(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】通信ログ取得システム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/22 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
H04L12/22
(21)【出願番号】P 2022082357
(22)【出願日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】520457155
【氏名又は名称】株式会社センターモバイル
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】中越 達也
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-020977(JP,A)
【文献】特開2021-190982(JP,A)
【文献】特開2021-081841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信サービスの契約者に割り当てられる回線特定情報と、該回線特定情報が設定されている通信端末の通信の秘密が取得されることに前記通信サービスの契約者が同意した旨を示す同意情報とを関連付けた状態で保存する契約者情報保存部と、
前記契約者情報保存部に保存されている前記同意情報に基づいて、前記同意情報が関連付けられている前記回線特定情報が設定されている通信端末が利用する通信回線につなが
り且つ前記契約者の前記通信端末の通信を制御するように構成される通信経路から通信ログを取得する通信ログ取得部と、を備える、
通信ログ取得システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク上の通信ログを取得する通信ログ取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されているような、SIMカードに基づく通信を行うデバイスの通信ログである行動履歴を行動履歴管理サーバーで取得し、この行動履歴を様々な用途に用いることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のようなシステムでは、いわゆる通信の秘密が含まれており、保護されるべき行動履歴であっても行動履歴管理サーバーに一律的に取得されることが問題となる。
【0005】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、通信の秘密を含む通信ログを適切に取得できる通信ログ取得システムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信ログ取得システムは、
通信サービスの契約者に割り当てられる回線特定情報と、該回線特定情報が設定されている通信端末の通信の秘密が取得されることに前記通信サービスの契約者が同意した旨を示す同意情報とを関連付けた状態で保存する契約者情報保存部と、
前記同意情報が関連付けられている前記回線特定情報が設定されている通信端末が利用する通信回線につながる通信経路から通信ログを取得する通信ログ取得部と、を備える。
【0007】
回線特定情報が設定されている通信端末が通信を行うと、通信ログには通信端末に設定されている回線特定情報が残る。
【0008】
契約者情報保存部は、通信サービスの契約者に割り当てられる回線特定情報と、回線特定情報が設定されている通信端末の通信の秘密が取得されることに通信サービスの契約者が同意した旨を示す同意情報とが関連付けられた状態で保存しており、通信ログ取得部は、同意情報が関連付けられている回線特定情報が設定されている通信端末が利用する通信回線につながる通信経路から通信ログを取得するように構成されている。
【0009】
そのため、前記通信ログ取得システムは、通信の秘密が取得されることに同意している契約者を対象として通信ログを取得することができ、これにより、通信の秘密を含む通信ログを適切に取得できるようになっている。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の通信ログ取得システムは、通信の秘密を含む通信ログを適切に取得できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信ログ取得システムの使用環境の概要図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る通信ログ取得システムと共に使用される契約システムのブロック図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る通信ログ取得システムのブロック図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る通信ログ取得システムを利用する前に行う通信サービスの契約の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る通信ログ取得システムで通信ログを取得する前に行う通信サービスの流れを説明するためのサブフローチャートである。