IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イマオコーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】固定具
(51)【国際特許分類】
   F16B 21/04 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
F16B21/04 B
F16B21/04 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022054096
(22)【出願日】2022-03-29
(65)【公開番号】P2023146740
(43)【公開日】2023-10-12
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】591133446
【氏名又は名称】株式会社イマオコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 仁
(72)【発明者】
【氏名】加来 友佑
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-218814(JP,A)
【文献】特開2021-196022(JP,A)
【文献】特開平09-310705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付孔を有する第1固定材と、貫通孔を有する第2固定材とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材側に配される固定具であって、
先端側が前記貫通孔を貫通して前記取付孔に挿入される本体と、シャフトと、球状の押圧部材と、操作体と、ピンと、補助部材と、弾性部材とを備え、
前記本体は、その先端側まで延びる収容孔と、その収容孔を形成する周壁に沿って延びて前記ピンを案内するカム溝とを備え、
前記シャフトは、前記収容孔内にあって、そのシャフトの軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、前記収容孔の軸心方向に移動可能であり、また、
前記シャフトは、先端側に、作用面を有し、
前記本体の先端側には、前記取付孔の内周面と前記シャフトの先端側との間で、前記押圧部材を、前記取付孔の内周面における被押圧面と対向する位置に保持し得るように、その押圧部材が通される保持孔が設けられ、
前記操作体は、前記収容孔の軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動し、
前記ピンは、前記カム溝に係合するように設けられ、また、
前記ピンは、前記操作体と一緒に前記収容孔の軸心回りに回動し、かつ、前記カム溝に案内されて前記収容孔の軸心方向に移動し、
前記補助部材は、前記ピンと一緒に、前記収容孔の軸心方向に移動し、
前記弾性部材は、前記補助部材に対し前記シャフトをその先端側である前記本体の先端側に弾性付勢し、
前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記カム溝に案内される前記ピンは、前記補助部材とともに、前記本体の先端から遠い側に位置し、前記シャフトに設けられた掛け部が、前記補助部材に設けられた被掛け部または前記ピンに掛けられて、前記シャフトは、前記本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にあり、前記作用面と前記被押圧面との間で、前記押圧部材が前記被押圧面から離れる側に移動可能となって、前記本体の先端側を、前記取付孔に対し抜き挿し可能であり、
前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記カム溝に案内される前記ピンは、前記補助部材とともに、前記本体の先端に近い側に位置し、前記シャフトの前記掛け部が、前記補助部材の前記被掛け部または前記ピンから離れ、前記弾性部材の弾性による付勢力が、前記シャフトの前記作用面を介して前記押圧部材に作用し、その押圧部材が、前記被押圧面を押圧し、
前記固定具は、前記第2固定材側に配される第2の本体を備え、
前記第2の本体は、前記本体が通される通し孔を備え、
前記通し孔は、その通し孔の軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、
前記本体は、前記第2の本体に対し、前記通し孔の軸心回りに回動不能で、かつ、前記通し孔の軸心方向に移動可能であって、その移動により、先端側が前記通し孔から突出して前記取付孔に挿入される突出位置と、先端側が前記通し孔内に隠れる隠れ位置とに移動し、
前記本体は、その本体の先端側を向く第1被規制面を備え、前記第2の本体は、前記第1被規制面と対向する第1規制面を備えて、前記本体が突出位置にあるとき、前記第1被規制面が前記第1規制面に当接して、前記本体のそれ以上の突出が規制され、また、
前記本体は、その本体の先端側とは反対側を向く第2被規制面を備え、前記第2の本体は、前記第2被規制面と対向する第2規制面を備えて、前記本体が隠れ位置にあるとき、前記第2被規制面が前記第2規制面に当接して、前記本体のそれ以上の引き込みが規制される、固定具。
【請求項2】
取付孔を有する第1固定材と、貫通孔を有する第2固定材とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材側に配される固定具であって、
先端側が前記貫通孔を貫通して前記取付孔に挿入される本体と、シャフトと、球状の押圧部材と、操作体と、ピンと、補助部材と、弾性部材とを備え、
前記本体は、その先端側まで延びる収容孔と、その収容孔を形成する周壁にその収容孔の軸心回りに回る横方向に延びて前記ピンをその横方向に案内する案内溝とを備え、
前記シャフトは、前記収容孔内にあって、そのシャフトの軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、前記収容孔の軸心方向に移動可能であり、また、
前記シャフトは、先端側に、作用面を有し、
前記本体の先端側には、前記取付孔の内周面と前記シャフトの先端側との間で、前記押圧部材を、前記取付孔の内周面における被押圧面と対向する位置に保持し得るように、その押圧部材が通される保持孔が設けられ、
前記操作体は、前記収容孔の軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動し、
前記ピンは、前記補助部材に形成されたカム溝に係合するように設けられ、また、
前記ピンは、前記案内溝に案内されつつ前記操作体と一緒に、前記収容孔の軸心回りに回動し、
前記補助部材は、前記収容孔の軸心回りに回動不能で、かつ、前記収容孔の軸心方向に移動可能であって、
前記弾性部材は、前記補助部材に対し前記シャフトをその先端側である前記本体の先端側に弾性付勢し、
前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記ピンに案内される前記カム溝を備えた前記補助部材は、前記本体の先端から遠い側に位置し、前記シャフトに設けられた掛け部が、前記補助部材に設けられた被掛け部に掛けられて、前記シャフトは、前記本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にあり、前記作用面と前記被押圧面との間で、前記押圧部材が前記被押圧面から離れる側に移動可能となって、前記本体の先端側を、前記取付孔に対し抜き挿し可能であり、
前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記ピンに案内される前記カム溝を備えた前記補助部材は、前記本体の先端に近い側に位置し、前記シャフトの前記掛け部が、前記補助部材の前記被掛け部から離れ、前記弾性部材の弾性による付勢力が、前記シャフトの前記作用面を介して前記押圧部材に作用し、その押圧部材が、前記被押圧面を押圧する、固定具。
【請求項3】
取付孔を有する第1固定材と、貫通孔を有する第2固定材とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材側に配される固定具であって、
先端側が前記貫通孔を貫通して前記取付孔に挿入される本体と、シャフトと、球状の押圧部材と、操作体と、ピンと、補助部材と、弾性部材とを備え、
前記本体は、その先端側まで延びる収容孔を備え、
前記シャフトは、前記収容孔内にあって、そのシャフトの軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、前記収容孔の軸心方向に移動可能であり、また、
前記シャフトは、先端側に、作用面を有し、
前記本体の先端側には、前記取付孔の内周面と前記シャフトの先端側との間で、前記押圧部材を、前記取付孔の内周面における被押圧面と対向する位置に保持し得るように、その押圧部材が通される保持孔が設けられ、
前記操作体は、前記収容孔の軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動し、
前記ピンは、前記収容孔の軸心回りに回動不能で、かつ、前記収容孔の軸心方向に移動不能であって、前記補助部材に形成されたカム溝に係合するように設けられ、
前記補助部材は、前記収容孔の軸心回りに回動可能で、かつ、前記収容孔の軸心方向に移動可能であって、前記操作体と一緒に、前記収容孔の軸心回りに回動し、
前記弾性部材は、前記補助部材に対し前記シャフトをその先端側である前記本体の先端側に弾性付勢し、
前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記ピンに案内される前記カム溝を備えた前記補助部材は、前記本体の先端から遠い側に位置し、前記シャフトに設けられた掛け部が、前記補助部材に設けられた被掛け部に掛けられて、前記シャフトは、前記本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にあり、前記作用面と前記被押圧面との間で、前記押圧部材が前記被押圧面から離れる側に移動可能となって、前記本体の先端側を、前記取付孔に対し抜き挿し可能であり、
