(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】広視野を有する導波管プロジェクタのためのシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240709BHJP
H04N 13/344 20180101ALI20240709BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N13/344
H04N5/64 511A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205403
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2019551615の分割
【原出願日】2018-03-21
【審査請求日】2022-12-22
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ティー. ショーウェンゲルト
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディー. ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ デイビッド メルヴィル
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08903207(US,B1)
【文献】特開2011-150231(JP,A)
【文献】国際公開第2016/011367(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0296163(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0218801(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0132914(US,A1)
【文献】特開2014-132328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
H04N 5/64
G02B 5/18
G02B 6/124
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の鼻領域と、第1の周辺領域と、前記第1の鼻領域と前記第1の周辺領域との間に配置される第1の中心とを有する第1のレンズフレームを有する眼鏡内に配置される導波管ディスプレイであって、前記導波管ディスプレイは、
前記第1のレンズフレーム内に配置される第1の瞳エクスパンダアセンブリであって、前記第1の瞳エクスパンダアセンブリは、第1の視野によって画定された第1の画像を投影するように動作可能であり、前記第1の瞳エクスパンダアセンブリは、前記第1の鼻領域に向かって前記第1の瞳エクスパンダアセンブリ内で光を伝搬させることと、前記第1の瞳エクスパンダアセンブリと関連付けられた第1の放出
面の法線に対して第1の非ゼロ角度で光を放出することとを行うように動作可能である、第1の瞳エクスパンダアセンブリと、
前記第1の放出面の法線の方向に対して前記第1の瞳エクスパンダアセンブリに隣接して前記第1のレンズフレーム内に配置される第2の瞳エクスパンダアセンブリであって、前記第2の瞳エクスパンダアセンブリは、前記第1の視野と異なる第2の視野によって画定された第2の画像を投影するように動作可能であり、前記第2の瞳エクスパンダアセンブリは、前記第1の周辺領域に向かって前記第2の瞳エクスパンダアセンブリ内で光を伝搬させることと、前記第2の瞳エクスパンダアセンブリと関連付けられた第2の放出
面の法線に対して第2の非ゼロ角度で光を放出することとを行うように動作可能である、第2の瞳エクスパンダアセンブリと
を備え、
前記第1の放出面は、前記第2の放出面と平行であり、
前記第1の非ゼロ角度
および前記第2の非ゼロ角度
は、同一平面内に存在し、向きが逆である、導波管ディスプレイ。
【請求項2】
前記第1の視野は、前記第1の中心と前記第1の鼻領域との間の位置に中心合わせされる、請求項1に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項3】
前記第2の視野は、前記第1の中心と前記第1の周辺領域との間の位置に中心合わせされる、請求項2に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項4】
前記第1の視野および前記第2の視野は、タイル状にされる、請求項1に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項5】
前記第1の視野の一部は、前記第2の視野の一部と重複する、請求項1に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項6】
前記第1の瞳エクスパンダアセンブリは、
前記第1の画像の画像データを第1のプロジェクタから受信するように動作可能である第1の入力結合要素と、
前記第1の入力結合要素に光学的に結合される第1の直交瞳エクスパンダと、
前記第1の直交瞳エクスパンダに光学的に結合される第1の射出瞳エクスパンダと
を備える、請求項1に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項7】
前記第2の瞳エクスパンダアセンブリは、
前記第2の画像の画像データを前記第1のプロジェクタと異なる第2のプロジェクタから受信するように動作可能である第2の入力結合要素と、
前記第2の入力結合要素に光学的に結合される第2の直交瞳エクスパンダと、
前記第2の直交瞳エクスパンダに光学的に結合される第2の射出瞳エクスパンダと
を備える、請求項6に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項8】
前記第1の入力結合要素または前記第2の入力結合要素は、入力結合格子を含む、請求項7に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項9】
請求項1に記載の導波管ディスプレイを備える眼鏡であって、
前記眼鏡はさらに、第2の鼻領域と、第2の周辺領域と、前記第2の鼻領域と前記第2の周辺領域との間に配置される第2の中心とを有する第2のレンズフレーム
と、第2の導波管ディスプレイとを備え、前記
第2の導波管ディスプレイはさらに、
前記第2のレンズフレーム内に配置される第3の瞳エクスパンダアセンブリであって、前記第3の瞳エクスパンダアセンブリは、第3の視野によって画定された第3の画像を投影するように動作可能であり、前記第3の瞳エクスパンダアセンブリは、前記第2の鼻領域に向かって前記第3の瞳エクスパンダアセンブリ内で光を伝搬させることと、前記第3の瞳エクスパンダアセンブリと関連付けられた第3の放出
面の法線に対して第3の非ゼロ角度で光を放出することとを行うように動作可能である、第3の瞳エクスパンダアセンブリと、