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る通信ログ取得システムの動作の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態にかかる通信ログ取得システムについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
通信ログ取得システム1は、例えば
図1に示すように、通信サービスを契約する契約システム2と、通信サービスの契約者ごとに割り当てられる(与えられる)回線特定情報が設定されている通信端末3(以下、契約者端末3とも称する)と、契約者端末3が通信を行う通信ネットワーク4と共に使用される。
【0014】
なお、契約システム2と通信ログ取得システム1は、通信サービスの提供者(例えば、MVNO)H1が運用するシステムであり、通信ネットワーク4は、通信事業者(例えば、MNOや、MVNE等)H2によって運用される電気通信設備である。
【0015】
また、通信サービスとは、回線特定情報ごとに指定されている通信回線の利用を許容するサービスのことであり、例えば、回線特定情報が記憶されている記憶媒体であるSIMカードを通信サービスの契約者に提供するサービスや、回線特定情報が記憶されている記憶媒体であるeSIMが搭載されている通信端末(例えば、ポケットWifi等)を通信サービスの契約者に提供するサービスのことである。通信サービスの提供者は、回線特定情報と回線特定情報に指定されている通信回線とを関連付けた状態で管理できる。
【0016】
なお、回線特定情報とは、発信番号や、FFCID、製造番号(記憶媒体自身の製造番号)、SIMカード識別子、SIM識別子等のように、契約者に提供する記憶媒体に割り当てられる固有の情報であり、且つ利用する通信回線(指定されている通信回線)を特定するための情報である。
【0017】
通信サービスの契約が成立した後、通信サービスの契約者は、SIMカードが装着された通信端末や、eSIMが搭載されている通信端末等の契約者端末を通じて回線特定情報によって特定される通信回線を利用できるようになる。
【0018】
通信ログ取得システム1の説明に先立ち、契約システム2、契約者端末3、通信ネットワーク4の説明を行う。
【0019】
契約システム2は、該契約システム2の利用者が通信サービスの契約を行うシステムである。なお、契約システム2は、通信サービス以外の種類のサービス(例えば、水道や、ガス、電気を利用するサービス等)も契約できるように構成されていてもよい。以下、契約システム2の利用者をユーザーと称する。
【0020】
契約システム2は、
図2に示すように、ユーザーが契約システム2に利用者であることを登録する(いわゆる、ユーザー登録を行う)ユーザー登録部20と、ユーザーに提供する通信サービスを選択可能に表示するサービス選択部21と、サービス選択部21で選択した通信サービスの契約手続きを行うサービス契約部22と、ユーザーがサービス契約部22を用いて契約手続きを行った通信サービスに関する決済を行うサービス決済部23と、を有する。
【0021】
ユーザー登録部20は、ユーザー登録に必要な登録情報を入力する登録情報入力部200と、登録情報を保存する登録情報保存部201と、有する。
【0022】
登録情報には、ユーザー自身の個人情報や、契約システム2にログインするために使用するログイン情報(ログインIDとして使用するID情報や、パスワード)が含まれる。個人情報とは、例えば、ユーザーの氏名、住所、生年月日等のことである。
【0023】
サービス選択部21が表示する通信サービスは、例えば、SIMカードを提供するサービスや、eSIMを搭載した通信端末を提供するサービスのように、サービスの態様によって種類が分けられる。
【0024】
また、通信サービスには、サービス内容(例えば料金や、通信容量、通信速度等)が異なる複数のプランが含まれていてもよい。
【0025】
サービス契約部22は、通信サービスの契約に必要な契約情報を入力する契約情報入力部220と、通信サービスの契約に関する確認を実行する契約確認部221と、通信の秘密を含む通信ログを取得されることについての同意をとるための契約同意部222と、を有する。
【0026】