前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記ピンに案内される前記カム溝を備えた前記補助部材は、前記本体の先端に近い側に位置し、前記シャフトの前記掛け部が、前記補助部材の前記被掛け部から離れ、前記弾性部材の弾性による付勢力が、前記シャフトの前記作用面を介して前記押圧部材に作用し、その押圧部材が、前記被押圧面を押圧する、固定具。
【請求項4】
第2の弾性部材を備え、
前記第2の弾性部材は、前記本体に対し、前記補助部材を、前記本体の先端側とは反対側に弾性付勢する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固定具。
【請求項5】
前記カム溝は、前記収容孔の軸心回りに回る横方向に対し傾斜する傾斜溝と、その傾斜溝に続き前記横方向を向く横溝とを備え、前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記ピンは、前記カム溝の一端部である、前記傾斜溝側の端部にあり、前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記ピンは、前記カム溝の他端部である、前記横溝側の端部にある、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の固定具。
【請求項6】
前記カム溝の他端部である、前記横溝側の端部には、前記収容孔の軸心方向における前記カム溝の一端部のある側に窪む凹みが設けられており、前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記ピンは、前記凹みに係合する、請求項5に記載の固定具。
【請求項7】
取付孔を有する第1固定材と、貫通孔を有する第2固定材とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材側に配される固定具であって、
先端側が前記貫通孔を貫通して前記取付孔に挿入される本体と、シャフトと、球状の押圧部材と、操作体と、ピンと、補助部材と、弾性部材とを備え、
前記本体は、その先端側まで延びる収容孔と、その収容孔を形成する周壁に沿って延びて前記ピンを案内するカム溝とを備え、
前記シャフトは、前記収容孔内にあって、そのシャフトの軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、前記収容孔の軸心方向に移動可能であり、また、
前記シャフトは、先端側に、作用面を有し、
前記本体の先端側には、前記取付孔の内周面と前記シャフトの先端側との間で、前記押圧部材を、前記取付孔の内周面における被押圧面と対向する位置に保持し得るように、その押圧部材が通される保持孔が設けられ、
前記操作体は、前記収容孔の軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動し、
前記ピンは、前記カム溝に係合するように設けられ、また、
前記ピンは、前記操作体と一緒に前記収容孔の軸心回りに回動し、かつ、前記カム溝に案内されて前記収容孔の軸心方向に移動し、
前記補助部材は、前記ピンと一緒に、前記収容孔の軸心方向に移動し、
前記弾性部材は、前記補助部材に対し前記シャフトをその先端側である前記本体の先端側に弾性付勢し、
前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記カム溝に案内される前記ピンは、前記補助部材とともに、前記本体の先端から遠い側に位置し、前記シャフトに設けられた掛け部が、前記ピンに掛けられて、前記シャフトは、前記本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にあり、前記作用面と前記被押圧面との間で、前記押圧部材が前記被押圧面から離れる側に移動可能となって、前記本体の先端側を、前記取付孔に対し抜き挿し可能であり、
前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記カム溝に案内される前記ピンは、前記補助部材とともに、前記本体の先端に近い側に位置し、前記シャフトの前記掛け部が、前記ピンから離れ、前記弾性部材の弾性による付勢力が、前記シャフトの前記作用面を介して前記押圧部材に作用し、その押圧部材が、前記被押圧面を押圧する、固定具。
【請求項8】
前記第2固定材側に配される第2の本体を備え、
前記第2の本体は、前記本体が通される通し孔を備え、
前記通し孔は、その通し孔の軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、
前記本体は、前記第2の本体に対し、前記通し孔の軸心回りに回動不能で、かつ、前記通し孔の軸心方向に移動可能であって、その移動により、先端側が前記通し孔から突出して前記取付孔に挿入される突出位置と、先端側が前記通し孔内に隠れる隠れ位置とに移動し、
前記本体は、その本体の先端側を向く第1被規制面を備え、前記第2の本体は、前記第1被規制面と対向する第1規制面を備えて、前記本体が突出位置にあるとき、前記第1被規制面が前記第1規制面に当接して、前記本体のそれ以上の突出が規制され、また、
前記本体は、その本体の先端側とは反対側を向く第2被規制面を備え、前記第2の本体は、前記第2被規制面と対向する第2規制面を備えて、前記本体が隠れ位置にあるとき、前記第2被規制面が前記第2規制面に当接して、前記本体のそれ以上の引き込みが規制される、請求項2または3に記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二つの固定材を互いに着脱可能に固定するための固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、取付部材と被取付部材とを連結するための連結装置があった(例えば、特許文献1参照)。図21に示すように、この連結装置23は、本体24と、シャフト25と、ノブ26と、ピン27と、球状の押圧部材28と、弾性部材29とを備えていた。本体24は、上下に貫通する孔24aを備え、上端に、ピン27が載る案内部24bを有していた。そして、本体24は、下端部分に、横孔24cがあけられ、その横孔24cに、押圧部材28が挿入されて保持された。シャフト25は、本体24の孔24aに収容され、上端には、ノブ26が固定され、また、上部には、ピン27が横向きに貫通配置された。そして、シャフト25は、下端部分に、下方に向かって小径となる作用面25aが設けられていた。弾性部材29は、本体24の孔24aの内周面に止められた止め輪30と、シャフト25の中間位置に突出形成されたばね受け25bとの間に圧縮されて挿入され、シャフト25を下方へ付勢した。
【0003】
この連結装置23は、被取付部材22側に配され、本体24の下端側が被取付部材22の被取付孔22aと取付部材21の取付孔21aに挿入された。そこで、ノブ26を、解除位置(図21(a)参照)から連結位置(図21(b)参照)へと回動操作すると、ピン27が、案内部24bに案内されて、シャフト25とともに下方に移動した。そして、シャフト25が下方へ移動することで、押圧部材28が、シャフト25の作用面25aに押されて、取付孔21aの内周面に設けられたテーパー面21bを押圧した。こうして、被取付部材22側に配された連結装置23の押圧部材28が、取付部材21のテーパー面21bを押圧することで、取付部材21に被取付部材22が固定され、取付部材21と被取付部材22とが連結された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-218814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記従来の連結装置23にあっては、シャフト25が下方へ移動すると、シャフト25を付勢する弾性部材29が伸びることから、その付勢力が弱まった状態で、シャフト25の作用面25aに押された押圧部材28が取付部材21のテーパー面21bを押圧することとなった。このため、取付部材21への被取付部材22の固定を強固にすることができず、この連結装置23の使用場面が限られていた。
【0006】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、固定を強固にすることができる固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る固定具は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る固定具は、取付孔を有する第1固定材と、貫通孔を有する第2固定材とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材側に配される固定具である。この固定具は、先端側が前記貫通孔を貫通して前記取付孔に挿入される本体と、シャフトと、球状の押圧部材と、操作体と、ピンと、補助部材と、弾性部材とを備える。ここで、前記本体は、その先端側まで延びる収容孔と、その収容孔を形成する周壁に沿って延びて前記ピンを案内するカム溝とを備える。前記シャフトは、前記収容孔内にあって、そのシャフトの軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、前記収容孔の軸心方向に移動可能である。また、前記シャフトは、先端側に、作用面を有する。そして、前記本体の先端側には、前記取付孔の内周面と前記シャフトの先端側との間で、前記押圧部材を、前記取付孔の内周面における被押圧面と対向する位置に保持し得るように、その押圧部材が通される保持孔が設けられる。前記操作体は、前記収容孔の軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動する。前記ピンは、前記カム溝に係合するように設けられる。そして、前記ピンは、前記操作体と一緒に前記収容孔の軸心回りに回動し、かつ、前記カム溝に案内されて前記収容孔の軸心方向に移動する。前記補助部材は、前記ピンと一緒に、前記収容孔の軸心方向に移動する。前記弾性部材は、前記補助部材に対し前記シャフトをその先端側である前記本体の先端側に弾性付勢する。