前記第3の瞳エクスパンダアセンブリに隣接して前記第2のレンズフレーム内に配置される第4の瞳エクスパンダアセンブリであって、前記第4の瞳エクスパンダアセンブリは、前記第3の視野と異なる第4の視野によって画定された第4の画像を投影するように動作可能であり、前記第4の瞳エクスパンダアセンブリは、前記第2の周辺領域に向かって前記第4の瞳エクスパンダアセンブリ内で光を伝搬させることと、前記第4の瞳エクスパンダアセンブリと関連付けられた第4の放出
面の法線に対して第4の非ゼロ角度で光を放出することとを行うように動作可能である、第4の瞳エクスパンダアセンブリと
を備え、
前記第3の放出面は、前記第4の放出面と平行であり、
前記第3の非ゼロ角度
および前記第4の非ゼロ角度
は、同一平面内に存在し、向きが逆である、
眼鏡。
【請求項10】
前記第1の非ゼロ角度
および前記第3の非ゼロ角度
は、同一平面内に存在し、向きが逆であり、前記第2の非ゼロ角度
および前記第4の非ゼロ角度
は、同一平面内に存在し、向きが逆である、請求項9に記載の
眼鏡。
【請求項11】
第1の鼻領域と、第1の周辺領域と、前記第1の鼻領域と前記第1の周辺領域との間に配置される第1の中心とを有する第1のレンズフレームを有する眼鏡内に配置される導波管ディスプレイであって、前記導波管ディスプレイは、
前記第1のレンズフレーム内に配置される第1の瞳エクスパンダアセンブリであって、前記第1の瞳エクスパンダアセンブリは、第1の視野によって画定された第1の画像を投影するように動作可能であり、前記第1の瞳エクスパンダアセンブリは、
画像データを第1のプロジェクタから受信す
るように動作可能である第1の入力結合要素と、
前記第1の入力結合要素に光学的に結合される第1の直交瞳エクスパンダ
であって、前記第1の直交瞳エクスパンダは、前記第1の鼻領域に向かって光を伝搬させるように動作可能である、第1の直交瞳エクスパンダと、
前記第1の直交瞳エクスパンダに光学的に結合される第1の射出瞳エクスパンダであって、前記第1の射出瞳エクスパンダは、前記第1の瞳エクスパンダアセンブリと関連付けられた第1の放出
面の法線に対して第1の非ゼロ角度で光を放出する、第1の射出瞳エクスパンダと
を備える、第1の瞳エクスパンダアセンブリと、
前記第1の放出面の法線の方向に対して前記第1の瞳エクスパンダアセンブリに隣接して
前記第1のレンズフレーム内に配置される第2の瞳エクスパンダアセンブリであって、前記第2の瞳エクスパンダアセンブリは、前記第1の視野と異なる第2の視野によって画定された第2の画像を投影するように動作可能である、第2の瞳エクスパンダアセンブリと
を備え
、
前記第2の瞳エクスパンダアセンブリは、
画像データを前記第1のプロジェクタと異なる第2のプロジェクタから受信するように動作可能である第2の入力結合要素と、
前記第2の入力結合要素に光学的に結合される第2の直交瞳エクスパンダであって、前記第2の直交瞳エクスパンダは、前記第1の周辺領域に向かって前記第2の瞳エクスパンダアセンブリ内で光を伝搬させるように動作可能である、第2の直交瞳エクスパンダと、
前記第2の直交瞳エクスパンダに光学的に結合される第2の射出瞳エクスパンダであって、前記第2の射出瞳エクスパンダは、前記第2の瞳エクスパンダアセンブリと関連付けられた第2の放出面の法線に対して第2の非ゼロ角度で光を放出する、第2の射出瞳エクスパンダと
を備え、
前記第1の放出面は、前記第2の放出面と平行であり、
前記第1の非ゼロ角度および前記第2の非ゼロ角度は、同一平面内に存在し、向きが逆である、導波管ディスプレイ。
【請求項12】
前記第2の瞳エクスパンダアセンブリは、前記眼鏡の右レンズフレーム内に配置される、請求項11に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項13】
前記第1の視野は、前記第1の中心と前記第1の鼻領域との間の位置に中心合わせされる、請求項12に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項14】
前記第2の視野は、前記第1の中心と前記第1の周辺領域との間の位置に中心合わせされる、請求項13に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項15】
前記第1の視野および前記第2の視野は、タイル状にされる、請求項11に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項16】
前記第1の視野の一部は、前記第2の視野の一部と重複する、請求項11に記載の導波管ディスプレイ。
【請求項17】
前記第1の射出瞳エクスパンダは、光を前記眼鏡のユーザの眼に向かって指向する、請求項11に記載の導波管ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2017年3月21日に出願され”Method and System for Waveguide Projector with Wide Field of View”と題された米国仮特許出願第62/474,493号に対する優先権を主張するものであり、その開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で視認者に提示される、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進している。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、視認者の周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
これらのディスプレイ技術において成された進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムに関連する改良された方法およびシステムの必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、概して、ウェアラブルディスプレイを含む、投影ディスプレイシステムに関連する方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、従来のシステムと比較して拡張される視野を有する、方法およびシステムを提供する。本発明は、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムにおける種々の用途に適用可能である。
【0005】
本発明のある実施形態によると、眼鏡内に配置される導波管ディスプレイが、提供される。導波管ディスプレイは、第1の視野によって画定された第1の画像を投影するように動作可能である、第1の瞳エクスパンダアセンブリを含む。導波管ディスプレイはまた、第1の瞳エクスパンダアセンブリに隣接して配置され、第1の視野と異なる第2の視野によって画定された第2の画像を投影するように動作可能である、第2の瞳エクスパンダアセンブリを含む。視野および第2の視野は、タイル状にされることができる、または第1の視野の一部は、第2の視野の一部と重複することができる。
【0006】
