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特許7517742通報システム、通報方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】通報システム、通報方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20240709BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20240709BHJP
   G08B 21/22 20060101ALI20240709BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240709BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/10 D
G08B21/22
G08B21/00 U
G08B25/04 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023001562
(22)【出願日】2023-01-10
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳史
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-015506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0065504(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0088104(US,A1)
【文献】特開2008-168714(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0094279(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0020035(KR,A)
【文献】特開2005-192118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R16/00-17/02
21/00-21/13
21/34-21/38
25/00-99/00
G08B19/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に乗員が置き去りにされていることを通報する通報システムであって、
前記車両内に、当該車両とは独立して配置される通報装置と、
交換装置と、を備え、
前記通報装置は、
前記車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、当該通報装置の動作モードを待機モードから通報モードに移行させるモード制御部と、
前記通報モード時に、前記車両内の前記乗員を検知する検知部と、
前記検知部が前記乗員を検知すると、前記交換装置に乗員置去通知を送信するとともに、外部の通信装置からのデータを受信可能な通信部と、を備え、
前記交換装置は、
前記乗員置去通知を受信すると、当該乗員置去通知の送信元の前記通報装置に対応づけて管理する前記通信装置に通報を行う通報部と、
前記通信装置が応答すると、当該通信装置と前記通報装置とをデータ送受信可能に接続する接続部と、を備える、通報システム。
【請求項2】
請求項1記載の通報システムであって、
前記モード制御部は、前記通報モードに移行後、前記検知部が前記乗員を検知しない状態で予め定めた第二期間経過した場合、前記動作モードを前記待機モードに移行させる、通報システム。
【請求項3】
請求項1記載の通報システムであって、
前記通信装置と前記通報装置との間で送受信されるデータは、音声データであり、
前記接続部は、前記通信装置が応答すると、当該通信装置と前記通報装置とを通話可能に接続する、通報システム。
【請求項4】
請求項3記載の通報システムであって、
前記通信装置は、1以上の電話機であって、
前記接続部は、応答があった前記電話機それぞれと前記通報装置とを通話可能に接続する、通報システム。
【請求項5】
請求項1記載の通報システムであって、
前記通報装置は、前記待機モードに移行すると、緊急通報指示を受け付ける緊急通報ボタンを表示させ、
前記緊急通報ボタンを介して前記緊急通報指示を受け付けると、前記通信部は、前記交換装置に前記乗員置去通知を送信する、通報システム。
【請求項6】
請求項1記載の通報システムであって、
前記通報部は、前記通信装置に通報後、当該通信装置からの応答のない状態で予め定めた第三期間経過した場合、前記通信装置とは異なる、予め定めた緊急通報先に通報する、通報システム。
【請求項7】
車両内に、当該車両とは独立して配置される通報装置と交換装置とを備える通報システムにおける通報方法であって、
前記通報装置が、
前記車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、当該通報装置の動作モードを待機モードから通報モードに移行させ、
前記通報モード時に、前記車両内の乗員を検知すると、前記交換装置に乗員置去通知を送信し、
前記交換装置が、
前記乗員置去通知を受信すると、予め当該乗員置去通知の送信元の前記通報装置に対応づけて管理する通信装置に通報を行い、
前記通信装置が応答すると、当該通信装置と前記通報装置とをデータ送受信可能に接続する、通報方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通報システム、通報方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通園バス等の車両内に、幼児等の乗員が置き去りにされる事故が多発している。乗員の置き去りを早期発見するため、通園バス等の車内にセンサを設置し、適切な状況下で、幼児等の乗員が置き去りにされていることを検出し、警報を発出するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2021/199122号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0005】
