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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ブロードビューヘッドランプ
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20240709BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240709BHJP
   F21V 14/00 20180101ALI20240709BHJP
   F21V 14/02 20060101ALI20240709BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240709BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20240709BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240709BHJP
【FI】
F21L4/00 510
F21L4/00 100
F21V23/00 140
F21V23/00 110
F21V14/00 200
F21V14/00 300
F21V14/02 100
H05B45/10
H05B45/37
F21Y115:10
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022539040
(86)(22)【出願日】2021-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 US2021031450
(87)【国際公開番号】W WO2021231235
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】63/022,487
(32)【優先日】2020-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523324742
【氏名又は名称】インフィニティ エックスワン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】デニス・バートケン
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0003371(US,A1)
【文献】国際公開第2019/213716(WO,A1)
【文献】特開2018-092922(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103629541(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21L 4/00
F21V 23/00
F21V 14/00
F21V 14/02
H05B 45/10
H05B 45/37
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドランプの前部に配置された第1光源と、
前記ヘッドランプの第1のサイドに配置された第2光源と、
前記ヘッドランプの第2のサイドに配置された第3光源と、
前記ヘッドランプの底部に配置された第4光源と、
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源と電気的に接続された電源と、
前記第1乃至第4光源のそれぞれを起動する照明制御モジュールと、
を有するヘッドランプであって、
前記照明制御モジュールは、第2光源、第3光源、及び第4光源のみを起動する周辺のみ照明モードを少なくとも有するヘッドランプ。
【請求項2】
前記第1光源は、前記ヘッドランプの前方の第1領域を照明するように構成され、前記第2光源は、前記ヘッドランプの側方の第2領域を照明するように構成され、前記第3光源は、前記ヘッドランプの側方の第3領域を照明するように構成され、前記第4光源は、前記ヘッドランプの下方の第4領域を照明するように構成される、請求項1記載のヘッドランプ。
【請求項3】
前記第1光源、前記第2光源、および前記第3光源によって照らされる複合ビューエリアは、少なくとも220度である、請求項2に記載のヘッドランプ。
【請求項4】
前記第1光源は、
スポットライトと、
1つ以上のフラッドライトと、
とをさらに備えた請求項1記載のヘッドランプ。
【請求項5】
前記1つ以上のフラッドライトは、前記スポットライトに隣接して配置された請求項4に記載のヘッドランプ。
【請求項6】
前記第1光源は、1つ以上のナイトビジョンライトをさらに備えた請求項4に記載のヘッドランプ。
