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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】屋内空気計測方法及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20240709BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20240709BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F11/52
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023133905
(22)【出願日】2023-08-21
【審査請求日】2023-08-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506291313
【氏名又は名称】株式会社エーワン
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】福間 二郎
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/084690(WO,A1)
【文献】特開2023-043938(JP,A)
【文献】特表2009-529684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F24F 11/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の屋内の空気中の浮遊粉塵、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、湿度及び気流の6つの検査対象項目の計測結果をネットワークを介して取得する第1の工程と、
前記6つの検査対象項目の各々についての計測結果が、予め決められた異常基準条件を満たすか否かをそれぞれ判断する第2の工程と、
前記第2の工程で異常基準条件を満す検査対象項目がある場合に、予め取得した前記屋内の空気換気機能情報を基に、当該検査対象項目について予め関連付けられ空気換気機能の設定内容が含まれた異常通知メッセージを生成して前記屋内の関係者に通知する第3の工程と、
前記異常通知メッセージを通知した前後の前記6つの検査対象項目の各々の計測結果の変化を検出し、当該変化を基に、前記空気換気機能の設定内容を更新する必要があるかを判断する第4の工程と、
前記第4の工程で更新する必要があると判断した場合に、更新した前記設定内容を含む新たなメッセージを前記関係者に通知する第5の工程と、
をコンピュータが実行する屋内空気計測方法。
【請求項2】
前記第4の工程は、前記変化を基に、前記空気換気機能の性能を所定の基準を基に性能が不十分である場合は、前記更新する必要があると判断する
請求項1に記載の屋内空気計測方法。
【請求項3】
前記異常基準条件を満たさない注意基準条件を規定し、
前記屋内の予定使用内容を基に、前記注意基準条件を満たす前に、前記空気換気機能の設定内容を含む予防メッセージを生成し、前記関係者に通知する
請求項1に記載の屋内空気計測方法。
【請求項4】
前記異常通知メッセージを通知した前後の前記6つの検査対象項目の各々の計測結果の変化を検出し、
当該変化を基に、前記空気換気機能の設定内容を更新した新たなメッセージを前記関係者に通知する
請求項3に記載の屋内空気計測方法。
【請求項5】
前記6つの検査対象項目のそれぞれについて、前記異常基準条件以外に、前記異常基準条件を満たさない注意基準条件を規定し、
前記6つの検査対象項目の全てが前記異常基準条件を満たさない場合でも、前記6つの検査対象項目のうち所定数の検査対象項目が前記注意基準条件を満たす場合に、事前注意メッセージを前記関係者に通知する
請求項4に記載の屋内空気計測方法。
【請求項6】
前記屋内にいる人の人数、当該屋内のレイアウトの少なくとも一方の情報を基に、前記異常通知メッセージを前記コンピュータが生成する
請求項5に記載の屋内空気計測方法。
【請求項7】
監視対象の屋内の空気中の浮遊粉塵、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、湿度及び気流の6つの検査対象項目の計測結果をネットワークを介して取得する第1の手段と、
前記6つの検査対象項目の各々についての計測結果が、予め決められた異常基準条件を満たすか否かをそれぞれ判断する第2の手段と、
前記第2の手段で異常基準条件を満す検査対象項目がある場合に、予め取得した前記屋内の空気換気機能情報を基に、当該検査対象項目について予め関連付けられ空気換気機能の設定内容が含まれた異常通知メッセージを生成して前記屋内の関係者に通知する第3の手段と、