特許文献1に開示の技術では、乗員の検出の開始、終了条件として、車両に備えられた各種のセンサからの信号を用いる。したがって、必ずしも、全ての車種、車両に搭載できるものではない。
【0006】
必要なセンサが備えられていない車両では、依然として車両に防犯ブザーを設置したり、窓を開けたり、といった対策しかできない。しかし、窓の開け忘れなどで外部に聞こえないというリスクがある。
【0007】
また、特許文献1に開示の技術では、置き去りを検出した場合であっても、アラームを発したり、外部に通報したりするのみであって、通報を受けた側と置き去りにされた乗員とのコミュニケーションをとることはできない。このため、置き去りが確実に通報先に伝わっているかは定かではなく、乗員の不安も払拭されない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、車両を問わず設置でき、適切な状況下で通報できるとともに、通報の伝達の確度を高め、置き去りにされた乗員に安心感を与えることに貢献する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の視点によれば、
車両内に乗員が置き去りにされていることを通報する通報システムであって、
前記車両内に、当該車両とは独立して配置される通報装置と、
交換装置と、を備え、
前記通報装置は、
前記車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、当該通報装置の動作モードを待機モードから通報モードに移行させるモード制御部と、
前記通報モード時に、前記車両内の前記乗員を検知する検知部と、
前記検知部が前記乗員を検知すると、前記交換装置に乗員置去通知を送信するとともに、外部の通信装置からのデータを受信可能な通信部と、を備え、
前記交換装置は、
前記乗員置去通知を受信すると、当該乗員置去通知の送信元の前記通報装置に対応づけて管理する前記通信装置に通報を行う通報部と、
前記通信装置が応答すると、当該通信装置と前記通報装置とをデータ送受信可能に接続する接続部と、を備える、通報システムが提供される。
【0010】
本発明の第二の視点によれば、
車両内に、当該車両とは独立して配置される通報装置と交換装置とを備える通報システムにおける通報方法であって、
前記通報装置が、
前記車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、当該通報装置の動作モードを待機モードから通報モードに移行させ、
前記通報モード時に、前記車両内の乗員を検知すると、前記交換装置に乗員置去通知を送信し、
前記交換装置が、
前記乗員置去通知を受信すると、予め当該乗員置去通知の送信元の前記通報装置に対応づけて管理する通信装置に通報を行い、
前記通信装置が応答すると、当該通信装置と前記通報装置とをデータ送受信可能に接続する、通報方法が提供される。
【0011】
本発明の第三の視点によれば、
コンピュータに、
当該コンピュータが置かれた車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、当該コンピュータの動作モードを待機モードから通報モードに移行させる手順と、
前記通報モード時に、前記車両内の乗員を検知すると、乗員置去通知を送信する手順と、
前記通報モード時に、予め定めた第二期間、前記乗員を検知しない場合、前記動作モードを前記待機モードに移行させる手順と、を実行させるためのプログラムが提供される。
【0012】
本発明の第四の視点によれば、
コンピュータに、
通報装置から乗員置去通知を受信すると、送信元の前記通報装置に対応づけて管理する通信装置に通報を行う手順と、
通報した前記通信装置が応答すると、当該通信装置と送信元の前記通報装置とをデータ送受信可能に接続する手順と、を実行させるためのプログラムが提供される。
【0013】
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車両を問わず設置でき、適切な状況下で通報できるとともに、通報の伝達の確度が高まり、置き去りにされた乗員に安心感を与えることに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の通報システムの全体構成図である。
図2】本発明の一実施形態のスマートフォンのハードウェア構成図である。
図3】(a)は、本発明の一実施形態のスマートフォンの機能ブロック図であり、(b)は、本発明の一実施形態のスマートフォンの緊急通報ボタン表示例を説明するための説明図である。
図4】(a)~(c)は、それぞれ、本発明の一実施形態のキーテレフォン主装置の、機能ブロック図、通報先データベースを説明するための説明図、および、ハードウェア構成図である。
図5】本発明の一実施形態の、スマートフォンにおける通報処理のフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態の、キーテレフォン主装置における通報処理のフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態の、通報システムにおける通報処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と呼ぶ。)の概要について図面を参照して説明する。なお、図面の参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向および単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0017】
また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポートやインタフェースがあるが図示を省略する。また、以下の説明において、「Aおよび/またはB」は、AまたはB、もしくは、AおよびBという意味で用いる。
【0018】