【請求項7】
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源のうちのいずれか1つは、個別にまたは前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源のうちのいずれか1つ以上と組み合わせて作動および操作できる、請求項1に記載のヘッドランプ。
【請求項8】
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源は、調光可能である、請求項1に記載のヘッドランプ。
【請求項9】
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源の各々は、前記ヘッドランプのハウジングの別々のコンパートメント内に収容され、各コンパートメントは、前記ハウジングの外部の領域から1つまたは複数のレンズによって分離されている請求項1に記載のヘッドランプ。
【請求項10】
前記1つ以上のレンズは、前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源によって出力される水平および垂直照明およびビーム距離の度合いを増加させるように構成される、請求項9に記載のヘッドランプ。
【請求項11】
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源の光出力は、100ルーメンから650ルーメンの範囲である、請求項1に記載のヘッドランプ。
【請求項12】
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源の各々は、少なくとも1つのLEDを含む請求項1に記載のヘッドランプ。
【請求項13】
前記電源は乾電池である請求項1に記載のヘッドランプ。
【請求項14】
前記電源は充電式バッテリである請求項1に記載のヘッドランプ。
【請求項15】
ヘッドランプの前方の第1領域を照らすように構成された第1光源と、
前記ヘッドランプの下方の第2領域を照らすように構成された第2光源と、
前記第1光源および前記第2光源に対して電気的に接続された電源と、
前記電源のリアルタイム電圧をモニタリングする電圧センサと、
前記ヘッドランプの動きをモニタリングする慣性力センサと、
前記リアルタイム電圧と前記動きの少なくとも一方に基づいて、前記第1光源及び前記第2光源の少なくとも一方について、減光モードを起動する照明制御モジュールと、
を備えたヘッドランプ。
【請求項16】
前記第1光源および前記第2光源は、前記ヘッドランプのハウジングの別々のコンパートメント内に収容され、各コンパートメントは、1つまたは複数のレンズによって前記ハウジングの外部の領域から分離されている、請求項15に記載のヘッドランプ。
【請求項17】
ハウジングと
ヘッドランプの前方の第1領域を照らすように、第1レンズを含む第1コンパートメントに配置された第1光源と、
前記ヘッドランプの側方の第2領域を照らすように、第2レンズを含む第2コンパートメントに配置された第2光源と、
前記ヘッドランプの側方の第3領域を照らすように、第3レンズを含む第3コンパートメントに配置された第3光源と、
前記第1光源、前記第2光源、および前記第3光源と電気的に接続された電源と、を備えたヘッドランプであって、
前記第1光源、前記第2光源、および前記第3光源によって照らされる合計領域が、前記ヘッドランプの装着者の周辺視野の全域を含むヘッドランプ。
【請求項18】
前記ヘッドランプの第1の周辺側への第3の領域を照らすように構成された第3光源と、前記ヘッドランプの第2の周辺側への第4領域を照らすように構成された第4光源とをさらに含む、請求項15に記載のヘッドランプ。
【請求項19】
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、及び前記第4光源のいずれか1つは、個別に又は前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、及び前記第4光源のいずれか1つ以上と組み合わせて及び操作できる、請求項18に記載のヘッドランプ。
【請求項20】
前記ヘッドランプの下方の第4領域を照明するように構成された第4光源をさらに備える、請求項17に記載のヘッドランプ。
【請求項21】
前記電源のリアルタイム電圧を監視するように構成された電圧センサと、
ヘッドランプの動きを監視するように構成された慣性センサと、
前記リアルタイム電圧及び前記動きの少なくとも一方に基づいて、前記第1光源及び前記第4光源の少なくとも一方のために調光モードを開始するように構成された照明制御モジュールと、
をさらに備えた請求項20に記載のヘッドランプ。
【請求項22】