契約情報入力部220は、契約情報としてユーザーの個人情報を入力する入力フォームを表示するように構成されている。
【0027】
本実施形態の契約情報入力部220は、入力フォームにユーザーの個人情報が自動的に入力されるように構成されている。より具体的に説明すると、契約情報入力部220は、登録情報保存部201が保存したユーザーの個人情報を取得し、該登録情報保存部201を入力フォームに自動的に入力するように構成されている。
【0028】
なお、契約情報入力部220は、ユーザーが個人情報を入力フォームに手動で入力や編集ができるように構成されていてもよい。
【0029】
契約確認部221によって実行される通信サービスの契約に関する確認とは、例えば、本人確認や、重要事項説明の確認等のことである。
【0030】
本実施形態の契約確認部221は、通信サービスの契約に関する確認事項を表示する確認事項表示部2210と、通信サービスの契約に関する確認事項を確認したことを示す確認操作をユーザーが行うための確認操作部2211と、を有する。
【0031】
確認操作部2211は、例えば、ユーザーが確認操作としてクリックするチェックボックスやボタンを表示したり、ユーザーが確認操作として自身の氏名等をサインするフォームを表示したりするように構成されている。
【0032】
契約同意部222は、確認操作部2211がユーザーによって確認操作された後に処理(動作)を開始するように構成されている。
【0033】
本実施形態の契約同意部222は、同意をとりたい事項(本実施形態では通信の秘密を含む通信ログが取得されることについての説明)を表示する同意事項表示部2220と、同意を取りたい事項(以下、同意事項と称する)に同意したことを示す同意操作をユーザーが行うための同意操作部2221と、を有する。
【0034】
同意操作部2221は、例えば、ユーザーが同意操作としてクリックするチェックボックスやボタンを表示したり、ユーザーが同意操作としてサインするフォームを表示したりするように構成されている。また、同意操作部2221は、ユーザーから同意操作を受けると、同意事項にユーザーが同意したことを示す同意情報を出力して保存するように構成されている。
【0035】
サービス決済部23は、同意操作部2221がユーザーによって同意操作された後に処理(動作)を開始するように構成されている。
【0036】
サービス決済部23による決済が完了すると通信サービスの契約が成立し、契約者(契約を成立させたユーザー)に回線特定情報が割り当てられる。
【0037】
契約者は、回線特定情報が記憶された記憶媒体や、回線特定情報が記憶された記憶媒体が搭載された通信端末を受け取ると、回線特定情報によって特定される通信回線を利用できるようになる。
【0038】
契約者は、回線特定情報が設定されている記憶媒体であるSIMカードが提供された場合、SIMカードをスマートフォン等の通信端末3に装着すると該通信端末3に回線特定情報が設定(反映)され、これにより、通信端末3(契約者端末3となった通信端末3)から回線特定情報によって特定される通信回線40(回線特定情報に指定されている通信回線40)を利用できるようになる。
【0039】
また、契約者は、回線特定情報が設定されている記憶媒体であるeSIMが搭載された通信端末3(例えばポケットWifi等)が提供された場合は、この通信端末(契約者端末3)に別の通信端末(例えばスマートフォンや、タブレット、パソコン等)を接続すれば、通信端末3を通じて別の通信端末から回線特定情報によって特定される通信回線40を利用できるようになる。
【0040】
通信ネットワーク4は、
図1に示すように、回線特定情報によって特定される通信回線(契約者端末3が利用する通信回線)40と、通信回線40につながる通信経路であり、且つ契約者端末3の通信を制御するように構成される通信制御経路部41と、を有する。
【0041】
通信制御経路部は、通信回線40を利用する契約者端末3と外部のネットワークとの通信を中継する通信中継部410(いわゆる、ルーター)と、通信路411を介して通信中継部に接続される通信先探索部412(いわゆる、DNSサーバー)と、を有する。
【0042】
通信中継部410は、契約者端末3のIPアドレスと、通信先のIPアドレスの変換を行うネットワークアドレス変換を実行するように構成されている。
【0043】
通信中継部410は、ネットワークアドレス変換を実行した際の動作ログ(いわゆるNATログ)を生成するように構成されている。動作ログは、通信回線40につながる通信経路上(通信制御経路部41内)で生成される通信ログである。
【0044】
動作ログには、契約者端末3が通信を行った日時を示す通信日時情報と、通信を行った契約者端末3に設定されている回線特定情報と、通信を行った契約者端末3に割り当てられているプライベートIPアドレスと、該プライベートIPアドレスを変換したグローバルIPアドレスと、通信先のグローバルIPアドレスと、回線特定情報が含まれる。
