(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 33/30 20200101AFI20240709BHJP
【FI】
D06F33/30
(21)【出願番号】P 2018212990
(22)【出願日】2018-11-13
【審査請求日】2021-06-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】川口 弘暁
(72)【発明者】
【氏名】松井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 涼
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】長馬 望
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-237285(JP,A)
【文献】特開2010-74326(JP,A)
【文献】特開平6-103476(JP,A)
【文献】特開平7-168858(JP,A)
【文献】特開2015-62535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類に対する所定の処理を行うための運転を実行する衣類処理装置であって、
前記運転に関する各種の情報および前記運転に関する各種の操作を受け付けるための操作キーが含まれた各種の画面を表示する表示部を有する操作表示器と、
前記表示部への表示を制御するとともに、前記操作キーに対する操作に応じて所定の制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
エラーが発生すると、前記表示部に、前記エラーに関する情報が表示される情報表示領域が含まれたエラー画面を表示させるようになっており、
発生し得る複数の前記エラーについて優先度を付しており、
複数の前記エラーが発生したとき、それら複数の前記エラーのうち、相対的に優先度が低いエラーに関する情報の一部を非表示にすることにより、相対的に優先度が高い前記エラーに関する情報の表示量が、相対的に優先度が低い前記エラーに関する情報の表示量よりも多くなるように、前記エラー画面の表示を制御し、
さらに、前記制御部は、複数の前記エラーが発生したとき、前記複数のエラーのそれぞれについて、そのエラーに関する情報の少なくとも一部が表示されるように前記エラー画面の表示を制御し、
前記エラーに関する情報には文字が含まれ
、
前記制御部は、
所定の前記エラーが発生した場合、前記所定のエラーに関する情報を非表示とするための命令を受け付け可能になっており、
前記所定のエラーに対応する前記エラー画面を表示させている状態において、前記所定のエラーと優先度が同等の別の前記エラーが発生した場合、前記所定のエラーに関する情報の表示を維持するとともに前記優先度が同等の別のエラーに関する情報の一部を表示し、その後、前記所定のエラーを解消するための条件が満たされるか、または前記所定のエラーに関する情報を非表示とするための命令を受け付けると、前記優先度が同等の別のエラーに関する情報を表示するように前記エラー画面の表示態様を変更する衣類処理装置。
【請求項2】
衣類に対する所定の処理を行うための運転を実行する衣類処理装置であって、
前記運転に関する各種の情報および前記運転に関する各種の操作を受け付けるための操作キーが含まれた各種の画面を表示する表示部を有する操作表示器と、
前記表示部への表示を制御するとともに、前記操作キーに対する操作に応じて所定の制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
エラーが発生すると、前記表示部に、前記エラーに関する情報が表示される情報表示領域が含まれたエラー画面を表示させるようになっており、
発生し得る複数の前記エラーについて優先度を付しており、
複数の前記エラーが発生したとき、それら複数の前記エラーのうち、相対的に優先度が低いエラーに関する情報の一部を非表示にすることにより、相対的に優先度が高い前記エラーに関する情報の表示量が、相対的に優先度が低い前記エラーに関する情報の表示量よりも多くなるように、前記エラー画面の表示を制御し、
さらに、前記制御部は、複数の前記エラーが発生したとき、前記複数のエラーのそれぞれについて、そのエラーに関する情報の少なくとも一部が表示されるように前記エラー画面の表示を制御し、
前記エラーに関する情報には文字が含まれ
、
前記制御部は、
前記運転の実行中に所定の前記エラーが発生した場合、前記運転を再開するための前記操作キーである運転再開キーが含まれた前記エラー画面を表示させるようになっており、
前記運転再開キーが含まれた前記エラー画面を表示させている状態において、前記所定のエラーより優先度が高い別の前記エラーが発生すると、前記優先度が高い別のエラーに関する情報が表示される前記情報表示領域により前記運転再開キーが覆われるように前記エラー画面の表示態様を変更する衣類処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
所定の前記エラーに対応する前記エラー画面を表示させている状態において、前記所定のエラーより優先度が高い別の前記エラーが発生すると、前記所定のエラーに関する情報の少なくとも一部を非表示にするとともに前記優先度が高い別のエラーに関する情報を表示するように前記エラー画面の表示態様を変更する請求項1
または2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記運転の実行中に所定の前記エラーが発生した場合、実行中の前記運転とは異なる運転であり且つ前記所定のエラーを解消するための運転を実行するための前記操作キーである解消運転実行キーが含まれた前記エラー画面を表示させる請求項1から
3のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記表示部の所定の領域に、前記衣類の投入口を開閉するための扉のロック状態を表すステータス情報を表示させるようになっており、
前記エラー画面を表示させる際、前記ステータス情報のうち少なくとも一部が露出した状態とする請求項1から
4のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
相対的に優先度が高い前記エラーである第1エラーと、相対的に優先度が低い異常であり且つ前記第1エラーの原因となり得る異常を表す前記エラーである第2エラーとが発生したとき、前記第1エラーに関する情報を表示させるとともに、前記第2エラーに関する情報の一部を表示させるように、前記エラー画面の表示を制御する請求項1から
5のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば洗濯機などの衣類処理装置において、操作パネルとして、多数のLEDが並列に配置されたLED操作パネルを採用したものがある。このような従来のLED操作パネルでは、使用頻度が高い箇所に関する異常(エラー)、重要度の高い異常などをユーザに報知するためのLEDが、それぞれ個別に用意されている。例えば、
図30に示すように、槽内水ありLED101、容量オーバーLED102、排水点検LED103、フィルターお掃除LED104、7セグLED105などのLEDが、個別に用意されている。
【0003】
槽内水ありLED101は、洗濯機の槽内に所定水位以上の水が入っていた場合に点灯することにより、その旨をユーザへ喚起するためのLEDである。容量オーバーLED102は、洗濯または乾燥運転する際に推奨容量以上の重量の衣類が洗濯槽内に投入されている場合に点灯することにより、その旨をユーザへ報知するためのLEDである。なお、容量オーバーLED102が点灯する際には、その点灯とともにブザー音も鳴るようになっている。
【0004】
排水点検LED103は、排水時に所定時間が経過しても洗濯槽内の水位が所定水位まで減少しなかった場合に点灯することにより、排水に関する何らかの異常が生じていることをユーザへ報知するためのLEDである。このような異常の原因としては、例えば排水ホースにごみが詰まっていること、排水ホースが排水口に差し込まれていないこと、排水ホースの口が上を向いていること、などが考えられる。なお、排水点検LED103が点灯する際には、その点灯とともにブザー音も鳴るようになっている。
【0005】
フィルターお掃除LED104は、乾燥運転終了後、所定の乾燥運転実行後などに点灯することにより、フィルターの掃除の実施をユーザへ促すためのLEDである。乾燥運転が繰り返し実行されると、フィルターに糸くずが付着し、そのような糸くずの付着が累積すると乾燥効率が低下するといった悪影響が生じる。そこで、このようなフィルターお掃除LED104が設けられている。上述した槽内水ありLED101、容量オーバーLED102、排水点検LED103およびフィルターお掃除LED104は、それらに対応する異常の発生頻度が高く、正常な洗濯運転および乾燥運転を実施するために必要な情報をユーザに提供することができるものであることから、それぞれ個別にLEDが配置されている。
【0006】
ところで、近年では、衣類処理装置において、タッチパネル式の液晶操作パネルを設けた構成が提案されている。液晶操作パネルによれば、所定のエラーが発生した場合、画面内に異常情報を大きく表示することにより、そのエラーに関する情報をユーザが容易に把握することができる。また、液晶操作パネルによれば、画面内により多くの情報を表示することが可能であるため、例えばエラーへの対処方法などの説明も付与することができる。