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、及び前記第4光源のいずれか1つは、個別に又は前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、及び前記第4光源のいずれか1つ以上と組み合わせて動作することができる、請求項20記載のヘッドランプ。
【請求項23】
前記第1光源、前記第2光源、前記第3光源、および前記第4光源は、調光可能である、請求項22に記載のヘッドランプ。
【請求項24】
前記第1光源は、スポットライトと1つ以上のフラッドライトとを含む、請求項15に記載のヘッドランプ。
【請求項25】
前記第1光源は、スポットライトと1つ以上のフラッドライトとを含む、請求項17に記載のヘッドランプ。
【請求項26】
前記電源のリアルタイム電圧を監視するように構成された電圧センサと、
前記ヘッドランプの動きを監視するように構成された慣性センサと、
前記リアルタイム電圧および前記動きの少なくとも一方に基づいて、前記第1光源および前記第4光源の少なくとも一方を減光モードにするように構成された照明制御モジュールと、
をさらに備えた請求項1に記載のヘッドランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の照明機能を備えたヘッドランプに関する。より具体的には、本発明は、様々な領域を照明するための複数の照明モードを有するマルチモードヘッドランプに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドランプは、ユーザの頭部に装着され、ハンズフリーで周りを照らすものである。従来のヘッドランプは、典型的には、スポット照明(スポットビーム)および/または投光照明(フラッドビーム)であり、ユーザの前方の領域を照らす。一例として、Petzlによる特許文献1は、光ビームを放射するための少なくとも1つの発光ダイオードを備える発光モジュールと、ダイオードの固定接続部と、光ビームの視覚化角度を変化させるためにダイオードの前で動作する光学集束デバイスとを備える携帯照明ランプを開示している。光学的集束デバイスは、ダイオードの光放射フィールドの外側に位置する非アクティブ位置または光ビームがレンズを通過するアクティブ位置のいずれかを占めるように設計された旋回支持体または回転ノブに取り付けられた1つまたは複数のフレネルレンズによって構成されることが好ましい。それにより、短い距離で広い照明または長い距離で狭い照明を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許7226190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のヘッドランプは、前方に向ける照明でしかなく、周辺部や下方に向けた照明とはならない。そのため、ユーザは頭を動かしてスポット/フラッドビームの方向を変え、関心のあるエリアを照らす必要がある。従来のヘッドランプの周辺照明の欠点を解決するために、広角ヘッドランプは、広角の照明を提供するように設計されている。広角ヘッドランプは、フレキシブルな帯状またはバンドに沿って配置された多数のLEDライトを含み、前方および周辺を照らす広角の連続照明を提供する。広角ヘッドランプは、より広い範囲を照らすことができるが、1つまたは複数のライトを停止して、前方のみまたは周辺のみの照明など、さまざまな照明効果を生み出す機能はもっていない。さらに、広角ヘッドランプは、反射板やレンズを使用して指向性のある照明、すなわち焦点を絞った照明を提供することはない。代わりに、LEDのストリップは、焦点の合っていない広い光の広がりを投射するだけである。さらに、従来のヘッドランプと同様に、広角ヘッドランプは、前方指向の照明に加えて使用できる下方指向の照明の機能を提供しない。
【0005】
上記に基づき、ユーザの全体的な視認能力を向上させるために、前方に配置された照明、遠方周辺照明、および/または下方に配置された照明の任意の望ましい組み合わせを提供するヘッドランプが、当技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、ヘッドランプは、ヘッドランプの前部に配置された第1光源と、ヘッドランプの右側に配置された第2光源と、ヘッドランプの左側に配置された第3光源と、ヘッドランプの底部に配置された第4光源と、第1光源、第2光源、第3光源、および第4光源と電気通信している電源と、を含む。第1光源は、ヘッドランプの前方の領域を照明するように構成され、第2光源は、ヘッドランプの右側の領域を照明するように構成され、第3光源は、ヘッドランプの左側の領域を照明するように構成され、第4光源は、ヘッドランプの下方の領域を照明するように構成される。一例として、第1光源、第2光源、および第3光源によって照らされる複合ビューエリアは、少なくとも220度である。
