(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-08
(45)【発行日】2024-07-17
(54)【発明の名称】乗物シート用フレーム
(51)【国際特許分類】
B60N 2/68 20060101AFI20240709BHJP
F16B 7/20 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B60N2/68
F16B7/20 C
(21)【出願番号】P 2019049636
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2021-09-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】深津 俊明
(72)【発明者】
【氏名】森下 高宏
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】澤崎 雅彦
【審判官】中村 則夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-168622(JP,A)
【文献】特開2000-237893(JP,A)
【文献】特開2014-73690(JP,A)
【文献】実開平3-36385(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/68
A47C 7/00 - 7/74
F16B 7/00 - 7/22
B23K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用シートに用いられるフレームにおいて、
金属製のパイプ材にて構成されたフレーム本体であって、当該パイプ材の一端側と他端側とが溶接されて閉曲線を描くように湾曲したフレーム本体と、
前記パイプ材の一端側に設けられ、当該パイプ材の他端側に挿入された挿入部と、
前記パイプ材の他端側のうち前記挿入部が挿入された部位を被挿入部としたとき、前記挿入部の外周面及び前記被挿入部の内周面のうち少なくとも一方の周面に設けられた連通部であって、他方の周面から離間して前記パイプ材の内外を連通させる隙間を構成する連通部と、
前記連通部が設けられていない部位に設けられた溶接ビード部であって、前記挿入部と前記被挿入部と
を溶接する溶接ビード部とを備え
、
前記隙間を介して前記パイプ材の内外が常に連通している乗物シート用フレーム。
【請求項2】
前記挿入部は、前記パイプ材の外形寸法未満の外形寸法を有する円筒状の部位であり、
前記連通部は、前記挿入部の外周面に設けられた部位であって、円筒外周面から内方側に凹んだ部位にて構成されている請求項1に記載の乗物シート用フレーム。
【請求項3】
前記パイプ材のうち、前記挿入部及び前記被挿入部以外の部位を本体部としたとき、
前記連通部は、前記挿入部及び前記本体部に跨るように、前記挿入部と前記本体部との境界を越えて当該本体部まで延びている請求項2に記載の乗物シート用フレーム。
【請求項4】
前記連通部の延び方向と直交する方向を幅方向としたとき、前記連通部の延び方向本体部側には、当該本体部に近づくほど幅方向寸法が拡大するテーパ部が設けられている請求項3に記載の乗物シート用フレーム。
【請求項5】
前記パイプ材の内周面には、当該パイプ材の長手方向に沿って延びる溶接ビード部が設けられており、
前記連通部は、前記溶接ビード部と対向する位置にある請求項2ないし4のいずれか1項に記載の乗物シート用フレーム。
【請求項6】
前記連通部に対して周方向にずれた部位には、第2の連通部が設けられており、
前記第2の連通部は、前記挿入部の外周面及び前記被挿入部の内周面のうち少なくとも一方の周面に設けられ、他方の周面から離間して前記パイプ材の内外を連通させる隙間を構成する部位である請求項5に記載の乗物シート用フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物用シートに用いられるフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のバックフレームは、パイプ材の一端側(以下、挿入部という。)が他端側(以下、被挿入部という。)に挿入されて閉曲線を描くように湾曲したフレーム本体を有して構成されている。そして、挿入部の一部は、被挿入部に溶接されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレーム本体に溶接が施行されると、パイプ材にて構成されたフレーム本体内の温度が上昇し、当該フレーム本体内の圧力が過度に上昇してしまうおそれがある。
本開示は、上記点に鑑み、フレーム本体内の圧力が過度に上昇してしまうことを抑制可能な乗物シート用フレームの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
乗物用シートに用いられるフレームは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
すなわち、当該構成要件は、金属製のパイプ材(11)にて構成されたフレーム本体(5A)であって、当該パイプ材(11)の一端側と他端側とが溶接されて閉曲線を描くように湾曲したフレーム本体(5A)と、パイプ材(11)の一端側に設けられ、当該パイプ材(11)の他端側に挿入された挿入部(12)と、パイプ材(11)の他端側のうち挿入部(12)が挿入された部位を被挿入部(13)としたとき、挿入部(12)の外周面及び被挿入部(13)の内周面のうち少なくとも一方の周面(12A)に設けられた連通部(14)であって、他方の周面(13A)から離間してパイプ材(11)の内外を連通させる隙間(16A)を構成する連通部(14)とである。