まず、本実施形態の通報システム100の全体構成について説明する。図1は、本実施形態の通報システム100の全体構成図である。本図に示すように、本実施形態の通報システム100は、通報装置200と、中継装置300と、を備える。中継装置300には、1以上の通信装置400が直接またはネットワーク902を介して接続される。
【0019】
通報装置200は、車両800内に、車両800から独立した状態で配置され、停車した車両800内に乗員が置き去りにされたことを検知し、中継装置300に信号を送信する。それを受けた中継装置300では、予め登録した通信装置400に通報し、通信装置400が応答すると、その通信装置400と通報装置200とを通信可能に接続する。
【0020】
なお、図1では、車両800の台数として1台のみ記載しているが、車両800の台数および内部に置かれる通報装置200の台数は問わない。
【0021】
以下、上記通報システム100を実現する各構成について説明する。ここでは、通報装置200をスマートフォン200、中継装置300をキーテレフォン主装置300、通信装置400を電話機400として、それぞれ説明する。ただし、これらの装置は、それぞれ、以下に説明する機能を備えていれば、これらの装置に限定されない。
【0022】
スマートフォン200と、キーテレフォン主装置300とは、例えば、IP網(ネットワーク)901を介して接続する。電話機400は、ボタン電話機の場合、キーテレフォン主装置300にそのまま接続される。また、IP電話機の場合、上記ネットワーク901を介して、または、ネットワーク901とは別のIP網(ネットワーク)902を介してキーテレフォン主装置300に接続される。
【0023】
[通報装置(スマートフォン)]
スマートフォン200の、本実施形態に関連する構成について説明する。図2は、本実施形態のスマートフォン200の、ハードウェア構成図である。なお、ここでは、本実施形態の関連する構成に主眼をおいて記載する。
【0024】
スマートフォン200は、CPU201と、システムバス202と、メモリ203と、通信インタフェース(I/F)204と、ディスプレイ205と、マイク206と、スピーカ207と、操作装置208と、拡張I/F209と、カメラ210と、センサ211と、を備える。
【0025】
CPU201は、スマートフォン200全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス202はCPU201とスマートフォン200内の各構成との間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。
【0026】
メモリ203は、スマートフォン200本体および各機能の作動に必要な各種のデータを記憶する。メモリ203は、例えば、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、ストレージ等を備える。
【0027】
ROMは、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他の動作プログラムが格納されたメモリである。ストレージは、スマートフォン200の動作プログラムや動作設定値、本実施形態の各機能を実現するために必要な各種のプログラムや各種のデータを記憶する。
【0028】
ROMおよびRAMは、CPU201と一体構成であっても良い。なお、ROMやストレージに記憶された各動作プログラムは、例えば、ネットワーク上の各配信サーバからのダウンロード処理により更新及び機能拡張することができる。
【0029】
通信I/F204は、例えば、LAN(Local Area Network)通信器と、電話網通信器と、を備える。LAN通信器は、Wi-Fi(登録商標)等による無線接続によりアクセスポイント(AP)装置を介してネットワークに接続され、ネットワーク上の他の装置とデータの送受信を行う。電話網通信器は、移動体電話通信網の基地局との無線通信により、通話およびデータの送受信を行う。その他、有線で他の装置とデータの送受信を行う有線通信器、(近接)無線通信器等を備えていてもよい。
【0030】
拡張I/F209は、スマートフォン200の機能を拡張するためのインタフェース群である。例えば、映像/音声I/F、操作機器I/F、メモリI/F等を備える。キーボード等の外部操作機器は、操作機器I/Fを介して接続される。メモリI/Fは、メモリカードやその他のメモリ媒体を接続してデータの送受信を行う。
【0031】
操作装置208は、スマートフォン200に対する操作指示を受け付ける。本実施形態では、ディスプレイ205に重ねて配置したタッチパネルおよびボタンスイッチを並べた操作キーを備える。なお、そのいずれか一方のみであっても良い。また、拡張I/F209に接続したキーボード等を用いてスマートフォン200の操作を行っても良い。また、有線通信または無線通信により接続された別体の携帯情報端末機器を用いてスマートフォン200の操作を行っても良い。また、タッチパネル機能はディスプレイ205が備えていてもよい。
【0032】
ディスプレイ205は、例えば、液晶パネル等の表示デバイスであり、画像データを表示し、スマートフォン200のユーザに提供する。
【0033】
カメラ210は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の電子デバイスを用いてレンズから入力した光を電気信号に変換することにより、周囲や対象物を画像データとして取得する撮影装置である。
【0034】
スピーカ207は、音声信号をスマートフォン200のユーザに提供する。マイク206は、ユーザの声などを音声データに変換して入力する。
【0035】
センサ211は、スマートフォン200およびその周囲の状態を検出するためのセンサ群である。本実施形態では、例えば、GPS(Global Positioning System)受信器と、ジャイロセンサと、加速度センサと、振動センサと、人感センサと、を備える。これらのセンサ211により、スマートフォン200の位置、傾き、方角、動き等を検出する。なお、スマートフォン200は、地磁気センサ、照度センサ、近接センサ、生体情報センサ、気圧センサ、圧力センサ等、他のセンサを更に備えていても良い。
