(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】パウチ型電池製造装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/105 20210101AFI20240709BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20240709BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240709BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/184 C
H01M50/178
H01M50/533
(21)【出願番号】P 2022531081
(86)(22)【出願日】2021-09-03
(86)【国際出願番号】 KR2021011912
(87)【国際公開番号】W WO2022092541
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0141978
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミナ
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0114410(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0096417(KR,A)
【文献】実公平07-039604(JP,Y2)
【文献】特開2004-111303(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188774(WO,A1)
【文献】特開2005-353503(JP,A)
【文献】特開2007-242548(JP,A)
【文献】特開2001-297738(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108140759(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-50/198
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチ型電池のケースをシーリングする二次電池製造装置において、
上部シーリングツールおよび下部シーリングツールを含み、
前記上部シーリングツールおよび前記下部シーリングツールのそれぞれは、複数のシーリングパーツが組立てられて形成され、
前記複数のシーリングパーツは、中央シーリングパーツと、前記中央シーリングパーツの左右にそれぞれ位置する第1シーリングパーツと、前記第1シーリングパーツの外側に位置する第2シーリングパーツとを含み、
前記中央シーリングパーツは、リードフィルムによって覆われている電極リードに
対向し、前記中央シーリングパーツの上部面と下部面とは互いに平行であるパウチ型電池製造装置。
【請求項2】
前記第1シーリングパーツの上部面と下部面のうちの1つは、2つの傾斜面と、前記2つの傾斜面を連結する水平面とを有する、請求項1に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項3】
前記第1シーリングパーツは、前記中央シーリングパーツに連結される第1-1シーリングパーツと、前記第1-1シーリングパーツの外側に位置し前記第1-1シーリングパーツと組立てられる第1-2シーリングパーツとを含み、
前記第1-1シーリングパーツの上部面と下部面のうちの1つは、1つの傾斜面を有し、前記第1-2シーリングパーツの上部面と下部面のうちの1つは、前記第1-1シーリングパーツの傾斜面と連結される水平面と、前記第1-2シーリングパーツの水平面と連結される傾斜面とを有する、請求項2に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項4】
前記第1-2シーリングパーツは、2つのシーリングパーツが組立てられた形態である、請求項3に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項5】
前記第1-1シーリングパーツの傾斜面は、前記リードフィルムの傾斜部に
対向する、請求項3に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項6】
前記リードフィルムの傾斜部は、前記電極リードの幅方向の角に
対向し、
前記電極リードの幅方向の角は、テーパ形状を有する、請求項5に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項7】
前記リードフィルムは、上部リードフィルムと下部リードフィルムとを含み、
前記第1-2シーリングパーツは、前記上部リードフィルムと前記下部リードフィルムとが水平方向にシーリングされる部分に
対向する、請求項3または4に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項8】
前記パウチ型電池のケースは、上部ケースと下部ケースとを含み、