【0045】
動作ログに含まれるこれらの情報が通信の秘密に該当する情報となる。
【0046】
なお、動作ログの契約者端末3のプライベートIPアドレスと契約者端末3のグローバルIPアドレスは、契約者端末3を識別するための情報を変換した結果を示す変換ログを構成している。また、動作ログの契約者端末3のグローバルIPアドレスと通信先のグローバルIPアドレスは、の契約者端末3の通信先の履歴を示す通信先履歴ログを構成している。さらに、動作ログの回線特定情報は、変換ログや通信先履歴ログに関連付けられた関連ログとなっている。
【0047】
通信ログ取得システム1は、
図3に示すように、契約者に関する契約者情報を保存する契約者情報保存部10と、契約者に割り当てられている回線特定情報を保存する回線特定情報保存部11と、契約者端末3の通信ログを保存する通信ログ保存部12と、通信ログ保存部12が保存した通信ログを分析する通信ログ分析部13と、を有する。
【0048】
契約者情報保存部10は、契約者を識別するための契約者識別情報と同意情報とを関連付けた状態で契約者情報として保存するように構成されている。
【0049】
本実施形態の契約者情報保存部10は、登録情報保存部201が保存したユーザーの個人情報を取得し、該個人情報に基づいて契約者識別情報とするように構成されている。
なお、契約者情報保存部10は、個人情報をそのまま契約者識別情報として使用してもよいし、個人情報に関連付けた新たな情報を契約者識別情報としてもよい。
【0050】
また、契約者情報保存部10は、同意操作部2221によって出力及び保存された同意情報を取得するように構成されていればよい。
【0051】
回線特定情報保存部11は、通信サービスの契約者を特定する契約者特定情報と、通信サービスの契約者に割り当てた回線特定情報とを取得し、契約者特定情報によって特定される契約者と同じ契約者の契約者識別情報を有する契約者情報に回線特定情報を関連付けて保存するように構成されている。
【0052】
なお、通信事業者が所有する記憶媒体を契約者に使用させる場合、回線特定情報保存部11は、通信事業者から回線特定情報を取得するように構成されていればよいし、通信サービスの提供者が所有する記憶媒体を契約者に使用させる場合、回線特定情報保存部11は、通信サービスの提供者が管理している回線特定情報を取得するように構成されていればよい。
【0053】
通信ログ保存部12は、契約者端末3の通信ログを取得する通信ログ取得部120と、通信ログ取得部120で取得した通信ログに基づいて通信日時情報、発信番号情報、発信元情報、通信先情報を導出して抽出情報とする通信ログ抽出部121と、通信ログ抽出部121が導出した抽出情報を契約者情報に関連付けた状態で保存する通信ログ関連付部122と、を有する。
【0054】
通信ログ取得部120は、同意情報が関連付けられている回線特定情報が設定されている通信端末3(契約者端末3)が利用する通信回線40から通信ログを取得し、該通信ログを契約者の契約者情報に関連付けて保存するように構成されている。
【0055】
本実施形態の通信ログ取得部120は、通信ログの取得先を設定する取得先設定部1200と、取得先設定部1200で設定した取得先から通信ログを取得する取得実行部1201と、を有する。
【0056】
取得先設定部1200では、同意情報を含む契約者情報に関連付けられている回線特定情報によって特定される通信回線40(発信番号が通信に利用する通信回線40)につながる通信経路(通信制御経路部41)上に通信ログの取得先を設定するように構成されている。
【0057】
取得先設定部1200が通信中継部410を通信ログの取得先として設定した場合、取得実行部1201は、契約者端末3が通信を行った際に通信中継部410の動作ログ(NATログ)を取得する。
【0058】
通信ログ抽出部121は、動作ログから通信日時情報、発信番号情報、発信元情報、通信先情報を抽出した情報を抽出情報とするように構成されている。
【0059】
通信ログ抽出部121は、通信ログに含まれている通信日時情報、発信番号情報、発信元情報、通信先情報をそのまま抽出して抽出情報とするように構成されていてもよいし、通信日時情報、発信番号情報、発信元情報、通信先情報を抽出して変換した状態(例えば、通信先のグローバルIPアドレスをドメイン名に変換した状態)で抽出情報とするように構成されていてもよい。
【0060】
通信ログ関連付部122は、通信ログ抽出部121が導出した発信番号情報が示す発信番号と同じ発信番号を示す発信番号情報が関連付けられている契約者情報を探索し、通信ログ抽出部121が導出した抽出情報を契約者情報に関連付けた状態で保存するように構成されている。