ある実施形態では、第1の瞳エクスパンダアセンブリおよび第2の瞳エクスパンダアセンブリは、眼鏡の右レンズフレーム内に配置される。右レンズフレームは、鼻領域と、周辺領域と、鼻領域と周辺領域との間に配置される、中心とを有する。第1の視野は、中心と鼻領域との間の位置に中心合わせされる。第2の視野は、中心と周辺領域との間の位置に中心合わせされる。さらに、導波管ディスプレイはまた、第3の視野によって画定された第1の画像を投影するように動作可能である、第3の瞳エクスパンダアセンブリと、第3の瞳エクスパンダアセンブリに隣接して配置され、第3の視野と異なる第4の視野によって画定された第2の画像を投影するように動作可能である、第4の瞳エクスパンダアセンブリとを含むことができる。この場合、第3の瞳エクスパンダアセンブリおよび第4の瞳エクスパンダアセンブリは、眼鏡のセットの左レンズフレーム内に配置されることができる。
【0007】
本発明の別の実施形態によると、眼鏡内に配置される導波管ディスプレイが、提供される。導波管ディスプレイは、入力データを第1のプロジェクタから受信するように動作可能である、第1の回折入力導波管と、入力データを第2のプロジェクタから受信するように動作可能である、第2の回折入力導波管とを含む。導波管ディスプレイはまた、第1の回折入力導波管と、第2の回折入力導波管とに光学的に結合され、中心法線を有する、回折出力導波管を含む。回折出力導波管は、第1のプロジェクタと関連付けられた画像データを中心法線に対して変位される第1の視野に向かって指向し、第2のプロジェクタと関連付けられた画像データを中心法線に対して変位される第2の視野に向かって指向するように動作可能である。
【0008】
本発明の具体的実施形態によると、眼鏡内に配置される導波管ディスプレイが、提供される。導波管ディスプレイは、入力データを第1のプロジェクタから受信するように動作可能である、第1の回折入力導波管と、入力データを第2のプロジェクタから受信するように動作可能である、第2の回折入力導波管とを含む。導波管ディスプレイはまた、第1の回折入力導波管と、第2の回折入力導波管とに光学的に結合される、回折出力導波管を含む。回折出力導波管は、第1の屈折力によって特徴付けられる第1の波面を有する、第1の画像ビームを形成し、第1の屈折力と異なる第2の屈折力によって特徴付けられる第2の波面を有する、第2の画像ビームを形成するように動作可能である。
【0009】
ある実施形態では、導波管ディスプレイはさらに、導波管ディスプレイと統合される、波面調節レンズと、導波管ディスプレイと統合される、補正レンズとを含む。波面調節レンズは、負のレンズであることができ、補正レンズは、正のレンズであることができる。実施例として、導波管ディスプレイは、世界側およびユーザ側によって特徴付けられることができ、第1の画像ビームおよび第2の画像ビームは、ユーザ側に向かって指向されることができ、波面調節レンズは、ユーザ側上に配置されることができ、補正レンズは、世界側上に配置されることができる。
【0010】
多数の利点が、従来の技法に優る本発明の方法によって達成される。例えば、本発明の実施形態は、ディスプレイの視野を増加させ、ユーザ体験を改良するために使用され得る、方法およびシステムを提供する。ある実施形態では、複数の深度平面が、ディスプレイによって生産され、立体画像の生成をもたらす。本発明のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くとともに、下記の文章および添付の図と併せてより詳細に説明される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
眼鏡内に配置される導波管ディスプレイであって、前記導波管ディスプレイは、
第1の視野によって画定された第1の画像を投影するように動作可能である第1の瞳エクスパンダアセンブリと、
前記第1の瞳エクスパンダアセンブリに隣接して配置され、前記第1の視野と異なる第2の視野によって画定された第2の画像を投影するように動作可能である第2の瞳エクスパンダアセンブリと
を備える、導波管ディスプレイ。
(項目2)
前記第1の瞳エクスパンダアセンブリおよび前記第2の瞳エクスパンダアセンブリは、前記眼鏡の右レンズフレーム内に配置される、項目1に記載の導波管ディスプレイ。
(項目3)
前記右レンズフレームは、鼻領域と、周辺領域と、前記鼻領域と前記周辺領域との間に配置される中心とを有し、前記第1の視野は、前記中心と前記鼻領域との間の位置に中心合わせされる、項目2に記載の導波管ディスプレイ。
(項目4)
前記第2の視野は、前記中心と前記周辺領域との間の位置に中心合わせされる、項目3に記載の導波管ディスプレイ。
(項目5)
前記第1の視野および前記第2の視野は、タイル状にされる、項目1に記載の導波管ディスプレイ。
(項目6)
前記第1の視野の一部は、前記第2の視野の一部と重複する、項目1に記載の導波管ディスプレイ。
(項目7)
前記第1の瞳エクスパンダアセンブリは、
画像データを第1のプロジェクタから受信するように動作可能である入力結合要素と、
前記入力結合要素に光学的に結合される直交瞳エクスパンダと、
前記直交瞳エクスパンダに光学的に結合される射出瞳エクスパンダと
を備える、項目1に記載の導波管ディスプレイ。
(項目8)
前記第1の瞳エクスパンダアセンブリは、放出平面によって特徴付けられ、前記射出瞳エクスパンダは、光を前記放出平面に対して非ゼロ角度で放出するように動作可能である、項目7に記載の導波管ディスプレイ。
(項目9)
眼鏡内に配置される導波管ディスプレイであって、前記導波管ディスプレイは、
入力データを第1のプロジェクタから受信するように動作可能である第1の回折入力導波管と、
入力データを第2のプロジェクタから受信するように動作可能である第2の回折入力導波管と、
前記第1の回折入力導波管および前記第2の回折入力導波管に光学的に結合され、中心法線を有する回折出力導波管であって、前記回折出力導波管は、
第1のプロジェクタと関連付けられた画像データを前記中心法線に対して変位される第1の視野に向かって指向することと、
第2のプロジェクタと関連付けられた画像データを前記中心法線に対して変位される第2の視野に向かって指向することと
を行うように動作可能である、回折出力導波管と
を備える、導波管ディスプレイ。
(項目10)
前記第1の視野および前記第2の視野は、タイル状にされ、前記中心法線は、前記第1の視野および前記第2の視野のそれぞれの境界を通して通過する、項目9に記載の導波管ディスプレイ。
(項目11)
前記第1のプロジェクタと関連付けられた画像データは、第1の屈折力によって特徴付けられる第1の波面を有し、
前記第2のプロジェクタと関連付けられた画像データは、前記第1の屈折力と異なる第2の屈折力によって特徴付けられる第2の波面を有する、
項目9に記載の導波管ディスプレイ。
(項目12)
前記第1の回折入力導波管に光学的に結合される第1の入力結合要素と、前記第2の回折入力導波管に光学的に結合される第2の入力結合要素とをさらに備える、項目9に記載の導波管ディスプレイ。
(項目13)
前記第1の入力結合要素、前記第1の回折入力導波管、前記第2の入力結合要素、前記第2の回折入力導波管、および前記回折出力導波管は、同一平面にある、項目12に記載の導波管ディスプレイ。
(項目14)
前記第1の回折入力導波管は、前記回折出力導波管の第1の側上に配置され、前記第2の回折入力導波管は、前記回折出力導波管の反対側上に配置される、項目9に記載の導波管ディスプレイ。
(項目15)