【0008】
そこで、前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記カム溝に案内される前記ピンは、前記補助部材とともに、前記本体の先端から遠い側に位置し、前記シャフトに設けられた掛け部が、前記補助部材に設けられた被掛け部または前記ピンに掛けられて、前記シャフトは、前記本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にあり、前記作用面と前記被押圧面との間で、前記押圧部材が前記被押圧面から離れる側に移動可能となって、前記本体の先端側を、前記取付孔に対し抜き挿し可能である。そして、前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記カム溝に案内される前記ピンは、前記補助部材とともに、前記本体の先端に近い側に位置し、前記シャフトの前記掛け部が、前記補助部材の前記被掛け部または前記ピンから離れ、前記弾性部材の弾性による付勢力が、前記シャフトの前記作用面を介して前記押圧部材に作用し、その押圧部材が、前記被押圧面を押圧する。
また、前記固定具は、前記第2固定材側に配される第2の本体を備える。前記第2の本体は、前記本体が通される通し孔を備える。前記通し孔は、その通し孔の軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向く。そこで、前記本体は、前記第2の本体に対し、前記通し孔の軸心回りに回動不能で、かつ、前記通し孔の軸心方向に移動可能であって、その移動により、先端側が前記通し孔から突出して前記取付孔に挿入される突出位置と、先端側が前記通し孔内に隠れる隠れ位置とに移動する。そして、前記本体は、その本体の先端側を向く第1被規制面を備え、前記第2の本体は、前記第1被規制面と対向する第1規制面を備えて、前記本体が突出位置にあるとき、前記第1被規制面が前記第1規制面に当接して、前記本体のそれ以上の突出が規制される。また、前記本体は、その本体の先端側とは反対側を向く第2被規制面を備え、前記第2の本体は、前記第2被規制面と対向する第2規制面を備えて、前記本体が隠れ位置にあるとき、前記第2被規制面が前記第2規制面に当接して、前記本体のそれ以上の引き込みが規制される。
【0009】
この固定具によると、固定具は、第2固定材側に配される。そこで、固定具の操作体をアンクランプ位置にして、本体の先端側を、第2固定材の貫通孔に貫通させるとともに第1固定材の取付孔に挿入する。このとき、ピンは、補助部材とともに、本体の先端から遠い側に位置し、シャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部またはピンに掛けられて、この補助部材またはピンによって、シャフトは、本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にある。その後、操作体を、アンクランプ位置からクランプ位置まで回動操作すると、ピンは、操作体とともに回動し、本体に設けられたカム溝に案内されて、本体の先端に近い側に移動する。そして、補助部材もまた、ピンと一緒に、本体の先端に近い側に移動する。このとき、シャフトは、そのシャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部またはピンに掛けられたまま、ピンおよび補助部材とともに、本体の先端に近い側に移動する。このシャフトの移動により、押圧部材が、シャフトの作用面に押されて、保持孔内を、取付孔の被押圧面に当たるまで移動する。押圧部材が被押圧面に当たった後は、シャフトの移動が止まり、ピン及び補助部材のみが、本体の先端に近い側に移動し、これによって、シャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部またはピンから離れる。そこで、弾性部材の弾性による付勢力が、シャフトの作用面を介して押圧部材に作用し、その押圧部材が、取付孔の被押圧面を押圧する。こうして、第2固定材側に配された固定具の押圧部材が、第1固定材の取付孔の被押圧面を押圧することで、第1固定材と第2固定材とは、互いに固定される。また、押圧部材が被押圧面を押圧するにあたっては、シャフトが止まって、補助部材が、本体の先端に近い側に移動することから、弾性部材の付勢力が増加することとなり、第1固定材と第2固定材との固定が強固となる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明に係る固定具は、取付孔を有する第1固定材と、貫通孔を有する第2固定材とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材側に配される固定具である。この固定具は、先端側が前記貫通孔を貫通して前記取付孔に挿入される本体と、シャフトと、球状の押圧部材と、操作体と、ピンと、補助部材と、弾性部材とを備える。ここで、前記本体は、その先端側まで延びる収容孔と、その収容孔を形成する周壁にその収容孔の軸心回りに回る横方向に延びて前記ピンをその横方向に案内する案内溝とを備える。前記シャフトは、前記収容孔内にあって、そのシャフトの軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、前記収容孔の軸心方向に移動可能である。また、前記シャフトは、先端側に、作用面を有する。そして、前記本体の先端側には、前記取付孔の内周面と前記シャフトの先端側との間で、前記押圧部材を、前記取付孔の内周面における被押圧面と対向する位置に保持し得るように、その押圧部材が通される保持孔が設けられる。前記操作体は、前記収容孔の軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動する。前記ピンは、前記補助部材に形成されたカム溝に係合するように設けられる。そして、前記ピンは、前記案内溝に案内されつつ前記操作体と一緒に、前記収容孔の軸心回りに回動する。前記補助部材は、前記収容孔の軸心回りに回動不能で、かつ、前記収容孔の軸心方向に移動可能である。前記弾性部材は、前記補助部材に対し前記シャフトをその先端側である前記本体の先端側に弾性付勢する。
【0011】
そこで、前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記ピンに案内される前記カム溝を備えた前記補助部材は、前記本体の先端から遠い側に位置し、前記シャフトに設けられた掛け部が、前記補助部材に設けられた被掛け部に掛けられて、前記シャフトは、前記本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にあり、前記作用面と前記被押圧面との間で、前記押圧部材が前記被押圧面から離れる側に移動可能となって、前記本体の先端側を、前記取付孔に対し抜き挿し可能である。そして、前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記ピンに案内される前記カム溝を備えた前記補助部材は、前記本体の先端に近い側に位置し、前記シャフトの前記掛け部が、前記補助部材の前記被掛け部から離れ、前記弾性部材の弾性による付勢力が、前記シャフトの前記作用面を介して前記押圧部材に作用し、その押圧部材が、前記被押圧面を押圧する。
【0012】
この固定具によると、固定具は、第2固定材側に配される。そこで、固定具の操作体をアンクランプ位置にして、本体の先端側を、第2固定材の貫通孔に貫通させるとともに第1固定材の取付孔に挿入する。このとき、補助部材は、本体の先端から遠い側に位置し、シャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部に掛けられて、この補助部材によって、シャフトは、本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にある。その後、操作体を、アンクランプ位置からクランプ位置まで回動操作すると、ピンは、本体に設けられた案内溝に案内されて、操作体とともに回動する。このピンの回動により、ピンが係合するカム溝が形成された補助部材は、ピンに案内されて、本体の先端に近い側に移動する。このとき、シャフトは、そのシャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部に掛けられたまま、補助部材とともに、本体の先端に近い側に移動する。このシャフトの移動により、押圧部材が、シャフトの作用面に押されて、保持孔内を、取付孔の被押圧面に当たるまで移動する。押圧部材が被押圧面に当たった後は、シャフトの移動が止まり、補助部材のみが、本体の先端に近い側に移動し、これによって、シャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部から離れる。そこで、弾性部材の弾性による付勢力が、シャフトの作用面を介して押圧部材に作用し、その押圧部材が、取付孔の被押圧面を押圧する。こうして、第2固定材側に配された固定具の押圧部材が、第1固定材の取付孔の被押圧面を押圧することで、第1固定材と第2固定材とは、互いに固定される。