【0061】
なお、契約者情報や、発信番号情報、通信ログ、抽出情報は、通信ログ取得システム1が備える記憶装置に記憶することによって保存されていてもよいし、通信ログ取得システム1に無線又は有線によって通信可能に接続される外部の記憶装置に記憶することによって保存されていてもよい。また、通信ログ取得システム1と外部の記憶装置とは、直接的に通信を行うように構成されていてもよいし、ネットワークを介して通信を行うように構成されていてもよい。
【0062】
通信ログ分析部13は、例えば、契約者情報や契約者情報に関連付けられている抽出情報に基づいて、所定の通信先への通信頻度や、所定の通信先との通信時間等の傾向を分析できるように構成されていればよい。
【0063】
本実施形態に係る通信ログ取得システム1の構成は、以上の通りである。続いて、通信ログ取得システム1の動作を説明する。
【0064】
本実施形態では、契約システム2による通信サービスの契約を行い、通信サービスの契約が成立した後から通信ログ取得システム1による通信ログの取得を開始する流れを一例に挙げて、通信ログ取得システム1の動作を説明する。
【0065】
契約システム2を利用した通信サービスの契約の流れについて説明する。
【0066】
契約システム2は、
図4に示すように、サービス選択部21がユーザーに提供する通信サービスを選択可能な状態で表示する(S1)。
【0067】
ユーザーが通信サービスを選択し(S2でYes)、通信サービスの契約手続きを開始すると(S3でYes)、契約情報入力部220での契約情報の入力が行われる(S4)。
【0068】
契約情報入力部220は、
図5に示すように、すでにユーザー登録を行っているユーザーが契約システム2にログインしている状態である場合(S5でYes)、契約情報入力部220は登録情報保存部201が保存したユーザーの個人情報を取得し、該個人情報を入力フォームに入力する(S6)。
【0069】
ユーザーがログインしていない場合(S5でNo)、ログインを促す処理を実行する(S7)。
【0070】
そして、ユーザーがログインした場合(S8でYes)、契約情報入力部220は登録情報保存部201が保存したユーザーの個人情報を取得し、該個人情報を入力フォームに入力する(S6)。
【0071】
一方で、ユーザー登録が行われておらず、ユーザーがログインできない場合は(S8でNo)、ユーザー登録部20によるユーザー登録が行われ(S9)、その後、ユーザー登録部20によるユーザー登録において登録情報入力部200で入力された後に登録情報保存部201によって保存された個人情報を契約情報入力部220が取得して入力フォームに入力する(S6)。
【0072】
このように、本実施形態の契約情報入力部220は、契約システム2のユーザー登録において登録情報保存部201によって保存された個人情報を取得して、この個人情報を入力フォームに自動的に入力するように構成されている。
【0073】
続いて、
図4に示すように、契約確認部221が通信サービスの契約に関する確認を行う(S10)。
【0074】
通信サービスの契約に関する確認では、確認事項表示部2210が確認事項を表示し、確認操作部2211がユーザーによって確認操作されたことをもって完了する(S11でYes)。
【0075】
なお、上述のように、確認操作部2211がユーザーによって確認操作されていない間は状態を遷移させず(S11でNo)、ユーザーが確認操作をしないと認められる場合は、処理を終了してもよい。
【0076】
通信サービスの契約に関する確認が完了すると(S11でYes)、契約同意部222が通信サービスの契約に関する同意(通信の秘密を含む通信ログが取得されることについての同意)をとる(S12)。
【0077】
契約同意部222が通信サービスの契約に関する同意をとる場合は、同意事項表示部2220が同意事項を表示し、同意操作部2221がユーザーによって同意操作されたことをもって同意が完了する(S13でYes)。このとき、同意操作部2221は、同意情報を出力して保存する。
【0078】
なお、上述のように、同意操作部2221がユーザーによって同意操作されていない間は状態を遷移させず(S13でNo)、ユーザーが同意操作をしないと認められる場合は、処理を終了してもよい。
【0079】
通信サービスの契約に関する同意がとれた場合は(S13でYes)、サービス決済部23が決済処理を実行する(S14)。
【0080】
サービス決済部23による決済が完了すると、通信サービスの契約が完了(成立)する。契約者(契約を成立させたユーザー)には、回線特定情報が記憶された記憶媒体や、回線特定情報が記憶された記憶媒体が搭載された通信端末3が提供される。
【0081】
これにより、契約者は、通信端末3から回線特定情報によって特定される通信回線40を利用できるようになり、通信ログ取得システム1が契約者端末3の通信ログを取得できる状態になる。