【0007】
このように、液晶操作パネルには、LED操作パネルでは得られない利点が存在する。ただし、従来の液晶操作パネルは、次のような点において改善の余地がある。すなわち、LED操作パネルでは、複数の異常が同時期に発生した場合、それら複数の異常を同時にユーザへ報知することができる。例えば、LED操作パネルでは、ポンプ異常が発生した場合、7セグLED105に、その異常に対応したエラーコードである「E9」が表示される。ポンプ異常のエラーは、洗濯運転または乾燥運転中に発生するエラーであり、このエラーが発生しているときに槽内水ありエラーが同時に発生することも考えられる。
【0008】
LED操作パネルでは、このようにポンプ異常と、槽内水ありエラーとが同時に発生した場合、7セグLED105に「EP3」を表示するとともに、槽内水ありLED101を点灯することにより、それら2つのエラーが生じていることをユーザに報知することができる。つまり、LED操作パネルでは、個別にLEDが配置されているため、複数の異常が同時期に発生した場合でも、それら複数の異常に対応する複数のLEDをそれぞれ点灯させる、あるいは、異常に対応するエラーコードを表示させることにより、複数のエラーが生じていることを容易に且つ確実にユーザに報知することができる。
【0009】
これに対し、液晶操作パネルでは、情報を表示する部分は表示画面に集約されていることから、複数の異常が同時期に発生した場合には、その表示に何らかの工夫を施さなければ、複数のエラーが生じていることをユーザに報知することができない。そして、従来の液晶操作パネルでは、このような工夫が施されているものはなかった。したがって、従来の液晶操作パネルには、エラーに関する情報の見易さ、つまり視認性において、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、エラーに関する情報の視認性を一層向上させることができる衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態の衣類処理装置は、衣類に対する所定の処理を行うための運転を実行する衣類処理装置であって、前記運転に関する各種の情報および前記運転に関する各種の操作を受け付けるための操作キーが含まれた各種の画面を表示する表示部を有する操作表示器と、前記表示部への表示を制御するとともに、前記操作キーに対する操作に応じて所定の制御を行う制御部と、を備える。前記制御部は、エラーが発生すると、前記表示部に、前記エラーに関する情報が表示される情報表示領域が含まれたエラー画面を表示させるようになっており、発生し得る複数の前記エラーについて優先度を付しており、複数の前記エラーが発生したとき、それら複数の前記エラーのうち、相対的に優先度が低いエラーに関する情報の一部を非表示にすることにより、相対的に優先度が高い前記エラーに関する情報の表示量が、相対的に優先度が低い前記エラーに関する情報の表示量よりも多くなるように、前記エラー画面の表示を制御する。さらに、前記制御部は、複数の前記エラーが発生したとき、前記複数のエラーのそれぞれについて、そのエラーに関する情報の少なくとも一部が表示されるように前記エラー画面の表示を制御する。前記エラーに関する情報には文字が含まれる。前記制御部は、所定の前記エラーが発生した場合、前記所定のエラーに関する情報を非表示とするための命令を受け付け可能になっており、前記所定のエラーに対応する前記エラー画面を表示させている状態において、前記所定のエラーと優先度が同等の別の前記エラーが発生した場合、前記所定のエラーに関する情報の表示を維持するとともに前記優先度が同等の別のエラーに関する情報の一部を表示し、その後、前記所定のエラーを解消するための条件が満たされるか、または前記所定のエラーに関する情報を非表示とするための命令を受け付けると、前記優先度が同等の別のエラーに関する情報を表示するように前記エラー画面の表示態様を変更する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係る洗濯機の構成を模式的に示す図
【
図2】一実施形態に係る洗濯機の電気的構成を示す図
【
図3】一実施形態に係るトップ画面の一例を示す図であり、洗濯乾燥運転が選択された状態を示す図
【
図4】一実施形態に係る洗濯機において発生し得るエラーの分類を表す図
【
図5】一実施形態に係るE系エラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図
【
図6】一実施形態に係る運転の実行中にC系エラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図
【
図7】一実施形態に係る運転の停止中にC系エラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図
【
図8】一実施形態に係るお知らせ系エラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その1
【
図9】一実施形態に係るお知らせ系エラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その2
【
図10】一実施形態に係る優先度が異なる複数のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その1
【
図11】一実施形態に係る優先度が異なる複数のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その2
【
図12】一実施形態に係る優先度が同等の複数のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図
【
図13】一実施形態に係る槽内温度(水温)のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その1
【
図14】一実施形態に係る槽内温度(水温)のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その2
【
図15】一実施形態に係る槽内温度(温度)のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その1
【
図16】一実施形態に係る槽内温度(温度)のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その2
【
図17】一実施形態に係る複数のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その1
【
図18】一実施形態に係る複数のエラーが発生したときのエラー画面の一例を示す図その2
【
図19】一実施形態に係る「設定・その他画面」の一例を示す図
【
図20】一実施形態に係る「知っていると便利画面」の一例を示す図
【
図21】一実施形態に係る「天日干しのゴワゴワが気になる」場合に対応した情報が表示される画面の一例を示す図その1
【
図22】一実施形態に係る「天日干しのゴワゴワが気になる」場合に対応した情報が表示される画面の一例を示す図その2
【
図23】一実施形態に係る「洗いかた設定画面」の一例を示す図その1
【
図24】一実施形態に係る「乾燥後のシワ付きが多い」場合に対応した情報が表示される画面の一例を示す図その1
【
図25】一実施形態に係る「乾燥後のシワ付きが多い」場合に対応した情報が表示される画面の一例を示す図その2
【
図26】一実施形態に係る「洗いかた設定画面」の一例を示す図その2
【
図27】一実施形態に係る「振動が大きい・異音がする」場合に対応した情報が表示される画面の一例を示す図その1
【
図28】一実施形態に係る「振動が大きい・異音がする」場合に対応した情報が表示される画面の一例を示す図その2
【
図29】一実施形態に係る「洗いかた設定画面」の一例を示す図その3
【
図30】従来技術に係るLED操作パネルを模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、衣類処理装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の洗濯機1は、衣類に対して洗濯、すすぎ、脱水、乾燥などの処理を行うための運転を実行することができるものであり、衣類処理装置の一例である。具体的には、洗濯機1は、洗濯運転、乾燥運転および洗濯乾燥運転を実行することが可能となっている。
【0015】
洗濯機1は、乾燥機能を備えたドラム式洗濯乾燥機であって、筐体2、扉3、
図2に符号4を付して示す制御装置、操作パネル5などを備えている。この場合、筐体2に対して扉3側を洗濯機1の前側とし、扉3と反対側を洗濯機1の後側とする。また、前後方向に対する直角水平方向を左右方向とする。また、前後方向および左右方向に直交する方向を上下方向とする。
【0016】
洗濯機1の本体を構成する筐体2は、前面が滑らかに傾斜した矩形の箱状に形成されている。筐体2の前面中央部分には、開口6が設けられている。開口6は、筐体2の内部に設けられた図示しない回転槽に連通されている。洗濯物は、この開口6を通して回転槽内に出し入れされる。つまり、開口6は、衣類の投入口に相当する。
【0017】
扉3は、開口6を開閉可能に設けられている。扉3は、図示しない扉ボタンが操作されることにより開放される。筐体2の上面には、給水口7が設けられている。給水口7は、図示しない給水ホースによって水源となる水道の蛇口に接続される。そして、水道の蛇口からの水は、給水ホースおよび給水口7を通って、筐体2内に設けられた図示しない水槽内へ供給される。