また、押圧部材が被押圧面を押圧するにあたっては、シャフトが止まって、補助部材が、本体の先端に近い側に移動することから、弾性部材の付勢力が増加することとなり、第1固定材と第2固定材との固定が強固となる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明に係る固定具は、取付孔を有する第1固定材と、貫通孔を有する第2固定材とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材側に配される固定具である。この固定具は、先端側が前記貫通孔を貫通して前記取付孔に挿入される本体と、シャフトと、球状の押圧部材と、操作体と、ピンと、補助部材と、弾性部材とを備える。ここで、前記本体は、その先端側まで延びる収容孔を備える。前記シャフトは、前記収容孔内にあって、そのシャフトの軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、前記収容孔の軸心方向に移動可能である。また、前記シャフトは、先端側に、作用面を有する。そして、前記本体の先端側には、前記取付孔の内周面と前記シャフトの先端側との間で、前記押圧部材を、前記取付孔の内周面における被押圧面と対向する位置に保持し得るように、その押圧部材が通される保持孔が設けられる。前記操作体は、前記収容孔の軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動する。前記ピンは、前記収容孔の軸心回りに回動不能で、かつ、前記収容孔の軸心方向に移動不能であって、前記補助部材に形成されたカム溝に係合するように設けられる。前記補助部材は、前記収容孔の軸心回りに回動可能で、かつ、前記収容孔の軸心方向に移動可能であって、前記操作体と一緒に、前記収容孔の軸心回りに回動する。前記弾性部材は、前記補助部材に対し前記シャフトをその先端側である前記本体の先端側に弾性付勢する。
【0014】
そこで、前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記ピンに案内される前記カム溝を備えた前記補助部材は、前記本体の先端から遠い側に位置し、前記シャフトに設けられた掛け部が、前記補助部材に設けられた被掛け部に掛けられて、前記シャフトは、前記本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にあり、前記作用面と前記被押圧面との間で、前記押圧部材が前記被押圧面から離れる側に移動可能となって、前記本体の先端側を、前記取付孔に対し抜き挿し可能である。そして、前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記ピンに案内される前記カム溝を備えた前記補助部材は、前記本体の先端に近い側に位置し、前記シャフトの前記掛け部が、前記補助部材の前記被掛け部から離れ、前記弾性部材の弾性による付勢力が、前記シャフトの前記作用面を介して前記押圧部材に作用し、その押圧部材が、前記被押圧面を押圧する。
【0015】
この固定具によると、固定具は、第2固定材側に配される。そこで、固定具の操作体をアンクランプ位置にして、本体の先端側を、第2固定材の貫通孔に貫通させるとともに第1固定材の取付孔に挿入する。このとき、補助部材は、本体の先端から遠い側に位置し、シャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部に掛けられて、この補助部材によって、シャフトは、本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にある。その後、操作体を、アンクランプ位置からクランプ位置まで回動操作すると、ピンが係合するカム溝が形成された補助部材は、操作体とともに回動し、ピンに案内されて、本体の先端に近い側に移動する。このとき、シャフトは、そのシャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部に掛けられたまま、補助部材とともに、本体の先端に近い側に移動する。このシャフトの移動により、押圧部材が、シャフトの作用面に押されて、保持孔内を、取付孔の被押圧面に当たるまで移動する。押圧部材が被押圧面に当たった後は、シャフトの移動が止まり、補助部材のみが、本体の先端に近い側に移動し、これによって、シャフトの掛け部が、補助部材の被掛け部から離れる。そこで、弾性部材の弾性による付勢力が、シャフトの作用面を介して押圧部材に作用し、その押圧部材が、取付孔の被押圧面を押圧する。こうして、第2固定材側に配された固定具の押圧部材が、第1固定材の取付孔の被押圧面を押圧することで、第1固定材と第2固定材とは、互いに固定される。また、押圧部材が被押圧面を押圧するにあたっては、シャフトが止まって、補助部材が、本体の先端に近い側に移動することから、弾性部材の付勢力が増加することとなり、第1固定材と第2固定材との固定が強固となる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明に係る固定具は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固定具において、第2の弾性部材を備える。前記第2の弾性部材は、前記本体に対し、前記補助部材を、前記本体の先端側とは反対側に弾性付勢する。この第2の弾性部材により、シャフトを引き上げた位置に保持して、操作体を、アンクランプ位置に維持することが可能となる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明に係る固定具は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の固定具において、前記カム溝は、前記収容孔の軸心回りに回る横方向に対し傾斜する傾斜溝と、その傾斜溝に続き前記横方向を向く横溝とを備える。そこで、前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記ピンは、前記カム溝の一端部である、前記傾斜溝側の端部にあり、前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記ピンは、前記カム溝の他端部である、前記横溝側の端部にある。
【0018】
また、請求項6に記載の発明に係る固定具は、請求項5に記載の固定具において、前記カム溝の他端部である、前記横溝側の端部には、前記収容孔の軸心方向における前記カム溝の一端部のある側に窪む凹みが設けられており、前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記ピンは、前記凹みに係合する。
【0019】
また、請求項7に記載の発明に係る固定具は、取付孔を有する第1固定材と、貫通孔を有する第2固定材とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材側に配される固定具である。この固定具は、先端側が前記貫通孔を貫通して前記取付孔に挿入される本体と、シャフトと、球状の押圧部材と、操作体と、ピンと、補助部材と、弾性部材とを備える。ここで、前記本体は、その先端側まで延びる収容孔と、その収容孔を形成する周壁に沿って延びて前記ピンを案内するカム溝とを備える。前記シャフトは、前記収容孔内にあって、そのシャフトの軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向き、前記収容孔の軸心方向に移動可能である。また、前記シャフトは、先端側に、作用面を有する。そして、前記本体の先端側には、前記取付孔の内周面と前記シャフトの先端側との間で、前記押圧部材を、前記取付孔の内周面における被押圧面と対向する位置に保持し得るように、その押圧部材が通される保持孔が設けられる。前記操作体は、前記収容孔の軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動する。前記ピンは、前記カム溝に係合するように設けられる。そして、前記ピンは、前記操作体と一緒に前記収容孔の軸心回りに回動し、かつ、前記カム溝に案内されて前記収容孔の軸心方向に移動する。前記補助部材は、前記ピンと一緒に、前記収容孔の軸心方向に移動する。前記弾性部材は、前記補助部材に対し前記シャフトをその先端側である前記本体の先端側に弾性付勢する。
そこで、前記操作体が前記アンクランプ位置にあるとき、前記カム溝に案内される前記ピンは、前記補助部材とともに、前記本体の先端から遠い側に位置し、前記シャフトに設けられた掛け部が、前記ピンに掛けられて、前記シャフトは、前記本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にあり、前記作用面と前記被押圧面との間で、前記押圧部材が前記被押圧面から離れる側に移動可能となって、前記本体の先端側を、前記取付孔に対し抜き挿し可能である。そして、前記操作体が前記クランプ位置にあるとき、前記カム溝に案内される前記ピンは、前記補助部材とともに、前記本体の先端に近い側に位置し、前記シャフトの前記掛け部が、前記ピンから離れ、前記弾性部材の弾性による付勢力が、前記シャフトの前記作用面を介して前記押圧部材に作用し、その押圧部材が、前記被押圧面を押圧する。