【0036】
位置情報は、GPS受信器により取得する。GPS電波が入りにくい場所等では、LAN通信器によりWi-FiのAP装置の位置情報を用いて取得してもよいし、同様に電話網通信器により基地局の位置情報及び電話通信電波の伝搬遅延を用いた位置情報取得方法により取得してもよい。また、これらのセンサ群は、必ずしも全てを備えていなくてもよい。
【0037】
図3(a)は、スマートフォン(通報装置)200の機能構成図である。本図に示すように、スマートフォン200は、モード制御部231と、検知部232と、通信部233と、を備える。
【0038】
モード制御部231は、スマートフォン200の動作モードを制御する。ここで、スマートフォン200の動作モードとは、周囲の状況を検出し、条件を満たした場合は、置き去りありと判断して通報を行う通報モードと、それ以外の待機モードとの2種である。
【0039】
本実施形態では、車両800内に置かれたスマートフォン200は、初期状態では待機モードである。モード制御部231は、所定の条件を満たした場合、待機モードから通報モードへ移行する。この条件は、車両800が、所定期間(第一期間)停止していることである。第一期間は、例えば、5分間等である。
【0040】
モード制御部231は、スマートフォン200のセンサ211からの信号により、車両800が停止しているか否かを判別する。
【0041】
モード制御部231は、車両800が停止しているか否かは、例えば、位置情報、移動の有無、エンジン動作等、およびこれらの組み合わせで判別する。
【0042】
具体的には、例えば、位置情報が、所定期間、一定である場合、車両800が停止していると判別する。位置情報は、GPS情報等で判別する。また、スマートフォン200自体が移動していない場合、搭載先の車両800も停止していると判別する。スマートフォン200自体の移動の有無は、例えば、位置情報の変化、加速度センサおよび/またはジャイロセンサ等のセンサ211からの信号等で判別する。さらに、エンジン動作が停止していることを検出した場合、車両800が停止していると判別する。エンジン動作については、例えば、振動センサからの信号が所定の閾値未満の状態が所定期間継続した場合、エンジン動作停止と判別する。なお、マイク206で収音した音を解析することにより、判別してもよい。例えば、予め車両800のエンジン音を収録し、マッチング等により判別する。なお、判別手法はこれに限定されない。周知の各種の手法を採用可能である。
【0043】
また、モード制御部231は、通報モードへ移行してから所定時間(第二期間)、後述する検知部232が、置き去りにされた乗員を検知しない場合は、動作モードを待機モードにする。第二期間は、例えば、30分~2時間等である。
【0044】
なお、本実施形態では、待機モードの間は、後述の検知部232は、センサ211からの信号を処理しない。したがって、動作モードが待機モードの間は、後述の通信部233からキーテレフォン主装置300へ向けて信号が出力されることがない。すなわち、本実施形態では、スマートフォン200が搭載された車両800の動作状況により動作モードを変化させることにより、確実に、検知が必要な状況でのみ、置き去りにされた乗員の有無を判別する。これにより、誤通報を低減できる。
【0045】
検知部232は、通報モード時に、車両800内に乗員が残されている場合、それを検知する。本実施形態では、スマートフォン200の周囲の状況を監視し、車両800内の乗員を検知する。乗員を検知した場合、検知部232は、通信部233に乗員を検知したことを意味する乗員検知信号を送信する。
【0046】
検知部232は、例えば、マイク206で収音した音声データを解析し、音声データが予め定めた形状を有する場合、乗員がスマートフォン200の周囲にいる、すなわち、車両800内に存在する、と判別する。音声データは、例えば、幼児の声、幼児の動きにより生じる音、等である。
【0047】
また、センサ211のうち、例えば、人感センサ等で、スマートフォン200の周囲に乗員がいることを検知してもよい。その他、例えば、温度センサ等を用いて、周囲に体温程度の温度の物体の有無を判別する等、スマートフォン200に搭載されている各種のセンサ211を用いた、周知の乗員検知手法を用いることができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、検知部232は、図3(b)に例示するように、通報モード時に、ディスプレイ205に、緊急通報指示を受け付ける緊急通報ボタン241を表示させる。そして、この緊急通報ボタン241の押下を受け付けると、通信部233に、乗員検知信号を送信する。
【0049】
通信部233は、検知部232から乗員検知信号を受信すると、キーテレフォン主装置300に乗員の置き去りのおそれがあることを通知する乗員置去通知を送信する。なお、このとき、送信元のスマートフォン200を特定可能な情報(識別情報)を通知に付加して送信する。例えば、IPパケットで送信する場合、ヘッダ情報に、この識別情報を付加する。
【0050】
これらの各部は、例えば、アプリケーションソフトウェア(通報アプリケーション)として提供される。通報アプリケーションは、スマートフォン200のメモリ203にインストールされ、CPU201により実行される。
【0051】
[交換装置(キーテレフォン主装置)]
次に、キーテレフォン主装置300について説明する。キーテレフォン主装置300は、スマートフォン200から乗員置去通知を受信すると、予め定めた通報先の電話機400に通報する。また、当該電話機400から応答があると、当該電話機400と送信元のスマートフォン200とを通信可能(通話可能)に接続する。
【0052】
これを実現するため、キーテレフォン主装置300は、図4(a)に示すように、通報部331と、接続部332と、通報先データベース(DB)333と、を備える。
【0053】
通報部331は、スマートフォン200から乗員置去通知を受信すると、予め設定された電話機400に通報する。本実施形態では、スマートフォン200毎に、予め、通報先の電話機400が、通報先DB333に登録される。