【0007】
一例として、第1光源は、スポットライトおよび1つ以上のフラッドライトを含む。一例として、1つ以上のフラッドライトは、スポットライトに隣接して配置される。さらなる一例として、第1光源は、1つ以上のナイトビジョンライトも含む。
【0008】
一実施形態では、光源のいずれか1つを個別に、または残りの光源のいずれか1つ以上と組み合わせて動作させることができる。
【0009】
一例として、第1光源、第2光源、第3光源、および第4光源は、調光可能である。
【0010】
一実施形態では、第1光源、第2光源、第3光源、および第4光源の各々は、ヘッドランプのハウジングの別々のコンパートメント内に収容され、各コンパートメントは、1つまたは複数のレンズによってハウジングの外部の領域から分離されている。つ以上のレンズは、第1光源、第2光源、第3光源、および第4光源によって出力される水平および垂直の照明およびビーム距離の程度を増加させるように構成される。
【0011】
一例として、第1光源、第2光源、第3光源、および第4光源の光出力は、100ルーメンから650ルーメンの範囲である。
【0012】
一実施形態では、第1光源、第2光源、第3光源、および第4光源の各々は、少なくとも1つのLEDで構成されている。
【0013】
一例として、電源は、少なくとも1つの乾電池を含む。さらに、または代替的に、電源は、少なくとも1つの充電式電池を含む。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、ヘッドランプは、ヘッドランプの前部に配置された第1光源と、ヘッドランプの下部に配置された第2光源と、第1光源および第2光源と電気的に通信している電源と、を含んでいる。第1光源は、ヘッドランプの前方の領域を照明するように構成され、第2光源は、ヘッドランプの下方の領域を照明するように構成される。一例として、第1光源および第2光源は、ヘッドランプのハウジングの別々のコンパートメント内に収容され、各コンパートメントは、1つまたは複数のレンズによってハウジングの外部の領域から分離されている。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、ヘッドランプは、ハウジングと、ヘッドランプの前部に配置された第1光源と、ヘッドランプの右側に配置された第2光源と、ヘッドランプの左側に配置された第3光源と、第1光源、第2光源、および第3光源と電気的に通信している電源と、を含む。第1光源は、ヘッドランプの前方の領域を照明するように構成され、第2光源は、ヘッドランプの右側の領域を照明するように構成され、第3光源は、ヘッドランプの左側の領域を照明するように構成される。第1光源、第2光源、および第3光源の各々は、ハウジングの別々のコンパートメント内に収容され、各コンパートメントは、1つまたは複数のレンズによってハウジングの外部の領域から分離される。第1光源、第2光源、および第3光源の組み合わせは、光学レンズの組み合わせとともに、ヘッドランプが、少なくとも、人間の目の遠方周辺視野の外側境界、すなわち、中心から左右に110度まで延びる視界領域を照明することを可能にする。このため、ヘッドランプが照らす視界の総和は、少なくとも220度以上となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る広視野角ヘッドランプの正面立面図である
図2】本発明の一実施形態に係る広視野角ヘッドランプの上面正面斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る広視野角ヘッドランプの後底面斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による、ヘッドストラップが取り付けられた広視野角ヘッドランプの上面斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るヘッドストラップを取り付けた広視野角ヘッドランプの後底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、詳細な説明において、本書の一部を構成する添付図面を参照し、その中に実施され得る実施形態を例示的に示す。他の実施形態が利用されてもよく、範囲から逸脱することなく構造的または論理的な変更がなされてもよいことが理解されるであろう。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味でとられるものではなく、実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義されるものである。
