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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】位置決め機構及び試験装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240709BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20240709BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20240709BHJP
【FI】
H01L21/66 B
H01L21/68 G
G01R31/26 J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024008396
(22)【出願日】2024-01-24
【審査請求日】2024-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2023065399
(32)【優先日】2023-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505163349
【氏名又は名称】サントテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142136
【弁理士】
【氏名又は名称】深澤 潔
(72)【発明者】
【氏名】藤田 常人
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-098224(JP,A)
【文献】特開平07-174819(JP,A)
【文献】特開平10-160796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 21/67-21/687
H01L 21/02
G01R 31/26-31/3193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配される一対の位置決め対象物と、前記一対の位置決め対象物の何れか一方が配される支持部と、を備えて、前記一対の位置決め対象物を所定の位置に位置決めする位置決め機構であって、
前記一対の位置決め対象物の一方又は前記支持部に配されて第一中心軸線を有する第一凸部と、前記支持部又は前記一対の位置決め対象物の一方に配されて第二中心軸線を有する第一凹部と、を有して前記第一凸部と前記第一凹部とが係合される第一位置決め部と、
前記一対の位置決め対象物の一方又は他方に配されて第三中心軸線を有する第二凸部と、前記一対の位置決め対象物の他方又は一方に配されて第四中心軸線を有する第二凹部と、を有して前記第二凸部と前記第二凹部とが係合される第二位置決め部と、
を備え、
前記第一位置決め部が、前記第一凸部と前記第一凹部とが係合された状態で前記第一中心軸線に対する前記第二中心軸線の位置又は傾斜角度の少なくとも一方を変化させる第一調整部を備え、
前記第二位置決め部が、前記第二凸部と前記第二凹部との係合時に前記第三中心軸線と前記第四中心軸線とを一致させる第二調整部を備える位置決め機構。
【請求項2】
互いに対向して配される一対の位置決め対象物と、前記一対の位置決め対象物の何れか一方が配される支持部と、を備えて、前記一対の位置決め対象物を所定の位置に位置決めする位置決め機構であって、
前記一対の位置決め対象物の一方又は前記支持部に配されて第一中心軸線を有する第一凸部と、前記支持部又は前記一対の位置決め対象物の一方に配されて第二中心軸線を有する第一係止部と、を有して前記第一凸部が前記第一係止部に当接される第一位置決め部と、
前記一対の位置決め対象物の一方又は他方に配されて第三中心軸線を有する第二凸部と、前記一対の位置決め対象物の他方又は一方に配されて第四中心軸線を有する第二凹部と、を有して前記第二凸部と前記第二凹部とが係合される第二位置決め部と、
を備え、
前記第一位置決め部が、前記第一係止部に前記第一凸部が当接されつつ前記第一中心軸線に対する前記第二中心軸線の位置又は傾斜角度の少なくとも一方を変化させる第一調整部を備え、
前記第二位置決め部が、前記第二凸部と前記第二凹部との係合時に前記第三中心軸線と前記第四中心軸線とを一致させる第二調整部を備える位置決め機構。
【請求項3】