眼鏡内に配置される導波管ディスプレイであって、前記導波管ディスプレイは、
入力データを第1のプロジェクタから受信するように動作可能である第1の回折入力導波管と、
入力データを第2のプロジェクタから受信するように動作可能である第2の回折入力導波管と、
前記第1の回折入力導波管および前記第2の回折入力導波管に光学的に結合される回折出力導波管であって、前記回折出力導波管は、
第1の屈折力によって特徴付けられる第1の波面を有する第1の画像ビームを形成することと、
前記第1の屈折力と異なる第2の屈折力によって特徴付けられる第2の波面を有する第2の画像ビームを形成することと
を行うように動作可能である、回折出力導波管と
を備える、導波管ディスプレイ。
(項目16)
前記第1の屈折力は、正であり、前記第2の屈折力は、負である、項目15に記載の導波管ディスプレイ。
(項目17)
前記回折出力導波管は、放出平面によって特徴付けられ、
前記第1の画像ビームは、発散波面と、前記放出平面に対して法線方向の中心光線とを備え、
前記第2の画像ビームは、収束波面と、前記放出平面に対して法線方向の中心光線とを備える、
項目16に記載の導波管ディスプレイ。
(項目18)
前記第1の画像ビームおよび前記第2の画像ビームは、共線である、項目15に記載の導波管ディスプレイ。
(項目19)
前記第1の回折入力導波管に光学的に結合される第1の入力結合要素と、前記第2の回折入力導波管に光学的に結合される第2の入力結合要素とをさらに備える、項目15に記載の導波管ディスプレイ。
(項目20)
前記第1の入力結合要素、前記第1の回折入力導波管、前記第2の入力結合要素、前記第2の回折入力導波管、および前記回折出力導波管は、同一平面にある、項目19に記載の導波管ディスプレイ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明のある実施形態による、デジタルまたは仮想画像を視認者に提示するために使用され得る、視認光学アセンブリ(VOA)の光経路を図式的に図示する。
【0012】
【
図2】
図2は、本発明のある実施形態による、2つのプロジェクタに光学的に結合される導波管ディスプレイを含む眼鏡を図示する、簡略化された斜視図である。
【0013】
【
図3】
図3は、本発明のある実施形態による、双眼視野重複を図示する、簡略化された概略図である。
【0014】
【
図4A】
図4Aは、本発明のある実施形態による、拡張視野を生産する導波管ディスプレイを図示する、簡略化された斜視図である。
【0015】
【
図4B】
図4Bは、本発明のある実施形態による、重複要素を伴う導波管ディスプレイを図示する、簡略化された分解斜視図である。
【0016】
【
図5A】
図5Aは、本発明のある実施形態による、複数の深度平面を生産する導波管ディスプレイを図示する、簡略化された斜視図である。
【0017】
【
図5B】
図5Bは、
図5Aに図示される導波管ディスプレイとレンズの統合を図示する、簡略化された側面図である。
【0018】
【
図6】
図6は、本発明のある実施形態による、タイル状視野を生産する導波管ディスプレイを図示する、簡略化された概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、概して、ウェアラブルディスプレイを含む投影ディスプレイシステムに関連する、方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、従来のシステムと比較して拡張された視野を有する、方法およびシステムを提供する。本発明は、立体視システムを含む、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムおよびライトフィールド投影システム、光のビームレットをユーザの網膜に送達するシステム、または同等物における種々の用途に適用可能である。
【0020】
本発明の実施形態は、典型的には、瞳エクスパンダアセンブリの視野を画定する射出瞳エクスパンダ(EPE)を含む、瞳エクスパンダアセンブリを利用する。EPEの側方寸法を増加させることは、視野を増加させ得るが、直交瞳エクスパンダ(OPE)を含む、瞳エクスパンダアセンブリ内の他の光学要素は、典型的には、EPEに送達され得る、光の量を制約する。例えば、EPEのサイズを10%増加させることは、例えば、OPEが、効率的様式において、光をEPEにすでに送達している場合があるため、視野の10%増加をもたらし得ない。言い換えると、OPEが、光送達のために最適化される場合、EPEのサイズの増加は、視野における合致増加をもたらし得ない。実施例として、導波管構造に関して、全内部反射(TIR)は、光が導波管の中に投入され得る角度を限定し、EPEサイズの増加が視野における合致増加を生産することを妨害するであろう。さらに、例えば、より高い屈折率を伴う材料の選択は、投入される光が利用され得る、角度範囲を改良することができるが、コスト、重量、および他の要因が、実践的限界を材料選択肢に課す。
【0021】
故に、本発明のいくつかの実施形態は、複数のOPEを利用して、光を共通EPEに送達し、それによって、共通EPEによって提供される視野を増加させる。その結果、本発明のいくつかの実施形態は、それらが、EPEのサイズの増加の結果としてではなく、EPEに結合される複数のOPEの使用を通して、EPEの視野における増加を達成するため、ユニークなソリューションを提供する。他の実施形態は、複数のEPEを利用して、ユーザに提供される視野を増加させる。本明細書に説明されるように、複数のOPEの使用は、EPEのサイズを増加させる機会を提供し、これは、視野における付加的増加をもたらすことができる。
【0022】
図1は、本発明のある実施形態による、デジタルまたは仮想画像を視認者に提示するために使用され得る、視認光学アセンブリ(VOA)内の光経路を図式的に図示する。VOAは、プロジェクタ101と、視認者の眼の周囲に装着され得る、接眼レンズ100とを含む。いくつかの実施形態では、プロジェクタ101は、赤色LEDの群と、緑色LEDの群と、青色LEDの群とを含んでもよい。例えば、プロジェクタ101は、ある実施形態によると、2つの赤色LEDと、2つの緑色LEDと、2つの青色LEDとを含んでもよい。接眼レンズ100は、1つ以上の接眼レンズ層を含んでもよい。一実施形態では、接眼レンズ100は、3つの原色である、赤色、緑色、および青色の各々に対して1つの接眼レンズ層の3つの接眼レンズ層を含む。別の実施形態では、接眼レンズ100は、6つの接眼レンズ層、すなわち、仮想画像を1つの深度平面に形成するために構成される、3つの原色の各々に対する1セットの接眼レンズ層と、仮想画像を別の深度平面に形成するために構成される3つの原色の各々に対する別のセットの接眼レンズ層とを含んでもよい。他の実施形態では、接眼レンズ100は、3つ以上の異なる深度平面のために、3つの原色の各々に対して3つ以上の接眼レンズ層を含んでもよい。各接眼レンズ層は、平面導波管を備え、内部結合格子107と、直交瞳エクスパンダ(OPE)領域108と、射出瞳エクスパンダ(EPE)領域109とを含んでもよい。
【0023】
依然として、