前記異常通知メッセージを通知した前後の前記6つの検査対象項目の各々の計測結果の変化を検出し、当該変化を基に、前記空気換気機能の設定内容を更新する必要があるかを判断する第4の手段と、
前記第4の手段で更新する必要があると判断した場合に、更新した前記設定内容を含む新たなメッセージを前記関係者に通知する第5の手段と、
を有する屋内空気計測システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内の空気環境を計測する屋内空気計測方法及びそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋内内の空気の環境は、その屋内にいる人の体調や作業効率に大きな影響を与える。
そのため、屋内の環境の指標となる「浮遊粉塵」「一酸化炭素」「二酸化炭素」「温度」「湿度」「気流」等の項目を定期的に計測することが義務付けられている。
【0003】
気密性の高い建築物では、
(1) 空気環境について、十分な換気が行われなければ、粉 じんや ホルムアルデヒド等による汚染、一酸化炭素や二酸化炭素による健康への悪影響が生じたり、空気感染やエアロゾル感染を起こす感染症の感染拡大を招くおそれがある。
(2) 適正な温度、湿度が確保されなければ、ビルの利用者に過度のストレスがかかり健康への悪影響が懸念される。
(3) 冷却塔、加湿器、空気調和設備等の維持管理が適切に行われなければ、レジオネラ属菌をはじめとする病原性微生物が増殖し、健康被害が発生する。
【0004】
このような健康被害が発生しないよう、建築物衛生法において、室内環境や空気調和設備等の衛生面の維持管理のため、定期計測、定期検査等により室内環境や汚染状況を確認し、その結果に基づき清掃等の措置を講じなければならないこととしている。
そのため、定期的に検査員が検知物に出向きセンサの測定結果を書き留めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような方法では、環境の変化を検知するまでに時間がかかるため、調査対象の内容によっては、非定常作業の把握や突発的な環境情報の把握が困難な場合がある。また、環境の変化を検知するには、当該環境に関する専門的な知識に加えて長年の経験に基づく熟練したスキルを必要とする場合もあり、個人のスキルに依存せずに環境の変化を精度よく検知して遠隔地から環境情報の変化を把握できる技術が求められていた。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定対象室の空気環境を遠隔から監視し、異常時にその旨を通知できる屋内空気計測方法及びそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、監視対象の屋内の空気中の浮遊粉塵、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、湿度及び気流の6つの検査対象項目の計測結果をネットワークを介して取得する第1の工程と、前記6つの検査対象項目の各々についての計測結果が、予め決められた異常基準条件を満たすか否かをそれぞれ判断する第2の工程と、前記第2の工程で異常基準条件を満す検査対象項目がある場合に、予め取得した前記屋内の空気換気機能情報を基に、当該検査対象項目について予め関連付けられ空気換気機能の設定内容が含まれた異常通知メッセージを生成して前記屋内の関係者に通知する第3の工程と、前記異常通知メッセージを通知した前後の前記6つの検査対象項目の各々の計測結果の変化を検出し、当該変化を基に、前記空気換気機能の設定内容を更新する必要があるかを判断する第4の工程と、前記第4の工程で更新する必要があると判断した場合に、更新した前記設定内容を含む新たなメッセージを前記関係者に通知する第5の工程と、をコンピュータが実行する屋内空気計測方法である。
【0008】
好適には、前記屋内の空気換気機能情報を予め有し、前記空気換気機能情報を基に、前記異常通知メッセージを生成する第4の工程を前記コンピュータが実行し、前記異常通知メッセージには、前記空気換気機能の設定内容が含まれる。
【0009】
好適には、前記異常基準条件を満たさない注意基準条件を規定し、前記屋内の予定使用内容を基に、前記注意基準条件を満たす前に、前記空気換気機能の設定内容を含む予防メッセージを生成し、前記関係者に通知する。
【0010】
好適には、前記異常通知メッセージを通知した前後の前記6つの検査対象項目の各々の計測結果の変化を検出し、当該変化を基に、前記空気換気機能の設定内容を更新した新たなメッセージを前記関係者に通知する。
【0011】