前記第二調整部が前記第二凹部に配され、該第二凹部に対する前記第二凸部の移動を前記第四中心軸線方向に規制する請求項1又は2に記載の位置決め機構。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の位置決め機構を備え、前記一対の位置決め対象物を前記所定の位置に位置決め後に試験を行う試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決め機構及び試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスなどを製造した後、良品、不良品の判別を行なうために、半導体試験装置を用いて半導体デバイスなどの電気的特性などを測定検査する。このような半導体試験装置は、半導体デバイスを供給するハンドラと、半導体デバイスが搭載されるテストヘッドと、を備えることが一般的である。テストヘッドには半導体デバイスの特性を検査するためのパフォーマンスボードが取付けられている。パフォーマンスボードは半導体デバイスの種類等に応じて各種準備されており、テストヘッドに対して交換可能に取付けられている。
【0003】
ハンドラを用いて通常の測定を行う場合、テストヘッドはハンドラ直下の近接に相対した状態で位置決めされて行われる。そのため、パフォーマンスボードの交換作業を行う際には、ハンドラが直上にある状態ではパフォーマンスボードの交換作業ができないことから、テストヘッドを下方に移動してテストヘッドとハンドラとの間を離間する。
【0004】
パフォーマンスボードを交換した後、テストヘッドを元の位置まで移動し、さらにテストヘッドを所定位置まで上昇して位置決めした後、ハンドラから半導体デバイスを供給し、新たな検査測定作業を行なう。
【0005】
この際、ハンドラ及びテストヘッドを精度よく位置決めするために使用される位置決め機構として種々のものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-98224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ハンドラ及びテストヘッドのように相対する位置決め対象物の位置調整を精度よく行える位置決め機構及び試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る位置決め機構は、互いに対向して配される一対の位置決め対象物と、前記一対の位置決め対象物の何れか一方が配される支持部と、を備えて、前記一対の位置決め対象物を所定の位置に位置決めする位置決め機構であって、前記一対の位置決め対象物の一方又は前記支持部に配されて第一中心軸線を有する第一凸部と、前記支持部又は前記一対の位置決め対象物の一方に配されて第二中心軸線を有する第一凹部と、を有して前記第一凸部と前記第一凹部とが係合される第一位置決め部と、前記一対の位置決め対象物の一方又は他方に配されて第三中心軸線を有する第二凸部と、前記一対の位置決め対象物の他方又は一方に配されて第四中心軸線を有する第二凹部と、を有して前記第二凸部と前記第二凹部とが係合される第二位置決め部と、を備え、前記第一位置決め部が、前記第一凸部と前記第一凹部とが係合された状態で前記第一中心軸線に対する前記第二中心軸線の位置又は傾斜角度の少なくとも一方を変化させる第一調整部を備え、前記第二位置決め部が、前記第二凸部と前記第二凹部との係合時に前記第三中心軸線と前記第四中心軸線とを一致させる第二調整部を備える。
【0009】
また、本発明に係る位置決め機構は、互いに対向して配される一対の位置決め対象物と、前記一対の位置決め対象物の何れか一方が配される支持部と、を備えて、前記一対の位置決め対象物を所定の位置に位置決めする位置決め機構であって、前記一対の位置決め対象物の一方又は前記支持部に配されて第一中心軸線を有する第一凸部と、前記支持部又は前記一対の位置決め対象物の一方に配されて第二中心軸線を有する第一係止部と、を有して前記第一凸部が前記第一係止部に当接される第一位置決め部と、前記一対の位置決め対象物の一方又は他方に配されて第三中心軸線を有する第二凸部と、前記一対の位置決め対象物の他方又は一方に配されて第四中心軸線を有する第二凹部と、を有して前記第二凸部と前記第二凹部とが係合される第二位置決め部と、を備え、前記第一位置決め部が、前記第一係止部に前記第一凸部が当接されつつ前記第一中心軸線に対する前記第二中心軸線の位置又は傾斜角度の少なくとも一方を変化させる第一調整部を備え、前記第二位置決め部が、前記第二凸部と前記第二凹部との係合時に前記第三中心軸線と前記第四中心軸線とを一致させる第二調整部を備える。
【0010】
また、本発明に係る位置決め機構は、前記第二調整部が前記第二凹部に配され、該第二凹部に対する前記第二凸部の移動を前記第四中心軸線方向に規制する。
【0011】
本発明に係る試験装置は、本発明に係る位置決め機構を備え、前記一対の位置決め対象物を前記所定の位置に位置決め後に試験を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、相対する一対の位置決め対象物を精度よく位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体試験装置の概要を示す正面図である。