【0054】
ここで、通報先DB333の一例を、図4(b)に示す。本図に示すように、通報先DB333は、キーテレフォン主装置300が管理するスマートフォン200毎に通報先の電話機400が登録される。すなわち、スマートフォン200の識別情報333aおよび電話番号333bと、通報先の電話機400の電話番号333cと、が対応づけて登録される。登録される電話番号333bの数は1以上とする。通報先DB333は、予め作成される。
【0055】
通報部331は、乗員置去通知に含まれるスマートフォン200の識別情報333aに対応付けられている通報先の電話機400の電話番号333cを抽出し、それらに向けて通報を行う。そして、通報した電話機400からの応答を待つ。
【0056】
通報は、例えば、予め登録された緊急メッセージを当該電話機400に送信する。なお、当該電話機400に対し、呼出信号を送信してもよい。
【0057】
また、本実施形態の通報部331は、通報した電話機400から所定期間(第三期間)、応答がない場合、予め定めた、緊急通報先に通報を行う。緊急通報先は、登録された電話機400とは異なり、例えば、警察署、消防署等である。なお、第三期間は、例えば、20分等である。
【0058】
接続部332は、通報部331が通報した電話機400が応答すると(当該電話機400から応答信号を受信すると)、当該電話機400と、乗員置去通知の送信元のスマートフォン200とを、通話可能な態様で接続する。例えば、接続部332は、通報先DB333からスマートフォン200の電話番号を抽出し、応答元と接続する。
【0059】
なお、接続部332は、複数の電話機400から応答があった場合、それら全てとスマートフォン200とを接続してもよい。
【0060】
これにより、応答元の電話機400は、スマートフォン200と通話可能となり、置き去りにされた乗員に注意を促すことができる。例えば、置き去りにされた乗員が幼児や子供の場合、安心感を与えることができる。
【0061】
図4(c)に、本実施形態のキーテレフォン主装置300のハードウェア構成図を示す。本実施形態のキーテレフォン主装置300は、本図に示すように、例えば、コントローラ311と、通信I/F312と、電話網制御装置313と、IP網制御装置314と、を備える。
【0062】
コントローラ311は、CPU(Central Processing Unit)と、記憶装置(メモリ)と、を備え、キーテレフォン主装置300の各部を制御する。
【0063】
CPUは、例えば、記憶装置に記憶されたプログラムをロードして実行する。なお、CPUの代わりにMPU(Micro Processing Unit)等の1以上のプロセッサを用いてもよい。記憶装置には、キーテレフォン主装置300が実行するプログラム等が格納され、これらをCPUが処理する際のワーク領域としても用いられる。
【0064】
通信I/F312は、有線または無線による信号、データの送受信を行う。例えば、外線電話網に接続するための外線I/F、内線電話機に接続するための内線I/F、LAN等のネットワーク901、902に接続するためのネットワークI/F等を備える。ネットワークI/Fは、ネットワーク901、902を介して、スマートフォン等の無線電話端末およびプッシュ通知サーバを含む他の通信装置と通信を行う。
【0065】
電話網制御装置313は、所定の呼制御手順に従い、内線電話機および外線電話網と連携して呼制御処理を実施する。これにより、内線電話機同士の通話路、あるいは、内線電話機と外線電話網側の電話機との通話路を確立・解放する。そして、確立された通話路を用いて、内線電話機同士、あるいは内線電話機と外線電話網側の電話機との通話を中継する。
【0066】
IP網制御装置314は、無線電話端末(IP電話)に内線電話サービスを提供する主装置として必要な処理を実施する。具体的には、SIP(Session Initiation Protocol)等の所定の呼制御プロトコルに従い、無線電話端末と呼制御メッセージを送受信することにより、無線電話端末間に通話路を確立したり、確立された通話路を解放したりする。また、RTP(Realtime Transport Protocol)等の所定の伝送プロトコルに従い、通話路を介して無線電話端末間の音声通話あるいはテレビ音声通話を中継する。
【0067】
本実施形態のキーテレフォン主装置300の上記各機能は、それぞれ、記憶装置に記憶されたプログラムを、CPUがロードして実行することにより実現される。また、通報先DB333は、記憶装置に構築されてもよい。また、処理の途中に生成されるデータは、記憶装置に記憶される。
【0068】
なお、キーテレフォン主装置300のハードウェア構成は、これに限定されない。図示しないハードウェアを含んでもよい。
【0069】
[電話機]
電話機400は、キーテレフォン主装置300に収容されるボタン電話機であってもよいし、VoIP(Voice over Internet Protocol)に従って、IP網を通じて音声通話を行うためのIP電話機(または、スマートフォン)であってもよい。
【0070】
[通報処理]
次に、本実施形態の、スマートフォン200における通報処理の流れを説明する。図5は、本実施形態の通報処理の処理フローである。本処理は、車両800内に置かれたスマートフォン200において、例えば、上述の通報アプリケーションが起動したことを契機に開始される。起動時点で、スマートフォン200は、待機モードである。
【0071】
モード制御部231は、所定の時間間隔で、車両800が停止したことを検出したか否かを判別する(ステップS1101)。検出は、上記手法で行う。
【0072】
モード制御部231は、車両800が停止したことを検出した場合(S1101;Yes)、停止状態で第一期間経過したか否かを判別する(ステップS1102)。第一期間経過せずに車両800が動きだした場合は、ステップS1101へ戻る。
【0073】
停止した状態で第一期間経過した場合(S1102;Yes)、モード制御部231は、スマートフォン200の動作モードを、待機モードから通報モードへ移行する(ステップS1103)。