【0006】
これにより、当該乗物シート用フレームは、隙間(16A)を介してパイプ材(11)の内外が連通した構成となるので、パイプ材(11)の内圧が過度に上昇してしまうことが抑制される。
【0007】
なお、当該乗物シート用フレームは、以下の構成であってもよい。
すなわち、挿入部(12)は、パイプ材(11)の外形寸法未満の外形寸法を有する円筒状の部位であり、連通部(14)は、挿入部(12)の外周面に設けられた部位であって、円筒外周面から内方側に凹んだ部位にて構成されていることが望ましい。これにより、当該乗物シート用フレームを製造する者は、挿入部(12)及び連通部(14)を容易に製造でき得る。
【0008】
パイプ材(11)のうち、挿入部(12)及び被挿入部(13)以外の部位を本体部(11B)としたとき、連通部(14)は、挿入部(12)及び本体部(11B)に跨るように、挿入部(12)と本体部(11B)との境界を越えて当該本体部(11B)まで延びていることが望ましい。これにより、パイプ材(11)の内圧が上昇した際に、パイプ材(11)内の気体は、確実に外部に排出される。
【0009】
連通部(14)の延び方向と直交する方向を幅方向としたとき、連通部(14)の延び方向本体部(11B)側には、当該本体部(11B)に近づくほど幅方向寸法が拡大するテーパ部(14A)が設けられていることが望ましい。これにより、パイプ材(11)の内圧が上昇した際に、パイプ材(11)内の気体は、確実に外部に排出される。
【0010】
パイプ材(11)の内周面には、当該パイプ材(11)の長手方向に沿って延びる溶接ビード部(11A)が設けられており、連通部(14)は、溶接ビード部(11A)と対向する位置にあることが望ましい。これにより、例えば、溶接ビード部(11A)が挿入部(12)と干渉することが回避され得るので、挿入作業性が低下することが抑制され得る。挿入作業性とは、作業者(作業機械も含む。)が挿入部(12)を被挿入部(13)に挿入する際の作業性をいう。
【0011】
連通部(14)に対して周方向にずれた部位には、第2の連通部(15)が設けられており、第2の連通部(15)は、挿入部(12)の外周面及び被挿入部(13)の内周面のうち少なくとも一方の周面(12A)に設けられ、他方の周面(13A)から離間してパイプ材(11)の内外を連通させる隙間(16B)を構成する部位であることが望ましい。これにより、パイプ材(11)の内圧が上昇した際に、パイプ材(11)内の気体は、確実に外部に排出される。
【0012】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る乗物用シート及び乗物シート用フレームを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るパイプ材を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る挿入部及び被挿入部の嵌合を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る挿入部及び被挿入部の嵌合を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る挿入部及び被挿入部の嵌合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
【0015】
本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート(以下、乗物用シートという。)に本開示に係る乗物シート用フレームが適用された例である。各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び部材又は部位の形状等を理解し易くするために記載したものである。
【0016】
したがって、当該乗物シート用フレームは、各図に付された方向に限定されるものではない。各図に示された方向は、本実施形態に係る乗物用シートが車両に組み付けられた状態における方向である。斜線が付された図は断面図を示すものではない。
【0017】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された乗物シート用フレームは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素を備える。
【0018】
(第1実施形態)
1.乗物用シートの概要
図1に示される乗物用シート1は、車両の後部座席に用いられる乗物用シートである。シートバック3は着席者の背部を支持するための部位である。当該シートバック3は、第1シートバック3A及び第2シートバック3B等を有する。
【0019】
第1シートバック3Aと第2シートバック3Bとは、シート幅方向に直列に並んで配置さている。具体的には、第2シートバック3Bは、第1シートバック3Aの左側に配置されている。バックフレーム5はシートバック3の骨格を構成する。
【0020】
当該バックフレーム5は、乗物シート用フレームの一例であって、第1フレーム本体5A及び第2フレーム本体5B等を有して構成されている。第1フレーム本体5Aは第1シートバック3Aの骨格を構成する。第2フレーム本体5Bは第2シートバック3Bの骨格を構成する。