この固定具によると、固定具は、第2固定材側に配される。そこで、固定具の操作体をアンクランプ位置にして、本体の先端側を、第2固定材の貫通孔に貫通させるとともに第1固定材の取付孔に挿入する。このとき、ピンは、補助部材とともに、本体の先端から遠い側に位置し、シャフトの掛け部が、ピンに掛けられて、このピンによって、シャフトは、本体の先端から遠い側に引き上げられた位置にある。その後、操作体を、アンクランプ位置からクランプ位置まで回動操作すると、ピンは、操作体とともに回動し、本体に設けられたカム溝に案内されて、本体の先端に近い側に移動する。そして、補助部材もまた、ピンと一緒に、本体の先端に近い側に移動する。このとき、シャフトは、そのシャフトの掛け部が、ピンに掛けられたまま、ピンおよび補助部材とともに、本体の先端に近い側に移動する。このシャフトの移動により、押圧部材が、シャフトの作用面に押されて、保持孔内を、取付孔の被押圧面に当たるまで移動する。押圧部材が被押圧面に当たった後は、シャフトの移動が止まり、ピン及び補助部材のみが、本体の先端に近い側に移動し、これによって、シャフトの掛け部が、ピンから離れる。そこで、弾性部材の弾性による付勢力が、シャフトの作用面を介して押圧部材に作用し、その押圧部材が、取付孔の被押圧面を押圧する。こうして、第2固定材側に配された固定具の押圧部材が、第1固定材の取付孔の被押圧面を押圧することで、第1固定材と第2固定材とは、互いに固定される。また、押圧部材が被押圧面を押圧するにあたっては、シャフトが止まって、補助部材が、本体の先端に近い側に移動することから、弾性部材の付勢力が増加することとなり、第1固定材と第2固定材との固定が強固となる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明に係る固定具は、請求項2または3に記載の固定具において、前記第2固定材側に配される第2の本体を備える。前記第2の本体は、前記本体が通される通し孔を備える。前記通し孔は、その通し孔の軸心が前記収容孔の軸心と同一方向を向く。そこで、前記本体は、前記第2の本体に対し、前記通し孔の軸心回りに回動不能で、かつ、前記通し孔の軸心方向に移動可能であって、その移動により、先端側が前記通し孔から突出して前記取付孔に挿入される突出位置と、先端側が前記通し孔内に隠れる隠れ位置とに移動する。そして、前記本体は、その本体の先端側を向く第1被規制面を備え、前記第2の本体は、前記第1被規制面と対向する第1規制面を備えて、前記本体が突出位置にあるとき、前記第1被規制面が前記第1規制面に当接して、前記本体のそれ以上の突出が規制される。また、前記本体は、その本体の先端側とは反対側を向く第2被規制面を備え、前記第2の本体は、前記第2被規制面と対向する第2規制面を備えて、前記本体が隠れ位置にあるとき、前記第2被規制面が前記第2規制面に当接して、前記本体のそれ以上の引き込みが規制される。
【発明の効果】
【0021】
この発明に係る固定具によれば、シャフトに作用する弾性部材の付勢力を増加させることで、第1固定材と第2固定材との固定を強固にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明の第一の実施の形態の、全体の断面図である。
図2】同じく、固定具の斜視図である。
図3】同じく、固定具の分解斜視図である。
図4】同じく、補助部材およびシャフトの分解斜視図である。
図5】同じく、本体の断面図である。
図6】同じく、カム溝の拡大展開図である。
図7-1】同じく、操作体がアンクランプ位置にあるときを示し、(a)は、平面図、(b)は、操作体を外した斜視図である。
図7-2】同じく、図7-1(a)におけるA-A線による断面図である。
図8-1】同じく、操作体がアンクランプ位置とクランプ位置との途中位置にあるときを示し、(a)は、平面図、(b)は、操作体を外した斜視図である。
図8-2】同じく、図8-1(a)におけるB-B線による断面図である。
図9-1】同じく、操作体がクランプ位置にあるときを示し、(a)は、平面図、(b)は、操作体を外した斜視図である。
図9-2】同じく、図9-1(a)におけるC-C線による断面図である。
図10】この発明の第二の実施の形態の、固定具の分解斜視図である。
図11】同じく、操作体がアンクランプ位置にあるときの断面図である。
図12】同じく、操作体がクランプ位置にあるときの断面図である。
図13】この発明の第三の実施の形態の、固定具の分解斜視図である。
図14】同じく、操作体がアンクランプ位置にあるときの断面図である。
図15】同じく、操作体がクランプ位置にあるときの断面図である。
図16】この発明の第四の実施の形態の、固定具の分解斜視図である。
図17】同じく、本体が隠れ位置にあり、かつ、操作体がアンクランプ位置にあるときの断面図である。
図18】同じく、本体が突出位置にあり、かつ、操作体がアンクランプ位置にあるときの断面図である。
図19】同じく、本体が突出位置にあり、かつ、操作体がクランプ位置にあるときの断面図である。
図20】この発明の他の実施の形態の、操作体がクランプ位置にあるときの断面図である。
図21】従来の連結装置を示し、(a)は、ノブが解除位置にあるときの断面図であり、(b)は、ノブが連結位置にあるときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1図9-2は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、取付孔1aを有する第1固定材を示す。2は、貫通孔2aを有する第2固定材を示す。3は、固定具を示し、この固定具3は、第1固定材1と第2固定材2とを互いに着脱可能に固定するために、第2固定材2側に配される。
【0025】
固定具3は、本体4と、シャフト5と、球状の押圧部材6と、操作体7と、ピン8と、補助部材9と、弾性部材10とを備える。本体4は、先端4a側(図示実施の形態においては、下端側)が第2固定材2の貫通孔2aを貫通して第1固定材1の取付孔1aに挿入される。この本体4は、その先端4a側まで延びる収容孔4bと、その収容孔4bを形成する周壁に沿って延びて前記ピン8を案内するカム溝11とを備える。
【0026】
シャフト5は、本体4の収容孔4b内にあって、そのシャフト5の軸心が収容孔4bの軸心と同一方向を向き、収容孔4bの軸心方向4xに移動可能となっている。そして、シャフト5は、先端5a側(図示実施の形態においては、下端側)に、作用面5b(詳しくは、自身の先端5aに向かうほど細るように傾斜する作用面5b)を有する。そこで、本体4の先端4a側には、第1固定部材1の取付孔1aの内周面とシャフト5の先端5a側との間で、前記押圧部材6を、取付孔1aの内周面における被押圧面1bと対向する位置に保持し得るように、その押圧部材6が通される保持孔4cが設けられる。この保持孔4cは、収容孔4bの軸心方向4xと直交する方向(詳しくは、収容孔4bの径方向)に延びている。
【0027】
操作体7は、収容孔4bの軸心回りに回動可能であって、回動操作されることで、アンクランプ位置とクランプ位置との間を移動する。
【0028】
ピン8は、収容孔4bの軸心方向4xと直交する方向(詳しくは、収容孔4bの径方向)に延びて、その収容孔4bを横切る。そして、ピン8は、カム溝11に係合するように設けられる。このピン8は、操作体7と一緒に収容孔4bの軸心回りに回動し、かつ、カム溝11に案内されて収容孔4bの軸心方向4xに移動する。
【0029】
補助部材9は、ピン8と一緒に、収容孔4bの軸心方向4xに移動する(図示実施の形態においては、収容孔4bの軸心方向4xに移動するとともに収容孔4bの軸心回りに回動する)。
【0030】
弾性部材10は、補助部材9に対しシャフト5をその先端5a側である本体4の先端4a側に弾性付勢する。
【0031】
そこで、図7-1および図7-2に示すように、操作体7がアンクランプ位置にあるとき、カム溝11に案内されるピン8は、補助部材9とともに、本体4の先端4aから遠い側に位置し、シャフト5に設けられた掛け部5cが、補助部材9に設けられた被掛け部9aまたはピン8(図示実施の形態においては、補助部材9に設けられた被掛け部9a)に掛けられて、シャフト5は、本体4の先端4aから遠い側に引き上げられた位置にある。このとき、シャフト5の作用面5bと取付孔1aの被押圧面1bとの間で、押圧部材6が被押圧面1bから離れる側に移動可能となって、本体4の先端4a側を、取付孔1aに対し抜き挿し可能となる。
【0032】
ここで、図8-1および図8-2に示すように、操作体7を、アンクランプ位置からクランプ位置に向かって回動(図示実施の形態においては、時計回り方向に回動)操作すると、ピン8は、操作体7と一緒に収容孔4bの軸心回りに回動し、かつ、カム溝11に案内されて本体4の先端4aに近い側に移動する。そして、このピン8の移動に伴って、補助部材9が、ピン8と一緒に本体4の先端4aに近い側に移動し、シャフト5もまた、本体4の先端4aに近い側に移動する。そして、このシャフト5の移動により、押圧部材6が、シャフト5の作用面5bに押されて取付孔1aの内周面側に移動し、被押圧面1bに当接する。
【0033】
そして、図9-1および図9-2に示すように、操作体7がクランプ位置にあるとき、カム溝11に案内されるピン8は、補助部材9とともに、本体4の先端4aに近い側に位置し、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aまたはピン8(図示実施の形態においては、補助部材9の被掛け部9a)から離れ、弾性部材10の弾性による付勢力が、シャフト5の作用面5bを介して押圧部材6に作用し、その押圧部材6が、取付孔1aの被押圧面1bを押圧する。
【0034】
また、固定具3は、第2の弾性部材12を備える。第2の弾性部材12は、本体4に対し、補助部材9を、本体4の先端4a側とは反対側(図示実施の形態においては、上側)に弾性付勢する。そして、第2の弾性部材12は、その弾性による付勢力が、弾性部材10の付勢力よりも弱くなるように設定されている。
【0035】
具体的には、第1固定材1と第2固定材2とは、板状に形成されている。そして、それら第1固定材1と第2固定材2とは、それらの向かい合う板面が密着するようにして互いに固定される。ここで、第1固定材1には、取付孔1aの内周面に、被押圧面1bが設けられるが、この被押圧面1bは、取付孔1aの奥側(図示実施の形態においては、下側)に向かうほど広がるように傾斜する傾斜面となっている。詳細には、第1固定材1には、環状の取付部材1cが設けられている。そこで、取付部材1cの内側が、前記取付孔1aとなって、その取付孔1aに、前記被押圧面1bが形成される。
【0036】