【0018】
制御装置4は、例えばマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、ROMなどの記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより洗濯機1の動作全般を制御する。制御装置4は、
図2に示すように、モータ11、排水弁12、給水弁13、圧縮機14および送風機15などに接続されている。それぞれ詳細な説明は省略するが、モータ11は、筐体2内に設けられた図示しない回転槽を回転させるためのものである。
【0019】
排水弁12は、図示しない水槽内の水を機外へ排水するためのものである。給水弁13は、給水口7と図示しない水槽内との連通を開閉し、水槽内へ給水を行うためのものである。圧縮機14は、乾燥機能用のヒートポンプユニットを構成するものである。送風機15は、ヒートポンプユニットにより生成された温風を図示しない回転槽内へ供給するためのものである。
【0020】
また、制御装置4は、温度センサ16、水位センサ17、回転センサ18、扉スイッチ19などの入力機器および操作パネル5に接続されている。それぞれ詳細な説明は省略するが、温度センサ16は、図示しない水槽内の温度を検出するものである。水位センサ17は、水槽内の水位を検出するものである。回転センサ18は、図示しない回転槽の回転位置および回転速度を検出するものである。扉スイッチ19は、扉3の開閉を検出するものである。
【0021】
図1に示すように、操作パネル5は、筐体2の上面前側に設けられている。操作パネル5は、例えば液晶ディスプレイからなる矩形状の表示部20を備えている。この場合、洗濯機1の前後方向に沿う方向を表示部20の上下方向とし、洗濯機1の左右方向に沿う方向を表示部20の左右方向とする。
【0022】
表示部20には、洗濯機1の運転に関する各種の情報が含まれた各種の画面が表示される。表示部20の表示面は、ユーザによるタッチ操作が可能なタッチパネルとしても機能する。表示部20には、洗濯機1の運転に関する各種の操作を受け付けるための操作キーが含まれた各種の画面が表示される。ユーザは、上記操作キーをタッチ操作することにより、洗濯機1の運転に関する各種の操作を行うことができる。
【0023】
このように、操作パネル5は、運転に関する各種の情報および運転に関する各種の操作を受け付けるための操作キーが含まれた各種の画面を表示するためのものであり、操作表示器に相当する。本実施形態では、表示部20のタッチパネルとしては、手指で触れた際に発生する静電容量の変化をセンサで感知する静電容量方式のタッチパネルが採用されている。なお、表示部20のタッチパネルとしては、例えば抵抗膜方式など、各種の方式を採用することができる。また、表示部20は、液晶ディスプレイに限らずともよく、例えば有機ELディスプレイなど、各種の表示装置を採用することができる。
【0024】
制御装置4は、表示制御用のプログラムを実行することにより、操作パネル5の表示部20への表示を制御する。また、制御装置4は、表示部20に表示された上記操作キーに対する操作に応じて、運転の種類の選択、コースの選択、コースの内容の設定、運転の開始や一時停止など、様々な制御を実行する。このように、制御装置4は、表示部20への表示を制御するとともに、上記操作キーに対する操作に応じて所定の制御を行うものであり、制御部に相当する。
【0025】
次に、上記構成における表示部20への表示に関する制御の内容について説明する。
[1]トップ画面
ユーザにより図示しない電源スイッチが操作されると、洗濯機1への電源が投入される。そして、電源投入後、表示部20には、
図3に示すようなトップ画面が表示される。なお、以下では、表示部20のことを画面とも呼ぶこととする。
【0026】
このトップ画面は、電源投入後、最初の入力操作が行われる前の表示画面であり、運転の種類を選択するための画面である。トップ画面などにおいて、画面の上端部は、共通のヘッダー部21となっている。ヘッダー部21には、現在選択されている運転の名称、時刻、扉3のロックつまりドアロックの状態、外部の機器との間で行われる無線通信に関する電波状態など、各種のステータス情報が常時固定表示される。
【0027】
ドアロックの状態を表すステータス情報としては、ドアロックの実施有無を表すドアロックアイコン32と、チャイルドロックの設定有無を表すチャイルドロックアイコン33と、が存在する。この場合、ドアロックアイコン32は、ドアロックが実施されているときに表示されるとともに、ドアロックが実施されていないときに非表示となる。また、この場合、チャイルドロックアイコン33は、チャイルドロックが設定されているときに表示されるとともに、チャイルドロックが設定されていないときに非表示となる。このように、制御装置4は、画面の所定の領域であるヘッダー部21に、ドアロックの状態を含む各種のステータス情報を表示させるようになっている。
【0028】
トップ画面において、画面中央部には、洗濯運転を選択するための操作キーである洗濯運転アイコン22、洗濯乾燥運転を選択するための操作キーである洗濯乾燥運転アイコン23および乾燥運転を選択するための操作キーである乾燥運転アイコン24が配置されている。
【0029】
この場合、洗濯運転アイコン22、洗濯乾燥運転アイコン23および乾燥運転アイコン24は、画面の左から、この順に並ぶように並列に配置されている。なお、これら3つのアイコンの並び順は適宜入れ替え可能である。また、運転の選択状態に応じて3つのアイコンの並び順が変更されるようにしてもよい。例えば、その時点で選択されているアイコンが常に中央に配置されるように、各アイコンの配置を随時変更するようにしてもよい。
【0030】
洗濯運転アイコン22、洗濯乾燥運転アイコン23および乾燥運転アイコン24は、運転の種類ごとに対応して設けられた複数の運転種類アイコンに相当する。これら複数の運転種類アイコンに対する操作が行われることにより、その運転種類アイコンに対応する運転が選択される、つまり運転の種類が決定されることになる。
【0031】
具体的には、洗濯運転アイコン22に対する操作が行われると洗濯運転が選択され、洗濯乾燥運転アイコン23に対する操作が行われると洗濯乾燥運転が選択され、乾燥運転アイコン24に対する操作が行われると乾燥運転が選択される。なお、このような運転の種類の選択および決定は、運転が開始されるまでの期間には何度でも行うことができる。
【0032】
制御装置4は、所定の運転種類アイコンに対する操作が行われると、その操作された運転種類アイコンを、操作されていない運転種類アイコンに対して相対的に大きく表示させるようになっている。また、制御装置4は、所定の運転種類アイコンに対する操作が行われると、その操作された運転種類アイコンへの操作が可能となる操作可能領域を、操作されていない運転種類アイコンへの操作が可能となる操作可能領域に対して相対的に大きくするようになっている。
【0033】
例えば、洗濯乾燥運転アイコン23に対する操作が行われると、
図3に示すように、洗濯乾燥運転アイコン23は、操作されていない洗濯運転アイコン22および乾燥運転アイコン24に比べて大きく表示される。また、このとき、洗濯乾燥運転アイコン23に対応する操作可能領域23aは、操作されていない洗濯運転アイコン22に対応する操作可能領域22aおよび乾燥運転アイコン24に対応する操作可能領域24aに比べて大きくなる。
【0034】
制御装置4は、所定の運転種類アイコンに対する操作が行われると、その操作された運転種類アイコンに対応した運転について選択されているコースの名称および当該コースに対応したアイコンを表示させるようになっている。例えば、洗濯乾燥運転アイコン23に対する操作が行われると、
図3に示すように、洗濯乾燥運転アイコン23が、洗濯乾燥運転について現在選択されているコースの名称(この場合、標準コース)およびそのコースに対応したアイコン(この場合、Tシャツを模式的に表すようなアイコン)を含むような表示に変化する。
【0035】
制御装置4は、所定の運転種類アイコンに対する操作が1度行われることにより、その所定の運転種類アイコンに対応した運転を選択し、1度操作が行われた所定の運転種類アイコンに対する操作が再び行われることにより、その運転に対応したコースを選択するためのコース選択画面を表示させるようになっている。例えば、
図3に示すように、洗濯乾燥運転アイコン23に対する操作が1度行われている状態で、さらに洗濯乾燥運転アイコン23に対する操作が行われると、洗濯乾燥運転に対応したコースを選択するためのコース選択画面へと遷移する。図示および詳しい説明は省略するが、コース選択画面は、コースの概要と行程内容を参照しながらコースを選択することができるような表示となっている。
【0036】
トップ画面などにおいて、画面の下端部は、共通のフッター部25となっている。フッター部25には、設定キー26、照明オンオフキー27、温水設定キー28、予約設定キー29、コース選択キー30、スタートキー31が、左からこの順で画面の横方向に一列に並ぶように配置されている。設定キー26、照明オンオフキー27、温水設定キー28および予約設定キー29は、運転が開始される前の各種の表示画面において、常に固定表示されている。なお、これら4つの操作キーは、洗濯機1の運転に関する設定を行うための操作キーであり、使用頻度が比較的高い操作キーである。
【0037】