図2図1のII-II矢視図である。
図3図1のIII部拡大図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る位置決め機構の第二位置決め部の概要図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る半導体試験装置の概要を示す正面図である。
図6図5のVI部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る半導体試験装置(試験装置)10は、試験体となる不図示の半導体デバイスを供給するハンドラ(位置決め対象物)11と、半導体デバイスの各種特性を測定する測定部12が配されてハンドラ11と対向して配されるテストヘッド(位置決め対象物)13と、テストヘッド13が配された架台(支持部)15と、架台15を支持するベースボード16と、ハンドラ11及びテストヘッド13を所定の位置に位置決めする位置決め機構17と、を備える。
【0015】
テストヘッド13は、略直方体状に形成されており、テストヘッド13の上面13Aには、各種スロット形状を有するパフォーマンスボード18が、交換自在に配されている。ハンドラ11には、半導体デバイスが配されてパフォーマンスボード18と対向する対向面11Aが配されている。
【0016】
架台15は、テストヘッド13の底面13B側と対向する基体20と、テストヘッド13の側面13Cと対向するよう基体20に立設された一対の壁部21A,21Bと、を備える。基体20とベースボード16との間にはガイド部22が配され、ガイド部22を介して基体20がベースボード16に対して水平方向に移動可能に配されている。
【0017】
位置決め機構17は、互いに係合する第一凸部23と第一凹部25とを有する第一位置決め部26と、互いに係合する第二凸部27と第二凹部28とを有する第二位置決め部30と、を備える。第一位置決め部26は、一対の壁部21A,21Bの端部側に2個ずつ配されている。また、第二位置決め部30は、一対の壁部21A,21B側に1個及び2個に分かれて配されている。
【0018】
第一凸部23は、架台15の一対の壁部21A,21Bに配されて、ハンドラ11とテストヘッド13とが対向する方向に伸びる第一中心軸線C1を有する。第一凸部23は、球部(第一調整部)31と、球部31の少なくとも一部が第二中心軸線C2方向に突出した状態で球部31を支持する台部32と、一対の壁部21A,21Bに対して台部32を上下方向に移動させる駆動部33と、を備える。台部32には、球部31を回転自在に支持する支承部35が配されている。駆動部33は、例えばエアシリンダーを備える。
【0019】
第一凹部25は、テストヘッド13の側面13Cから突出して配された第一腕部36内で第一凸部23に向かって開口して配され、第一中心軸線C1と平行に伸びる第二中心軸線C2を有する。第一凹部25は、球部31及び台部32の少なくとも一部が挿入可能な大きさに形成されており、球部31が当接する接触面部25Aが内面に配されている。この球部31は、台部32に対して回転自在に配されるため、第一凹部25と台部32との隙間Sの大きさに応じて第一凸部23と第一凹部25とが係合した状態で第一中心軸線C1に対する第二中心軸線C2の位置又は傾斜角度の少なくとも一方が変化可能となっている。
【0020】
第二凸部27は、テストヘッド13の側面から突出して配された第二腕部37に、ハンドラ11とテストヘッド13とが対向する方向に伸びる第三中心軸線C3を有して立設されている。第二凹部28は、第一凸部23に向かって開口してハンドラ11に配され、第三中心軸線C3と平行に伸びる第四中心軸線C4を有する。
【0021】
第二凸部27は、第三中心軸線C3方向に伸びる円柱状に形成された基部38と、基部38よりも小径の円柱状に形成されて基部38の先端側から第三中心軸線C3方向に突出して配された突出部40と、を備える。
【0022】
第二凹部28は、第二凸部27と対向するハンドラ11の所定位置にそれぞれ配され、軸受(第二調整部)41Aと、軸受41Aを第四中心軸線C4と直交する回転軸SC周りに回転自在に配する軸受支持部41Bと、を備える。軸受支持部41Bは、第四中心軸線C4周りに同一角度で離間して3個配されている。各軸受支持部41Bには、1個の軸受41Aが配されている。この際、第四中心軸線C4を中心として各軸受41Aの第四中心軸線C4側の表面で形成される仮想円Cの直径が、基部38の外径よりも小さく突出部40の外径と略同一となっている。
【0023】
そのため、突出部40が第二凹部28内に挿入された際、第三中心軸線C3と第四中心軸線C4とがずれていたとしても、突出部40が軸受41Aに当接した際の反力によって第三中心軸線C3と第四中心軸線C4とが一致するよう調整される。
【0024】