【0018】
様々な操作は、実施形態の理解に役立つような方法で、複数の個別の操作として順番に記述されることがあるが、記述の順序は、これらの操作が順序に限定されることを意味するように解釈されるべきではない。
【0019】
なお、本明細書では、上下、前後、左右、上下のような視点に基づく記述を用いてもよい。このような記述は、単に議論を容易にするために用いられるものであり、開示される実施形態の適用を制限することを意図するものではない。
【0020】
「結合」および「連結」という用語は、その派生語も含めて使用することができる。これらの用語は、互いの同義語として意図されていないことを理解されたい。むしろ、特定の実施形態では、「連結」は、2つ以上の要素が互いに直接物理的に接触していることを示すために使用されてもよい。「結合」は、2つ以上の要素が直接物理的に接触していることを意味してもよい。しかしながら、「連結」は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでもなお互いに協力または相互作用することを意味してもよい。
【0021】
本明細書において、「A/B」の形式または「Aおよび/またはB」の形式の語句は、(A)、(B)、または(AおよびB)を意味する。本明細書において、「A、B、およびCの少なくとも1つ」という形式の語句は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、BおよびC)を意味する。本明細書において、「(A)B」という形式の語句は、(B)または(AB)、すなわち、Aは任意要素であることを意味する。
【0022】
本明細書では、「実施形態」という用語を使用することがあり、これらはそれぞれ、同じまたは異なる1つ以上の実施形態を指すことがある。さらに、実施形態に関して使用される用語「備える」、「含む」、「有する」などは、同義である。
【0023】
本発明の好ましい実施形態およびその利点は、図1~5を参照することによって理解され得るが、ここで、同様の参照数字は同様の要素を指す。
【0024】
図1~5を参照すると、ヘッドランプ5は、それぞれが1つ以上の光源35、40、45、50、52、55を収容する複数の照明コンパートメント15、20、25、30を有するハウジング10を含んでいる。光源35、40、45、50、52、55は、好ましくは、1つまたは複数のLEDで構成される。実施形態では、照明コンパートメント15、20、25、30の1つ以上は、LED(複数可)に加えて、LED(複数可)によって生成された光を集めてヘッドランプ5に隣接する領域、例えば、前、横、後ろ、および/または下に向けるための1つ以上の反射器を含む。 さらに、各照明コンパートメント15、20、25、30は、光源35、40、45、50、52、55による光出力の水平および垂直照明とビーム距離との度を高めるよう構成されている光レンズ60、65、70、75を含む。光源35、40、45、50、52、55の配列は、リフレクタおよび光学レンズ60、65、70、75と共に、ヘッドランプ5が、少なくとも、人間の目の遠方周辺視野の外側境界、すなわち、中心から左右に110度まで延びる視界領域を照明することを可能にする。したがって、一般的に約30度の視界領域を照らす従来のヘッドランプとは対照的に、ヘッドランプ5によって照らされる全視界領域は、少なくとも220度である。
【0025】
ハウジング10は、バッテリコンパートメント(図示せず)および照明コンパートメント15、20、25、30を含むがこれらに限定されない。ハウジング10は、内部への液体の浸入を防止するように設計されている。所望の用途に応じて、ハウジング10は、水がハウジング10に侵入するリスクなしに、所定の条件、例えば、水しぶき、噴霧などに従って水にさらされることができるように、ある程度の耐水性を有するように設計されてもよい。あるいは、ハウジング10は、水がハウジング10に入る危険性なしに、ハウジング10をあらかじめ規定された深さまで完全に水中に沈めることができるような、完全な耐水性を有するように設計されてもよい。
【0026】