設定キー26は、洗濯機1に関わる各種の設定を行うための操作キーである。設定キー26に対する操作が行われると、設定・その他画面へと遷移する。設定・その他画面での操作により実行することができる各種の設定などについては後述する。照明オンオフキー27は、洗濯機1の槽内を照らすための照明(例えばLED)をオン(点灯)またはオフ(消灯)するための操作キーである。照明オンオフキー27の操作に応じて照明をオンすることにより、洗濯機1の槽内がLEDの光で照らされ、薄暗い槽内を明るくし、ユーザによる洗濯物(衣類)の出し入れに寄与することができる。
【0038】
温水設定キー28は、運転において用いられる水の温度を設定するための操作キーである。温水設定キー28に対する操作が行われると、洗濯運転または洗濯乾燥運転の洗い行程において水温を何度まで加熱するかなどの設定を行うための温水設定画面(図示略)が表示される。温水設定画面では、複数の温水設定(例えば、なし、15℃、30℃、40℃、50℃、60℃除菌など)の中から所望する設定を選択することができる。
【0039】
予約設定キー29は、運転の予約に関する設定を行うための操作キーである。予約設定キー29に対する操作が行われると、予約設定画面(図示略)が表示される。予約設定画面では、複数の予約設定(例えば、なし、おはよう予約、おかえり予約、外から予約など)の中から所望する設定を選択することができる。また、予約設定画面では、運転の終了時刻を所望する時刻に設定することができる。
【0040】
コース選択キー30は、前述したコース選択画面へと遷移させるための操作キーである。この場合、コース選択キー30が操作されると、その時点において選択されている運転に対応したコースを選択するためのコース選択画面へと遷移するようになっている。例えば、
図3に示すように、洗濯乾燥運転が選択された状態で、コース選択キー30に対する操作が行われると、洗濯乾燥運転に対応したコースを選択するためのコース選択画面へと遷移する。
【0041】
スタートキー31は、運転を開始するための操作キーであり、画面の端部、より具体的には画面の右下の端に表示されている。制御装置4は、トップ画面およびコース選択画面などの各種の画面において、スタートキー31を表示する際、常に同じ位置に表示させるようになっている。運転前の画面であるトップ画面およびコース選択画面において、スタートキー31に対する操作が行われると、その時点において選択されている運転種類およびコースでの運転が開始される。運転が開始されると、現在進行中の行程を含む運転における全行程および運転が終了するまでに要する時間である運転残り時間などが含まれた運転中画面が表示される。
【0042】
[2]エラー画面全般
制御装置4は、洗濯機1に関する異常であるエラーが発生すると、エラーに関する情報が表示される情報表示領域が含まれたエラー画面を表示させるようになっている。洗濯機1において発生し得るエラーは、E系エラー、C系エラーおよびお知らせ系エラーの3つに分類することができる。
【0043】
図4に示すように、E系エラーには、回転センサ異常、ドラム断線異常、ドラムモータ回路電圧異常、水漏れ異常(給水弁リーク)、泡センサ異常、水位センサ異常、排水弁異常、不揮発性メモリ異常、ドレインポンプ異常、ドアロック異常などに関するエラーが含まれる。また、各E系エラーのそれぞれには、エラー画面において表示するための個別の表示(エラーコードE1~E10)が対応付けられている。例えば、回転センサ異常に関するエラー(E1)が発生した場合、回転センサ値が異常であるとモータの回転検知ができなくなるため、直ちに運転が停止されることとなる。このように、E系エラーは、運転が停止されるとともに、エラーが発生した場合には運転を継続する(再開する)ことができないエラーである。
【0044】
図4に示すように、C系エラーには、ドア開異常、糸くずフィルター外れ、給水異常、乾燥フィルター目詰まり、槽内温度などに関するエラーが含まれる。また、各C系エラーのそれぞれには、エラー画面において表示するための個別の表示(エラーコードC1~C5)が対応付けられている。例えば、糸くずフィルター外れに関するエラー(C26)が発生した場合、糸くずフィルターの取り付け箇所が開いていることから、運転を継続させると水漏れを引き起こすおそれがあるため、運転は停止される。ただし、この場合、ユーザが糸くずフィルターを元通りに洗濯機1に取り付ければ、エラーが解除されて運転を再開することが可能となる。このように、C系エラーは、運転は停止されるが、そのエラーが発生する条件が解除された場合には運転を再開することができるエラーである。
【0045】
図4に示すように、お知らせ系エラーには、乾燥フィルター目詰まり、布量が多い、槽内に所定以上の水位、排水異常/糸くずフィルターお掃除などに関するエラーが含まれる。また、各お知らせ系エラーのそれぞれには、エラー画面において表示するための個別の表示(フィルターお掃除、容量オーバー、槽内水あり、排水点検)が対応付けられている。
【0046】
例えば、容量オーバーに関するエラー(容量オーバー)は、運転中に実施される重量検知処理によって槽内に存在する布量が規定量より多いことが検知されたときに生じる。この場合、その後の運転において不都合(洗濯、乾燥が不十分になるなど)が生じるおそれがあることから、布量が規定量より多いことをユーザに知らせることになる。ただし、このようなお知らせ中、運転状態は変化されない。すなわち、上記お知らせが運転中に行われた場合には運転が継続され、上記お知らせが運転停止中に行われた場合には運転停止状態が維持される。このように、お知らせ系エラーは、運転自体には影響しないが、何らかの不都合が生じるおそれがあるエラーである。
【0047】
また、この場合、発生し得る複数のエラーについて、次のように優先順位(ランク)、つまり優先度が付されている。すなわち、E系エラーは、洗濯機1の運転を正常に行う上で問題となるエラーであり、その重要度は最も高い。C系エラーは、E系エラーに比べると、その重要度は低い。また、お知らせ系エラーは、C系エラーに比べると、その重要度は低い。本実施形態では、各エラーについて、その重要度に基づいて優先度が決定されている。
【0048】
したがって、E系エラーの優先度が最も高くなっており、それに次いでC系エラーの優先度が高くなっており、お知らせ系エラーの優先度が最も低くなっている。つまり、
図4に示すように、E系エラーの優先度は「高」となっており、C系エラーの優先度は「中」となっており、お知らせ系エラーの優先度は「低」となっている。詳細は後述するが、制御装置4は、複数のエラーが発生したとき、それら複数のエラーのうち、相対的に優先度が高いエラーに関する情報の表示量が、相対的に優先度が低いエラーに関する情報の表示量よりも多くなるように、エラー画面の表示を制御するようになっている。
【0049】
[3]E系エラー発生時のエラー画面
E系エラーが発生したときに表示されるエラー画面としては、具体的には、
図5に示すような画面を採用することができる。なお、ここでは、ドレインポンプ異常に関するエラーが発生したときに表示されるエラー画面を例示しているが、他のE系エラーが発生したときに表示されるエラー画面についても同様の画面を採用することができる。
【0050】
図5に示すエラー画面において、上部の領域34には、発生したエラーが故障に相当するものであることを表すために「故障」と表示されている。また、領域34の下側に設けられた領域35には、ドレインポンプ異常に対応するエラーコード「E9」が故障コードとして表示されている。さらに、領域35には、この場合における対処方法を表す説明文が表示されている。これら領域34、35は、エラーに関する情報が表示される情報表示領域に相当する。
【0051】
[4]C系エラー発生時のエラー画面
C系エラーが発生したときに表示されるエラー画面としては、具体的には、
図6または
図7に示すような画面を採用することができる。なお、ここでは、糸くずフィルター外れに関するエラーが発生したときに表示されるエラー画面を例示しているが、他のC系エラーが発生したときに表示されるエラー画面についても同様の画面を採用することができる。
図6に示すエラー画面は、運転の実行中にエラーが発生した場合に表示される画面であり、
図7に示すエラー画面は、運転の停止中にエラーが発生した場合に表示される画面である。
【0052】
図6および
図7に示すエラー画面において、上部の領域36には、発生したエラーについての異常箇所および異常状態を表す表示「糸くずフィルターがはずれています」が表示されるとともに、糸くずフィルター外れに対応するエラーコード「C2」が表示されている。また、領域36の下側に設けられた領域37には、この場合における対処方法を表す説明文および図が表示されている。これら領域36、37は、エラーに関する情報が表示される情報表示領域に相当する。
【0053】
図6に示すように、運転の実行中にエラーが発生した場合に表示されるエラー画面の下端部には、運転再開キー38が配置されている。運転再開キー38は、エラー発生により一時停止された運転を再開するための操作キーである。つまり、制御装置4は、運転の実行中にエラーが発生した場合、運転を再開するための操作キーである運転再開キー38が含まれたエラー画面を表示させるようになっている。このようなエラー画面によれば、ユーザは、発生したエラーを解除したうえで、具体的には糸くずフィルターを取り付けたうえで、運転再開キー38を操作することにより、エラーが発生する前に実行していた運転を継続することができる。
【0054】