第二位置決め部30の近傍には、第二凸部27と第二凹部28との係合状況を検知する位置センサ42が配されている。
【0025】
次に、本実施形態に係る位置決め機構17及び半導体試験装置10について、パフォーマンスボード18の交換作業を行う場合を例として説明する。
【0026】
パフォーマンスボード18の交換作業を行う際、まずは、駆動部33を稼働してテストヘッド13を下方に移動し、テストヘッド13とハンドラ11とを離間する。そして、テストヘッド13を架台15とともにベースボード16に対して水平方向に移動して作業空間を確保する。
【0027】
パフォーマンスボード18を交換してテストヘッド13をハンドラ11の下方まで水平移動した後、駆動部33を稼働してテストヘッド13を上方に移動し、ハンドラ11に接近して第二凸部27の突出部40を第二凹部28内に挿入する。
【0028】
テストヘッド13も交換する場合には、架台15からテストヘッド13を取り出し、別のテストヘッド13を取り付ける。この際、第一凸部23と第一凹部25とが係合される。以降は、パフォーマンスボード18のみを交換する場合と同様である。
【0029】
第二凸部27の突出部40を第二凹部28内に挿入する際、第三中心軸線C3と第四中心軸線C4とが一致していない場合には、突出部40が軸受41Aに当接する。このとき、軸受41Aからの反力によって第一凸部23に対して第一凹部25が水平方向に移動、すなわち、テストヘッド13が架台15に対して、第三中心軸線C3と第四中心軸線C4とが一致する方向に移動する。
【0030】
第二凸部27と第二凹部28とが係合していない箇所が位置センサ42にて確認された場合、位置センサ42にて係合が確認されるまで台部32を上下方向に移動する。こうして、すべての位置決め機構にて水平方向及び上下方向に対する位置決めが終了する。位置決め後、半導体試験装置10にてあらためて不図示の半導体デバイスの各種特性試験を実施する。
【0031】
この位置決め機構17及び半導体試験装置10によれば、ハンドラ11に対するテストヘッド13の位置決めを機械的かつ正確に行うことができる。
【0032】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図5及び図6を参照して説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る半導体試験装置50の位置決め機構51における第1位置決め部52及び第2位置決め部30が上下逆方向に配設されているとした点である。
【0033】
本実施形態に係る半導体試験装置50は、テストヘッド13と、テストヘッド13の下方に配されたプローバ(位置決め対象物)53と、を備える。テストヘッド13は、略直方体状に形成されており、テストヘッド13の底面13Bにパフォーマンスボード18が、交換自在に配されている。
【0034】
架台55は、プローバ53が載置される基体55Aと、テストヘッド13の側面13Cと対向するよう基体55Aに立設された一対の壁部55B,55Cと、を備える。
【0035】
第1位置決め部52は、第一凸部56と第一係止部57とを備え、55B,55Cの端部側に2個ずつ配されている。第二位置決め部30は、一対の壁部55B,55C側に1個及び2個に分かれて配されている。
【0036】
第一凸部56は、架台55の一対の壁部55B,55Cに配された収容部58内に配されて、テストヘッド13とプローバ53とが対向する方向に伸びる第一中心軸線C1を有する。第一凸部56は、球部31と、球部31の少なくとも一部が第一中心軸線C1方向に突出した状態で球部31を支持する台部32と、一対の壁部55B,55Cに対して台部32を第一中心軸線C1方向に移動可能にさせる弾性部60と、を備える。弾性部60は例えばバネとされる。収容部58は、球部31、台部32の少なくとも一部及び弾性部60が挿入可能な大きさに形成されている。
【0037】
第一係止部57は、第二中心軸線C2を有してテストヘッド13の側面13Cから水平方向に突出するとともに球部31が当接可能に配された第一腕部36と、第一腕部36と一対の壁部55B,55Cとの相対移動を抑制する第一固定部61と、を備えている。
【0038】
第二凸部27は、テストヘッド13の側面から突出して配された第二腕部37に、テストヘッド13とプローバ53とが対向する方向に伸びる第三中心軸線C3を有して下方に向かって立設されている。
【0039】
第二凹部28は、第二凸部27と対向するプローバ53の所定位置にそれぞれ配され、軸受(第二調整部)41Aと、軸受41Aを第四中心軸線C4と直交する回転軸SC周りに回転自在に配する軸受支持部41Bと、を備える。ただし、プローバ53から第二凹部28の先端までの高さLは、設置場所によって順番に異なる高さとされている。
【0040】