図1を参照すると、プロジェクタ101は、画像光を接眼レンズ層100内の内部結合格子107上に投影する。内部結合格子107は、プロジェクタ101からの画像光を、OPE領域108に向かった方向に伝搬する、平面導波管の中に結合する。導波管は、全内部反射(TIR)によって、画像光を水平方向に伝搬する。接眼レンズ層100のOPE領域108はまた、導波管内を伝搬する内部結合格子からの画像光を増大させ、EPE領域109に向かって再指向する、回折要素を含む。言い換えると、OPEは、EPEの異なる部分に送達される、ビームレットを直交方向に増大させる。EPE領域109は、導波管内を伝搬する画像光の一部を外部結合し、接眼レンズ層100の平面と略垂直方向に視認者の眼102に向かって指向する、回折要素を含む。本方式では、プロジェクタ101によって投影された画像は、視認者の眼102によって視認され得る。
【0024】
上記に説明されるように、プロジェクタによって生成された画像光は、3つの原色、すなわち、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R)の光を含んでもよい。そのような画像光は、各構成色内の画像光が接眼レンズ内の個別の導波管に結合され得るように、構成色に分離される。
【0025】
図2は、本発明のある実施形態による、2つのプロジェクタに光学的に結合される導波管ディスプレイを含む、眼鏡を図示する、簡略化された斜視図である。本明細書に議論されるように、システムの総視野は、複数のプロジェクタ、例えば、複数のファイバ走査プロジェクタの使用を通して増加され、ユーザの各眼と関連付けられた導波管ディスプレイを駆動することができる。第1の導波管ディスプレイ205は、2つの瞳エクスパンダアセンブリを利用し、これは、入力結合格子と、直交瞳エクスパンダと、射出瞳エクスパンダ、すなわち、第1の右瞳エクスパンダアセンブリ210と、第2の右瞳エクスパンダアセンブリ230とを含むことができる。第2の導波管ディスプレイ207は、2つの付加的瞳エクスパンダアセンブリ、すなわち、第1の左瞳エクスパンダアセンブリ220と、第2の左瞳エクスパンダアセンブリ240とを利用する。
【0026】
図2における正面斜視図から示される眼鏡によって図示されるように、眼鏡の右レンズフレーム201は、入力結合格子(ICG)として実装され得る入力結合要素212を含む、第1の右瞳エクスパンダアセンブリ210を含む。明確性の目的のために、入力結合要素212は、本明細書では、ICGと称されるであろうが、他の回折構造も、本発明の実施形態によって利用されることができる。眼鏡の右レンズフレーム201内の瞳エクスパンダアセンブリ210はまた、直交瞳エクスパンダ(OPE)214と、射出瞳エクスパンダ(EPE)216とを含む。
図2に図示される設計では、プロジェクタ(図示せず)からの光は、右レンズフレーム201の下側リムにおいてICG212上に衝突するが、これは、本発明によって要求されず、他の入力場所も、利用されることができる。ICG212において第1の瞳エクスパンダアセンブリ210の中に結合される光は、OPE214を通して伝搬し、EPE216の中に結合される。レンズフレームの鼻領域に向かって伝搬後、光は、下記により完全に説明されるように、EPE216から視認者またはユーザの右眼に向かって出力される。
【0027】
EPEからの出力が瞳エクスパンダアセンブリの平面に対する法線入射である、いくつかの瞳エクスパンダアセンブリとは対照的に、EPE216は、出力光がEPE216から非法線角度で出射するように設計される。実施例として、光は、光が、鼻領域からレンズフレーム201の中心に向かって移動する方向において、EPE216から出射するように、法線に対して15°の角度で出射することができる。したがって、EPE216は、レンズフレームの鼻領域からの光をユーザの右眼に向かって指向し、左側視野、例えば、30°×40°(側方×垂直)の視野をユーザの視野の左側上に作成する。
【0028】
眼鏡の左レンズフレーム202はまた、入力結合格子(ICG)として実装され得る入力結合要素222を含む、第1の左瞳エクスパンダアセンブリ220を含む。明確性の目的のために、入力結合要素222は、本明細書では、ICGと称されるであろうが、他の回折構造も、本発明の実施形態によって利用されることができる。眼鏡の左レンズフレーム202内の第1の左瞳エクスパンダアセンブリ220はまた、直交瞳エクスパンダ(OPE)224と、射出瞳エクスパンダ(EPE)226とを含む。
図2に図示される設計では、第2のプロジェクタ(図示せず)からの光は、右レンズフレーム202の下側リムにおいてICG222上に衝突するが、これは、本発明によって要求されず、他の入力場所も、利用されることができる。ICG222において第1の左瞳エクスパンダアセンブリ220の中に結合される光は、OPE224を通して伝搬し、EPE226の中に結合される。レンズフレームの鼻領域に向かって伝搬後、光は、EPE226から視認者またはユーザの左眼に向かって出力される。
【0029】
第1の右瞳エクスパンダアセンブリ210に類似する様式であるが、鏡像構成において、EPE226は、出力光が、非法線角度、例えば、法線に対して15°の角度において、EPE226から出射するように設計される。故に、光は、鼻領域からレンズフレーム202の中心に向かって移動する方向において、EPE226から出射する。実施例として、放出の角度の制御は、格子周期性またはピッチを変動させることによって、達成されることができる。したがって、EPE226は、レンズフレームの鼻領域からの光をユーザの左眼に向かって指向し、右側視野、例えば、30°×40°(側方×垂直)の視野をユーザの視野の右側上に作成するであろう。
【0030】
瞳エクスパンダアセンブリの付加的セットが、
図2に図示されるように、レンズフレームに提供される。右レンズフレーム201では、第2の右瞳エクスパンダアセンブリ230は、ICG232と、OPE234と、EPE236とを含む。第3のプロジェクタ(ここで示される)からの光は、右レンズフレーム201の下側リムにおいてICG232上に衝突するが、これは、本発明によって要求されず、他の入力場所も、利用されることができる。ICG232において第2の右瞳エクスパンダアセンブリ230の中に結合される光は、OPE234を通して伝搬し、EPE236の中に結合される。レンズフレームの周辺領域に向かって伝搬後、光は、EPE236から視認者またはユーザに向かって出力される。
【0031】
光は、光が、周辺領域からレンズフレーム201の中心に向かって移動する方向において、EPE236から出射するように、非法線角度、例えば、法線に対して15°の角度において、EPE236から出射する。したがって、EPE236は、レンズフレームの周辺領域からの光をユーザの右眼に向かって指向し、右側視野、例えば、30°×40°(側方×垂直)の視野をユーザの視野の右側上に作成するであろう。
【0032】
眼鏡の左レンズフレーム202はまた、ICG242と、OPE244と、EPE246とを含む、第2の左瞳エクスパンダアセンブリ240を含む。第4のプロジェクタ(ここで示される)からの光は、左レンズフレーム202の下側リムにおいて、ICG242上に衝突するが、これは、本発明によって要求されず、他の入力場所も、利用されることができる。ICG242において第2の左瞳エクスパンダアセンブリ240の中に結合される光は、OPE244を通して伝搬し、EPE246の中に結合される。レンズフレームの周辺領域に向かって伝搬後、光は、EPE246から視認者またはユーザに向かって出力される。
