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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240709BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G06K7/10 264
H05K5/02 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023109097
(22)【出願日】2023-07-03
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】田口 真司
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第214507627(CN,U)
【文献】特開2019-101459(JP,A)
【文献】中国実用新案第207260782(CN,U)
【文献】国際公開第2012/029186(WO,A1)
【文献】特開平10-322038(JP,A)
【文献】実開平7-038503(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に嵌め込まれる筐体と、
前記筐体から突出する突出モード、又は前記筐体内へ引込んだ引込モードへ遷移可能な可動爪と、
ICカードから情報を読み取る読取部と、
前記可動爪のモードを制御する制御部と、
を備え、
前記筐体が前記壁面に嵌め込まれた状態かつ前記突出モードでは、前記可動爪が前記壁面に対して前記壁面の内側から当接することで、前記筐体の前記壁面からの取り外しが防止され、
予め認定されている作業者のIDが前記読取部によって読み取られた場合に、前記制御部が前記可動爪を前記突出モードから前記引込モードへ遷移させることによって、前記可動爪と前記壁面との当接が解除されて、前記筐体の前記壁面からの取り外しが可能になる、
電子機器。
【請求項2】
前記可動爪は前記筐体の上下左右の4か所に設置されるとともに、前記可動爪の各々は回転板と、当該回転板から延在する延在板と、電磁石及び圧縮コイルばねの作用によって摺動する摺動片とを有し、
前記制御部が電磁石に対して通電することで前記摺動片が電磁石側に引き付けられ、前記回転板が回転して前記延在板が前記筐体から突出する突出モードへ遷移し、
前記制御部による電磁石に対する通電を解除することで圧縮コイルばねの反力によって前記摺動片が電磁石から遠ざかり、前記回転板が反回転して前記延在板が前記筐体内へ引込んだ引込モードへ遷移する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記引込モードへ遷移した後の経過時間が所定の閾値に到達した場合に、前記制御部が電磁石に対する通電を再開して、前記引込モードから前記突出モードへ戻す、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記可動爪は前記筐体の上下左右の4か所に設置されるとともに、前記可動爪の各々は回転板と、当該回転板から延在する延在板と、電磁石及び圧縮コイルばねの作用によって摺動する摺動片と、回転板と延在板とを接続する接続片とを有し、
前記制御部が電磁石に対して通電することで前記摺動片が電磁石側に引き付けられ、前記接続片を介して前記回転板が回転して前記延在板が前記筐体内へ引込んだ引込モードへ遷移し、
前記制御部による電磁石に対する通電を解除することで圧縮コイルばねの反力によって前記摺動片が電磁石から遠ざかり、前記接続片を介して前記回転板が反回転して前記延在板が前記筐体から突出する突出モードへ遷移する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記引込モードへ遷移した後の経過時間が所定の閾値に到達した場合に、前記制御部が電磁石に対する通電を解除して、前記引込モードから前記突出モードへ戻す、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体を前記壁面の内側から外側へ向かって付勢する付勢部をさらに有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
予め認定されている作業者のIDが前記読取部によって読み取られた場合に、前記筐体から前記壁面の外側へ突出するつまみ部をさらに有する、請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。特に、壁面に嵌め込まれる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ICカード(integrated circuit card)リーダの盗難防止を意図した壁面取付具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-272645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【0005】