図7に示すように、運転の停止中にエラーが発生した場合に表示されるエラー画面の下端部には、閉じるキー39が配置されている。閉じるキー39は、表示されているエラー画面、つまり表示されているエラーに関する情報を非表示とするための操作キーである。つまり、制御装置4は、運転の停止中にエラーが発生した場合、表示されているエラーに関する情報を非表示とするための操作キーである閉じるキー39が含まれたエラー画面を表示させるようになっている。制御装置4は、閉じるキー39が操作されることにより、表示されているエラーに関する情報を非表示とするための命令を受け付けると、表示されているエラー画面を閉じるようになっている。このようなエラー画面によれば、ユーザは、発生したエラーを解除したうえで、具体的には糸くずフィルターを取り付けたうえで、閉じるキー39を操作することにより、エラー画面を閉じて通常の表示画面(トップ画面など)へと戻すことができる。
【0055】
[5]お知らせ系エラー発生時のエラー画面
お知らせ系エラーが発生したときに表示されるエラー画面としては、具体的には、
図8または
図9に示すような画面を採用することができる。なお、ここでは、容量オーバーに関するエラーおよび槽内水ありに関するエラーが発生したときに表示されるエラー画面を例示しているが、他のお知らせ系エラーが発生したときに表示されるエラー画面についても同様の画面を採用することができる。
【0056】
図8に示すエラー画面において、上部の領域40には、発生したエラーについての異常箇所および異常状態を表す表示「衣類を入れ過ぎています」が表示されるとともに、容量オーバーに対応付けられた個別の表示「容量オーバー」が表示されている。また、領域40の下側に設けられた領域41には、この場合における対処方法を表す説明文が表示されている。これら領域40、41は、エラーに関する情報が表示される情報表示領域に相当する。さらに、
図8に示すエラー画面の下端部には、閉じるキー42が配置されている。閉じるキー42は、前述した閉じるキー39と同様、表示されているエラー画面を非表示とする(閉じる)ための操作キーである。
【0057】
図9に示すエラー画面において、上部の領域43には、発生したエラーについての異常箇所および異常状態を表す表示「ドラム内に水が残っています」が表示されるとともに、槽内水ありに対応付けられた個別の表示「槽内水あり」が表示されている。また、領域43の下側に設けられた領域44には、この場合における対処方法を表す説明文が表示されている。これら領域43、44は、エラーに関する情報が表示される情報表示領域に相当する。
【0058】
この場合、領域44には、対処方法を表す説明文の前半部分(1/2)が表示されている。エラー画面の下部右端に設けられたスクロールキー45を操作することにより、対処方法を表す説明文の後半部分(2/2)を、領域44に表示させることができる。なお、領域44に対処方法を表す説明文の後半部分(2/2)が表示されている状態において、スクロールキー45の左側に設けられたスクロールキー46を操作することにより、対処方法を表す説明文の前半部分(1/2)を、領域44に表示させることができる。また、
図9に示すエラー画面の下部左端には、閉じるキー47が配置されている。閉じるキー47は、閉じるキー42などと同様、表示されているエラー画面を非表示とするための操作キーである。
【0059】
[6]優先度が異なる複数のエラー発生時のエラー画面(1)
制御装置4は、所定のエラーに対応するエラー画面を表示させている状態において、その所定のエラーより優先度が高い別のエラーが発生すると、その所定のエラーに関する情報の少なくとも一部を非表示にするとともに、その優先度が高い別のエラーに関する情報を表示するようにエラー画面の表示態様を変更するようになっている。
【0060】
例えば、お知らせ系エラー(例えば容量オーバー、槽内水ありなど)に関する異常が発生したことにより
図8、
図9などに示すようなお知らせ系エラーに対応するエラー画面が表示されている状態において、E系エラー(例えばドレインポンプ異常)に関する異常が発生した場合、閉じるキー42、47の操作にかかわらず、お知らせ系エラーに対応するエラー画面が非表示とされ、それに代えて、
図5に示したようなE系エラーに対応するエラー画面が表示される。
【0061】
[7]優先度が異なる複数のエラー発生時のエラー画面(2)
前述したように、制御装置4は、運転の実行中に所定のエラーが発生した場合、運転を再開するための運転再開キーが含まれたエラー画面を表示させるようになっている。そして、制御装置4は、運転再開キーが含まれたエラー画面を表示させている状態において、上記所定のエラーより優先度が高い別のエラーが発生すると、その優先度が高い別のエラーに関する情報が表示される情報表示領域により運転再開キーが覆われるようにエラー画面の表示態様を変更するようになっている。
【0062】
例えば、運転の実行中にC系エラー(例えば糸くずフィルター外れ)に関する異常が発生したことにより
図6に示すようなエラー画面が表示されている状態において、より優先度が高いE系エラー(例えばドレインポンプ異常)に関する異常が発生した場合、少なくとも運転再開キー38が覆われる形でE系エラーに関する情報が表示される。具体的には、
図6に示すエラー画面に代えて、
図5に示したようなE系エラーに対応するエラー画面が表示される。この場合、
図10に示すように、E系エラーに対応するエラー画面における領域35により運転再開キー38が覆われるようになっている。
【0063】
[8]優先度が異なる複数のエラー発生時のエラー画面(3)
制御装置4は、相対的に優先度が高いエラー(以下、第1エラーと称す)と、相対的に優先度が低い異常であり且つ第1エラーの原因となり得る異常を表すエラー(以下、第2エラーと称す)とが発生したとき、第1エラーに関する情報を表示させるとともに、第2エラーに関する情報の一部を表示させるように、エラー画面の表示を制御するようになっている。なお、第1エラーとしては、例えば水漏れ異常を表すエラーを挙げることができる。また、第2エラーとしては、例えば糸くずフィルター外れのエラーを挙げることができる。
【0064】
例えば、運転の実行中に糸くずフィルタ外れに関する異常が発生したことにより
図6に示すようなエラー画面が表示されている状態において、より優先度が高い水漏れ異常が発生した場合、
図11に示すようなエラー画面が表示される。
図11に示すエラー画面には、
図10に示したE系エラーに対応するエラー画面と同様の領域34、35が設けられている。ただし、この場合、領域34の上側には、
図6に示す糸くずフィルタ外れのエラー画面における領域36と同じ内容が表示された領域48が設けられている。このようなエラー画面によれば、ユーザは、水漏れ異常のエラーが発生していることに加え、糸くずフィルタ外れのエラーが発生していることを認識することができる。
【0065】
[9]優先度が同等の複数のエラー発生時のエラー画面
制御装置4は、所定のエラーに対応するエラー画面を表示させている状態において、その所定のエラーと優先度が同等の別のエラーが発生した場合、その所定のエラーに関する情報の表示を維持する。そして、制御装置4は、その後、上記所定のエラーを解消するための条件が満たされるか、または上記所定のエラーに対応する閉じるキーが操作されると、上記優先度が同等の別のエラーに関する情報を表示するようにエラー画面の表示態様を変更するようになっている。
【0066】
例えば、お知らせ系エラーである槽内水ありに関する異常が発生したことにより
図9に示すようなエラー画面が表示されている状態において、槽内水ありに関する異常と同じ優先度の容量オーバーに関する異常が発生した場合、エラー画面の表示態様が、
図12に示すようなものに変更される。
図12に示すように、この場合、槽内水ありのエラーに関する情報の表示は、その大きさが縦方向に若干縮小されるものの、表示内容についてはそのまま維持される。
【0067】
そして、この場合、エラー画面の上端部には、
図8に示した容量オーバーのエラー画面の一部、具体的には領域40が表示されている。このように、優先度が同等の複数のエラーが発生している場合、先に発生したエラー(槽内水あり)に関する情報の表示が維持されるとともに、後に発生したエラー(容量オーバー)に関する情報の一部が表示される。
【0068】
また、このとき、先に発生したエラー(槽内水あり)に関する情報は、後に発生したエラー(容量オーバー)に関する情報よりも視認性の高い表示とされる。具体的には、この場合、先に発生したエラー(槽内水あり)に対応する情報を表示する領域43、44が、後に発生したエラー(容量オーバー)に対応する情報を表示する領域40よりも、画面の下部側、つまりユーザ側に表示される。なお、視認性に問題が無いようであれば、先に発生したエラーに対応する情報を表示する領域43、44が、後に発生したエラーに対応する情報を表示する領域40よりも、画面の上部側に表示するようにしてもよい。
【0069】
図12に示すようなエラー画面が表示されている状態において、槽内水ありのエラーを解消するための条件が満たされた場合、または、閉じるキー47が操作されたことにより制御装置4が槽内水ありエラーに関する情報(エラー画面)を非表示とするための命令を受け付けた場合、槽内水ありのエラーに関する情報が非表示とされ、容量オーバーのエラーに関する情報だけが表示される。具体的には、この場合、
図8に示すような容量オーバーのエラーに対応するエラー画面が表示される。
【0070】