【0074】
通報モード中、検知部232は、まず、ディスプレイ205に緊急通報ボタン241を表示させる(ステップS1104)。そして、所定の時間間隔で、乗員を検知したか否か(置き去りを検知したか否か)を判別する(ステップS1105)。ここでは、上述のようにセンサ211からの信号の解析、および/または、緊急通報ボタン241の押下の検出により、乗員を検知する。
【0075】
検知部232は、乗員を検知(置き去りを検知)した場合(S1105;Yes)、通信部233に乗員検知信号を送信する。それを受け、通信部233は、キーテレフォン主装置300に乗員置去通知を送信する(ステップS1108)。
【0076】
その後、通信部233は、所定の電話機400と通話可能状態となる(ステップS1109)。この状態で、スマートフォン200のユーザは、電話機400のユーザと通話を行う。
【0077】
通話終了後、通報アプリケーション終了の指示を受け付けると(ステップS1110)、処理を終了する。一方、終了指示を受け付けない場合は、ステップS1101へ戻り、処理を継続する。
【0078】
なお、通報モード時、所定期間(第二期間)、置き去りを検知しない場合は(S1106;Yes)、モード制御部231は、スマートフォン200の動作モードを、通報モードから待機モードに移行させ(ステップS1107)、ステップS1101へ戻る。
【0079】
次に、キーテレフォン主装置300側の、乗員置去通知受信時の通報処理の流れを説明する。図6は、本実施形態のキーテレフォン主装置300における通報処理の処理フローである。本処理は、キーテレフォン主装置300が、スマートフォン200から乗員置去通知を受信したことを契機に開始される。
【0080】
通報部331は、通報先の電話機400の電話番号を抽出する(ステップS1201)。ここでは、乗員置去通知の送信元のスマートフォン200の識別情報に対応づけて通報先DB333に登録されている電話番号を抽出する。
【0081】
そして、通報部331は、抽出した電話番号に向けて、通報する(ステップS1202)。例えば、当該電話機400に呼出信号を送信する、通報メッセージを送信する等により通報する。なお、通報先DB333に、複数の電話機400が通報先として登録されている場合は、全ての通報先に通報する。
【0082】
通報部331は、所定の時間間隔で、通報に対し、いずれかの電話機400から応答があるか否かを判別する(ステップS1203)。そして、電話機400から応答があると(S1203;Yes)、当該電話機400の電話番号を接続部332に通知する。
【0083】
通知を受け、接続部332は、当該電話機400と、乗員置去通知送信元のスマートフォン200との間を接続し、通話路を確立し(ステップS1204)、処理を終了する。
【0084】
一方、応答がない場合(S1203;No)、通報部331は、応答なし(未応答)の状態で、予め定めた期間(第三期間)が経過したか否かを判別する(ステップS1205)。そして、第三期間が経過した場合、通報部331は、予め設定されている緊急通報先に通報し(ステップS1206)、処理を終了する。
【0085】
次に、本実施形態の通報システム100を構成する機器間のデータの送受信の流れを説明する。ここでは、スマートフォン200が、通報モード時に、乗員の置き去りを検知する場合のデータの流れを説明する。
【0086】
図7に示すように、スマートフォン200が、車両800内に乗員が置き去りにされていることを検知すると(ステップS1301)、スマートフォン200は、乗員置去通知を、キーテレフォン主装置300へ送信する(ステップS1302)。
【0087】
スマートフォン200から乗員置去通知を受信すると、キーテレフォン主装置300は、通報先DB333に登録されている電話機400に通報する(ステップS1303)。
【0088】
通報に対して、電話機400のユーザは応答する。これにより、電話機400から応答信号がキーテレフォン主装置300に送信される(ステップS1304)。
【0089】
電話機400からの応答信号を受信すると、キーテレフォン主装置300は、乗員置去通知の送信元のスマートフォン200と、電話機400とを通話可能に接続(通話路を確立)する(ステップS1305)。
【0090】
以上説明したように、本実施形態の通報システム100は、車両800内に乗員が置き去りにされていることを検知した場合、予め定めた通報先の電話機400と車両800に配置されたスマートフォン200とが通話可能に接続される。これにより、確実に通報先に通報したことを把握可能であるとともに、通報先の電話機400のユーザは、車両800内に置き去りにされた乗員に呼びかけたり、当該乗員と話したり、各種の対応を行うことができる。
【0091】
本実施形態の通報システム100では、車両800内に乗員が置き去りにされているか否かの判別は、車両800が所定の条件を満たしたことを検出した場合にのみ行われる。所定の条件として、例えば、停車してから所定期間経過後、等である。したがって、誤通報を低減し、高い確度で通報を行うことができる。
【0092】
さらに、本実施形態の通報システム100では、車両800内に乗員が置き去りにされているか否かの判別を、車両800とは独立した装置(スマートフォン200)で実現する。すなわち、車両800が搭載する各種センサを利用しないため、本実施形態の通報システム100は、車両800の機能に依存しない。このため、本実施形態の通報システム100は、車両800を問わず設置可能である。
【0093】
従って、本実施形態によれば、通報システム100を導入できず、運転手による乗員の置き去り確認や、窓開け確認といった人為的な確認を行う必要がない。したがって、人為的なミスによる通報漏れが起こる可能性を低減できる。
【0094】
さらに、本実施形態の通報システム100では、スマートフォン200に緊急通報ボタン241を表示させ、それを押下することにより、置き去りの検知も行う。簡易な操作であり、予め乗員に操作指導を行うことができる。また、スマートフォン200は、車両800から持ち出すことができるため、操作指導の場所も問わない。