特許文献1では、壁の内側から差し込まれるネジによってICカードリーダが固定されている。そのため、ICカードリーダの背面側から作業を行えない場合には、ICカードリーダを取り付けることができないという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明では、背面側からの作業を行えなくても取り付け・取り外し可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の視点によれば、
壁面に嵌め込まれる筐体と、
前記筐体から突出する突出モード、又は前記筐体内へ引込んだ引込モードへ遷移可能な可動爪と、
ICカードから情報を読み取る読取部と、
前記可動爪のモードを制御する制御部と、
を備え、
前記筐体が前記壁面に嵌め込まれた状態かつ前記突出モードでは、前記可動爪が前記壁面に対して前記壁面の内側から当接することで、前記筐体の前記壁面からの取り外しが防止され、
予め認定されている作業者のIDが前記読取部によって読み取られた場合に、前記制御部が前記可動爪を前記突出モードから前記引込モードへ遷移させることによって、前記可動爪と前記壁面との当接が解除されて、前記筐体の前記壁面からの取り外しが可能になる、
電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記視点によれば、背面側からの作業を行えなくても取り付け・取り外し可能な電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ICカードリーダの外観及び内部構造の一例を示す図である。
図2】ICカードリーダの一例を示す図である。
図3】可動爪の一例を示す図である。
図4】ICカードリーダの一例を示す図である。
図5】ICカードリーダの一例を示す図である。
図6】ICカードリーダの一例を示す図である。
図7】可動爪の一例を示す図である。
図8】ICカードリーダの一例を示す図である。
図9】ICカードリーダによる処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のとり得る好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の記載に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インターフェイスも同様である。
【0011】
[実施形態1]
実施形態1では、電子機器の具体的な一例として、ICカードリーダについて説明する。図1に示すように、ICカードリーダ100は、筐体101、可動爪102、読取部103、及び制御部104を備える。
【0012】
筐体101は、図2に示すように壁面201に対して嵌め込まれるように取り付けられる。なお、図2に示すように、筐体101は、取付金具202を介して壁面201に対して取り付けてもよい。この場合に、取付金具202は、壁面201の一部と見なされ得る。
【0013】
可動爪102は、筐体101から突出する突出モード、又は筐体101内へ引込んだ引込モードへ遷移可能である。具体的には、可動爪102は、図1に示すように、筐体101の上下左右の4か所に設置される。各可動爪102は、図3に示すように、回転板102-1と、回転板102-1から延在する延在板102-2と、電磁石105及び圧縮コイルばね106の作用によって摺動する摺動片102-3とを有する。図4に示すように、突出モードでは、可動爪102は筐体101から突出する。より具体的には、電磁石105に対する通電が行われると、摺動片102-3が電磁石105側に引き付けられて回転板102-1が回転して、延在板102-2が筐体101から突出する突出モードへ遷移する。一方で引込モードでは、可動爪102は筐体101内へ引込む。電磁石105に対する通電が解除されると、圧縮コイルばね106の反力によって摺動片102-3が電磁石105から遠ざかり、回転板102-1が反回転して、延在板102-2が筐体101内へ引込んだ引込モードへ遷移する。特に、筐体101が壁面201に嵌め込まれた状態かつ突出モードでは、可動爪102が壁面201に対して壁面201の内側から当接することで、筐体101の前記壁面201からの取り外しが防止される。より具体的には、図5に示すように、取付金具202の裏面には絞り部が設けられ、可動爪102は、取付金具202の絞り部に対して内側から当接する。なお、可動爪102としては、回転板102-1の代わりに回転アームを用いても良い。
【0014】
なお、可動爪102のモード変更(遷移)については、種々の構成を採用することができる。例えば、図6に示すように、引込モードにおいて、摺動片102-3を電磁石側105に引き付けて、筐体101の外部へ突出した可動爪102を筐体101内へ収容するようにしても良い。具体的には、電磁石105に対する通電が行われていない状態では、圧縮コイルばね106によって摺動片102-3が電磁石105から遠ざけられて、延在板102-2が筐体101から突出する突出モードへ遷移する。電磁石105に対する通電が行われると、摺動片102-3が電磁石105側に引き付けられて回転板102-1が回転して、延在板102-2が筐体101内へ引込んだ引込モードへ遷移する。なお、図6の可動爪102は、図7に示すように、回転板102-1と摺動片102-3とを接続する接続片102-4を有する。接続片102-4によって摺動片102-3の摺動方向に対する回転板102-1の回転方向を逆向きにすることができる。なお、接続片102-4は、回転板102-1の一部、又は摺動片102-3の一部とみなすこともできる。また、電磁石としては、電磁石内蔵のソレノイドユニットを用いても良く、その他、モータによって可動爪102を前後(左右)へ移動させるようにしても良い。