固定具3にあっては、本体4は、円筒状に形成され、その内側が、横断面円形の前述の収容孔4bとなる。収容孔4bは、上下に貫通し、また、段付き孔からなって、上から(つまり、本体4の先端4a側とは反対側から)、大径孔4d、中径孔4e、小径孔4fが順に並んで形成されている。
【0037】
この本体4に設けられるカム溝11は、収容孔4b(詳しくは、大径孔4d)を形成する周壁を貫通しており、また、二つ設けられて、それらが、収容孔4bの軸心回りに180°ずれて位置する。図6に、このカム溝11の展開図を示す。このカム溝11は、収容孔4bの軸心回りに回る横方向4yに対し傾斜する傾斜溝11aと、その傾斜溝11aに続き横方向4yを向く横溝11bとを備え、操作体7がアンクランプ位置にあるとき、ピン8は、カム溝11の一端部11cである、傾斜溝11a側の端部にあり、操作体7がクランプ位置にあるとき、ピン8は、カム溝11の他端部11dである、横溝11b側の端部にある。詳細には、傾斜溝11aは、カム溝11の一端部11c側にあって相対的に傾斜が急な第1傾斜溝11eと、カム溝11の他端部11d側にあって相対的に傾斜が緩やかな第2傾斜溝11fとを備える。また、カム溝11の他端部11dである、横溝11b側の端部には、収容孔4bの軸心方向4xにおけるカム溝11の一端部11cのある側に窪む凹み11gが設けられている。そこで、操作体7がクランプ位置にあるとき、ピン8は、この凹み11gに係合する。
【0038】
また、本体4は、第1固定材1とで第2固定材2を挟み込むことができるように、第2固定材2に当接する受け部4gを備える。詳細には、受け部4gは、本体4の上下の中間部分が、外方に突出して形成される。この受け部4gには、雌ねじ4hがあけられ、ボルト等の固着具13が、第2固定材2にあけられた固定孔2bを通って雌ねじ4hにねじ込まれることで、本体4、ひいては固定具3は、第2固定材2に取付け固定される。
【0039】
シャフト5は、収容孔4bの、大径孔4d、中径孔4e、そして小径孔4fに渡って挿入される。このシャフト5は、その長手方向において分割された二つの分割体5d、5eからなって、それら分割体5d、5eが、植込みボルト等の連結具5fによって連結されている。このシャフト5は、上端に、鍔状に突出形成された前述の掛け部5cを有し、また、中間に、鍔状に突出形成された中間鍔部5gを有する。そして、シャフト5の先端5a側(下端側)に設けられた前述の作用面5bは、シャフト5の先端5a部分にあって弧状に窪むように形成された第1作用面5hと、その第1作用面5hに続き直線状に形成された第2作用面5iとからなって、操作体7がアンクランプ位置にあるときには、第1作用面5hが押圧部材6と対向位置し(図7-2参照)、操作体7がクランプ位置にあるときには、第2作用面5iが押圧部材6と対向位置する(図9-2参照)。
【0040】
操作体7は、円筒状に形成されて、本体4の上端部分(先端4a側とは反対の端部部分)に被せられる。そして、操作体7は、その周面から、指示部7aが突出形成されている。図示実施の形態においては、指示部7aは、二つ設けられており、その内の一方が、本体4(詳しくは、受け部4g)に表された表示18を指し示す。表示18として、「ON」および「OFF」の文字と、その間の回動を指示する矢印が設けられている。ここで、「ON」の位置が、前記クランプ位置に相当し、「OFF」の位置が、前記アンクランプ位置に相当し、操作体7を回動操作することにより、第1固定材1と第2固定材2との固定と固定解除の両者を切替え操作することができる。なお、操作体7の内周面には、指示部7aの部分に、溝7bが形成され、この溝7bにピン8の端部が入るようになっている。
【0041】
ピン8は、円柱棒状に形成されて、両端付近に嵌められた環状のローラー8aを有する。そして、ピン8は、このローラー8a部分が、カム溝11に係合するようにして、カム溝11に通される。
【0042】
補助部材9は、円筒状に形成されて、本体4の収容孔4b(詳しくは、大径孔4d)に、一部が挿入される。この補助部材9は、補助部材本体9bと、その補助部材本体9bの下側に取り付けられる環状部材9cとからなって、この環状部材9cに、内側に突出するようにして前述の被掛け部9aが設けられる。そこで、補助部材本体9bの筒内に、シャフト5の一部が前述の掛け部5cを含めて挿入され、補助部材本体9bに環状部材9cが取り付けられることで、掛け部5cと被掛け部9aとが対向位置し、シャフト5は、補助部材9に対し抜け止めされる。また、補助部材9には、横孔9dがあけられている。そこで、ピン8は、カム溝11と横孔9dとを貫通するように通される。そして、操作体7が、補助部材9に被せられ、それら操作体7と補助部材9とが、ビス14によって互いに止められる。
【0043】
弾性部材10は、例えば、圧縮コイルばねからなる。この弾性部材10は、シャフト5と補助部材9との間に配置される。詳細には、弾性部材10は、本体4の収容孔4b(詳しくは、大径孔4dおよび中径孔4e)内において、シャフト5(詳しくは、上側の分割体5d)に嵌められて、中間鍔部5gと、補助部材9との間に圧縮されて挿入される。
【0044】
第2の弾性部材12は、例えば、圧縮コイルばねからなる。この第2の弾性部材12は、本体4と補助部材9との間に配置される。詳細には、第2の弾性部材12は、本体4の収容孔4b(詳しくは、大径孔4d)内において、弾性部材10の外側に嵌められ、収容孔4bの大径孔4dから中径孔4eに移る段部4jと、補助部材9との間に圧縮されて挿入される。
【0045】
次に、第一の実施の形態に示す固定具3の作用効果について説明する。この固定具3によると、固定具3は、第2固定材2側に配される。そこで、固定具3の操作体7をアンクランプ位置にして、本体4の先端4a側(図示実施の形態においては、下端側)を、第2固定材2の貫通孔2aに貫通させるとともに第1固定材1の取付孔1aに挿入する(図7-1、図7-2参照)。このとき、ピン8は、補助部材9とともに、本体4の先端4aから遠い側に位置し、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aまたはピン8(図示実施の形態においては、補助部材9の被掛け部9a)に掛けられて、この補助部材9またはピン8(図示実施の形態においては、補助部材9)によって、シャフト5は、本体4の先端4aから遠い側に引き上げられた位置にある。
【0046】
その後、操作体7を、アンクランプ位置からクランプ位置まで回動操作すると、ピン8は、操作体7とともに回動し、本体4に設けられたカム溝11に案内されて、本体4の先端4aに近い側に移動する。そして、補助部材9もまた、ピン8と一緒に、本体4の先端4aに近い側に移動する。このとき、シャフト5は、そのシャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aまたはピン8(図示実施の形態においては、補助部材9の被掛け部9a)に掛けられたまま、ピン8および補助部材9とともに、本体4の先端4aに近い側に移動する。このシャフト5の移動により、押圧部材6が、シャフト5の作用面5bに押されて、保持孔4c内を、取付孔1aの被押圧面1bに当たるまで移動する(図8-1、図8-2参照)。
【0047】
押圧部材6が被押圧面1bに当たった後は、シャフト5の移動が止まり、ピン8および補助部材9のみが、本体4の先端4aに近い側に移動し、これによって、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aまたはピン8(図示実施の形態においては、補助部材9の被掛け部9a)から離れる。そこで、弾性部材10の弾性による付勢力が、シャフト5の作用面5bを介して押圧部材6に作用し、その押圧部材6が、取付孔1aの被押圧面1bを押圧する(図9-1、図9-2参照)。こうして、第2固定材2側に配された固定具3の押圧部材6が、第1固定材1の取付孔1aの被押圧面1bを押圧することで、第1固定材1と第2固定材2とは、互いに固定される。また、押圧部材6が被押圧面1bを押圧するにあたっては、シャフト5が止まって、補助部材9が、本体4の先端4aに近い側に移動することから、弾性部材10の付勢力が増加することとなり、第1固定材1と第2固定材2との固定が強固となる。すなわち、この固定具3によれば、補助部材9を本体4の先端4aに近い側に移動させて、シャフト5に作用する弾性部材10の付勢力を増加させることで、第1固定材1と第2固定材2との固定を強固にすることができる。
【0048】
また、固定具3は、第2の弾性部材12を備えており、この第2の弾性部材12により、シャフト5を引き上げた位置に保持して、操作体7を、アンクランプ位置に維持することが可能となる。
【0049】
また、カム溝11は、横溝11bを備えており、操作体7を、アンクランプ位置からクランプ位置に回動操作したとき、ピン8は、この横溝11bに係合し、操作体7は、クランプ位置に維持される。さらに、横溝11bには、凹み11gが設けられており、ピン8が凹み11gに係合することで、操作体7は、的確にクランプ位置に維持される。そして、ピン8が凹み11gに係合するときのクリック感により、作業者は、操作体7のクランプ位置を的確に把握することができる。
【0050】
また、傾斜溝11aは、カム溝11の一端部11c側(つまり、操作体7がアンクランプ位置に位置する側)にあって相対的に傾斜が急な第1傾斜溝11eと、カム溝11の他端部11d側(つまり、操作体7がクランプ位置に位置する側)にあって相対的に傾斜が緩やかな第2傾斜溝11fとを備えている。これにより、操作体7を、アンクランプ位置とクランプ位置との間を、速やかに、かつ、容易に回動することができる。
【0051】
図10図12は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、シャフト5の掛け部5cの形状が異なり、また、補助部材9には、被掛け部9aが設けられない点が異なるが、他は同様であり、第一の実施の形態と符号を統一して、異なる部分を主に説明する。