【0095】
また、一定時間応答がない場合、緊急通報先(警察、消防署)などへの通報が自動的に行われる。このため、登録された通報先のユーザが何らかの事情で対応できない場合であっても、放置されることがない。
【0096】
また、本実施形態の通報システム100では、乗員にRFタグ等の特別な器具を持たせる必要がない。すなわち、上述の効果を、乗員は、何ら負荷なく享受できる。
【0097】
以上のように、本実施形態の通報システム100によれば、車両800を問わず設置でき、適切な状況下で通報できるとともに、通報の伝達の確度が高まり、置き去りにされた乗員に安心感を与えることができる。特に、昨今、園児の置き去りが発生している幼稚園の送迎バス等であっても、設置でき、有用である。
【0098】
<変形例1>
上記実施形態では、キーテレフォン主装置300は、乗員置去通知を受信後、電話機400からの応答が所定期間ない場合のみ、緊急通報先に通報しているが、電話機400へ通報すると同時に予め定めた緊急通報先に通報するよう構成してもよい。
【0099】
<変形例2>
上記実施形態では、スマートフォン200のセンサ211は、常に稼働状態とし、通報モード時のみ、検知部232が当該信号を処理するものとして記載したが、これに限定されない。例えば、センサ211のオンオフが可能である場合、通報モード時に、センサ211をオン(動作状態)とするように構成してもよい。
【0100】
<変形例3>
また、上記実施形態では、通報先DB333に複数の電話機400が登録されている場合、全てに通報しているが、これに限定されない。例えば、通報先DB333に、さらに通報優先順を登録し、優先順に従って、通報してもよい。この場合、優先順に従って、順に通報し、その応答を待ち、所定期間、応答がない場合は、次の優先順の電話機400に通報してもよい。
【0101】
<変形例4>
また、上記実施形態では、複数の電話機400に通報し、複数の電話機400から応答信号を得た場合、応答信号を送信した全ての電話機400とスマートフォン200との間で通信路を確立しているが、これに限定されない。1の電話機400とのみ通信路を確立してもよい。例えば、通報部331は、最も早く応答した電話機400を接続部332に通知し、接続部332は、この電話機400とスマートフォン200との間で通信路を確立する。
【0102】
<変形例5>
上記実施形態では、スマートフォン200と電話機400とを通話可能に接続しているが、これに限定されない。例えば、登録される電話機400が、IP電話機やスマートフォンである場合、データ通信可能に接続してもよい。通話とデータ通信両方可能としてもよい。また、テレビ電話であってもよい。この場合、通報先DB333には、スマートフォン200および電話機400それぞれのメールアドレスやIPアドレス等を登録してもよい。
【0103】
データ通信可能とすることにより、例えば、電話機400から、車両800内のスマートフォン200に対して、メッセージを送信できる。
【0104】
さらに、この場合、電話機400からスマートフォン200に指示信号を送信可能としてもよい。例えば、スマートフォン200のカメラ210が(超)広角カメラである場合、電話機400から当該カメラ210の視野範囲、方向を操作可能とするとともに、撮影結果の画像(動画も含む)を、電話機400へ送信可能としてもよい。これにより、電話機400のユーザは、車両800内を画像で確認することができる。
【0105】
電話機400がデータ通信可能な機種である場合、スマートフォン200は、電話機400と通信可能な状態となった場合、その位置情報を電話機400へ送信してもよい。
【0106】
また、スマートフォン200からキーテレフォン主装置300へ送信する乗員置去通知には、スマートフォン200の位置情報を含めてもよい。この場合は、キーテレフォン主装置300が、電話機400へ送信する通報メッセージにスマートフォン200の位置情報を含めて送信する。
【0107】
<変形例6>
また、検知部232が、ディスプレイ205に表示させる緊急通報ボタン241は、検知対象の乗員によって変えてもよい。例えば、検知対象が幼児の場合、幼児が興味を持って触れたくなるようなキャラクタ等を表示させてもよい。また、動画であってもよいし、音声を伴う画像、動画であってもよい。また、予め複数の表示態様を用意し、スマートフォン200を配置する際、選択可能としてもよい。また、緊急通報ボタン241として表示される画像(または動画等)が、所定の時間間隔で、大人用、子供用、幼児用と変化するよう構成してもよい。
【0108】
<変形例7>
上述したように、通報装置200は、スマートフォン200に限定されない。例えば、上述の情報処理機能、通信機能、通話機能、各種のセンサ等を備えていればよく、タブレット等の携帯型情報処理端末、ノートPC(Personal Computer)等であってもよい。
【0109】
また、中継装置300も、キーテレフォン主装置300に限定されない。IP電話を含め、複数の電話機の通信制御が可能であればよく、例えば、PBX(Private Branch Exchange)等であってもよい。
【0110】
なお、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。例えば、各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0111】
また、スマートフォン200のメモリ203およびキーテレフォン主装置300の記憶装置に記憶されたプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)に記録されたプログラム製品として提供することができる。これらは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に記録された各種プログラムを中長期的に記憶することに利用することが可能である。
【0112】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0113】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