【0021】
シートバック3、つまりバックフレーム5の下端側は、第1ヒンジブラケット7、第2ヒンジブラケット8及びタワーブラケット10等を介して乗物のフロアパネル(図示せず。)等に固定されている。
【0022】
2.フレーム本体の構造
以下の説明は、第1フレーム本体5Aについての説明である。なお、第1フレーム本体5Aと第2フレーム本体5Bとは、同一の構造を有する構造体である。このため、以下の説明では、第2フレーム本体5Bの説明は省略されている。
【0023】
<フレーム本体の概要>
第1フレーム本体5A(以下、フレーム本体5Aと略す。)は、金属製のパイプ材11にて構成されたフレームであって、当該パイプ材11の一端側と他端側と(
図1のA部)が溶接されて閉曲線を描くように湾曲したフレームである。
【0024】
つまり、本実施形態に係るフレーム本体5Aは、1本のパイプ材11が矩形枠状に曲げられて構成されたものである。当該パイプ材11はシーム管である。このため、パイプ材11の内周面のうち継ぎ目に相当する部位には、溶接ビード部11A(
図2参照)がある。
【0025】
溶接ビード部11Aは、継ぎ目が溶接される際に発生する部位であって、パイプ材11の内周面から突出して当該パイプ材11の長手方向に沿って延びる突条である。パイプ材11の一端側及び他端側は、
図3及び
図4に示されるように、一端側が他端側に挿入されている。
【0026】
以下、パイプ材11の一端側のうち当該パイプ材11の他端側に挿入された部位を挿入部12いう。パイプ材11の他端側のうち挿入部12が挿入された部位を被挿入部13という。
【0027】
<挿入部及び被挿入部の構成>
挿入部12には、
図5に示されるように、第1連通部14及び第2連通部15等が少なくとも設けられている。第1連通部14及び第2連通部15は、
図3に示されるように、挿入部12の外周面12A及び被挿入部13の内周面13Aのうち少なくとも一方の周面(本実施形態では、挿入部12の外周面12A)に設けられている。
【0028】
第1連通部14及び第2連通部15は、
図6に示されるように、他方の周面(本実施形態では、被挿入部13の内周面13A)から離間してパイプ材11の内外を連通させる隙間16A、16Bを構成する部位である。
【0029】
隙間16A(以下、第1隙間16Aという。)は、第1連通部14と内周面13Aとの間に構成される空間である。隙間16B(以下、第2隙間16Bという。)は、第2連通部15と内周面13Aとの間に構成される空間である。
【0030】
本実施形態では、第1連通部14は、溶接ビード部11Aと対向する位置に設けられている。第2連通部15は、第1連通部14に対して周方向に(本実施形態では、約180°)ずれた部位に設けられている。
【0031】
挿入部12は、
図3~
図5に示されるように、パイプ材11の外形寸法未満の外形寸法を有する円筒状の部位である。なお、挿入部12は、パイプ材11にスェージンング加工等の塑性加工が施されて当該パイプ材11に一体成形された一体成形部である。
【0032】
第1連通部14は、挿入部12の外周面12Aに設けられた部位であって、円筒外周面から内方側に凹んだ部位にて構成されている。具体的には、第1連通部14は、挿入部12が成形される際に、又は挿入部12の成形後に、挿入部12の一部が円筒外周面から内方側に押圧されて成形された一体成形部である。
【0033】
「円筒外周面から内方側に凹んだ部位」とは、例えば、挿入部12のうち第1連通部14及び第2連通部15が設けられていない部位に比べて、内周面13Aから距離が大きくなる部位をいう(
図6参照)。
【0034】
第1連通部14及び第2連通部15は、
図4及び
図5に示されるように、挿入部12及び本体部11Bに跨るように、挿入部12と本体部11Bとの境界を越えて当該本体部11Bまで延びている。
【0035】
なお、本体部11Bとは、パイプ材11のうち、挿入部12及び被挿入部13以外の部位をいう。換言すれば、本体部11Bとは、パイプ材11のうち、挿入部12の外周直径寸法又は被挿入部13の内周直径寸法より大きい外周直径を有する部位をいう。したがって、直径寸法が徐変する部位は本体部11Bの一部である。
【0036】
第1連通部14の延び方向本体部11B側には、
図4に示されるように、当該本体部11Bに近づくほど幅方向寸法Wが拡大するテーパ部14Aが設けられている。幅方向とは、第1連通部14の延び方向及び当該第1連通部14におけるパイプ材11の直径方向(
図4の紙面と直交する方向)と直交する方向である。
【0037】
第2連通部15は、第1連通部14と略相似形状(合同形状も含む。)である。このため、本実施形態に係る第2連通部15は、挿入部12と本体部11Bとの境界を越えて当該本体部11Bまで延びているとともに、テーパ部15Aが設けられている。
【0038】
なお、挿入部12と被挿入部13とは溶接されている。具体的には、当該溶接による溶接ビード部は、挿入部12のうち第1連通部14及び第2連通部15が設けられていない部位であって、溶接ビード長さが所定の要件を満たす範囲にある。
【0039】
3.本実施形態に係る乗物シート用フレーム(特に、挿入部及び被挿入部)の特徴
挿入部12の外周面及び被挿入部13の内周面のうち少なくとも一方の周面12Aには、他方の周面13Aから離間してパイプ材11の内外を連通させる隙間16Aを構成する第1連通部14が設けられている。
【0040】