【0052】
補助部材9は、環状部材9cを備えていない。したがって、この補助部材9には、被掛け部9aは設けられない。シャフト5(詳しくは、上側の分割体5d)は、補助部材9の筒内に深く進入するように、上方に延びており、その上部部分に、上下に(つまり、収容孔4bの軸心方向4xに)長手となる長孔5jがあけられている。そこで、ピン8が長孔5jに挿入されることで、その長孔5jを形成するシャフト5の上部部分が、掛け部5cとなって、その掛け部5cが、ピン8に掛けられる。
【0053】
すなわち、図11に示すように、操作体7がアンクランプ位置にあるとき、カム溝11に案内されるピン8は、本体4の先端4aから遠い側に位置し、シャフト5に設けられた掛け部5cが、ピン8に掛けられて、シャフト5は、本体4の先端4aから遠い側に引き上げられた位置にある。そして、図12に示すように、操作体7がクランプ位置にあるとき、カム溝11に案内されるピン8は、本体4の先端4aに近い側に位置し、シャフト5の掛け部5cが、ピン8から離れる。
【0054】
この第二の実施の形態に示す固定具3の作用効果は、第一の実施の形態と同様であるが、前述したように、シャフト5の掛け部5cは、操作体7がアンクランプ位置にあるときは、ピン8に掛けられ、操作体7がクランプ位置にあるときは、ピン8から離れている。
【0055】
図13図15は、本発明の第三の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、カム溝11が、本体4ではなく補助部材9に設けられ、操作体7を回動操作したとき、ピン8は、操作体7と一緒に、収容孔4bの軸心回りに回動するが、収容孔4bの軸心方向4xには移動しない点が異なるが、他はほぼ同様であり、第一の実施の形態と符号を統一して、異なる部分を主に説明する。
【0056】
本体4は、その先端4a側まで延びる収容孔4bと、その収容孔4bを形成する周壁にその収容孔4bの軸心回りに回る横方向4yに延びてピン8をその横方向4yに案内する案内溝4kとを備える。そこで、ピン8は、案内溝4kに案内されつつ操作体7と一緒に、収容孔4bの軸心回りに回動する。図示実施の形態においては、操作体7の内周面に形成された溝7bに、ピン8の端部が入ることで、ピン8は、操作体7と一緒に、収容孔4bの軸心回りに回動する。このとき、ピン8は、案内溝4kによって、収容孔4bの軸心方向4xに移動することはなく、操作体7もまた、収容孔4bの軸心方向4xに移動しない。
【0057】
そして、補助部材9に、その周壁に沿って延びるカム溝11が形成され、ピン8は、そのカム溝11に係合するように設けられる。ここで、補助部材9は、収容孔4bの軸心回りに回動不能で、かつ、収容孔4bの軸心方向4xに移動可能となっている。図示実施の形態においては、本体4には、その本体4にあけられた孔4mに取り付けられる回動規制ピン4nが設けられる。一方、補助部材9には、収容孔4bの軸心方向4xに延びる縦溝9eが設けられる。そして、回動規制ピン4nが、縦溝9eに係合する。これによって、補助部材9は、収容孔4bの軸心回りに回動不能で、かつ、収容孔4bの軸心方向4xに移動可能となる。
【0058】
そこで、図14に示すように、操作体7がアンクランプ位置にあるとき、ピン8に案内されるカム溝11を備えた補助部材9は、本体4の先端4aから遠い側に位置し、シャフト5に設けられた掛け部5cが、補助部材9に設けられた被掛け部9aに掛けられて、シャフト5は、本体4の先端4aから遠い側に引き上げられた位置にある。このとき、シャフト5の作用面5bと取付孔1aの被押圧面1bとの間で、押圧部材6が被押圧面1bから離れる側に移動可能となって、本体4の先端4a側を、取付孔1aに対し抜き挿し可能となる。
【0059】
ここで、操作体7を、アンクランプ位置からクランプ位置に向かって回動操作すると、ピン8は、操作体7と一緒に収容孔4bの軸心回りに回動する。そして、このピン8の回動により、ピン8が係合するカム溝11が形成された補助部材9は、ピン8に案内されて、本体4の先端4aに近い側に移動し、シャフト5もまた、本体4の先端4aに近い側に移動する。そして、このシャフト5の移動により、押圧部材6が、シャフト5の作用面5bに押されて取付孔1aの内周面側に移動し、被押圧面1bに当接する。
【0060】
そして、図15に示すように、操作体7がクランプ位置にあるとき、ピン8に案内されるカム溝11を備えた補助部材9は、本体4の先端4aに近い側に位置し、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aから離れ、弾性部材10の弾性による付勢力が、シャフト5の作用面5bを介して押圧部材6に作用し、その押圧部材6が、取付孔1aの被押圧面1bを押圧する。
【0061】
次に、第三の実施の形態に示す固定具3の作用効果について説明する。この固定具3によると、固定具3は、第2固定材2側に配される。そこで、固定具3の操作体7をアンクランプ位置にして、本体4の先端4a側を、第2固定材2の貫通孔2aに貫通させるとともに第1固定材1の取付孔1aに挿入する。このとき、補助部材9は、本体4の先端4aから遠い側に位置し、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aに掛けられて、この補助部材9によって、シャフト5は、本体4の先端4aから遠い側に引き上げられた位置にある。
【0062】
その後、操作体7を、アンクランプ位置からクランプ位置まで回動操作すると、ピン8は、本体4に設けられた案内溝4kに案内されて、操作体7とともに回動する。このピン8の回動により、ピン8が係合するカム溝11が形成された補助部材9は、ピン8に案内されて、本体4の先端4aに近い側に移動する。このとき、シャフト5は、そのシャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aに掛けられたまま、補助部材9とともに、本体4の先端4aに近い側に移動する。このシャフト5の移動により、押圧部材6が、シャフト5の作用面5bに押されて、保持孔4c内を、取付孔1aの被押圧面1bに当たるまで移動する。
【0063】
押圧部材6が被押圧面1bに当たった後は、シャフト5の移動が止まり、補助部材9のみが、本体4の先端4aに近い側に移動し、これによって、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aから離れる。そこで、弾性部材10の弾性による付勢力が、シャフト5の作用面5bを介して押圧部材6に作用し、その押圧部材6が、取付孔1aの被押圧面1bを押圧する。こうして、第2固定材2側に配された固定具3の押圧部材6が、第1固定材1の取付孔1aの被押圧面1bを押圧することで、第1固定材1と第2固定材2とは、互いに固定される。また、押圧部材6が被押圧面1bを押圧するにあたっては、シャフト5が止まって、補助部材9が、本体4の先端4aに近い側に移動することから、弾性部材10の付勢力が増加することとなり、第1固定材1と第2固定材2との固定が強固となる。すなわち、この固定具3によれば、補助部材9を本体4の先端4aに近い側に移動させて、シャフト5に作用する弾性部材10の付勢力を増加させることで、第1固定材1と第2固定材2との固定を強固にすることができる。
【0064】
また、この第三の実施の形態に示す固定具3は、第一の実施の形態と同様に、第2の弾性部材12を備え、また、カム溝11は、横溝11bを備え、その横溝1bには凹み11gが設けられ、カム溝11を構成する傾斜溝11aは、第1傾斜溝11eと第2傾斜溝11fとを備えており、これら構成による同様の作用効果を奏する。
【0065】
図16図19は、本発明の第四の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、固定具3を構成する部材として、第2の本体15が追加され、その第2の本体15に表示18が設けられるが、他はほぼ同様であり、第一の実施の形態と符号を統一して、異なる部分を主に説明する。
【0066】
固定具3は、第2固定材2側に配さる第2の本体15を備える。図示実施の形態においては、この第2の本体15は、第1固定材1とで第2固定材2を挟み込むことができるように、第2固定材2に当接する受け部15aを備える。詳細には、第2の本体15の下方寄りの部分が、外方に突出するようにして受け部15aが形成される。この受け部15aには、雌ねじ15bがあけられ、ボルト等の固着具16が、第2固定材2にあけられた固定孔2bを通って雌ねじ15bにねじ込まれることで、第2の本体15、ひいては固定具3は、第2固定材2に取付け固定される。
【0067】
この第2の本体15は、本体4が通される通し孔15cを備える。通し孔15cは、その通し孔15cの軸心が、本体4の収容孔4bの軸心と同一方向を向く。そこで、本体4は、第2の本体15に対し、通し孔15cの軸心回りに回動不能で、かつ、通し孔15cの軸心方向(つまり、収容孔4bの軸心方向4x)に移動可能であって、その移動により、本体4は、先端4a側(図示実施の形態においては、下端側)が通し孔15cから突出して第1固定材1の取付孔1aに挿入される突出位置(図18図19参照)と、先端4a側が通し孔15c内に隠れる(詳しくは、引き込まれて隠れる)隠れ位置(図17参照)とに移動する。
【0068】
また、本体4は、その本体4の先端4a側を向く第1被規制面4pを備え、第2の本体15は、第1被規制面4pと対向する第1規制面15dを備えて、本体4が突出位置にあるとき、第1被規制面4pが第1規制面15dに当接して、本体4のそれ以上の突出が規制される(図18図19参照)。そして、本体4は、その本体4の先端4a側とは反対側を向く第2被規制面4qを備え、第2の本体15は、第2被規制面4qと対向する第2規制面15eを備えて、本体4が隠れ位置にあるとき、第2被規制面4qが第2規制面15eに当接して、本体4のそれ以上の引き込みが規制される(図17参照)。
【0069】