【0082】
通信ログ取得システム1は、
図6に示すように、契約者情報保存部10が契約者情報を保存し(S15)、回線特定情報保存部11が発信番号情報を保存する(S16)。
【0083】
そして、通信ログ取得部120が通信中継部410の動作ログを通信ログとして取得すると(S17でYes)、通信ログ抽出部121が通信ログ取得部120で取得した通信ログに基づいて抽出情報を作成し(S18)、通信ログ関連付部122が抽出情報を契約者情報に関連付けた状態で保存する(S19)。
【0084】
なお、
図6には図示していないが、通信ログ分析部13で通信ログの分析を行う場合は、任意のタイミングで通信ログ分析部13に抽出情報や、契約者情報等の取得と、取得した情報に基づく分析を実行すればよい。
【0085】
以上のように、本実施形態に係る通信ログ取得システム1では、契約者情報保存部10が、通信サービスの契約者に割り当てられる回線特定情報と、回線特定情報が設定されている通信端末3の通信の秘密が取得されることに通信サービスの契約者が同意した旨を示す同意情報とが関連付けられた状態で保存しており、通信ログ取得部120は、同意情報が関連付けられている回線特定情報が設定されている通信端末3が利用する通信回線40につながる通信経路から通信ログを取得するように構成されている。
【0086】
そのため、本実施形態の通信ログ取得システム1は、通信の秘密が取得されることに同意している契約者を対象として通信ログを取得するようになっており、これにより、通信の秘密を含む通信ログを適切に取得できるという優れた効果を奏し得る。
【0087】
なお、本発明に係る通信ログ取得システム1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0088】
契約システム2と通信ログ取得システム1とをひとまとめにして通信サービスの提供システムとしてもよい。
【0089】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、契約システム2は、ユーザーがパソコン等の端末を通じて利用するシステムである。
【0090】
上記実施形態において具体的に言及しなかったが、契約システム2では、サービス選択部21が通信サービスを選択可能に表示する前に、ユーザー登録部20によるユーザー登録が行われていてもよい。
【0091】
上記実施形態の契約システム2では、契約情報入力部220が個人情報を取得する処理と入力する処理を実行した後に、契約確認部221が通信サービスの契約に関する確認をとる処理を実行し、契約同意部222が通信サービスの契約に関する同意をとる処理を実行するように構成されていたが、これら3つの処理を実行する順番は特に問わないし、これら3つの処理のうちの少なくとも2つの処理が同時に実行されてもよい。
【0092】
また、サービス決済部23の決済処理は、契約情報入力部220が個人情報を取得する処理と入力する処理、契約確認部221が通信サービスの契約に関する確認をとる処理、契約同意部222が通信サービスの契約に関する同意をとる処理の全ての処理が完了した後に実行されるように構成されていればよい。
【0093】
上記実施形態の通信ログ取得部120は、通信中継部410から通信ログを取得するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、通信ログ取得部120は、通信先探索部412や通信路411や等の通信制御経路部41を構成する通信中継部410以外の電気通信設備から通信ログを取得してもよい。
【0094】
また、上記実施形態の通信ログ取得部120は、通信ログとして通信中継部410の動作ログ(NATログ)を取得していたが、この構成に限定されない。通信ログ取得部120の通信ログの取得先は、例えば、DNSログ等のNATログとは別の種類のログを通信ログとして取得するように構成されていてもよい。また、通信ログ取得部120は、種類の異なる複数の通信ログを取得する構成されていてもよく、例えば、NATログとDNSログの両方を取得するように構成されていてもよい。
【0095】
また、上記実施形態の説明では、通信ログ取得部120が変換ログ、通信履歴ログ、関連ログを取得するように構成されていることを一例に挙げていたが、この構成に限定されない。通信ログ取得部120は、例えば、通信履歴ログのみを取得するように構成されていてもよい。
【0096】
このようにする場合、通信ログ保存部12では、例えば、通信ログ抽出部121が、相互に関連付けられている状態で既に保存されている回線特定情報とプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとを参照し、通信ログ取得部120が取得した通信履歴ログを構成しているグローバルIPアドレスから回線特定情報を導出できるように構成されていればよい。