光源35、40、45、50、52、55は、所望の照明効果に応じて、個別にまたは他の光源35、40、45、50、52、55のうちの1つ以上と組み合わせて動作させることができる。例えば、光源35は、ヘッドランプ5の前方に集束ビーム、すなわちスポットビーム、照明を提供するために動作させることができ、光源40は、ヘッドランプ5の前方に広ビーム、すなわちフラッドビーム、照明を提供するために動作させることができ、光源45は、ナイトビジョン照明、例えば、光源50、52は、ヘッドランプ5の側面/後部に広角、すなわち遠方周辺照明を提供するために動作させることができ、または光源55は、ヘッドランプ5の下方に下向きに配置された照明を提供するために動作させることができる。さらに、光源35、40、45、50、52、55は、ユーザの特定の環境ニーズに基づき、独自の照明オプションを提供するために、任意の組み合わせで動作させることができる。例えば、ヘッドランプ5がユーザの頭の前部に配置されている状態で、ユーザが自分の周辺と地表のエリアのみを照らしたい場合、ユーザは光源50、52、55のみを動作させることができる。別の例として、ユーザがユーザの前方の領域および地表の領域のみを照明したい場合、ユーザは、光源35/40の一方または両方を光源55と組み合わせて動作させることができる。さらに別の例として、ユーザが自分自身の前方の領域とその周辺の領域のみを照明したい場合、ユーザは、光源35/40の一方または両方を光源50、52と組み合わせて動作させることができる。これらの例は、説明のためのものであり、本発明の照明能力を特定の照明の組み合わせに限定するものとして解釈されるべきではない。
【0027】
多機能スイッチ80,85は、ヘッドランプ5の電源のオン/オフや操作に用いられる。好ましい実施形態では、図に示すように、スイッチ80,85は押しボタン式スイッチである。電子機器を操作するためのスイッチは、当業者に既知であり、図示のような方法以外の多くの方法で具現化することができる。そのため、本発明の範囲から逸脱することなく、他のタイプのスイッチ(図示されているもの以外)を本発明で採用することも可能である。
【0028】
電源が入ると、スイッチ80、85は、例えば、照明モードの切り替え、スイッチ80、85の動作/機能のロック/アンロック、光源35、40、45、50、52、55の調光、ヘッドランプ5の電源を切るための電源オフタイマー(例えば、15分、30分、1時間、2時間、など)の設定、などの様々な機能のために使用され得る。一例としては、スイッチ80、85の機能は、あらかじめ定められた動作シーケンス、例えば、スイッチ80、85の一方または両方の3秒間のプレス(またはタッチ)アンドホールド、シングルプレス(またはタップ)アンドリリース、によって実行される。あるいは、スイッチ80、85のいずれか一方を、高速ダブルプレス(またはタップ)アンドリリースもしくはホールドに基づいて実行されてもよい。また例えば、スイッチ80、85は、スイッチ80、85の一方または両方の3秒間のプレス(またはタッチ)アンドホールドに基づいて、ヘッドランプをパワーオン/オフするように構成されてもよい。電源が入ると、スイッチ80の一回のプレス(またはタッチ)アンドホールドは、照明モードをトグルまたは切り替えるように構成されてもよく、一方、スイッチ85のシングルプレス(またはタッチ)アンドホールドは、電源オフタイマーを設定するように構成されてもよい。同様に、スイッチ80の高速ダブルプレス(またはタップ)アンドホールドは、スイッチ80、85の動作をロック/アンロックするように構成されてもよく、一方、スイッチ85の高速ダブルプレス(またはタップ)ホールドは、現在作動中の光源35、40、45、50、52、55を暗くする(または現在調光設定であれば照明を全輝度まで戻す)ように構成されてもよい。前述の例は、説明のためにのみ提供され、いかなる形でも本発明の範囲を限定することを意図していない。スイッチ80、85は、所望の機能を達成するために、任意の方法であらかじめ構成することができる。同様に、ヘッドランプ5の様々な機能を実行するために、追加のスイッチ(図示せず)を追加することもできる。
【0029】
光源35、40、45、50、52、55およびスイッチ80、85は、ヘッドランプ5内の照明制御モジュール(図示せず)と電気的に通信している。照明制御モジュールは、スイッチ80、85を経由して入力されたユーザコマンドを受信し、解釈し、実行するように構成される。スイッチを用いて装置を動作させるための回路および他の機構は、当業者に知られており、多くの方法で実施することができる。そのような任意の回路または機構を、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明と共に使用することができる。
【0030】
照明制御モジュールは、電池(図示せず)と電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、ヘッドランプ5は、1つの電池タイプのみ、例えば、単回使用電池(すなわち、ドライセル電池)または充電式電池(例えば、リチウムイオン電池)から電力を受け取るように構成されてもよい。あるいは、ヘッドランプ5は、デュアルパワー、またはハイブリッドパワーのデバイスとして構成されてもよく、それによって、複数の電池タイプ、例えば、単一使用(すなわち、ドライセル)電池または充電式電池(例えば、リチウムイオン電池)から電力を供給されるよう構成される。再充電可能な電池を採用する実施形態では、充電ドックまたは他の充電装置/技術(図示せず)が、電池を再充電するために使用されてもよい。充電は、有線充電および/または誘導充電を含むがこれらに限定されない、当技術分野で知られている任意の既知の技術によって達成されてもよい。