詳細には、本体4は、円筒状に形成されるが、上から(つまり、本体4の先端4a側とは反対側から)、大径部4rと小径部4sとが順に並んで構成される。そこで、大径部4rに、カム溝11が形成され、小径部4sに、保持孔4cが形成される。また、大径部4rには、収容孔4bの軸心方向4xに延びる縦溝4tが形成される。そして、大径部4rから小径部4sに移る段部が、前記第1被規制面4pとなり、縦溝4t内の下側の面が、前記第2被規制面4qとなる。
【0070】
第2の本体15は、円筒状に形成され、その内側が、前記通し孔15cとなる。通し孔15cは、上下に貫通し、また、段付き孔からなって、上から、大径孔15f、中径孔15g、小径孔15hが順に並んで形成されている。そこで、本体4の大径部4rが、第2の本体15の大径孔15fから中径孔15gに渡るように入れられ、本体4の小径部4sが、第2の本体15の中径孔15gから小径孔15hに渡るように入れられる。また、第2の本体15には、その第2の本体15にあけられた孔15iに取り付けられる回動規制ピン15jが設けられる。そこで、この回動規制ピン15jが、本体4の前記縦溝4tに係合する。これによって、本体4は、第2の本体15に対し、通し孔15cの軸心回りに回動不能で、かつ、通し孔15cの軸心方向(つまり、収容孔4bの軸心方向4x)に移動可能となる。そして、中径孔15gから小径孔15hに移る段部が、前記第1規制面15dとなり、回動規制ピン15jの下側の面が、前記第2規制面15eとなる。
【0071】
また、固定具3は、他の弾性部材17を備える。他の弾性部材17は、例えば、圧縮コイルばねからなり、第2の本体15と操作体7との間に配置される。詳細には、他の弾性部材17は、第2の本体15の通し孔15c(詳しくは、大径孔15f)内において、本体4(詳しくは、大径部4r)の外側に嵌められて、通し孔15cの大径孔15fから中径孔15gに移る段部15kと、操作体7の内側天面7cとの間に配置される。そこで、他の弾性部材17により、本体4は、操作体7、補助部材9およびピン8を介すことで、前記隠れ位置に維持される。また、他の弾性部材17により、補助部材9が、本体4の先端4a側とは反対側に弾性付勢されることから、他の弾性部材17が、第一の実施の形態における第2の弾性部材12を兼ねることとなる。
【0072】
この第四の実施の形態の作用効果は、第一の実施の形態と同様であるが、加えて、固定具3が、第2の本体15を備えて、本体4は、その先端4a側が、第2の本体15の通し孔15cから突出して第1固定材1の取付孔1aに挿入される突出位置と、先端4a側が通し孔15c内に隠れる隠れ位置とに移動可能となっている。このため、使用しないときには、本体4を隠れ位置にすることで、その本体4を保護することができる。また、固定具3を、第2固定材2に取り付けた状態で、本体4を隠れ位置にすることで、本体4の先端4a側が、第2固定材2の貫通孔2aから突出しないようにすることが可能となる。このため、この第2固定材2付きの固定具3を、第1固定材1その他の適宜場所に、安定した状態で仮置きすることができる。
【0073】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第1固定材1と第2固定材2とは、板状に形成されていなくても、柱状に形成される等、どのような形状を有していてもよい。また、第1固定材1と第2固定材2とは、ベースと、そのベースに固定される冶具など、どのようなものでもよく、各種機械器具、冶具、工具、取付具その他広範囲に渡って、本発明を実施することが可能である。
【0074】
また、固定具3は、固着具13(第四の実施の形態においては、固着具16)を用いて、第2固定材2に固定されるが、固着具によって固定されていなくてもよい。
【0075】
また、カム溝11は、傾斜溝11aと横溝11bとを備え、その横溝11bに凹み11gが設けられるが、この凹み11gは、無くてもよい。また、横溝11bを備えることなく、傾斜溝11aに凹み11gが設けられてもよい。また、横溝は、カム溝11の他端部11d側に限らず、カム溝11の一端部11c側に設けられてもよい。また、傾斜溝11aは、傾斜の程度が異なる第1傾斜溝11eと第2傾斜溝11fとを備えるが、傾斜溝11a全体が、同じ傾斜角度で形成されていてもよい。
【0076】
また、固定具3は、第2の弾性部材12を備えるが、この第2の弾性部材12は、無くてもよい。
【0077】
また、第四の実施の形態においては、第一の実施の形態の固定具3に対し、第2の本体15が追加されているが、第二の実施の形態とか第三の実施の形態の固定具3に対しても、第2の本体15を追加するようにしてもよい。
【0078】
また、第一の実施の形態(第四の実施の形態を含む)の固定具3では、カム溝11が本体4に設けられて、ピン8が、収容孔4bの軸心回りに回動するとともに、収容孔4bの軸心方向4xに移動し、そのピン8の移動に伴って、補助部材9が、収容孔4bの軸心方向4xに移動するが、反対に、ピン8を本体4に取り付けるなどして、ピン8を、収容孔4bの軸心回りに回動不能で、かつ、収容孔4bの軸心方向4xに移動不能とし、補助部材9に、ピン8が係合するカム溝11を形成して、補助部材9を、収容孔4bの軸心回りに回動可能で、かつ、収容孔4bの軸心方向4xに移動可能とし、その補助部材9を、操作体7と一緒に、収容孔4bの軸心回りに回動するようにしてもよい。この構造では、操作体7がアンクランプ位置にあるとき、ピン8に案内されるカム溝11を備えた補助部材9は、本体4の先端4aから遠い側に位置し、シャフト5に設けられた掛け部5cが、補助部材9に設けられた被掛け部9aに掛けられて、シャフト5は、本体4の先端4aから遠い側に引き上げられた位置にある。このとき、シャフト5の作用面5bと取付孔1aの被押圧面1bとの間で、押圧部材6が被押圧面1bから離れる側に移動可能となって、本体4の先端4a側を、取付孔1aに対し抜き挿し可能である。そして、操作体7がクランプ位置にあるとき、ピン8に案内されるカム溝11を備えた補助部材9は、本体4の先端4aに近い側に位置し、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aから離れ、弾性部材10の弾性による付勢力が、シャフト5の作用面5bを介して押圧部材6に作用し、その押圧部材6が、取付孔1aの被押圧面1bを押圧する。
【0079】
この固定具3によると、第2固定材2側に配される固定具3の操作体7をアンクランプ位置にして、本体4の先端4a側を、第2固定材2の貫通孔2aに貫通させるとともに第1固定材1の取付孔1aに挿入する。このとき、補助部材9は、本体4の先端4aから遠い側に位置し、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aに掛けられて、この補助部材9によって、シャフト5は、本体4の先端4aから遠い側に引き上げられた位置にある。その後、操作体7を、アンクランプ位置からクランプ位置まで回動操作すると、ピン8が係合するカム溝11が形成された補助部材9は、操作体7とともに回動し、ピン8に案内されて、本体4の先端4aに近い側に移動する。このとき、シャフト5は、そのシャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aに掛けられたまま、補助部材9とともに、本体4の先端4aに近い側に移動する。このシャフト5の移動により、押圧部材6が、シャフト5の作用面5bに押されて、保持孔4c内を、取付孔1aの被押圧面1bに当たるまで移動する。押圧部材6が被押圧面1bに当たった後は、シャフト5の移動が止まり、補助部材9のみが、本体4の先端4aに近い側に移動し、これによって、シャフト5の掛け部5cが、補助部材9の被掛け部9aから離れる。そこで、弾性部材10の弾性による付勢力が、シャフト5の作用面5bを介して押圧部材6に作用し、その押圧部材6が、取付孔1aの被押圧面1bを押圧する。こうして、第2固定材2側に配された固定具3の押圧部材6が、第1固定材1の取付孔1aの被押圧面1bを押圧することで、第1固定材1と第2固定材2とは、互いに固定される。また、押圧部材6が被押圧面1bを押圧するにあたっては、シャフト5が止まって、補助部材9が、本体4の先端4aに近い側に移動することから、弾性部材10の付勢力が増加することとなり、第1固定材1と第2固定材2との固定が強固となる。
【0080】
また、図20に示すように、第1固定材1の取付孔1a(図示実施の形態においては、取付部材1cの内周面)に、奥側ほど小径となる第1テーパー部1dを設けるとともに、固定具3の本体4(図示を省略するが、第四の実施の形態においては、第2の本体15)の外周面に、先端4a側ほど小径となる第2テーパー部4uを設けて、それら第1テーパー部1dと第2テーパー部4uとの嵌め合いにより、第1固定材1と第2固定材2との相対位置の精度を高めるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 第1固定材
1a 取付孔
1b 被押圧面
2 第2固定材
2a 貫通孔
3 固定具
4 本体
4a 先端
4b 収容孔
4c 保持孔
4x 軸心方向
4y 横方向
4k 案内溝
4p 第1被規制面
4q 第2被規制面
5 シャフト
5a 先端
5b 作用面
5c 掛け部
6 押圧部材
7 操作体
8 ピン
9 補助部材
9a 被掛け部
10 弾性部材
11 カム溝
11a 傾斜溝
11b 横溝
11c 一端部
11d 他端部
11e 第1傾斜溝
11f 第2傾斜溝
11g 凹み
12 第2の弾性部材
15 第2の本体
15c 通し孔
15d 第1規制面
15e 第2規制面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図8-1】
図8-2】
図9-1】
図9-2】
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21