【0033】
第2の右瞳エクスパンダアセンブリ230に類似する様式であるが、鏡像構成において、EPE246は、出力光が、非法線角度、例えば、法線に対して15°の角度において、EPE246から出射するように設計される。故に、光は、周辺領域からレンズフレーム202の中心に向かって移動する方向において、EPE246から出射する。したがって、EPE246は、レンズフレームの周辺領域からの光をユーザの左眼に向かって指向し、左側視野、例えば、30°×40°(側方×垂直)の視野をユーザの視野の左側上に作成するであろう。
【0034】
第1の右瞳エクスパンダアセンブリ210と第2の右瞳エクスパンダアセンブリ230の組み合わせは、ユーザの右眼に、各接眼レンズによって生産された個々の視野を組み合わせる、拡張視野を提供する。実施例として、右視野の左側は、左視野の右側と整合され、タイル状ディスプレイを提供することができる。本構成では、視野の周辺部分は、重複せずに、相互に当接し、共通境界を画定する。EPE216およびEPE236が30°×40°の視野を提供する、実施形態では、組み合わせられた視野は、60°×40°となり、ユーザに利用可能な視野を事実上2倍にすることができる。視野における類似増加は、左眼に関しても達成される。視野が重複を伴わずにタイル状にされる、本構成に加え、他の構成も、本明細書でより完全に説明されるように、本発明の範囲内に含まれる。
【0035】
図3は、本発明のある実施形態による、双眼視野重複を図示する、簡略化された概略図である。
図3では、左眼と関連付けられた拡張視野は、60°×40°(側方×垂直)であって、左視野310(水平60°範囲にわたる310Aおよび40°垂直範囲にわたる310B)によって図示される。右眼と関連付けられた拡張視野もまた、60°×40°(側方×垂直)であって、右視野320(水平60°範囲にわたる320Aおよび40°垂直範囲にわたる320B)によって図示される。周辺縁における非重複視野の20°を伴う、40°の双眼重複領域は、本実装において達成される。本実装は、データの双眼処理が視野330の内側40°内で生じることを可能にし、これは、双眼処理の大部分が生じる領域であることが、研究によって示されている。40°双眼重複が、本実施例では提供されるが、完全重複を含む、付加的重複、または低減された重複も、実装されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0036】
図3に図示されるように、80°×40°のアンビノキュラー(ambinocular)(すなわち、総)視野340が、両眼を横断して提供され、89°の対角線アンビノキュラー視野をもたらす。2つの重複視野が、
図3に図示されるが、本発明は、本特定の実装に限定されず、他の数の視野も、タイル状にされる、または重複される、またはそれらの組み合わせであることができる。例えば、2つ以上の視野が、中心領域内で重複され得、2つ以上の付加的視野が、周辺領域内でタイル状にされ得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0037】
図4Aは、本発明のある実施形態による、拡張視野を生産する導波管ディスプレイ400を図示する、簡略化された斜視図である。回折出力要素とも称され得る、共有EPE405が、2つを上回るプロジェクタによって提供される光と併せて作用する、導波管ディスプレイの要素として提供される。
図4Aに図示されるように、2つのOPEが、いくつかの実装では、第1のOPEが、第1の方向(例えば、x-方向)に沿って中心法線から第1の距離に位置付けられ、第2のOPEが、反対方向(例えば、負のx-方向)に沿って中心法線から第2の距離に位置付けられるように、共有EPEの反対側上に配置される。いくつかの実施形態では、EPEのサイズは、単一OPEからの光を受け取る従来のEPEと比較して、増加されることができる。共有EPE405は、略平面であって、放出表面406によって特徴付けられる。中心法線407は、放出表面406に対して法線方向であって、共有EPE405の中心に中心合わせされる、ベクトルである。
図4Aに図示される実施形態では、中心法線は、z-軸と整合される。下記により完全に説明されるように、2つの視野は、中心法線に対して変位されるように生成される。その結果、第1のプロジェクタと関連付けられた画像データは、中心法線に対して第1の方向に変位される第1の視野を形成するように投影されることができ、第2のプロジェクタと関連付けられた画像データは、中心法線に対して第2の反対方向に変位される第2の視野を形成するように投影されることができる。
【0038】
第1のICG410は、第1のプロジェクタ(図示せず)からの光を受け取り、光を伝搬経路414に沿って導波管の平面の中に指向する。光が、第1のOPE412を通して伝搬するにつれて、光は、共有EPE405に向かって回折される。第2のICG420は、第2のプロジェクタ(図示せず)からの光を受け取り、光を伝搬経路424に沿って導波管の平面の中に指向する。光が、第2のOPE422を通して伝搬するにつれて、光は、共有EPE405に向かって回折される。
【0039】
EPE405は、第1のOPE412からEPEに進入する光が、第1の出力経路416上に中心合わせされる第1の放出錐台418を形成するように回折され、第2のOPE422からEPEに進入する光が、第2の出力経路426上に中心合わせされる第2の放出錐台428を形成するように回折されるように設計される。
図4Aに図示されるように、出力経路は、EPEの放出表面に対して非法線の方向に沿って存在することができる。実施例として、第1の出力経路426は、EPEの放出表面に対する法線の片側に対して15°で指向されることができ、第2の出力経路428は、EPEの放出表面に対する法線に対して-15°で指向されることができる。本実装では、第1の視野および第2の視野は、タイル状にされ、中心法線407は、第1の視野および第2の視野のそれぞれの境界を通して通過する。
図4Aを参照すると、第1の視野を画定する第1の放出錐台418と、第2の視野を画定する第2の放出錐台428は、それぞれ、放出表面に対する法線と整合されるその視野の片側と、法線に対して±30°で配向されるその視野の反対側とを有する。
【0040】
したがって、
図4Aに図示されるように、共有EPEは、第1のプロジェクタと関連付けられた視野と第2のプロジェクタと関連付けられた第2の視野とを組み合わせることによって、総視野を増加させるために使用されることができる。
図4Aに図示される実施形態では、視野は、重複を伴わずにタイル状にされるが、他の実施形態では、
図3に図示されるような中心双眼重複の領域が、特定の用途の必要に応じて、提供されることができる。本発明によって要求されないが、いくつかの実施形態では、複数のプロジェクタおよびOPEと関連付けられた角度の範囲は、増加され、それによって、組み合わせられた視野のサイズを増加させることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0041】