前記第2シーリングパーツは、前記上部ケースと前記下部ケースとが水平方向にシーリングされる部分に
対向する、請求項3に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項9】
前記複数のシーリングパーツは、水平方向に沿って配置され、
前記複数のシーリングパーツのそれぞれには、水平方向に沿って形成された孔部が形成されており、
前記複数のシーリングパーツは、前記孔部を貫通する固定部材によって結合される、請求項1から8のいずれか一項に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項10】
前記複数のシーリングパーツのそれぞれには、突出部と溝部のうちの少なくとも1つが形成されており、
前記シーリングパーツの突出部は、隣り合うシーリングパーツの溝部に結合して前記シーリングパーツが互いに結合される、請求項1から8のいずれか一項に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項11】
前記突出部と前記溝部が形成される方向は、前記シーリングパーツが組立てられる方向と同一である、請求項10に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項12】
前記複数のシーリングパーツは、前記上部シーリングツールおよび前記下部シーリングツールの中間部分へいくほど厚さが減少し、
前記複数のシーリングパーツのうちの少なくとも2つは、前記上部シーリングツールおよび前記下部シーリングツールの中間部分に向かったグルーブが形成された、請求項1から8のいずれか一項に記載のパウチ型電池製造装置。
【請求項13】
前記複数のシーリングパーツは、前記上部シーリングツールおよび前記下部シーリングツールの中間を中心に対称の形状に形成された、請求項1から8のいずれか一項に記載のパウチ型電池製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2020年10月29日付の韓国特許出願第10-2020-0141978号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、パウチ型電池製造装置に関し、より具体的には、モジュール化されたシーリングツールを有するパウチ型電池製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯用電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に増大し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するに伴い、その駆動電源として用いられる二次電池について多くの研究が行われている。
【0004】
電池ケースに内蔵される前記電極組立体は、正極、分離膜、負極の積層構造からなる充放電可能な発電素子であって、ゼリーロール型、スタック型およびスタック/フォールディング型に分類される。ゼリーロール型は、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介在して巻取った形態であり、スタック型は、所定の大きさの多数の正極と負極とを分離膜が介在した状態で順次に積層した形態であり、スタック/フォールディング型は、ゼリーロール型とスタック型との複合構造である。そのうち、ゼリーロール型電極組立体は、製造が容易であり、重量あたりのエネルギー密度が高いというメリットを有している。
【0005】
一方、二次電池は、電池ケースの形状により、電極組立体が円筒形金属缶に内蔵されている円筒形電池、電極組立体が角形の金属缶に内蔵されている角型電池、および電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池に分類される。
【0006】
パウチ型電池の場合、電極と分離膜とが交互に積層された電極組立体と、前記電極組立体を収容するパウチケースとを含む。前記二次電池の製造方法は、電極を製造する電極製造工程、電極と分離膜とを交互に積層して電極組立体を製造する電極組立体製造工程、前記電極組立体に電極リードを結合する電極リード結合工程、および前記電極リードの先端が外部に引出された状態で前記電極組立体をパウチケースに収容し、前記パウチケースの縁面をシーリングするパウチシーリング工程を含む。
【0007】
ここで、前記パウチシーリング工程は、前記パウチケースの縁面を、上部ツールと下部ツールとを含むシーリング装置を用いてシーリングすることができる。
【0008】
しかし、前記シーリング装置は、電極リードがないパウチケースの縁面を安定的にシーリングできるが、電極リードがあるパウチケースの縁面は、前記電極リードの引出によってシーリング不良が発生する問題点がある。
【0009】
特に、二次電池の容量、二次電池のデザイン、電極リードの材質、および販売会社により電極リードの幅、厚さおよび位置が異なり、これによって、電極リードの幅、厚さ、および位置が変更されるたびに新たなシーリング装置を製作しなければならない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、モジュール化されたシーリングツールを有するパウチ型電池製造装置を提供することである。