なお、複数のエラーが完全に同時に発生することは極めて稀であるが、仮に、優先度が同等の複数のエラーが同時に発生した場合、本実施形態では、次のようにして、各エラーの発生順を規定する。すなわち、制御装置4は、各エラーが発生したか否かの判定について、
図4に示した表の上から下へと順番に行うようになっている。そこで、優先度が同等の複数のエラーが同時に発生した場合、
図4に示した表においてより上に位置するエラーが先に発生したものとするように、各エラーの発生順を規定する。
【0071】
[10]槽内温度(水温)のエラーに対応するエラー画面
槽内温度(水温)に関する異常が発生したときにエラー画面としては、具体的には、
図13または
図14に示すような画面を採用することができる。例えば、水温を温める動作が実行されている最中に運転が一時停止されると、
図13に示すようなエラー画面が表示される。
図13に示すエラー画面において、上部の領域49には、発生したエラーについての異常箇所および異常状態を表す表示「ドラム内の水温が高くなっています」が表示されるとともに、槽内温度(水温)に対応付けられた個別の表示「C6」が表示されている。
【0072】
また、領域49の下側に設けられた領域50には、この場合における対処方法、具体的には槽内温度(水温)のエラーを解消する方法に関する情報が表示されている。これら領域49、50は、エラーに関する情報が表示される情報表示領域に相当する。さらに、
図13に示すエラー画面の下端部の右側には、運転再開キー51が配置されている。運転再開キー51は、前述した運転再開キー38と同様、一時停止された運転を再開するための操作キーである。ユーザは、運転再開キー51を操作することにより、実行中の運転を再開することができる。
【0073】
図13に示すエラー画面の下端部の左側には、冷却脱水実行キー52が配置されている。冷却脱水実行キー52は、実行中の運転とは異なる運転であり且つ槽内温度(水温)のエラーを解消するための運転である冷却脱水運転を実行するための操作キーであり、解消運転実行キーに相当する。ユーザは、冷却脱水実行キー52を操作することにより、冷却脱水運転を実行し、槽内の水温を下げて扉3を開けることができる。このように、制御装置4は、運転の実行中に所定のエラーが発生した場合、その所定のエラーを解消する方法に関する情報と、実行中の運転とは異なる運転であり且つ上記所定のエラーを解消するための運転を実行するための操作キーである解消運転実行キーとが含まれたエラー画面を表示させるようになっている。
【0074】
例えば、水温を温める動作が実行されている最中に、何らかの原因で洗濯機1の電源が一時的にオフされて再びオンに転じると、
図14に示すようなエラー画面が表示される。
図14に示すエラー画面は、
図13に示すエラー画面に対し、運転再開キー51が設けられていない点が異なる。この場合、そもそも運転を再開することができないことから、運転再開キー51は表示されていない。したがって、この場合、ユーザは、冷却脱水実行キー52を操作することにより、冷却脱水運転を実行し、槽内の水温を下げて扉3を開けることができる。なお、
図13および
図14に示すエラー画面において、領域50の表示、つまり槽内温度(水温)のエラーを解消する方法に関する情報の表示は、必須ではなく、省略することもできる。
【0075】
[11]槽内温度(温度)のエラーに対応するエラー画面
槽内温度(温度)に関する異常が発生したときにエラー画面としては、具体的には、
図15または
図16に示すような画面を採用することができる。例えば、乾燥運転の実行中など槽内の温度が高いときに運転が一時停止されると、
図15に示すようなエラー画面が表示される。
図15に示すエラー画面において、上部の領域53には、発生したエラーについての異常箇所および異常状態を表す表示「ドラム内の温度が高くなっています」が表示されるとともに、槽内温度(温度)に対応付けられた個別の表示「C5」が表示されている。
【0076】
また、領域53の下側に設けられた領域54には、この場合における対処方法、具体的には槽内温度(温度)のエラーを解消する方法に関する情報が表示されている。これら領域53、54は、エラーに関する情報が表示される情報表示領域に相当する。さらに、
図15に示すエラー画面の下端部には、運転再開キー55が配置されている。運転再開キー55は、前述した運転再開キー51などと同様、一時停止された運転を再開するための操作キーである。ユーザは、運転再開キー55を操作することにより、実行中の運転を再開することができる。
【0077】
例えば、洗濯機1の電源がオンされた際に槽内の温度が高いときには、
図16に示すようなエラー画面が表示される。
図16に示すエラー画面は、
図15に示すエラー画面に対し、運転再開キー55が設けられていない点が異なる。この場合、そもそも運転を再開することができないことから、運転再開キー55は表示されていない。したがって、この場合、ユーザは、自動的に実行される送風運転によって槽内の温度が低下するのを待つことになる。
【0078】
図15または
図16に示すエラー画面が表示される際、ヘッダー部21の一部が露出した状態とされている。つまり、制御装置4は、
図15または
図16に示すエラー画面を表示させる際、ステータス情報のうち少なくとも一部が露出した状態とするようになっている。この場合、ヘッダー部21には、ドアロックアイコン32およびチャイルドロックアイコン33などに加え、槽内の温度を表す温度アイコン56が表示されている。ドアロックアイコン32、チャイルドロックアイコン33および温度アイコン56は、それぞれが何を表しているのかが分かる程度に視認可能な状態となっている。このような表示によれば、ユーザは、ドアロックの実施有無、現時点における槽内の温度などを把握することができ、その結果、扉3を開けることができない状態(送風運転の実行)が後どのくらい続くのかを推定することができる。
【0079】
[12]複数のエラー発生時のエラー画面
制御装置4は、複数のエラーが発生したとき、複数のエラーのそれぞれについて、そのエラーに関する情報の少なくとも一部が表示されるようにエラー画面の表示を制御するようになっている。例えば、糸くずフィルタ外れに関する異常が発生したことにより
図7に示すようなエラー画面が表示されている状態において、容量オーバーに関する異常および槽内水ありに関する異常が発生すると、
図17に示すようなエラー画面が表示される。
【0080】
図17に示すエラー画面では、糸くずフィルタ外れに関する情報の表示は、その大きさが縦方向に若干縮小されるものの、表示内容についてはそのまま維持される。そして、この場合、エラー画面の上端部には、
図8に示した容量オーバーのエラー画面の一部、具体的には領域40が表示されている。また、この場合、領域40の下側には、
図9に示した槽内水ありのエラー画面の一部、具体的には領域43が表示されている。このように、複数のエラーが発生している場合、優先度が相対的に高いエラーに関する情報は、優先度が相対的に低いエラーに関する情報よりも視認性の高い表示とされる。なお、この場合、全てのエラーの優先度が同等であれば、先に発生したエラーに関する情報の表示が維持されるとともに、後に発生したエラーに関する情報の一部が表示される。
【0081】
したがって、この場合、優先度が相対的に高いエラー(糸くずフィルタ外れ)に対応する情報を表示する領域36、37が、優先度が相対的に低いエラー(容量オーバー、槽内水あり)に対応する情報を表示する領域40、43よりも、画面の下部側、つまりユーザ側に表示される。なお、視認性に問題が無いようであれば、優先度が相対的に高いエラーに対応する情報を表示する領域36、37が、優先度が相対的に低いエラーに対応する情報を表示する領域40または43よりも、画面の上部側に表示されるようにしてもよい。
【0082】
また、この場合、領域40、43は、ユーザによるタッチ操作を認識するタッチ認識領域としても機能する。例えば、
図17に示すエラー画面において、領域43に対する操作が行われると、
図18に示すように、エラー画面の表示態様が変更される。
図18に示すエラー画面では、操作が行われた領域43に対応する槽内水ありの情報を表す領域43、44などが画面の中央から下部へかけて比較的大きく表示される。そして、この場合、領域40の下側には、
図7に示した糸くずフィルタ外れのエラー画面の一部、具体的には領域36が表示されている。このように、タッチ認識領域に対する操作が行われると、そのタッチ認識領域に対応するエラーに関する情報がクローズアップされて比較的大きく表示されるとともに、その他のエラーに関する情報の一部が比較的小さく表示される。
【0083】
[13]設定・その他画面
前述したように、トップ画面などにおいて、設定キー26に対する操作が行われると、設定・その他画面へと遷移する。
図19に示すように、設定・その他画面の上部左端には、戻るキー60が設けられている。戻るキー60は、戻るキー60は、1つ前の画面に戻るための操作キーである。戻るキー60の下側の領域には、4つのアイコン61~64が配置されている。アイコン61は、「お手入れ」に関する各種の情報の表示および各種の設定を行うための操作キーとして機能する。ユーザは、アイコン61を操作することにより、各種のお手入れ(ドラムのお手入れ、カビプロテクト設定、自動おそうじ設定、運転後のお手入れ、汚れが目立ってきたらするお手入れ)に関する情報の表示および設定を行うことができる。
【0084】
アイコン62は、「知っていると便利」に関する各種の情報の表示および各種の設定を行うための操作キーとして機能する。ユーザは、アイコン62を操作することにより、知っていると便利な点(のりづけについて、凍結のおそれがあるとき、よくあるお問い合わせ)に関する情報の表示および設定を行うことができる。なお、よくあるお問い合わせに関する情報の表示および設定に関する詳細については、後述する。
