200,4200を前記シーリングブロック1100の下に位置させるために、前記位置調節部2200,3200,4200全体を前記シーリングブロック1100に配置させる配送部1300が付加される。
【0074】
前記配送部1300は、前記位置調節部2200,3200,4200の両側面にレールを配置し、前記レールに前記位置調節部2200,3200,4200を移動させ得る車輪を置き、前記位置調節部2200,3200,4200を所望の方向に移動させることができる。
【0075】
図7は、本願発明の第1実施例に係るパウチ形電池シーリング装置の位置調節部2200がレールに沿って移動することを示す模式図である。左図a)と右図b)はそれぞれ、移動前と後を示す。
【0076】
図8は、本願発明に係るシーリングブロック1100の断面図であり、図9は、本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置によってシールされたパウチ形電池の上面図である。
【0077】
本願発明に係るシーリングブロック1100は、図8のように、上部シーリングブロック1110及び下部シーリングブロック1120を含み、前記上部シーリングブロック1110及び下部シーリングブロック1120の少なくとも一方にシーリング溝が設けられている。
【0078】
前記上部シーリングブロック1110と前記下部シーリングブロック1120は互いに対称の形態であってよい。前記シーリング溝は、前記上部シーリングブロック1110と下部シーリングブロック1120が互いに接する平面に設けられてよい。前記シーリング溝は、前記上部シーリングブロック1110と前記下部シーリングブロック1120に対称に設けられて一定の空間を形成する。前記シーリング溝は、図8のように、絶縁フィルム41/42の厚さに対応する第1溝1114,1124、及び前記絶縁フィルム41/42及び電極リード31/32の厚さに対応する第2溝1112,1122を含むことができる。このとき、前記第1溝1114,1124と前記平面との間及び第1溝1114,1124と前記第2溝1112,1122との間には、テーパリングされた傾斜面が付加されてよい。
【0079】
前記位置調節部2200,3200,4200は、前記シーリングブロック1100の第1溝の範囲A及び第2溝の範囲B内で前記電極リード31/32及び電熱フィルム41/42の位置を調節できる。
【0080】
他の実施例として、前記シーリングブロック1100が上部シーリングブロック又は下部シーリングブロックの一方にのみ溝が形成されたものであってもよい。
【0081】
図8及び図9に見られるように、シーリングブロック1100によってシールされるシーリング部Sが、前記パウチ形電池50の電池ケース10、すなわち、前記電池ケース10の密封部に位置するようにし、前記第1溝の範囲Aが前記絶縁フィルム41,42に位置するように配置し、前記第2溝の範囲Bが前記電極リード31,32上に位置するように配置できる。
場合によって、前記パウチ形電池50の密封力を確認するために、前記第1溝の範囲Aと第2溝の範囲Bを部分的に偏るように配置させることができる。このとき、前記パウチ形電池50の密封力は、前記第1溝1114,1124と第2溝1112,1122との間のテーパリングされた傾斜面に対応する範囲、すなわち、密封力確認部Gから確認できる。
【0082】
前記密封力は、前記密封力確認部Gに対応する電極リード31,32と絶縁フィルム41,42との間に充填された接着剤の充填長を測定して確認する。接着剤の充填長は、肉眼又はレーザーなどで確認することができる。
【0083】
図10は、本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置によってシールされたパウチ形電池の写真である。電極リード31を偏るように設定する場合に、接着剤の充填長が容易に確認できる。
【0084】
図11は、従来技術及び本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置によって移動したパウチ形電池の偏り誤差グラフであり、図12は、従来技術及び本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置によってシールされたパウチ形電池のPP充填長誤差グラフである。本願発明に係るパウチ形電池シーリング装置を使用する場合に、位置を正確に設定でき、それによって充填長の偏りが減ったことが確認できる。
【0085】
本願発明は、パウチ形電池シーリング方法であって、(S1)電極リード31,32を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を前記パウチ形電池シーリング装置2000,3000,4000に配置する段階;(S2)前記位置調節部2200,3200,4200を用いて前記シーリング溝に対する前記電極組立体20の電極リード31,32及び絶縁フィルム41,42の位置を調整する段階;及び、(S3)前記パウチ形電池ケース10をシールする段階を含む。