【0011】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例によるパウチ型電池製造装置は、パウチ型電池のケースをシーリングする二次電池製造装置において、上部シーリングツールおよび下部シーリングツールを含み、前記上部シーリングツールおよび前記下部シーリングツールのそれぞれは、複数のシーリングパーツが組立てられて形成され、前記複数のシーリングパーツは、中央シーリングパーツと、前記中央シーリングパーツの左右にそれぞれ位置する第1シーリングパーツと、前記第1シーリングパーツの外側に位置する第2シーリングパーツとを含み、前記中央シーリングパーツは、リードフィルムによって覆われている電極リードに対応し、前記中央シーリングパーツの上部面と下部面とは互いに平行である。
【0013】
前記第1シーリングパーツの上部面と下部面のうちの1つは、2つの傾斜面と、前記2つの傾斜面を連結する水平面とを有することができる。
【0014】
前記第1シーリングパーツは、前記中央シーリングパーツに連結される第1-1シーリングパーツと、前記第1-1シーリングパーツの外側に位置し前記第1-1シーリングパーツと組立てられる第1-2シーリングパーツとを含み、前記第1-1シーリングパーツの上部面と下部面のうちの1つは、1つの傾斜面を有し、前記第1-2シーリングパーツの上部面と下部面のうちの1つは、前記第1-1シーリングパーツの傾斜面と連結される水平面と、前記第1-2シーリングパーツの水平面と連結される傾斜面とを有することができる。
【0015】
前記第1-2シーリングパーツは、2つのシーリングパーツが組立てられた形態であってもよい。
【0016】
前記第1-1シーリングパーツの傾斜面は、前記リードフィルムの傾斜部に対応することができる。
【0017】
前記リードフィルムの傾斜部は、前記電極リードの幅方向の角に対応し、前記電極リードの幅方向の角は、テーパ形状を有することができる。
【0018】
前記リードフィルムは、上部リードフィルムと下部リードフィルムとを含み、前記第1-2シーリングパーツは、前記上部リードフィルムと前記下部リードフィルムとが水平方向にシーリングされる部分に対応することができる。
【0019】
前記パウチ型電池ケースは、上部ケースと下部ケースとを含み、前記第2シーリングパーツは、前記上部ケースと前記下部ケースとが水平方向にシーリングされる部分に対応することができる。
【0020】
前記複数のシーリングパーツは、水平方向に沿って配置され、前記複数のシーリングパーツのそれぞれには、水平方向に沿って形成された孔部が形成されており、前記複数のシーリングパーツは、前記孔部を貫通する固定部材によって結合される。
【0021】
前記複数のシーリングパーツのそれぞれには、突出部と溝部のうちの少なくとも1つが形成されており、前記シーリングパーツの突出部は、隣り合うシーリングパーツの溝部に結合して前記シーリングパーツが互いに結合される。
【0022】
前記突出部と前記溝部が形成される方向は、前記シーリングパーツが組立てられる方向と同一であってもよい。
【0023】
前記複数のシーリングパーツは、前記上部シーリングツールおよび前記下部シーリングツールの中間部分へいくほど厚さが減少し、前記複数のシーリングパーツのうちの少なくとも2つは、前記上部シーリングツールおよび前記下部シーリングツールの中間部分に向かったグルーブが形成される。
【0024】
前記複数のシーリングパーツは、前記上部シーリングツールおよび前記下部シーリングツールの中間を中心に対称の形状に形成される。
【発明の効果】
【0025】
実施例によれば、シーリングツールを構成するそれぞれのモジュールの厚さ、幅および角度などを多様に製造することにより、製造されたモジュールを所望の通りに組立ててシーリングツールを形成することができる。このように、複数のセクションに分割されたモジュール形式のシーリングツールを実現することによって、不必要な金型の製作を防止し、設計の多角化に迅速に対応することができる。
【0026】
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施例によるパウチ型電池セルを示す分解斜視図である。
【
図2】
図1のパウチ型電池セルが組立てられた様子を示す斜視図である。
【
図3】
図2の切断線A-A'に沿った断面図である。
【
図5】本発明の一実施例によるパウチ型電池製造装置を示す図である。
【
図6】本発明の比較例によるパウチ型電池製造装置を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施例によるパウチ型電池製造装置を示す図である。
【
図8】本発明のさらに他の実施例によるパウチ型電池製造装置を示す図である。
【
図9】本発明の一実施例によるパウチ型電池製造装置を構成する複数のシーリングパーツを結合する方式を示す図である。
【
図10】本発明の他の実施例によるパウチ型電池製造装置を構成する複数のシーリングパーツを結合する方式を示す図である。
【