【0031】
光源35、40、45、50、52、55の動作温度を許容動作温度に保つために、ヒートシンクアセンブリ(図示せず)が必要とされる場合がある。LEDヒートシンクの更なる開示は、当業者に既知であるため、必要ないと考えられる。任意の既知のヒートシンク方法および/または構成が、本発明と共に使用され得る。
【0032】
パネル90は、ヒンジ95によってヘッドランプ5の後部に結合され、パネル90が開位置と閉位置との間で移行することを可能にする。閉位置では、ヒンジ95に対向するパネル90の端部は、例えば、図のような開閉自在な係合部を用いてヘッドランプの後部に解放可能に係合して、パネル90を閉位置に固定する。パネル90が開放位置になると、バッテリコンパートメント(図示せず)へアクセス可能となり、および/または図4~5に示すように、ヘッドバンド100のヘッドランプ5への/からの結合または連結解除が容易になる。
【0033】
好ましい実施形態では、図4~5に示すように、ヘッドランプ5は、ヘッドランプ5を使用者の頭部に固定するためのヘッドバンド100を含む。ヘッドバンド100は、調節可能であり、ユーザ(図示せず)の頭部を包囲するように構成され、それによって、ユーザの頭部にヘッドランプ5を支持する。ヘッドバンド100のサイズは、ロック機構によって、ユーザの頭部に適合するように所望の直径で固定され得る。ヘッドバンド100を所望の大きさで固定するような様々な固定機構は、当業者にはよく知られている。したがって、本発明は、任意の特定の固定機構に限定されるものではない。実施形態では、ヘッドバンド100は、調節可能な、頭上支持、バンド(図示せず)を有する。ヘッドバンド100の固定機構と同様に、オーバーザヘッドサポートを保持するために使用される固定機構は、当業者によく知られている。したがって、本発明は、任意の特定の固定機構に限定されない。ヘッドバンド100を使用する代わりに、ヘッドランプを物体(図示せず)、例えば、アイウェア(眼鏡、ゴーグル等)、帽子等に、当業者に周知の様々な固定機構を用いて固定してもよい。したがって、ヘッドランプ5は、ヘッドバンド100との使用に限定されるものとして解釈されるべきではない
【0034】
様々な例として、ヘッドランプ5は、1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含む。例示的なセンサは、周囲光センサ、慣性センサ(例えば、加速度センサおよび/またはジャイロセンサ)、運動センサ(例えば、PAIRセンサ、マイクロ波センサ等)、熱センサ、電圧検出センサ、距離センサ、またはヘッドランプ5の状態または外部の状態の変化を検出するために使用できる任意の他のセンサを含むが、これらに限定されるものではない。センサは、制御モジュールと電気的に通信しており、制御モジュールは、センサ(複数可)からリアルタイムデータを受信し、ヘッドランプ5の照明条件/動作をリアルタイムで直観的に開始/調整するように構成されている。例えば、センサ(複数可)から受信したデータに基づいて、制御モジュールは、1つ以上の光源35、40、45、50、52、55の強度/出力を調整し、照明モードを開始または調整し、低電力スタンバイモードを開始し、スタンバイ/スリープモードからヘッドランプ5を「起動」するなど、構成されてもよい。
【0035】
様々な例として、制御モジュールは、センサから受信したデータおよび制御モジュールのメモリに記憶されたあらかじめプログラムされた論理に基づいて、ヘッドランプ5の照明設定を開始および/または調整するように構成されている。例えば、一例として、制御モジュールは、センサ(複数可)から受信したデータをメモリに記憶された1つ以上の閾値と比較するように構成され、制御モジュールは、閾値(複数可)が満たされるか、または超えた場合にのみ、照明装置出力モードおよび1つ以上の光源35、40、45、50、52、55の強度を調節するように構成される。さらに、センサ(複数可)は、動きを検出するための1つ以上の閾値であらかじめプログラムされていてもよく、センサ(複数可)は、閾値(複数可)が満たされるか、または超えたときにのみ、制御モジュールにデータを送信するように構成されている。
【0036】