図4Bは、本発明のある実施形態による、重複要素を伴う導波管ディスプレイを図示する、簡略化された分解斜視図である。
図4Bに図示される導波管ディスプレイ450は、
図4Aに図示される導波管ディスプレイといくつかの類似性を共有し、
図4Aに関連して提供される説明は、必要に応じて、
図4Bに適用可能である。
図4Aに示される分解図に図示されるように、OPE412および422は、共有EPE405と空間的に重複し、OPEは、第1のz-次元に位置付けられ、共有EPEは、第2のz-次元に位置付けられる。
【0042】
図4Bに図示される実施形態では、ICG410および420において受け取られた光は、導波管の平面の中に指向される。ICGは、x-y平面において相互に隣接して位置付けられる、部分的に重複される、または完全に重複されることができる。ICGを画定する回折要素の配向および/またはピッチを回転させることによって、光がx-y平面内を伝搬する角度は、修正されることができる。その結果、ICG内の回折格子の配向を修正することによって、並列に搭載される2つのプロジェクタの視野は、相互に対して角偏移されることができる。格子ピッチを修正することによって、より高い周波数ピッチを伴う格子は、プロジェクタからの光を異なる角度で偏向し、異なる配向を伴うプロジェクタの使用を可能にすることができる。
図4Bに関連して議論されるこれらの変動は、必要に応じて、
図4Aおよび
図6に図示される実施形態に適用可能であることを理解されたい。
【0043】
伝搬経路424が、OPE422に関して図示される。OPE412のための類似伝搬経路も、存在するが、共有EPE405によって隠されている。光が、OPEを通して伝搬するにつれて、光は、共有EPE405に向かって回折される。
図4Bに図示されるように、ICGおよびOPEは、光を導波管の平面内で同一方向に、すなわち、負のy-方向に指向するように配向される。光は、OPE内で同一方向に伝搬するため、格子ラインの配向は、光を共有EPEに向かって指向するために、OPE内で異なるであろう(例えば、鏡像)。OPE412およびOPE422が、それらがx-y平面において重複するように位置付けられる場合、各OPEの回折格子の重畳は、各OPEの鏡像格子ラインの重複から生じる菱形形状の回折パターンを形成することができる。ある実施形態では、OPEのための回折要素(例えば、菱形パターン格子ライン)は、導波管層の1つの表面上に形成されることができ、共有EPEのための回折要素(例えば、格子ライン)は、導波管層の反対側上に形成されることができる。
【0044】
比較として、
図4Aでは、ICG410は、光を負のy-方向に指向し、ICG420は、光を正のy-方向に指向する。故に、本実施形態では、格子ラインの配向は、回折される光を共有EPEに向かって指向するために、整合されることができる。
【0045】
図5Aは、本発明のある実施形態による、複数の深度平面を生産する導波管ディスプレイを図示する、簡略化された斜視図である。
図5Aに図示される導波管ディスプレイ500は、いくつかの類似性を
図4Aに図示される導波管ディスプレイと共有し、
図4Aに関連して提供される説明は、必要に応じて、
図5Aに適用可能である。
【0046】
共有EPE505は、2つを上回るプロジェクタによって提供される光と併せて作用する、導波管ディスプレイ上に提供される。第1のICG510は、第1のプロジェクタ(図示せず)からの光を受け取り、光を伝搬経路514に沿って導波管の平面の中に指向する。光が、第1のOPE512を通して伝搬するにつれて、光は、共有EPE505に向かって回折される。第2のICG520は、第2のプロジェクタ(図示せず)からの光を受け取り、光を伝搬経路524に沿って導波管の平面の中に指向する。光が、第2のOPE522を通して伝搬するにつれて、光は、共有EPE505に向かって回折される。
【0047】
EPE505は、屈折力を含むように設計される。故に、第1のOPE512からEPEに進入する光は、発散波面を有する第1の放出錐台518を形成するように回折される。同様にEPE505の表面506に対して法線方向である、第1の放出錐台の中心光線507は、EPEからユーザの方向に離れるように指向されるように図示される。
図5Aでは、第1の放出錐台518は、EPEの中心に位置付けられるように図示されるが、放出が、EPE505の表面506を横断して生じ、図示される錐台が、明確性の目的のために、中心領域のみに限定されることが、当業者に明白となるであろう。
【0048】
図5Aに図示されるように、第1の放出錐台518は、EPEの放出表面に対して法線方向に沿って指向され(すなわち、中心光線507は、放出表面に対して法線方向である)、第1の放出錐台518の仮想源は、導波管およびEPE505の平面の下方の位置に位置する。EPEから放出される光は、放出表面に対して法線方向であるように図示されるが、これは、本発明によって要求されず、他の放出角度は、本発明の範囲内に含まれる。
【0049】
第2のOPE522からEPEに進入する光は、収束波面を有する第2の放出錐台528を形成するように回折される。第2の放出錐台528の中心光線はまた、EPEからユーザの方向に離れるように指向されるように図示される。
図5Aにさらに図示されるように、第2の放出錐台の焦点は、導波管の平面またはEPEの放出表面の正面に位置する。図示される実施形態では、両放出錐台は、導波管の放出表面に対して法線上に中心合わせされ、EPEの中心および/または導波管ディスプレイの中心と整合されることができる。故に、第2の放出錐台528は、EPE上に中心合わせされるように図示されるが、放出が、EPEを横断して生じ、図示される錐台が、明確性の目的のために、中心領域のみに限定されることが、当業者に明白となるであろう。
【0050】
図5Bは、
図5Aに図示される導波管ディスプレイとレンズの統合を図示する、簡略化された側面図である。導波管ディスプレイ500は、光を眼550に向かって放出し、1つの発散ビームは、負の屈折力(例えば、屈折力-0.33ジオプタ)を有し、1つの収束ビームは、正の屈折力(例えば、屈折力+0.33ジオプタ)を有する。レンズ540は、導波管ディスプレイと統合され、負のまたは正のレンズのいずれかであることができる。
図5Bに図示される実装では、レンズ540は、負のレンズである(例えば、屈折力-0.66ジオプタを有する)。第1の放出錐台518が、レンズ540を通して通過するにつれて、屈折力は、例えば、-1.0ジオプタに修正され、第2の放出錐台528が、レンズ540を通して通過するにつれて、屈折力は、例えば、-0.33ジオプタに修正されるであろう。その結果、本実施例では、第1の放出錐台は、1メートルの深度平面と関連付けられ、第2の放出錐台は、3メートルの深度平面と関連付けられるであろう。
【0051】
正のレンズであり得る、第2のレンズ542は、導波管ディスプレイと統合され、レンズ540の屈折率を補償することができる。
図5Bに図示されるように、レンズ540の屈折力の絶対値と等しい屈折力を伴う、正のレンズは、世界からの光が、世界からのビューを改変せずに、ユーザの眼550に通過するように使用される。レンズ540および542の使用は、導波管ディスプレイをカプセル化し、信頼性を提供することができる。加えて、レンズのうちの1つ以上のものは、ユーザのために適切な処方箋を提供するように修正されることができる。