好適には、前記6つの検査対象項目のそれぞれについて、前記異常基準条件以外に、前記異常基準条件を満たさない注意基準条件を規定し、前記6つの検査対象項目の全てが前記異常基準条件を満たさない場合でも、前記6つの検査対象項目のうち所定数の検査対象項目が前記注意基準条件を満たす場合に、事前注意メッセージを前記関係者に通知する。
【0012】
好適には、前記変化を基に、前記空気換気機能の性能を所定の基準と比較して判定し、性能が不十分な場合はその旨を示すメッセージを前記関係者に通知する。
【0013】
好適には前記異常通知メッセージを通知した前後の前記6つの検査対象項目の各々の計測結果の変化を検出し、当該変化を基に、前記空気換気機能の設定内容を更新した新たなメッセージを前記関係者に通知する。
【0014】
好適には、前記変化を基に、前記空気換気機能の性能を所定の基準を基に判定し、性能が不十分な場合はその旨を示すメッセージを前記関係者に通知する。
【0015】
好適には、前記屋内にいる人の人数、当該屋内のレイアウトの少なくとも一方の情報を基に、前記異常通知メッセージを生成する第4の工程を前記コンピュータが実行する。
【0016】
本発明は、監視対象の屋内の空気中の浮遊粉塵、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、湿度及び気流の6つの検査対象項目の計測結果をネットワークを介して取得する第1の手段と、前記6つの検査対象項目の各々についての計測結果が、予め決められた異常基準条件を満たすか否かをそれぞれ判断する第2の手段と、前記第2の手段で異常基準条件を満す検査対象項目がある場合に、予め取得した前記屋内の空気換気機能情報を基に、当該検査対象項目について予め関連付けられ空気換気機能の設定内容が含まれた異常通知メッセージを生成して前記屋内の関係者に通知する第3の手段と、前記異常通知メッセージを通知した前後の前記6つの検査対象項目の各々の計測結果の変化を検出し、当該変化を基に、前記空気換気機能の設定内容を更新する必要があるかを判断する第4の手段と、前記第4の手段で更新する必要があると判断した場合に、更新した前記設定内容を含む新たなメッセージを前記関係者に通知する第5の手段と、を有する屋内空気計測システムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、測定対象室の空気環境を遠隔から監視し、異常時にその旨を通知できる屋内空気計測方法及びそのシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の第1実施形態の屋内空気計測システム1を説明するための図である。
図2図2は、図1に示す計測対象室4を説明するための図である。
図3図3は、図1に示す屋内空気計測システム1の機能ブロック図である。
図4図4は、本実施形態において、計測対象室4内のセンサー21から計測情報を屋内空気計測システム1に送信する動作を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、図1に示す屋内空気計測システム1にいて、計測対象室4の空気環境の異常を判断する流れを説明するためのフローチャート図である。
図6図6は、空気換気機能情報を基に異常発生メッセージを送信する場合を説明するためのフローチャート図である。
図7図7は、図6において、さらに事前注意メッセージを送信する場合を説明するためのフローチャート図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る屋内空気計測システム1の処理を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る屋内空気計測方法及びそのシステムについて説明する。
本実施形態の屋内空気計測システムは、屋内の空気中の「浮遊粉塵」「一酸化炭素」「二酸化炭素」「温度」「湿度」「気流」の6つの検査対象項目を検査し、遠隔から監視する。
【0020】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の屋内空気計測システム1を説明するための図である。
図1に示すように、屋内空気計測システム1は、複数の計測対象室4の屋内空気を計測する。
【0021】
図2は、図1に示す計測対象室4を説明するための図である。
図2に示すように、計測対象室4内には、単数又は複数個所に「浮遊粉塵」「一酸化炭素」「二酸化炭素」「温度」「湿度」「気流」の6つ検査対象項目を計測するセンサー21が設けらている。計測対象室4には、当該計測対象室4内に配置されたセンサー21からの計測情報を屋内空気計測システム1に送信する通信装置23が設けられている。
【0022】