【0097】
また、通信ログ取得部120は、通信中継部410から通信履歴ログを取得するように構成されていてもよいし、通信中継部410から通信履歴ログを取得するように構成されていてもよいし、通信先探索部412や通信路411や等の通信制御経路部41を構成する通信中継部410以外の電気通信設備から通信履歴ログを取得するように構成されていてもよい。
【0098】
上記実施形態の契約システム2は、通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意したユーザーのみが、通信サービスの契約を成立させることができるように構成されていたが、この構成に限定されない。契約システム2は、例えば、通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意していないユーザーも、通信サービスの契約を成立させることができるように構成されていてもよい。
【0099】
この場合、同意操作部2221は、ユーザーが通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意しなかったことを示す非同意情報を出力して保存するように構成され、契約者情報保存部10は、同意操作部2221によって出力及び保存された非同意情報を取得するように構成されていればよい。
【0100】
このようにすれば、回線特定情報に関連付けられている契約者情報を参照すれば、契約者情報に含まれている情報が同意情報であるか非同意情報であるかを確認することによって、通信の秘密を含む通信ログを取得されることについての契約者の同意状況を把握することができる。
【0101】
また、契約システム2が通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意していないユーザーも、通信サービスの契約を成立させることができるように構成されている場合、サービス選択部21は、通信サービスのなかに、通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意していないユーザー向けのプラン(通常プラン)と、通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意しているユーザー向けのプラン(優待プラン)とを選択可能に表示してもよい。
【0102】
なお、取得先設定部1200は、同意情報を含む契約者情報に関連付けられている回線特定情報により特定される通信回線40を含む通信経路上を通信ログの取得先に設定するように構成されているため、例えば、通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意した契約者に割り当てた回線特定情報で通信を行う通信回線と、通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意していない契約者に割り当てた回線特定情報で通信を行う通信回線とが別々の通信回線になっていれば、通信の秘密を含む通信ログを取得されることに同意した契約者の通信ログのみを取得することができる。
【0103】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、通信ログ取得部120は、通信ログとして通信先探索部412(いわゆる、DNSサーバー)が生成した動作ログを取得できるように構成されていてもよい。
【0104】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、通信ログ取得部120は、通信制御経路部41から直接的に通信ログを取得してもよいし、通信制御経路部41外に記憶された通信ログを取得するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…通信ログ取得システム、2…契約システム、3…通信端末、3…契約者端末、4…通信ネットワーク、10…契約者情報保存部、11…回線特定情報保存部、12…通信ログ保存部、13…通信ログ分析部、20…ユーザー登録部、21…サービス選択部、22…サービス契約部、23…サービス決済部、40…通信回線、41…通信制御経路部、120…通信ログ取得部、121…通信ログ抽出部、122…通信ログ関連付部、200…登録情報入力部、201…登録情報保存部、220…契約情報入力部、221…契約確認部、222…契約同意部、410…通信中継部、411…通信路、412…通信先探索部、1200…取得先設定部、1201…取得実行部、2210…確認事項表示部、2211…確認操作部、2220…同意事項表示部、2221…同意操作部