【0085】
アイコン63は、「洗い方設定」に関する各種の情報の表示および各種の設定を行うための操作キーとして機能する。ユーザは、アイコン63を操作することにより、各種の洗い方設定(静音モード設定、ためすすぎモード設定、ecoモード設定、仕上がり快適モード設定、上質乾燥モード設定)に関する情報の表示および設定を行うことができる。アイコン64は、「本体設定」に関する各種の情報の表示および各種の設定を行うための操作キーとして機能する。ユーザは、アイコン64を操作することにより、各種の本体設定(チャイルドロック、表示の明るさ設定、音の設定、時刻設定、初期化・試運転・操作ガイド)に関する情報の表示および設定を行うことができる。
【0086】
[14]よくあるお問い合わせに関する情報の表示および設定
設定・その他画面において、アイコン62に対する操作が行われると、
図20に示すような「知っていると便利画面」へと遷移する。「知っていると便利画面」の上部左端には、戻るキー65が設けられている。戻るキー65は、1つ前の画面に戻るための操作キーである。戻るキー65の下側の領域の左側には、「のりづけについて」、「凍結のおそれがあるとき」および「よくあるお問い合わせ」のそれぞれに対応する3つのタブアイコン66~68が上からこの順に並んでいる。これらタブアイコン66~68の右側の領域69は、タブアイコン66~68に対する操作に応じた内容が表示される。
【0087】
具体的には、タブアイコン66に対する操作が行われると、領域69に「のりづけについて」に関する各種の情報の表示および設定を行うための操作キーとして機能するアイコンなどが表示される。また、タブアイコン67に対する操作が行われると、領域69に「凍結のおそれがあるとき」に関する各種の情報の表示および設定を行うための操作キーとして機能するアイコンなどが表示される。また、タブアイコン68に対する操作が行われると、
図20に示すように、領域69に「よくあるお問い合わせ」に関する各種の情報の表示および設定を行うための操作キーとして機能するアイコン70~72が表示される。
【0088】
アイコン70は、「天日干しのゴワゴワが気になる」場合に対応した情報の表示および設定を行うための操作キーとして機能する。具体的には、アイコン70に対する操作が行われると、
図21に示すような画面が表示される。
図21に示す画面の中央の領域73には、「天日干しのゴワゴワが気になる」場合に対応した情報の前半(1/2)が表示されている。
図21に示す画面の下部右端に設けられたスクロールキー74を操作することにより、
図22に示すように、領域73に上記情報の後半(2/2)を表示させることができる。
【0089】
また、
図22に示す画面が表示されている状態において、スクロールキー74の左側に設けられたスクロールキー75を操作することにより、上記情報の前半(1/2)を、領域73に表示させることができる。また、
図21および
図22に示す画面の下部左端には、閉じるキー76が配置されている。閉じるキー76は、表示されている画面を非表示とするための操作キーである。
【0090】
図22に示す画面の領域73には、設定キー77が配置されている。設定キー77は、天日干し後のゴワゴワをおさえることができるモードである仕上がり快適モードを設定するための画面を表示させるための操作キーとして機能する。設定キー77に対する操作が行われると、
図23に示すような「洗いかた設定画面」へ遷移する。「洗いかた設定画面」は、本体・その他画面においてアイコン63が操作された場合にも遷移することができる画面である。
【0091】
「洗いかた設定画面」の上部左端には、戻るキー78が設けられている。戻るキー78は、1つ前の画面に戻るための操作キーである。戻るキー78の下側の領域の左側には、「静音モード設定」、「ためすすぎモード設定」、「ecoモード設定」、「仕上がり快適モード設定」および「上質乾燥モード設定」のそれぞれに対応する5つのタブアイコン79~83が上からこの順に並んでいる。これらタブアイコン79~83の右側の領域84は、タブアイコン79~83に対する操作に応じた内容が表示される。
【0092】
図22に示す画面において設定キー77が操作されたことにより「洗いかた設定画面」に遷移した場合、
図23に示すように、タブアイコン82が操作された状態となる。タブアイコン82に対する操作が行われると、領域84には、仕上がり快適モードに関する説明文が表示される。また、この場合、領域84には、設定オンオフキー85が配置されている。
【0093】
設定オンオフキー85は、仕上がり快適モードの設定を行うための操作キーである。ユーザは、設定オンオフキー85を操作することにより、仕上がり快適モードが設定された状態と設定されていない状態とを切り替えることができる。仕上がり快適モードが設定された状態となっている場合、
図23に示すように、設定オンオフキー85は、その旨を表す「ON」を表示する態様となる。このような操作により仕上がり快適モードが設定された場合、その設定状態は、運転後にリセットされることはなく、運転の実行回数、洗濯機1本体の電源のオンオフなどに関係なく維持される。つまり、このような設定は、その設定がなされた後に実行される全ての運転に影響を及ぼすことになる。
【0094】
上記した画面遷移の流れによれば、ユーザは、天日干しのゴワゴワが気になると感じた場合、「知っていると便利画面」の「よくあるお問い合わせ」の欄から、自身が気になる点を探しているうちに、天日干しのゴワゴワを低減するための仕上がり快適モード設定を行うための画面(洗いかた設定画面)を表示させることができ、その設定を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、ユーザの利便性が高まるという効果が得られる。
【0095】
アイコン71は、「乾燥後のシワ付きが多い」場合に対応した情報の表示および設定を行うための操作キーとして機能する。具体的には、アイコン71に対する操作が行われると、
図24に示すような画面が表示される。
図24に示す画面の中央の領域86には、「乾燥後のシワ付きが多い」場合に対応した情報の前半(1/2)が表示されている。
図24に示す画面の下部右端に設けられたスクロールキー87を操作することにより、
図25に示すように、領域86に上記情報の後半(2/2)を表示させることができる。
【0096】
また、
図25に示す画面が表示されている状態において、スクロールキー87の左側に設けられたスクロールキー88を操作することにより、上記情報の前半(1/2)を、領域86に表示させることができる。また、
図24および
図25に示す画面の下部左端には、閉じるキー89が配置されている。閉じるキー89は、表示されている画面を非表示とするための操作キーである。
【0097】
図25に示す画面の領域86には、設定キー90が配置されている。設定キー90は、乾燥後のシワ付きをおさえることができるモードである上質乾燥モードを設定するための画面を表示させるための操作キーとして機能する。設定キー90に対する操作が行われると、前述した「洗いかた設定画面」へ遷移する。
図25に示す画面において設定キー90が操作されたことにより「洗いかた設定画面」に遷移した場合、
図26に示すように、タブアイコン83が操作された状態となる。タブアイコン83に対する操作が行われると、領域84には、上質乾燥モードに関する説明文が表示される。また、この場合、領域84には、設定オンオフキー91が配置されている。
【0098】
設定オンオフキー91は、上質乾燥モードの設定を行うための操作キーである。ユーザは、設定オンオフキー91を操作することにより、上質乾燥モードが設定された状態と設定されていない状態とを切り替えることができる。上質乾燥モードが設定された状態となっている場合、
図26に示すように、設定オンオフキー91は、その旨を表す「ON」を表示する態様となる。このような操作により上質乾燥モードが設定された場合、その設定状態は、運転後にリセットされることはなく、運転の実行回数、洗濯機1本体の電源のオンオフなどに関係なく維持される。つまり、このような設定は、その設定がなされた後に実行される全ての運転に影響を及ぼすことになる。
【0099】
上記した画面遷移の流れによれば、ユーザは、乾燥後のシワ付きが多いと感じた場合、「知っていると便利画面」の「よくあるお問い合わせ」の欄から、自身が気になる点を探しているうちに、乾燥後のシワ付きを低減するための上質乾燥モード設定を行うための画面(洗いかた設定画面)を表示させることができ、その設定を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、ユーザの利便性が高まるという効果が得られる。
【0100】
アイコン72は、「振動が大きい・異音がする」場合に対応した情報の表示および設定を行うための操作キーとして機能する。具体的には、アイコン72に対する操作が行われると、
図27に示すような画面が表示される。
図27に示す画面の中央の領域92には、「振動が大きい・異音がする」場合に対応した情報(説明文および図)の一部(1/4)が表示されている。
図27に示す画面の下部右端に設けられたスクロールキー93を操作することにより、領域92に上記情報の残りの部分を表示させることができる。
【0101】
また、