屋内空気計測システム1は、複数の計測対象室4の通信装置23から、上記6つの検査対象項目の計測情報を受信する。
【0023】
図3は、図1に示す屋内空気計測システム1の機能ブロック図である。
図3に示すように、屋内空気計測システム1は、例えば、ディスプレイ51,入力部53,通信部55,メモリ59及び処理部(CPU)61を有し、これが同一の筐体内に収容されている。
【0024】
ディスプレイ51は、処理部61からの信号に基づいた画面を表示する。
【0025】
入力部53は、タッチパネル、キーボードやマウス等の操作手段から操作情報を入力するインタフェースである。
通信部55は、計測対象室4の関係者の端末装置と通信を行う。
メモリ59は、処理部61が実行するプログラムを記憶する。
処理部61は、メモリ59に記憶されたプログラムPRG1を実行して、本実施形態で規定する屋内空気計測システム1の処理を行う。
【0026】
メモリ59は、図1に示す測定対象室4のそれぞれについて、通知者の通知先(通知アドレス等)を記憶する。
また、メモリ59は、測定対象室4のそれぞれについて、空気換気機能情報を記憶する。空気換気機能は、例えば、窓の自動又は手動開閉、空調設備の種類等である。
【0027】
図4は、本実施形態において、計測対象室4内のセンサー21から計測情報を屋内空気計測システム1に送信する動作を説明するためのフローチャートである。
ステップST11;
計測対象室4において、センサー21の計測情報が、通信装置23のメモリに記憶される。
【0028】
ステップST12:
通信装置23は、予め決められた時間間隔、又は所定の計測情報送信時刻なったか否かを判断し、肯定判定の場合にステップST13に進む。
【0029】
ステップST13:
通信装置23は、メモリから計測情報を読み出して、屋内空気計測システム1に送信する。
【0030】
ステップST14:
屋内空気計測システム1は、図3に示すメモリ59に、ステップST13で受信した計測情報を記憶する。
【0031】
図5は、図1に示す屋内空気計測システム1にいて、計測対象室4の空気環境の異常を判断する流れを説明するためのフローチャート図である。
ステップST21:
屋内空気計測システム1の処理部61は、所定の異常判断時刻になると、ステップST22に進む。
【0032】
ステップST22:
処理部61は、メモリ59から各計測対象室4の毎に上記6つの検査対象項目の計測情報を読み出す。
そして、処理部61は、当該読み出した6つの計測情報が、それぞれについて規定された異常基準条件を満たすか否かを判断する。
【0033】
ステップST23:
処理部61は、ステップST22において、少なくとも一つの計測情報が異常基準条件を満たすと、ステップST24に進む。
【0034】
ステップST24:
処理部61は、異常発生メッセージを、計測対象の測定対象室4の関係者に通知する処理を行う。
【0035】
図6は、空気換気機能情報を基に異常発生メッセージを送信する場合を説明するためのフローチャート図である。
図6において、図5と同じ符号を付したステップは、前述したステップと同じである。
ステップST31:
処理部61は、異常基準条件を満たした測定対象室4の空気換気機能情報をメモリ59から読み出し、それを基に異常発生メッセージを生成する。
このとき、処理部61は、計測情報の内容に応じて、測定対象室4が備える空気換気機能をどのように作動させるかについて換気提案情報を含む異常発生メッセージを生成する。
例えば、換気提案情報は、窓を開ける時間、空調の設定、室内から人を出す等である。
【0036】
図7は、図6において、さらに事前注意メッセージを送信する場合を説明するためのフローチャート図である。
図7において、図6と同じ符号を付したステップは、前述したステップと同じである。
ステップST41:
処理部61は、ステップST22において、少なくとも一つの計測情報が異常基準条件を満たすとステップST31に進み、そうでないとステップST42に進む。
【0037】
ステップST42:
処理部61は、メモリ59から各計測対象室4の毎に上記6つの検査対象項目の計測情報を読み出す。
そして、処理部61は、当該読み出した6つの計測情報が、それぞれについて規定された注意基準条件を満たすか否かを判断し、所定数の検査対象項目が注意基準条件を満たすか否かを判断する。
【0038】
ステップST43:
処理部61は、ステップST42で肯定判定の場合にステップST44に進み、そうでない場合に処理を終了する。
【0039】
ステップST44:
処理部61は、事前注意メッセージを生成し、関係者に通知する処理を行う。
【0040】
上述した実施形態において、異常発生メッセージや、事前注意メッセージは、測定対象室4の関係者の端末装置に送信してもよいし、測定対象室4を管理する管理システムに配置されているアラームランプを点灯させてもよい。また、アラーム音を出力してもよい。