【0052】
屈折レンズ540および542が、
図5Bに図示されるが、本発明の実施形態は、これらの実装に限定されず、ホログラフィック要素、回折表面、メタ表面、および同等物が、本発明の実施形態に従って利用されることができる。例えば、レンズ540は、回折表面、メタ表面、または同等物であり得る。さらに、
図5Bに図示されるレンズの1つ以上のものはまた、回折構造または回折および/または屈折構造の組み合わせを使用して実装されることができる。実施例は、色収差を補償するための回折構造および世界から受け取られた光を合焦させるための屈折構造であろう。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0053】
RGBシステムのための複数の深度平面を提供するために、3つの導波管ディスプレイデバイスが、利用されることができ、それぞれ、RGB色のうちの1つにおいて、2つの深度平面を提供する。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0054】
図6は、本発明のある実施形態による、タイル状視野を生産する導波管ディスプレイを図示する、簡略化された概略平面図である。
図6に図示される導波管ディスプレイは、いくつかの類似性を
図4に図示される導波管ディスプレイと共有し、
図4に関連して提供される説明は、必要に応じて、
図6に適用可能である。
【0055】
図6を参照すると、4つのプロジェクタ(図示せず)が、共有EPE605を駆動するために使用される。4つのICG610、620、630、および640が、対応するプロジェクタからの光を4つのOPE612、622、632、および642に指向するために使用される。OPE632および642の動作が鏡像方式において類似するため、明確性の目的のために、OPE612および622の動作のみが、議論されるであろう。
【0056】
光が、OPE612を通して伝搬するにつれて、光は、第1の角度オフセットで共有EPE605に向かって回折される。光が、OPE622を通して伝搬するにつれて、光は、第2の角度オフセットで共有EPE605に向かって回折される。故に、OPE612からの光は、共有EPE内で回折され、第1の出力経路616上に中心合わせされる第1の放出錐台618を形成し、OPE622から共有EPEに進入する光は、第2の出力経路626上に中心合わせされる第2の放出錐台628を形成するように回折される。放出錐台は、共有EPEの1つの角と重複するように図示されるが、光は、EPEの全体を横断してEPEから外部結合され、図示される4つの放出錐台を形成するであろうことに留意されたい。
図4Aを参照すると、放出錐台と
図6に図示されるEPEの関係が、理解され得、EPEを横断してEPEから外部結合される光は、対応するOPEのそれぞれに対応する4つの図示される放出錐台のうちの1つを形成する。したがって、放出錐台は、対応するOPEの視野と相関し、個々のOPEの視野と比較して拡張された視野によって特徴付けられる、タイル状出力をもたらす。故に、第1の放出錐台618は、共有EPE605の左上象限にわたって位置付けられるように図示されるが、これは、第1の放出錐内に含有される光が共有EPEの左上象限のみから生じることを含意することを意図するものではない。
【0057】
図6の尺度において不可視であるが、回折特徴、例えば、格子歯が、OPE612およびOPE622の陰影によって図示され、光を共有EPE605に向かって回折するように配向される。OPE612からの光は、共有EPE内で回折され、第1の出力経路616上に中心合わせされる第1の放出錐台618を形成するように図示されるが、他の実施形態では、光は、共有EPE内で回折され、対応するOPEに隣接する放出錐台を形成する。本実施形態では、光は、以下の対応、すなわち、右下錐台に対応するOPE612、右上錐台に対応するOPE622、錐台628に対応するOPE632、および錐台618に対応するOPE642を用いて放出されるであろう。本構成では、共有EPE内の伝搬経路は、低減され、潜在的に、画像明度を含む光学性能を改良するであろう。
【0058】
図6を参照すると、OPE612およびOPE622は、x-y平面において相互から空間的に分離される。他の実施形態では、OPE612およびOPE622は、OPEの内側縁がEPE605の外側縁と整合されるように位置付けられる。したがって、種々の要素間の間隙は、要求されないが、必要に応じて、利用されることができる。さらに他の実施形態では、第1のOPEの一部が第2のOPEの一部と同一x-y位置に配置される、重複幾何学形状が、利用される。本重複幾何学形状では、第1のOPEと関連付けられた回折格子および第2のOPEと関連付けられた回折格子は、導波管層の片側または片面上に形成されることができる。他の実施形態では、これらの回折格子は、異なるz-次元に位置付けられることができる。さらに、OPE612およびOPE622は、x-y平面において共有EPE605から空間的に分離されるが、他の実施形態では、OPEのうちの1つ以上のものの一部は、共有EPEの一部と同一x-y位置に配置されることができる。重複幾何学形状の一実施形態では、OPEのうちの1つ以上のものの一部は、第1のz-次元に位置付けられ、共有EPEの一部は、第2のz-次元に位置付けられる。実施例として、OPEと関連付けられた回折格子は、導波管層の片側上に形成されることができる一方、共有EPEと関連付けられた回折格子は、導波管層の反対側上に形成されることができる。他の実施形態では、OPEの一部および共有EPEの一部のための回折格子は、同一表面上に形成されることができる。類似レイアウトは、OPE632およびOPE642に適用可能である。したがって、本発明の実施形態は、OPEが相互に重複し得る、OPEが共有EPEと重複し得る、または同等物である、実装を提供する。
【0059】
図6に図示されるように、放出錐台は、図示されるように視野を組み合わせる拡張視野を有する、タイル状出力を形成するように整合されることができる。共有EPE605を伴う4つのOPEを利用することは、視野の2×2タイル化を可能にし、OPE612は、光が共有EPEによって左上に回折されるにつれて、放出錐台618を提供し、OPE622は、光が共有EPEによって左下に回折されるにつれて、放出錐台628を提供し、OPE632は、光が共有EPEによって右上に回折されるにつれて、第3の放出錐台を提供し、OPE642は、光が共有EPEによって右下に回折されるにつれて、第4の放出錐台を提供する。視野は、特定の用途に応じて、整合された縁を伴って、相互に隣接し、個々の視野の和によって画定される拡張視野を提供することができる、または
図3に図示されるように、重複されることができる。いくつかの実施形態では、アンビノキュラー対角線視野は、134°である。
【0060】
本明細書に説明される実施例および実施形態は、例証目的のためだけのものであって、それに照らして、種々の修正または変更が、当業者に示唆され、本願の精神および範囲および添付の請求項の範囲内に含まれるべきであることを理解されたい。