つまり、本実施形態に係るフレーム本体5Aでは、少なくとも第1隙間16Aを介してパイプ材11の内外が連通しているので、パイプ材11の内圧が過度に上昇してしまうことが抑制される。
【0041】
第1隙間16Aを構成する第1連通部14は、挿入部12の円筒外周面から内方側に凹んだ部位にて構成されている。これにより、フレーム本体5Aを製造する者は、挿入部12及び第1連通部14を容易に製造でき得る。
【0042】
なお、第2隙間16Bを構成する第2連通部15も第1連通部14と同様に、挿入部12の円筒外周面から内方側に凹んだ部位にて構成されている。これにより、フレーム本体5Aを製造する者は、挿入部12及び第1連通部14を容易に製造でき得る。
【0043】
第1連通部14は、挿入部12及び本体部11Bに跨るように、挿入部12と本体部11Bとの境界を越えて当該本体部11Bまで延びている。これにより、パイプ材11の内圧が上昇した際に、パイプ材11内の気体は、確実に外部に排出される。
【0044】
なお、第2連通部15も第1連通部14と同様に、挿入部12及び本体部11Bに跨るように、挿入部12と本体部11Bとの境界を越えて当該本体部11Bまで延びている。これにより、パイプ材11の内圧が上昇した際に、パイプ材11内の気体は、確実に外部に排出される。
【0045】
第1連通部14の延び方向本体部11B側には、当該本体部11Bに近づくほど幅方向寸法が拡大するテーパ部14Aが設けられている。これにより、テーパ部14Aがディフィーザと同様な機能を発揮し得るので、パイプ材11の内圧が上昇した際に、パイプ材11内の気体は、確実に外部に排出される。
【0046】
なお、第2連通部15にも第1連通部14と同様なテーパ部14Aが設けられている。これにより、パイプ材11の内圧が上昇した際に、パイプ材11内の気体は、確実に外部に排出される。
【0047】
第1連通部14は、溶接ビード部11Aと対向する位置にある。これにより、例えば、溶接ビード部11Aが挿入部12と干渉することが回避されるので(
図6参照)、挿入作業性が低下することが抑制され得る。
【0048】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る乗物シート用フレームは、車両の後部座席に用いられる乗物用シートのシートバックに適用した例であった。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、例えば、その他の乗物用シートのシートバック若しくはシートクッションに用いられるフレーム、又はその他のパイプの接合構造にも適用可能である。
【0049】
上述の実施形態に係るパイプ材11は、継ぎ目があるシーム管であった。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、例えば、継ぎ目のないシームレス管をパイプ材11とするフレーム本体5Aであってもよい。
【0050】
上述の実施形態では、第1連通部14及び第2連通部15が設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、例えば、第1連通部14及び第2連通部15のうちいずれか一方の連通部が設けられた構成、又は3つ以上の連結部が設けられた構成であってもよい。
【0051】
上述の実施形態に係る第1連通部14及び第2連通部15は、挿入部12の円筒外周面から内方側に凹んだ部位にて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、被挿入部13が外方側に膨出した部位にて第1連通部14及び第2連通部15のうち少なくとも一方の連通部が構成されていてもよい。
【0052】
上述の実施形態に係る第1連通部14及び第2連通部15は、挿入部12の円筒外周面から内方側に凹んで平坦状に構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、平坦状以外の形状にて構成された第1連通部14及び第2連通部15であってもよい。
【0053】
上述の実施形態に係るフレーム本体5Aは、1本のパイプ材11が矩形枠状に曲げられ構成であった。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、例えば、1本のパイプ材11が円形枠状に曲げられ構成、又は複数のパイプ材11が繋がれて閉曲線を描く構成であってもよい。
【0054】
上述の実施形態に係る第1連通部14は、溶接ビード部11Aに対向する位置に設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。上述の実施形態では、第2連通部15は、第1連通部14に対して周方向に略180°ずれていた。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。
【0055】
上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されるものではなく、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
【0056】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成でもよい。
【符号の説明】
【0057】
1… 乗物用シート 3… シートバック 5… バックフレーム
5A… フレーム本体 11… パイプ材 11A… 溶接ビード部
11B… 本体部 12… 挿入部 14… 第1連通部
15… 第2連通部