【0041】
以上説明したように、屋内空気計測システム1によれば、測定対象室4内の空気環境を遠隔から監視し、必要に応じて異常通知メッセージを測定対象室4の関係者に送信できる。そのため、関係者は、当該メッセージを基に、測定対象室4内の空気環境を改善することができる。
【0042】
また、屋内空気計測システム1によれば、異常通知メッセージに、測定対象室4が備える空気換気機能に応じた設定内容を含ませることで、関係者は具体的に何をすればよいかを容易に把握できる。また、当該設定内容を基に、測定対象室4内において自動的に空気換気装置を稼働できる。
【0043】
また、屋内空気計測システム1によれば、異常基準条件を満たさなくても、注意基準条件を満たすと、メッセージを送信することから、測定対象室4内の空気環境が異常になる前に適切に対処が可能になる。
【0044】
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態に係る屋内空気計測システム1の処理を説明するためのフローチャート図である。
図8において図6と同じ符号を付したステップは、前述したステップと同じである。
【0045】
ステップST51:
屋内空気計測システム1の処理部61は、ステップST32で異常発生メッセージを関係者に通知した後に測定対象室4で計測された計測情報の変化(通知前後の変化)を基に、空気換気機能の設定内容を更新する必要があるか否か(異常発生メッセージを再送信する必要があるか否か)を判断する。
例えば、ステップST32で異常発生メッセージを送信した後に、計測情報の変化から、検査対象項目についての改善は見られたが不十分である場合に、更新する必要があると判断する。
【0046】
ステップST52:
ステップST51で異常発生メッセージを再送信する必要があると判断した場合にはステップST53に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0047】
ステップST53:
処理部61は、空気換気機能を更新した設定内容を含む異常発生メッセージを再度、該当する測定対象室4の関係者に通知する処理を行う。
【0048】
また、本実施形態において、上述した異常発生メッセージ送信の前後における計測情報の変化を基に、空気換気機能の性能を所定の基準と比較して判定し、性能が不十分な場合はその旨を示すメッセージを前記関係者に通知する。これにより、測定対象室4における空気換気機能が不十分な場合に、その改善に取り組むことが可能になる。
このとき、複数の測定対象室4が行った改善情報を取得し、空気換気機能が同一・類似の他の測定対象室4が実施して一定の効果があった改善情報を、対象となる測定対象室4の関係者に通知してもよい。
【0049】
以上説したように、第2実施形態によれば、測定対象室4において異常発生メッセージに含まれる空気換気機能の設定内容を基に関係者が換気を実施した後に、その変化から換気効果を屋内空気計測システム1において判断し、不十分の場合に、その結果に基づいたさらなる設定内容を含むメッセージを送信できる。そのため、適切な換気対応が可能になる。
【0050】
なお、本実施形態において、測定対象室4内にどのような環境変化がどの程度発生しているかを推定するため、AI技術を採用してもよい。
屋内空気計測システム1は、受信したセンサー21の計測情報をAIで分析し、将来の環境変化を予測する。
【0051】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、測定対象室内の空気環境を遠隔から監視する屋内空気計測システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…屋内空気計測システム
4…測定対象室
21…センサー
23…通信装置



【要約】
【課題】 測定対象室の空気環境を遠隔から監視し、異常時にその旨を通知できる屋内空気計測方法を提供する。
【解決手段】 監視対象の屋内の空気中の浮遊粉塵、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、湿度、気流の6つの検査対象項目の計測結果をネットワークを介して取得する第1の工程と、前記6つの検査対象項目の各々についての計測結果が、予め決められた異常基準条件を満たすか否かをそれぞれ判断する第2の工程と、前記第2の工程で異常基準条件を満す検査対象項目がある場合に、当該検査対象項目について予め関連付けられた異常通知メッセージを前記屋内の関係者に通知する第3の工程とをコンピュータが実行する。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8