多目的照明装置の外部の光強度を検出および測定するために、周囲光センサが使用されてもよい。実施形態では、制御モジュールは、照明出力モードを選択および調整し、周囲光センサデータに応答するパルス幅変調輝度制御を用いて1つ以上の光源35、40、45、50、52、55を起動し強度を調整するように構成されたプログラム論理を含む。
【0037】
慣性センサおよび/または運動センサは、ヘッドランプ5のまたは外部の運動を検出するために使用されてもよい。一例として、ヘッドランプ5の動きまたはヘッドランプ5の外部の動きが、あらかじめ設定された時間の間、検出されない場合、制御モジュールは、スタンバイモードを開始するように構成される。スタンバイモードの開始時に、制御モジュールは、現在の状態設定を保存し、1つ以上のセンサ、例えば、慣性センサ、運動センサ、および/または周囲光センサを除く全ての周辺機器を無効にするように構成されてもよい。スタンバイモード中に、あらかじめ設定された時間に、動きが検出された場合、制御モジュールは、動作モードを開始するように構成される。一例として、動作モードは、スタンバイモードの開始の直前に使用されている照明モードであってもよい。一例として、制御モジュールは、スタンバイモード中に制御モジュールが低バッテリ状態を検出した場合、スタンバイモードを中断させるように構成されてもよい。さらなる例において、低バッテリ状態の検出によりスタンバイモードが中断される場合、制御モジュールは、スタンバイモードの中断時に減光ロックモードを開始するように構成されてもよい。
【0038】
一例として、制御モジュールは、ユーザのジェスチャー(例えば、手を振る、ぶつかるなど)および/またはヘッドランプ5の外部の条件(例えば、周囲の光レベルの変化など)を示すセンサデータに応答して、照明出力をリアルタイムで修正する(例えば、照明モードの開始、照明モードの変更、照明強度の変更など)ことが可能でもよい。一例として、制御モジュールは、センサから受け取ったデータの分析に基づいて、ジェスチャーの発生またはヘッドランプ5の外部の条件の変化を特定するようにあらかじめプログラムされたロジックを含んでもよい。
【0039】
電圧検出センサは、バッテリのリアルタイムの電圧レベルを監視するために使用されてもよい。制御モジュールは、電圧検出センサから受け取ったリアルタイムのバッテリ電圧情報を、メモリに格納されたバッテリ閾値と比較して、現在の動作モードを調整する必要があるかどうかを判断するように構成されている。一例として、制御モジュールは、制御モジュールによって測定された残りのバッテリ寿命に基づいて、ヘッドランプ5の電力消費を自動的に調整するように構成されてもよい。一例として、制御モジュールは、低バッテリ状態が検出された場合、減光モードを開始するように構成されてもよい。低バッテリ状態が検出された場合、制御モジュールは、低バッテリ状態をユーザに示すために、視覚および/または音声インジケータ、例えば、低バッテリライトおよび/または可聴ビープ音を動作させるように構成されている。
【0040】
距離/近接センサは、近くの物体を検出し、ターゲットまでの距離を決定するために使用されてもよい。センサによって決定されたターゲットまでの距離に基づいて、制御モジュールは、光強度を増加または減少させるように構成される。例えば、光(複数可)が、ユーザによって読まれている近接マニュアルに向けられた場合、制御モジュールは、センサからの近接情報に基づいて、光強度を減少させ、広がりを増加させるであろう。あるいは、光が遠くの標的に向けられている場合、制御モジュールは、遠くの標的に光を集中させるために、センサからの近接情報に基づいて、光強度を増加させ、広がりを減少させるであろう。距離センサは、当該技術分野で知られている任意の測定検出手段(例えば、レーザー、音波など)を用いてターゲットに対して測定を実行してもよい。
【0041】
本発明は、本明細書において、例示のみを目的とした特定の実施形態を使用して説明されてきた。しかしながら、当業者であれば、本発明の原理を他の方法で具体化することができることは容易に理解されよう。同様に、本明細書に開示された本発明の特徴、機能、および/または要素は、本発明の様々な実施形態を作り出すために任意の組み合わせで使用できることが容易に明らかであろう。したがって、本発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に範囲が限定されるとみなされるべきではなく、代わりに、以下の請求項に完全に見合った範囲であるとみなされるべきである。
【0042】
関連アプリケーションとの相互参照
本出願は、2020年5月9日に出願された「BROAD VIEW HEADLAMP」と題する米国仮特許出願第63/022,487号の優先権を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5