【0086】
前記(S1)段階は、前記位置調節部2200,3200,4200に、前記電極リード31,32を含む電極組立体20を収納したパウチ形電池ケース10を固定することを含む。前記パウチ形電池50は、前記パウチ形電池ケース10内に前記電極組立体20を収納及び固定した後のものであってよい。
【0087】
前記(S2)段階は、前記位置調節部2200,3200,4200内で前記シーリング溝に対する前記電極リード31,32の位置を調節することができる。前記電極リード31,32を第1溝1114,1124及び第2溝1112,1122の真中に合わせておいた値を初期値0に設定した後、前記初期値に合わせて前記パウチ形電池50を移動させることもでき、実験のために前記初期値から一定程度外れるように設定することもできる。すなわち、前記(S2)段階で、前記シーリング溝に対する前記電極リード31,32の位置を中心から偏るように調節して配置し、それによる密封力を確認することができる。
【0088】
前記(S3)段階は、前記位置調節部2200,3200,4200に固定された前記電極リード31,32を含む電極組立体20を、前記シーリングブロック1100に移動させた後に行われてよい。
【0089】
前記シーリングブロック1100の内部に前記パウチ形電池50を移動させた後、それを密封することができる。この時、前記シーリングブロック1100は、上部シーリングブロック1110と下部シーリングブロック1120とからなっており、位置調節部2200,3200,4200に前記シーリングブロック1110,1120がシールするための空間である加圧孔2268,3268.4268が設けられた形態であってよい。
【0090】
そのために、前記位置調節部2200,3200,4200は、前記パウチ形電池ケースの本体を固定するための部分と前記電極リードを固定するための部分が別個に備えられてよい。
【0091】
前記(S3)段階後に、(S4)シールされた前記パウチ形電池ケースの密封力を確認する段階をさらに含むことができる。これにより、パウチ形電池の素材や形態、接着剤の素材、及びシーリングブロックの素材や形態などによる加圧誤差範囲を確認することができる。
【0092】
前記(S4)段階は、前記電極リードと絶縁フィルムとが接着する時に空いた空間に接着剤が充填された長さを確認し、密封力を確認することができる。
【0093】
この時、密封力は、肉眼、又はレーザーのような透過光線によって確認されてよい。
【0094】
本願発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、上記の内容に基づいて本願発明の範疇内で様々な応用及び変形を行うことが可能であろう。
【0095】
(符号の説明)
10:電池ケース
11:下部
12:上部
13:収納部
20:電極組立体
21,22:電極タブ
31,32:電極リード
41,42:絶縁フィルム
50:パウチ形電池
1000,2000,3000,4000:パウチ形電池シーリング装置
1100:シーリングブロック
1110:上部シーリングブロック
1112,1122:第2溝
1114,1124:第1溝
1120:下部シーリングブロック
1200,2200,3200,4200:位置調節部
1220,2220,3220,4220:位置測定部
2222,2224,3222,3224,4222,4224:マイクロメーター
2226,3226,4226:探針部
1222,1224:定規
2240,3240,4240:移動部
2242,2244,3242,3244,4242,4244:移動調節ねじ
3246,4246:横隔壁
3248,4248:縦隔壁
1260,2260,3260,4260:固定部
1262,1264,2262,3262,4262:側壁
1266:加圧部材
2264,3264.4264:クランプ
2266,3266,4266:突出部
2268,3268.4268:加圧孔
1300:配送部
1400:ベース
A:第1溝の範囲
B:第2溝の範囲
C:拡大部
G:密封力確認部
S:シーリング部
【産業上の利用可能性】
【0096】
本願発明は、パウチ形電池を製造する時に、ラミネートシートからなる電池ケースの外周辺を熱と圧力を加えてシールする過程において前記シーリング前に電極リード及び絶縁フィルムの相対的位置を調節できる位置調節部を含むパウチ形電池シーリング装置及びこれを用いたパウチ形電池のシーリング方法に関し、産業上に利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12