(付記1)
車両内に乗員が置き去りにされていることを通報する通報システムであって、
前記車両内に、当該車両とは独立して配置される通報装置と、
交換装置と、を備え、
前記通報装置は、
前記車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、当該通報装置の動作モードを待機モードから通報モードに移行させるモード制御部と、
前記通報モード時に、前記車両内の前記乗員を検知する検知部と、
前記検知部が前記乗員を検知すると、前記交換装置に乗員置去通知を送信するとともに、外部の通信装置からのデータを受信可能な通信部と、を備え、
前記交換装置は、
前記乗員置去通知を受信すると、当該乗員置去通知の送信元の前記通報装置に対応づけて管理する前記通信装置に通報を行う通報部と、
前記通信装置が応答すると、当該通信装置と前記通報装置とをデータ送受信可能に接続する接続部と、を備える、通報システム。
(付記2)
付記1に記載の通報システムにおいて、
前記モード制御部は、前記通報モードに移行後、前記検知部が前記乗員を検知しない状態で予め定めた第二期間経過した場合、前記動作モードを前記待機モードに移行させることが望ましい。
(付記3)
付記1または付記2に記載の通報システムにおいて、
前記通信装置と前記通報装置との間で送受信されるデータは、音声データであり、
前記接続部は、前記通信装置が応答すると、当該通信装置と前記通報装置とを通話可能に接続することが望ましい。
(付記4)
付記3に記載の通報システムにおいて、
前記通信装置は、1以上の電話機であって、
前記接続部は、応答があった前記電話機それぞれと前記通報装置とを通話可能に接続することが望ましい。
(付記5)
付記1から付記4のいずれかに記載の通報システムにおいて、
前記通報装置は、前記待機モードに移行すると、緊急通報指示を受け付ける緊急通報ボタンを表示させ、
前記緊急通報ボタンを介して前記緊急通報指示を受け付けると、前記通信部は、前記交換装置に前記乗員置去通知を送信することが望ましい。
(付記6)
付記1から付記5のいずれかに記載の通報システムにおいて、
前記通報部は、前記通信装置に通報後、当該通信装置からの応答のない状態で予め定めた第三期間経過した場合、前記通信装置とは異なる、予め定めた緊急通報先に通報することが望ましい。
(付記7)
車両内に、当該車両とは独立して配置される通報装置と交換装置とを備える通報システムにおける通報方法であって、
前記通報装置が、
前記車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、当該通報装置の動作モードを待機モードから通報モードに移行させ、
前記通報モード時に、前記車両内の乗員を検知すると、前記交換装置に乗員置去通知を送信し、
前記交換装置が、
前記乗員置去通知を受信すると、予め当該乗員置去通知の送信元の前記通報装置に対応づけて管理する通信装置に通報を行い、
前記通信装置が応答すると、当該通信装置と前記通報装置とをデータ送受信可能に接続する、通報方法。
(付記8)
コンピュータに、
当該コンピュータが置かれた車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、当該コンピュータの動作モードを待機モードから通報モードに移行させる手順と、
前記通報モード時に、前記車両内の乗員を検知すると、乗員置去通知を送信する手順と、
前記通報モード時に、予め定めた第二期間、前記乗員を検知しない場合、前記動作モードを前記待機モードに移行させる手順と、を実行させるためのプログラム。
(付記9)
コンピュータに、
通報装置から乗員置去通知を受信すると、送信元の前記通報装置に対応づけて管理する通信装置に通報を行う手順と、
通報した前記通信装置が応答すると、当該通信装置と送信元の前記通報装置とをデータ送受信可能に接続する手順と、を実行させるためのプログラム。
なお、付記7-9の各形態は、付記2-6の形態に展開することが可能である。
【0114】
なお、上記の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0115】
100:通報システム、
200:通報装置(スマートフォン)、201:CPU、202:システムバス、203:メモリ、204:通信I/F、205:ディスプレイ、206:マイク、207:スピーカ、208:操作装置、209:拡張I/F、210:カメラ、211:センサ、231:モード制御部、232:検知部、233:通信部、241:緊急通報ボタン、
300:中継装置(キーテレフォン主装置)、311:コントローラ、312:通信I/F、313:電話網制御装置、314:IP網制御装置、331:通報部、332:接続部、333:通報先データベース(DB)、333a:識別情報、333b:電話番号、333c:電話番号、
400:通信装置(電話機)、
800:車両、
901:ネットワーク、902:ネットワーク
【要約】      (修正有)
【課題】車両を問わず設置でき、適切な状況下で通報できるとともに、通報の伝達の確度を高め、置き去りにされた乗員に安心感を与える通報システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】通報システムは、車両内に、当該車両とは独立して配置される通報装置200及び交換装置を備える。通報装置は、車両が停止してから予め定めた第一期間経過すると、通報装置の動作モードを待機モードから通報モードに移行させるモード制御部231と、通報モード時に、車両内の乗員を検知する検知部232と、乗員を検知すると、交換装置に乗員置去通知を送信するとともに、通信装置からのデータを受信可能な通信部233と、を備える。交換装置は、乗員置去通知を受信すると、乗員置去通知の送信元の通報装置に対応づけて管理する通信装置に通報を行う通報部と、通信装置が応答すると、当該通信装置と通報装置とを、データ送受信可能に接続する接続部と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7