図11】本発明の一実施例によるパウチ型電池製造装置を用いてシーリングする前のパウチ型電池を示す図である。
【
図12】
図11のパウチ型電池製造装置を用いてシーリングした後のパウチ型電池を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0029】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0030】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のところに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0031】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。さらに、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって「上に」位置することを意味するわけではない。
【0032】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0033】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0034】
図1は、本発明の一実施例によるパウチ型電池セルを示す分解斜視図である。
図2は、
図1のパウチ型電池セルが組立てられた様子を示す斜視図である。
図3は、
図2の切断線A-A'に沿った断面図である。
図4は、
図3のP領域を拡大して示す断面図である。
【0035】
図1~
図3を参照すれば、本実施例によるパウチ型電池セル100は、パウチケース300の内部に電極組立体200を収納した後、密封して製造される。電極組立体200は、正極と、負極と、正極と負極との間に配置される分離膜とを含むことができる。電極組立体200は、スタック型電極組立体、ゼリーロール型電極組立体またはスタック/フォールディング型電極組立体であってもよい。
【0036】
正極および負極のそれぞれは、電極タブ210tを含み、電極タブ210tとそれぞれ連結される電極リード210、220がパウチケース300の外部に露出できる。また、密封性と絶縁性のために、電極リード210、220は、それぞれリードフィルム600で覆われた状態でシーリング部300Sに位置することができる。
【0037】
パウチケース300は、ラミネートシートからなり、熱融着のための樹脂層と、物質浸透防止のための金属層とを含むことができる。パウチケース300は、上部ケース310と下部ケース320とを含むことができる。
【0038】
具体的には、
図4を参照すれば、上部ケース310は、密封のための内側樹脂層310aと、物質の貫通を防止する金属層310bと、外側樹脂層310cとを含むことができる。
【0039】
以上に説明した上部ケース310に関する層構造は、下部ケース320にも同様に適用可能である。言い換えれば、電極組立体200から遠くなる方向に沿って、下部ケース320は、内側樹脂層と、金属層と、外側樹脂層とを含むことができる。
【0040】
外側樹脂層310cおよび前記包装シート層は、外部からパウチ型二次電池を保護するために、厚さ対比の優れた引張強度と耐候性を有して電気的絶縁性を呈することができる。このような外側樹脂層310cは、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthylene Terephthalate、PET)樹脂またはナイロン(nylon)樹脂を含むことができる。金属層310bは、空気、湿気などがパウチ型電池セル100の内部に流入するのを防止することができる。このような金属層310bは、アルミニウム(Al)を含むことができる。内側樹脂層310aは、電極組立体200を内蔵した状態で印加された熱と圧力によって互いに熱融着できる。このような内側樹脂層310aは、無延伸ポリプロピレン(Casted PolyPropylene、CPP)またはポリプロピレン(PolyPropylene、PP)を含むことができる。
【0041】
図1~
図3を再び参照すれば、上部ケース310と下部ケース320それぞれに電極組立体200が載置できる凹形状の収納部300STが形成される。上部ケース310と下部ケース320それぞれに対して収納部300STの外周に沿ってシーリング部300S1、300S2が設けられる。上部ケース310のシーリング部300S1と下部ケース320のシーリング部300S2とが互いに熱融着してシーリング部300Sを形成し、パウチケース300が密封できる。
【0042】
本発明の他の実施例として、上部ケースの一辺と下部ケースの一辺とが互いに一体として連結され、残りの三辺が熱融着する形態であってもよい。
【0043】
一方、電極組立体200に含まれている多数の正極および多数の負極のそれぞれは、正極タブおよび負極タブを含むことができ、電極リード210、220が連結される。具体的には、電極リード210、220のうちの1つは、正極リードであり、他の1つは、負極リードであってもよい。上記のように、電極組立体200と連結された電極リード210、220のうちの1つは、パウチケース300の一端部から突出し、パウチケース300の外部に露出し、電極リード210、220のうちの他の1つは、パウチケース300の他の一端部から突出し、パウチケース300の外部に露出できる。本実施例では、両方向の電極リード210、220の構造として説明したが、電極リード210、220が一方向に突出してもよい。