【0015】
読取部103は、ICカードから情報を読み取る。具体的には、読取部103は壁面201とともに壁を形成するパネルとして構成される。そして読取部103は、筐体101の裏面に設けられたインターフェイスを介して外部装置(図示せず)に接続され、ICカードから読み取った情報を外部装置に対して送信する。
【0016】
制御部104は、可動爪102のモードを制御する。具体的には、制御部104は、予め認定されている作業者のID(identification)が読取部103によって読み取られた場合に、可動爪102を突出モードから引込モードへ遷移させる。すなわち、図4の例では、突出モードにおいて、制御部104は、電磁石に対して通電する。そして、制御部104は、電磁石に対する通電を解除することで、突出モードから引込モードへの遷移を行う。
【0017】
なお、予め認定されている作業者のIDであるか否かの判定(すなわち作業者のIDの認証)は外部装置において行っても良いし、ICカードリーダ100において行っても良い。例えば、ICカードリーダ100がメモリを更に備え、予め認定されている作業者のIDをメモリに保存する。そして読取部103がIDカードから読みだしたIDと、メモリに保存されているIDとを突き合わせることで、制御部104が予め認定されている作業者のIDであるか否かの判定を行う。
【0018】
なお、ICカードリーダ100は、図8に示すようなブロック図によって概念的に描画され得る。すなわち、制御部104は、ICカード認証回路、電磁石制御部、メモリ、タイマに相当する処理モジュールを含むように構成され得る。なお、読取部103を、ICカード認証回路として構成しても良いし、筐体101の内部に配置しても良い。いずれにしても、突出モードでは、可動爪102が壁面201(又は取付金具202)に対して当接することで、壁面201からのICカードリーダ100の引き抜きが防止できれば良い。一方で、引込モードでは、壁面201(又は取付金具202)に対する可動爪102の当接が解除されて、壁面201からのICカードリーダ100の引き抜きが可能になれば良い。
【0019】
ICカードリーダ100は、筐体101を壁面201の内側から外側へ向かって付勢する付勢部をさらに有しても良い。付勢部は、ばね部材によって例示され得るが、要するに、引込モードにおいてICカードリーダ100を壁面201の内側から押し出すようにして、ICカードリーダ100の引き抜きが容易になれば良い。例えば、ICカードリーダ100の裏面から棒部材を伸ばしてICカードリーダ100を壁面201の内側から押し出すようにしても良い。
【0020】
また、予め認定されている作業者のIDが読取部103によって読み取られた場合に、筐体101から壁面201の外側へ突出するつまみ部をさらに有しても良い。このつまみ部は、作業者がICカードリーダ100を引き抜く際に用いられ、引き抜きのための専用器具を不要にし得る。
【0021】
以下では、ICカードリーダ100の設置作業、撤去作業の流れについて説明する。
【0022】
[設置作業]
設置作業時において、作業者は、ICカードリーダ100の裏面に設けられたインターフェイスと、外部装置と通信するためのケーブルとを接続する。この時、ICカードリーダ100には、作業者のIDがメモリにダウンロードされる。
【0023】
次に作業者は、ICカードリーダ100に対してIDカードを提示しつつ、ICカードリーダ100を壁面201の穴部へ差し込む。このIDカードの提示によってICカードリーダ100は、突出モードから引込モードへ遷移するため、ICカードリーダ100の差し込みが可能になる。
【0024】
その後、作業者がIDカードの提示を止めると、ICカードリーダ100は経過時間のカウントをスタートする。経過時間が所定の閾値に到達した場合に、ICカードリーダ100は引込モードから突出モードへ遷移する。すなわち、制御部104は、電磁石105に対する通電を開始する。突出モードでは、可動爪102が壁面201(又は取付金具202)に対して当接するため、ICカードリーダ100が壁面201に対してロックされた状態(ICカードリーダ100の引き抜きができない状態)になる。
【0025】
[撤去作業]
撤去作業時において、作業者は、ICカードリーダ100に対してIDカードを提示する。このIDカードの提示によってICカードリーダ100は、突出モードから引込モードへ遷移するため、ICカードリーダ100の引き抜きが可能になる。言い換えると、ICカードリーダ100の壁面201に対するロックが解除される。
【0026】
その後、作業者は、ICカードリーダ100を壁面201から引き抜き、ケーブルを外してICカードリーダ100を撤去する。
【0027】