図28に示すように、領域92に上記情報に対応した情報の一部(4/4)が表示されている状態において、スクロールキー93の左側に設けられたスクロールキー94を操作することにより、領域92に上記情報の残りの部分を表示させることができる。また、
図27および
図28に示す画面の下部左端には、閉じるキー95が配置されている。閉じるキー95は、表示されている画面を非表示とするための操作キーである。
【0102】
図28に示す画面の領域92には、設定キー96が配置されている。設定キー96は、脱水時の振動をおさえることができるモードである静音モードを設定するための画面を表示させるための操作キーとして機能する。設定キー96に対する操作が行われると、前述した「洗いかた設定画面」へ遷移する。
図28に示す画面において設定キー96が操作されたことにより「洗いかた設定画面」に遷移した場合、
図29に示すように、タブアイコン79が操作された状態となる。タブアイコン79に対する操作が行われると、領域84には、静音モードに関する説明文が表示される。また、この場合、領域84には、設定オンオフキー97が配置されている。
【0103】
設定オンオフキー97は、静音モードの設定を行うための操作キーである。ユーザは、設定オンオフキー97を操作することにより、静音モードが設定された状態と設定されていない状態とを切り替えることができる。静音モードが設定された状態となっている場合、
図29に示すように、設定オンオフキー97は、その旨を表す「ON」を表示する態様となる。このような操作により静音モードが設定された場合、その設定状態は、運転後にリセットされることはなく、運転の実行回数、洗濯機1本体の電源のオンオフなどに関係なく維持される。つまり、このような設定は、その設定がなされた後に実行される全ての運転に影響を及ぼすことになる。
【0104】
上記した画面遷移の流れによれば、ユーザは、振動が大きい・異音がすると感じた場合、「知っていると便利画面」の「よくあるお問い合わせ」の欄から、自身が気になる点を探しているうちに、脱水時の振動を低減するための静音モード設定を行うための画面(洗いかた設定画面)を表示させることができ、その設定を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、ユーザの利便性が高まるという効果が得られる。
【0105】
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
制御装置4は、発生し得る複数のエラーについて優先度を付与しており、複数のエラーが発生したとき、それら複数のエラーのうち、相対的に優先度が高いエラーに関する情報の表示量が、相対的に優先度が低いエラーに関する情報の表示量よりも多くなるようにエラー画面の表示を制御するようになっている。このようにすれば、優先度(重要度)の高いエラーに関する情報が優先度(重要度)の低いエラーに関する情報に埋もれることがなく、ユーザに対し、重要度の高いエラーに関する情報を確実に通知することができる。このように、本実施形態によれば、従来の液晶操作パネルにおける欠点が解消され、液晶操作パネルによる利益を享受しつつ、エラーに関する視認性を一層向上することができる。
【0106】
制御装置4は、所定のエラーに対応するエラー画面を表示させている状態において、その所定のエラーより優先度が高い別のエラーが発生すると、上記所定のエラーに関する情報の少なくとも一部を非表示にするとともに上記別のエラーに関する情報を表示するようにエラー画面の表示態様を変更するようになっている。このようにすれば、ユーザに対し、重要度が高いエラーに関する情報を一層確実に通知することができる。したがって、ユーザは、重要度の高いエラーに対して最優先に対応することができ、特には、洗濯機1本体や運転に支障をきたすようなエラーに対して迅速に対応することができる。
【0107】
制御装置4は、所定のエラーが発生した場合、その所定のエラーに関する情報を非表示とするための操作キーである閉じるキー(39、42、47)が含まれたエラー画面を表示させるようになっている。そして、制御装置4は、上記エラー画面を表示させている状態において、上記所定のエラーと優先度が同等の別のエラーが発生した場合、上記所定のエラーに関する情報の表示を維持する。
【0108】
その後、制御装置4は、上記所定のエラーを解消するための条件が満たされるか、または上記所定のエラーに対応する閉じるキーが操作されると、別のエラーに関する情報を表示するようにエラー画面の表示態様を変更するようになっている。このようにすれば、同じ優先度の複数のエラーに関する情報が、それらの発生順に応じて順に表示されていくことになるため、ユーザは、これらのエラーへの対応(解除)を順番に実行することが可能となる。
【0109】
制御装置4は、運転の実行中に所定のエラーが発生した場合、その運転を再開するための操作キーである運転再開キー(38)が含まれたエラー画面を表示させるようになっている。このようにすれば、ユーザは、上記所定のエラーの解除を行った後、その後の対応に迷うことなく、速やかに運転を再開することができる。そして、制御装置4は、上記エラー画面を表示させている状態において、上記所定のエラーより優先度が高い別のエラーが発生すると、上記別のエラーに関する情報が表示される情報表示領域(領域35)により運転再開キーが覆われるようにエラー画面の表示態様を変更するようになっている。このようにすれば、運転を再開することができない、あるいは運転を再開してはいけないような重要度の高いエラーが生じている際に、誤って運転が再開されてしまうことがなくなり、安全性を一層高めることができる。
【0110】
制御装置4は、運転の実行中に所定のエラーが発生した場合、その所定のエラーを解消する方法に関する情報と、実行中の運転とは異なる運転であり且つ上記所定のエラーを解消するための運転を実行するための操作キーである解消運転実行キー(冷却脱水実行キー52)とが含まれたエラー画面を表示させるようになっている。このようにすれば、ユーザは、複雑な操作を要することなく、エラー画面に表示された解消運転実行キーを操作するだけで、実行中の運転とは異なる運転且つ発生したエラーを解消するための運転を実行させ、エラーを解消することができる。
【0111】
制御装置4は、表示部20の所定の領域であるヘッダー部21に、扉3のロック状態を表すステータス情報(ドアロックアイコン32、チャイルドロックアイコン33)を表示させるようになっており、エラー画面を表示させる際、上記ステータス情報のうち少なくとも一部が露出した状態とするようになっている。このようにすれば、ユーザは、エラー画面が表示されるとともに扉3が開けられないとき、上記ステータス情報を確認することで、その原因(扉3が開けられない原因)を容易に把握することができる。
【0112】
制御装置4は、複数のエラーが発生したとき、それら複数のエラーのそれぞれについて、そのエラーに関する情報の少なくとも一部が表示されるようにエラー画面の表示を制御するようになっている。このようにすれば、複数のエラーが発生したとき、仮に1つのエラーに関する情報をクローズアップして表示していたとしても、ユーザは、そのエラー以外にも別にエラーが発生していることを把握することができる。
【0113】
制御装置4は、相対的に優先度が高いエラーである第1エラー(例えば水漏れ異常)と、相対的に優先度が低い異常であり且つ第1エラーの原因となり得る異常(例えば糸くずフィルタ外れ)を表すエラーである第2エラーとが発生したとき、第1エラーに関する情報を表示させるとともに、第2エラーに関する情報の一部を表示させるように、エラー画面の表示を制御するようになっている。このようにすれば、ユーザ、修理業者などは、第1エラー(水漏れ異常)の発生原因が第2エラー(糸くずフィルタ外れ)である可能性が高いと直ちに認識することが可能となり、第1エラー(水漏れ異常)の解消を早期に図ることができる。
【0114】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
本発明は、ドラム式洗濯乾燥機である洗濯機1に限らず、例えば縦軸型の洗濯機や洗濯乾燥機、乾燥機など、衣類に対する所定の処理(洗濯、乾燥、脱臭など)を行うための運転を実行する衣類処理装置全般に適用することができる。
【0115】
操作表示器としては、洗濯機1に設けられた操作パネル5に限らずともよく、例えば洗濯機1を利用するユーザが所持するスマートフォン、タブレット端末などの携帯端末の操作表示部であってもよい。この場合、洗濯機1は、携帯端末との間で、通信などを介して、表示のためのデータ、表示された操作キーに対する操作結果を表すデータなどをやり取りすることができる構成とすればよい。
エラーの分類については、E系エラー、C系エラーおよびお知らせ系エラーの3つに分類するものに限らず、これよりも粗く分類してもよいし、これよりも細かく分類してもよい。
エラー画面に表示される閉じるキー39、42、47に代えて、それらと同様の機能を有する物理的な操作キーを操作パネル5外などに設けてもよい。
【0116】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
図面中、1は洗濯機(衣類処理装置)、4は制御装置(制御部)、5は操作パネル(操作表示器)、20は表示部、ドアロックアイコン32(ステータス情報)、チャイルドロックアイコン33(ステータス情報)、34~37、40、41、43、44、48~50、53、54は領域(情報表示領域)、38、51、55は運転再開キー、39、42、47は閉じるキー、52は冷却脱水実行キー(解消運転実行キー)を示す。