【0044】
図5は、本発明の一実施例によるパウチ型電池製造装置を示す図である。
【0045】
図5を参照すれば、本実施例によるパウチ型電池製造装置1000は、複数のシーリングパーツが組立てられて形成されたシーリングツール500を含む。シーリングツール500は、上部シーリングツールおよび下部シーリングツールを含むことができるが、ここでは、上部シーリングツールを基準として説明する。前記下部シーリングツールは、上部シーリングツールとその構成が同一であり、パウチ型電池ケースをシーリングするために、前記上部シーリングツールと前記下部シーリングツールがそれぞれパウチ型電池を臨むように配置される。
【0046】
本実施例による複数のシーリングパーツは、中央シーリングパーツ510と、中央シーリングパーツ510の左右にそれぞれ位置する第1シーリングパーツ520と、第1シーリングパーツ520の外側に位置する第2シーリングパーツ530とを含む。中央シーリングパーツ510、第1シーリングパーツ520、および第2シーリングパーツ530は、互いに隣り合って組立結合されたり分離される。
【0047】
図5に示したパウチ型電池製造装置は、
図2のy軸方向に沿って示されるシーリング部300Sを形成することができる。言い換えれば、
図5のパウチ型電池製造装置は、
図3のx方向に眺めた図である。中央シーリングパーツ510は、リードフィルム600によって覆われている電極リード210に対応し、中央シーリングパーツ510の上部面と下部面とは互いに平行である。第1シーリングパーツ520の上部面は、中央シーリングパーツ510の上部面と並ぶように水平面を有し、第1シーリングパーツ520の下部面は、2つの傾斜面520s1、520s2と、2つの傾斜面520s1、520s2を連結する水平面520hとを有することができる。
【0048】
図3および
図5を参照すれば、第1シーリングパーツ520の第1傾斜面520s1は、リードフィルム600の傾斜部600sに対応することができる。リードフィルム600の傾斜部600sは、電極リード210の幅方向の角に対応することができる。ここで、電極リード210の幅方向は、電極リード210が電極組立体200から突出する方向と垂直であり、シーリング部300Sが形成される面と平行な方向を指すことができる。電極リード210の幅方向の角は、テーパ形状を有することができる。電極リード210の左右側エッジ部分にテーパ形状を有するように設計することによって、電極リード210の角部の接着性が向上できる。
【0049】
本実施例によるリードフィルム600は、上部リードフィルム600aと下部リードフィルム600bとを含み、第1シーリングパーツ520の水平面520hは、上部リードフィルム600aと下部リードフィルム600bとが水平方向にシーリングされる部分に対応することができる。
【0050】
本実施例による第2シーリングパーツ530は、最外側部分に配置され、第1シーリングパーツ520と組立結合される。
【0051】
図6は、本発明の比較例によるパウチ型電池製造装置を示す図である。
【0052】
図6を参照すれば、比較例によるパウチ型電池製造装置は、金型加工により第1グルーブGV1と第2グルーブGV2などを有する形態のシーリングツール10を有することができる。つまり、比較例によるシーリングツール10は、ターゲットとするシーリング厚さおよび電極リードおよびリードフィルムのサイズに応じてグルーブの幅と深さを設計して一体に形成される。これによれば、厚さと幅が当初設計された単一規格のシーリングにのみ適用可能であり、設計規格が変更されると、それに合わせて新たなシーリングツールを製造しなければならない。これに対し、本実施例によるシーリングツールは、複数のシーリングパーツが組立てられて形成されたシーリングツール500であるので、シーリングツールを構成するそれぞれのシーリングパーツの厚さ、幅および角度などを多様に製造することにより、製造されたシーリングパーツを所望の通りに組立ててシーリングツールを形成することができる。
【0053】
図7は、本発明の他の実施例によるパウチ型電池製造装置を示す図である。
【0054】
図7を参照すれば、本実施例によるパウチ型電池製造装置1100において、
図5の第1シーリングパーツ520は、中央シーリングパーツ510に連結される第1-1シーリングパーツ520aと、第1-1シーリングパーツ520aの外側に位置し第1-1シーリングパーツ520aと組立てられる第1-2シーリングパーツ520bとを含む。この時、第1-1シーリングパーツ520aの下部面は、1つの傾斜面520s1を有し、第1-2シーリングパーツ520bの下部面は、第1-1シーリングパーツ520aの傾斜面520s1と連結される水平面520hと、第1-2シーリングパーツ520bの水平面520hと連結される傾斜面520s2とを有することができる。本実施例による第1-2シーリングパーツ520bの水平面520hは、上部リードフィルム600aと下部リードフィルム600bとが水平方向にシーリングされる部分に対応することができる。