なお、ICカードリーダ100による処理の流れは図9のようにまとめられ得る。ICカードリーダ100は、ICカードから情報(ID)を読み出し(ステップS01)、メモリ内のデータと突き合わせる(ステップS02)。ここで、読み出したIDがメモリに保存された作業者のIDである場合には(ステップS03、Yes)、ICカードリーダ100は、電磁石105に対する通電を解除する(ステップS04)。この時に、可動爪102が筐体101に格納されて、引込モードとなり(ステップS05)、ICカードリーダ100は、タイマによって経過時間のカウントをスタートする(ステップS06)。その後、経過時間が所定の閾値に到達すると(ステップS07、Yes)、ICカードリーダ100は、電磁石105に対する通電を再開する(ステップS08)。この時に、可動爪102が筐体101から突出して(ステップS09)、突出モードとなる。なお、図9の処理の流れは、図3図4で説明した可動爪102を用いる場合であって、図6図7で説明した可動爪102を用いる場合は、図9のS04は「電磁石に対する通電実施」となり、S08は「電磁石に対する通電解除」となる。
【0028】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0029】
(付記1)
壁面に嵌め込まれる筐体と、
前記筐体から突出する突出モード、又は前記筐体内へ引込んだ引込モードへ遷移可能な可動爪と、
ICカードから情報を読み取る読取部と、
前記可動爪のモードを制御する制御部と、
を備え、
前記筐体が前記壁面に嵌め込まれた状態かつ前記突出モードでは、前記可動爪が前記壁面に対して前記壁面の内側から当接することで、前記筐体の前記壁面からの取り外しが防止され、
予め認定されている作業者のIDが前記読取部によって読み取られた場合に、前記制御部が前記可動爪を前記突出モードから前記引込モードへ遷移させることによって、前記可動爪と前記壁面との当接が解除されて、前記筐体の前記壁面からの取り外しが可能になる、
電子機器。
【0030】
(付記2)
前記可動爪は前記筐体の上下左右の4か所に設置されるとともに、前記可動爪の各々は回転板と、当該回転板から延在する延在板と、電磁石及び圧縮コイルばねの作用によって摺動する摺動片とを有し、
前記制御部が電磁石に対して通電することで前記摺動片が電磁石側に引き付けられ、前記回転板が回転して前記延在板が前記筐体から突出する突出モードへ遷移し、
前記制御部による電磁石に対する通電を解除することで圧縮コイルばねの反力によって前記摺動片が電磁石から遠ざかり、前記回転板が反回転して前記延在板が前記筐体内へ引込んだ引込モードへ遷移する、
付記1に記載の電子機器。
【0031】
(付記3)
前記引込モードへ遷移した後の経過時間が所定の閾値に到達した場合に、前記制御部が電磁石に対する通電を再開して、前記引込モードから前記突出モードへ戻す、
付記2に記載の電子機器。
【0032】
(付記4)
前記可動爪は前記筐体の上下左右の4か所に設置されるとともに、前記可動爪の各々は回転板と、当該回転板から延在する延在板と、電磁石及び圧縮コイルばねの作用によって摺動する摺動片と、回転板と延在板とを接続する接続片とを有し、
前記制御部が電磁石に対して通電することで前記摺動片が電磁石側に引き付けられ、前記接続片を介して前記回転板が回転して前記延在板が前記筐体内へ引込んだ引込モードへ遷移し、
前記制御部による電磁石に対する通電を解除することで圧縮コイルばねの反力によって前記摺動片が電磁石から遠ざかり、前記接続片を介して前記回転板が反回転して前記延在板が前記筐体から突出する突出モードへ遷移する、
付記1に記載の電子機器。
【0033】
(付記5)
前記引込モードへ遷移した後の経過時間が所定の閾値に到達した場合に、前記制御部が電磁石に対する通電を解除して、前記引込モードから前記突出モードへ戻す、
付記4に記載の電子機器。
【0034】
(付記6)
前記筐体を前記壁面の内側から外側へ向かって付勢する付勢部をさらに有する、付記1に記載の電子機器。
【0035】
(付記7)
予め認定されている作業者のIDが前記読取部によって読み取られた場合に、前記筐体から前記壁面の外側へ突出するつまみ部をさらに有する、付記1に記載の電子機器。
【0036】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0037】
100 ICカードリーダ(電子機器)
101 筐体
102 可動爪
102-1 回転板
102-2 延在板
102-3 摺動片
102-4 接続片
103 読取部
104 制御部
105 電磁石
106 圧縮コイルばね
201 壁面
202 取付金具
【要約】
【課題】背面側からの作業を行えなくても取り付け・取り外し可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、壁面に嵌め込まれる筐体と、筐体から突出する突出モード、又は筐体内へ引込んだ引込モードへ遷移可能な可動爪と、ICカードから情報を読み取る読取部と、可動爪のモードを制御する制御部とを備える。筐体が壁面に嵌め込まれた状態かつ突出モードでは、可動爪が壁面に対して壁面の内側から当接することで、筐体の壁面からの取り外しが防止される。予め認定されている作業者のIDが読取部によって読み取られた場合に、制御部が可動爪を突出モードから引込モードへ遷移させることによって、可動爪と壁面との当接が解除されて、筐体の壁面からの取り外しが可能になる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9