次に、本実施形態に係る位置決め機構51及び半導体試験装置50について、パフォーマンスボード18の交換作業を行う場合を例として説明する。
【0041】
パフォーマンスボード18の交換作業を行う際、まずは、第一固定部61を操作して第一腕部36と一対の壁部55B,55Cとの相対移動を可能とした後、テストヘッド13を上方に移動し、テストヘッド13とプローバ53とを離間する。そして、テストヘッド13を架台55に対して水平方向に移動して作業空間を確保する。
【0042】
パフォーマンスボード18を交換してテストヘッド13をプローバ53の上方まで水平移動した後、テストヘッド13を下方に移動し、プローバ53に接近して第二凸部27の突出部40を第二凹部28内に挿入する。
【0043】
テストヘッド13も交換する場合には、架台55からテストヘッド13を取り出し、別のテストヘッド13を取り付ける。この際、第一凸部23が第一腕部36と当接される。以降は、パフォーマンスボード18のみを交換する場合と同様である。
【0044】
第二凸部27の突出部40を第二凹部28内に挿入する際、第二凹部28のうち、プローバ53からの高さLが最も高い位置の第二凹部28から順に挿入していく。この際、第三中心軸線C3と第四中心軸線C4とが一致していない場合には、突出部40が軸受41Aに当接する。このとき、軸受41Aからの反力によって第一凸部23に対して第一腕部36が水平方向に移動、すなわち、テストヘッド13が架台55に対して、第三中心軸線C3と第四中心軸線C4とが一致する方向に移動する。
【0045】
第二凸部27と第二凹部28とが係合していない箇所が位置センサ42にて確認された場合、位置センサ42にて係合が確認されるまで台部32を上下方向に移動する。こうして、水平方向及び上下方向に対する位置決めの終了後、第一固定部61をセットする。こうして、半導体試験装置50にてあらためて不図示の半導体デバイスの各種特性試験を実施する。
【0046】
この位置決め機構51及び半導体試験装置50によれば、位置決め機構17及び半導体試験装置10と同様にプローバ53に対するテストヘッド13の位置決めを機械的かつ正確に行うことができる。
【0047】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第一凹部25がテストヘッド13に配され、第一凸部23が架台15に配されるとしているが、これに限らず、第一凸部23がテストヘッド13に配され、第一凹部25が架台15に配されるとしてもよい。
【0048】
また、第二凸部27がテストヘッド13に配され、第二凹部28がハンドラ11に配されるとしているが、これに限らず、第二凹部28がテストヘッドに配され、第二凸部27がハンドラに配されるとしてもよい。さらに、ハンドラ11とテストヘッド13とが一対の位置決め対象物を構成するとともに、ハンドラ11に対してテストヘッド13を移動して位置決めしているとしているが、テストヘッドに対してハンドラを移動して位置決めしても構わず、双方を互いに移動しても構わない。また、一対の位置決め対象物はハンドラ、プローバ及びテストヘッドに限らない。
【0049】
また、半導体試験装置10,51が位置決め機構17,50を備えるとしているが、位置決め機構17,50は半導体試験装置10,51に限らず、位置決めが必要な他の装置等に配されているとしても構わない。
【符号の説明】
【0050】
10,50 半導体試験装置(試験装置)
11 ハンドラ(位置決め対象物)
13 テストヘッド(位置決め対象物)
15,55 架台(支持部)
17,51 位置決め機構
23,56 第一凸部
25 第一凹部
26,52 第一位置決め部
27 第二凸部
28 第二凹部
30 第二位置決め部
31 球部(第一調整部)
41A 軸受(第二調整部)
53 プローバ(位置決め対象物)
57 第一係止部
C1 第一中心軸線
C2 第二中心軸線
C3 第三中心軸線
C4 第四中心軸線

【要約】
【課題】相対する位置決め対象物の位置調整を精度よく行える位置決め機構及び試験装置を提供すること。
【解決手段】位置決め機構10は、テストヘッド13に配された第一凹部25と、架台15に配された第一凸部23と、を有して第一凸部23と第一凹部25とが係合される第一位置決め部26と、テストヘッド13に配された第二凸部27と、ハンドラ11に配された第二凹部28と、を有して第二凸部27と第二凹部28とが係合される第二位置決め部30と、を備え、第一位置決め部26が、第一凸部23と第一凹部25とが係合された状態で第一中心軸線C1に対する第二中心軸線C2の位置又は傾斜角度の少なくとも一方を変化させる球部31を備え、第二位置決め部30が、第二凸部27と第二凹部28との係合時に第三中心軸線C3と第四中心軸線C4とを一致させる軸受41Aを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6