【0055】
以上に説明した差異点のほか、
図5の実施例で説明した内容はすべて本実施例に適用可能である。
【0056】
図8は、本発明のさらに他の実施例によるパウチ型電池製造装置を示す図である。
【0057】
図8を参照すれば、本実施例によるパウチ型電池製造装置1200において、
図7の第1-2シーリングパーツ520bは、2つのシーリングパーツ520b1、520b2が組立てられた形態であってもよい。具体的には、
図7の第1-2シーリングパーツ520bは、第1-1シーリングパーツ520aに連結される第1-2-1シーリングパーツ520b1と、第1-2-1シーリングパーツ520b1の外側に位置し第1-2-1シーリングパーツ520b1と組立てられる第1-2-2シーリングパーツ520b2とを含む。この時、第1-2-1シーリングパーツ520b1の下部面は、第1-1シーリングパーツ520aの傾斜面520s1と連結される水平面520hを有し、第1-2-2シーリングパーツ520b2の下部面は、第1-2-1シーリングパーツ520b1の水平面520hと連結される傾斜面520s2を有することができる。本実施例による第1-2-1シーリングパーツ520b1の水平面520hは、上部リードフィルム600aと下部リードフィルム600bとが水平方向にシーリングされる部分に対応することができる。
【0058】
以上に説明した差異点のほか、
図7の実施例で説明した内容はすべて本実施例に適用可能である。
【0059】
図9は、本発明の一実施例によるパウチ型電池製造装置を構成する複数のシーリングパーツを結合する方式を示す図である。
【0060】
図9を参照すれば、本実施例によるシーリングツール500を構成する複数のシーリングパーツ510、520a、520b1、520b2、530は、水平方向に沿って配置され、複数のシーリングパーツ510、520a、520b1、520b2、530のそれぞれには、水平方向に沿って形成された孔部HPが形成されている。複数のシーリングパーツ510、520a、520b1、520b2、530は、孔部HPを貫通する固定部材700によって結合される。固定部材700は、ボルト/ナット方式でシーリングツール500の両側部で固定される。
【0061】
図10は、本発明の他の実施例によるパウチ型電池製造装置を構成する複数のシーリングパーツを結合する方式を示す図である。
【0062】
図10を参照すれば、複数のシーリングパーツ510、520a、520b1、520b2、530のそれぞれには、突出部500Pと溝部500Dのうちの少なくとも1つが形成されている。
図10に示すように、中央シーリングパーツ510の突出部500P1は、第1-1シーリングパーツ520aの陥没部500D1に挿入されて固定される。同様に、第1-1シーリングパーツ520aの突出部500P2が第1-2-1シーリングパーツ520b1の陥没部500D2に挿入されて固定される。このように、シーリングパーツの突出部が、隣り合うシーリングパーツの溝部に結合して複数のシーリングパーツ510、520a、520b1、520b2、530は互いに結合される。突出部500Pと溝部500Dの最外角の形状は、球形、角形、円筒形など局部的に小さい曲率半径および/または角を含むように多様に適用可能である。
【0063】
本実施例によれば、突出部500Pと溝部500Dが形成される方向は、シーリングパーツ510、520a、520b1、520b2、530が組立てられる方向と同一であってもよい。
【0064】
図11は、本発明の一実施例によるパウチ型電池製造装置を用いてシーリングする前のパウチ型電池を示す図である。
図12は、
図11のパウチ型電池製造装置を用いてシーリングした後のパウチ型電池を示す図である。
【0065】
図11を参照すれば、リードフィルム600で囲まれた電極リード210の上下部にそれぞれ上部ケース310と下部ケース320とを配置することができる。以後、上部ケース310上に上部シーリングツール500a、下部ケース320の下に下部シーリングツール500bを配置した後、上部シーリングツール500aと下部シーリングツール500bを加圧して、
図12に示すように、パウチケース300、リードフィルム600などをシーリングしてパウチ型二次電池のパッケージングを実現することができる。本実施例において、複数のシーリングパーツは、上部シーリングツール500aおよび下部シーリングツール500bの中間部分へいくほど厚さが減少し、複数のシーリングパーツのうちの少なくとも2つは、上部シーリングツール500aおよび下部シーリングツール500bの中間部分に向かったグルーブが形成される。また、複数のシーリングパーツは、上部シーリングツール500aおよび下部シーリングツール500bの中間を中心に対称の形状に形成される。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0067】
500:シーリングツール
500P:突出部
500D:陥没部
510:中央シーリングパーツ
520:第1シーリングパーツ
530:第2シーリングパーツ
600:リードフィルム
700:固定部材